JP7567968B1 - 自動車のサブフレーム構造 - Google Patents
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Abstract
Description
前記各サイドメンバの先端部に、前記クロスメンバよりも車両前方側に突出し、車両幅方向の車外側へと傾斜してクランク状に屈曲する中空の屈曲突出部が設けられている、ことを特徴とするものである。
前記屈曲突出部は、車両幅方向の車外側に傾斜している傾斜部位における車外側の側面部に開口部が形成されていることを特徴とするものである。
前記屈曲突出部は、前記クランク状の屈曲における車内側の谷部の内面側に、上面と下面を繋いで中空の断面の全部又は一部を閉塞する中空断面閉塞縦壁部が設けられていることを特徴とするものである。
前記中空断面閉塞縦壁部は、前記屈曲突出部の中空の断面の1/3以上を閉塞することを特徴とするものである。
前記屈曲突出部は、その先端が閉じた形状であることを特徴とするものである。
前記サイドメンバは、引張強度590MPa級以上の鋼板で形成されたものであること、を特徴とするものである。
さらに、本発明に係るサブフレーム構造においては、屈曲突出部の車両前後方向における長さを衝突初期に衝突エネルギーを吸収するのに必要な程度に設定すればよいため、車両先端部のショートノーズ化が進展している電気自動車等にも適用することができる。
以下、サブフレーム構造1の各構成について説明する。なお、本願の図面において、「前後」は車両前後方向、「左右」は車両幅方向(車両の進行方向に向かって左右方向)、「上下」は車両上下方向を示している。
クロスメンバ20は、図1に示すように、車両幅方向に延在し、両端部が左右のサイドメンバ10に接続されたものである。本実施の形態に係るサブフレーム構造1では、略矩形断面中空部材21と、パネル状部材23と、の2つのクロスメンバ20が設けられている。
サイドメンバ10は、図1に示すように、車両前後方向に延在し、車両前後方向の2か所にサスペンションアーム連結部11、13が設けられた左右一対のものである。そして、各サイドメンバ10の先端部10aに、クロスメンバ20であって車両前方側に配設された略矩形断面中空部材21よりも車両前方側に突出し、車両幅方向の車外側へと傾斜してクランク状に屈曲する中空の屈曲突出部15を有する。
サブフレーム構造1においては、車体側へ傾斜してクランク状に屈曲した屈曲突出部15の車両内側の谷部15aは、前面衝突時に車両前方から衝突荷重を受けた際に屈曲突出部15が車両前後方向に圧壊(塑性変形)する起点となる部位である。そのため、サブフレーム構造1の屈曲突出部15においては、サイドメンバ10が塑性変形する前の衝突初期の段階において衝突エネルギーを吸収することが可能となる。
また、本実施の形態1に係る自動車のサブフレーム構造1においては、衝突エネルギーの一部を屈曲突出部15で分担して吸収する。これにより、サイドメンバ10で吸収する衝突エネルギー量が軽減され、サイドメンバ10の衝突強度、一発入力強度(一度の荷重入力に対する変形強度)、疲労強度の向上も期待できる。さらには、衝突性能の向上分を相殺するように各車体部品の板厚を減少させることにより、従来のサブフレーム構造と同等の構造を維持したまま軽量化することもできる。
屈曲突出部15は、図2に示すように、上面視で車両幅方向車外側に傾斜する傾斜部位15bにおける車外側の側面部15b1に開口部15b2が形成されていることが好ましい。このことについて、図1に示すサブフレーム構造1を備えた車両が壁に前面衝突する衝突解析を行い、車両前方から衝突荷重を受けて屈曲突出部15が圧壊する変形挙動を求めた解析結果に基づいて説明する。
このように、屈曲突出部15の車外側の側面部15b1に開口部15b2が形成されていることで、衝突初期における蛇腹状の圧壊を促進し、衝突エネルギー吸収量を増加することが可能となる。
傾斜角度が10°よりも小さいと、屈曲突出部15において圧壊が生じる起点の位置が変動し、安定した圧壊が生じなくなる恐れがある。
また、傾斜角度が45°よりも大きいと、屈曲突出部15の先端に入力する衝突荷重の車両前後方向の分力が小さくなり、屈曲突出部15の車両前後方向の圧壊による衝突エネルギー吸収量が小さくなって好ましくない。
一方、図7(a)は、略中空部材10Aの先端部における壁面を折り曲げて形成した中空断面閉塞縦壁部17Bにより中空の断面を閉塞し(図7(b))、屈曲突出部15の先端部に相当する補強部品19(図7(c))を接合したものである。
