JPH04286194A - 電磁波シールド用金属線 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子機器、通信機器、Ｏ
Ａ機器等から発生する電磁波を遮蔽するために使用する
電磁波シールド材又は帯電防止材として好適な電磁波シ
ールド用金属線に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、エレクトロニクス産業の急速な発
展に伴い、各種の無線機器や電子機器から発生する電磁
波障害やＩＣ等電子機器部品における静電気障害への対
策が強く求められている。例えばテレビの画像障害、コ
ンピューター、データ処理装置やＯＡ電子機器の誤動作
による危険性や人体への悪影響等問題となっており、こ
の対策について各国で法規制化されつつある。

【０００３】かかる電磁波障害を解消するため、従来の
電磁波シールド材料に用いる導電性素材としては導電性
塗料、導電性樹脂、ニッケルや銅、ステンレス等の金属
繊維或はニッケル、銅、銀等の金属を合成繊維表面にめ
っきした金属めっき繊維等が使用され、他の繊維と共に
不織布や編織物に加工したり、合成樹脂中にフィラーと
して混入し、電磁波シールド材として用いられている。

【０００４】例えば実開昭６３−１５７９９９号（電磁
波シールドシート）や実開昭６２−１９６３９９号（電
磁波シールド内装材）がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術につい
ては、更に解決が必要とされる問題点がある。例えば金
属めっきした合成繊維はめっき前処理工程が複雑でコス
ト高となり、又めっきの密着性も十分でなく、合成樹脂
繊維との混合による不織布では、密度ムラ等により、シ
ールド効果にバラツキを生じ易いという欠点があり、又
、導電率が低いので十分な電磁シールド効果が得られに
くいという問題がある。

【０００６】又、金属線として用いられる銅線、銅繊維
は導電率が大で、電界シールド特性は良いが酸化し易い
欠点があり、徐々にその抵抗が増大して効果が低下する
という問題があり、更に、強度が小さいので単線で織込
む為には太径の銅線が必要で細線を使用する場合は、断
線し易いため他の繊維と撚り合わせて製織しなければな
らない等の欠点がある。

【０００７】又、ステンレス鋼線は強度が高く、単線で
使用できるが難加工性のため加工コストが高くつくとい
う不利があり、硬く、織物には不向きである。又、ステ
ンレス線は抵抗率が高いため電磁波の電界成分の遮蔽性
を得るには、多量に配合する必要があり、成型性が悪く
なるという欠点がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の金属細線
が有する問題点を解消し、且つ電磁波シールド特性に優
れ、加工性がよく安価であり、表面に銅又はニッケル、
ニッケル合金等のニッケルめっき層或は銅＋ニッケル又
はニッケル合金等のニッケルめっき層の二重めっき層が
施された炭素量が０．０２％以下の線径１５〜１００μ
の鉄線よりなる極細の電磁波シールド用金属線を提供す
る。

【０００９】即ち本発明に用いる金属線としては、図１
に示す様に炭素含有量が０．０２％以下の純鉄線材１が
用いられ、焼鈍、伸線加工により適度に細径化したのち
、この鉄線を７５０℃前後、Ｎ２ガス雰囲気中で焼鈍後
にその表面にめっき処理により断面積比で２〜３０％の
銅又はニッケル、ニッケル合金等のニッケルめっき層２
を形成するか、或は図２に示す様に銅めっき３＋ニッケ
ル又はニッケル合金等のニッケルめっき層４の二重めっ
き層を形成した後、更に湿式連続伸線機により伸線する
ことにより、銅めっき層０．０５〜５μ、ニッケル又は
ニッケル合金めっき層が０．０５〜２μを表層に有する
仕上り線径１５〜１００μの鉄線が使用される。

【００１０】炭素含有量が０．０２％以下の鉄線は伸線
加工時の加工硬化が少ないので、一度に高減面率の伸線
加工が可能になり、最終伸線工程前の熱処理ならびにめ
っきを比較的太径で処理することができる。

