以下、添付図面を参照して、吸着剤再生装置および除去システムの実施の形態について説明する。
最初に、除去システム1の構成について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す除去システム1は、「除去システム」の一例であって、処理対象の水素ガスGに含まれている水分を後述する吸着除去処理によって除去する(水素ガスGの湿度を低下させる)ことができるように構成されている。また、本例の除去システム1は、後述するように、吸着除去処理と並行して、吸着塔2a,2b内の吸着剤を加熱再生方式の吸着能力再生処理によって再生する(吸着能力を復元する)ことができるように構成さている(「複数の吸着塔を備えて各吸着塔の一部を対象とする吸着除去処理と各吸着塔の他の一部を対象とする吸着能力再生処理とを並行して実行可能」との構成の一例)。
この場合、本例の除去システム1は、一例として、図示しない外部装置において実行された電気分解処理や改質処理によって製造された水素ガスGや、図示しないガスタンクに貯留されている水素ガスGなどが同図に破線で示す圧縮機によって圧送されたときに、この水素ガスG(「気体」の一例)を処理対象として水分(「除去対象」の一例)を除去する構成が採用されている。具体的には、本例の除去システム1は、吸着塔2a,2b、ヒートポンプユニット3、熱交換器4a~4c、流路切換え弁5a,5b、流量調整弁6、流量調整弁7a,7b、貯水部8a,8b、温度センサ9および湿度センサ10を備えている。なお、本例の除去システム1では、上記の各構成要素のうちの吸着塔2a,2bを除く各構成要素3,4a~4c,5a,5b,6,7a,7b,8a,8b,9,10によって「吸着剤再生装置」が構成されている。
吸着塔2a,2b(以下、区別しないときには「吸着塔2」ともいう)は、「吸着塔」の一例であって、水素ガスGの導入/排出が可能な2つの入出口が設けられた耐圧容器で構成されると共に、両入出口の間に水素ガスGの通過が可能な吸着剤の層が設けられている。この場合、「気体」としての水素ガスGから「除去対象」としての水分を吸着除去する本例の除去システム1では、ゼオライト(合成ゼオライト)などの吸着剤が耐圧容器内に収容されて吸着塔2が構成されている。
ヒートポンプユニット3は、「温度調整部」の一例である「冷温同時温度調整装置」であって、熱媒液循環路LC1,LC2を介して低温の熱媒液Wc(「冷却用熱媒液」の一例)を熱交換器4a,4cに供給する処理と、熱媒液循環路LHを介して高温の熱媒液Wh(「加熱用熱媒液」の一例)を熱交換器4bに供給する処理とを並行して実行可能に構成されている。このヒートポンプユニット3は、図2に示すように、冷凍サイクル11、ポンプ12a,12b、操作部13、表示部14、制御部15および記憶部16を備えている。
冷凍サイクル11は、圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23および蒸発器24を備え、制御部15の制御下で、熱媒液Whを加熱したり熱媒液Wcを冷却したりする。この場合、本例のヒートポンプユニット3では、凝縮器22からの放熱(凝縮器22における冷媒との熱交換)によって熱媒液Whを加熱可能に加熱部3h(熱媒液Whを加熱する温熱源:「加熱部」の一例)が構成されている。また、本例のヒートポンプユニット3では、蒸発器24による吸熱(蒸発器24における冷媒との熱交換)によって熱媒液Wcを冷却可能に冷却部3c(熱媒液Wcを冷却する冷熱源:「冷却部」の一例)が構成されている。さらに、図示および詳細な説明を省略するが、本例のヒートポンプユニット3では、外気の熱を吸熱して熱媒液Whを温度上昇させる熱交換器などの補助的な温熱源が加熱部3hに配設されると共に、熱媒液Wcの熱を外気に放熱して熱媒液Wcを温度低下させる熱交換器などの補助的な冷熱源が冷却部3cに配設されている。
また、加熱部3hには、熱交換器4bとの間で熱媒液Whを循環させる熱媒液循環路LHが接続され、冷却部3cには、熱交換器4aとの間で熱媒液Wcを循環させる熱媒液循環路LC1、および熱交換器4cとの間で熱媒液Wcを循環させる熱媒液循環路LC2が接続されている。なお、図1に示すように、本例の除去システム1では、一例として、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)側において上記の熱媒液循環路LC1用の配管と熱媒液循環路LC2用の配管とが共用されている。つまり、本例の除去システム1では、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から供給する熱媒液Wcをヒートポンプユニット3の外部で分流させて熱交換器4a,4cに供給すると共に、熱交換器4a,4cを通過させた熱媒液Wcをヒートポンプユニット3の外部で合流させて冷却部3cに流入させる構成が採用されている。
ポンプ12aは、一例として、上記の熱媒液循環路LC1,LC2における冷却部3cの上流側(上記の合流後の配管)に配設され、制御部15の制御下で熱媒液Wcを冷却部3cに圧送することによって熱媒液循環路LC1,LC2内で熱媒液Wcを循環させる。ポンプ12bは、一例として、上記の熱媒液循環路LHにおける加熱部3hの上流側に配設され、制御部15の制御下で熱媒液Whを加熱部3hに圧送することによって熱媒液循環路LH内で熱媒液Whを循環させる。なお、本例の除去システム1(ヒートポンプユニット3)では、一例として、ポンプ12a,12b(以下、区別しないときには「ポンプ12」ともいう)が圧送量可変型の液送ポンプでそれぞれ構成されている。操作部13は、除去システム1の動作条件などを指示するための複数の操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を制御部15に出力する。表示部14は、制御部15の制御下で除去システム1の動作条件を設定するための表示画面や、除去システム1の動作状態を示す表示画面などを表示する。
制御部15は、「制御部」の一例であって、除去システム1を総括的に制御する。具体的には、制御部15は、ヒートポンプユニット3の各構成要素の動作を制御すると共に、流路切換え弁5a,5bや流量調整弁6,7a,7bおよび後述の流量調整弁33a,33b,43a,43bの動作を制御する。より具体的には、制御部15は、加熱部3hによる熱媒液Whの加熱および冷却部3cによる熱媒液Wcの冷却(冷凍サイクル11の動作)の制御、熱交換器4a,4cへの熱媒液Wcの供給(ポンプ12aによる熱媒液Wcの圧送)の制御、並びに熱交換器4bへの熱媒液Whの供給(ポンプ12bによる熱媒液Whの圧送)の制御などを実行する(「第1の処理」の一例)。また、制御部15は、流路切換え弁5a,5bを制御して、吸着除去処理を行う吸着塔2と、吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換える処理(吸着塔2a,2bのいずれにおいて吸着除去処理を行い、いずれにおいて吸着能力再生処理を行うかを変更する処理:「第2の処理」の一例)を実行する。
この場合、制御部15は、後述するように、吸着除去処理を行っている吸着塔2を通過させられた水素ガスGに含まれている水分の量に応じて変化する「第1のパラメータ」が「予め規定された第1の範囲」を外れたときに、吸着除去処理を行っている吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が「予め規定された第1の能力」を下回る「第1の条件」が満たされたと判別して上記の「第2の処理」を実行する。また、制御部15は、後述するように、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2を通過させられた水素ガスGに含まれている水分の量に応じて変化する「第2のパラメータ」が「予め規定された第2の範囲」を外れたときに、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が「予め規定された第2の能力」を超える「第2の条件」が満たされたと判別して上記の「第2の処理」を実行する。
さらに、制御部15は、後述するように、熱交換器4c内の各部における水素ガスGの温度に応じて熱交換器4c内における水素ガスGの流れ方を調整する「第3の処理」や、熱交換器4a内の各部における水素ガスGの温度に応じて熱交換器4a内における水素ガスGの流れ方を調整する「第4の処理」を実行する。また、制御部15は、後述するように、熱交換器4cを通過させられた水素ガスGの温度に基づいて流量調整弁6を制御して熱交換器4cを通過する水素ガスGの流量を調整させ、熱交換器4cを通過させられた水素ガスGの温度が、予め規定された温度範囲内の温度となるようにする「第5の処理」を実行する。なお、制御部15によって実行される上記の各処理については、後に詳細に説明する。記憶部16は、制御部15の動作プログラムや、除去システム1の動作条件についての各種データなどを記憶する。
なお、上記のヒートポンプユニット3は、実際には、冷凍サイクル11内の冷媒の圧力や温度、冷却部3cに流入する熱媒液Wcの温度、冷却部3cから排出される熱媒液Wcの温度、加熱部3hに流入する熱媒液Whの温度、加熱部3hから排出される熱媒液Whの温度、および外気温などを検出する各種センサが配設されているが、除去システム1の構成および動作に関する理解を容易とするために、これらのセンサについての図示や説明を省略する。
熱交換器4aは、「第2の熱交換器」の一例であって、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から熱媒液循環路LC1を介して供給される熱媒液Wcとの熱交換によって、吸着除去処理を行う吸着塔2や熱交換器4bに流入させられる水素ガスGを冷却可能に構成されている。熱交換器4bは、「第1の熱交換器」の一例であって、ヒートポンプユニット3(加熱部3h)から熱媒液循環路LHを介して供給される熱媒液Whとの熱交換によって、吸着能力再生処理を行う吸着塔2に流入させる水素ガスGを加熱可能に構成されている。熱交換器4cは、「第3の熱交換器」の一例であって、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から熱媒液循環路LC2を介して供給される熱媒液Wcとの熱交換によって、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2を通過させられた水素ガスGを冷却可能に構成されている。
この場合、図1に示すように、本例の除去システム1では、熱交換器4aが処理対象の水素ガスGを導入する導入用配管Piに配設されると共に、熱交換器4aを通過させられた水素ガスGの流路が、流路切換え弁5aを介して吸着塔2a,2bのいずれか(吸着除去処理を行う吸着塔2)に流入させられる流路と、熱交換器4bに流入させられる流路とに分岐点P1において分岐されている。なお、上記の導入用配管Piには、同図に破線で示すように、水素ガスGを除去システム1に向けて圧送する外部装置としての圧縮機が接続されている。
また、本例の除去システム1では、流路切換え弁5aを介して吸着塔2a,2bのいずれか(吸着除去処理を行う吸着塔2)に流入させられた水素ガスGが流路切換え弁5bを介して排出用配管Poに流入させられる流路が形成されている。また、本例の除去システム1では、熱交換器4bを通過させられた水素ガスGが、流路切換え弁5bを介して吸着塔2a,2bのいずれか(吸着能力再生処理を行う吸着塔2)に流入させられた後に、流路切換え弁5aを介して熱交換器4cに流入させられる流路が形成されている。
また、本例の除去システム1では、熱交換器4aから流路切換え弁5bに向かう水素ガスGの流路に合流点P2が設けられており、熱交換器4cを通過させられた水素ガスGが、熱交換器4aから流路切換え弁5aに向かう水素ガスGに合流点P2において合流させられる構成が採用されている。なお、本例の除去システム1では、同図に示すように、一例として、合流点P2が分岐点P1よりも下流側に設けられている。
また、図3に示すように、本例の除去システム1における熱交換器4aは、一次熱交換部31および二次熱交換部32を備え、導入口30i(「気体導入口」の一例)から導入された水素ガスGが、一次熱交換部31、二次熱交換部32および一次熱交換部31をこの順で通過させられて排出口30o(「気体排出口」の一例)から排出されるように気体流路が形成されている。また、熱交換器4aは、二次熱交換部32において、熱媒液Wcとの熱交換(本冷)によって水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去されると共に、一次熱交換部31において、二次熱交換部32によって冷却された水素ガスGとの熱交換(二次熱交換部32における本冷に先立つ水素ガスGの予冷)によって導入口30iから導入された水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去されるように構成されている。
また、熱交換器4aには、導入口30iから導入されて一次熱交換部31および二次熱交換部32をこの順で通過させられた水素ガスGを、一次熱交換部31を再び通過させずに排出口30oから排出させるバイパス流路33(「第2のバイパス流路」の一例)が設けられると共に、このバイパス流路33を通過させる水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁33a,33b(「第2の流量調整部」の一例)が配設されている。この場合、本例の熱交換器4aでは、両流量調整弁33a,33bが開口率可変型の開閉弁でそれぞれ構成されており、流量調整弁33aが、二次熱交換部32から一次熱交換部31に向かう水素ガスGの流路に配設されると共に、流量調整弁33bが、上記のバイパス流路33に配設されている。これにより、流量調整弁33aの開口率を小さくしつつ流量調整弁33bの開口率を大きくすることでバイパス流路33を通過させる水素ガスGの流量を増加させ、流量調整弁33aの開口率を大きくしつつ流量調整弁33bの開口率を小さくすることでバイパス流路33を通過させる水素ガスGの流量を減少させることが可能となっている。
また、熱交換器4aには、導入口30iから導入された水素ガスGの温度(「第4の温度」の一例)を検出可能な温度センサ34a、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの温度(「第5の温度」の一例)を検出可能な温度センサ34b、および二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGの温度(「第6の温度」の一例)を検出可能な温度センサ34cが配設されている。
