JPH041895Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、食器収納篭に収納された皿、コツプ
等の食器を洗浄するための食器洗浄機に関するも
のである。

（従来の技術） この種の食器洗浄機に要求される点は、人手を
要しない自動洗浄が可能であることは勿論である
が、洗浄・乾燥を行つた後の食器に洗剤が残つて
いなく且つ斑点状の汚れが一切生じない清潔な仕
上げがなされていることである。

このような要望に応えるものとしては、例えば
実開昭58−130658号公報に開示されるような構造
のものがある。即ち、洗浄槽内の洗浄液を循環ポ
ンプを経て洗浄ノズルから食器収納篭に向けて噴
出する洗浄サイクルと、高温水中に定量のリンス
剤が含有されてなる濯ぎ液を濯ぎノズルから前記
食器収納篭に向けて噴出する濯ぎサイクルとを備
えた構成を有する食器洗浄機が提案されているの
である。そして、この公知例の場合、高温水の供
給源となるブースターに補給される補給水に定量
吐出形ダイヤフラムポンプからなるリンス剤フイ
ーダ−から定量づつ吐出されるリンス剤を混入す
るようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記公知例のようにブースターに補給される補
給水にリンス剤を混入する場合、ブースター内に
おけるリンス剤の攪拌性が悪いと、ブースター底
部にリンス剤が残留したり、また、リンス剤によ
る濯ぎ効果は濯ぎ時間の最後にリンス剤が供給さ
れることによつて高められるにもかかわらず、リ
ンス剤が濯ぎの最初の段階から供給されることと
なるため、リンス効果を十分高めることができな
いという問題を内包している。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
濯ぎ液へのリンス剤混入を濯ぎの最終段階で的確
に行い得るようにし、以つてリンス剤による濯ぎ
効果を最大限に発揮せしめることを目的とするも
のである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、添付の図面に示すように、洗浄槽３内の
洗浄液を循環ポンプ６を経て洗浄ノズル４，４か
ら食器収納篭２に向けて噴出する洗浄サイクル
と、開放型のブースター１０から供給される濯ぎ
液を濯ぎノズル５，５から前記食器収納篭２に向
けて噴出する濯ぎサイクルとを備えた食器洗浄機
において、前記ブースター１０内に、定量づつの
リンス剤Ｌを吐出するリンス剤フイーダー１３に
連絡されたリンス剤吐出管１４の先端部を臨まし
めるとともに、該リンス剤吐出管１４先端におけ
る上端開口１４ａを大気中に臨ましめる一方、下
端開口１４ｂを前記ブースター１０の高温水出口
１０ａに臨ましめている。

（作用） 本考案では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、洗浄槽３内の洗浄液を循環ポンプ６を経
て洗浄ノズル４，４から食器収納篭２に向けて噴
出する洗浄サイクルに続いて、ブースター１０か
ら供給される濯ぎ液を濯ぎノズル５，５から前記
食器収納篭２に向けて噴出する濯ぎサイクルを行
うに当たつて、ブースター１０内に臨ましめられ
たリンス剤吐出管１４の先端部にリンス剤フイー
ダー１３から定量供給されたリンス剤Ｌは、ブー
スター１０内の高温水が満水状態にある時には、
この高温水水位と同水位の吐出管１４中に止ど
まつており、濯ぎの進行に伴つてブースター１０
内の高温水水位が下がつて濯ぎ終了の水位まで
下がつてくると、吐出管１４の上端開口に大気圧
がかかつているところから、吐出管１０中のリン
ス剤Ｌも同様に下がつていき、濯ぎ終了直前に高
温水出口１０ａにおいて吐出管１４の下端開口１
４ｂから高温水中に混入される。従つて、リンス
剤フイ−ダ−１３から定量供給されたリンス剤Ｌ
は、その全量が濯ぎ終了直前に高温水中に的確に
混入されて濯ぎノズル５，５から食器収納篭２へ
噴出されることとなり、リンス剤Ｌによる濯ぎ効
果が最大限に発揮されることとなるのである。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本考案の好適な実
施例を説明する。

