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JP7580931B2 - 肉類代替食品用組成物の製造方法及び肉類代替食品の製造方法 - Google Patents

肉類代替食品用組成物の製造方法及び肉類代替食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、肉類代替食品用組成物の製造方法及び肉類代替食品の製造方法に関する。
粒状大豆蛋白、繊維状大豆蛋白、粒状小麦蛋白等の組織状植物性蛋白と呼ばれる植物性蛋白素材は、従来から挽肉加工食品(ハンバーグ、肉団子、メンチカツ、シュウマイ、餃子等)に利用されている。近年、宗教的理由又は個人的信条によるヴィーガンやベジタリアン等の増加、更には、生活習慣病予防等の健康への配慮や家畜の飼料消費量増加による環境負荷などを背景にして、肉類原料をほとんど又は全く使用しない、粒状大豆蛋白などの植物性蛋白素材を使用したハンバーグ等の加工食品が市場から求められ、このような製品の開発が進められている。
植物性蛋白素材を使用したハンバーグ等の加工食品は、粒状大豆蛋白等の植物性蛋白素材を水戻しし、他の食品素材と混合してハンバーグ状に成形して調理されている。このような植物性蛋白素材として、様々な大豆蛋白素材が提案されている。例えば、特許文献1には、肉類特有の食感を有し、見た目のなじみも良い加工食品を得るために、膨潤・加熱後の硬さが4.0~6.5kgであり、吸水率が380~500%である、粒状大豆蛋白素材が提案されている。
特開2018-126094号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、肉類を使用せずに肉様の食感を得ることや、大豆臭等の植物性蛋白素材由来の風味(臭い)を抑制することが不十分であった。また、外観についても、ハンバーグの様な凹凸を有する外観を得るには不十分であった。すなわち、風味、食感及び外観が良好な肉類代替食品を提供することができなかった。
そこで、本発明は、風味、食感及び外観が良好な肉類代替食品を製造するための肉類代替食品用組成物の製造方法を提供することを主目的とする。
すなわち、本発明は、
組織状植物性蛋白の一部と、エマルジョン状物の一部を少なくとも含む材料を剪断混合する第1混合工程と、
前記剪断混合された材料と、前記組織状植物性蛋白の残部と、前記エマルジョン状物の残部と、を含む材料を粗練り混合する第2混合工程と、を行う肉類代替食品用組成物の製造方法を提供する。
前記第1混合工程において、調味料類及び/又は植物油脂類を添加してもよい。
前記植物油脂類が少なくともオリーブ油であってよい。
前記第2混合工程において、前記組織状植物性蛋白の残部に卵蛋白及び/又は乳蛋白を付着させてもよい。
前記第2混合工程において、粗練り混合機を使用してもよい。
前記第1混合工程後の材料の目開き600μmの篩上残率が85質量%以下であってもよい。
また、本発明は、前記製造方法によって製造される肉類代替食品用組成物を加熱調理することによる、肉類代替食品の製造方法を提供する。
本発明によれば、風味、食感及び外観が良好な肉類代替食品を製造するための肉類代替食品用組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<1.肉類代替食品用組成物の製造方法>
(1)原料
(1-1)組織状植物性蛋白
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法に使用する組織状植物性蛋白とは、植物性蛋白を主な原料として、粒状、フレーク状、シート状、繊維状等に加工されたものである。肉類のような食感を得やすいことから、粒状、フレーク状であることが好ましい。組織状植物性蛋白は、植物性蛋白等の原料をエクストルーダー等の押出成形機を用いて組織化し、乾燥させることで製造することができる。また、主原料となる植物性蛋白としては、例えば、大豆蛋白、小麦蛋白、エンドウ豆蛋白等を使用してもよく、大豆蛋白が好ましい。大豆蛋白としては、例えば、脱脂大豆粉、含脂大豆粉、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、豆乳粉末等を使用することができ、蛋白質含量40%以上のものを用いることが好ましい。小麦蛋白としては、粉末グルテン等の小麦から分離精製された蛋白を使用することができ、エンドウ豆蛋白としては、エンドウ豆から分離精製された蛋白を使用することができる。また、組織状植物性蛋白として市販されているものを使用することができる。
(1-2)エマルジョン状物