また、図4に示すように、本例の除去システム1における熱交換器4cは、一次熱交換部41および二次熱交換部42を備え、導入口40i(「気体導入口」の一例)から導入された水素ガスGが、一次熱交換部41、二次熱交換部42および一次熱交換部41をこの順で通過させられて排出口40o(「気体排出口」の一例)から排出されるように気体流路が形成されている。また、熱交換器4cは、二次熱交換部42において、熱媒液Wcとの熱交換(本冷)によって水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去されると共に、一次熱交換部41において、二次熱交換部42によって冷却された水素ガスGとの熱交換(二次熱交換部42における本冷に先立つ水素ガスGの予冷)によって導入口40iから導入された水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去されるように構成されている。
また、熱交換器4cには、導入口40iから導入されて一次熱交換部41および二次熱交換部42をこの順で通過させられた水素ガスGを、一次熱交換部41を再び通過させずに排出口40oから排出させるバイパス流路43(「第1のバイパス流路」の一例)が設けられると共に、このバイパス流路43を通過させる水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁43a、43b(「第1の流量調整部」の一例)が配設されている。この場合、本例の熱交換器4cでは、両流量調整弁43a,43bが開口率可変型の開閉弁でそれぞれ構成されており、流量調整弁43aが、二次熱交換部42から一次熱交換部41に向かう水素ガスGの流路に配設されると共に、流量調整弁43bが、上記のバイパス流路43に配設されている。これにより、流量調整弁43aの開口率を小さくしつつ流量調整弁43bの開口率を大きくすることでバイパス流路43を通過させる水素ガスGの流量を増加させ、流量調整弁43aの開口率を大きくしつつ流量調整弁43bの開口率を小さくすることでバイパス流路43を通過させる水素ガスGの流量を減少させることが可能となっている。
また、熱交換器4cには、導入口40iから導入された水素ガスGの温度(「第1の温度」の一例)を検出可能な温度センサ44a、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの温度(「第2の温度」の一例)を検出可能な温度センサ44b、および二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGの温度(「第3の温度」の一例)を検出可能な温度センサ44cが配設されている。
流路切換え弁5aは、「第2の流路切替え部」の一例であって、制御部15の制御に従い、熱交換器4aにおいて冷却された水素ガスGを、吸着塔2a,2bのうちの吸着除去処理を行っている吸着塔2に流入させると共に、吸着塔2a,2bのうちの吸着能力再生処理を行っている吸着塔2を通過させられた水素ガスGを、熱交換器4cに流入させる。流路切換え弁5bは、「第1の流路切替え部」の一例であって、制御部15の制御に従い、吸着塔2a,2bのうちの吸着除去処理を行っている吸着塔2を通過させられた水素ガスGを、水分の除去が完了した水素ガスG流入させるべき排出用配管Poに流入させると共に、熱交換器4bにおいて加熱された水素ガスGを、吸着塔2a,2bのうちの吸着能力再生処理を行っている吸着塔2に流入させる。
流量調整弁6は、「第3の流量調整部」の一例であって、図1に示すように、一例として、水素ガスGの流路における熱交換器4cの下流側に配設され、制御部15の制御下で熱交換器4cを通過させられる水素ガスGの流量を調整する。なお、「第3の流量調整部」については、本例の除去システム1における流量調整弁6の配設位置に限定されず、分岐点P1から、熱交換器4b、流路切換え弁5b、吸着塔2、流路切換え弁5aおよび熱交換器4cを経て合流点P2に至るまでの水素ガスGの流路内における任意の位置に配設することができる。
流量調整弁7aは、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)において冷却されて熱媒液循環路LC1を熱交換器4aに向かって圧送される熱媒液Wcの一部が熱交換器4aを通過せずにヒートポンプユニット3(冷却部3c)に回収されるように制御部15によって開度が変更されることにより、熱交換器4aを通過させられる熱媒液Wcの流量を調整する(「第2の熱交換器を通過させられる冷却用熱媒液の流量を調整する流量調整部」の一例)。流量調整弁7bは、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)において冷却されて熱媒液循環路LC2を熱交換器4cに向かって圧送される熱媒液Wcの一部が熱交換器4cを通過せずにヒートポンプユニット3(冷却部3c)に回収されるように制御部15によって開度が変更されることにより、熱交換器4cを通過させられる熱媒液Wcの流量を調整する(「第3の熱交換器を通過させられる冷却用熱媒液の流量を調整する流量調整部」の一例)。
貯水部8aは、熱交換器4aにおいて水素ガスGから除去されて熱交換器4aから排水された水分を貯留可能に構成され、一例として、貯留した水分の量が予め規定された量(以下、「第1の規定量」ともいう)に達したときに、その一部の予め規定された量(「第1の規定量」よりも少量:以下、「第2の規定量」ともいう)を外部に排出(排水)すると共に、排出したことを報知する信号を制御部15に出力する。貯水部8bは、熱交換器4cにおいて水素ガスGから除去されて熱交換器4cから排水された水分を貯留可能に構成され、一例として、貯留した水分の量が予め規定された量(以下、「第3の規定量」ともいう)に達したときに、その一部の予め規定された量(「第3の規定量」よりも少量:以下、「第4の規定量」ともいう)を外部に排出(排水)すると共に、排出したことを報知する信号を制御部15に出力する。
温度センサ9は、流路切換え弁5aの上流側に配設されており、熱交換器4aや熱交換器4cを通過させられた後に吸着塔2a,2bのうちの吸着除去処理を行っている吸着塔2に流入させられる水素ガスGの温度を検出する。湿度センサ10は、排出用配管Poに配設されており、吸着除去処理を行っている吸着塔2を通過させられて排出用配管Poに流入させられた水素ガスGの湿度を検出する。
次に、除去システム1による吸着除去処理および吸着能力再生処理の基本的な動作について説明する。
操作部13の電源スイッチが投入されたときに、制御部15は、ヒートポンプユニット3の各構成要素を動作させることにより、冷却部3cからの熱媒液Wcの供給、および加熱部3hからの熱媒液Whの供給を開始させる。この際には、冷却部3cによる熱媒液Wcの冷却、および加熱部3hによる熱媒液Whの加熱が行われると共に、ポンプ12aによって熱媒液循環路LC1,LC2内を熱媒液Wcが循環させられ、かつポンプ12bによって熱媒液循環路LH内を熱媒液Whが循環させられる。
具体的には、冷凍サイクル11内における冷媒の循環に伴い、冷却部3cの蒸発器24における冷媒と熱媒液Wcとの熱交換(蒸発器24における熱媒液Wcから冷媒への吸熱)によって熱媒液Wcが冷却されると共に、低温の熱媒液Wcが、熱媒液循環路LC1を介して熱交換器4aに供給され、かつ熱媒液循環路LC2を介して熱交換器4cに供給される。また、冷凍サイクル11内における冷媒の循環に伴い、加熱部3hの凝縮器22内における冷媒と熱媒液Whとの熱交換(凝縮器22における冷媒から熱媒液Whへの放熱)によって熱媒液Whが加熱されると共に、高温の熱媒液Whが熱媒液循環路LHを介して熱交換器4bに供給される。
なお、処理開始直後のこの時点において、制御部15は、一例として、流量調整弁7a,7bをそれぞれ最小の開度となる開弁状態(全閉可能な弁構造の場合には全閉状態)に制御する。これにより、冷却部3cから熱媒液循環路LC1に流入した熱媒液Wcの大半(流量調整弁7aが全閉状態の場合には、流入した熱媒液Wcのすべて)が導入口30iから熱交換器4a内に流入させられると共に、冷却部3cから熱媒液循環路LC2に流入した熱媒液Wcの大半(流量調整弁7bが全閉状態の場合には、流入した熱媒液Wcのすべて)が導入口40iから熱交換器4c内に流入させられる。したがって、後述するように除去システム1に水素ガスGが導入されたときに、熱交換器4a,4cにおいて水素ガスGを速やかに冷却する(水素ガスGの熱を熱交換器4a,4cにおいて熱媒液Wcに速やかに吸熱させる)ことが可能となる。また、加熱部3hから熱媒液循環路LHに流入した熱媒液Whが熱交換器4b内に流入させられることにより、後述するように除去システム1に水素ガスGが導入されたときに、好適な吸着能力再生処理が可能な十分に高い温度まで水素ガスGを熱交換器4bにおいて速やかに加熱することが可能となる。
次いで、処理対象の水素ガスGを除去システム1に導入する。この際に、本例の除去システム1では、前述したように、吸着塔2a,2bのいずれか一方における吸着除去処理と、吸着塔2a,2bの他方における吸着能力再生処理とを並行して実行することができるように構成されている。この場合、一例として、前回稼働時に、吸着塔2bにおいて吸着除去処理を実行しつつ、吸着塔2aにおいて吸着能力再生処理を実行していた場合には、吸着塔2b内の吸着剤に多量の水分が吸着されて吸着塔2bの吸着除去能力が低下した状態となっており、吸着塔2a内の吸着剤が吸着能力再生処理によって水分を除去されて吸着塔2aの吸着除去能力が向上した状態となっている。したがって、そのような稼働状態の後に処理を開始したこの時点においては、一例として、前回稼働時に吸着能力再生処理が実行されていたことで吸着処理能力が高い吸着塔2aにおいて吸着除去処理を実行しつつ、前回稼働時に吸着除去処理が実行されていたことで吸着処理能力が低下している吸着塔2bにおいて吸着能力再生処理を実行する。
具体的には、制御部15は、導入用配管Piから導入されて熱交換器4aを通過させられた水素ガスGの一部が分岐点P1を通過して吸着塔2aに流入し、かつ吸着塔2bを通過させられた水素ガスGが熱交換器4cに流入するように流路切換え弁5aを制御する。また、制御部15は、吸着塔2aを通過させられた水素ガスGが排出用配管Poに流入し、かつ分岐点P1および熱交換器4bをこの順で通過させられた水素ガスGが吸着塔2bに流入するように流路切換え弁5bを制御する。これにより、導入用配管Piから導入されて熱交換器4aを通過させられた水素ガスGの一部が、分岐点P1、流路切換え弁5a、吸着塔2aおよび流路切換え弁5bをこの順で通過して排出用配管Poに流入する流路(吸着塔2aにおける吸着除去処理を主目的とする流路)と、熱交換器4aを通過させられた水素ガスGの他の一部が、分岐点P1、熱交換器4b、流路切換え弁5b、吸着塔2b、流路切換え弁5a、熱交換器4c、流量調整弁6および合流点P2をこの順で通過させられて流路切換え弁5aを介して吸着塔2aに流入させられる流路(吸着塔2bにおける吸着能力再生処理を主目的とする流路)とが形成される。
この際に、熱交換器4aの二次熱交換部32では、導入口30iから導入されて後述するように一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGと、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から供給された熱媒液Wcとの熱交換によって水素ガスGが冷却される。これにより、熱交換器4a内において水素ガスGの相対湿度が上昇するため、水素ガスGに含まれている気相の水分の一部が液相に変化して水素ガスGから離脱させられる(除去される)。この結果、二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)。
この場合、制御部15は、処理開始直後のこの時点において、熱交換器4a内の流量調整弁33aを最大の開度となる開弁状態(全開可能な弁構造の場合には全開状態)に制御すると共に、流量調整弁33bを最小の開度となる開弁状態(全閉可能な弁構造の場合には全閉状態)に制御する。これにより、導入口30iから熱交換器4aに導入されて一次熱交換部31および二次熱交換部32をこの順で通過させられた水素ガスGの大半(流量調整弁33bが全閉の場合には、二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGのすべて)が一次熱交換部31を再び通過させられる状態となる。
この際には、二次熱交換部32における熱媒液Wcとの熱交換によって冷却された水素ガスG(排出口30oに向かって一次熱交換部31を通過させられる水素ガスG)と、導入口30iから一次熱交換部31に新たに導入された水素ガスGとの一次熱交換部31における熱交換によって、新たに導入された水素ガスGが冷却される。これにより、新たに導入された水素ガスGの相対湿度が上昇するため、水素ガスGに含まれている気相の水分の一部が一次熱交換部31において液相に変化して水素ガスGから離脱させられる(除去される)。この結果、一次熱交換部31から二次熱交換部32に流入する水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)ため、前述した二次熱交換部32における水分の除去と相俟って、水素ガスGに含まれていた水分が熱交換器4aにおいて十分に除去される。
また、排出口30oに向かって一次熱交換部31を通過させられる水素ガスGは、一次熱交換部31に新たに導入された水素ガスGとの熱交換によって温度上昇させられる。この場合、二次熱交換部32から一次熱交換部31に流入する水素ガスGは、二次熱交換部32における冷却(温度低下)によって相対湿度が100%程度となっている。したがって、排出口30oから排出されるのに先立って水素ガスGを温度上昇させて相対湿度を低下させることにより、熱交換器4aから吸着塔2aや熱交換器4bに向かう流路内等で水素ガスGに含まれている水分が結露する事態を好適に回避することが可能となる。
また、一次熱交換部31および二次熱交換部32において水素ガスGから離脱させられた液相の水分は、貯水部8aに貯留されると共に、予め規定された量の水分が貯水部8aに貯留される都度、貯水部8aから所定の排水場所に排水される。この際には、前述したように、貯水部8a(貯水部8aに配設されているセンサ)からヒートポンプユニット3の制御部15に排水を報知する信号が出力される。したがって、この信号の出力頻度、すなわち、貯水部8aからの排水の頻度に基づき、熱交換器4aにおいて単位時間当りに水素ガスGから除去される水分の量を特定することができる。
また、除去システム1に対して水素ガスGを圧送する圧縮機の回転数(すなわち、単位時間あたりの水素ガスGの導入量)、各温度センサ34によって検出される水素ガスGの温度、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)の動作状態および流量調整弁7aの開度(すなわち、熱交換器4aに供給される冷熱の熱量)、並びに熱交換器4aにおいて単位時間当りに水素ガスGから除去される水分の量などに基づき、導入用配管Piを介して熱交換器4aに流入する水素ガスGに含まれている水分の量(湿度)や、熱交換器4aから排出される水素ガスGに含まれている水分の量(湿度)を特定することができる。
