JP7573335B2 - 走行支援方法及び走行支援装置 - Google Patents
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Description
本発明は、前輪及び後輪の転舵が可能な車両において、曲率が変化しない定常形状を有する道路を走行する場合の自車両の安定性を向上することを目的とする。
図1を参照する。自車両1は、右前輪2FR、左前輪2FL、右後輪2RR及び左後輪2RLを転舵可能な四輪操舵車両である。
自車両1は、自車両1の走行支援を行う走行支援装置10を備える。走行支援装置10による走行支援には、自車両1の周辺の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両1を自動で運転する自動運転制御や、運転者による自車両1の運転を支援する運転支援制御を含んでよい。
運転支援制御には、自動操舵、自動ブレーキ、定速走行制御、車線維持制御、合流支援制御など、自車両1の転舵装置、駆動装置、制動装置の少なくとも一つを制御する走行制御を含んでよい。
物体センサ11は、自車両の周囲の物体を検出する。物体センサ11は、自車両1に搭載されたレーザレーダやミリ波レーダ、カメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)など、自車両1の周辺の物体を検出する複数の異なる種類の物体検出センサを備える。
地図データベース14は、自動運転用の地図として好適な高精度地図データ(以下、単に「高精度地図」という。)を記憶してよい。高精度地図は、ナビゲーション用の地図データ(以下、単に「ナビ地図」という。)よりも高精度の地図データであり、道路単位の情報よりも詳細な車線単位の情報を含む。
ナビゲーション装置15は、測位装置13等により自車両1の現在位置を認識する。ナビゲーション装置15は、認識した現在位置に基づいて、自車両1の周囲の道路情報や交通情報を取得し、コントローラ17に出力する。また、ナビゲーション装置15は、乗員に対して経路案内を行い、また道路情報、交通情報を提供する。
記憶装置は、半導体記憶装置や、磁気記憶装置、光学記憶装置等を備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
コントローラ17のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ17は、自動運転制御部20、入力仲裁部21及び車両制御部22として機能する。自動運転制御部20、入力仲裁部21及び車両制御部22の機能については後述する。
例えば、コントローラは、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
転舵アクチュエータは、前輪2FR、2FLの転舵角である前輪転舵角δFと後輪2RR、2RLの転舵角である後輪転舵角δRを制御する。
転舵アクチュエータは、例えば、電動パワーステアリングシステムにおいて操舵補助力を付与する操舵補助モータであってもよく、ステアリングホイールと車輪2FR、2FL、2RR、2RLとが機械的に分離されたステアリングバイワイヤシステムにおいてこれら車輪を転舵する転舵モータであってもよい。
アクセル開度アクチュエータは、自車両1の駆動力を発生させる動力源である駆動装置(例えばエンジン、電動機)のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、自車両1の制動装置の制動動作を制御する。
自動運転レイヤ30は、自車両1の目的地を設定し、自車両1の現在位置から目的地までの走行経路を設定する。
自動運転レイヤ30は、走行経路を走行する自車両1の目標走行軌道と目標速度プロファイルとを、自動運転レイヤ30からの指示入力である自動運転入力(AD入力)として生成する。
規範モデル部32は、仲裁部31が設定した車両運動を自車両1が実現するための自車両1の車体挙動を計算するために用いる車両運動モデルのパラメータ(例えばヨー慣性モーメント、車輪のコーナリングスティフネス等)を設定する。
車体挙動制御部33は、規範モデル部32によって設定された車両運動モデルに基づいて、仲裁部31が設定した車両運動を実現するための車体挙動(例えば、車速、加減速、ヨーレイト、ヨー角加速度、ヨーモーメント等)を算出する。
