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JP7410327B2 - 医療機器 - Google Patents

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Description

本発明は、先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器に関する。
従来、十二指腸内視鏡を介して胆管や膵管などの診断治療に使用される小型の内視鏡として、体内に挿入されるシャフトおよび操作用のハンドルを備えた内視鏡が知られている(下記特許文献1参照)。
特許文献1に示す内視鏡では、体内に挿入したシャフトの先端の向きを、体外に配置したハンドルを操作して変化(偏向)させることができる。
具体的には、ハンドルに取り付けられている操作ノブを回転して操作用ワイヤの後端を引張操作することにより、当該操作用ワイヤの先端が固定されているシャフトの先端部分を撓ませてシャフトの先端を偏向させる。
特許文献1に示す内視鏡のハンドルには2つの操作ノブ(内側ノブおよび外側ノブ)が取り付けられ、それぞれに、2本の操作用ワイヤの後端が固定されている。
操作用ワイヤの先端は、シャフトの先端部分の外周に装着された円筒状の金属部材(X線不透過マーカーバンド)の内周面に溶接されることにより、当該金属部材を介してシャフトの先端部分に固定されている(同文献の図6A参照)。
特表2009-530051号公報
然るに、特許文献1に記載されている内視鏡のように、操作用ワイヤの先端が円筒状の金属部材を介して固定されている場合には、シャフトの外周に装着された金属部材の端部のエッジにより、体内組織などが傷つけられてしまうおそれがある。
このような問題を避けるために、金属部材が装着されるシャフトの外周部分を、金属部材の壁厚に相当する分切削して、金属部材の外径と、シャフト(非切削部分)の外径とを一致させることも考えられるが、胆管や膵管などの診断治療に使用する内視鏡のシャフトは小径であるために、切削代を十分に確保することができず、切削代を確保しようとすると内視鏡の鉗子チャンネルなどの直径を十分に確保することができなくなる。
また、樹脂からなるシャフトの外周と、金属からなる金属部材の内周との固着力は十分ではなく、例えば、操作用ワイヤの引張操作時に、金属部材がシャフトの回りを回転するように位置ずれを起こすことも考えられる。
また、円筒状の金属部材が装着されることにより、シャフトの先端部分の一部(金属部材の装着部分)を撓ませることができなくなるため、スムーズな偏向操作を行うことができない。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、先端偏向操作を行うための操作用ワイヤの先端を、シャフトの先端に確実に固定することができ、体内への挿入時や引張操作時に体内組織などを傷付けること
がなく、シャフトの先端部分の全域を確実に撓ませてスムーズな偏向操作を行うことができる医療機器を提供することにある。
(1)本発明の医療機器は、先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器であって、
先端可撓部分を有し、少なくとも1つのワーキングルーメンと、少なくとも1つのワイヤルーメンとが形成されている樹脂製の前記シャフトと、
前記シャフトの先端側に配置され、少なくともその基端において前記シャフトと実質的に同一(例えば、前記シャフトの外径の80~120%)の外径を有し、前記シャフトの前記ワーキングルーメンに連通して、その先端面で開口する先端ワーキングルーメンが形成されている樹脂製の先端チップと、
前記シャフトと前記先端チップとの間に配置された前記シャフトと実質的に同一(例えば、前記シャフトの外径の80~100%)の外径を有する板状、好ましくは円板状であって、前記シャフトの前記ワーキングルーメンと、前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンとの連通路を確保するために当該連通路を取り囲むように形成された主貫通穴と、前記ワイヤルーメンの形成位置に対応して形成された副貫通穴とを有する金属製またはセラミックス製の中間部材と、
前記先端チップに埋設された、前記中間部材の前記副貫通穴の直径よりも大きな直径の先端大径部を有し、前記副貫通穴を通って前記シャフトの前記ワイヤルーメンに延在し、その後端が引張操作可能である操作用ワイヤとを備えてなり、
前記中間部材の前記主貫通穴の内側であって前記連通路の外側において、前記シャフトと前記先端チップとが直接接合されていることを特徴とする。
このような構成の医療機器によれば、樹脂製のシャフトと、樹脂製の先端チップとの間に配置された中間部材により、操作用ワイヤの先端をシャフトの先端に確実に固定することができる。すなわち、操作用ワイヤの後端を引張操作したときに、中間部材の副貫通穴に先端大径部が引っ掛かるので、操作用ワイヤの先端の基端方向への移動を規制することができる。これにより、シャフトの先端可撓部分を確実に撓ませることができる。なお、円板状でない中間部材の「外径」は「最大外径」である。
また、中間部材がシャフトと実質的に同一の外径を有する板状であるので、シャフト、中間部材および先端チップの各外周面が面一となり、シャフトと先端チップとの間から、中間部材のエッジが露出することはなく、中間部材のエッジによって体内組織などを傷付けることがない。
また、中間部材が、シャフトの先端側に位置する板状であるため、シャフトの先端可撓部分の全域を撓ませてスムーズな偏向操作を行うことができる。
また、中間部材の主貫通穴の内側であって連通路の外側において、シャフトと、先端チップとが直接接合(両者の構成樹脂どうしが接合)されているので、当該中間部材は、主貫通穴の内側にある樹脂によっても固着され、当該中間部材がシャフトの軸回りを回転するように位置ずれを起こすようなことはない。
また、中間部材の主貫通穴の内側であって連通路の外側において、シャフトと、先端チップとが直接接合(両者の構成樹脂どうしが接合)されていることにより、シャフトと、先端チップとの間に金属製またはセラミックス製の中間部材が介在しているものでありながら、シャフトに対して先端チップを強固に固着することができ、シャフトの先端から先端チップが脱落するようなことはない。
また、操作用ワイヤの先端大径部が先端チップに埋設されていることにより、引張操作
している操作用ワイヤと対向する操作用ワイヤの先端が先端方向に移動する(延び出る)ようなこともない。
また、円筒状の金属部材を装着する場合とは異なり、板状の中間部材を装着するために、シャフトの外周を切削する(切削代を確保する)必要もないので、シャフトが小径であっても、ワーキングルーメンの直径を十分に確保することができる。
(2)本発明の医療機器において、シャフトおよび/または先端チップの構成樹脂により区画形成される前記連通路の直径が、前記シャフトの前記ワーキングルーメンおよび前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンの直径と実質的に同一である(例えば、前記ワーキングルーメンの直径および前記先端ワーキングルーメンの直径が何れも連通路の直径の80~120%である)ことが好ましい。
このような構成の医療機器によれば、シャフトの基端から先端チップの先端に至るまでの、連通路を含むルーメンの直径が実質的に変化しないので、ワーキングルーメンを挿通させようとする治具が途中で引っ掛かったりすることなどを防止することができる。
(3)本発明の医療機器において、前記シャフトには、複数の前記ワーキングルーメンが形成され、これに伴って、先端チップにも、複数の先端ワーキングルーメンが形成されていることが好ましい。
(4)上記(3)の医療機器において、前記中間部材には、前記連通路のすべてを取り囲む1つの前記主貫通穴が形成されていることが好ましい。
このような構成の医療機器によれば、シャフトと先端チップとが直接接合される面積を十分に確保することができ、シャフトと先端チップとの接合力を更に高めることができる。
(5)本発明の医療機器において、前記シャフトには、1つの前記ワーキングルーメンが形成され、これに伴って、先端チップにも、1つの先端ワーキングルーメンが形成されているものであってもよい。
(6)本発明の医療機器において、前記中間部材の外径は前記シャフトの外径および前記先端チップの外径より僅かに小さく、これによる前記シャフトおよび前記先端チップとの段差が解消されるよう、前記中間部材の外周が樹脂被覆されていることが好ましい。
このような構成の医療機器によれば、引張操作を繰り返すことなどによって、シャフトおよび先端チップに対して中間部材が半径方向に僅かな位置ずれを起こしたような場合にも、当該中間部材のエッジが露出することを防止することができる。
(7)内視鏡として使用する本発明の医療機器は、先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器であって、
先端可撓部分を有し、ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネルが形成されているとともに、4つのワイヤルーメンが形成されている樹脂製の前記シャフトと、
前記シャフトの基端側に配置され、回転操作部を備えたハンドルと、
前記シャフトの先端側に配置され、前記シャフトと実質的に同一の外径を有し、前記シャフトの前記ワーキングルーメン(カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネル)の各々に連通して、その先端面で開口する先端ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネルが形成されている樹脂製の先端チップ
