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JP7567262B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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JP7567262B2 JP2020132169A JP2020132169A JP7567262B2 JP 7567262 B2 JP7567262 B2 JP 7567262B2 JP 2020132169 A JP2020132169 A JP 2020132169A JP 2020132169 A JP2020132169 A JP 2020132169A JP 7567262 B2 JP7567262 B2 JP 7567262B2
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Description

本発明は、蓄電素子及びスペーサを備える蓄電装置に関する。
従来、配列方向に配列された1以上の蓄電素子及び1以上のスペーサを備える構成の蓄電装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数の電池セル(蓄電素子)と、複数の電池セルの間、及び、複数の電池セルを挟む位置に配置されるスペーサと、を備えた電池モジュール(蓄電装置)が開示されている。
特開2017-174831号公報
上記従来の蓄電装置のように、1以上の蓄電素子及び1以上のスペーサが配列方向に配列される構成において、蓄電素子及びスペーサの当該配列方向における寸法公差が大きいと、当該寸法公差を吸収することが必要になる場合がある。しかしながら、上記従来の蓄電装置では、蓄電素子及びスペーサの当該配列方向における寸法公差を吸収する機構が設けられていないため、当該寸法公差を吸収するのが困難である。
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、配列方向に配列された1以上の蓄電素子及び1以上のスペーサを備える蓄電装置であって、前記1以上のスペーサのうちの少なくとも1つのスペーサは、前記配列方向における一方の面である第一面が突出し、かつ、他方の面である第二面が凹んだ膨出状の膨出部と、前記膨出部に沿って配置され、前記スペーサを前記配列方向に貫通する貫通部と、を有する。
これによれば、蓄電装置において、スペーサは、蓄電素子及びスペーサの配列方向における一方の面である第一面が突出し、他方の面である第二面が凹んだ膨出部と、膨出部に沿って配置される貫通部と、を有している。このように、スペーサに膨出部を形成することにより、膨出部が圧縮されることで、蓄電素子及びスペーサの当該配列方向における寸法公差を吸収することができる。また、スペーサに、膨出部に沿って貫通部が形成されていることで、膨出部を容易に圧縮することができる。これにより、容易に、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、前記貫通部は、前記膨出部の一端部から他端部までに亘って延設されて配置されることにしてもよい。
これによれば、スペーサの貫通部が、膨出部の一端部から他端部までに亘って延設されていることにより、膨出部をより容易に圧縮することができる。これにより、より容易に、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、前記貫通部は、前記膨出部に沿って延設され、かつ、前記膨出部よりも突出して配置されることにしてもよい。
これによれば、スペーサの貫通部が、膨出部に沿って延設され、かつ、膨出部よりも突出していることにより、膨出部を容易に圧縮することができ、かつ、膨出部の端部に応力が集中するのを抑制することができる。これにより、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を容易に吸収しつつ、スペーサが損傷するのを抑制することができる。
また、前記少なくとも1つのスペーサは、前記1以上のスペーサのうちの前記配列方向における端部に配置されるエンドスペーサであることにしてもよい。
これによれば、膨出部及び貫通部を有するスペーサは、エンドスペーサである。このように、蓄電素子及びスペーサの配列方向における端部のエンドスペーサに膨出部及び貫通部を形成することにより、蓄電素子及びスペーサの当該配列方向における寸法公差を一括して吸収することができる。これにより、容易に、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、前記蓄電装置は、複数の前記蓄電素子と、複数の前記スペーサとを備え、前記複数のスペーサは、前記エンドスペーサと、前記複数の蓄電素子の間に配置される中間スペーサと、を有し、前記中間スペーサには、前記膨出部は形成されていないことにしてもよい。
蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収するには、エンドスペーサに膨出部を形成すればよく、複数の蓄電素子の間の中間スペーサに膨出部を形成する必要はない。このため、中間スペーサに膨出部を形成しないことにより、中間スペーサを簡易な構造で構成することができる。これにより、容易に、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、前記膨出部は、前記第二面に形成されるリブを有することにしてもよい。
これによれば、スペーサにおいて、膨出部の凹んだ側の面である第二面にリブが形成されている。このため、膨出部の第二面側(凹んだ側)においても、リブが圧縮されることで、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる。これにより、当該配列方向における寸法公差を容易に吸収することができる。
なお、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、スペーサとしても実現することができる。
本発明における蓄電装置によれば、蓄電素子及びスペーサの配列方向における寸法公差を吸収することができる。
