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JPH0418036A - 薬剤組成物 - Google Patents

薬剤組成物

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Publication number
JPH0418036A
JPH0418036A JP11954890A JP11954890A JPH0418036A JP H0418036 A JPH0418036 A JP H0418036A JP 11954890 A JP11954890 A JP 11954890A JP 11954890 A JP11954890 A JP 11954890A JP H0418036 A JPH0418036 A JP H0418036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitosan
drug
alkali
weight
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11954890A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Hashimoto
正憲 橋本
Teruko Imai
今井 輝子
Masaki Odagiri
優樹 小田切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP11954890A priority Critical patent/JPH0418036A/ja
Publication of JPH0418036A publication Critical patent/JPH0418036A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルカリ可溶性の低分子量キトサンと、アル
カリ不溶性の高分子量キトサンと、難溶性薬剤とを含有
する薬剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
一般に、難溶性医薬品と称される医薬品は水に対する溶
解性が極めて悪く、従って生体に経口投与した場合の吸
収速度が遅く、絶対的な吸収量も少ない場合が多い、従
って難溶性医薬品を水に溶は易くするために塩酸塩やナ
トリウム塩といった塩の形にしたり、水溶性のプロドラ
ッグにする試みがなされている。また製剤的見地から、
界面活性剤のような可溶化剤を添加したり、サイクロデ
キストリン等で包接化する試みがなされている。
また結晶レベルでは、原末を微粉化したり、非晶質化し
たりする試みがなされている。
しかし、これらの従来技術は医薬品それぞれで有効な方
法が異なるため、すべての医薬品に有効な方法とは言い
難く、特に難溶性医薬品の絶対的な吸収量を改善できて
も、必ずしも吸収速度の改善はできないのが現状である
。ところが、難溶性医薬品の中にはその薬理効果の面か
ら速効性を期待される医薬品も多く含まれており、吸収
量の面からのみではなく、吸収速度の面からも良好な経
口投与製剤が望まれている。
このような状況の中で、難溶性薬剤の吸収性の改善に種
々の高分子を利用することが検討されている。
高分子量のゼラチンを利用する方法として、特開昭57
−26615号には、難溶性薬剤と高分子量のゼラチン
等を共粉砕する方法が記載されている。しかし、この方
法は難溶性薬剤の吸収改善のために添加するゼラチン量
が多く、また製造法も共粉砕法に限られているという欠
点がある。
一方、カニやエビの甲殻から得られるキチンやキトサン
を製剤に利用する試みもなされている。
例えば特公昭63−28414号には、キチンおよび/
またはキトサンと、抗生物質および抗てんかん剤から選
ばれるいずれか1種の難溶性薬剤とを、薬剤の大部分が
非結晶化する程度に混合共粉砕し、薬剤の吸収速度およ
び吸収量を改善する方法が記載されている。しかし、こ
の方法は、低分子量のキトサンを開示しておらず、また