と、
前記シャフトと前記先端チップとの間に配置された前記シャフトと実質的に同一の外径を有する板状、好ましくは円板状であって、前記シャフトの前記ワーキングルーメン(カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネル)の各々と、前記先端チップの前記先端ワーキングルーメン(カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネル)の各々との連通路を確保するために、当該連通路のすべてを取り囲むように形成された主貫通穴と、前記ワイヤルーメンの形成位置に対応して形成された4つの副貫通穴とを有する金属製またはセラミックス製の中間部材と、
前記先端チップに埋設された、前記中間部材の前記副貫通穴の直径よりも大きな直径の先端大径部を有し、前記副貫通穴の各々を通って、前記シャフトの前記ワイヤルーメンの各々に延在し、それぞれの後端が、前記ハンドルの前記回転操作部に固定されて引張操作可能である4本の操作用ワイヤとを備えてなり、
前記中間部材の前記主貫通穴の内側であって前記連通路の各々の外側において、前記シャフトと前記先端チップとが直接接合されていることを特徴とする。
この医療機器において、円板状でない中間部材の「外径」は「最大外径」である。
(8)ステラブルシースとして使用する本発明の医療機器は、先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器であって、
先端可撓部分を有し、その中心軸に沿って延びる1つのワーキングルーメンと、前記ワーキングルーメンを挟んで対向配置された2つのワイヤルーメンとが形成されている樹脂製の前記シャフトと、
前記シャフトの基端側に配置され、回転操作部を備えたハンドルと、
前記シャフトの先端側に配置され、少なくともその基端において前記シャフトと実質的に同一の外径を有し、前記シャフトの前記ワーキングルーメンに連通して、その先端面で開口する先端ワーキングルーメンが形成されている樹脂製の先端チップと、
前記シャフトと前記先端チップとの間に配置された、前記シャフトと実質的に同一の外径を有する板状、好ましくは円板状であって、前記シャフトの前記ワーキングルーメンと、前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンとの連通路を確保するために当該連通路を取り囲むように形成された好ましくは円形の主貫通穴と、前記ワイヤルーメンの形成位置に対応して形成された2つの副貫通穴とを有する金属製またはセラミックス製の中間部材と、
前記先端チップに埋設された、前記中間部材の前記副貫通穴の直径よりも大きな直径の先端大径部を有し、前記副貫通穴の各々を通って、前記シャフトの前記ワイヤルーメンの各々に延在し、それぞれの後端が、前記ハンドルの前記回転操作部を回転させることによって引張操作可能である2本の操作用ワイヤとを備えてなり、
前記中間部材の前記主貫通穴の内側であって前記連通路の外側において、前記シャフトと前記先端チップとが直接接合されていることを特徴とする。
この医療機器において、円板状でない中間部材の「外径」は「最大外径」である。
本発明の医療機器によれば、先端偏向操作を行うための操作用ワイヤの先端を、シャフトの先端に確実に固定することができ、体内への挿入時や引張操作時において体内組織などを傷付けることがなく、シャフトの先端部分の全域を確実に撓ませてスムーズな偏向操作を行うことができる。
また、樹脂製のシャフトと、樹脂製の先端チップとの間に金属製またはセラミックス製の中間部材が介在しているものでありながら、シャフトに対して先端チップを強固に固着することができ、シャフトの先端から先端チップが脱落するようなことはない。
本発明の医療機器の第1実施形態である内視鏡の外観を示す説明図である。 図1に示した内視鏡の先端部を示す部分拡大図(II部詳細図)である。 図2のIIIA-IIIA矢視図である。 図2のIIIB-IIIB断面図(シャフトの断面図)である。 図2のIIIC-IIIC断面図(先端チップの断面図)である。 図2のIIID-IIID断面図(中間部材の断面図)である。 図1に示した内視鏡の先端部(カメラの図示を省略)を示す斜視図である。 図1に示した内視鏡の先端部(カメラの図示を省略)を示す斜視図である。 図1に示した内視鏡を構成するカメラコネクタのスライド部材が基端位置にある状態を示す断面図である。 図1に示した内視鏡を構成するカメラコネクタのスライド部材が先端位置にある状態を示す断面図である。 図1に示した内視鏡を構成するカメラの先端が、先端チップの先端面より基端側の第1位置にある状態を示す斜視図である。 図1に示した内視鏡を構成するカメラの先端が、先端チップの先端面より先端側の第2位置にある状態を示す斜視図である。 図1に示した内視鏡におけるカメラ位置調整機構およびコネクタ装着規制機構の構成部材を分解して示す斜視図である。 図1に示した内視鏡におけるカメラ位置調整機構およびコネクタ装着規制機構の構成部材を分解して示す斜視図である。 図1に示した内視鏡を構成するポート側コネクタとカメラコネクタとが連結されている状態を示す断面図である。 図1に示した内視鏡を構成するポート側コネクタとカメラコネクタとの連結が規制されている状態を示す断面図である。 本発明の医療機器の第2実施形態である内視鏡の先端部を示す説明図である。 図10のXI-XI断面図である。 本発明の医療機器の第3実施形態であるステラブルシースにおいて、シャフトの先端可撓部分が直線状態にあるときのハンドルの内部を示す平面図である。 図12に示したステラブルシースの先端部を示す部分拡大図(XIII部詳細図)である。 図13のXIVA-XIVA断面図(シャフトの断面図)である。 図13のXIVB-XIVB断面図(先端チップの断面図)である。 図13のXIVC-XIVC断面図(中間部材の断面図)である。 図12に示したステラブルシースの先端部を示す斜視図である。 図12に示したステラブルシースにおいて、シャフトの先端可撓部分を撓ましたときのハンドルの内部を示す平面図である。
<第1実施形態>
本発明の医療機器の第1実施形態に係る内視鏡について説明する。
図1~図9(図9Aおよび図9B)に示すこの実施形態の内視鏡100は、胆管または膵管における疾患を診断治療するため使用される。
この内視鏡100は、先端可撓部分10Aを有し、ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル13、2つの送水チャンネル141,142および鉗子チャンネル17が形成されているとともに、4つのワイヤルーメン151,152,153,154が形成されている樹脂製のシャフト10と;シャフト10の基端側に配置され、回転操作部(操作ノブ25および操作ノブ26)を備えたハンドル20と;シャフト10の先端側に配置され、シャフト10と同一の外径を有し、シャフト10のワーキングルーメン(カメラチャン
ネル13、送水チャンネル141,142および鉗子チャンネル17)の各々に連通して、その先端面35で開口する先端ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル33、送水チャンネル341,342および鉗子チャンネル37が形成されている樹脂製の先端チップ30と;シャフト10と先端チップ30との間に配置され、シャフト10と同一の外径を有する円板状であって、シャフト10のワーキングルーメン(カメラチャンネル13、送水チャンネル141,142および鉗子チャンネル17)の各々と、先端チップ30の先端ワーキングルーメン(カメラチャンネル33、送水チャンネル341,342および鉗子チャンネル37)の各々との連通路43,441,442,47を確保するために、当該連通路43,441,442,47のすべてを取り囲むように形成された主貫通穴41と、シャフト10のワイヤルーメン151,152,153,154の形成位置に対応して形成された4つの副貫通穴421,422,423,424とを有する金属製の中間部材40と;先端チップ30に埋設された、中間部材40の副貫通穴421,422,423,424の直径よりも大きな直径の先端大径部511,521,531,541を有し、副貫通穴421,422,423,424の各々を通って、シャフト10のワイヤルーメン151,152,153,154の各々に延在し、それぞれの後端が、ハンドル20の回転操作部(操作ノブ25または操作ノブ26)に固定されて引張操作可能である4本の操作用ワイヤ51,52,53,54と;シャフト10のカメラチャンネル13および先端チップ30のカメラチャンネル33に配置され、シャフト10およびハンドル20から分離可能なカメラ60とを備えてなり;中間部材40の主貫通穴41の内側であって、連通路43,441,442,47の各々の外側において、シャフト10と先端チップ30とが直接接合(両者の構成樹脂どうしが溶着)されている。
この内視鏡100は、体内に挿入されるシャフト10と、シャフト10の基端側に配置されたハンドル20と、シャフト10の先端側に配置された先端チップ30と、シャフト10と先端チップ30の間に配置された中間部材40と、操作用ワイヤ51,52,53,54と、カメラ60とを備えている。
図3Bおよび図4Aに示すように、内視鏡100を構成するシャフト10には、ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル13と、送水チャンネル141,142と、鉗子チャンネル17とが形成されている。