本実施例の食器洗浄機は、第３図図示の如く、
本体ケ−シング１内において、上方に皿、コツプ
等の食器が収納される食器収納篭２を、下方に洗
浄液を収容する洗浄槽３を配置して構成されてお
り、前記食器収納篭２は、出し入れ可能に適当な
移動手段で保持されている。

前記食器収納篭２の上部および下部には、洗浄
槽３内の洗浄液を食器収納篭２に向けて噴出する
洗浄ノズル４，４および濯ぎ液を同じく食器収納
篭２に向けて噴出する濯ぎノズル５，５がそれぞ
れ回転自在に設けられている。

前記洗浄ノズル４，４は、循環ポンプ６を介設
した洗浄液供給管７によつて前記洗浄槽３と連絡
されており、一方前記濯ぎノズル５，５は、濯ぎ
ポンプ８を介設された濯ぎ液供給管９によつて開
放型のブースター１０に連絡されている。

該ブースター１０は、第１図図示の如く、水道
水が供給されるタンク１１と該タンク１１内の水
を加熱するガスバ−ナ１２とからなつており、タ
ンク１１内で得られた高温水は、濯ぎポンプ８の
圧送力によりタンク１１下部の高温水出口１１ａ
から濯ぎ液供給管９を介して濯ぎノズル５，５に
供給されるようになつている。

前記ブースター１０内には、定量吐出型のダイ
ヤフラムポンプからなるリンス剤フイーダー１３
の吐出側に接続されたリンス剤吐出管１４の先端
部が臨ましめられている。該リンス剤吐出管１４
の先端部は、他の部分より若干小径とされてお
り、前記ブースター１０内において上端開口１４
ａが大気中に臨ましめられる一方、下端開口１４
ｂが前記高温水出口１０ａに臨ましめられてい
る。

また、前記リンス剤フイ−ダ−１３の吸入側
は、配管１５を介してリンス剤貯溜タンク１６に
連絡されている（第３図参照）。さらに、このリ
ンス剤フイ−ダ−１３の背圧室は、駆動圧導入管
１７を介して前記濯ぎポンプ８の吐出側に連絡さ
れている。つまり、このリンス剤フイ−ダ−１３
は、濯ぎポンプ８の駆動開始により生ずる吐出圧
を駆動圧導入管１７を介してフイ−ダ−背圧室に
導入することによつて、リンス剤フイ−ダ−１３
内に吸い込んでいたリンス剤Ｌをリンス剤吐出管
１４の先端部に定量送り出し、濯ぎポンプ８の駆
動停止によつて吐出圧が零になることによりリン
ス剤をリンス剤フイ−ダ−１３内に定量吸い込む
如く作用するように構成されているのである。

ついで、図示の食器洗浄機の作用を説明する。

本実施例の食器洗浄機においては、循環ポンプ
６の駆動開始により洗浄槽３内の洗浄液を洗浄ノ
ズル４，４から食器収納篭２に向けて噴出させる
洗浄サイクルに続いて、濯ぎポンプ８の駆動開始
により開放型のブースター１０から供給される濯
ぎ液を濯ぎノズル５，５から前記食器収納篭２に
向けて噴出する濯ぎサイクルが行なわれるが、濯
ぎポンプ８の駆動開始と同時に、該濯ぎポンプ８
の吐出圧を背圧室に導入されたリンス剤フイ−ダ
−１３から定量のリンス剤Ｌがリンス剤吐出管１
４の先端部に供給される。かくしてリンス剤吐出
管１４先端部に供給されたリンス剤Ｌは、表面張
力に富んだ性質からブースター１０内において満
水状態の高温水水位と同水位に位置せしめられ
る（第１図参照）。従つて、濯ぎの始めにおいて
は、、濯ぎノズル５，５から噴出される濯ぎ液は
高温水のみからなつているが、濯ぎの始めにおい
ては洗浄液を洗い流すことのみが要求されるとこ
ろから、なんら問題はない。その後濯ぎの継続に
よりブースター１０内の高温水水位が下がる
と、リンス剤吐出管１４の上端開口１４ａに大気
圧がかかつているところからリンス剤吐出管１４
中のリンス剤Ｌも同様に下がつて行き、高温水水
位が濯ぎ終了直前の水位（換言すれば、高温水
出口１０ａ近傍）となると（第２図参照）、該高
温水出口１０ａに臨ましめられた吐出管１４の下
端開口１４ｂからリンス剤Ｌが高温水に混入され
て濯ぎノズル５，５へ供給される。