一方、熱交換器4a(排出口30o)から排出された水素ガスG(冷却によって水分の一部を除去された水素ガスG)の一部は、分岐点P1および流路切換え弁5aをこの順で通過して吸着塔2aに流入する。この際に、吸着塔2aに流入した水素ガスGに含まれている水分が吸着塔2a内の吸着剤に吸着されて水素ガスGから除去される(吸着塔2aにおける吸着除去処理の実行)。これにより、吸着塔2aを通過させられた水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)。
この場合、本例の除去システム1では、導入用配管Piに導入された水素ガスGに含まれる水分の一部が熱交換器4aにおいて除去されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2aに流入する水素ガスGの絶対湿度は、導入用配管Piに導入された水素ガスGの絶対湿度よりも低くなっている。したがって、熱交換器4aを通過させずに導入用配管Piから吸着塔2aに水素ガスGを直接流入させる構成(導入用配管Piに導入される水素ガスGに含まれている水分を吸着塔2aによる吸着除去処理だけで除去する構成)とは異なり、吸着除去処理を行っている吸着塔2a内の吸着剤の吸着除去能力が短時間で大きく低下する事態が回避される。この後、吸着塔2aにおいて水分を十分に吸着除去された水素ガスGは、流路切換え弁5bを介して排出用配管Poに流入し、図示しない水素ガスGの供給先に排出される。
また、熱交換器4a(排出口30o)から排出された水素ガスG(冷却によって水分の一部を除去された水素ガスG)の他の一部は、分岐点P1を通過して熱交換器4bに流入する。この際に、熱交換器4bでは、流入させられた水素ガスGが、ヒートポンプユニット3(加熱部3h)から供給された熱媒液Whとの熱交換によって加熱され、その相対湿度が大きく低下させられる。また、熱交換器4bにおいて加熱された水素ガスGは、流路切換え弁5bを介して吸着塔2bに流入する。
この場合、吸着塔2bに流入させる水素ガスGの温度が高いほど、吸着塔2b内の吸着剤を好適に温度上昇させて吸着剤から水分を好適に離脱させることができる。したがって、熱交換器4bにおいて十分に温度上昇させられた水素ガスGが吸着塔2bに流入させられる本例の除去システム1では、流入した水素ガスGによって吸着塔2b内の吸着剤が十分に温度上昇させられるため、この吸着剤に吸着されている水分が吸着剤から好適に離脱させられる。また、吸着塔2bに流入させる水素ガスGに含まれる水分が少ないほど(水素ガスGの相対湿度が低いほど)、吸着塔2b内の吸着剤から水素ガスGに水分を好適に離脱させる(吸着剤から離脱する水分を水素ガスGに取り込む)ことができる。したがって、熱交換器4a,4cにおいて水分を除去され、かつ熱交換器4bにおいて加熱されることでその相対湿度が十分に低くなっている水素ガスGが吸着塔2bに流入させられる本例の除去システム1では、このような水素ガスGに接することで、吸着剤に吸着されている水分が一層好適に離脱させられる。これにより、吸着塔2b内の吸着剤が再生されて吸着塔2bの吸着除去能力が復元される。
また、吸着塔2bにおいて吸着剤から離脱した水分を含む水素ガスGは、流路切換え弁5aを介して熱交換器4cに流入する。この際に、熱交換器4cの二次熱交換部42では、導入口40iから導入されて後述するように一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGと、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から供給された熱媒液Wcとの熱交換によって水素ガスGが冷却される。これにより、熱交換器4c内において水素ガスGの相対湿度が上昇するため、水素ガスGに含まれている気相の水分の一部が液相に変化して水素ガスGから離脱させられる(除去される)。この結果、二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)。
この場合、制御部15は、処理開始直後のこの時点において、熱交換器4c内の流量調整弁43aを最大の開度となる開弁状態(全開可能な弁構造の場合には全閉状態)に制御すると共に、流量調整弁43bを最小の開度となる開弁状態(全閉可能な弁構造の場合には全閉状態)に制御する。これにより、導入口40iから熱交換器4cに導入されて一次熱交換部41および二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGの大半(流量調整弁43bが全閉の場合には、二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGのすべて)が一次熱交換部41を再び通過させられる状態となる。
この際には、二次熱交換部42における熱媒液Wcとの熱交換によって冷却された水素ガスG(排出口40oに向かって一次熱交換部41を通過させられる水素ガスG)と、導入口40iから一次熱交換部41に新たに導入された水素ガスGとの一次熱交換部41における熱交換によって、新たに導入された水素ガスGが冷却される。これにより、新たに導入された水素ガスGの相対湿度が上昇するため、水素ガスGに含まれている気相の水分の一部が一次熱交換部41において液相に変化して水素ガスGから離脱させられる(除去される)。この結果、一次熱交換部41から二次熱交換部42に流入する水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)ため、前述した二次熱交換部42における水分の除去と相俟って、水素ガスGに含まれていた水分が熱交換器4cにおいて十分に除去される。
また、排出口40oに向かって一次熱交換部41を通過させられる水素ガスGは、一次熱交換部41に新たに導入された水素ガスGとの熱交換によって温度上昇させられる。この場合、二次熱交換部42から一次熱交換部41に流入する水素ガスGは、二次熱交換部42における冷却(温度低下)によって相対湿度が100%程度となっている。したがって、排出口40oから排出されるのに先立って水素ガスGを温度上昇させて相対湿度を低下させることにより、熱交換器4cから吸着塔2aに向かう流路内等で水素ガスGに含まれている水分が結露する事態を好適に回避することが可能となる。
また、一次熱交換部41および二次熱交換部42において水素ガスGから離脱させられた液相の水分は、貯水部8bに貯留されると共に、予め規定された量の水分が貯水部8bに貯留される都度、貯水部8bから所定の排水場所に排水される。この際には、前述したように、貯水部8b(貯水部8bに配設されているセンサ)からヒートポンプユニット3の制御部15に排水を報知する信号が出力される。したがって、この信号の出力頻度、すなわち、貯水部8bからの排水の頻度に基づき、熱交換器4cにおいて単位時間当りに水素ガスGから除去される水分の量を特定することができる。
また、除去システム1に対して水素ガスGを圧送する圧縮機の回転数(すなわち、単位時間あたりの水素ガスGの導入量)、分岐点P1における水素ガスGの分流比、各温度センサ44によって検出される水素ガスGの温度、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)の動作状態および流量調整弁7bの開度(すなわち、熱交換器4cに供給される冷熱の熱量)、並びに熱交換器4cにおいて単位時間当りに水素ガスGから除去される水分の量などに基づき、吸着塔2bを通過して熱交換器4cに流入する水素ガスGに含まれている水分の量(すなわち、吸着塔2bにおいて吸着剤から離脱した水分の量)や、熱交換器4cから排出される水素ガスGに含まれている水分の量(湿度)を特定することができる。
一方、熱交換器4c(排出口40o)から排出された水素ガスGは、合流点P2において吸着塔2aに向かって流動している水素ガスGに合流させられ、流路切換え弁5aを通過して吸着塔2aに流入する。この際に、前述したように、吸着塔2aに流入した水素ガスGに含まれている水分が吸着塔2a内の吸着剤に吸着されて水素ガスGから除去されるため、熱交換器4cにおいて除去し切れなかった水分が水素ガスGから確実に除去される。したがって、水分を除去すべき水素ガスGを用いて吸着塔2bの吸着能力を再生しているにも拘わらず、多量の水分が含まれた水素ガスGが排出用配管Poに流入する事態が好適に回避される。
このように、本例の除去システム1では、吸着塔2aにおける吸着除去処理と、吸着塔2bにおける吸着能力再生処理とが並行して実行される。したがって、例えば、吸着塔2a内の吸着剤が水分を好適に除去することが困難な状態となったときに、制御部15流路切換え弁5a,5bを制御することにより、吸着能力が再生された吸着塔2bにおいて吸着除去処理を実行し、吸着能力が低下した吸着塔2aにおいて吸着能力再生処理を実行することで、再び吸着塔2bの吸着能力が低下したときに、吸着塔2aにおける吸着除去処理を実行することが可能となっている。
続いて、制御部15による各部の制御態様の一例について説明する。
本例の除去システム1では、上記したように、水素ガスGを加熱するための温熱源として加熱部3hを備えると共に、水素ガスGを冷却するための冷熱源として冷却部3cを備えて構成されている。この場合、加熱部3hは、冷凍サイクル11の凝縮器22における冷媒からの放熱によって熱媒液Whを加熱可能に構成され、冷却部3cは、冷凍サイクル11の蒸発器24における冷媒への吸熱によって熱媒液Wcを冷却可能に構成されている。したがって、本例の除去システム1では、前述したように、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)を動作させることで、熱交換器4a,4cにおける水素ガスGの冷却と、熱交換器4bにおける水素ガスGの加熱とを同時に行うことが可能となっている。
しかしながら、ヒートポンプユニット3を構成する冷凍サイクル11では、蒸発器24において冷媒に吸熱することなく凝縮器22において冷媒から放熱したり、凝縮器22において冷媒から放熱することなく蒸発器24において冷媒に吸熱したりすることができず、凝縮器22における冷媒からの放熱と、蒸発器24における冷媒への吸熱とを同時に行う必要がある。このため、ヒートポンプユニット3を温熱源および冷熱源として使用する本例の除去システム1では、加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱するときに、その加熱の度合いに応じて冷却部3cにおいて熱媒液Wcが冷却され、冷却部3cにおいて熱媒液Wcを冷却するときに、その冷却の度合いに応じて加熱部3hにおいて熱媒液Whが加熱される。言い換えれば、本例の除去システム1では、加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱する必要があるときに、その加熱の度合いに応じて冷却部3cにおいて熱媒液Wcを冷却する必要があり、冷却部3cにおいて熱媒液Wcを冷却する必要があるときに、その冷却の度合いに応じて加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱する必要がある。
なお、本例の除去システム1では、前述したように、加熱部3hが、大気からの吸熱によって熱媒液Whを加熱する補助的な温熱源を備え、冷却部3cが、大気への放熱によって熱媒液Wcを冷却する補助的な冷熱源を備えている。しかしながら、蒸発器24における冷媒への吸熱を行うことなく補助的な冷熱源だけで熱媒液Wcを冷却しようとしても、凝縮器22における冷媒からの放熱によって熱媒液Whを加熱することができず、凝縮器22における冷媒からの放熱を行うことなく補助的な温熱源だけで熱媒液Whを加熱しようとしても、蒸発器24における冷媒への吸熱によって熱媒液Wcを冷却することができない。したがって、上記の補助的な熱源は、あくまでも、凝縮器22において冷媒から放熱する熱量と、蒸発器24において冷媒に吸熱する熱量とが僅かに相違したときに、この差を補うことができる程度の熱源として利用されるものとなっている。
一方、吸着塔2a,2bのいずれか一方における吸着除去処理と吸着塔2a,2bの他方における吸着能力再生処理とを並行して実行する本例の除去システム1において、導入用配管Piに導入される水素ガスGの量を減少させることなく吸着除去処理を継続的に実行するには、吸着除去処理を行っている吸着塔2において水素ガスGに含まれる水分を好適に吸着除去するのが困難となったときに、吸着能力再生処理によって吸着能力が再生された吸着塔2において吸着除去処理を継続する(吸着除去処理を行っている吸着塔2と吸着能力再生処理を行っている吸着塔2とを切り換える:以下、単に「吸着塔2を切り換える」ともいう)必要がある。このため、本例の除去システム1のような構成を採用したときには、吸着除去処理を行っている吸着塔2が、水素ガスGに含まれる水分を好適に吸着除去することが可能な状態のうちに、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2の吸着除去能力が十分に再生される(吸着剤の吸着能力が十分に復元される)ように吸着能力再生処理を行うのが好ましい。
この場合、吸着能力再生処理を行う吸着塔2は、除去システム1が停止状態であったり、直前まで吸着除去処理が行われていたりすることで、耐圧容器や吸着剤の温度が、吸着剤から水分を好適に離脱させ得る温度よりも低くなっている。したがって、吸着除去処理および吸着能力再生処理を開始した直後(除去システム1の起動直後や、両吸着塔2を切り換えた直後)には、熱交換器4bにおいて加熱された水素ガスGによって吸着能力再生処理の対象とする吸着塔2の耐圧容器や吸着剤を効率よく加熱して吸着剤から水分を好適に離脱させることができるように、加熱部3hにおいて熱媒液Whを短時間で十分に加熱する必要がある。
また、吸着除去処理を行っている吸着塔2に水分を多量に含んだ水素ガスGが流入したときには、その吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が短時間で大きく低下してしまう。このため、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2が十分に再生される前に、吸着除去処理を行っている吸着塔2において水素ガスGから水分を好適に吸着除去するのが困難となるおそれがある。
ここで、吸着能力再生処理の開始直後は、吸着剤が多量の水分を吸着した状態となっているため、熱交換器4bによって加熱された高温の水素ガスGに接した吸着剤から多量の水分が離脱させられる結果、熱交換器4cに流入する水素ガスGに多量の水分が含まれた水素ガスGが流入することとなる。このため、この水分を熱交換器4cにおいて好適に除去することができなかった場合には、吸着除去処理を行っている吸着塔2に合流点P2を経て水分を多量に含んだ水素ガスGが流入してしまう。また、導入用配管Piに導入される水素ガスGに多量の水分が含まれているときに、この水分を熱交換器4aにおいて好適に除去することができなかった場合には、吸着除去処理を行っている吸着塔2に水分を多量に含んだ水素ガスGが流入してしまう。