混合共粉砕には多大な時間と動力を要するとともに、製
剤工程が複雑化するという問題点がある。
また、キタサマイシンと各種高分子化合物とをロール混
合することにより、キタサマイシンの溶解速度を向上さ
せる方法が報告されており〔表面、26(5)336(
1988)) 、この中でキトサンは酢酸塩溶液として
用いるが、ポリビニルピロリドンの効果に比較すると劣
ったものとなっている。
そこで発明者らは特願昭63−285566号において
、難溶性薬剤の溶解度および溶出速度を改善し、しかも
湿式法、乾式法、共粉砕法、噴霧造粒法などの種々の製
剤法により製剤化できる薬剤組成物を提案している。こ
の薬剤組成物は重量平均分子量が500〜50X103
で、好ましくは、酸性はもちろん、中性ないしアルカリ
性の水に溶解する低分子量のキトサンと、難溶性薬剤と
からなる組成物である。
この薬剤組成物によれば、難溶性薬剤の溶解度および溶
出速度が改善されるので速効性の薬剤組成物は得られる
が、難溶性薬剤の溶出速度を任意に調節することはでき
ず、このため難溶性薬剤が速く溶出し、持続性の薬剤組
成物が得られない場合もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するため、
種々の難溶性薬剤の水に対する溶解度と溶出速度が改善
されるとともに、溶出速度を調節することができる薬剤
組成物を提供することである。さらに、湿式法、乾式法
、共粉砕法、噴霧造粒法、ゲル化法等の種々の製剤法に
より種々の形態に製剤化できる難溶性薬剤を含有する薬
剤組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、アルカリ可溶性の低分子量キトサンと、アル
カリ不溶性の高分子量キトサンと、難溶性薬剤とを含有
することを特徴とする薬剤組成物である。
本発明の薬剤組成物は1種々の難溶性医薬その他の薬剤
の溶解度と溶出速度を改善するとともに、溶出速度を調
節するために利用でき、これらの難溶性薬剤の生体内へ
の吸収速度、吸収量および薬効の持続性が改善された医
薬品その他の薬剤組成物として利用できる。
本発明で使用するアルカリ可溶性の低分子量キトサン、
およびアルカリ不溶性の高分子量キトサンは、いずれも
天然のキチンを脱アセチル化して得られるキトサンの低
分子化物である。
このうちアルカリ可溶性の低分子量キトサン(以下、ア
ルカリ可溶性キトサンという)は、後述のアルカリ不溶
性の高分子量キトサンより分子量が小さく、アルカリ性
の水に溶解するキトサンである。
本発明において「アルカリ性の水に溶解する」とは、水
酸化ナトリウムでP118〜12とした水にキトサンを
少量添加したときに、キトサンが全量溶解することを意
味する。ただしキトサンは液のpHを変化させる物質を
不純物として含まないものとする。
キトサンは、通常、キチンの脱アセチル化率が90ない
し100%の場合は、重量平均分子量がsoo。
以下、また脱アセチル化率が50ないし90%未満の場
合は1重量平均分子量が40000以下のものがアルカ
リ性の水に溶解するので、アルカリ可溶性キトサンとし
てはこのようなキトサンを使用するのが好ましい。
アルカリ可溶性キトサンは1種単独で使用する必要はな
く、種々の分子量を有するキトサンの混合物として使用
することができる。
アルカリ可溶性キトサンは難溶性薬剤の溶解度を大きく
し、溶出速度を速くするために使用される。
なお重量平均分子量は、ゲルパーミェーションクロマト
グラフィーにより分子量既知のポリエチレングリコール
を標準として決定できる。
本発明で使用するアルカリ不溶性の高分子量キトサン(
以下、アルカリ不溶性キトサンという)は、前記アルカ
リ可溶性キトサンより分子量が大きく。
アルカリ性の水に溶解しないキトサンである。アルカリ
不溶性キトサンの分子量としては、重量平均分子量が前
記可溶性キトサンより大きく、20×104程度までの
ものが好ましい。
アルカリ不溶性キトサンは1種単独で使用する必要はな
く、種々の分子量を有するキトサンの混合物として使用