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法に使用するエマルジョン状物とは、基本配合として植物性蛋白、水、油脂をサイレントカッター等の高速攪拌装置で混合し乳化させて調製したペースト状又は可塑性を有するカード状の乳化物である。植物性蛋白としては、例えば、前述したものを使用できるが、高い乳化能及び高いゲル形成能を有することから、分離大豆蛋白が好ましく使用される。油脂としては、特に限定されず、例えば、大豆油、高オレイン酸大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、パーム油、米油、小麦胚芽油、オリーブ油、ゴマ油等の植物油脂、豚脂、牛脂等の動物油脂、これらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂が挙げられる。
エマルジョン状物における、植物性蛋白、水、油脂の配合比率(質量比)は、好ましくは「1」:「0.3~6」:「0.3~6」、より好ましくは「1」:「0.5~5.5」:「0.5~5.5」、さらに好ましくは「1」:「0.8~5」:「0.8~5」である。このような比率で配合することにより、肉類代替食品の食感を良好なものとすることができる。
エマルジョン状物の調製方法は、特に制限されないが、フードプロセッサー、サイレントカッター、ミキサー、ホモジナイザー等の剪断力を有する高速攪拌装置で、植物性蛋白と水と油脂とを攪拌混合して調製することができる。具体的には、回転数が1000min-1(1000rpm)以上で、10秒~5分程度攪拌混合することで調製することができる。
(1-3)調味料類
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法には、調味料類を使用することができる。調味料類として、例えば、砂糖、トレハロース、デキストリン、オリゴ糖、ぶどう糖、粉末水あめ、糖アルコール等の糖質、ナツメグ、ホワイトペッパー、唐辛子、ニンニク、ショウガ等の香辛料、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等のうま味調味料、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のリン酸塩、食塩、酵母エキス、醤油、酒、味噌等が挙げられる。
(1-4)植物油脂類
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法には、植物油脂を使用することができる。植物油脂として、例えば、大豆油、高オレイン酸大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、パーム油、米油、小麦胚芽油、オリーブ油、ゴマ油等、およびこれらの硬化油、分別油、エステル交換油、粉末油脂等の加工油脂が挙げられる。特に、オリーブ油は、肉類のようなジューシーな油感を向上させることができるため、好ましい。
(1-5)卵蛋白及び/又は乳蛋白
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法には、卵蛋白及び/又は乳蛋白を使用することができる。卵蛋白として、例えば、卵白粉、全卵粉が挙げられる。乳蛋白としては、カゼイン、乳清蛋白等が挙げられる。特に、結着性に優れることから、卵白粉を使用することが好ましい。
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法に使用されるその他の原料は、特に限定されず、例えば、小麦澱粉、大麦澱粉、ライ麦澱粉、エンバク澱粉などの麦類澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、豆類澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ヒシ澱粉、クリ澱粉、サゴ澱粉、ナガイモ澱粉、レンコン澱粉、クワイ澱粉、ワラビ澱粉、ユリネ澱粉、およびアミロメイズ澱粉等の澱粉類;これらに物理的、また化学的処理を施した加工澱粉類;グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤;グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;酵素、食物繊維、色素、香料等の品質改良剤;玉ねぎ、キャベツ等の野菜類;パン粉や液卵等のつなぎ用の材料;動物油脂類等が挙げられる。
(2)肉類代替食品用組成物の製造方法
本技術の肉類代替食品用組成物の製造方法は、組織状植物性蛋白の一部と、エマルジョン状物の一部を少なくとも含む材料を剪断混合する第1混合工程と、前記剪断混合された材料と、前記組織状植物性蛋白の残部と、前記エマルジョン状物の残部と、を含む材料を粗練り混合する第2混合工程とを、少なくとも行う。
(2-1)第1混合工程