そこで、本例の除去システム1では、吸着除去処理および吸着能力再生処理を開始した直後に、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)を最大限の処理能力で動作させる(具体的には、圧縮機21の回転数を上昇させる)ことで、十分に高温の熱媒液Whが加熱部3hから熱交換器4bに供給されて水素ガスGが十分に温度上昇させられ、この高温の水素ガスGが吸着能力再生処理を行う吸着塔2に供給されると共に、凝縮器22において冷媒から放熱される大量の熱量に対応して蒸発器24において冷媒に大量の熱量が吸熱される結果、十分に低温の熱媒液Wcが熱交換器4a,4cに供給されるように構成されている。
この際に、本例の除去システム1では、前述したように、流量調整弁7aが最小の開度となる開弁状態(または全閉状態)に制御されることで、冷却部3cから熱媒液循環路LC1に流入した熱媒液Wcの大半(または全て)が熱交換器4a(二次熱交換部32)を通過させられる。また、熱交換器4a内の流量調整弁33aが最大の開度となる開弁状態(または全開状態)に制御されると共に、流量調整弁33bが最小の開度となる開弁状態(または全閉状態)に制御されることで、導入用配管Piに導入された水素ガスGの大半(または全て)が二次熱交換部32を通過させられた後に一次熱交換部31を再び通過させられる。これにより、熱媒液Wcとの熱交換によって二次熱交換部32において水素ガスGが十分に冷却されて(水素ガスGの熱が熱媒液Wcに好適に吸熱されて)水素ガスGに含まれている水分が好適に除去されると共に、二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGとの熱交換によって一次熱交換部31において水素ガスGが十分に冷却されて(一次熱交換部31を通過している水素ガスGの熱が排出口30oから排出される水素ガスGに好適に吸熱されて)水分が好適に除去される結果、多量の水分を含んだ水素ガスGが吸着除去処理を行っている吸着塔2に流入する事態が好適に回避される。
さらに、本例の除去システム1では、前述したように、流量調整弁7bが最小の開度となる開弁状態(または全閉状態)に制御されることで、冷却部3cから熱媒液循環路LC2に流入した熱媒液Wcの大半(または全て)が熱交換器4c(二次熱交換部42)を通過させられる。また、熱交換器4c内の流量調整弁43aが最大の開度となる開弁状態(または全開状態)に制御されると共に、流量調整弁43bが最小の開度となる開弁状態(または全閉状態)に制御されることで、吸着能力再生処理の対象の吸着塔2を通過させられた水素ガスGの大半(または全て)が二次熱交換部42を通過させられた後に一次熱交換部41を再び通過させられる。これにより、熱媒液Wcとの熱交換によって二次熱交換部42において水素ガスGが十分に冷却されて(水素ガスGの熱が熱媒液Wcに好適に吸熱されて)水素ガスGに含まれている水分が好適に除去されると共に、二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGとの熱交換によって一次熱交換部41において水素ガスGが十分に冷却されて(一次熱交換部41を通過している水素ガスGの熱が排出口40oから排出される水素ガスGに好適に吸熱されて)水分が好適に除去される結果、多量の水分を含んだ水素ガスGが吸着除去処理を行っている吸着塔2に流入する事態が好適に回避される。
これにより、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)を最大限の処理能力で動作させることで得られる温熱(凝縮器22において冷媒から放熱される熱)および冷熱(蒸発器24において冷媒に吸熱される熱)の均衡を保ちつつ、吸着能力再生処理の対象の吸着塔2を短時間で効率良く再生し、かつ吸着除去処理の対象の吸着塔2の吸着能力が短時間で大きく低下する事態を好適に回避することが可能となっている。
一方、吸着能力再生処理を継続することによって吸着剤に吸着された状態の水分が徐々に減少する。また、高温の水素ガスGに接している耐圧容器や吸着剤の温度も十分に高い温度となる。したがって、処理開始からある程度経過したときには、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2に供給する水素ガスGの温度をある程度低下させても、吸着剤から水分を十分に離脱させることが可能となる。このため、加熱部3hから熱交換器4bに供給する熱媒液Whの温度を処理開始直後よりも低下させたり、単位時間当りの熱媒液Whの供給量を減少させたりすることが可能となり、これに応じて、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)やポンプ12a,12bの処理能力を低下させて電力消費量を低減することが可能となる。
この際に、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)を温熱源および冷熱源とする本例の除去システム1では、前述したように、加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱する度合いに応じて冷却部3cにおいて熱媒液Wcが冷却される。言い換えれば、加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱する熱量を減少させるときには、冷却部3cにおいて熱媒液Wcを冷却する熱量、すなわち、熱交換器4a,4cにおいて水素ガスGから熱媒液Wcに吸熱する熱量を減少させる必要がある。したがって、本例の除去システム1では、制御部15が、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)の処理能力を低下させる(具体的には、圧縮機21の回転数を低下させる)制御と相俟って、流量調整弁7aの開度を大きくする制御、および流量調整弁7bの開度を大きくする制御を実行する。
この際に、流量調整弁7aの開度が大きくなることで、冷却部3cから熱媒液循環路LC1に流入した熱媒液Wcの一部が熱交換器4a(二次熱交換部32)を通過させずに冷却部3cに戻ることとなる。したがって、流量調整弁7aの開度が大きくなることで、熱交換器4aにおいて水素ガスGから熱媒液Wcに吸熱される熱量が減少する。また、流量調整弁7bの開度が大きくなることで、冷却部3cから熱媒液循環路LC2に流入した熱媒液Wcの一部が熱交換器4c(二次熱交換部42)を通過させずに冷却部3cに戻ることとなる。したがって、流量調整弁7bの開度が大きくなることで、熱交換器4cにおいて水素ガスGから熱媒液Wcに吸熱される熱量が減少する。
この場合、前述したように、吸着能力再生処理を継続することによって吸着剤に吸着されている水分が徐々に減少するため、熱交換器4cに流入する水素ガスGに含まれる水分、すなわち、熱交換器4cにおいて水素ガスGから除去可能な水分が徐々に減少する。このため、熱交換器4cにおいて水素ガスGを冷却するのに必要となる冷熱の熱量が徐々に低下する。その一方では、導入用配管Piに導入される水素ガスGに含まれる水分の量は、吸着能力再生処理の進捗状況とは無関係であるため、熱交換器4aにおいて水素ガスGから水分を除去するのに必要となる冷熱の熱量は大きく変化しないものの、導入される水素ガスGに含まれる水分の量が多いときには、熱交換器4aにおいて必要となる冷熱の熱量が多くなり、導入される水素ガスGに含まれる水分の量が少ないときには、熱交換器4aにおいて必要となる冷熱の熱量が少なくなる。
したがって、本例の除去システム1では、熱交換器4aにおいて必要とされる冷熱の熱量(熱交換器4aに流入する水素ガスGに含まれている水分の量)、および熱交換器4cにおいて必要とされる冷熱の熱量(熱交換器4cに流入する水素ガスGに含まれている水分の量)に応じて、制御部15が流量調整弁7a,7bの開度を調整する。
この場合、前述したように、熱交換器4aでは、導入口30iから導入された水素ガスGと、排出口30oから排出される水素ガスGとの一次熱交換部31における熱交換(一次熱交換:予冷)によって水素ガスGから水分が除去されると共に、一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGと熱媒液Wcとの二次熱交換部32における熱交換(二次熱交換:本冷)によって水素ガスGから水分がさらに除去される。
この際に、前述の流量調整弁33aの開度が大きく、かつ流量調整弁33bの開度が小さいとき(二次熱交換部32を通過させられた後に一次熱交換部31を再び通過させられる水素ガスGの量が多いとき)には、一次熱交換部31における予冷の熱交換量が増加して一次熱交換部31において水素ガスGから水分が好適に除去される。しかしながら、排出口30oから排出される水素ガスGの温度が低くなるため、この水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられることで、吸着塔2(耐圧容器や吸着剤)や流路切換え弁5bの温度が低下する結果、吸着塔2を切り換えたときに、温度低下した状態の吸着塔2や流路切換え弁5bに高温の吸着塔2が接することで結露が生じることがある。このような状態では、吸着塔2を再び切り換えたときに、結露水が排出用配管Poに流入するおそれがある。また、排出口30oから排出される水素ガスGの温度が低い状態では、吸着能力再生処理のために熱交換器4bにおいて水素ガスGを好適な温度まで加熱するのに必要となる温熱の熱量が増加する。
一方、流量調整弁33aの開度が小さく、かつ流量調整弁33bの開度が大きいとき(二次熱交換部32を通過させられた後に一次熱交換部31を再び通過させられる水素ガスGの量が少ないとき)には、一次熱交換部31における予冷の熱交換量が減少するため、一次熱交換部31において水素ガスGから水分を好適に除去するのが困難となる。したがって、結露水が排出用配管Poに流入したり、熱交換器4bにおいて必要となる温熱の熱量が過剰に多くなったりする事態を招くことなく、一次熱交換部31および二次熱交換部32の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができるように、流量調整弁33a,33bの開度(すなわち、一次熱交換部31における水素ガスGの冷却の度合い)を調整するのが好ましい。
この場合、熱交換器4aにおける流量調整弁33a,33bの開度の調整(一次熱交換部31における水素ガスGの冷却の度合いの調整)については、熱交換器4a内における水素ガスGの温度変化に基づいて制御される。具体的には、導入口30iから導入された水素ガスGの温度(温度センサ34aによって検出される温度:「第4の温度」の一例)、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ34bによって検出される温度:「第5の温度」の一例)、および二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ34cによって検出される温度:「第6の温度」の一例)をそれぞれ特定する。
次いで、上記の「第4の温度」および「第6の温度」の温度差(「第3の温度差」の一例)と、「第5の温度」および「第6の温度」の温度差(「第4の温度差」の一例)とを特定すると共に、「第3の温度差」と「第4の温度差」との比が予め規定された目標範囲内の比となるように、流量調整弁33a,33bを制御してバイパス流路33を通過する水素ガスGの流量を調整する(「第4の処理」の一例)。なお、上記の「目標範囲」については、除去システム1の使用環境下に応じて、結露水が排出用配管Poに流入したり、熱交換器4bにおいて必要となる温熱の熱量が過剰に多くなったりする事態を招くことなく、一次熱交換部31において水素ガスGから水分を好適に除去することができる状態となる「第3の温度差と第4の温度差との比」を予め特定することで、各処理の開始に先立って規定される。
また、本例の除去システム1では、制御部15が、流量調整弁33a,33bの開度を調整する制御と並行して、流量調整弁7aの開度を調整する制御を実行する。具体的には、制御部15は、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられる水素ガスGの温度(温度センサ9によって検出される温度)に基づき、流量調整弁7aを制御して、水素ガスGの温度が高いときに熱交換器4aを通過させられる熱媒液Wcの流量を増加させ、水素ガスGの温度が低いときに熱交換器4aを通過させられる熱媒液Wcの流量を減少させる。これにより、吸着除去処理を行う吸着塔2に対して過剰に低い温度の水素ガスGが流入する事態が回避され、結露水が排出用配管Poに流入する事態を好適に回避することが可能となる。
また、本例の除去システム1では、制御部15が、熱交換器4c内における水素ガスGの温度変化の状態に応じて流量調整弁43a,43bの開度を調整する制御を実行する。この場合、流量調整弁43aの開度が大きく、かつ流量調整弁43bの開度が小さいとき(二次熱交換部42の後に一次熱交換部41を再び通過させられる水素ガスGの量が多いとき)には、導入口40iから導入された水素ガスGと二次熱交換部42において冷却された水素ガスGとの一次熱交換部41における熱交換量が多くなる。このため、一次熱交換部41において水素ガスGから水分を好適に除去することが可能となるものの、熱交換器4cにおいて必要とされる冷熱の熱量が増加することとなる。また、流量調整弁43aの開度が小さく、かつ流量調整弁43bの開度が大きいとき(二次熱交換部42の後に一次熱交換部41を再び通過させられる水素ガスGの量が少ないとき)には、導入口40iから導入された水素ガスGと二次熱交換部42において冷却された水素ガスGとの一次熱交換部41における熱交換量が少なくなる。このため、熱交換器4cにおいて必要とされる冷熱の熱量が減少するものの、一次熱交換部41において水素ガスGから水分を好適に除去するのが困難となる。
したがって、流量調整弁7bの開度調整に応じて熱交換器4cに供給される熱媒液Wcの量(すなわち、熱交換器4cに供給される冷熱の熱量)に応じて、一次熱交換部41および二次熱交換部42の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができるように、流量調整弁43,43bの開度(すなわち、導入口40iから導入された水素ガスGと二次熱交換部42において冷却された水素ガスGとの一次熱交換部41における冷却の度合い)を調整するのが好ましい。
この場合、熱交換器4cにおける流量調整弁43a,43bの開度の調整については、熱交換器4c内における水素ガスGの温度変化に基づいて制御される。具体的には、導入口40iから導入された水素ガスGの温度(温度センサ44aによって検出される温度:「第1の温度」の一例)、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ44bによって検出される温度:「第2の温度」の一例)、および二次熱交換部42から排出される水素ガスGの温度(温度センサ44cによって検出される温度:「第3の温度」の一例)をそれぞれ特定する。