することができる。
アルカリ不溶性キトサンは難溶性薬剤の溶出速度を遅く
するため、すなわち薬効の持続性を改善するために使用
される。
本発明の薬剤組成物に配合する際のアルカリ可溶性キト
サンとアルカリ不溶性キトサンとの配合比は特に限定さ
れないが、アルカリ可溶性キトサンの配合比を大きくす
る程速効性の薬剤が得られ、アルカリ不溶性キトサンの
配合比を大きくする程持続性(遅効性)の薬剤が得られ
るので、使用する各難溶性薬剤に応じて、望ましい速効
性と持続性が得られるように配合比を選択すればよい。
アルカリ可溶性または不溶性キトサンの原料となるキト
サンは、カニやエビの甲殻などからキチンを取り出し、
アルカリで脱アセチル化することにより得られる高分子
物質である。この場合のキチンの脱アセチル化率は特に
限定されるものではないが、−船釣には脱アセチル化率
が50〜100%のものが好ましい。このようなキトサ
ンからアルカリ可溶性キトサンを得るには、キトサンに
酵素を作用させる酵素的方法、またはキトサンに過酸化
水素、亜硝酸イオン、アルカリ、酸などを加えてグルコ
シド結合を切断する化学的方法により得ることができる
。またアルカリ不溶性キトサンも同様の方法により得る
ことができる。
アルカリ可溶性キトサンを化学的方法により得るには、
キトサンをアルカリ液中に懸濁させ、適量の過酸化水素
を添加して一定温度下に一定時間反応させて低分子化し
、PHを8〜12に調整した後。
NaB84等の還元剤を用いて還元し1次いで濾過等の
手段により固形分を除き、得られた濾液を脱塩。
分子量分画等の精製を行い、乾燥して粉末化すればよい
。このような方法でキトサンを切断し低分子化する条件
は、過酸化水素濃度o、oos〜10重量%、液温20
〜90℃、反応時間30〜500分程度が好ましい。
またアルカリ可溶性キトサンを酵素的方法により得るに
は、キトサンの溶液または懸濁液とキチナーゼまたはキ
トサナーゼとを接触させて低分子化し、液のPHを8〜
12に調整した後、煮沸等により酵素を失活させ、次い
で濾過等の手段により固形分を除き、得られた濾液をN
aBH4等の還元剤を用いて還元し、その後説塩、分子
量分画等の精製を行い、乾燥して粉末化すればよい。
以上のような方法でアルカリ可溶性キトサンを製造した
際、アルカリ不溶性キトサンも同時に副生じ得る(濾過
した際の固形分のキトサン)が、このようなアルカリ不
溶性キトサンは得られた反応生成物から分離することな
く、アルカリ可溶性キトサンに混合された状態で使用す
ることもできる。アルカリ可溶性キトサン製造の際に、
必要量のアルカリ不溶性キトサンが副生するならば、こ
のような混合物を難溶性薬剤に配合するだけで本発明の
薬剤組成物が得られ、さらにアルカリ不溶性キトサンを
配合する必要はない。
一方、アルカリ不溶性キトサンを化学的方法により得る
には、キトサンをアルカリ液中に懸濁させ、適量の過酸
化水素を添加して一定温度下に一定時間反応させて低分
子化し、NaB1−1.等の還元剤を用いて還元し1次
いで濾過等により得られる固形分を水洗した後、乾燥し
て粉末化すればよい。
このような方法でキトサンを切断し低分子化する条件は
、pH6〜12.過酸化水素濃度0.005〜10重量
%、液温20〜90℃、反応時間30〜500分程度が
好ましい。
またアルカリ不溶性キトサンを酵素的方法により得るに
は、キトサンの溶液または懸濁液とキチナーゼまたはキ
トサナーゼとを接触させて低分子化し、液のpHを8〜
12に調整した後、煮沸等により酵素を失活させ、次い
でNaBH4等の還元剤を用いて還元した後、濾過等に
より得られる固形分を水洗してから粉末化すればよい。
以上のような方法でアルカリ不溶性キトサンを製造した
際、アルカリ可溶性キトサンも同時に副生じ得る。この
ような混合物は前記アルカリ可溶性キトサンの製造の際
に得られる混合物と同様に使用することができる。
本発明において使用できる難溶性薬剤は水に難溶性の医
薬品が例示され、その生体内への吸収速度あるいは吸収
量(バイオアベイラビリティ)が充分とはいえない医薬