また、シャフト10には、操作用ワイヤ51,52,53,54の挿通路であるワイヤルーメン151,152,153,154が形成されている。
シャフト10の長さ(有効長)としては200~4800mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1900mmである。
シャフト10の先端可撓部分10Aを有している。
ここに、「先端可撓部分」とは、操作用ワイヤの後端を引張操作することによって撓む(曲がる)ことのできるシャフトの先端部分をいう。
先端可撓部分10Aの長さとしては5~200mmであることが好ましく、好適な一例を示せば20mmである。
シャフト10の外径としては1.1~13mmであることが好ましく、好適な一例を示せば3.6mmである。
カメラチャンネル13の直径としては0.6~4.0mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1.1mmである。
送水チャンネル141,142の直径としては0.2~3.0mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.7mmである。
鉗子チャンネル17の直径としては0.3~4.5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば2.0mmである。鉗子チャンネル17の径が2.0mmであることにより
汎用の鉗子(1.8mm径)を使用することが可能になる。
シャフト10は樹脂により構成されている。
シャフト10を構成する樹脂材料としては、ナイロン樹脂、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリオレフィン樹脂などを挙げることができ、これらのうち、PEBAX樹脂およびポリウレタン樹脂が好ましい。
シャフト10の構成樹脂の硬度(ショアD硬度)は、90D以下であることが好ましく、好適な一例を示せば、先端可撓部分10Aを構成する樹脂の硬度が25Dとされ、先端可撓部分10A以外の部分を構成する樹脂の硬度が30Dとされる。
シャフト10の基端側にはハンドル20が配置されている。
内視鏡100を構成するハンドル20は、グリップ21と、回転操作部として2つの操作ノブ25,26とを備えてなる。
ハンドル20には、カメラチャンネル13に連通するカメラチャンネルポート23と、鉗子チャンネル17に連通する鉗子チャンネルポート27とが設けられている。
シャフト10の先端側には先端チップ30が配置されている。
図3A、図3Cおよび図4Bに示すように、内視鏡100を構成する先端チップ30には、先端ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル33と、送水チャンネル341,342と、鉗子チャンネル37とが形成されている。
先端チップ30の先端ワーキングルーメンの各々は、連通路を介して、シャフト10のワーキングルーメンの各々と連通している。
カメラチャンネル33は、連通路43を介して、シャフト10のカメラチャンネル13と連通している。カメラチャンネル33の直径は、これと連通するカメラチャンネル13の直径と同一である。
送水チャンネル341,342は、それぞれ、連通路441,442を介して、シャフト10の送水チャンネル141,142と連通している。送水チャンネル341,342の直径は、これと連通する送水チャンネル141,142の直径と同一である。
鉗子チャンネル37は、連通路47を介して、シャフト10の鉗子チャンネル17と連通している。鉗子チャンネル37の直径は、これと連通する鉗子チャンネル17の直径と同一である。
先端チップ30の長さとしては1~30mmであることが好ましく、好適な一例を示せば3mmである。
先端チップ30の外径は、シャフト10の外径と同一である。
先端チップ30は樹脂により構成されている。
先端チップ30を構成する樹脂材料としては、シャフト10を構成する樹脂として例示したものと同様の樹脂を挙げることができ、それらのうち、PEBAX樹脂およびポリウレタン樹脂が好ましい。
体内組織を傷つけないために、先端チップ30は、低硬度の樹脂材料により構成される。先端チップ30の構成樹脂の硬度(ショアD硬度)は72D以下であることが好ましく、好適な一例を示せば25Dとされる。
シャフト10と先端チップ30との間には、円板状の中間部材40が配置されている。
内視鏡100を構成する中間部材40は、操作用ワイヤ51,52,53,54の各々の先端をシャフト10の先端に固定する(後端の引張操作時に抜け止めする)ための部材
である。
図3Dおよび図4Bに示すように、中間部材40には、連通路43と、連通路441,442および連通路47のすべてを取り囲む1つの主貫通穴41が形成されている。
ここに、連通路43は、シャフト10のカメラチャンネル13と、先端チップ30のカメラチャンネル33とを連通するために、シャフト10および/または先端チップ30の構成樹脂130により区画形成された通路(カメラチャンネル)であり、連通路43の直径は、カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33の直径と同一である。
連通路441,442は、シャフト10の送水チャンネル141,142の各々と、先端チップ30の送水チャンネル341,342の各々とを連通するために、シャフト10および/または先端チップ30の構成樹脂130により区画形成された通路(送水チャンネル)であり、連通路441,442の直径は、送水チャンネル141,142および送水チャンネル341,342の直径と同一である。
連通路47は、シャフト10の鉗子チャンネル17と、先端チップ30の鉗子チャンネル37とを連通するために、シャフト10および/または先端チップ30の構成樹脂130により区画形成された通路(鉗子チャンネル)であり、連通路47の直径は、鉗子チャンネル17および鉗子チャンネル37の直径と同一である。
図3Dに示すように、中間部材40には、シャフト10のワイヤルーメン151,152,153,154の形成位置に対応して4つの副貫通穴421,422,423,424が形成されている。副貫通穴421,422,423,424は、操作用ワイヤ51,52,53,54の挿通路となる。
副貫通穴421,422,423,424は円形の穴であり、それらの直径は、挿通される操作用ワイヤ51,52,53,54の直径より大きく、挿通を規制すべき先端大径部511,521,531,541の直径より小さく調整される。
副貫通穴の直径としては0.13~2.5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.35mmである。
中間部材40の厚さしては0.05~3mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.15mmである。
中間部材40の厚さが過小であると、操作用ワイヤ51,52,53,54の引張操作に伴う機械的衝撃を受けて、中間部材40が破損してしまうおそれがある。
他方、この厚さが過大であると、中間部材40自体が撓みにくいため、先端可撓部分10Aを撓ませにくくなるおそれがある。
中間部材40の外径は、シャフト10および先端チップ30の外径と同一であり、これにより、シャフト10の外周面、中間部材40の外周面および先端チップ30の外周面は面一となり、シャフト10と先端チップ30との間から、中間部材40が突き出て、そのエッジが露出するようなことはなく、そのようなエッジによって体内組織などを傷付けることはない。
中間部材40は金属またはセラミックスにより構成され、金属から構成されていることが好ましい。
中間部材40を構成する金属材料としては、ステンレス銅、白金、金、銅、ニッケル、チタン、タンタルなどを挙げることができ、それらのうち、ステンレス銅が好ましい。
本実施形態の内視鏡100においては、中間部材40の主貫通穴41の内側であって、
連通路43,441,442,47の各々の外側の領域(連通路を除いた主貫通穴41に囲まれた領域)において、シャフト10と先端チップ30とが直接接合(両者の構成樹脂どうしが溶着)されている。これにより、中間部材40は、主貫通穴41の内側における樹脂によっても固着され、当該中間部材40は、シャフト10および先端チップ30に対して強固に固着される。
また、部分的ではあるが、シャフト10と先端チップ30とが直接接合されていることにより、シャフト10に対する先端チップ30の固着力も十分に高いものとなる。
ここに、シャフト10の構成樹脂と先端チップ30とが直接接合される前記領域の面積を(S)とし、シャフト10の断面積を(S0 )とすると、(S)/(S0 )の値は0.1以上であることが好ましく、更に好ましくは0.3~0.6である。
図3Bおよび図4Aに示すように、シャフト10のワイヤルーメン151,152,153,154の各々には、操作用ワイヤ51,52,53,54が延在している。
図4Aおよび図4Bに示すように、操作用ワイヤ51,52,53,54の各々の先端は、先端大径部511,521,531,541となっている。
先端大径部511,521,531,541は、中間部材40の副貫通穴421,422,423,424の直径よりも大きな直径を有する球状または部分球状であり、副貫通穴421,422,423,424を通過することができない。
先端大径部511,521,531,541の直径としては、0.2~3.5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.4mmである。