第1混合工程では、前記した組織状植物性蛋白の一部と、前記したエマルジョン状物の一部を少なくとも含む材料を剪断混合する。組織状植物性蛋白は、一般的に乾燥状態であるため、水や調味液等を吸水させて、水戻しした状態で使用する。剪断混合とは、材料に高剪断力をかけて、細断しつつ混合することをいう。剪断混合を行うために、前記した高速攪拌装置を使用することができる。高速攪拌装置としては、回転刃が高速回転し、高剪断力を有するフードプロセッサー、サイレントカッターを使用するのがよい。回転刃の回転数は、好ましくは1000min-1(1000rpm)以上、より好ましくは1200min-1(1200rpm)以上、さらに好ましくは1500min-1(1500rpm)以上であってもよい。また、好ましくは5000min-1(5000rpm)以下、より好ましくは4000min-1(4000rpm)以下、さらに好ましくは3000min-1(3000rpm)以下であってもよい。
第1混合工程で混合する組織状植物性蛋白の量は、肉類代替食品用組成物の製造に使用する組織状植物性蛋白の総量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であってもよい。
また、第1混合工程で混合する組織状植物性蛋白の量は、使用する組織状植物性蛋白の総量に対して好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下であってもよい。
第1混合工程で混合するエマルジョン状物の量は、肉類代替食品用組成物の製造に使用するエマルジョン状物の総量に対して好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であってもよい。
また、第1混合工程で混合するエマルジョン状物の量は、使用するエマルジョン状物の総量に対して好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下であってもよい。
また、第1混合工程で混合するエマルジョン状物の量は、第1混合工程で混合する組織状植物性蛋白100質量部(水や調味液等を吸水させて、水戻しした状態での質量)に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上であってもよい。
また、第1混合工程で混合するエマルジョン状物の量は、第1混合工程で混合する組織状植物性蛋白100質量部(水や調味液等を吸水させて、水戻しした状態での質量)に対して、好ましくは180質量部以下、より好ましくは140質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下であってもよい。
剪断混合は、組織状植物性蛋白とエマルジョン状物が均一に混ぜればよく、使用する装置によって適切な混合時間は異なるが、好ましくは5秒以上、より好ましくは10秒以上、さらに好ましくは20秒以上である。
第1混合工程における材料の剪断混合の程度は、剪断混合した材料の篩上残率で評価することができる。本発明における「篩上残率」とは、剪断混合されていない材料に対して、剪断混合された材料が、目開き600μmの篩上にどのぐらい残存するかを数値化したものであり、具体的には以下のとおり算出する。
[篩上残率の算出]
第1混合工程後の材料(剪断混合された材料)を、試験用篩(目開き600μm、線径400μm、直径150mm)に50g測り取る。バットに3Lの水道水をはり、剪断混合された材料をのせた試験用篩を浸して、材料をヘラで濾す。篩上に残存した粗大な成分(篩上残物A)の重量を計量する。篩上残物Aについて、常圧乾燥法にて水分(%)を測定し、以下の計算式1で、篩上残物Aの固形分量(g)を算出する。別途、前記第1混合工程に用いた材料を、ヘラで混合し(剪断混合されていない材料)、これを上述の方法で濾したものを篩上残物Bとする。篩上残物Bについて、常圧乾燥法にて水分(%)を測定し、以下の計算式1で、篩上残物Bの固形分量(g)を算出する。以下の計算式2で、篩上残率(%)を算出する。
第1混合工程における材料の剪断混合は、篩上残率が85%以下となるように行うことが好ましく、80%以下となるように行うことがより好ましい。また、第1混合工程における材料の剪断混合は、篩上残率が50%以上となるように行うことが好ましく、60%以上となるように行うことがより好ましい。このような状態に剪断混合することにより、剪断された組織状植物性蛋白の周囲に、剪断されたエマルジョン状物等の他の材料が接した状態となり、組織状植物性蛋白に由来する臭いをマスキングすることができる。
(2-2)第2混合工程
第2混合工程では、第1混合工程で調製された、剪断混合された材料と、組織状植物性蛋白の残部と、エマルジョン状物の残部と、を含む材料を粗練り混合する。組織状植物性蛋白は、一般的に乾燥状態であるため、水や調味液等を吸水させて、水戻しした状態で使用する。粗練り混合とは、材料を剪断することなく、材料が一塊となるように混合することをいう。粗練り混合を行うためには、手ごねやヘラによる混合でもよいが、混合の作業効率の点から、材料に高剪断力をかけて剪断しない、粗練り混合機を使用してもよい。粗練り混合機としては、例えば、スタンドミキサー等の装置を使用することができ、攪拌羽として平面ビーダー等を用いれば、材料を剪断せずに粗練り混合することができる。粗練り混合により、組織状植物蛋白やエマルジョン状物の粒が残るため、肉粒感がある食感が得られ、外観も凹凸感を得ることができる。