実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電装置において外装体の本体と蓋とを分離して外装体の内方を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電装置の外装体の内方の構成要素を分解して示す分解斜視図である。 実施の形態に係る蓄電ユニットを分解して各構成要素を示す分解斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。 実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係るスペーサの構成を示す上面図及び断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
以下の説明及び図面中において、蓄電装置の外装体の長手方向、蓄電ユニットと電気機器ユニットとの並び方向、複数のサイド部材の並び方向、エンド部材の延設方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、1つの蓄電素子における一対の電極端子の並び方向を、X軸方向と定義する。蓄電素子とバスバー若しくはバスバーフレームとの並び方向、または、蓄電素子の容器の本体と蓋との並び方向を、Y軸方向と定義する。蓄電装置の外装体の本体と蓋との並び方向、一対のエンド部材の並び方向、蓄電素子とスペーサとエンド部材との並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電素子の扁平方向、蓄電素子の電極体の極板の積層方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。また、以下では、Z軸方向を第一方向または配列方向とも呼び、X軸方向を第二方向とも呼び、Y軸方向を第三方向とも呼ぶ場合がある。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
(実施の形態)
[1 蓄電装置10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置10の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電装置10において外装体100の本体と蓋とを分離して外装体100の内方を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外装体100の内方の構成要素を分解して示す分解斜視図である。
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置10は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電装置10は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
図1~図3に示すように、蓄電装置10は、外装体100と、外装体100に収容される蓄電ユニット200及び電気機器ユニット300と、を備えている。蓄電装置10は、上記の構成要素の他、蓄電ユニット200から排出されるガスを外装体100の外方へ排気するための排気部、及び、電気機器ユニット300に電線等で接続されて外部との信号の伝達を行うためのコネクタ等を備えていてもよい。
外装体100は、蓄電装置10の外装体を構成する箱形(略直方体形状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体100は、蓄電ユニット200及び電気機器ユニット300の外方に配置され、これら蓄電ユニット200及び電気機器ユニット300を所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外装体100は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。外装体100は、これにより、蓄電ユニット200及び電気機器ユニット300が外部の金属部材等に接触することを回避する。なお、蓄電ユニット200及び電気機器ユニット300の電気的絶縁性が保たれる構成であれば、外装体100は、金属等の導電部材で形成されていてもよい。
外装体100は、外装体100の本体を構成する外装体本体110と、外装体100の蓋体を構成する外装体蓋体120と、を有している。外装体本体110は、Z軸プラス方向側に開口が形成された有底矩形筒状のハウジング(筐体)であり、蓄電ユニット200及び電気機器ユニット300を収容する。外装体本体110は、底壁部111と、4つの側壁部112と、複数の突出部113とを有している。
底壁部111は、外装体本体110のZ軸マイナス方向側に配置され、外装体本体110の底面を形成する平板状かつ矩形状の壁部である。底壁部111のZ軸プラス方向の面には、リブ111aが形成されている。リブ111aは、底壁部111のZ軸プラス方向の面からZ軸プラス方向に突出する凸部であり、底壁部111のZ軸プラス方向の面のほぼ全面に亘って、X軸方向及びY軸方向に延設される複数のリブ111aが形成されている。4つの側壁部112は、外装体本体110のX軸方向両側及びY軸方向両側に配置され、外装体本体110のX軸方向両側の2つの短側面とY軸方向両側の2つの長側面とを形成する4つの平板状かつ矩形状の壁部である。
突出部113は、底壁部111をZ軸方向に貫通し、底壁部111のZ軸プラス方向の面からZ軸プラス方向に突出する部材である。本実施の形態では、底壁部111のX軸方向中央部及びX軸プラス方向の端部のそれぞれに、Y軸方向に並ぶ2つの突出部113が配置されている。それぞれの突出部113は、底壁部111からZ軸プラス方向に突出した部位が、エンド部材230及びサイド部材240に形成された開口部(後述の開口部230b及び244)に挿入されることにより、エンド部材230及びサイド部材240に取り付けられる。例えば、突出部113は、シーリングボルト等のボルトであり、エンド部材230を貫通した状態で、サイド部材240の開口部244に螺合される。
外装体蓋体120は、外装体本体110の開口を閉塞する扁平な矩形状の部材である。外装体蓋体120は、外装体本体110と、接着剤、ヒートシール、超音波溶着またはレーザー溶着等によって好ましくは気密または水密に接合される。外装体蓋体120には、X軸マイナス方向かつY軸方向両端部に、正極側及び負極側の一対のモジュール端子(総端子)である一対の外部端子130が配置されている。蓄電装置10は、この一対の外部端子130を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子130は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成されている。