品であれば特に限定されない。このような医薬品として
は、例えば以下のものがあげられる。
1)催眠・鎮静剤: 例えば、ニトラゼパム、トリアゾラム、フエノバルビタ
ール、アモバルビタール等 2)抗てんかん剤: 例えば、フェニトイン、メタルビタール、プリミドン、
クロナゼパム、カルバマゼピン、パルプロ酸等 3)解熱鎮痛消炎剤: フルルビプロフェン、メフェナム酸、ケトプロフェン、
イブプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク酸、
フェナセチン、オキシフェンブタシン、フェニルブタシ
ン、スルピリン、ペンタゾシン、ピロキシカム等 4)#Aうん剤: 塩酸メタリジン、シメンヒドリナート等5)精神神経用
剤: ハロペリドール、メプロバメート、クロルジアゼポキシ
ド、ジアゼパム、オキサゼパム、スルピリド等 6)鎮けい剤: パパベリン、アトロピン、エトミドリン等7)強心剤: ジゴキシン、ジギトキシン、メチルジゴキシン、ユビデ
カレノン等 8)不整脈用剤: ピンドロール、アジマリン、ジンビラミド等9)利尿剤
: ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、トリアムテ
レン、フロセミド、ブメタニド等10)抗高血圧剤ニ レセルピン、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、塩酸プ
ラゾシン、メトプロロール、プロプラノロール、アテノ
ロール等 11)冠血管拡張剤: ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ジルチアゼム、
ニフェジピン、ジピリダモール等12)鎮咳剤: ノスカピン、サルブタモール、プロカテロール、ツロプ
テロール、トラニラスト、ケトチフェン等 13)脳循環改善剤: ニカルジピン、ビンポセチン等 14)抗生物質: エリスロマイシン、ジョサマイシン、クロラムフェニコ
ール、テトラサイクリン、リファンピシン、グリセオフ
ルビン等 15)抗ヒスタミン剤ニ ジフェンヒドラミン、プロメタシン、メキタジン等 16)ステロイド剤: トリアムテレン、デキサメサゾン、ベタメサゾン、プレ
ドニゾロン、ダナゾール、メチルテストステロン、酢酸
クロルマジノン等】7)ビタミン剤: ビタミンE、ビタミンK、アルファカルシドール、フィ
トナジオン、ニコチン酸dトα−トコフェロール、メナ
テトレノン等 18)その他: ジクマロール、シンナリジン、クロフィブラート、ゲフ
ァルナート、シメチジン、プロメタシン、メルカプトプ
リン、メトトレキサート、ウルツデスオキシコール酸、
メシル酸ジヒドロエルゴタミン等 上記の難溶性医薬品は原末の溶解性の面から、湿式また
は乾式の粉砕機で粉砕して得られる平均粒径が100μ
m以下、好ましくは50μm以下であることが望ましい
本発明の薬剤組成物はアルカリ可溶性キトサン、アルカ
リ不溶性キトサンおよび難溶性薬剤を混合することによ
り得られる。混合に際しては、両キトサンを難溶性薬剤
に対して均一に分散させるのが望ましい。混合方法は特
に限定されず、例えば粉末状の各成分を単純に混合する
方法、粉末状の各成分に適当量の水等の溶媒を添加して
混練する方法(以下、このような方法で得られた組成物
を固体分散体という。)、両キトサンを水に溶解または
分散させた液中に難溶性薬剤を添加する方法などをあげ
ることができる。混合に際し、両キトサンは、混合する
M溶性薬剤の種類により適宜量使用すればよい。−船釣
には、難溶性薬剤1重量部に対して両キトサンを合計量
として0.2〜10重量部配合すれば、難溶性薬剤の溶
解度と溶出速度を改善することができるとともに、溶出
速度を調節することができる。
本発明の薬剤組成物は、種々の方法により製剤化してヒ
トに投薬することができる。すなわち、本発明の薬剤組
成物は、そのまま顆粒剤として用いることができるし、
錠剤、カプセル剤、軟膏、貼布剤、半割、シロップ剤、
トローチ剤などとして用いることもできる。これらの製
剤中には必要に応じて製剤上知られる賦形剤、崩壊剤、