また、第2混合工程に使用する組織状植物性蛋白の残部に、卵蛋白及び/又は乳蛋白を付着させてもよい。付着させる際は、組織状植物性蛋白に水や調味液等を吸水させて、水戻しした状態で付着させる。これにより、組織状植物性蛋白に由来する臭いをマスキングすると共に、食感を向上させることができる。卵蛋白及び/又は乳蛋白については、前述したとおりである。卵蛋白及び/又は乳蛋白の量は、第2混合工程に使用する組織状植物性蛋白100質量部に対し、3質量部以上添加するのが好ましく、5質量部以上添加するのがより好ましく、7質量部以上添加するのがさらに好ましい。また、25質量部以下添加するのが好ましく、20質量部以下添加するのがより好ましく、15質量部以下添加するのがさらに好ましい。
後述する実施例のとおり、全ての原料を一度に剪断混合すると、剪断により材料が解繊されるため、ほぐれ感のある食感の肉類代替食品が得られやすいが、粒感のある食感になりにくい。また、剪断された組織状植物性蛋白と、その他の原料とが均一に混合されるため、組織状植物性蛋白由来のにおいを比較的感じにくいが、ハンバーグ等の加工食品の様な凹凸を有する不均一な外観にはなりにくい。一方、全ての原料を一度に粗練り混合すると、組織状植物性蛋白が剪断されていないため、粒感は残るが、ほぐれ感のない食感になりやすい。また、ハンバーグ等の加工食品の様な凹凸を有する外観を得ることができるが、組織状植物性蛋白由来のにおいを感じやすい。しかしながら、本技術の製造方法により得られる肉類代替食品は、原料の混合を第1混合工程と、第2混合工程とを経由して行っているので、第1混合工程で剪断された材料と、第2混合工程で粗練りされた、比較的大きな材料が適度な割合で混在することにより風味、食感及び外観が良好な肉類代替食品が得られる。
<2.肉類代替食品の製造方法>
肉類代替食品は、上記した肉類代替食品用組成物を加熱調理することにより製造することができる。本技術における「肉類」とは、ウシ、ブタ、ヒツジ等の哺乳類;ニワトリ、カモ等の鳥類;アジ、イワシ、マグロ、サケ、エビ、カニ、ホタテ、イカ、タコ等の魚介類等の動物から得られる筋肉組織、また、皮や内臓等のその他の喫食可能な組織である。また、本技術において「食品」とは、喫食可能な状態となった調理物であり、調理後に冷凍・冷蔵され、再加熱して喫食するものも包含する意味である。加熱調理の方法としては、特に限定されず、蒸し、茹で、焼成、油揚、燻製、電子レンジ加熱、レトルト調理等が挙げられる。また、加熱調理前に、必要に応じて、成形したり、ベーカリー生地や麺皮に包んだり、衣付けを行う等の下処理を行うことができる。本技術で得られた肉類代替食品用組成物を使用して得られた肉類代替食品としては、例えば、ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、つみれ、つくね、ナゲット、ハム、ソーセージ、餃子、シュウマイ、春巻き、中華まん等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験方法>
本発明において使用する試験方法を以下に示す。
[篩上残率の算出]
第1混合工程における材料の剪断混合の程度を、剪断混合後の材料の篩抜けにより評価した。剪断混合されていない材料に対して、剪断混合された材料が、目開き600μmの篩上にどのぐらい残存するかを数値化した。具体的には以下の方法により評価した。
第1混合工程後の材料(剪断混合された材料)を、試験用篩(目開き600μm、線径400μm、直径150mm)に50g測り取った。バットに3Lの水道水をはり、剪断混合された材料をのせた試験用篩を浸して、材料をヘラで濾した。篩上に残存した粗大な成分(篩上残物A)の重量を計量した。篩上残物Aについて、常圧乾燥法にて水分(%)を測定し、以下の計算式1で、篩上残物Aの固形分量(g)を算出した。別途、第1混合工程に用いた材料を、ヘラで混合し(剪断混合されていない材料)、これを上述の方法で濾したものを篩上残物Bとした。篩上残物Bについて、常圧乾燥法にて水分(%)を測定し、以下の計算式1で、篩上残物Bの固形分量(g)を算出した。以下の計算式2で、篩上残率(%)を算出した。
<評価方法>
本発明において使用する評価方法を以下に示す。また、本実施例において、以下の評価基準で、10名のパネルにより官能評価し、各評価結果を得た。点数は5点満点で点数が高いほど、外観、食感、風味、ジューシーな油感が良好とした。10名の平均で示した。また、食感の評価については、自由記述式で特徴を記載した。
[外観]
5:適度な凹凸感があり、肉類を原料とした食品と同じ外観で、非常に良好。
4:凹凸感があり、肉類を原料とした食品と近い外観で、良好。
3:凹凸感が少しあり、肉類を原料とした食品とやや近い外観で、許容できる範囲である。