蓄電ユニット200は、複数の蓄電素子210が横置き(横倒し)にされた状態で、Z軸方向に配列(平積み)され、かつ、X軸方向に並べられることにより、Z軸方向に扁平かつX軸方向に長尺な形状を有している。具体的には、蓄電ユニット200は、Z軸方向及びX軸方向に並ぶ複数の蓄電素子210を、スペーサ220とともに、一対のエンド部材230及び複数(3つ)のサイド部材240がZ軸方向及びX軸方向で挟み込む構成を有している。蓄電ユニット200の構成のさらに詳細な説明については、後述する。
電気機器ユニット300は、電気機器310と、取付部材320と、バスバーユニット330とを有している。電気機器310は、蓄電ユニット200が有する蓄電素子210の状態の監視、及び、蓄電素子210の制御を行うことができる機器である。本実施の形態では、電気機器310は、蓄電ユニット200のX軸プラス方向に配置されて取り付けられる扁平な矩形状の部材である。電気機器310は、例えば、蓄電素子210の充電状態や放電状態を監視したり、蓄電素子210の充放電を制御したりする回路基板、シャント抵抗、コネクタ等の電気部品を有している。電気機器310は、これらの電気部品が絶縁性のカバー部材に収容された構成を有している。
取付部材320は、蓄電ユニット200に対して電気機器310を取り付ける平板状の部材である。取付部材320は、例えば、上記の外装体100に使用可能ないずれかの電気的絶縁性の樹脂材料等で形成されている。取付部材320は、蓄電ユニット200及び電気機器310の間に配置され、蓄電ユニット200に取り付けられるとともに、電気機器310が取り付けられる。本実施の形態では、取付部材320は、蓄電ユニット200のX軸プラス方向の側面に取り付けられることで、電気機器310を立設した姿勢(YZ平面に平行となる姿勢)で、蓄電ユニット200のX軸プラス方向の側面に対して取り付ける。
具体的には、取付部材320は、蓄電ユニット200が有する後述のエンド部材230及びサイド部材240に取り付けられる。さらに具体的には、取付部材320は、Z軸方向両端部かつY軸方向両端部に、4つの突出部321を有している。突出部321は、エンド部材230に向けてZ軸方向に突出する部位を有し、当該部位が、エンド部材230及びサイド部材240に形成された開口部(後述の開口部230c及び244)に挿入されることにより、エンド部材230及びサイド部材240に取り付けられる。例えば、突出部321は、ボルトであり、当該ボルトの雄ネジ部が、開口部230c及び244の少なくとも一方に形成された雌ネジ部に螺合されることにより、取付部材320がエンド部材230及びサイド部材240に取り付けられる。
バスバーユニット330は、バスバー及びリレー(継電器)等を有し、蓄電ユニット200と電気機器310とを電気的に接続したり、電気機器310と外部端子130とを電気的に接続したり、蓄電ユニット200と外部端子130とを電気的に接続する。当該バスバーは、蓄電ユニット200が有する後述のバスバー250と電気機器310とを接続したり、電気機器310と外部端子130とを接続したり、バスバー250と当該リレーとを接続したり、当該リレーと外部端子130とを接続する板状の部材である。当該バスバーは、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。
[2 蓄電ユニット200の構成の説明]
次に、図3に加えて、図4も用いて、蓄電ユニット200の構成について詳細に説明する。図4は、本実施の形態に係る蓄電ユニット200を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。なお、図4では、蓄電ユニット200のうちのバスバー250及びバスバーフレーム251を省略して図示している。
図3及び図4に示すように、蓄電ユニット200は、複数の蓄電素子210(211、212)と、複数のスペーサ220(221、222)と、一対のエンド部材230(231、232)と、3つのサイド部材240と、複数のバスバー250と、バスバーフレーム251と、を有している。
蓄電素子210は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子210は、扁平な直方体形状(角形)を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子210が横置き(横倒し)にされた状態で(蓄電素子210の長側面がZ軸方向に向いた状態で)、Z軸方向及びX軸方向に配列されている。具体的には、4つのX軸マイナス方向側の蓄電素子211がZ軸方向(配列方向)に配列(平積み)され、4つのX軸プラス方向側の蓄電素子212がZ軸方向(配列方向)に配列(平積み)されている。そして、当該4つの蓄電素子211及び当該4つの蓄電素子212が、X軸方向に並んで配列されている。蓄電素子210(211、212)の構成の詳細な説明については、後述する。
なお、蓄電素子210の個数は特に限定されず、何個の蓄電素子210がZ軸方向に積層(平積み)されていてもよいし、何個の蓄電素子210がX軸方向に配列されていてもよい。つまり、蓄電ユニット200は、1つの蓄電素子210しか有していなくてもよい。蓄電素子210の形状は、上記角形には限定されず、それ以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよい。蓄電素子210は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子210は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子210は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子210は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。
スペーサ220(221、222)は、Z軸方向(第一方向、配列方向)において蓄電素子210と並んで配置され(配列され)、蓄電素子210と他の部材とを電気的に絶縁する平板状かつ矩形状の部材である。スペーサ220(221、222)は、例えば、上記の外装体100に使用可能ないずれかの電気的絶縁性の樹脂材料等で形成されている。