つまり、濯ぎサイクルの始めにおいては濯ぎノ
ズル５，５から噴出される濯ぎ液は高温水のみで
洗浄液の洗い流しが行なわれるが、濯ぎ終了直前
においてはリンス剤フイ−ダ−１３から吐出され
たリンス剤Ｌの全量が的確に高温水に混入され、
適量のリンス剤Ｌを含有する高温水が濯ぎ液とし
て濯ぎノズル５，５から食器収納篭２へ向つて噴
出されることとなり、リンス剤Ｌによる濯ぎ効果
を大幅に高めるところのフアイナルリンスが行え
るのである。

本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、考案の要旨を逸脱しない範囲において適宜設
計変更可能なことは勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案のよれば、食器洗浄機にお
いて、濯ぎ液として作用する高温水の供給源とな
るブースター１０内に、定量づつのリンス剤Ｌを
吐出するリンス剤フイ−ダ−１３に連絡されたリ
ンス剤吐出管１４の先端部を臨ましめるととも
に、該リンス剤吐出管１４先端における上端開口
１４ａを大気中に臨ましめる一方、下端開口１４
ｂを前記ブースター１０の高温水出口１０ａに臨
ましめて、洗浄サイクルに続いて、濯ぎ液を濯ぎ
ノズル５，５から前記食器収納篭２に向けて噴出
する濯ぎサイクルを行うに当たつて、ブースター
１０内に臨ましめられたリンス剤吐出管１４先端
部にリンス剤フイ−ダ−１３から定量供給された
リンス剤Ｌが、濯ぎの進行に伴つてブースター１
０内の高温水水位の低下に従つて低下せしめら
れ、濯ぎ終了直前に高温水出口１０ａにおいて吐
出管１４の下端開口１４ｂから高温水中に混入さ
れるようにしたので、リンス剤フイ−ダ−１３か
ら定量供給されたリンス剤Ｌは、その全量が濯ぎ
終了直前に高温水中に的確に混入されて濯ぎノズ
ル５，５から食器収納篭２へ噴出されることとな
り、リンス剤Ｌによる濯ぎ効果が最大限に発揮さ
れるという実用的な効果がある。

また、リンス剤フイ−ダ−１３から定量供給さ
れたリンス剤Ｌの全量が濯ぎ液中に混入されるた
め、フイ−ダ−１３の吐出量を適当に設定するこ
とにより、所望のリンス剤濃度の濯ぎ液が得られ
ることとなり、リンス剤の濃度管理が極めて容易
となるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる食器洗浄機に
おける満水状態のブースター部分の拡大断面図、
第２図は濯ぎ終了直前の状態のブースター部分の
拡大断面図、第３図は本考案の実施例にかかる食
器洗浄機の概略断面図である。 ２……食器収納篭、３……洗浄槽、４……洗浄
ノズル、５……濯ぎノズル、６……循環ポンプ、
１０……ブースター、１０ａ……高温水出口、１
３……リンス剤フイ−ダ−、１４……リンス剤吐
出管、Ｌ……リンス剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄槽３内の洗浄液を循環ポンプ６を経て洗浄
   ノズル４，４から食器収納篭２に向けて噴出する
   洗浄サイクルと、開放型のブースター１０から供
   給される濯ぎ液を濯ぎノズル５，５から前記食器
   収納篭２に向けて噴出する濯ぎサイクルとを備え
   た食器洗浄機において、前記ブースター１０内
   に、定量づつのリンス剤Ｌを吐出するリンス剤フ
   イーダー１３に連絡されたリンス剤吐出管１４の
   先端部を臨ましめるとともに、該リンス剤吐出管
   １４先端における上端開口１４ａを大気中に臨ま
   しめる一方、下端開口１４ｂを前記ブースター１
   ０の高温水出口１０ａに臨ましめることを特徴と
   する食器洗浄機。