2:凹凸感があまりなく、肉類を原料とした食品とはやや異なる外観で、やや悪い。
1:凹凸感がなく、肉類を原料とした食品とは異なる外観で、悪い。
[食感]
5:肉類を原料とした食品と非常に近い食感であり、非常に良好。
4:肉類を原料とした食品と近い食感であり、良好。
3:肉類を原料とした食品とやや近い食感であり、許容できる範囲である。
2:肉類を原料とした食品とはやや異なる食感であり、やや悪い。
1:肉類を原料とした食品とは異なる食感であり、非常に悪い。
[風味]
5:大豆臭が全くなく、風味が非常に良好。
4:大豆臭がなく、風味が良好。
3:大豆臭があるが、許容できる範囲である。
2:大豆臭があり、風味がやや悪い。
1:大豆臭が強く、風味が悪い。
[ジューシーな油感]
5:肉類のようなジューシーな油感を強く感じ、非常に良好。
4:肉類のようなジューシーな油感を感じ、良好。
3:肉類のようなジューシーな油感をやや感じ、許容できる範囲である。
2:肉類のようなジューシーな油感があまりなく、やや悪い。
1:肉類のようなジューシーな油感がなく、悪い。
<組織状植物性蛋白の調製>
組織状植物性蛋白として、粒状大豆蛋白(ソイバリューHA-10、昭和産業株式会社)を使用した。粒状大豆蛋白に2倍重量の水を添加し、粒状大豆蛋白が水をすべて吸いきるまで常温で静置した。
<エマルジョン状物の調製>
分離大豆蛋白としてフレッシュM600(昭和産業株式会社)を使用し、油脂として昭和菜種サラダ油(昭和産業株式会社)を使用した。エマルジョン状物の調製は、フードプロセッサー(RM-3200VD、株式会社FMI)を使用し、分離大豆蛋白24g、水92g、油脂24gを約20秒間攪拌混合して調製した。(分離大豆蛋白:水:油脂=1:4:1)
<焼成製品:ハンバーグ様食品の製造方法及びその評価>
<ハンバーグ様食品の生地の調製>
(1)第1混合工程
下記表1に、ハンバーグ様食品の基本配合を示した。
下記表2に示した配合で、材料をフードプロセッサー(RM-3200VD、株式会社FMI)に入れ、約20秒間攪拌混合した。
(2)第2混合工程
第1混合工程で混合された材料に下記表2に示した配合で、材料を添加し、手ごねで30秒間混合してハンバーグ様食品の生地を調製した。卵白粉を使用する場合は、吸水後の粒状大豆蛋白と卵白粉を混合し、粒状大豆蛋白に卵白粉を付着させてから混合した。
<ハンバーグ様食品の生地の焼成>
得られたハンバーグ様食品の生地を1個あたり約80gに分割し、厚さ約1cm、10cm×5cmの楕円形に成形した。成形後の生地をスチームコンベクションオープン(SSC-C06DC、株式会社マルゼン)にて、180℃、10分間、蒸し焼きして、各ハンバーグ様食品を得た。得られたハンバーグ様食品を真空冷却機にて24℃まで冷却し、急速冷凍した。-18℃で1日間冷凍保管したハンバーグ様食品を電子レンジで再加熱(500W、1分30秒)し、評価した。各ハンバーグ様食品の喫食時の評価を行った結果を表2に示す。
上記表2の結果が示すように、第1混合工程と第2混合工程を行い、第2混合工程で調味料類を添加した実施例1の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、適度な凹凸感があり、肉類を原料としたハンバーグ様食品と同じ外観を示し、適度な粒感とほぐれ感を有する良好な食感であった。また、大豆臭がなく風味も良好で、肉類のようなジューシーな油感をやや感じるものであった。
第1混合工程と第2混合工程を行い、第1混合工程で調味料類を添加した実施例2の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、大豆臭がさらに低減され、風味が良好であった。
第1混合工程と第2混合工程を行い、第1混合工程でオリーブ油または大豆油を添加し、第2混合工程で調味料類を添加した実施例3、実施例4の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、大豆臭がなく風味も良好で、ジューシーな油感を感じ、良好なものであった。中でもオリーブ油を添加した実施例3は、肉類のようなジューシーな油感がより強く感じられ、非常に良好だった。
第1混合工程と第2混合工程を行い、第2混合工程で調味料類と卵白粉を添加した実施例5の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、肉らしい弾力が感じられ、非常に良好な食感であった。また、大豆臭もなく非常に良好な風味であった。
第1混合工程のみを行い、第2混合工程を実施しなかった比較例1の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、凹凸感があまりなく、外観の評価が低かった。
第2混合工程のみを行い、第1混合工程を実施しなかった比較例2の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、食感が不自然でやや悪く、大豆臭があり、風味もやや悪いものであった。