具体的には、スペーサ221は、蓄電素子210のZ軸方向に隣接して配置される中間スペーサ(セル間スペーサ)である。つまり、スペーサ221は、隣り合う2つの蓄電素子210の間(2つの蓄電素子211の間、及び、2つの蓄電素子212の間)に配置され、当該2つの蓄電素子210の間を電気的に絶縁する。本実施の形態では、4つの蓄電素子211に対応して、3つのスペーサ221が配置されているが、蓄電素子211の個数が4つ以外の場合には、スペーサ221の個数も蓄電素子211の個数に応じて適宜変更される。蓄電素子212についても同様である。
スペーサ222は、複数のスペーサ220のうちのZ軸方向(第一方向、配列方向)における端部に配置されるエンドスペーサであり、端部の蓄電素子210のZ軸方向に隣接して配置される。スペーサ222は、端部の蓄電素子210(端部の蓄電素子211及び蓄電素子212)とエンド部材230(231、232)との間に配置され、当該端部の蓄電素子210とエンド部材230(231、232)との間を電気的に絶縁する。つまり、4つの蓄電素子211のZ軸方向両側に2つのスペーサ222が配置され、4つの蓄電素子212のZ軸方向両側に2つのスペーサ222が配置されている。
なお、スペーサ220(221、222)は、X軸方向両側面及びY軸方向両側面に壁部を有しており、蓄電素子210のX軸方向両側及びY軸方向両側に配置される他の部材とも電気的に絶縁する。例えば、スペーサ220(221、222)は、当該壁部が、蓄電素子210とサイド部材240との間に配置され、蓄電素子210とサイド部材240との間を電気的に絶縁する。スペーサ220(222)の構成の詳細な説明については、後述する。
エンド部材230及びサイド部材240は、Z軸方向において、蓄電素子210を外方から圧迫(拘束)する部材(拘束部材)である。つまり、エンド部材230及びサイド部材240は、複数の蓄電素子210及び複数のスペーサ220をZ軸方向の両側から挟み込むことで、それぞれの蓄電素子210及び複数のスペーサ220をZ軸方向の両側から圧迫(拘束)する。エンド部材230及びサイド部材240は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材で形成されているが、剛性の高い樹脂等の絶縁部材で形成されていてもよい。
エンド部材230(231、232)は、Z軸方向において、複数の蓄電素子210(211及び212)並びに複数のスペーサ220(221及び222)を挟む位置に配置され、これらをZ軸方向で挟み込む一対の平板状の部材(エンドプレート)である。これにより、一対のエンド部材230は、複数の蓄電素子210及び複数のスペーサ220をZ軸方向で一括して拘束する(複数の蓄電素子210及び複数のスペーサ220にZ軸方向における拘束力を一括して付与する)。なお、エンド部材231は、一対のエンド部材230のうちのZ軸マイナス方向側のエンド部材230であり、エンド部材232は、Z軸プラス方向側のエンド部材230である。なお、エンド部材230(231、232)は、平板状の部材ではなく、ブロック状または棒状等の部材であってもよい。
サイド部材240は、X軸方向(第一方向と交差する第二方向)において、スペーサ220と隣り合う位置にスペーサ220と対向して配置される平板状の部材(サイドプレート)である。サイド部材240は、両端が一対のエンド部材230に取り付けられて、当該一対のエンド部材230を繋ぐことで、複数の蓄電素子210及び複数のスペーサ220を拘束する。つまり、サイド部材240は、複数の蓄電素子210及び複数のスペーサ220を跨ぐようにZ軸方向に延設されて配置され、当該複数の蓄電素子210等に対してこれらの並び方向(Z軸方向)における拘束力を付与する。なお、サイド部材240は、平板状の部材ではなく、ブロック状または棒状等の部材であってもよい。
本実施の形態では、複数の蓄電素子211のX軸マイナス方向と、複数の蓄電素子211及び複数の蓄電素子212の間と、複数の蓄電素子212のX軸プラス方向とに、3つのサイド部材240が配置される。つまり、X軸方向(第二方向)において、中央のサイド部材240を挟む位置に、2組の蓄電素子210及びスペーサ220が配置され、当該2組の蓄電素子210及びスペーサ220を挟む位置に、2つのサイド部材240が配置される。そして、これら3つのサイド部材240は、Z軸方向両端部において、一対のエンド部材230のX軸方向両端部及び中央部に取り付けられる。これにより、エンド部材230及びサイド部材240は、複数の蓄電素子210及び複数のスペーサ220を、X軸方向の両側及びZ軸方向の両側から挟み込んで拘束する。
具体的には、エンド部材230(231、232)は、突出部230a(231a、232a)を有し、突出部230aによって、それぞれのサイド部材240と接続(接合)される。本実施の形態では、エンド部材230のX軸方向中央部及び両端部のそれぞれにおいて、Y軸方向に並ぶ3つの突出部230aが配置されている。突出部230aは、エンド部材230のサイド部材240側の面から、サイド部材240に向けてZ軸方向に突出する部位を有し、当該部位が、サイド部材240に形成された開口部243に挿入されることにより、サイド部材240に取り付けられる。例えば、突出部230aは、ボルトまたはセルフタップボルト(タッピングボルト)等であり、サイド部材240の開口部243に螺合される。
また、エンド部材230(231、232)には、X軸方向中央部及びX軸プラス方向の端部のそれぞれにおいて、Y軸方向に並ぶ3つの突出部230a(231a、232a)のそれぞれの間に、上述の2つの開口部230b(231b、232b)が配置されている。つまり、3つの突出部230a(231a、232a)と2つの開口部230b(231b、232b)とが、Y軸方向において交互に配置されている。開口部230b(231b、232b)は、エンド部材230(231、232)をZ軸方向に貫通する円形状の貫通孔である。エンド部材230(231、232)のX軸マイナス方向の端部においては、Y軸方向に並ぶ3つの突出部230a(231a、232a)のそれぞれの間に、上述の2つの開口部230c(231c、232c)が配置されている。つまり、3つの突出部230a(231a、232a)と2つの開口部230c(231c、232c)とが、Y軸方向において交互に配置されている。開口部230c(231c、232c)は、エンド部材230(231、232)をZ軸方向に貫通する円形状の貫通孔である。