滑沢剤等の種々の添加剤を配合することができる。
本発明の薬剤組成物は、次のような方法で製剤化するこ
とができる。錠剤は、両キトサンと難溶性薬剤とを水、
酸溶液もしくは適当な溶媒を用いて練合し、乾燥、整粒
、打錠を行う練合法、両キトサンと難溶性薬剤とを練合
し、乾燥、整粒後、種々の添加剤を混合し、打錠を行う
半面打法などの湿式法、両キトサンの量を調整すること
により乾式法または共粉砕法等により製造することがで
きる。これらの中では湿式法により固体分散体とするの
が好ましい。顆粒剤およびカプセル剤においても錠剤の
場合と同様に湿式法により製剤化するのが好ましいが、
場合によっては乾式法や共粉砕法あるいは噴霧造粒法等
も採用することができる。また錠剤および顆粒剤などの
剤形においては、マスキング等の目的でコーティングを
施すこともできる。
さらに両キトサン溶液に難溶性薬剤を分散、溶解させ、
これにリン酸等の多価の酸などのキトサンが沈殿または
ゲル化する溶液を加え、ゲル化または膜状成形物とする
ゲル化法により製剤化することもできる。
以上のようにして製造した製剤は、従来のものに比べて
難溶性薬剤の溶解度と溶出速度が改善されるとともに、
溶出速度が調節されているため、バイオアベイラビリテ
ィの良好な医薬品となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、層溶性薬剤をアルカリ可溶性キトサン
およびアルカリ不溶性キトサンと配合するようにしたの
で、難溶性薬剤の水に対する溶解度と溶出速度が改善さ
れるとともに、溶出速度が調節された薬剤組成物を得る
ことができる。また、この薬剤組成物は湿式法、乾式法
、共粉砕法、噴霧造粒法、ゲル化法等の種々の製剤法に
より種々の形態に製剤化できる。さらに本発明の薬剤組
成物からなる医薬品は、難溶性薬剤の生体内への吸収速
度、吸収量および薬効の持続性が改善された医薬品とな
る。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例について説明する。
実施例1 (a)キトサンの調製 紅ずわいかにから常法によりキトサンC−0を得た。こ
のキトサンC−0の600 g (乾燥重量)を水9k
gに懸濁させ、pH8,0、温度を70℃に保ち、攪拌
しながら過酸化水素水を過酸化水素として360g/Q
添加し、5時間反応させて低分子化した。低分子化後濾
過により固形分を除き、NaBH4で還元し、次いでO
F膜を用いて分子量分画を行い、イオン交換膜を用いて
脱塩した後、凍結乾燥してキトサンC−2の粉末を得た
また前記キトサンC−Oの600 g (乾燥重量)を
水9kgに懸濁させ、pH11,0、温度を70℃に保
ち、攪拌しながら過酸化水素水を過酸化水素として19
〜360g#I添加して、110〜300分間反応させ
た。反応後NaBH4を用いて還元し、次いで濾過、水
洗後凍結乾燥して、キトサンC−3ないしC−8の粉末
を得た。
また前記キトサンC−8の粉末に酢酸および水を添加し
てキトサンC−8の1.5重量%酢酸水溶液とした後、
水酸化ナトリウムを用いて溶液のPHを6.0に調整し
た。この溶液にキトサナーゼを添加して30℃で17時
間反応させた。その後溶液のpHを8〜9に調整した後
、5分間煮沸してキトサナーゼを失活させ、次いでNa
BH,で還元処理し、孔径が0.45声のミリポアフィ
ルタ−(ミリボア社製、商標)を用いて濾過し、固形分
を除いた。得られた濾液をイオン交換膜を用いて脱塩し
た後、凍結乾燥してキトサンC−1の粉末を得た。
このようにして得たC−1ないしC−8のキトサンの物
性を第1表に示す。キトサンC−1ないしC−8の重量
平均分子量は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ーで測定した。すなわちキトサンを同量の酢酸と適当量
の水を用いて溶解し、この溶液2.0muを0.2M酢
酸−0,1M酢酸ナトリウム緩衝液で50IIIQとし
、これを東ソー(株)製のTSK Ge1.3000 
PIJXL(商標)からなる充填カラムに注入し、0.