【００１１】従って、特に０．１ｍｍ以下の極細線に加
工する場合、ステンレス鋼線、炭素鋼線に比べ加工コス
トを大巾に低減できる利点がある。又、伸線加工後の線
は柔軟性に富み、製織作業性、ウエブ形成時開繊性が良
好である。

【００１２】尚、上記めっき処理により被覆された銅又
はニッケル等のめっき層は極細線の導電性及び伸線加工
性を改良するためのもので、厚さが線の全断面積比で２
％未満では導電性が不足し、３０％を超えても導磁波シ
ールド特性の向上に寄与せず高価となる。

【００１３】また表層となるニッケル又はニッケル合金
等のニッケルめっき層は耐食性が良好で透磁率が大きい
ので磁気シールド性を改善する効果があり、仕上り線材
のニッケルめっき層の厚さは０．０５μ以上で耐食性、
電磁波シールド特性が改善され、２μを超えるとそれ以
上の効果は期待出来ず、また高価となる。

【００１４】何れにしても銅、ニッケル等のめっきを施
すことにより加工性が一段と向上し、製織性、シールド
特性にすぐれた金属線が安価に得られる。

【００１５】この様にして形成された純鉄線材よりなる
電磁波シールド用金属線は筐体、パッキング材、電線被
覆材などの電子機器関連シールド材、シールドルーム、
ＯＡルーム等の床材、壁材、天井材に用いる建材関連シ
ールド材、電磁波障害予防の為の電磁シールド衣服、電
波反射体、電極、静電気除去等の多数の用途に、ステー
プル又は連続フィラメント、糸の形等で樹脂シートのフ
ィラー、複合材又は編織布、不織布等に単独又は他の化
学繊維と共に混入形成したシート状態として利用される
。

【００１６】

【作用】本発明の電磁波シールド用金属線はテープや編
織布や不織布に混入し、電磁波シールド材、制電材とし
て利用することにより、優れた電磁波シールド効果が得
られる。また、従来の非めっき金属線に比べ、銅、ニッ
ケル等を被覆したことによる伸線加工性が良好で細線化
し易く、極細伸線加工が可能となり、製織作業性が良く
なる。以下、本発明の１実施例を詳細に説明する。

【００１７】

【実施例１】線径５．５ｍｍの純鉄線材（Ｃ：２０ＰＰ
Ｍ、Ｓｉ：０．０００６％、Ｍｎ：０．０００８％、Ｐ
：０．００１％、Ｓ：０．０００７％、残部が鉄および
不可避的不純物よりなる）を用い、焼鈍、伸線により線
径０．６ｍｍに加工した。この鉄線を７００℃、Ｎ２ガ
ス雰囲気中で焼鈍後、ワット浴を用いた電気めっき法に
より、表面に厚さ７μのニッケルめっき層を形成した。

【００１８】次に、このめっき純鉄線を湿式連続伸線機
により０．０４ｍｍまで伸線加工を行なった。伸線後の
めっき厚さは０．４３μであった。このニッケルめっき
純鉄線をそれぞれ５０本／２５ｍｍの割合でポリエステ
ル繊維織物中に混入した織物を製織した。

【００１９】

【実施例２】実施例１と同じ炭素含有量が２０ＰＰＭの
純鉄線材を使用し、焼鈍、伸線加工により線径０．９ｍ
ｍとした。この鉄線を７５０℃、Ｎ２ガス雰囲気中で焼
鈍後硫酸銅浴を用いて電気めっき法により厚さ２０．５
μの銅めっき層、更にワット浴を用いた電気めっき法に
より前記銅めっき層上に厚さ１０μのニッケルめっき層
を形成した。

【００２０】次にこの二重めっき線を湿式連続伸線機に
かけて線径が０．０４ｍｍとなるまで伸線加工した。こ
の伸線後の二重めっき層純鉄線に於けるめっき厚さは銅
０．９０μ、ニッケル０．３８μであった。この線材を
縦横それぞれ５０本／２５ｍｍの割合でポリエステル繊
維織物に混入し織物を製織した。

