JPH04249237A - 背面投射スクリーン面上のスクラッチ又は欠陥を隠ぺいする方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特定の光拡散性粒子を
その中に含有するプラスチックのシートを使用すること
による、背面投射型スクリーン、例えば、ＴＶスクリー
ン、背面投射型スライド、液晶ディスプレイスクリーン
（ＬＣＤ）または薄層電飾シート中スクラッチまたは欠
陥の隠ぺい方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年のテレビ技術においては、陰極線管
の内部が真空であるため、ブラウン管用スクリーンのサ
イズは、大スクリーン型ＴＶにおいても５０インチ未満
のサイズに抑えられている。これより大きなＴＶスクリ
ーンは、背面投射型ディスプレイとして使用することが
できる。投射型ディスプレイとしては、背面投射型と前
面投射型との２つの形がある。スライドは一般に前面投
射型として使用され、そのスクリーンとして白い布製ま
たは白いプラスチック製スクリーンが普通使用されてい
る。半透明のシートが使用されるときには、背面投射を
スライドを見る際に使用することも可能である。更にＬ
ＣＤ技術分野の近年の開発により、種々の液晶ディスプ
レイがエレクトロニクスの分野において使用されるよう
になってきた。それらは、時計、携帯用電卓、パーソナ
ルコンピューター、ワードプロセッサーまたはデータタ
ーミナルその他の情報およびＯＡ関連機器等の表示パネ
ルである。最近は、大型スクリーンカラーＴＶディスプ
レイまたはカラービデオディスプレイにＬＣＤが使用さ
れている。これらのＬＣＤスクリーンは、バックライト
またはエッジライト系を用いる。

【０００３】日本特許公開昭６３−１３７９１１および
公開平１一２９２０６４は、半透明である、すぐれた光
透過性のプラスチックシートを開示している。更に背面
投射型スクリーンとして光拡散性組成物を使用すること
も、これらの特許に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】これまで述べてきた
各種映像用スクリーンまたはディスプレイは、これらス
クリーンまたはディスプレイが素材のシートの面にスク
ラッチまたは欠陥を有する場合には、映像に影が生じた
り暗くなる。従って、投射型映像スクリーンのためのこ
れらの材料の供給に際して細心の取扱いが要求される。 本発明者らは、日本特許公開昭６３−１３７９１１およ
び公開平１−２９２０６４に開示されている光拡散性組
成物が、映像をスクリーン上に投射する時その面上のス
クラッチまたは欠陥を隠ぺいすることを見出した。本発
明は、ＬＣＤ用スクリーン、陰極線管ＴＶスクリーン用
スクリーンカバーまたはエッジライト方式の薄型電飾板
光拡散シートとしてこの光拡散性組成物を使用すること
に関する。

【０００５】

【本発明が解決しようとする手段】そこで本発明者等は
、日本特開昭６３−１３７９１１および特開平１−２９
２０６４に開示された重合体組成物からなるプラスチッ
クシートは、そのプラスチックシートの面にスクラッチ
や欠陥があっても投射される映像にも何等の影響を及ぼ
さない事を発見した。

【０００６】一般に、如何なる物質もその表面にスクラ
ッチや欠陥があれば、それはスクラッチや欠陥の付近に
おいて光の散乱効果を変化させる。スクラッチや欠陥の
部位によって明または暗映像となって見えてくる。スク
ラッチまたは欠陥を通過する光はさまざまに後方散乱さ
れるから、そのような映像は典型的な拡散物質を通して
、視覚され得る。

【０００７】このようにしてスクリーンの残りの部分よ
り明るいかまたは暗いスクラッチまたは欠陥の映像が生
じ、それが観察者に見える。日本特許公開昭６３−１３
７９１１および公開平１−２９２０６４に開示されてい
る重合体組成物よりなるシートは、光を有意には後方散
乱させず、光を効率よく拡散し、スクラッチまたは欠陥
の映像は、広がるので観察者から隠ぺいされる。背面投
射型スクリーンまたはバックライト形ＬＣＤスクリーン
用拡散性シートとして該ポリマー組成物を使用すること
は、このようなスクリーン製造業者にとって利益となる
。多少のスクラッチまたは欠陥は隠ぺいされ、観察者に
よって容易には感知され得ないため、不合格率が低下す
るのでこのような製品の生産性を増大させることができ
る。特に最近のＬＣＤディスプレイまたはカラーＴＶは
、いかなるスクラッチまたは欠陥も許容することができ
ない。従って、本発明は大きな意義を有する。

【０００８】次に、本発明中使用される光拡散材につい
て以下説明する。このシートにおいては、マトリックス
として合成樹脂が使用される。本発明中使用される合成
樹脂の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂；オレフィン−酢酸ビニル共重合体；ポ
リメチル（メタ）アクリレート等のポリアルキル（メタ
）アクリレート；塩化ビニル樹脂；ポリエステル；ナイ
ロン等のポリアミド樹脂；ポリカーボネート；ポリスチ
レン；スチレン／アクリロニトリル共重合体；ポリビニ
リデンフルオライドおよびポリスルホンおよびフェノー
ル系樹脂単独または組合せまたは共重合体としてのもの
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。前記
の合成樹脂は、好ましくは熱抵抗性および衝撃抵抗性を
有する。