次いで、上記の「第1の温度」および「第3の温度」の温度差(「第1の温度差」の一例)、および「第2の温度」および「第3の温度」の温度差(「第2の温度差」の一例)「それぞれ特定すると共に、「第1の温度差」と「第2の温度差」との比が予め規定された目標範囲内の比となるように、流量調整弁43a,43bを制御してバイパス流路43を通過する水素ガスGの流量を調整する(「第3の処理」の一例)。なお、上記の「目標範囲」については、除去システム1の使用環境下に応じて、熱交換器4cに供給される冷熱の熱量に応じて、一次熱交換部41および二次熱交換部42の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができる状態となる「第1の温度差と第2の温度差との比」を予め特定することで、各処理の開始に先立って規定される。
また、本例の除去システム1では、制御部15が、上記のように流量調整弁43a,43bの開度を調整する制御と並行して、流量調整弁7bの開度を調整する制御を実行する。具体的には、制御部15は、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられる水素ガスGの温度(温度センサ9によって検出される温度)に応じて制御する。この場合、熱交換器4cにおいて冷却された水素ガスGの温度が低いときには、そのような水素ガスGが合流点P2において合流させられた後に吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられることで、吸着塔2(耐圧容器や吸着剤)や流路切換え弁5bの温度が低下することとなる。この結果、吸着塔2を切り換えたときに、温度低下した状態の吸着塔2や流路切換え弁5bに高温の水素ガスGが接することで結露が生じることがある。このような状態では、吸着塔2を再び切り換えたときに、結露水が排出用配管Poに流入するおそれがある。
したがって、制御部15は、温度センサ9によって検出される水素ガスGの温度が高いときには、流量調整弁7bの開度を小さくして熱交換器4cを通過させられる熱媒液Wcの流量を増加させ、水素ガスGの温度が低いときには、流量調整弁7bの開度を大きくして熱交換器4cを通過させられる熱媒液Wcの流量を減少させる。これにより、吸着除去処理を行う吸着塔2に対して過剰に低い温度の水素ガスGが流入する事態が回避され、結露水が排出用配管Poに流入する事態を好適に回避することが可能となる。
一方、吸着能力再生処理をさらに継続したときには、吸着剤に吸着された状態の水分がさらに少量となり、高温の水素ガスGに接することで吸着剤から離脱する水分の量が極く少量となる。このような状態において、吸着剤に多量の水分が吸着されていたときと同様に加熱部3hから高温の熱媒液Whを供給したときには、熱交換器4bにおいて水素ガスGが同様に加熱されるのにも拘わらず、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2において吸着剤から水分を離脱させるのに消費される温熱の量が減少するため、結果として、吸着塔2から排出される水素ガスGの温度が高温となる。この際には、吸着塔2から排出された水素ガスGが熱交換器4cにおける冷却の分だけ温度低下するものの、熱交換器4cから排出される水素ガスGの温度が高温となる。このため、吸着除去処理を行っている吸着塔2に流入する水素ガスGの温度が高温となり、その相対湿度が低くなることで吸着剤に水分を好適に吸着させるのが困難になると共に、最終的に排出用配管Poに排出される水素ガスGの温度が高温となる。
したがって、本例の除去システム1では、制御部15が、温度センサ9によって検出される水素ガスGの温度が許容範囲を超えて高い温度に変化したときに、熱交換器4cと合流点P2との間に配設されている流量調整弁6の開度を小さくする制御(水素ガスGの通過量を減少させる制御:「第3の熱交換器を通過させられた気体の温度に基づいて第3の流量調整部を制御して第3の熱交換器を通過する気体の流量を調整させる第5の処理」の一例)を実行する。これにより、吸着除去処理を行っている吸着塔2に流入する水素ガスGが過剰に高温となる事態が回避される。
また、本例の除去システム1では、前述したように、導入用配管Piに導入される水素ガスGに含まれている水分の量や、吸着能力再生処理の進捗状況などに応じてヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)の動作状態や各流量調整弁7a,7b,33a,33b,43a,43bの開度の調整が行われる。この場合、導入用配管Piに導入される水素ガスGに含まれている水分の量については、一例として、単位時間当りに導入用配管Piに導入される水素ガスGの量およびその温度、単位時間当りに熱交換器4aに供給される熱媒液Wcの量およびその温度、並びに単位時間当りに熱交換器4aから排水された水分の量に基づいて特定することができる。
また、単位時間当りに導入用配管Piに導入された水素ガスGの量は、圧縮機の回転数に基づいて特定することができる。また、本例の除去システム1では、前述したように、貯水部8aが、熱交換器4aにおいて水素ガスGから除去されて熱交換器4aから排水された水分が「第1の規定量」に達したときに、その一部の「第2の規定量」を外部に排出(排水)すると共に、排出したことを報知する信号を制御部15に出力する構成が採用されている。したがって、貯水部8aからの信号の出力頻度に基づき、貯水部8aから単位時間当りに排出された水分の量(第2の規定量)を特定することができる。また、単位時間当りに熱交換器4aに供給される熱媒液Wcの量は、ポンプ12aの回転数、流量調整弁7a,7bの開度に基づいて特定することができ、熱媒液Wcの温度は、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)に設けられている図示しない温度センサによって検出することができる。
また、吸着能力再生処理の進捗状況については、一例として、吸着塔2内の吸着剤が吸着可能な水分の量と、熱交換器4cから排出された水分の量(すなわち、吸着塔2において水素ガスGから除去された水分の量)とに基づいて特定することができる。具体的には、本例の除去システム1では、前述したように、 貯水部8bが、熱交換器4cにおいて水素ガスGから除去されて熱交換器4cから排水された水分が「第3の規定量」に達したときに、その一部の「第4の規定量」を外部に排出(排水)すると共に、排出したことを報知する信号を制御部15に出力する構成が採用されている。
したがって、貯水部8bから出力される信号に基づき、貯水部8bから排出された水分の量(第4の規定量の積算量)を特定することができ、特定した量に基づいて、吸着能力再生処理が行われている吸着塔2において吸着剤から離脱させられた水分の量を推定することができる。また、各吸着塔2内の吸着剤が吸着可能な水分の量が既知であるため、この既知の水分の量と、吸着剤から離脱させられたと推定される水分の量とに基づき、吸着能力再生処理の進捗状況、すなわち、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2内の吸着剤がどの程度の水分を吸着している状態であるか(どの程度の水分を吸着可能な状態であるか)を特定することができる。
これにより、本例の除去システム1では、吸着能力再生処理に必要な温熱の熱量(加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱すべき熱量)や、熱交換器4a,4cにおける水素ガスGの冷却に必要な冷熱の熱量(冷却部3cにおいて熱媒液Wcを冷却すべき熱量)に応じてヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)の動作状態や各流量調整弁7a,7b,33a,33b,43a,43bの開度を調整することができるため、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)やポンプ12a,12bを不必要に高い処理能力で動作させることなく、吸着除去処理および吸着能力再生処理を実行することが可能となっている。
なお、本例の除去システム1では、制御部15が、吸着除去処理を行う吸着塔2および吸着能力再生処理を行う吸着塔2を切り換える「第2の処理」を実行する条件として、次に説明する4つの切換え条件のうちから除去システム1の使用環境に応じて任意の条件を選択することが可能となっている。
具体的には、第1の切換え条件(「第1の条件」の一例)が選択されているときに、制御部15は、吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGに含まれている水分の量に応じて変化するパラメータ(一例として、湿度センサ10によって検出される水素ガスGの湿度:「第1のパラメータ」の一例)が、予め規定された許容範囲(排出用配管Poに排出される水素ガスGに含まれる水分の量として許容されている範囲:「第1の範囲」の一例)の上限に達したときに、吸着除去処理を行う吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が予め規定された能力(水素ガスGに含まれる水分を好適に吸着することが可能な吸着能力:「第1の能力」の一例)を下回る状態になったと判別して吸着塔2を切り換える。
また、第2の切換え条件(「第2の条件」の一例)が選択されているときに、制御部15は、吸着能力再生処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGに含まれている水分の量に応じて変化するパラメータ(一例として、吸着能力再生処理を行う吸着塔2において水素ガスGから除去された水分の量:単位時間当りに貯水部8bから排出される水分の量:「第2のパラメータ」の一例)が、予め規定された許容範囲(合流点P2において合流させられる水素ガスGに含まれる水分の量として許容されている範囲:「第2の範囲」の一例)の上限に達したときに、吸着能力再生処理を行う吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が予め規定された能力(水素ガスGに含まれる水分を好適に吸着することが可能な吸着能力:「第2の能力」の一例)を超える状態になったと判別して吸着塔2を切り換える。
また、第3の切換え条件(「第3の条件」の一例)が選択されているときに、制御部15は、吸着除去処理を開始してからの経過時間が予め規定された時間(吸着除去処理を行っている吸着塔2の吸着除去能力が水分を好適に吸着することが困難となるまでの時間:「第1の時間」の一例)に達したときに吸着塔2を切り換える。また、第4の切換え条件(「第4の条件」の一例)が選択されているときに、制御部15は、吸着能力再生処理を開始してからの経過時間が予め規定された時間(吸着能力再生処理を行っている吸着塔2が水分を好適に吸着除去可能な状態に再生されるまでの時間:「第2の時間」の一例)に達したときに吸着塔2を切り換える。
この場合、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2における吸着剤の吸着能力がどの程度再生されたかを問わず、吸着除去処理を行っている吸着塔2における吸着剤の吸着能力が限界に達するまで処理を継続させるときには、切換え条件1、または切換え条件3を選択する。また、吸着除去処理を行っている吸着塔2における吸着剤の吸着能力がどの程度であるかを問わず、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2における吸着剤の吸着能力が十分に再生されたときに吸着塔2を切り換えるときには、切換え条件2、または切換え条件4を選択する。なお、この場合、本例の除去システム1では、上記の各切換え条件を単独で選択するだけでなく、2つ、または3つを任意に組み合わせて選択したり、4つすべてを選択したりすることが可能となっている。この場合、複数の切換え条件が選択されているときに、制御部15は、選択された各条件のうちのいずれかが満たされたときに吸着塔2を切り換える。
以上の説明のように、本例の除去システム1では、2つの吸着塔2を備えて吸着除去処理および吸着能力再生処理を並行して実行し、選択された切換え条件が満たされたときに吸着塔2を切り換えることで、順次導入される水素ガスGから継続的に水分を除去することが可能となっている。
このように、この「吸着剤再生装置(除去システム1における吸着塔2a,2bを除く構成要素からなる装置)」では、複数の吸着塔2(本例では、吸着塔2a,2bの2つ)を備えて各吸着塔2の一部を対象とする吸着除去処理と各吸着塔2の他の一部を対象とする加熱再生方式の吸着能力再生処理とを並行して実行可能に構成された除去システム1における吸着剤を再生可能に構成され、吸着能力再生処理を行う吸着塔2に流入させる水素ガスGを加熱する熱交換器4bと、吸着除去処理を行う吸着塔2および熱交換器4bに流入させられる水素ガスGを冷却する熱交換器4aと、吸着能力再生処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGを冷却する熱交換器4cと、冷凍サイクル11における凝縮器22からの放熱によって熱媒液Whを加熱可能な加熱部3h、および冷凍サイクル11における蒸発器24による吸熱によって熱媒液Wcを冷却可能な冷却部3cを備えたヒートポンプユニット3と、吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGを、水分の除去が完了した水素ガスGを流入させるべき排出用配管Poに流入させると共に、熱交換器4bによって加熱された水素ガスGを、吸着能力再生処理を行う吸着塔2に流入させる流路切換え弁5bと、熱交換器4aによって冷却された水素ガスGを、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させると共に、吸着能力再生処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGを、熱交換器4cに流入させる流路切換え弁5aと、加熱部3hによる熱媒液Whの加熱、熱交換器4bへの熱媒液Whの供給、冷却部3cによる熱媒液Wcの冷却、熱交換器4aへの熱媒液Wcの供給、および熱交換器4cへの熱媒液Wcの供給を制御する「第1の処理」と、流路切換え弁5a,5bを制御して吸着除去処理を行う吸着塔2および吸着能力再生処理を行う吸着塔2を切り換える「第2の処理」とを実行する制御部15とを備え、熱交換器4cを通過させられた水素ガスGが、熱交換器4aを通過させられた水素ガスGに合流させられて流路切換え弁5aを介して吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられると共に、熱交換器4a,4cが、一次熱交換部31,41および二次熱交換部32,42を備え、導入口30i,40iから導入された水素ガスGが、一次熱交換部31,41、二次熱交換部32,42および一次熱交換部31,41をこの順で通過させられて排出口30o,40oから排出されるように水素ガスGの流路が形成されると共に、二次熱交換部32,42において熱媒液Wcとの熱交換によって水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去され、かつ、一次熱交換部31,41において二次熱交換部32,42によって冷却された水素ガスGとの熱交換によって導入口30i,40iから導入された水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去されるようにそれぞれ構成されている。また、この「吸着剤再生装置」では、「気体」としての水素ガスから「除去対象」としての水分を除去可能に構成された除去システム1における吸着剤の吸着能力を再生可能に構成されている。さらに、この除去システム1では、上記の「吸着剤再生装置」と各吸着塔2とを備えて水素ガスGから水分を除去可能に構成されている。
したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、水素ガスGを冷却することで水素ガスGから水分を除去するための冷熱源(例えば、単独で動作する冷凍サイクル)と、加熱再生方式の吸着能力再生処理のために水素ガスGを加熱するための温熱源(例えば電気ヒータ)とを別個に動作させなくても、ヒートポンプユニット3を動作させるだけで、水素ガスGを冷却するための熱媒液Wcを冷却部3cにおいて冷却し、同時に水素ガスGを加熱するための熱媒液Whを加熱部3hにおいて加熱することができる。これにより、水素ガスGからの水分の除去および吸着剤の再生のために消費されるエネルギー量を十分に低減することができる。また、吸着除去処理を行う吸着塔2に水素ガスGを流入させる前に熱交換器4aにおいて水素ガスGに含まれる水分の一部を除去する分だけ、吸着除去処理を行う吸着塔2内の吸着剤の吸着能力の低下を抑制できるため、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させる水素ガスGの量を減少させたり、吸着除去処理を一時的に停止させたりする必要がなくなることから、導入される水素ガスGについての吸着除去処理を短時間で確実に完了させることができる。また、熱交換器4a,4c内に一次熱交換部31,41および二次熱交換部32,42を設けて二次熱交換部32,42において熱媒液Wcとの熱交換によって水素ガスGを冷却しつつ、一次熱交換部31,41において導入口30i,40iから導入される水素ガスGを排出口30o,40oから排出される水素ガスG(すなわち、二次熱交換部32,42において冷却された水素ガスG)との熱交換によって冷却することで、水素ガスGを効率よく冷却して水分を除去することができる。これにより、多量の水分を含んだ水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2に流入する事態を回避することができると共に、一次熱交換部31,41および二次熱交換部32,42を備えない構成の熱交換器を使用するのと比較して、水素ガスGからの水分を除去するのに消費されるエネルギー量を一層低減することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGを、一次熱交換部41を再び通過させずに排出口40oから排出させるバイパス流路43が熱交換器4cに設けられると共に、バイパス流路43を通過する水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁43a,43bが配設され、制御部15が、導入口40iから導入された水素ガスGの「第1の温度(温度センサ44aの検出温度)」、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの「第2の温度(温度センサ44bの検出温度)」、および二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGの「第3の温度(温度センサ44cの検出温度)」をそれぞれ特定すると共に、「第1の温度」および「第3の温度」の「第1の温度差」と、「第2の温度」および「第3の温度」の「第2の温度差」との比に基づき、流量調整弁43a,43bを制御してバイパス流路43を通過する水素ガスGの流量を調整する「第3の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGを、一次熱交換部31を再び通過させずに排出口30oから排出させるバイパス流路33が熱交換器4aに設けられると共に、バイパス流路33を通過させる水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁33a,33bが配設され、制御部15が、熱交換器4aにおける導入口30iから導入された水素ガスGの「第4の温度(温度センサ34aの検出温度)」、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの「第5の温度(温度センサ34bの検出温度)」、および二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGの「第6の温度(温度センサ34cの検出温度)」を特定すると共に、「第4の温度」および「第6の温度」の「第3の温度差」と、「第5の温度」および「第6の温度」の「第4の温度差」との比に基づき、流量調整弁33a,33bを制御してバイパス流路33を通過する水素ガスGの流量を調整させる「第4の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、熱交換器4cを通過させられる水素ガスGの流量を調整する流量調整弁7bを備え、制御部15が、熱交換器4cを通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ9による検出温度)が予め規定された温度範囲内の温度となるように流量調整弁7bを制御して熱交換器4cを通過させられる水素ガスGの流量を調整する「第5の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、制御部15が、吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGに含まれている水分の量に応じて変化する「第1のパラメータ」が予め規定された「第1の範囲」を外れたときに、吸着除去処理を行う吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が予め規定された「第1の能力」を下回る「第1の条件(第1の切換え条件)」が満たされたと判別して「第2の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、吸着除去処理を行っている吸着塔2の吸着剤が、水素ガスGからの好適な水分の吸着が困難となる前に吸着能力再生処理を行っている吸着塔2、すなわち、水素ガスGからの好適な水分の吸着が可能な状態となっている吸着剤が収容されている吸着塔2において吸着除去処理を行うことができるため、十分に水分が除去された水素ガスGを継続的に排出用配管Poに排出することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、制御部15が、吸着能力再生処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGに含まれている水分の量に応じて変化する「第2のパラメータ」が予め規定された「第2の範囲」を外れたときに、吸着能力再生処理を行う吸着塔2内の吸着剤の吸着能力が予め規定された「第2の能力」を超える「第2の条件(第2の切換え条件)」が満たされたと判別して「第2の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、吸着能力再生処理を行ったことで吸着剤の吸着能力が十分に向上した吸着塔2について、不要な吸着能力再生処理を継続せずに済むため、消費電力を一層低減することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、制御部15が、吸着除去処理を開始してからの経過時間が予め規定された「第1の時間」に達する「第3の条件(第3の切換え条件)」、および吸着能力再生処理を開始してからの経過時間が予め規定された「第2の時間」に達する「第4の条件(第4の切換え条件)」の予め規定された一方が満たされたときに、「第2の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、使用環境に応じて「第1の時間」または「第2の時間」を予め規定しておくことで、水素ガスGの状態を把握するための複雑な構成を備えなくても、「第3の条件」が満たされたときに「第2の処理」を実行すれば、水素ガスGからの好適な水分の吸着が可能な状態となっている吸着剤が収容されている吸着塔2において吸着除去処理を行うことができるため、十分に水分が除去された水素ガスGを継続的に排出用配管Poに排出することが可能となり、「第4の条件」が満たされたときに「第2の処理」を実行すれば、不要な吸着能力再生処理を継続せずに済むため、消費電力を一層低減することが可能となる。
また、この「吸着剤再生装置」では、熱交換器4cを通過させられる熱媒液Wcの流量を調整する流量調整弁7bを備え、制御部15が、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられる水素ガスGの温度(温度センサ9の検出温度)に基づき、流量調整弁7bを制御して、水素ガスGの温度が高いときに熱交換器4cを通過させられる熱媒液Wcの流量を増加させ、水素ガスGの温度が低いときに熱交換器4cを通過させられる熱媒液Wcの流量を減少させる。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
なお、「吸着剤再生装置および除去システム」の構成は、上記の除去システム1の構成の例に限定されない。例えば、上記の除去システム1における熱交換器4aに代えて図5に示す熱交換器54aを採用して除去システム1を構成したり、熱交換器4cに代えて図6に示す熱交換器54cを採用して除去システム1を構成したりすることもできる。
熱交換器54aは、「第2の熱交換器」の他の一例であって、前述した熱交換器4aと同様にして、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から熱媒液循環路LC1を介して供給される熱媒液Wcとの熱交換によって、吸着除去処理を行う吸着塔2や熱交換器4bに流入させられる水素ガスGを冷却可能に構成されている。また、熱交換器54cは、「第3の熱交換器」の他の一例であって、前述した熱交換器4cと同様にして、ヒートポンプユニット3(冷却部3c)から熱媒液循環路LC2を介して供給される熱媒液Wcとの熱交換によって、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2を通過させられた水素ガスGを冷却可能に構成されている。なお、これら熱交換器54a,54cにおいて、熱交換器4a,4cと同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この場合、図5に示すように、熱交換器54aには、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの一部を、二次熱交換部32を通過させずに、二次熱交換部32を通過させられて一次熱交換部31に流入させられる水素ガスGに合流させるバイパス流路35(「バイパス流路B」の一例)が設けられると共に、このバイパス流路35を通過する水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁35a(「流量調整部B」の一例)が配設されている。また、熱交換器54aには、導入口30iから導入された水素ガスGの温度(「温度D」の一例)を検出可能な温度センサ34a、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの温度(「温度E」の一例)を検出可能な温度センサ34b、および排出口30oから排出される水素ガスGの温度(「温度F」の一例)を検出可能な温度センサ34dが配設されている。
また、図6に示すように、熱交換器54cには、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの一部を、二次熱交換部42を通過させずに、二次熱交換部42を通過させられて一次熱交換部41に流入させられる水素ガスGに合流させるバイパス流路45(「バイパス流路A」の一例)が設けられると共に、このバイパス流路45を通過する水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁45a(「流量調整部A」の一例)が配設されている。また、熱交換器54cには、導入口40iから導入された水素ガスGの温度(「温度A」の一例)を検出可能な温度センサ44a、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの温度(「温度B」の一例)を検出可能な温度センサ44b、および排出口40oから排出される水素ガスGの温度(「温度C」の一例)を検出可能な温度センサ44dが配設されている。
この場合、熱交換器4aに代えて熱交換器54aを採用した除去システム1において、処理対象の水素ガスGが導入されたとき(除去システム1による各処理を開始したとき)に、制御部15は、最初に、熱交換器54a内の流量調整弁35aを最小の開度となる開弁状態(全閉可能な弁構造の場合には全閉状態)に制御する。これにより、導入口30iから熱交換器54aに導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの大半(流量調整弁35aが全閉の場合には、一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGのすべて)が二次熱交換部32を通過させられる。
また、二次熱交換部32における熱媒液Wcとの熱交換によって冷却された水素ガスG(排出口30oに向かって一次熱交換部31を通過させられる水素ガスG)と、導入口30iから一次熱交換部31に新たに導入された水素ガスGとの一次熱交換部31における熱交換によって、新たに導入された水素ガスGが冷却される。これにより、新たに導入された水素ガスGの相対湿度が上昇するため、水素ガスGに含まれている気相の水分の一部が一次熱交換部31において液相に変化して水素ガスGから離脱させられる(除去される)。この結果、前述の熱交換器4aを採用したときと同様にして、一次熱交換部31から二次熱交換部32に流入する水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)ため、前述した二次熱交換部32における水分の除去と相俟って、水素ガスGに含まれていた水分が熱交換器54aにおいて十分に除去される。