2M酢酸−0,1M酢酸ナトリウム緩衝液で溶出した。
なお、分子量既知のポリエチレングリコールを用いて較
正曲線を求め、キトサンの重量平均分子量を求めた。
脱アセチル化率はキトサンC−1およびC−2について
は”HNMRスペクトルから、一方キトサンC−3ない
しC−8についてはpH4,0におけるコロイド当量値
からそれぞれ求めた。
またp)18のアルカリ水中に少量のキトサンC−1な
いしC−8の粉末を加え、攪拌した後キトサンの粉末が
目視できるのものを不溶性、目視できないものを可溶性
として示した。
(b)固体分散体の調製 インドメタシン(以下、IMCと略記する場合がある)
とキトサンC−1とキトサンC−3とを1:0.5:1
.5の重量比で乳鉢に採り、全体の約1.2倍量の水を
加えて1時間混練りした。この混線物を約3時間風乾し
た後、さらに48時間室温で減圧乾燥し、100メツシ
ユで篩過し、 インドメタシン・キトサン固体分散体を
得た。
(c)投与試験 24時間絶食した雄性ピーグル大4頭(体重10ないし
11.5kg)に、上記(b)で得た固体分散体をゼラ
チンカプセル2号に充填したものを、インドメタシンと
して2mg/kg相当量を20−の水とともに経口投与
した。そして、経時的にヘパリン処理した注射筒を用い
て、前文静脈から3社採血した。血液サンプルを300
Orρmで10分間遠心分離した後、血漿1fflQを
採りインドメタシンの定量に用いた。
定量方法は次の通りである。
血漿11に水1mRとpl(3,0緩衝液0.5+nQ
を加え、さらに酢酸二チル6II+12を加えて15分
分間上うした後、遠心分離し、酢酸エチル5mQを分取
した。この酢酸エチルに内部標準溶液(メフェナム酸5
μg/mQメタノール溶液)0.5vQを加えて酢酸エ
チルを減圧留去した後、残渣をメタノール150μΩで
溶解し、試料溶液とした。この試料溶液IOμQを高速
液体クロマトグラフィー(ljPLc)に注入し、下記
の条件でインドメタシン濃度を測定した。4頭の平均値
の結果を第1図に示す。
(HPLC測定条件) ポンプ;日立製作所 L−6000 検出器;日立製作所 655A−21UVモニター、測
定波長 265nm カラム; Lichrosphere 100 RP−
18(5μm)記録計:日立製作所 D−2000,ク
ロマト・インチグレーター 移動相;メタノール・1%酢酸(3: 1)流 速;1
mQ/min 比較例1 実施例1の投与試験(c)において、固体分散体の代り
にインドメタシンの粉末を単独で用いたこと、およびゼ
ラチンカプセルとしてゼラチンカプセル0号を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして投与試験およびインドメ
タシン濃度の測定を行った。4頭の平均値の結果を第1
図に示す。また第2図にも再掬する。
比較例2〜3 実施例1の固体分散体の調製(b)において、インドメ
タシン:キトサンC−1:キトサンC−3=1:0.5
 : 1.5(重量比)を、インドメタシン:キトサン
C−1= 1 : 2(重量比)(比較例2)、または
インドメタシン:キトサンC−3= 1 : 2(重量
比)(比較例3)とした以外は同様にして固体分散体を
得た。
比較例1において、インドメタシンの粉末の代りに上記
固体分散体を用いた以外は比較例1と同様に行った。4
頭の平均値の結果を第1図に示す。
第1図から、実施例1のアルカリ可溶性の低分子量キト
サン(キトサンC−1)とアルカリ不溶性の高分子量キ
トサン(キトサンC−3)の両者を含有する薬剤組成物
は、N溶性薬剤の溶解量および溶出速度が改善されると
ともに、遅効性も併せ持っていることがわかる。
実施例2 0.33gのインドメタシン、0.5gの実施例1のキ
トサンC−2および0.5gの実施例1のキトサンC−
6をメノウ乳鉢に採り、2容量%酢酸10mρを加えて
混和し、インドメタシン懸濁溶液を調製した。この懸濁
液を23G (0、65X 25mm)の注射針付き注
射筒を用いて、4%トリポリリン酸ナトリウム溶液(p
l+6.0)2(lomQ中にゆっくり攪拌しながら滴
下して、ゲル化法によりインドメタシン・キトサンビー
ズを調製した。懸濁液の滴下速度は、約60i/分とし
た。このビーズをトリポリリン酸ナトリウム溶液中で3
時間浸漬させた後、濾過し、水で洗浄し、室温で1日放
置した後、さらに−日減圧乾燥した。
実施例1の投与試験(c)において、固体分散体の代り
に上記ビーズを用い、投与量を4+og/kgとした以
外は実施例1と同様にして投与試験およびインドメタシ
ン濃度の測定を行った。結果を第2図に示す。
比較例4〜7 実施例2において、0.33 gのインドメタシン、0
.5gのキトサンC−2および0.5gのキトサンC−
6の代りに、0.5gのインドメタシンおよび1.5g