【０００９】本発明のシートは、前記の合成樹脂より構
成されるマトリックス中に光拡散剤が含有されることを
特徴とする。光拡散剤としては、適切な光透過性および
すぐれた光放散（ｄｉｆｆｕｓｉｏｎ）特性のゆえに有
機重合体化合物が好ましく、その特定の例は、アルキル
（メタ）アクリレート型樹脂、スチレン型樹脂等のモノ
ビニルアレーン型樹脂およびビニルカルボキシレート樹
脂を包含する。これらの光拡散剤は、単独重合体、共重
合体または混合物、また重層剤であってよい。好ましく
はアルキルアクリレート型樹脂であり、更に前記の樹脂
の層によってカバーされているこのようなアルキルアク
リレート樹脂のコアよりなるものが一層好ましい。後者
の例は、日本特許公開昭６３−１３７９１１および公開
平１−２９２０６４に開示されている粒子状重合体組成
物である。

【００１０】使用される光拡散剤粒子は一般に、実質的
に球形で、その平均粒径は０．１〜５００μｍの範囲で
ある。ここで「平均粒径」とは、ナノサイザー（Ｎａｎ
ｏｓｉｚｅｒ）で測定した平均粒径をいう。加えて、粒
子の少なくとも９０重量％が、平均粒径の±２０％内に
収まるような粒径分布を有しているのが好ましい。光拡
散剤の屈折率（Ｎｄ）は、良好な分散特性を得るために
、前記のマトリックス合成樹脂の屈折率（Ｎｍ）と次の
相関を有することが好ましい： ０．００３≦１Ｎｍ−Ｎｄ１≦０．２　　（Ｉ）（ただ
し、ここでいう「屈折率」とは、ｎ２５Ｄである） 上述した光分散剤粒子は、前記の合成樹脂（マトリック
ス）中に０．１〜４０重量％の範囲の量が配合される。 これらの粒子は、好ましくはマトリックス中に均一に分
散され、それによって良好な光分散特性が達成されるこ
とになる。

【００１１】特に好ましい合成樹脂およびその中に混合
分散された光拡散剤よりなる素材は、日本特許公開昭６
３−１３７９１１および公開平１−２９２０６４に開示
されている重合体組成物である。更に特定すると、この
重合体組成物は、熱可塑性または熱硬化性重合体組成物
であって、熱可塑性または熱硬化性マトリックス重合体
および組成物の全重量を基にして０．１〜４０重量％の
範囲の量がマトリックス中分散されている重合体粒子よ
りなり、重合体粒子は、２〜１５μｍの範囲の平均粒径
および粒子の少なくとも９０重量％が平均粒径の±２０
％に収まるような粒径分布を有しており、粒子は実質的
に球形である。重合体組成物が熱可塑性重合体マトリッ
クスを基材とした光散乱性組成物であり、そして球形重
合体粒子が組成物全重量の０．１〜１０重量％を成す場
合には、球形重合体粒子は、（コアの全重量を基準にし
て）０または５％までの交叉結合剤および０または５％
までのグラフト結合剤と共重合された、かつ屈折率（ｎ
２５Ｄ）がマトリックス重合体の屈折率（Ｎｍ）の±０
．２の範囲内にあるのが好ましくは屈折率（Ｎｍ）の±
０．００３の範囲外にある、ゴム状アルキルアクリレー
ト重合体（但し、アルキル基は２個〜８個の炭素原子を
有する）のコアと、少なくとも１層の重合体シェル（但
し、その最外層はマトリックス重合体と相溶性であり、
シェルは粒子の重量の５〜４０％を成す）とを有するコ
ア／シェル重合体粒子であるものがとりわけ好ましい。

【００１２】光拡散剤の粒子は、いずれの既知の方法に
従って合成樹脂と混合またはその中に分散させてよい。 例えば、次の方法を施用してよい：（１）押出機中合成
樹脂および光分散剤を捏和し、次にこの混合物を成形し
てシート体にすることよりなる方法；（２）共スプレイ
（ｃｏｓｐｒａｙ）法に従ってシートを成形する方法；
および（３）エマルジョン型合成樹脂および光拡散剤を
混合し、凝固剤を用いて両者を凝固させ、次に成型する
ことよりなる方法（米国特許第３，７５１，５２７号に
開示）。

【００１３】次に背面投射型ＴＶスクリーン、液晶ディ
スプレイおよびエッジライト方式の薄型電飾板に光拡散
組成物を用いる場合の本発明の実例を添付の図面を参照
しながら説明する。