バスバー250は、蓄電素子210に接続される平板状の部材である。具体的には、バスバー250は、複数の蓄電素子210のY軸マイナス方向に配置され、複数の蓄電素子210の電極端子210b、及び、バスバーユニット330に接続(接合)される。つまり、バスバー250は、複数の蓄電素子210の電極端子210b同士を接続し、かつ、端部の蓄電素子210の電極端子210bとバスバーユニット330とを接続する。本実施の形態では、バスバー250と蓄電素子210の電極端子210bとは、溶接によって接続(接合)されるが、ボルト締結等によって接続(接合)されてもよい。バスバー250は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。本実施の形態では、バスバー250は、蓄電素子210を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続するが、バスバー250は、8個の蓄電素子210を全て直列に接続してもよいし、その他の構成であってもよい。
バスバーフレーム251は、バスバー250と他の部材との電気的な絶縁、及び、バスバー250の位置規制を行うことができる扁平な矩形状の絶縁部材である。バスバーフレーム251は、例えば、上記の外装体100に使用可能ないずれかの電気的絶縁性の樹脂材料等で形成されている。バスバーフレーム251は、複数の蓄電素子210のY軸マイナス方向に配置され、複数の蓄電素子210に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム251には、バスバー250が位置決めされる。これにより、バスバー250が、複数の蓄電素子210に対して位置決めされて、当該複数の蓄電素子210が有する電極端子210bに接合される。
[3 蓄電素子210の構成の説明]
次に、蓄電素子210の構成について、詳細に説明する。図5は、本実施の形態に係る蓄電素子210を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。具体的には、図5は、図4に示した蓄電素子210を縦置きにした(立てた)状態で、各部を分解した図を示している。なお、8個の蓄電素子210(4つの蓄電素子211及び4つの蓄電素子212)は、全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子210の構成についての説明を行う。
図5に示すように、蓄電素子210は、容器210aと、一対(正極側及び負極側)の電極端子210bと、一対(正極側及び負極側)のガスケット210cと、を備えている。また、容器210aの内方には、一対(正極側及び負極側)のガスケット210dと、一対(正極側及び負極側)の集電体210eと、電極体210fとが収容されている。なお、容器210aの内方には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子210の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。また、上記の構成要素の他、電極体210fの側方または下方等に配置されるスペーサ、電極体210f等を包み込む絶縁フィルム、または、容器210aの外面を覆う絶縁シート等が配置されていてもよい。
容器210aは、開口が形成された容器本体210a1と、容器本体210a1の当該開口を閉塞する容器蓋部210a2と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。このような構成により、容器210aは、電極体210f等を容器本体210a1の内部に収容後、容器本体210a1と容器蓋部210a2とが溶接等されることにより、内部を密封することができる構造となっている。容器本体210a1及び容器蓋部210a2の材質は特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
容器本体210a1は、容器210aの本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Y軸マイナス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体210a1は、Z軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の(平坦な)長側面を有し、X軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の(平坦な)短側面を有し、Y軸プラス方向側に矩形状かつ平面状の(平坦な)底面を有している。容器蓋部210a2は、容器210aの蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体210a1のY軸マイナス方向側にX軸方向に延設されて配置されている。
電極体210fは、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。本実施の形態では、電極体210fは、極板(正極板及び負極板)がX軸方向に延びる巻回軸(X軸方向に平行な仮想軸)まわりに巻回されて形成された巻回型(いわゆる縦巻き型)の電極体である。
ここで、電極体210fの極板(正極板及び負極板)は、Z軸方向に積層されているため、Z軸方向を積層方向とも呼ぶ。つまり、電極体210fは、極板が積層方向に積層されて形成されている。なお、電極体210fは、極板が巻回されることで、Z軸方向に並ぶ一対の平坦部210f1と、Y軸方向に並ぶ一対の湾曲部210f2と、を有しているが、上記の積層方向は、平坦部210f1における極板の積層方向である。平坦部210f1は、一対の湾曲部210f2の端部同士を繋ぐ平坦な部位であり、湾曲部210f2は、Y軸方向に突出するように半円形状等に湾曲した部位である。また、平坦部210f1の平坦面の向く方向、または、一対の平坦部210f1の対向方向を、上記積層方向と定義することもできる。このため、配列方向(Z軸方向)に並ぶ複数の蓄電素子211は、当該積層方向に並んでいるとも言え、配列方向(Z軸方向)に並ぶ複数の蓄電素子212についても、当該積層方向に並んでいるとも言える。
また、電極体210fは、正極板と負極板とがX軸方向に互いにずらして巻回されているため、正極板及び負極板は、それぞれのずらされた方向の端部に、活物質が形成(塗工)されず基材層が露出した部分(活物質層非形成部)を有している。つまり、電極体210fは、X軸方向の両端部に、平坦部210f1及び湾曲部210f2からX軸方向両側に突出し、かつ、正極板及び負極板の活物質層非形成部が積層されて集電体210eと接続される接続部210f3を有している。