のキトサンC−5(比較例4)、0.33gのインドメ
タシンおよび1.0gノキトサンC−6(比較例5)、
0.20g(7) イ:/ トfiタシンおよび0.6
gのキトサンc−7(比較例6)、または0.13 g
のインドメタシンおよび0.4gのキトサンC−8(比
較例7)を用いた以外は実施例2と同様にしてインドメ
タシン・キトサンビーズを得た。
比較例1において、インドメタシンの粉末の代りに上記
ビーズを用い、投与量を4rng/kgとした以外は比
較例1と同様に行った。4頭の平均値の結果を第2図に
示す。
第2図から、実施例2のアルカリ可溶性の低分子量キト
サン(キトサンC−2)とアルカリ不溶性の高分子量キ
トサン(キトサンc−6)の両者を含有する薬剤組成物
は、難溶性薬剤の溶解量および溶出速度が改善されると
ともに、遅効性も併せ持っていることがわかる。
参考例1 インドメタシン(IMC)とキトサンとの混合割合の異
なる固体分散体を得、これを用いてインドメタシンの溶
出試験を行った。キトサンとしては実施例1のキトサン
の調製(a)で得たキトサンC−2を使用した。混合割
合はインドメタシン:キトサンC−2の重量比で1:1
.1:2または1:3とした。固体分散体は実施例1の
固体分散体の調11(b)と同様にして得た。
上記固体分散体を用いて、またはインドメタシンを単独
で用いて下記の方法により溶出試験を行った。  − すなわち、37℃に保った溶出試験器(富山産業(株)
製)に水および日帰第2液(酸性溶液)500−を入れ
、次に上記固体分散体またはインドメタシンを単独で、
インドメタシンとして7mg相当を加え、日帰パドル法
に準じて、パドルの回転数1100rpで溶出試験を行
った。一定時間毎にガラスフィルターで試料溶液4mG
を濾過し、分光光度計を用いて濾液のインドメタシン濃
度を測定した。結果を第3図に示す。図中、固体分散体
は”lMC−キトサンの種類(重量比)″の形式で表記
する。
第3図から、インドメタシン単独の場合に比べ、インド
メタシンとキトサンC−2とからなる固体分散体はイン
ドメタシンの溶出速度が速くなり、しかもキトサンC−
2の混合割合がJ=1より1=2および1:3とキトサ
ンC−2の混合景が多い方が溶出速度が速くなることが
わかる。
参考例2 インドメタシン(IMC)と種々の分子量のキトサンと
からなる固体分散体(混合割合は重量比で1=2)を得
、これを用いてインドメタシンの溶出試験を行った。キ
トサンとしては実施例1のキトサンの調製(a)で得た
キトサンC−1、キトサンC−2、キトサンC−3、キ
トサンC−5またはキトサンC−6を用いた。固体分散
体は実施例1の固体分散体の調製(b)と同様にして得
た。
上記固体分散体を用いて参考例1と同様にして溶出試験
を行った。結果を第4図に示す。図中、固体分散体は”
IMG−キトサンの種類″の形式で表記する。
第4図から、分子量の小さいもの程溶出速度が速いこと
がわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および比較例1ないし3の結果を示す
グラフ、第2図は実施例2および比較例4ないし7の結
果を示すグラフ、第3図は参考例1の結果を示すグラフ
、第4図は参考例2の結果を示すグラフである。 代理人 弁理士 柳 原   成 第3図 o : lMC−C−2(1:2) 時 間 (分)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アルカリ可溶性の低分子量キトサンと、アルカリ
    不溶性の高分子量キトサンと、難溶性薬剤とを含有する
    ことを特徴とする薬剤組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11246392A (ja) * 1998-03-03 1999-09-14 Makoto Otsuka 経口用固形製剤
US6495142B2 (en) * 2000-09-13 2002-12-17 Kazuo Sakai Methods for treatment of impulse control disorders
JP2003510358A (ja) * 1999-10-01 2003-03-18 デグサ アクチエンゲゼルシャフト α−リポン酸(−誘導体)を含有する遅延形
JP2005220331A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Makoto Yafuji 低分子キトサンの製造方法
KR100775442B1 (ko) * 2006-08-11 2007-11-12 김종훈 전자부품 성능검사를 위한 항온 제어 장치

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