操作用ワイヤ51,52,53,54(先端大径部以外の部分)の直径としては、0.1~2.0mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.25mmである。
操作用ワイヤ51,52は、各々の先端大径部511,521が先端チップ30に埋設された状態で保持され、先端大径部511,521より基端側のワイヤ部分は、中間部材40の副貫通穴421,422を通って、シャフト10のワイヤルーメン151,152に延在している。操作用ワイヤ51,52の基端は、それぞれ、ハンドル20の操作ノブ25に固定されている。
操作ノブ25を一方向に回転して操作用ワイヤ51の基端を引張操作することにより、操作用ワイヤ51がワイヤルーメン151を基端方向に移動する。このとき、先端大径部511は中間部材40の副貫通穴421に引っ掛かって基端方向への移動が規制されるので、シャフト10の先端可撓部分10Aが、図3Aの矢印A1に示す方向に撓み、内視鏡100(先端チップ30)の先端が同方向に偏向する。
操作ノブ25を他方向に回転して操作用ワイヤ52の基端を引張操作することにより、操作用ワイヤ52がワイヤルーメン152を基端方向に移動する。このとき、先端大径部521は中間部材40の副貫通穴422に引っ掛かって基端方向への移動が規制されるので、シャフト10の先端可撓部分10Aが、図3Aの矢印A2に示す方向に撓み、内視鏡100(先端チップ30)の先端が同方向に偏向する。
操作用ワイヤ53,54は、各々の先端大径部531,541が先端チップ30に埋設された状態で保持され、先端大径部531,541より基端側のワイヤ部分は、中間部材40の副貫通穴423,424を通って、シャフト10のワイヤルーメン153,154に延在している。操作用ワイヤ53,54の基端は、それぞれ、ハンドル20の操作ノブ26に固定されている。
操作ノブ26を一方向に回転して操作用ワイヤ53の基端を引張操作することにより、操作用ワイヤ53がワイヤルーメン153を基端方向に移動する。このとき、先端大径部
531は中間部材40の副貫通穴423に引っ掛かって基端方向への移動が規制されるので、シャフト10の先端可撓部分10Aが、図3Aの矢印A3に示す方向に撓み、内視鏡100(先端チップ30)の先端が同方向に偏向する。
操作ノブ26を他方向に回転して操作用ワイヤ54の基端を引張操作することにより、操作用ワイヤ54がワイヤルーメン154を基端方向に移動する。このとき、先端大径部541は中間部材40の副貫通穴424に引っ掛かって基端方向への移動が規制されるので、シャフト10の先端可撓部分10Aが、図3Aの矢印A4に示す方向に撓み、内視鏡100(先端チップ30)の先端が同方向に偏向する。
上記のように、操作用ワイヤ51,52,53,54の後端を引張操作したときには、先端大径部511,521,531,541が中間部材40に形成された副貫通穴421,422,423,424に引っ掛かって、操作用ワイヤ51,52,53,54の先端がシャフト10の先端に固定される(抜け止めされる)ことにより、シャフト10の先端可撓部分10Aを所期の方向(矢印A1~A4に示す方向)に撓ませることができる。
もし、シャフトと先端チップとの間に中間部材を配置しないと、操作用ワイヤの基端を引張操作したときに、操作用ワイヤの先端(先端大径部)をシャフトの先端に対して十分に固定(抜け止め)することができず、先端大径部がワイヤルーメンを押し広げながら基端方向に移動することがあり、その場合には、先端可撓部分を撓ませることができなくなる。
操作用ワイヤ51,52,53,54の構成材料としては特に限定されるものでなく、先端偏向操作な従来公知の医療機器に使用されている操作用ワイヤの構成材料と同一の材料を使用することができる。
内視鏡100を構成するカメラ60は、CMOSイメージセンサ611を搭載するカメラヘッド61と、CMOSイメージセンサ611の伝送ケーブルを内包するケーブルチューブ65とを有し、カメラ60には、CMOSイメージセンサ611を取り囲むようにして光ファイバ(図示省略)が内蔵されている。
カメラヘッド61の外径としては0.5~2.9mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1.0mmである。ケーブルチューブ65の外径は、カメラヘッド61の外径と実質的に同一である。
カメラ60は、シャフト10および先端チップ30のカメラチャンネル(カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33)に配置され、ケーブルチューブ65の基端部分は、ハンドル20のカメラチャンネルポート23から外部に延出し、ケーブルチューブの基端は制御装置に接続される。
カメラ60のケーブルチューブ65には、カメラコネクタ70が取付けられている。
このカメラコネクタ70は、カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33にカメラ60が適正に配置されているときに、ハンドル20のカメラチャンネルポート23に装着される。
すなわち、カメラチャンネルポート23にカメラコネクタ70を装着することにより、カメラ60は、カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33に適正に配置される。
カメラコネクタ70の取付け位置としては、カメラ60の先端から300~5000mmとされ、好適な一例としては、カメラ60の先端から2100mmである。
本実施形態の内視鏡100において、カメラ60は、ハンドル20およびシャフト10から分離可能である。
すなわち、カメラチャンネルポート23からカメラコネクタ70を取り外し、カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33に配置されているカメラ60を、カメラコネク
タ70とともに、ハンドル20のカメラチャンネルポート23から抜去することができる。
また、一旦分離したカメラ60を、カメラヘッド61を先頭にして、ハンドル20のカメラチャンネルポート23から、ハンドル20の内部およびシャフト10のカメラチャンネル13に挿入し、カメラチャンネルポート23にカメラコネクタ70を装着することにより、当該カメラ60を内視鏡100の構成部品として再び組み込むことができる。
カメラコネクタ70は、カメラチャンネルポート23に装着されているときに、カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33に配置されているカメラ60の先端が、カメラチャンネル33が開口する先端チップ30の先端面35よりも基端側にある第1位置(図6Aに示したようなカメラ60の先端位置)と、先端面35よりも先端側にある第2位置(図6Bに示したようなカメラ60の先端位置)との間で変位するよう、カメラチャンネル13およびカメラチャンネル33に対してカメラ60を往復移動させるカメラ位置調整機構を有している。
ここに、第1位置から第2位置までの距離(位置調整機構によるカメラ60の先端の移動距離)としては2~100mmであることが好ましく、好適な一例を示せば30mmである。
また、先端チップ30の先端面35から第1位置までの距離は1.5~20mmであることが好ましく、先端面35から第2位置までの距離は0.5~80mmであることが好ましい。
本実施形態の内視鏡100において、カメラコネクタ70の有するカメラ位置調整機構は、送りねじを利用してカメラ60を往復移動させる機構である。
具体的には、カメラチャンネルポート23に装着され、軸方向に沿って延びるガイド溝712が内周面に形成されているとともに、軸方向に沿って延びるガイド孔713が周壁に形成されているコネクタケース71と;
コネクタケース71の内部に延在して、その一部が当該コネクタケース71の基端側に延出し、その基端部分に雄ねじ部722が形成され、カメラ60のケーブルチューブ65が、その内部に挿通された状態で接着固定されているシャフト部721と、シャフト部721の先端部分を取り囲むようにして当該シャフト部721と一体的に形成され、コネクタケース71のガイド溝712に案内される凸条部724が外周面に形成されているとともに、ガイド孔713に案内される突起部725が外周側に形成されているガイド部723とからなり、コネクタケース71に対してスライド可能なスライド部材72と;
コネクタケース71の基端側に位置して軸方向の移動が規制され、スライド部材72のシャフト部721の雄ねじ部722に螺合する雌ねじ部731を有する回転摘み73とを備え、
回転摘み73を一方向に回転して、スライド部材72を基端位置から先端位置までスライドさせることにより、カメラ60の先端を第1位置(図6Aに示したようなカメラ60の先端位置)から第2位置(図6Bに示したようなカメラ60の先端位置)まで移動させ、回転摘み73を他方向に回転して、スライド部材72を先端位置から基端位置までスライドさせることにより、カメラ60の先端を第2位置から第1位置に移動させる機構である。
ここに、「基端位置」は、図5Aに示すように、スライド部材72がそれより基端側に移動できない位置であり、「先端位置」は、図5Bに示すように、スライド部材72がそれより先端側に移動できない位置である。
カメラ位置調整機構は、コネクタケース71と、スライド部材72と、回転摘み73と
により構成されている。
コネクタケース71は、後述するポート側コネクタを介してカメラチャンネルポート23に装着されるカメラコネクタ70の構成部材であり、アーチ状部分を有する筒状体からなる。
コネクタケース71の内周面には、軸方向に沿って延びるガイド溝712が形成されているとともに、アーチ状部分の周壁には、軸方向に沿って延びるガイド孔713が形成されている。