例えば、自動運転レイヤ30の機能は、図1に示す自動運転制御部20が担い、仲裁部31の機能は入力仲裁部21が担い、規範モデル部32、車体挙動制御部33及び車輪挙動制御部34の機能は、車両制御部22が担ってよい。
また、周囲環境の認識結果に基づいて、自車両1の周囲環境のモデルであるローカルモデル(Local Model)47が生成される。さらに、ローカルモデル47と、高精度地図と、ナビゲーション装置15の道路情報や交通情報とを融合することによって、ワールドモデル(World Model)46が生成される。
経路計画部42は、ナビゲーション装置15の道路情報に基づいて、現在位置から目的地までの予定走行経路を演算する。なお、予定走行経路はこれに限らず、例えば現在位置から自車両所定距離前方までの予定経路であっても良い。あるいは、ナビゲーション装置15の道路情報を用いずに、自車両前方をカメラ等で撮像し、撮像した画像から検出した自車両所定距離前方までの予定経路であっても良い。
行動決定部43は、周囲環境の認識結果と、自車両1の現在位置と、ワールドモデル46と、予定走行経路とに基づいて、走行支援装置10により実行する自車両1の運転行動計画を決定する。
行動決定部43は、自車両1の現在位置及び姿勢と、自車両1の周囲環境と、ワールドモデル46とに基づいて、自車両1の運転行動計画を生成する。
軌道生成部45は、運転ゾーン計画部44が算出した運転ゾーン内を自車両1が走行するように、自車両1の目標走行軌道と目標速度プロファイルを生成する。
車両制御部22は、入力仲裁部21により設定された車両運動を実現するように自車両1の挙動を制御する。
過渡形状を有する道路(例えば、曲率が大きく変化する道路)を自車両1が走行する場合には、曲率変化に応じて自車両に発生させる横力を変化させる必要がある。このため、小さな転舵角で大きな横力が得られるように自車両1の回頭性が高いことが好ましい。旋回に要する転舵角が小さいことでアクチュエータ18の駆動量が少なくて済み、アクチュエーションの遅れが小さくなる。このため車両の旋回挙動の遅れも小さくなる。
一方で、定常形状を有する道路(例えば、曲率変化が小さい道路を含んでもよい)を自車両1が走行する場合には、曲率変化がないため(又は曲率変化が小さいため)回頭性よりも安定性が高いことが好ましい。
また、車両制御部22は、道路形状が定常形状であるか否かを判定し、道路形状が定常形状であると判定した場合に定常形状でないと判定した場合に比べて、後輪2RR、2RLに掛かる荷重である後輪荷重を増加するように、目標スリップ角βREQを算出する。例えば、車両制御部22は、自車両1の車体の前後方向が自車両1の進行方向よりも旋回方向へずれた状態である内向き状態となるように、目標スリップ角βREQを算出してよい。
車両制御部22は、道路形状に沿って走行するために自車両1に生じる目標横力FyREQを発生し且つ自車両1のスリップ角が目標スリップ角βREQとなるように前輪2FR、2FL及び後輪2RR、2RLの転舵制御を実行する。
また、自車両1が走行する予定の道路の道路形状が定常形状である場合に、後輪荷重を増加するように自車両1のスリップ角が制御されるので、後輪で発生する横力が増加して自車両1の安定性を向上できる。
例えば、図3の軌道生成部45が、自車両1が走行する予定の道路の道路形状に沿って自車両1を走行させる目標走行軌道を生成し、車両制御部22が、目標走行軌道の曲率と自車両1の車速Vとに基づいて、目標走行軌道に沿って自車両1を走行させる目標横力FyREQを設定してよい。
目標ヨーレイト算出部52は、目標横力FyREQと車速Vに基づいて、自車両1に発生させるヨーレイトの目標値である目標ヨーレイトrREQを算出する。
例えば、基準スリップ角Gβ fy・FyREQを、自車両1を内向き状態する方向の角度としてもよい。自車両1を内向き状態すると後輪荷重が増加して自車両1の安定性を向上できる。
図5を参照する。実線70は自車両1の進行方向を示し、破線71は自車両1の車体の前後方向を示し、矢印72は旋回中に自車両1の車体に働く遠心力を示し、矢印73は自車両1を旋回させる向心力を示す。
図5に示す内向き状態では、車体に働く遠心力72が、車体の前後方向の後ろ向きの成分74を有するので、後輪荷重が増加する。
例えば基準スリップ角算出部53は、自車両1の自動運転制御において許容される最大許容前後加速度GxAD及び最大許容横加速度GyADと、路面の摩擦係数μに基づいて、後輪横力上限値Fy’RAを設定してよい。
具体的には、次式(1)を満たすように後輪横力上限値Fy’RAを設定してよい。