一方、クロスメンバは、その材質を特に限定するものではなく、要求される衝突強度や変形強度に応じて適宜選択すればよい。
もっとも、本発明は、前述したサブフレーム構造1のように、略矩形断面中空部材21と、パネル状部材23と、の2つのクロスメンバ20を備えたものしてもよい。
また、パネル状部材23は、車両幅方向の側辺部23aの後端23a1が車両後方側のサスペンションアーム連結部13よりも車両後方側に位置するように側辺部23aが左右のサイドメンバ10に接続されたものである。
なお、軽量化の観点から、パネル状部材23は、車両前後方向における後辺部23bが車両幅方向の両端から中央に向かって車両前方側に凸状に湾曲し、ビード部25は、後辺部23bの湾曲に沿って形成されていることが好ましい。
また、サブフレーム構造1に、略矩形断面中空部材21とパネル状部材23と備えることにより、サブフレーム構造1の前面衝突に対する剛性を高めることが可能となる。そのため、そのため、前面衝突時に車両前方から衝突荷重を受けた際に屈曲突出部15は、サブフレーム構造1からの反力を受け、効率的に圧壊(座屈変形)することができる。
サブフレーム構造1は、図1に示したように、左右一対のサイドメンバ10と、クロスメンバ20と、を備え、クロスメンバ20は、略矩形断面中空部材21と、パネル状部材23と、を有するものである。
図8(a)に示す屈曲突出部15は、中空断面閉塞縦壁部が設けられていないものである(発明例1)。
図8(b)に示す屈曲突出部15Aは、クランク状の屈曲における車内側の谷部15aの内面側に、上面15cと下面15dとを繋いで中空の断面の一部(屈曲突出部15Aの中空の断面の43%>33%)を閉塞するパッチ部品17Aが設けられたものである(発明例2、図6参照)。
一方、図8(c)に示す屈曲突出部15は、先端部の一部を折り曲げて形成した中空断面閉塞縦壁部17Bにより内部(屈曲突出部15Bの中空の断面の全部)を閉塞した略中空部材に、屈曲突出部15の先端部に相当する補強部品19を接合したものである(発明例3、図7参照)。
さらに、発明例2、3においては、衝突開始から40msまでの衝突初期の段階において発明例2よりも荷重が高い値を示していることから、衝突エネルギー吸収量が増大していることが示唆された。
10 サイドメンバ
10a 先端部
11 サスペンションアーム連結部
13 サスペンションアーム連結部
15 屈曲突出部
15a 谷部
15b 傾斜部位
15b1 側面部
15b2 開口部
15c 上面
15d 下面
17 中空断面閉塞縦壁部
17A パッチ部品
17B 中空断面閉塞縦壁部
19 補強部品
20 クロスメンバ
21 略矩形断面中空部材
21a 端部
23 パネル状部材
23a 側辺部
23a1 後端
23b 後辺部
25 ビード部
25a 両端
101 サスペンションアーム
103 取付部
Claims (5)
- 車両前後方向に延在し、車両前後方向の2か所にサスペンションアーム連結部が設けられた左右一対のサイドメンバと、車両幅方向に延在し、両端部が左右の前記サイドメンバに接続されたクロスメンバと、を備えた自動車のサブフレーム構造であって、
前記各サイドメンバの先端部に、前記クロスメンバよりも車両前方側に突出し、車両幅方向の車外側へと傾斜してクランク状に屈曲する中空の屈曲突出部が設けられており、
前記屈曲突出部は、車両幅方向の車外側に傾斜している傾斜部位における車外側の側面部に開口部が形成されていることを特徴とする自動車のサブフレーム構造。 - 前記屈曲突出部は、前記クランク状の屈曲における車内側の谷部の内面側に、上面と下面を繋いで中空の断面の全部又は一部を閉塞する中空断面閉塞縦壁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のサブフレーム構造。
- 前記中空断面閉塞縦壁部は、前記屈曲突出部の中空の断面の1/3以上を閉塞することを特徴とする請求項2に記載の自動車のサブフレーム構造。
- 前記屈曲突出部は、その先端が閉じた形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車のサブフレーム構造。
- 前記サイドメンバは、引張強度590MPa級以上の鋼板で形成されたものであること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動車のサブフレーム構造。
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