また、排出口30oに向かって一次熱交換部31を通過させられる水素ガスGは、一次熱交換部31に新たに導入された水素ガスGとの熱交換によって温度上昇させられる。この場合、二次熱交換部32から一次熱交換部31に流入する水素ガスGは、二次熱交換部32における冷却(温度低下)によって相対湿度が100%程度となっている。したがって、排出口30oから排出されるのに先立って水素ガスGを温度上昇させて相対湿度を低下させることにより、熱交換器54aから吸着塔2aや熱交換器4bに向かう流路内等で水素ガスGに含まれている水分が結露する事態を好適に回避することが可能となる。
また、熱交換器4cに代えて熱交換器54cを採用した除去システム1において処理対象の水素ガスGが導入されたとき(除去システム1による各処理を開始したとき)に、制御部15は、最初に、熱交換器54c内の流量調整弁45aを最小の開度となる開弁状態(全閉可能な弁構造の場合には全閉状態)に制御する。これにより、導入口40iから熱交換器54cに導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの大半(流量調整弁45aが全閉の場合には、一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGのすべて)が二次熱交換部42を通過させられる。
また、二次熱交換部42における熱媒液Wcとの熱交換によって冷却された水素ガスG(排出口40oに向かって一次熱交換部41を通過させられる水素ガスG)と、導入口40iから一次熱交換部41に新たに導入された水素ガスGとの一次熱交換部41における熱交換によって、新たに導入された水素ガスGが冷却される。これにより、新たに導入された水素ガスGの相対湿度が上昇するため、水素ガスGに含まれている気相の水分の一部が一次熱交換部41において液相に変化して水素ガスGから離脱させられる(除去される)。この結果、一次熱交換部41から二次熱交換部42に流入する水素ガスGの絶対湿度が十分に低下させられる(水素ガスGに含まれる水分の量が十分に減少させられる)ため、前述した二次熱交換部42における水分の除去と相俟って、水素ガスGに含まれていた水分が熱交換器54cにおいて十分に除去される。
また、排出口40oに向かって一次熱交換部41を通過させられる水素ガスGは、一次熱交換部41に新たに導入された水素ガスGとの熱交換によって温度上昇させられる。この場合、二次熱交換部42から一次熱交換部41に流入する水素ガスGは、二次熱交換部42における冷却(温度低下)によって相対湿度が100%程度となっている。したがって、排出口40oから排出されるのに先立って水素ガスGを温度上昇させて相対湿度を低下させることにより、熱交換器54cから吸着塔2aに向かう流路内等で水素ガスGに含まれている水分が結露する事態を好適に回避することが可能となる。
一方、吸着能力再生処理を継続することによって吸着剤に吸着された状態の水分が徐々に減少し、かつ高温の水素ガスGに接している耐圧容器や吸着剤の温度も十分に高い温度となったとき(処理開始からある程度経過したとき)には、吸着能力再生処理を行っている吸着塔2に供給する水素ガスGの温度をある程度低下させても、吸着剤から水分を十分に離脱させることが可能となる。このため、前述したように、加熱部3hから熱交換器4bに供給する熱媒液Whの温度を処理開始直後よりも低下させることでヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)の処理能力を低下させて電力消費量を低減することが可能となる。
この際には、加熱部3hにおいて熱媒液Whを加熱する熱量を減少させるのに伴って冷却部3cにおいて熱媒液Wcを冷却する熱量、すなわち、熱交換器54a,54cにおいて水素ガスGから熱媒液Wcに吸熱する熱量を減少させる必要がある。したがって、制御部15は、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)の処理能力を低下させる制御と相俟って、流量調整弁7aの開度を大きくする制御、流量調整弁35aの開度を大きくする制御、流量調整弁7bの開度を大きくする制御、および流量調整弁45aの開度を大きくする制御を実行する。
この際に、流量調整弁7aの開度が大きくなることで、冷却部3cから熱媒液循環路LC1に流入した熱媒液Wcの一部が熱交換器54a(二次熱交換部32)を通過させずに冷却部3cに戻ることとなる。また、流量調整弁35aの開度が大きくなることで、導入口30iから熱交換器54aに流入して一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの一部が、二次熱交換部32を通過せずにバイパス流路35を通過させられて一次熱交換部31に流入し、排出口30oから排出される。したがって、流量調整弁7aの開度や流量調整弁35aの開度が大きくなることで、熱交換器54aにおいて水素ガスGから熱媒液Wcに吸熱される熱量が減少する。
また、流量調整弁7bの開度が大きくなることで、冷却部3cから熱媒液循環路LC2に流入した熱媒液Wcの一部が熱交換器54c(二次熱交換部42)を通過させずに冷却部3cに戻ることとなる。また、流量調整弁45aの開度が大きくなることで、導入口40iから熱交換器54cに流入して一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの一部が、二次熱交換部42を通過せずにバイパス流路45を通過させられて一次熱交換部41に流入し、排出口40oから排出される。したがって、流量調整弁7bの開度や流量調整弁45aの開度が大きくなることで、熱交換器54cにおいて水素ガスGから熱媒液Wcに吸熱される熱量が減少する。
これにより、ヒートポンプユニット3(冷凍サイクル11)の処理能力を低下させた状態において、加熱部3hにおける熱媒液Whの加熱および冷却部3cにおける熱媒液Wcの冷却を均衡させることができる。この場合、前述したように、吸着能力再生処理を継続することによって吸着剤に吸着されている水分が徐々に減少するため、熱交換器54cに流入する水素ガスGに含まれる水分、すなわち、熱交換器54cにおいて水素ガスGから除去可能な水分が徐々に減少する。このため、熱交換器54cにおいて水素ガスGを冷却するのに必要となる冷熱の熱量が徐々に低下する。その一方では、導入用配管Piに導入される水素ガスGに含まれる水分の量は、吸着能力再生処理の進捗状況とは無関係であるため、熱交換器54aにおいて水素ガスGから水分を除去するのに必要となる冷熱の熱量は大きく変化しないものの、導入される水素ガスGに含まれる水分の量が多いときには、熱交換器54aにおいて必要となる冷熱の熱量が多くなり、導入される水素ガスGに含まれる水分の量が少ないときには、熱交換器54aにおいて必要となる冷熱の熱量が少なくなる。
したがって、制御部15は、熱交換器54aにおいて必要とされる冷熱の熱量(熱交換器54aに流入する水素ガスGに含まれている水分の量)、および熱交換器54cにおいて必要とされる冷熱の熱量(熱交換器54cに流入する水素ガスGに含まれている水分の量)に応じて、流量調整弁7aおよび流量調整弁35aの開度や、流量調整弁7bおよび流量調整弁45aの開度を調整する。
この場合、熱交換器54aでは、導入口30iから導入された水素ガスGと、排出口30oから排出される水素ガスGとの一次熱交換部31における熱交換(一次熱交換:予冷)によって水素ガスGから水分が除去されると共に、一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGと熱媒液Wcとの二次熱交換部32における熱交換(二次熱交換:本冷)によって水素ガスGから水分がさらに除去される。
この際に、前述の流量調整弁35aの開度が小さいとき(二次熱交換部32を通過させられる水素ガスGの量が多いとき)には、導入された水素ガスGと熱媒液Wcとの二次熱交換部32における熱交換量が多くなるため、二次熱交換部32において水素ガスGから水分が好適に除去されると共に、一次熱交換部31における予冷の熱交換量も増加して一次熱交換部31においても水素ガスGから水分が好適に除去される。しかしながら、排出口30oから排出される水素ガスGの温度が低くなるため、この水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられることで、吸着塔2(耐圧容器や吸着剤)や流路切換え弁5bの温度が低下する結果、吸着塔2を切り換えたときに、温度低下した状態の吸着塔2や流路切換え弁5bに高温の吸着塔2が接することで結露が生じることがある。このような状態では、吸着塔2を再び切り換えたときに、結露水が排出用配管Poに流入するおそれがある。また、排出口30oから排出される水素ガスGの温度が低い状態では、吸着能力再生処理のために熱交換器4bにおいて水素ガスGを好適な温度まで加熱するのに必要となる温熱の熱量が増加する。
一方、流量調整弁35aの開度が大きいとき(二次熱交換部32を通過する水素ガスGの量が少ないとき)には、導入口30iから導入された水素ガスGと熱媒液Wcとの二次熱交換部32における熱交換量が少なくなるため、二次熱交換部32において水素ガスGから水分を好適に除去するのが困難となると共に、一次熱交換部31における予冷の熱交換量も減少するため、一次熱交換部31においても水素ガスGから水分を好適に除去するのが困難となる。したがって、結露水が排出用配管Poに流入したり、熱交換器4bにおいて必要となる温熱の熱量が過剰に多くなったりする事態を招くことなく、一次熱交換部31および二次熱交換部32の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができるように、流量調整弁35aの開度(すなわち、導入口30iから導入された水素ガスGの二次熱交換部32における冷却の度合い)を調整するのが好ましい。
この場合、熱交換器54aにおける流量調整弁35aの開度の調整(二次熱交換部32における水素ガスGの冷却の度合いの調整)については、熱交換器54a内における水素ガスGの温度変化に基づいて制御される。まず、導入口30iから導入された水素ガスGの温度(温度センサ34aによって検出される温度:「温度D」の一例)、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ34bによって検出される温度:「温度E」の一例)、および排出口30oから排出される水素ガスGの温度(温度センサ34dによって検出される温度:「温度F」の一例)をそれぞれ特定する。
次いで、上記の「温度D」および「温度E」の温度差(「温度差C」の一例)と、「温度D」および「温度F」の温度差「温度差D」とを特定すると共に、「温度差C」と「温度差D」との比が予め規定された目標範囲内の比となるように、流量調整弁35aを制御してバイパス流路35を通過する水素ガスGの流量を調整する(「処理B」の一例)。なお、上記の「目標範囲」については、除去システム1の使用環境下に応じて、結露水が排出用配管Poに流入したり、熱交換器4bにおいて必要となる温熱の熱量が過剰に多くなったりする事態を招くことなく、一次熱交換部31および二次熱交換部32の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができる状態となる「温度差Cと温度差Dとの比」を予め特定することで、各処理の開始に先立って規定される。
なお、本例の除去システム1では、上記のように流量調整弁35aの開度を調整する制御と並行して、制御部15が、流量調整弁7aの開度を調整する制御を実行する。この流量調整弁7aの開度の調整については、前述の例において流量調整弁33a,33bの開度の調整と並行して行う流量調整弁7aの開度の調整と同様のため、重複する説明を省略する。
一方、前述の流量調整弁45aの開度が小さいとき(二次熱交換部42を通過させられる水素ガスGの量が多いとき)には、導入された水素ガスGと熱媒液Wcとの二次熱交換部42における熱交換量が多くなるため、二次熱交換部42において水素ガスGから水分が好適に除去されると共に、一次熱交換部41における予冷の熱交換量も増加して一次熱交換部41においても水素ガスGから水分が好適に除去される。しかしながら、排出口40oから排出される水素ガスGの温度が低くなるため、この水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられることで、吸着塔2(耐圧容器や吸着剤)や流路切換え弁5bの温度が低下する結果、吸着塔2を切り換えたときに、温度低下した状態の吸着塔2や流路切換え弁5bに高温の吸着塔2が接することで結露が生じることがある。このような状態では、吸着塔2を再び切り換えたときに、結露水が排出用配管Poに流入するおそれがある。
また、流量調整弁45aの開度が大きいとき(二次熱交換部42を通過する水素ガスGの量が少ないとき)には、導入口40iから導入された水素ガスGと熱媒液Wcとの二次熱交換部42における熱交換量が少なくなるため、二次熱交換部42において水素ガスGから水分を好適に除去するのが困難となると共に、一次熱交換部41における予冷の熱交換量も減少するため、一次熱交換部41においても水素ガスGから水分を好適に除去するのが困難となる。したがって、結露水が排出用配管Poに流入する事態を招くことなく、一次熱交換部41および二次熱交換部42の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができるように、流量調整弁45aの開度(すなわち、導入口40iから導入された水素ガスGの二次熱交換部42における冷却の度合い)を調整するのが好ましい。
この場合、熱交換器54cにおける流量調整弁45aの開度の調整(二次熱交換部42における水素ガスGの冷却の度合いの調整)については、熱交換器54c内における水素ガスGの温度変化に基づいて制御される。まず、導入口40iから導入された水素ガスGの温度(温度センサ44aによって検出される温度:「温度A」の一例)と、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ44bによって検出される温度:「温度B」の一例)との温度差(「温度差A」の一例)を特定する。また、上記の「温度A」と排出口40oから排出される水素ガスGの温度(温度センサ44dによって検出される温度:「温度C」の一例)との温度差(「温度差B」の一例)を特定する。
次いで、上記の「温度差A」と「温度差B」との比が予め規定された目標範囲内の比となるように、流量調整弁45aを制御してバイパス流路45を通過する水素ガスGの流量を調整する(「処理A」の一例)。なお、この「目標範囲」については、除去システム1の使用環境下に応じて、結露水が排出用配管Poに流入する事態を招くことなく、一次熱交換部41および二次熱交換部42の双方において水素ガスGから水分を好適に除去することができる状態となる「温度差Aと温度差Bとの比」を予め特定することで、各処理の開始に先立って規定される。