式(1)においてmは自車両1の質量、gは重力加速度、lはホイールベース長であり、lFは車両重心から前輪軸までの長さである。係数Kpは、前後加速度により生じる荷重変化量と前後加速度との間の比例係数であり、車両に応じて設定される。
図6を参照する。曲線75は、自車両1の後輪2RR、2RLのスリップ角βと後輪横力との関係を表すタイヤの非線形特性線である。非線形特性線75は、自車両1の車両諸元と後輪2RR、2RLのタイヤに応じて予め設定する。なお、図中のFy’maxは、後輪2RR、2RLの摩擦限界における発生横力である。
すなわち、非線形特性線75において後輪横力が後輪横力上限値Fy’RAとなるスリップ角βをβmとすると、CpRear=Fy’RA/βmとなる。
基準スリップ角算出部53は、規範コーナリングスティフネスCpRearと目標横力FyREQと車速Vとに応じて、次式(2)に基づいて基準スリップ角Gβ fy・FyREQを算出する。
式(2)においてlRは車両重心から後輪軸までの長さである。
拡大スリップ角Geβ fy・FyREQは、自車両1を内向き状態する方向の角度としてもよい。
拡張スリップ角算出部54は、基準スリップ角Gβ fy・FyREQと同様の算出方法によって、拡大スリップ角Geβ fy・FyREQを算出してよい。
例えば、拡張スリップ角算出部54は、前輪2FR、2FLに発生する横力の目標上限値である前輪横力上限値Fy’FAを設定してよい。拡張スリップ角算出部54は、最大許容前後加速度Gx、最大許容横加速度Gy、摩擦係数μに基づいて前輪横力上限値Fy’FAを設定してよい。
具体的には、次式(3)を満たすように前輪横力上限値Fy’FAを設定してよい。
拡張スリップ角算出部54は、規範コーナリングスティフネスCpFrontと目標横力FyREQと車速Vとに応じて、次式(4)に基づいて拡大スリップ角Geβ fy・FyREQを算出する。
上式(7)から分かるとおり、目標スリップ角βREQは、拡張スリップ角ゲインλβにより設定される配分比率(1-λβ):λβによって基準スリップ角Gβ fy・FyREQと拡大スリップ角Geβ fy・FyREQとを配分することによって得られる。
前輪転舵角δFと後輪転舵角δRとを最小化するには、評価関数J=KFδF+KRδRを最小にすればよい。この評価関数Jは、前輪転舵角δFと後輪転舵角δRの重み付け和である。
KF、KRは、KF+KR=1となるように定められた重み付け係数であり、例えばKF=KR=0.5であってよい。実際に実現可能な後輪転舵角δRの上限が前輪転舵角δFの上限とよりも小さい場合には、KF>KRであってよい。
前輪転舵角δF、後輪転舵角δRと、目標スリップ角βREQは次式(8)及び(9)により得られる。
簡単のため、MzREQ≒0とすれば次式(11)が得られてλβ1≒KFとなる。
このように、第1拡張スリップ角ゲインλβ1は評価関数J=KFδF+KRδRの重み係数KFと等しい値に設定してよい。上記のとおり重み係数KFは例えば0.5であってよい。
この場合には、上式(7)のλβ・ΔGβ fyが最大となる拡張スリップ角ゲインλβを第2拡張スリップ角ゲインλβ2として設定すればよい。
例えば、第2拡張スリップ角ゲインλβ2は、λβ・ΔGβ fyが最大となるように、λβ2=1に設定してよい。
λβ2=1に設定すると、後輪転舵角δRが実際に実現可能な上限を越える場合には、後輪転舵角δRが上限となる拡張スリップ角ゲインλβを第2拡張スリップ角ゲインλβ2として設定してもよい。
道路形状判定部55は、道路形状が定常形状である度合いを表す定常形状係数Ksと道路形状が過渡形状である度合いを表す過渡形状係数Ktとを算出する。定常形状係数Ks及び過渡形状係数Ktは、0~1の範囲の値を有する正規化された係数であり、Ks=(1-Kt)の関係を有する。道路形状判定部55の詳細は後述する。
したがって、過渡形状である度合いが高く過渡形状係数Ktが1に近い場合には、拡張スリップ角ゲインλβは第1拡張スリップ角ゲインλβ1に近くなる。このため、上式(7)の目標スリップ角βREQは、目標横力FyREQを発生しつつ前輪転舵角δFと後輪転舵角δRとを低減できるスリップ角となる。
また、道路形状が、定常形状よりも過渡形状に近い場合には、過渡形状よりも定常形状に近いと判定した場合に比べて転舵角が低減するように目標スリップ角βREQが算出される。
道路形状が、過渡形状よりも定常形状に場合には、定常形状よりも過渡形状に近いと判定した場合に比べて後輪荷重を増加するように目標スリップ角βREQが算出される。