なお、電極体210fは、Y軸方向に延びる巻回軸まわりに極板が巻回されて形成されたいわゆる横巻き型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。横巻き型の電極体の場合、湾曲部、及び、集電体との接続部(タブ)以外の平坦な部位が平坦部であり、積層型(スタック型)及び蛇腹型の電極体の場合、集電体との接続部(タブ)以外の平坦な部位が平坦部である。
電極端子210bは、蓄電素子210の端子(正極端子及び負極端子)であり、Y軸マイナス方向に突出するように容器蓋部210a2に配置されている。電極端子210bは、集電体210eを介して、電極体210fの正極板及び負極板に電気的に接続されている。電極端子210bは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。
集電体210eは、電極端子210bと電極体210fの接続部210f3とに電気的に接続される導電性の部材(正極集電体及び負極集電体)である。集電体210eは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等で形成されている。ガスケット210c及び210dは、容器蓋部210a2と電極端子210b及び集電体210eとの間に配置された、平板状の電気的絶縁性を有する封止部材である。ガスケット210c及び210dは、例えば、上記の外装体100に使用可能ないずれかの電気的絶縁性の樹脂材料等で形成されている。
[4 スペーサ222の構成の説明]
次に、スペーサ222の構成について、詳細に説明する。なお、蓄電ユニット200が有するスペーサ222は、全て同様の構成を有しているため、以下では、1つのスペーサ222を図示して説明を行う。図6及び図7は、本実施の形態に係るスペーサ222の構成を示す斜視図である。具体的には、図6は、図4に示したZ軸プラス方向側のスペーサ222を拡大して示す斜視図である。図7は、スペーサ222をZ軸マイナス方向から見た(つまり、図6をY軸まわりに180°回転させた)場合の構成を示す斜視図である。なお、図7は、図4に示したZ軸マイナス方向側のスペーサ222を拡大して示す斜視図であるとも言える。図8は、本実施の形態に係るスペーサ222の構成を示す上面図及び断面図である。具体的には、図8の(a)は、スペーサ222をZ軸プラス方向から見た場合の構成を示す上面図である。図8の(b)は、図8の(a)のスペーサ222を、VIIIb-VIIIb線を通りXZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図である。
[4.1 スペーサ222の概略構成]
これらの図に示すように、スペーサ222は、スペーサ本体260と、前壁部270と、一対の側壁部280(280a及び280b)と、後壁部290と、を有している。スペーサ本体260は、スペーサ222の本体を構成する平板状かつ矩形状の部位であり、Z軸方向(第一方向)において蓄電素子210と対向する位置に配置される。具体的には、スペーサ本体260は、蓄電素子210の容器210aの長側面に対向し、かつ、蓄電素子210の当該長側面とエンド部材230とに挟まれて配置される。
前壁部270は、スペーサ本体260のY軸マイナス方向の端縁からZ軸方向両側に突出する平板状の壁部であり、Y軸方向において蓄電素子210と対向し、かつ、X軸方向に延設されて配置される。具体的には、前壁部270は、スペーサ222のZ軸方向両側に配置されるそれぞれの蓄電素子210について、蓄電素子210の容器蓋部210a2のY軸マイナス方向の面のZ軸方向における略半分を覆うように配置される。さらに具体的には、前壁部270は、当該蓄電素子210のY軸マイナス方向の部位のうちの、容器蓋部210a2のガス排出弁及び電極端子210b以外の部分のZ軸方向における略半分を覆うように配置される。
一対の側壁部280は、スペーサ本体260のX軸方向両側の端縁からZ軸方向両側に突出する板状の壁部であり、X軸方向(第二方向)において蓄電素子210と対向し、かつ、Y軸方向(第一方向及び第二方向と交差する第三方向)に延設されて配置される。具体的には、一対の側壁部280は、スペーサ222のZ軸方向両側に配置されるそれぞれの蓄電素子210について、蓄電素子210の容器本体210a1のX軸方向両側の面(短側面)のZ軸方向における略半分を覆うように配置される。一対の側壁部280のうちの、X軸プラス方向側の側壁部280を側壁部280aとも称し、X軸マイナス方向側の側壁部280を側壁部280bとも称する。側壁部280bは、スペーサ本体260の中心を通るYZ平面に対して、側壁部280aと対称となる形状を有している。
後壁部290は、スペーサ本体260のY軸プラス方向の端縁からZ軸方向両側に突出する平板状の壁部であり、Y軸方向において蓄電素子210と対向し、かつ、X軸方向に延設されて配置される。具体的には、後壁部290は、スペーサ222のZ軸方向両側に配置されるそれぞれの蓄電素子210について、蓄電素子210の容器本体210a1のY軸プラス方向の面(底面)のZ軸方向における略半分を覆うように配置される。
[4.2 スペーサ本体260の構成の説明]
次に、スペーサ本体260が有する構成について、詳細に説明する。スペーサ本体260は、Z軸方向(配列方向)における一方の面である第一面260a、及び、他方の面である第二面260bを有している。第一面260aは、スペーサ本体260のZ軸マイナス方向の主面であり、第二面260bは、スペーサ本体260のZ軸プラス方向の主面である。さらに、スペーサ本体260は、膨出部261と、貫通部262とを有している。
膨出部261は、第一面260aが突出し、かつ、第二面260bが凹んだ膨出状の部位であり、Y軸方向に延設されて配置されている。本実施の形態では、膨出部261は、スペーサ本体260のY軸方向の一端部から他端部までに亘って延びるZ軸方向から見て矩形状の部位であり、2つの膨出部261がX軸方向に並んで配置されている。具体的には、膨出部261は、X軸方向の両端部が、中央部に向けてZ軸マイナス方向に傾斜した形状を有し、X軸方向の中央部が、XY平面に平行な平板状の形状を有する湾曲状(アーチ状)の部位である。膨出部261は、蓄電素子210の容器210aの長側面に向けて突出して配置されている。具体的には、膨出部261は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、蓄電素子210が有する電極体210f(具体的には、平坦部210f1)と重なる位置に配置され、電極体210f(平坦部210f1)を押圧する。