スライド部材72は、シャフト部721と、このシャフト部721の先端部分を取り囲むようにして当該シャフト部721と一体的に形成されたガイド部723とからなる。
スライド部材72のシャフト部721はコネクタケース71の内部に延在し、シャフト部721の一部は、コネクタケース71の基端面711に形成された開口から基端側に延出している。
シャフト部721の基端部分には雄ねじ部722が形成されている。
図5Aおよび図5Bに示すように、シャフト部721の内部には、カメラ60のケーブルチューブ65が挿通された状態で接着固定されている。
スライド部材72のガイド部723は、コネクタケース71の形状に合わせてアーチ状部分を有し、シャフト部721の先端部分を取り囲むようにして当該シャフト部721と一体的に形成されている。
ガイド部723の外周面には、コネクタケース71のガイド溝712に案内される凸条部724が形成されている。
また、ガイド部723のアーチ状部分の外周側には、コネクタケース71のガイド孔713に案内される突起部725が形成されている。
回転摘み73は、コネクタケース71の基端側に配置されている。
回転摘み73の内周側には、スライド部材72のシャフト部721の雄ねじ部722に螺合する雌ねじ部731が形成されている。
回転摘み73は、コネクタケース71に対する軸方向の移動が規制されており、回転摘み73を回転することにより、コネクタケース71に対してスライド部材72がスライドする。
また、回転摘み73を回転させてスライド部材72がスライドすることにより、シャフト部721の内部に接着固定されているケーブルチューブ65も、コネクタケース71に対して軸方向に移動することになる。
上記のような構成のカメラ位置調整機構によれば、回転摘み73を一方向に回転して、スライド部材72を基端位置(図5Aに示した位置)から先端位置(図5Bに示した位置)までスライドさせることにより、カメラ60の先端を第1位置(図6Aに示したようなカメラ60の先端位置)から第2位置(図6Bに示したようなカメラ60の先端位置)まで移動させ、回転摘み73を他方向に回転して、スライド部材72を先端位置から基端位置までスライドさせることにより、カメラ60の先端を第2位置から第1位置に移動させることができる。
上記のようなカメラ位置調整機構において、スライド部材72が基端位置にないときに、カメラコネクタ70をカメラチャンネルポート23に装着した場合、カメラ60の先端が、先端チップ30の先端面35におけるカメラチャンネル33の開口から延出する可能性がある。
カメラチャンネル33の開口からカメラ60の先端が延出している状態でシャフト10
を体内に挿入しようとすると、カメラ60の先端によって、体内組織に損傷を与えたり、カメラ60(カメラヘッド61)を目的部位の近傍に案内するためのデリバリデバイス(例えば、十二指腸鏡などの親内視鏡)のチャンネル内部に損傷を与えたり、カメラ60自体が損傷を受けたりするおそれがある。
そこで、本実施形態の内視鏡100においては、スライド部材72が基端位置にない(カメラチャンネル33の開口からカメラ60の先端が延出するおそれがある)ときには、カメラコネクタ70がカメラチャンネルポート23に装着されることを規制するコネクタ装着規制機構を備えている。
コネクタ装着規制機構は、カメラチャンネルポート23とカメラコネクタ70との間に介在するように、当該カメラチャンネルポート23に装着されたポート側コネクタ80を備えて構成されている。
ポート側コネクタ80の先端部分81は、カメラチャンネルポート23からハンドル20の内部に挿入されている。
ポート側コネクタ80の基端部分82は、スライド部材72のシャフト部721(当該シャフト部721の内部に接着固定されているケーブルチューブ65)の挿通路を形成する内管部821と、コネクタケース71の内周形状に合わせてその外周形状が形成された外管部822とを備えている。
外管部822の周壁には、スライド部材72がスライドするときに、ガイド部723に形成されている凸条部724との接触を回避するための切り欠き823~826が形成され、ガイド部723に形成されている突起部725との接触を回避するための切り欠き827が形成されている。また、切り欠き824および825に挟まれて可撓性を示すようになった周壁部分828の外周側には半球状の突起829が形成されている。
一方、コネクタケース71の周壁には、当該コネクタケース71にポート側コネクタ80の基端部分82が挿入されたときに突起829が嵌合される円形の貫通孔715が形成されている。
このような構成のコネクタ装着規制機構によれば、スライド部材72が基端位置にあるときに、ポート側コネクタ80とカメラコネクタ70とを連結するために、ポート側コネクタ80の基端部分82をコネクタケース71の内部に挿入しようとすると、突起829が挿入の妨げとならないように、周壁部分828が撓んで突起829が内側に退避する。そして、ポート側コネクタ80の基端部分82がコネクタケース71の内部に挿入されたときには、図9Aに示すように、撓んでいた周壁部分828が元の姿勢に戻るとともに突起829がコネクタケース71の貫通孔715内に嵌合される。これにより、ポート側コネクタ80とカメラコネクタ70とが連結され、当該カメラコネクタ70は、ポート側コネクタ80を介して、カメラチャンネルポート23に装着される。
スライド部材72が基端位置にないときには、ポート側コネクタ80の基端部分82をコネクタケース71の内部に挿入しようとしても、図9Bに示すように、内側に撓んだ状態の周壁部分828にスライド部材72の先端が干渉して挿入することができず、従って、ポート側コネクタ80にカメラコネクタ70を連結することはできず、カメラチャンネルポート23にカメラコネクタ70を装着することはできない。
本実施形態の内視鏡100によれば、シャフト10と先端チップ30との間に配置された金属製の中間部材40により、操作用ワイヤ51,52,53,54の先端をシャフト10の先端に確実に固定することができる。すなわち、操作用ワイヤ51,52,53,54の後端を引張操作したときに、中間部材40の副貫通穴421,422,423,4
24に先端大径部511,521,531,541が引っ掛かるので、操作用ワイヤ51,52,53,54の先端の基端方向への移動を規制することができる。これにより、シャフト10の先端可撓部分10Aを所期の方向へ確実に撓ませることができる。
また、中間部材40の外径が、シャフト10および先端チップ30の外径と同一であり、これにより、シャフト10の外周面、中間部材40の外周面および先端チップ30の外周面は面一となるので、シャフト10と先端チップ30との間から中間部材40が突き出て、そのエッジが露出するようなことはなく、中間部材40のエッジによって体内組織などを傷付けることがない。
また、中間部材40がシャフト10の先端に位置する円板状であるので、円筒状の金属部材によって操作用ワイヤの先端を固定していた従来の内視鏡と異なり、シャフト10の先端可撓部分10Aの全域を撓ませてスムーズな偏向操作を行うことができる。
また、中間部材40の主貫通穴41の内側であって、連通路43,441,442,47の外側(連通路を除く主貫通穴41に囲まれた領域)において、シャフト10と、先端チップ30とが直接接合(両者の構成樹脂どうしが溶着)されているので、中間部材40は、主貫通穴41の内側にある樹脂によっても固着され、当該中間部材40がシャフト10の軸回りを回転するように位置ずれを起こすようなことはない。
また、中間部材40の主貫通穴41の内側であって、連通路43,441,442,47の外側において、シャフト10と、先端チップ30とが直接接合されていることにより、シャフト10と先端チップ30との間に金属製の中間部材40が介在しているものでありながら、シャフト10に対して先端チップ30を強固に固着することができ、シャフト10の先端から先端チップ30が脱落するようなことはない。
また、操作用ワイヤ51,52,53,54の先端大径部511,521,531,541の各々が先端チップ30に埋設されていることにより、操作用ワイヤ51または52の引張操作時に、これと対向する操作用ワイヤ52または51の先端が先端方向に移動する(延び出る)ようなこともなく、操作用ワイヤ53または54の引張操作時に、これと対向する操作用ワイヤ54または53の先端が先端方向に移動する(延び出る)ようなこともない。
また、円筒状の金属部材を装着する場合とは異なり、円板状の中間部材40を装着するために、シャフト10の外周を切削する必要がないので、シャフト10が小径であっても、鉗子チャンネル17の直径を十分に確保することができる。
また、使用後において高価な固体撮像素子を有するカメラ60をハンドルおよびシャフトから分離して洗浄することにより、当該カメラ60を内視鏡100の構成部品として組み込んで再使用することができる。
また、カメラ位置調整機構およびコネクタ装着規制機構により、先端チップ30の先端面35におけるカメラチャンネル33の開口からからカメラ60を延出させた状態で、当該シャフト10がデリバリデバイスや体内に挿入されることを確実に防止することができる。
さらに、送りねじを利用してカメラ60を往復移動させるカメラ位置調整機構により、先端チップ30の先端面35に対するカメラ60の先端位置を微調整することができる。
<第2実施形態>
図10は、本発明の医療機器の第2実施形態に係る内視鏡200の先端部を示す説明図であり、図11は、図10のXI-XI断面を示している。
図10および図11において、第1実施形態に係る内視鏡100と同一の構成要素には、同一の符合を用いている。