左最大曲率RhoMaxは、自車両1がこれから走行する予定の道路の左カーブの最大曲率である。右最大曲率RhoMinは、自車両1がこれから走行する予定の道路の右カーブの最大曲率である。
歪度は、曲率分布が正規分布からどれだけ逸脱しているかを表し、歪度が大きいほど道路形状が過渡形状に近くなり、歪度が小さいほど道路形状が定常形状に近くなる。
道路形状判定部55は、基準曲率算出部80と、有次元化81と、曲率成分変換部82と、係数演算部83を備える。
RhoRef=KPTC・Gmax・g/V2 …(12)
記号KPTCは、ベースゲインであり、記号Gmaxは自動運転レイヤ30に設定された最大許容横加速度である。
RhoSQNL=3・RhoStd・|sign(RhoMax)|・max(SQN,0) …(13)
RhoSQNR=3・RhoStd・|sign(RhoMin)|・min(SQN,0) …(14)
RhoSQN=RhoSQNL+RhoSQNR …(15)
例えば、曲率成分変換部82は、次式(16)及び(17)に基づいて、歪度RhoSQNを正規化した正規化歪度NormRhoSQNと標準偏差RhoStdを正規化した正規化標準偏差NormRhoStdを算出する。
NormRhoSQN=RhoSQN/RhoRef …(16)
NormRhoStd=RhoStd/RhoRef …(17)
Kt=max(NormRhoSQN,NormRhoStd) …(18)
Ks=1-Kt …(19)
なお、道路形状判定部55の構成は、図7に例示した構成に限定されるものではない。道路形状判定部55は、道路形状が定常形状である度合いを表す定常形状係数Ksと道路形状が過渡形状である度合いを表す過渡形状係数Ktとを算出できれば、様々な構成、手法を採用できる。
転舵角算出部62は、目標前輪横力FyF及び目標後輪横力FyRと、目標ヨーレイトrREQと、目標スリップ角βREQに基づいて、これらの目標値を達成する前輪の目標転舵角δF及び後輪の目標転舵角δRを算出する。例えば転舵角算出部62は、自車両1の車両運動モデルに基づいて、前輪の目標転舵角δF及び後輪の目標転舵角δRを算出してよい。
アクチュエータ18に含まれる転舵アクチュエータは、前輪2FR、2FL及び後輪2RR、2RLの転舵角がそれぞれ目標転舵角δF及びδRとなるように、前輪2FR、2FL及び後輪2RR、2RLを転舵する。
図8は、実施形態の走行支援方法の一例のフローチャートである。
ステップS1において車両制御部22は、自車両1が走行する予定の道路の道路形状に沿って自車両1を旋回させるための目標横力FyREQを設定する。
ステップS2において目標ヨー角加速度算出部50、乗算器51、目標ヨーレイト算出部52は、目標ヨー角加速度r’REQ、目標ヨーモーメントMzREQ、目標ヨーレイトrREQをそれぞれ算出する。
ステップS3において目標横力算出部61は、目標横力FyREQと目標ヨーモーメントMzREQとを自車両1に付与するのに要する目標前輪横力FyF及び目標後輪横力FyRを算出する。
ステップS4において基準スリップ角算出部53は、基準スリップ角Gβ fy・FyREQを算出する。
ステップS5において拡張スリップ角算出部54は、拡大スリップ角Geβ fy・FyREQを算出する。
ステップS6において道路形状判定部55は、自車両1がこれから走行する予定の道路の道路形状を判定して、過渡形状係数Ktと定常形状係数Ksを算出する。
ステップS7において乗算器56、57と加算器58は、拡張スリップ角ゲインλβを算出する。
ステップS9において転舵角算出部62は、目標前輪横力FyF及び目標後輪横力FyRと、目標ヨーレイトrREQと、目標スリップ角βREQを達成する前輪の目標転舵角δF及び後輪の目標転舵角δRを算出する。
ステップS10においてアクチュエータ18は、前輪2FR、2FL及び後輪2RR、2RLの転舵角がそれぞれ目標転舵角δF及びδRとなるように、前輪2FR、2FL及び後輪2RR、2RLを転舵する。その後に処理は終了する。
(1)コントローラ17は、自車両1が走行する予定の道路の道路形状の情報を取得し、道路形状に沿って自車両1が走行するために自車両1に生じる目標横力を設定し、道路形状が、曲率が変化しない定常形状であるか否かを判定し、道路形状が定常形状であると判定した場合に定常形状でないと判定した場合に比べて、後輪に掛かる荷重である後輪荷重を増加するように、自車両1のスリップ角の目標値である目標スリップ角を算出する。アクチュエータ18は、コントローラ17が算出した転舵角となるように前輪及び後輪を転舵する。