【００１４】図１は背面投射型ＴＶスクリーンのカバー
シートに光拡散組成物シートを用いる場合の本発明を概
念的に説明するものであって、図中、１はカバーシート
としての光拡散組成物シート、２はスクリーン、３は陰
極線管（ＣＲＴ）、４はレンズ、５は鏡である。

【００１５】図２は液晶ディスプレイスクリーンに光拡
散組成物シートを用いる場合の本発明を概念的に説明す
るものであって、図中、１は光拡散組成物シート、６は
偏光板、７は電極、８は液晶である。

【００１６】また、図３はエッジライト方式の薄型電飾
板に光拡散組成物シートを用いる場合の本発明を概念的
に説明するものであって、図中、１は光拡散組成物シー
ト、９はアクリル樹脂板、１０は反射板、１１は光源で
ある。

【００１７】上述した実例中使用される光拡散性重合体
組成物は、次の実施例によって製造される。シートの厚
さは３ｍｍである。 （１）光拡散性重合体粒子の製造例

【表１】 次に、撹拌器および冷却器を備え、かつ窒素を封入した
反応器に混合物Ａを入れ、８７℃に加熱した。この撹拌
した反応器内容物に、混合物Ｂの７％および混合物Ｃの
すべてを加え、反応器内容物を３０分間撹拌した。次い
で、混合物Ｂの残りおよび混合物Ｄを、撹拌しながら９
０分間かけて加えた。反応器内容物を、撹拌しながら５
０分間８７℃に維持し、その後、得られた重合体乳濁液
（Ｉ）を室温まで冷却した。ナノサイザー（Ｎａｎｏｓ
ｉｚｅｒ）で測定したところ、得られた重合体（ブチル
アクリレートースチレン共重合体）の粒径は０．３μｍ
であることが見出された。

【００１８】ステップｂ 更に、次の水性混合物を製造した。

【表２】 混合物Ａを混合物Ｂと、ウォーリングブレンダー（Ｗａ
ｒｉｎｇ　　Ｂｌｅｎｄｅｒ）中にて３分間混合して乳
濁液を製造した。この乳濁液を、混合物Ｃが入っている
加圧式反応容器中に入れ、反応容器内容物を窒素封入下
で１時間撹拌した。反応容器を密封し、６８℃の水浴中
にて３時間振盪し、次いで室温に冷却した。得られた重
合体粒子は、粒径が約２μｍであった。

【００１９】ステップｃ 混合物Ｃが、ステップｂで製造された粒子懸濁液の２３
重量部であったこと以外は、ステップｂの操作を繰り返
した。得られた粒子は、約５μｍの粒径を有していた。

【００２０】ステップｄ 次の水性混合物を製造した。

【表３】 混合物Ａを、撹拌機および冷却器を備えかつ窒素を封入
した反応器中に秤収した。この反応器内容物を、６５℃
に加熱し、窒素封入下で撹拌した。混合物Ｂ、Ｃおよび
Ｄを、反応器中に９０分間かけてそれぞれ別々に加えた
。温度を５５℃に維持し、３０分間撹拌した。次いで、
反応器内容物を室温に冷却した。得られた粒子は、約５
μｍの粒径を有し、粒径２〜４μｍの粒子の数は約２０
％以下であり、非常に少数の粒子は０．５μｍ未満であ
った。かくして得られた光拡散剤（重層重合体）の重合
体粒子の屈折率（ｎ２５Ｄ）は１．４６であった。

【００２１】（２）光分散性樹脂組成物の製造（１）の
（ｄ）で得られた光拡散剤を、カルシウムハイポホスフ
ァイト（ｃａｌｃｉｕｍ　　ｈｙｐｏｐｈｏｓｐｈｉｔ
ｅ）凝固剤を用いて凝固させて水性懸濁液から単離し、
この薬剤５重量部を、約１２０，０００重量平均分子量
を有するポリ（メチルメタクリレート）の９５重量部と
、２３２℃において溶融混合した。なお、ここで、表面
層のマトリックスとして使用したポリ（メチルメタクリ
レート）の屈折率（ｎ２５Ｄ）は１．４９であった。

【００２２】共押出機を使用することによって上で製造
された光拡散性樹脂組成物を成型して３ｍｍの厚さを有
するシートとした。

【図面の簡単な説明】

【図１】スクリーンのカバーシートに光拡散組成物シー
トを用いた背面投射型ＴＶを示す。

【図２】スクリーンに光拡散組成物シートを用いた液晶
ディスプレイを示す。

【図３】光拡散組成物シートを用いたエッジライト方式
の薄型電飾板を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　背面投射型スクリーン用スクリーンカ
   バーとして、またはバックライトあるいはエッジライト
   方式の液晶ディスプレイのディスプレイボードとして半
   透明のシートを使用することにより背面投射系中スクリ
   ーン面上のスクラッチまたは欠陥隠ぺい方法であって、
   ０．１〜５ｍｍの厚さをもつ該半透明のシートが合成樹
   詣マトリックスおよび光拡散性重合体粒子よりなり、８
   ０％またはそれ以上の光透過度を有するものである上記
   の方法。