本実施形態の内視鏡200は、第1実施形態に係る内視鏡100を構成するシャフト10、ハンドル20、先端チップ30、操作用ワイヤ51,52,53,54およびカメラ60と同様のシャフト10、ハンドル、先端チップ30、操作用ワイヤ51,52,53,54およびカメラ60を備えている。
内視鏡200を構成するシャフト10および先端チップ30の外径は互いに同一であるが、内視鏡200を構成する中間部材45の外径は、シャフト10および先端チップ30の外径より僅かに小さい。
中間部材45の外径としては1.0~12.95mmであることが好ましく、好適な一例を示せば3.4mmである。
ここに、シャフト10の外径を(D10)とし、中間部材45の外径を(D45)とすると、(D45/D10)は0.8~0.99であることが好ましく、好適な一例を示せば0.97(3.4mm/3.5mm)である。
また、(D10-D45)は0.05~3mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.1mm(3.5mm-3.4mm)である。
この外径の差によって、中間部材45の外周面と、シャフト10および先端チップ30の外周面との間には、(D10-D45)/2の大きさの段差を生じるが、図10および図11に示すように、この段差を解消するように、中間部材45の外周には被覆樹脂層135が形成されている。
これにより、シャフト10の外周面、被覆樹脂層135による外周面および先端チップ30の外周面は面一となっている。
本実施形態の内視鏡200によれば、第1実施形態に係る内視鏡100による効果と同じ効果が奏されることに加えて、引張操作を繰り返すことなどによって、シャフト10および先端チップ30に対して中間部材45が半径方向に僅かな位置ずれを起こしたような場合にも、当該中間部材45のエッジが露出することを防止することができる。
<第3実施形態>
本発明の医療機器の第3実施形態に係るステラブルシースについて説明する。
図12~図16に示す本実施形態のステラブルシース300は、図示しないカテーテルなどを、患者の体内に挿入する際に、これに先行してシースシャフト310を体内に導入するための装置である。
この実施形態のステラブルシース300は、先端可撓部分310Aを有し、その中心軸に沿って延びるルーメン(ワーキングルーメン)317と、このルーメン317を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメン3151,3152とが形成されている樹脂製のシースシャフト310と;シースシャフト310の基端側に配置され、回転操作部322を備えたハンドル320と;シースシャフト310の先端側に配置され、その基端においてシースシャフト310と同一の外径を有し、シースシャフト310のルーメン317に連通して、その先端面335で開口するルーメン337(先端ワーキングルーメン)が形成されている樹脂製の先端チップ330と;シースシャフト310と先端チップ330との間に配置された、シースシャフト310と同一の外径を有する円板状であって、シースシャフト310のルーメン317と、先端チップ330のルーメン337との連通路345
を確保するために当該連通路345を取り囲むように形成された円形の主貫通穴346と、ワイヤルーメン3151,3152の形成位置に対応して形成された2つの副貫通穴3471,3472とを有する金属製の中間部材340と;シースシャフト310の先端を第1方向D1に偏向させるための操作用ワイヤであって、先端チップ330に埋設された、中間部材340の副貫通穴3471の直径より大きな直径の先端大径部3511を有し、副貫通穴3471を通って、シースシャフト310のワイヤルーメン3151に延在し、ハンドル320の回転操作部322を一方向(時計方向)に回転させることで、その後端を引張操作可能である第1操作用ワイヤ351と;シースシャフト310の先端を第2方向D2に偏向させるための操作用ワイヤであって、先端チップ330に埋設された、中間部材340の副貫通穴3472の直径より大きな直径の先端大径部3521を有し、副貫通穴3472を通って、シースシャフト310のワイヤルーメン3152に延在し、ハンドル320の回転操作部322を他方向(反時計方向)回転させることで、その後端を引張操作可能である第2操作用ワイヤ352とを備えてなり;中間部材340の主貫通穴346の内側であって連通路345の外側において、シースシャフト310と、先端チップ330とが直接接合(両者の構成樹脂どうしが溶着)されている。
図12および図16において、381は枝管(サイドアーム)、382は三方活栓である。
ステラブルシース300は、体内に導入されるシースシャフト310と、その基端側に配置されたハンドル320と、シースシャフト310の先端側に配置された先端チップ330と、シースシャフト310と先端チップ330の間に配置された中間部材340と、シースシャフト310のワイヤルーメン3151に延在する第1操作用ワイヤ351と、シースシャフト310のワイヤルーメン3152に延在する第2操作用ワイヤ352とを備えている。
図13および図14Aに示すように、ステラブルシース300を構成するシースシャフト310には、カテーテルなどの医療器具の挿通路となるワーキングルーメンとして、シースシャフト310の中心軸に沿って延びるルーメン317が形成されている。
また、このシースシャフト310には、第1操作用ワイヤ351の挿通路であるワイヤルーメン3151および第2操作用ワイヤ352の挿通路であるワイヤルーメン3152が形成されている。
シースシャフト310の長さ(有効長)としては200~1500mmであることが好ましく、好適な一例を示せば700mmである。
シースシャフト310の先端可撓部分310Aを有している。
先端可撓部分310Aの長さとしては10~150mmであることが好ましく、好適な一例を示せば50mmである。
シースシャフト310の外径としては2~5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば4mmである。
シースシャフト310の内径(ルーメン317の直径)としては1~4mmであることが好ましく、好適な一例を示せば3mmである。
シースシャフト310は樹脂により構成されている。
シースシャフト310を構成する樹脂材料としては、ナイロン樹脂、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリオレフィン樹脂などを挙げることができ、これらのうち、PEBAX樹脂が好ましい。
シースシャフト310の構成樹脂の硬度(ショアD硬度)は、90D以下であることが
好ましく、好適な一例を示せば、先端可撓部分310Aを構成する樹脂の硬度が25Dとされ、先端可撓部分310A以外の部分を構成する樹脂の硬度が75Dとされる。
シャフト10の先端側には先端チップ330が配置されている。
図13および図14Bに示すように、ステラブルシース300を構成する先端チップ330には、医療器具の挿通路となる先端ワーキングルーメンとして、シースシャフト310のルーメン317に連通し、先端チップ330中心軸に沿って延びて当該先端チップ330の先端面335で開口するルーメン337が形成されている。
先端チップ330のルーメン337は、後述する連通路345を介して、シースシャフト310のルーメン317と連通している。
ルーメン337の直径は、これと連通するルーメン317の直径と同一である。
先端チップ330の長さとしては1~10mmであることが好ましく、好適な一例を示せば5mmである。
先端チップ330の基端における外径は、シースシャフト310の外径と同一である。
先端チップ330は樹脂により構成されている。
先端チップ330を構成する樹脂材料としては、シースシャフト310を構成する樹脂として例示したものと同様の樹脂を挙げることができ、それらのうち、PEBAX樹脂が好ましい。
先端チップ330は、低硬度の樹脂材料により構成される。先端チップ330の構成樹脂の硬度(ショアD硬度)は72D以下であることが好ましく、好適な一例を示せば35Dとされる。
シースシャフト310と先端チップ330との間には、円板状(後述する主貫通穴346の形成により円環状となっている)の中間部材340が配置されている。
ステラブルシース300を構成する中間部材340は、第1操作用ワイヤ351および第2操作用ワイヤ352の各々の先端をシースシャフト310の先端に固定する(後端の引張操作時に抜け止めする)ための部材である。
図14Cに示すように、中間部材340には、連通路345を取り囲む主貫通穴346が形成されている。
ここに、連通路345は、シースシャフト310のルーメン317と、先端チップ330のルーメン337とを連通するために、シースシャフト310および/または先端チップ330の構成樹脂3130により区画形成された通路であり、連通路345の直径は、ルーメン317およびルーメン337の直径と同一である。
主貫通穴346の内側においてシースシャフト310と先端チップ330とを接合させるため、主貫通穴346の直径は、連通路345の直径より大きい。
ここに、主貫通穴346の直径としては1~5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば3.4mmである。
中間部材340には、シースシャフト310のワイヤルーメン3151の形成位置に対応して副貫通穴3471が形成され、ワイヤルーメン3152の形成位置に対応して副貫通穴3472が形成されている。
副貫通穴3471および副貫通穴3472は、それぞれ、第1操作用ワイヤ351および第2操作用ワイヤ352の挿通路となる。