これにより、自車両1が走行する予定の道路の道路形状が定常形状である場合に、後輪荷重を増加するように自車両1のスリップ角が制御されるので、自車両1の安定性を向上できる。
(3)目標スリップ角は、前輪の転舵により自車両1に発生させるスリップ角である第1スリップ角、又は後輪の転舵により自車両1に発生させるスリップ角である第2スリップ角の、少なくとも一方により発生させてよい。
コントローラ17は、後輪荷重を増加するように第1スリップ角と第2スリップ角との間の第1配分比率を設定し、第1スリップ角と第2スリップ角を第1配分比率で配分することにより目標スリップ角を算出してよい。
これにより、前輪及び後輪の転舵を用いて目標スリップ角を実現できる。
(5)コントローラ17は、道路形状が定常形状である度合いを表す定常形状係数を算出し、第1配分比率と定常形状係数の積とに応じて目標スリップ角を変化させてもよい。
コントローラ17は、道路形状が、曲率が変化する過渡形状よりも定常形状に近いと判定した場合に、定常形状よりも過渡形状に近いと判定した場合に比べて後輪荷重を増加するように目標スリップ角を算出してもよい。
これにより、定常形状である度合いに応じて段階的に目標スリップ角を設定できる。
これにより、自車両1が走行する予定の道路の道路形状が過渡形状である場合に、より小さな転舵角で旋回するように自車両1のスリップ角が制御されるので、自車両1の回頭性を向上できる。
(7)このとき、道路形状が過渡形状であると判定した場合に、目標スリップ角を、第1スリップ角と、第2スリップ角とにより発生させてよい。
コントローラ17は、転舵角を低減するように第1スリップ角と第2スリップ角との間の第2配分比率を設定し、道路形状が過渡形状であると判定した場合に、第1スリップ角と第2スリップ角を第2配分比率で配分することにより目標スリップ角を算出してよい。
これにより、前輪及び後輪の転舵を用いて目標スリップ角を実現できる。
(9)コントローラ17は、道路形状が過渡形状である度合いを表す過渡形状係数を算出し、第2配分比率と過渡形状係数の積とに応じて、目標スリップ角を変化させてもよい。これにより過渡形状である度合いに応じて段階的に目標スリップ角を設定できる。
(10)コントローラ17は、道路形状が、定常形状よりも過渡形状に近いと判定した場合に、過渡形状よりも定常形状に近いと判定した場合に比べて転舵角が低減するように目標スリップ角を算出してもよい。これにより、道路形状に応じて段階的に目標スリップ角を設定できる。
(11)コントローラ17は、車輪に発生させる横力の上限値である横力上限値を設定し、横力上限値に応じてコーナリングスティフネスの規範値である規範コーナリングスティフネスを設定し、目標横力を規範コーナリングスティフネスで除算した値に応じて第1スリップ角又は第2スリップ角を設定してよい。これにより、第1スリップ角又は第2スリップ角を、自車両1のタイヤの特性に応じて設定できる。
Claims (14)
- 自車両が走行する道路の道路形状の情報を取得し、
前記道路形状に沿って前記自車両が走行するために前記自車両に生じる目標横力を設定し、
前記道路形状が、曲率が変化しない定常形状であるか否かを判定し、
前記道路形状が前記定常形状であると判定した場合に前記定常形状でないと判定した場合に比べて、後輪に掛かる荷重である後輪荷重を増加するように、前記自車両のスリップ角の目標値である目標スリップ角を算出し、
前記走行する道路を走行する際に、目標横力を発生し且つ前記自車両のスリップ角が前記目標スリップ角となるように自車両の前輪及び後輪を転舵し、
前記道路形状が、曲率が変化する過渡形状よりも前記定常形状に近いと判定した場合に、前記定常形状よりも前記過渡形状に近いと判定した場合に比べて前記後輪荷重を増加するように前記目標スリップ角を算出することを特徴とする走行支援方法。 - 前記自車両の車体の前後方向が前記自車両の進行方向よりも旋回方向へずれた状態である内向き状態となるように、前記目標スリップ角を算出することを特徴とする請求項1に記載の走行支援方法。
- 前記目標スリップ角を、前記前輪の転舵により前記自車両に発生させるスリップ角である第1スリップ角、又は前記後輪の転舵により前記自車両に発生させるスリップ角である第2スリップ角の、少なくとも一方により発生させることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行支援方法。