<第1混合工程に使用する粒状大豆たん白の割合に関する検討>
第1混合工程、第2混合工程で混合する、粒状大豆たん白の割合について検討を行った。表3に示す配合で、上述の方法に従ってハンバーグ様食品を調製し、評価を行った。評価結果を表3に示す。
組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白全量のうち、20~80%を第1混合工程で配合した実施例7~9の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、外観、食感、風味、ジューシーな油感ともに良好な評価であった。
組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白全量のうち、10%を第1混合工程で配合した実施例6の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、外観とジューシーな油感の評価が良好であった。
組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白全量のうち、90%を第1混合工程で配合した実施例10の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、風味とジューシーな油感の評価が良好であった。
第1混合工程で組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白を全く配合せず、第2混合工程で組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白全量を配合した比較例3の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、食感が不自然でやや悪く、大豆臭が強く風味も悪いものであった。
第1混合工程で組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白全量を配合し、第2混合工程で組織状植物性蛋白である粒状大豆たん白全量を配合しなかった比較例4の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、凹凸感があまりなく、外観がやや悪いものであった。
<第1混合工程の混合程度に関する検討>
第1混合工程の混合程度について検討を行った。実施例8と同様の配合で、上述の方法に従って、ハンバーグ様食品の生地を調製し、焼成してハンバーグ様食品を得た。ただし、第1混合工程は、表4に示した混合時間に従って行った。第1混合工程後の材料は、上述の方法に従って、篩上残率を算出した。得られたハンバーグ様食品を、上述の評価方法に従って評価した。結果を表4に示す。
第1混合時間が5秒以上である実施例11~15の肉類代替食品用組成物から得られたハンバーグ様食品は、篩上残率が52~83%であり、外観、食感、風味、ジューシーな油感が良好なものであった。

Claims (7)

  1. 組織状植物性蛋白の一部と、エマルジョン状物の一部を少なくとも含む材料を剪断混合する第1混合工程と、
    前記剪断混合された材料と、前記組織状植物性蛋白の残部と、前記エマルジョン状物の残部と、を含む材料を粗練り混合する第2混合工程と、を行う肉類代替食品用組成物の製造方法であって、
    前記第1混合工程で混合する前記組織状植物性蛋白の量は肉類代替食品用組成物の製造に使用する組織状植物性蛋白の総量に対して10質量%以上90質量%以下であり、
    前記第1混合工程で混合する前記エマルジョン状物の量は肉類代替食品用組成物の製造に使用するエマルジョン状物の総量に対して10質量%以上90質量%以下である、肉類代替食品用組成物の製造方法
  2. 前記第1混合工程において、調味料類及び/又は植物油脂類を添加する請求項1に記載の肉類代替食品用組成物の製造方法。
  3. 前記植物油脂類がオリーブ油である請求項2に記載の肉類代替食品用組成物の製造方法。
  4. 前記第2混合工程において、前記組織状植物性蛋白の残部に卵蛋白及び/又は乳蛋白を付着させる請求項1~3のいずれか一項に記載の肉類代替食品用組成物の製造方法。
  5. 前記第2混合工程において、粗練り混合機を使用する、請求項1~4のいずれか1項に記載の肉類代替食品用組成物の製造方法。
  6. 前記第1混合工程後の材料の、目開き600μmの篩上残率が85質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の肉類代替食品用組成物の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法により製造される肉類代替食品用組成物を加熱調理することによる、肉類代替食品の製造方法。
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