副貫通穴3471および副貫通穴3472の直径は、挿通される第1操作用ワイヤ351および第2操作用ワイヤ352の直径より大きく、挿通を規制すべき先端大径部351
1および先端大径部3521の直径より小さく調整されるが0.05~3.0mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.25mmである。
中間部材340の厚さしては0.05~3mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.15mmである。
中間部材340の外径は、シースシャフト310および先端チップ330の外径と同一であり、シースシャフト310の外周面、中間部材340の外周面および先端チップ330の外周面は面一となる。これにより、シースシャフト310と先端チップ330との間から、中間部材340が突き出て、そのエッジが露出するようなことはなく、そのようなエッジによって体内組織などを傷付けることはない。
なお、中間部材の外径をシースシャフト310および先端チップ330の外径より僅かに小さく設定し、外径の差によって生じる段差を解消または緩和するために、そのような中間部材の外周に被覆樹脂層を形成してもよい。
中間部材340は金属またはセラミックスにより構成され、金属から構成されていることが好ましい。
中間部材340を構成する金属材料としては、ステンレス銅、白金、金、銅、ニッケル、チタン、タンタルなどを挙げることができ、それらのうち、ステンレス銅が好ましい。
シースシャフト310の基端側にはハンドル320が配置されている。
ステラブルシース300を構成するハンドル320は、シースシャフト310の基端部が内部に挿入されているハウジング321と、その先端側においてハウジング321の長手方向の軸の周りを回転可能に設けられる回転操作部322と、ハウジング321の内部に配置されて回転操作部322の操作方向に回転するシャフトであって、右ねじおよび左ねじが外周面の同じ領域(ねじ部)に形成されている回転シャフト323と、回転シャフト323の右ねじおよび左ねじの何れか一方に螺合するねじが形成され、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときにホームポジションに位置し、この状態から回転操作部322を時計方向に回転操作することにより、ホームポジションから回転シャフト323に沿って基端方向に移動し、前記状態から回転操作部322を反時計方向に回転操作することにより、ホームポジションから回転シャフト323に沿って先端方向に移動する第1スライダ3241と、回転シャフト323の右ねじおよび左ねじの何れか他方に螺合するねじが形成され、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときにホームポジションに位置し、この状態から回転操作部322を時計方向に回転操作することにより、第1スライダ3241の移動距離と等しい距離を、ホームポジションから回転シャフト323に沿って先端方向に移動し、前記状態から回転操作部322を反時計方向に回転操作することにより、第1スライダ3241の移動距離と等しい距離を、ホームポジションから回転シャフト323に沿って基端方向に移動する第2スライダ3242と、第1スライダ3241の基端側において第1スライダ3241と接離可能に配置され、シースシャフト310の先端を第1方向D1に偏向させるための第1操作用ワイヤ351の基端部が固定され、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときにニュートラルポジションに位置し、このニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動可能であり、第1スライダ3241が基端方向に移動するときに、第1スライダ3241と接触しながら回転シャフト323に沿って基端方向に移動する第1アンカー3251と、第2スライダ3242の基端側において第2スライダ3242と接離可能に配置され、シースシャフト310の先端を第2方向D2に偏向させるための第2操作用ワイヤ352の基端部が固定され、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときにニュートラルポジションに位置し、このニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動可能であり、第2スライダ3242が基端方向に移動するときに、第2スライダ3242と接触しながら回転シャフト323に沿
って基端方向に移動する第2アンカー3252とを備えてなる。
ハンドル320は、ハウジング321と、回転操作部322と、回転シャフト323と、第1スライダ3241と、第2スライダ3242と、第1アンカー3251と、第2アンカー3252とを備えている。
ハンドル320を構成するハウジング321の内部にはシースシャフト310の基端部が挿入されている。
ハンドル320を構成する回転操作部322は、ハウジング321の先端側に配置されており、ハウジング321の長手方向の軸の周りを回転することができるダイヤルである。
ハウジング321の内部に配置されてハンドル320を構成する回転シャフト323は、回転操作部322の回転軸に固定され、回転操作部322を操作することによってその操作方向と同一方向に回転する。回転シャフト323の外周面には、互いにリードの等しい右ねじおよび左ねじが同じ領域(ねじ部)に形成されている。
図12に示すように、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときには、第1スライダ3241および第2スライダ3242は、いずれも、ホームポジション(互いに同じ軸方向位置)に位置している。
なお、図12および図16における点線3245は、ホームポジションに位置しているときの第1スライダ3241および第2スライダ3242の基端位置を示している。
ハンドル320を構成する第1スライダ3241は、回転シャフト323の外周面に形成された右ねじおよび左ねじの何れか一方に螺合可能なねじが内周面に形成された樋状部3246を先端側に有している。
また、ハンドル320を構成する第2スライダ3242は、回転シャフト323の外周面に形成された右ねじおよび左ねじの何れか他方に螺合可能なねじが内周面に形成された樋状部3247を先端側に有している。
第1スライダ3241の基端側に配置されてハンドル320を構成する第1アンカー3251には、シースシャフト310の先端を第1方向D1に偏向させるための第1操作用ワイヤ351の基端部が固定されている。
第1操作用ワイヤ351は、回転シャフト323の内部を通ってハウジング321の内部に挿入され、第1アンカー3251に固定されている。なお、図12および図16において、第1スライダ3241の背後にあって実際には見えない第1操作用ワイヤ351は、点線で図示している。
一方、第1操作用ワイヤ351の先端部は、シースシャフト310の先端部に固定されている。
第1アンカー3251は、その先端側に位置する第1スライダ3241とは接離可能に配置されている。すなわち、第1アンカー3251と第1スライダ3241とは固定されておらず、両者は互いに接触したり分離したりしながら移動することができる。
第2スライダ3242の基端側に配置されてハンドル320を構成する第2アンカー3252には、シースシャフト310の先端を第2方向D2に偏向させるための第2操作用ワイヤ352の基端部が固定されている。
第2操作用ワイヤ352は、回転シャフト323の内部を通ってハウジング321の内部に挿入され、第2アンカー3252に固定されている。なお、図12および図16において、第2スライダ3242の背後にあって実際には見えない第2操作用ワイヤ352は、点線で図示している。
一方、第2操作用ワイヤ352の先端部は、シースシャフト310の先端部(第1操作用ワイヤ351の先端部の固定位置と対向する周方向位置)に固定されている。
第2アンカー3252は、その先端側に位置する第2スライダ3242とは接離可能に配置されている。すなわち、第2アンカー3252と第2スライダ3242とは固定されておらず、両者は互いに接触したり分離したりしながら移動することができる。
図12に示すように、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときには、第1アンカー3251および第2アンカー3252は、何れも、ニュートラルポジション(互いに同じ軸方向位置)に位置している。
なお、図12および図16における一点鎖線3255は、ニュートラルポジションに位置しているときの第1アンカー3251および第2アンカー3252の中心位置を示している。
第1アンカー3251は、ホームポジションで停止している第1スライダ3241によって先端方向の移動が妨げられない限り、ニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動することができる。
第1アンカー3251は、第1スライダ3241と接触しながら(第1スライダ3241に押されることによって)基端方向に移動し、第1操作用ワイヤ351からの引張力を受けて先端方向に移動する。
第2アンカー3252は、ホームポジションで停止している第2スライダ3242によって先端方向の移動が妨げられない限り、ニュートラルポジションから先端方向および基端方向に移動することができる。
第2アンカー3252は、第2スライダ3242と接触しながら(第2スライダ3242に押されることによって)基端方向に移動し、第2操作用ワイヤ352からの引張力を受けて先端方向に移動することができる。