【００２１】

【実施例３】線径５．５ｍｍの鉄線材（Ｃ：０．０１％
、Ｓｉ：０．０１％、Ｍｎ：０．２０％、Ｐ：０．００
５％、Ｓ：０．００５％、残部が鉄及び不可避的不純物
よりなる）を用い、焼鈍、伸線加工により線径０．６ｍ
ｍまで加工した。この鉄線を７００℃、Ｎ２ガス雰囲気
中で焼鈍後、硫酸銅浴を用いて電気めっき法により、そ
の表面に厚さ１５μの銅めっき層を形成した。この銅め
っき鉄線を湿式連続伸線機により０．０４ｍｍまで伸線
した。伸線後のめっき厚さは０．９６μであった。この
銅めっき鉄線を縦横それぞれ５０本／２５ｍｍの割合で
ポリエステル繊維織物中に混入し織物を製織した。

【００２２】

【実施例４】実施例２と同一の銅０．９μ、ニッケル０
．３８μの二重めっき層を表面に有する線径０．０４ｍ
ｍの鉄線を使用し、長さ５０ｍｍに切断してステープル
繊維となし、この繊維と３ｄ×５１ｍｍのポリエステル
繊維及び６ｄ×５１ｍｍの熱接着性ポリエステル繊維と
の混合比を４０：３０：３０の割合で混合し、ウエブ形
成機により目付７０ｇ／ｍ２のウエブを形成し、加熱、
加圧ロールを通過させて熱接着し、めっき金属繊維混入
不織布を形成して電磁波シールド材とした。

【００２３】

【比較例１】線径０．０４ｍｍの銅線を用い、縦横それ
ぞれ５０本／２５ｍｍの割合でポリエステル繊維織物中
に混織し織物を製織した。

【００２４】

【比較例２】線径０．０４ｍｍのステンレス鋼線（ＳＵ
Ｓ３１６Ｌ）を用い、縦横それぞれ５０本／２５ｍｍの
割合でポリエステル繊維織物中に混織して織物を製織し
た。

【００２５】上記各実施例および比較例で製織した織物
について、アドバンテスト法により１０００ＭＨｚまで
の電界、磁界シールド効果を測定した周波数５００ＭＨ
ｚでのシールド効果を表１に示す。

【００２６】

【表１】

【００２７】

【発明の効果】本発明は上記の如く、純鉄線表面に導電
性又は透磁性の良い銅又はニッケルめっき層又は銅＋ニ
ッケルの二重めっき層を形成し、極細線に伸線加工を施
したことにより柔軟性に富み、織物や不織布又はフイラ
ーとしての加工が容易であり、電子機器、建材関係、電
波反射体、制電材等の各種の電磁波シールド材として優
れたシールド効果を示す。また、表面にめっき層を形成
したことにより伸線加工が容易となり、安価に極細線が
得られるという利点がある。更に製織時の作業性も良好
となる等の効果を有する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電磁波シールド用金属線の横断面図で
ある。

【図２】本発明の他の実施例を示す電磁波シールド用金
属線の横断面図である。

【符号の説明】

１　　純鉄線材 ２　　銅又はニッケル又はニッケル合金めっき層３　　
銅めっき層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　表面に銅又はニッケルめっき層、又は
   銅＋ニッケルの二重めっき層を有する炭素含有量が０．
   ０２％以下、線径１５〜１００μの鉄線よりなることを
   特徴とする電磁波シールド用金属線。
2. 【請求項２】　　銅又はニッケルめっき層の厚さが銅０
   ．０５〜５μ、ニッケル０．０５〜２μである請求項１
   記載の電磁波シールド用金属線。
3. 【請求項３】　　請求項１記載の鉄線の化学成分がＣ≦
   １００ＰＰＭ、Ｓｉ≦０．００５％、Ｍｎ≦０．０１％
   、Ｐ≦０．００５％、Ｓ≦０．００５％、残部が鉄より
   なる純鉄線を用いることを特徴とする電磁波シールド用
   金属線。