膨出部261は、リブ263を有している。リブ263は、膨出部261における第二面260bに形成された長尺な凸部である。本実施の形態では、リブ263は、膨出部261における第二面260bの平坦部分のほぼ全面に亘って、X軸方向及びY軸方向に延設される格子状に形成されたリブである。なお、リブ263の形状は特に限定されず、何本のリブがX軸方向及びY軸方向に延設されていてもよいし、X軸方向またはY軸方向に傾斜する方向に延設されていてもよいし、曲線状に延設されていてもよいし、延設されるのではなく複数のリブが断続的に配置されていてもよい。
貫通部262は、膨出部261に沿って配置され、スペーサ222をZ軸方向(配列方向)に貫通する貫通部である。具体的には、貫通部262は、膨出部261のY軸方向両端に形成された、スペーサ本体260を貫通するスリットであり、X軸方向に延設されて配置されている。つまり、貫通部262は、膨出部261のX軸方向における一端部から他端部までに亘って延設されて配置される、Z軸方向から見てX軸方向に延びる長尺な空間である。本実施の形態では、貫通部262は、膨出部261に沿って延設され、かつ、膨出部261よりも突出して配置されている。つまり、貫通部262は、膨出部261のY軸方向両側に配置され、かつ、膨出部261のX軸方向両側に突出する。このように、貫通部262は、X軸方向において、膨出部261よりも長さが長く形成されている。
なお、スペーサ本体260のうちの膨出部261及び貫通部262以外の部分は、平板状の部位となっている。つまり、第一面260a及び第二面260bにおける膨出部261及び貫通部262以外の部分は、平面となっている。また、蓄電素子210及びエンド部材230の絶縁性を確保する観点等から、貫通部262のZ軸プラス方向またはZ軸マイナス方向には、絶縁部材が配置されるのが好ましい。例えば、蓄電素子210の容器210aの外面に絶縁シートを配置し、当該絶縁シートの範囲内に貫通部262が配置されるように構成する。
このように、エンドスペーサとしてのスペーサ222には、膨出部261及び貫通部262が形成されている。これに対し、中間スペーサとしてのスペーサ221には、膨出部261は形成されていない。つまり、スペーサ221には、膨出部261及び貫通部262は形成されていない。
[5 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、スペーサ222は、蓄電素子210及びスペーサ222の配列方向(Z軸方向)における一方の面である第一面260aが突出し、他方の面である第二面260bが凹んだ膨出部261を有している。さらに、スペーサ222は、膨出部261に沿って配置される貫通部262を有している。このように、スペーサ222に膨出部261を形成することにより、膨出部261が圧縮されることで、蓄電素子210及びスペーサ222の当該配列方向における寸法公差を吸収することができる。また、スペーサ222に、膨出部261に沿って貫通部262が形成されていることで、膨出部261を容易に圧縮することができる。これにより、容易に、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、スペーサ222の貫通部262が、膨出部261の一端部から他端部までに亘って延設されていることにより、膨出部261をより容易に圧縮することができる。これにより、より容易に、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、スペーサ222の貫通部262が、膨出部261に沿って延設され、かつ、膨出部261よりも突出していることにより、膨出部261を容易に圧縮することができ、かつ、膨出部261の端部に応力が集中するのを抑制することができる。これにより、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を容易に吸収しつつ、スペーサ222が損傷するのを抑制することができる。
また、膨出部261及び貫通部262を有するスペーサ222は、エンドスペーサである。このように、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における端部のエンドスペーサに膨出部261及び貫通部262を形成することにより、蓄電素子210及びスペーサ220の当該配列方向における寸法公差を一括して吸収することができる。これにより、容易に、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を吸収するには、エンドスペーサに膨出部261を形成すればよく、複数の蓄電素子210の間の中間スペーサであるスペーサ221に膨出部261を形成する必要はない。このため、スペーサ221に膨出部261を形成しないことにより、スペーサ221を簡易な構造で構成することができる。これにより、容易に、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を吸収することができる。
また、スペーサ222において、膨出部261の凹んだ側の面である第二面260bにリブ263が形成されている。このため、膨出部261の第二面260b側(凹んだ側)においても、リブ263が圧縮されることで、蓄電素子210及びスペーサ220の配列方向における寸法公差を吸収することができる。これにより、当該配列方向における寸法公差を容易に吸収することができる。また、リブ263によって膨出部261を補強することもできる。
[6 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施の形態では、スペーサ221は、スペーサ222と同様の膨出部及び貫通部等の構成を有していないこととしたが、スペーサ221についても、スペーサ222と同様の膨出部及び貫通部等の構成を有していてもよい。
上記実施の形態では、複数のスペーサ220が配置されていることとしたが、1つのスペーサ220しか配置されていなくてもよい。つまり、スペーサ221は、1つしか配置されていなくてもよいし、スペーサ222も、1つしか配置されていなくてもよいし、スペーサ221及びスペーサ222のいずれか一方が配置されていない構成でもよい。スペーサ222が配置されない場合には、スペーサ221が、上述したスペーサ222と同様の膨出部及び貫通部等の構成を有することにより、スペーサ222と同様の機能を担うことができる。