- 前記後輪荷重を増加するように前記第1スリップ角と前記第2スリップ角との間の第1配分比率を設定し、
前記第1スリップ角と前記第2スリップ角を前記第1配分比率で配分することにより前記目標スリップ角を算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の走行支援方法。 - 前記第2スリップ角の配分比率を増加させることにより前記後輪荷重を増加することを特徴とする請求項4に記載の走行支援方法。
- 前記道路形状が前記定常形状である度合いを表す定常形状係数を算出し、
前記第1配分比率と前記定常形状係数の積とに応じて、前記前記目標スリップ角を変化させる、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の走行支援方法。 - 前記道路形状が、曲率が変化する前記過渡形状であるか否かを判定し、
前記道路形状が前記過渡形状であると判定した場合に前記過渡形状でないと判定した場合に比べて転舵角が低減するように、前記目標スリップ角を算出する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の走行支援方法。 - 前記道路形状が、曲率が変化する前記過渡形状であるか否かを判定し、
前記道路形状が前記過渡形状であると判定した場合に、前記過渡形状でないと判定した場合に比べて転舵角が低減するように、前記目標スリップ角を算出し、
前記目標スリップ角を、前記第1スリップ角と、前記第2スリップ角と、により発生させる、
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の走行支援方法。 - 前記転舵角を低減するように前記第1スリップ角と前記第2スリップ角との間の第2配分比率を設定し、
前記道路形状が前記過渡形状であると判定した場合に、前記第1スリップ角と前記第2スリップ角を前記第2配分比率で配分することにより前記目標スリップ角を算出する、
ことを特徴とする請求項8に記載の走行支援方法。 - 前記前輪の転舵角と前記後輪の転舵角の重み付け和が最小になるように前記第2配分比率を設定することを特徴とする請求項9に記載の走行支援方法。
- 前記道路形状が前記過渡形状である度合いを表す過渡形状係数を算出し、
前記第2配分比率と前記過渡形状係数の積とに応じて、前記目標スリップ角を変化させる、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の走行支援方法。 - 前記道路形状が、前記定常形状よりも前記過渡形状に近いと判定した場合に、前記過渡形状よりも前記定常形状に近いと判定した場合に比べて転舵角が低減するように前記目標スリップ角を算出することを特徴とする請求項7~11のいずれか一項に記載の走行支援方法。
- 車輪に発生させる横力の上限値である横力上限値を設定し、
前記横力上限値に応じてコーナリングスティフネスの規範値である規範コーナリングスティフネスを設定し、
前記目標横力を前記規範コーナリングスティフネスで除算した値に応じて前記第1スリップ角又は前記第2スリップ角を設定する、
ことを特徴とする請求項2~5又は8~11のいずれか一項に記載の走行支援方法。 - 自車両の前輪及び後輪を転舵する転舵装置と、
前記自車両が走行する道路の道路形状の情報を取得し、前記道路形状に沿って前記自車両が走行するために前記自車両に生じる目標横力を設定し、前記道路形状が、曲率が変化しない定常形状であるか否かを判定し、前記道路形状が前記定常形状であると判定した場合に前記定常形状でないと判定した場合に比べて、後輪に掛かる荷重である後輪荷重を増加するように、前記自車両のスリップ角の目標値である目標スリップ角を算出し、
前記走行する予定の道路を走行する際に、前記目標横力を発生し且つ前記自車両のスリップ角が前記目標スリップ角となるように、自車両の前記転舵装置を駆動して前記前輪及び前記後輪の転舵制御を実行するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記道路形状が、曲率が変化する過渡形状よりも前記定常形状に近いと判定した場合に、前記定常形状よりも前記過渡形状に近いと判定した場合に比べて前記後輪荷重を増加するように前記目標スリップ角を算出することを特徴とする走行支援装置。
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