また、本例の除去システム1では、上記のように流量調整弁45aの開度を調整する制御と並行して、制御部15が、流量調整弁7bの開度を調整する制御を実行する。具体的には、制御部15は、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられる水素ガスGの温度(温度センサ9によって検出される温度)に基づき、流量調整弁7bを制御して、水素ガスGの温度が高いときに熱交換器54cを通過させられる熱媒液Wcの流量を増加させ、水素ガスGの温度が低いときに熱交換器54cを通過させられる熱媒液Wcの流量を減少させる。これにより、吸着除去処理を行う吸着塔2に対して過剰に低い温度の水素ガスGが流入する事態が回避され、結露水が排出用配管Poに流入する事態を好適に回避することが可能となる。
以上の説明のように、熱交換器4a,4cに代えて熱交換器54a,54cを備えて構成された除去システム1では、熱交換器4a,4cを備えて構成された前述の除去システム1と同様にして、吸着除去処理および吸着能力再生処理を並行して好適に実施することが可能となっている。
このように、この「吸着剤再生装置(熱交換器54a,54cを備えて構成された除去システム1における吸着塔2a,2bを除く構成要素からなる装置)」では、複数の吸着塔2(本例では、吸着塔2a,2bの2つ)を備えて各吸着塔2の一部を対象とする吸着除去処理と各吸着塔2の他の一部を対象とする加熱再生方式の吸着能力再生処理とを並行して実行可能に構成された除去システム1における吸着剤を再生可能に構成され、吸着能力再生処理を行う吸着塔2に流入させる水素ガスGを加熱する熱交換器4bと、吸着除去処理を行う吸着塔2および熱交換器4bに流入させられる水素ガスGを冷却する熱交換器54aと、吸着能力再生処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGを冷却する熱交換器54cと、冷凍サイクル11における凝縮器22からの放熱によって熱媒液Whを加熱可能な加熱部3h、および冷凍サイクル11における蒸発器24による吸熱によって熱媒液Wcを冷却可能な冷却部3cを備えたヒートポンプユニット3と、吸着除去処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGを、水分の除去が完了した水素ガスGを流入させるべき排出用配管Poに流入させると共に、熱交換器4bによって加熱された水素ガスGを、吸着能力再生処理を行う吸着塔2に流入させる流路切換え弁5bと、熱交換器54aによって冷却された水素ガスGを、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させると共に、吸着能力再生処理を行う吸着塔2を通過させられた水素ガスGを、熱交換器54cに流入させる流路切換え弁5aと、加熱部3hによる熱媒液Whの加熱、熱交換器4bへの熱媒液Whの供給、冷却部3cによる熱媒液Wcの冷却、熱交換器54aへの熱媒液Wcの供給、および熱交換器54cへの熱媒液Wcの供給を制御する「第1の処理」と、流路切換え弁5a,5bを制御して吸着除去処理を行う吸着塔2および吸着能力再生処理を行う吸着塔2を切り換える「第2の処理」とを実行する制御部15とを備え、熱交換器54cを通過させられた水素ガスGが、熱交換器54aを通過させられた水素ガスGに合流させられて流路切換え弁5aを介して吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられると共に、熱交換器54a,54cが、一次熱交換部31,41および二次熱交換部32,42を備え、導入口30i,40iから導入された水素ガスGが、一次熱交換部31,41、二次熱交換部32,42および一次熱交換部31,41をこの順で通過させられて排出口30o,40oから排出されるように水素ガスGの流路が形成されると共に、二次熱交換部32,42において熱媒液Wcとの熱交換によって水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去され、かつ、一次熱交換部31,41において二次熱交換部32,42によって冷却された水素ガスGとの熱交換によって導入口30i,40iから導入された水素ガスGに含まれている水分が液相化されて除去されるようにそれぞれ構成されている。また、この「吸着剤再生装置」では、「気体」としての水素ガスから「除去対象」としての水分を除去可能に構成された除去システム1における吸着剤の吸着能力を再生可能に構成されている。さらに、この除去システム1では、上記の「吸着剤再生装置」と各吸着塔2とを備えて水素ガスGから水分を除去可能に構成されている。
したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、水素ガスGを冷却することで水素ガスGから水分を除去するための冷熱源(例えば、単独で動作する冷凍サイクル)と、加熱再生方式の吸着能力再生処理のために水素ガスGを加熱するための温熱源(例えば電気ヒータ)とを別個に動作させなくても、ヒートポンプユニット3を動作させるだけで、水素ガスGを冷却するための熱媒液Wcを冷却部3cにおいて冷却し、同時に水素ガスGを加熱するための熱媒液Whを加熱部3hにおいて加熱することができる。これにより、水素ガスGからの水分の除去および吸着剤の再生のために消費されるエネルギー量を十分に低減することができる。また、吸着除去処理を行う吸着塔2に水素ガスGを流入させる前に熱交換器54aにおいて水素ガスGに含まれる水分の一部を除去する分だけ、吸着除去処理を行う吸着塔2内の吸着剤の吸着能力の低下を抑制できるため、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させる水素ガスGの量を減少させたり、吸着除去処理を一時的に停止させたりする必要がなくなることから、導入される水素ガスGについての吸着除去処理を短時間で確実に完了させることができる。また、熱交換器54a,54c内に一次熱交換部31,41および二次熱交換部32,42を設けて二次熱交換部32,42において熱媒液Wcとの熱交換によって水素ガスGを冷却しつつ、一次熱交換部31,41において導入口30i,40iから導入される水素ガスGを排出口30o,40oから排出される水素ガスG(すなわち、二次熱交換部32,42において冷却された水素ガスG)との熱交換によって冷却することで、水素ガスGを効率よく冷却して水分を除去することができる。これにより、多量の水分を含んだ水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2に流入する事態を回避することができると共に、一次熱交換部31,41および二次熱交換部32,42を備えない構成の熱交換器を使用するのと比較して、水素ガスGからの水分を除去するのに消費されるエネルギー量を一層低減することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの一部を、二次熱交換部42を通過させずに、二次熱交換部42を通過させられて一次熱交換部41に流入させられる水素ガスGに合流させるバイパス流路45が熱交換器54cに設けられると共に、バイパス流路45を通過する水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁45aが配設され、制御部15が、導入口40iから導入された水素ガスGの「温度A(温度センサ44aの検出温度)」、導入口40iから導入されて一次熱交換部41を通過させられた水素ガスGの「温度B(温度センサ44bの検出温度)」、および熱交換器54cにおける排出口40oから排出される水素ガスGの「温度C(温度センサ44dの検出温度)」をそれぞれ特定すると共に、「温度A」および「温度B」の「温度差A」と、「温度A」および「温度C」の「温度差B」との比に基づき、流量調整弁45aを制御してバイパス流路45を通過する水素ガスGの流量を調整する「処理A」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの一部を、二次熱交換部32を通過させずに、二次熱交換部32を通過させられて一次熱交換部31に流入させられる水素ガスGに合流させるバイパス流路35が熱交換器54aに設けられると共に、バイパス流路35を通過する水素ガスGの流量を調整可能な流量調整弁35aが配設され、制御部15が、導入口30iから導入された水素ガスGの「温度D(温度センサ34aの検出温度)」、導入口30iから導入されて一次熱交換部31を通過させられた水素ガスGの「温度E(温度センサ34bの検出温度)」、および熱交換器54aにおける排出口30oから排出される水素ガスGの「温度F(温度センサ34dの検出温度)」をそれぞれ特定すると共に、「温度D」および「温度E」の「温度差C」と、「温度D」および「温度F」の「温度差D」との比に基づき、流量調整弁35aを制御してバイパス流路35を通過する水素ガスGの流量を調整する「処理B」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、熱交換器54cを通過させられる水素ガスGの流量を調整する流量調整弁7bを備え、制御部15が、熱交換器54cを通過させられた水素ガスGの温度(温度センサ9による検出温度)が予め規定された温度範囲内の温度となるように流量調整弁7bを制御して熱交換器54cを通過させられる水素ガスGの流量を調整する「第5の処理」を実行する。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、この「吸着剤再生装置」では、熱交換器54cを通過させられる熱媒液Wcの流量を調整する流量調整弁7bを備え、制御部15が、吸着除去処理を行う吸着塔2に流入させられる水素ガスGの温度(温度センサ9の検出温度)に基づき、流量調整弁7bを制御して、水素ガスGの温度が高いときに熱交換器54cを通過させられる熱媒液Wcの流量を増加させ、水素ガスGの温度が低いときに熱交換器54cを通過させられる熱媒液Wcの流量を減少させる。したがって、この「吸着剤再生装置」および除去システム1によれば、過剰に低い温度の水素ガスGが吸着除去処理を行う吸着塔2などを通過させられる事態が回避されるため、吸着除去処理を行う吸着塔2と吸着能力再生処理を行う吸着塔2とを切り換えたときに、吸着除去処理を行っていた吸着塔2内等で結露が生じる事態を回避することができる。
また、上記の構成の例に代えて、熱交換器4aと熱交換器54cとを備えて除去システム1を構成したり、熱交換器54aと熱交換器4cとを備えて除去システム1を構成したりすることもできる。さらに、予冷用の一次熱交換部31や本冷用の二次熱交換部32を備えない通常の熱交換器(図示せず)で「第2の熱交換器」を構成したり、予冷用の一次熱交換部41や本冷用の二次熱交換部42を備えない通常の熱交換器(図示せず)で「第3の熱交換器」を構成したりすることもできる。
また、2つの吸着塔2を備えた構成を例に挙げて説明したが、3つ以上の複数の吸着塔2を備えて「除去システム」およびその「吸着剤再生装置」を構成することもできる。具体的には、吸着除去処理を行う吸着塔2内の吸着剤が好適に水分を吸着するのが困難となるまでの時間よりも、吸着能力再生処理を行う吸着塔2内の吸着剤から水分を好適に離脱させるのに要する時間が長いときには、一例として、3つの吸着塔2を備え、そのうちの1つにおいて吸着除去処理を行いつつ、他の2つにおいて吸着能力再生処理を行うことで、吸着除去処理を継続的に行うことが可能となる。また、吸着能力再生処理を行う吸着塔2内の吸着剤から水分を好適に離脱させるのに要する時間よりも、吸着除去処理を行う吸着塔2内の吸着剤が好適に水分を吸着するのが困難となるまでの時間が長いときには、一例として、3つの吸着塔2を備え、そのうちの1つにおいて吸着能力再生処理を順次行いつつ、他の2つにおいて吸着除去処理を行うことで、吸着除去処理および吸着能力除去処理を効率よく行うことが可能となる。
また、「第2の流量調整部」としての流量調整弁33a,33bが配設された熱交換器4aを「第2の熱交換器」として備えた構成、および「第1の流量調整部」としての流量調整弁43a,43bが配設された熱交換器4cを「第3の熱交換器」として備えた構成を例に挙げて説明したが、流量調整弁33a,33bに代えて、二次熱交換部32を通過させられた水素ガスGを、バイパス流路33に流入させる流路、および一次熱交換部31に再び流入させる流路のいずれかに流入させる三方弁を「第2の流量調整部」として備えて「第2の熱交換器」を構成したり、流量調整弁43a,43bに代えて、二次熱交換部42を通過させられた水素ガスGを、バイパス流路43に流入させる流路、および一次熱交換部41に再び流入させる流路のいずれかに流入させる三方弁を「第1の流量調整部」として備えて「第3の熱交換器」を構成したりすることもできる。
また、「温度調整部」については、前述の除去システム1におけるヒートポンプユニット3のような「1つの冷凍サイクル11」を備えた構成に限定されず、一例として、カスケードコンデンサを介して連設された「多段冷凍サイクル」によって「温度調整部」を構成することができる。この場合、一例として、低温側冷凍サイクルにおける凝縮器、および高温側冷凍サイクルにおける蒸発器に相当する要素をカスケードコンデンサで構成した「二段冷凍サイクル」を備えて「温度調整部」を構成した場合には、低温側冷凍サイクルにおける蒸発器を備えて「冷却部」を構成すると共に、高温側冷凍サイクルにおける凝縮器を備えて「加熱部」を構成することで、「冷却部」から供給可能な冷熱の熱量、および「加熱部」から供給可能な温熱の熱量を十分に増加させる(熱媒液Wcを十分に冷却し、かつ熱媒液Whを十分に加熱する)ことが可能となる。
また、「気体」の一例である水素ガスGから「吸着剤」としての「ゼオライト(合成ゼオライト)」等を用いて「除去対象」の一例である水分を除去可能な構成を例に挙げて説明したが、「気体」、「吸着剤」および「除去対象」はこの例に限定されない。例えば、「気体」としての「酸素」から「吸着剤」としての「ゼオライト(合成ゼオライト)」等を用いて「除去対象」としての「水分」等を吸着除去する「除去システム」およびその「吸着剤再生装置」において本願発明の構成を採用することができる。また、「気体」としての「排気ガス(内燃機関等における燃焼によって排出される気体)」から「吸着剤」としての「活性炭」等を用いて「除去対象」としての「揮発性有機化合物(VOC)」等を吸着除去する「除去システム」およびその「吸着剤再生装置」において本願発明の構成を採用することができる。さらに、「気体」としての「大気(外気)」から「吸着剤」としてのゼオライト(合成ゼオライト)」等を用いて「除去対象」としての「水分」等を吸着除去する「除去システム」およびその「吸着剤再生装置」において本願発明の構成を採用することができる。