上記実施の形態では、スペーサ222の膨出部261は、第一面260aが突出し、かつ、第二面260bが凹んだ、蓄電素子210に向けて突出する湾曲状(アーチ状)の部位であることとした。しかし、膨出部261は、第二面260bが突出し、かつ、第一面260aが凹んだ、エンド部材230に向けて突出する部位であってもよいし、湾曲状(アーチ状)ではなく、段差状(階段状)に突出する部位等であってもよい。
上記実施の形態では、スペーサ222に、X軸方向に並ぶ2つの膨出部261が配置されていることとした。しかし、スペーサ222には、Y軸方向、または、X軸方向から傾いた方向に並ぶ2つの膨出部261が配置されていてもよい。また、膨出部261の個数も特に限定されず、例えば、3つ以上の膨出部261が一列に並んで配置されていてもよいし、3つ以上の膨出部261が一列に並ぶことなく配置されていてもよいし、スペーサ222には1つの膨出部261しか配置されていなくてもよい。
上記実施の形態では、スペーサ222の貫通部262は、スペーサ本体260に形成されたスリット(Z軸方向から見てX軸方向に延びる長尺な空間)であることとした。しかし、貫通部262は、スペーサ本体260を貫通していればよく、例えば、貫通部262は、スペーサ本体260に形成された切れ込みであって、Z軸方向から見ても空間が形成されていない(膨出部261が隣接する部位と接触している)構成でもよい。
上記実施の形態では、貫通部262は、膨出部261のY軸方向両側に配置され、かつ、膨出部261のX軸方向両側に突出することとした。しかし、貫通部262は、膨出部261のY軸方向の片側にしか配置されていなくてもよい。また、貫通部262は、膨出部261のX軸方向の片側にしか突出していなくてもよいし、膨出部261のX軸方向両側の双方ともに突出していなくてもよい。つまり、貫通部262は、X軸方向において、膨出部261と同じ長さでもよいし、膨出部261よりも短くてもよい。
上記実施の形態では、リブ263は、膨出部261の第二面260bに形成されていることとした。しかし、リブ263は、膨出部261の第一面260aに形成されていてもよいし、膨出部261には、リブ263は形成されていなくてもよい。
上記実施の形態において、スペーサ222は、前壁部270と一対の側壁部280と後壁部290とを有していることとした。しかし、スペーサ222は、前壁部270、一対の側壁部280及び後壁部290の少なくとも1つの壁部を有していなくてもよい。
上記実施の形態では、蓄電ユニット200は、X軸方向に並ぶ2つの蓄電素子210(211及び212)を有していることとした。しかし、蓄電ユニット200は、X軸方向に並ぶ3つ以上の蓄電素子210を有していてもよいし、X軸方向には1つの蓄電素子210しか有していないことにしてもよい。
上記実施の形態において、複数のスペーサ222のうちのいずれかが上記の構成を有していなくてもよいし、複数のサイド部材240のうちのいずれかが上記の構成を有していなくてもよいし、複数の蓄電素子210のうちのいずれかが上記の構成を有していなくてもよい。
上記実施の形態において、蓄電装置10は、上述した全ての構成要素を備えている必要はない。例えば、蓄電装置10は、上述した効果に寄与しない、または、なくても上述の効果を奏することができる構成要素(部材または部位)は備えていなくてもよい。
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、蓄電装置10として実現することができるだけでなく、スペーサ220としても実現することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
10 蓄電装置
100 外装体
111a、263 リブ
130 外部端子
200 蓄電ユニット
210、211、212 蓄電素子
210a 容器
210b 電極端子
210e 集電体
210f 電極体
210f1 平坦部
220、221、222 スペーサ
230、231、232 エンド部材
240 サイド部材
250 バスバー
260 スペーサ本体
260a 第一面
260b 第二面
261 膨出部
262 貫通部
270 前壁部
290 後壁部
300 電気機器ユニット

Claims (5)

  1. 配列方向に配列された1以上の蓄電素子及び1以上のスペーサを備える蓄電装置であって、
    前記1以上のスペーサのうちの少なくとも1つのスペーサは、
    前記配列方向における一方の面である第一面が突出し、かつ、他方の面である第二面が凹んだ膨出状の膨出部と、
    前記膨出部に沿って配置され、前記スペーサを前記配列方向に貫通する貫通部と、を有し、
    前記少なくとも1つのスペーサは、前記1以上のスペーサのうちの前記配列方向における端部に配置されるエンドスペーサである
    蓄電装置。
  2. 前記蓄電装置は、複数の前記蓄電素子と、複数の前記スペーサとを備え、
    前記複数のスペーサは、前記エンドスペーサと、前記複数の蓄電素子の間に配置される中間スペーサと、を有し、
    前記中間スペーサには、前記膨出部は形成されていない
    請求項に記載の蓄電装置。
  3. 配列方向に配列された1以上の蓄電素子及び1以上のスペーサを備える蓄電装置であって、
    前記1以上のスペーサのうちの少なくとも1つのスペーサは、
    前記配列方向における一方の面である第一面が突出し、かつ、他方の面である第二面が凹んだ膨出状の膨出部と、
    前記膨出部に沿って配置され、前記スペーサを前記配列方向に貫通する貫通部と、を有し、
    前記膨出部は、前記第二面に形成されるリブを有する
    蓄電装置。
  4. 配列方向に配列された1以上の蓄電素子及び1以上のスペーサを備える蓄電装置であって、
    前記1以上のスペーサのうちの少なくとも1つのスペーサは、
    前記配列方向における一方の面である第一面が突出し、かつ、他方の面である第二面が凹んだ膨出状の膨出部と、
    前記膨出部に沿って配置され、前記スペーサを前記配列方向に貫通する貫通部と、
    前記膨出部の周囲を囲う外周部と、を有し、
    前記貫通部は、前記膨出部に沿って延設され、かつ、前記膨出部よりも突出して配置されて、前記外周部の一部を貫通する
    蓄電装置。
  5. 前記貫通部は、前記膨出部の一端部から他端部までに亘って延設されて配置される
    請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
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