図12に示したような、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときに、回転操作部322を時計方向に回転操作して、回転シャフト323を同方向に回転させると、回転シャフト323の外周面に形成された一方のねじに螺合するねじが樋状部3246の内周面に形成されなる第1スライダ3241は、ホームポジションから、回転シャフト323に沿って基端方向に移動するとともに、回転シャフト323の外周面に形成された他方のねじに螺合するねじが樋状部3247の内周面に形成されなる第2スライダ3242は、ホームポジションから、回転シャフト323に沿って先端方向に移動する。
ここに、第1スライダ3241が基端方向に移動する距離(送り量)と、第2スライダ3242が先端方向に移動する距離(送り量)とは等しい。
第1スライダ3241が基端方向に移動することにより、その基端側に位置する第1アンカー3251は、第1スライダ3241と接触しながら(第1スライダ3241とともに)回転シャフト323に沿って基端方向に移動する。
第1アンカー3251が基端方向に移動することにより、第1操作用ワイヤ351の基端部が引っ張られ、先端可撓部分310Aが直線状態から第1方向D1に撓んで、シースシャフト310の先端が同方向に偏向する。
このとき、第2操作用ワイヤ352には、シースシャフト310の先端可撓部分310Aを第1方向D1に撓ませたことによる張力(先端方向への引張力)が作用するが、第2スライダ3242が、第1スライダ3241の移動距離と等しい距離をホームポジションから先端方向に移動し(これにより、第2アンカー3252の先端方向への移動が第2スライダ3242によって妨げられることがなくなる)、第2アンカー3252が、第2操作用ワイヤ352に作用する張力に応じてニュートラルポジションから先端方向に移動することによって第2操作用ワイヤ352が繰り出される結果、第2操作用ワイヤ352に作用する張力をキャンセルすることができる。
しかも、第2スライダ3242と第2アンカー3252とは接離可能であるために、第2操作用ワイヤ352に作用する張力がキャンセルされたときには、第2アンカー3252は、第2スライダ3242の移動に追従することなく停止することができるので、第2操作用ワイヤ352が必要以上に繰り出されることを防止することができる。この結果、ハウジング321の内部における第2操作用ワイヤ352に弛みを生じさせることはない。
図12に示したような、シースシャフト310の先端可撓部分310Aが直線状態にあるときに、回転操作部322を反時計方向に回転操作して、回転シャフト323を同方向に回転させると、回転シャフト323の外周面に形成された一方のねじに螺合するねじが樋状部3246の内周面に形成されなる第1スライダ3241は、ホームポジションから、回転シャフト323に沿って先端方向に移動するとともに、回転シャフト323の外周面に形成された他方のねじに螺合するねじが樋状部3247の内周面に形成されなる第2スライダ3242は、ホームポジションから、回転シャフト323に沿って基端方向に移動する。
ここに、第1スライダ3241が先端方向に移動する距離(送り量)と、第2スライダ3242が基端方向に移動する距離(送り量)とは等しい。
第2スライダ3242が基端方向に移動することにより、その基端側に位置する第2アンカー3252は、第2スライダ3242と接触しながら(第2スライダ3242とともに)回転シャフト323に沿って基端方向に移動する。
第2アンカー3252が基端方向に移動することにより、第2操作用ワイヤ352の基端部が引っ張られ、先端可撓部分310Aが直線状態から第2方向D2に撓んで、シースシャフト310の先端が同方向に偏向する。
このとき、第1操作用ワイヤ351には、シースシャフト310の先端可撓部分310Aを第2方向D2に撓ませたことによる張力(先端方向への引張力)が作用するが、第1スライダ3241が、第2スライダ3242の移動距離と等しい距離をホームポジションから先端方向に移動し(これにより、第1アンカー3251の先端方向への移動が第1スライダ3241によって妨げられることがなくなる)、第1アンカー3251が、第1操作用ワイヤ351に作用する張力に応じてニュートラルポジションから先端方向に移動することによって第1操作用ワイヤ351が繰り出される結果、第1操作用ワイヤ351に作用する張力をキャンセルすることができる。
しかも、第1スライダ3241と第1アンカー3251とは接離可能であるために、第1操作用ワイヤ351に作用する張力がキャンセルされたときには、第1アンカー3251は、第1スライダ3241の移動に追従することなく停止することができるので、第1操作用ワイヤ351が必要以上に繰り出されることを防止することができる。この結果、ハウジング321の内部における第1操作用ワイヤ351に弛みを生じさせることはない。
図16は、第2スライダ3242とともに第2アンカー3252が基端方向に移動したことによりシースシャフト310の先端可撓部分310Aが第2方向に撓んでいる状態を示している。同図に示す状態において、第2スライダ3242がホームポジションから基端方向に移動した距離は、第2アンカー3252がニュートラルポジションから基端方向に移動した
距離と同じであるのに対して、第1スライダ3241がホームポジションから先端方向に移動した距離は、第1アンカー3251がニュートラルポジションから先端方向に移動した距離(第1操作用ワイヤ351に作用する張力がキャンセルされるために必要な移動距離)より長く、第1スライダ3241は、第1アンカー3251から離間している。
もし、第1スライダ3241と第1アンカー3251とを分離することができず、第1アンカー3251が、第1スライダ3241の移動に追従して、第1スライダ3241の移動距離と同じ距離を先端方向に移動したとすれば、第1アンカー3251に基端部が固定された第1操作用ワイヤ351が必要以上に繰り出されることでハウジング321の内部で弛んでしまうが、ハンドル320を構成する第1スライダ3241と第1アンカー3251とは接離可能に配置されて、両者を分離することができるため、ハウジング321の内部における第1操作用ワイヤ351に弛みが生じることはない。
ハンドル320において、例えば、右手でハウジング321を把持し、右手の親指および人指し指によって回転操作部322を回転操作することにより、先端可撓部分310Aを撓ませてシースシャフト310の先端を偏向させることができる。
なお、回転操作部を回転させてシースシャフトの先端可撓部分を撓ませる機構は、上述した機構に限定されないことは勿論である。
また、本実施形態のステラブルシース300では、ハンドル320を構成する回転操作部322が、ハウジング321の先端側に配置されているが、回転操作部はハウジングの基端側に配置されている構成であってもよい。
また、回転操作部が、ハンドル(ハウジング)の長手方向に直交する軸の周りを回転する構成であってもよい。
本実施形態のステラブルシース300によれば、シースシャフト310と先端チップ330との間に配置された金属製の中間部材340により、第1操作用ワイヤ351の先端および第2操作用ワイヤ352の先端をシースシャフト310の先端に確実に固定することができる。すなわち、第1操作用ワイヤ351の後端を引張操作したときには、中間部材340の副貫通穴3471に先端大径部3511が引っ掛かって、第1操作用ワイヤ351の先端の基端方向への移動が規制され、第2操作用ワイヤ352の後端を引張操作したときには、中間部材340の副貫通穴3472に先端大径部3521が引っ掛かって、第2操作用ワイヤ352の先端の基端方向への移動が規制される。これにより、シースシャフト310の先端可撓部分310Aを所期の方向(第1方向D1または第2方向D2)へ確実に撓ませることができる。
また、中間部材340の外径が、シースシャフト310および先端チップ330の外径と同一であり、これにより、シースシャフト310の外周面、中間部材340の外周面および先端チップ330の外周面は面一となるので、シースシャフト310と先端チップ330との間から中間部材340が突き出て、そのエッジが露出するようなことはなく、中間部材340のエッジによって体内組織などを傷付けることがない。
また、中間部材340がシースシャフト310の先端に位置する円板状であるので、シースシャフト310の先端可撓部分10Aの全域を撓ませてスムーズな偏向操作を行うこ
とができる。
また、中間部材340の主貫通穴346の内側であって、連通路345の外側において、シースシャフト310と、先端チップ330とが直接接合(両者の構成樹脂どうしが溶着)されていることにより、シースシャフト310と、先端チップ330との間に金属製の中間部材340が介在しているものでありながら、シースシャフト310に対して先端チップ330を強固に固着することができ、シースシャフト310の先端から先端チップ330が脱落するようなことはない。
さらに、回転操作部322を回転操作して第1操作用ワイヤ351または第2操作用ワイヤ352を引張操作したときに、引張操作されていない第2操作用ワイヤ352または第1操作用ワイヤ351に作用する張力をキャンセルすることができるとともに、ハウジング321の内部において、引張操作されていない第2操作用ワイヤ352または第1操作用ワイヤ351に弛みを生じさせることはない。
100 内視鏡
10 シャフト
10A 先端可撓部分
13 カメラチャンネル
130 シャフトおよび/または先端チップの構成樹脂
141,142 送水チャンネル
151,152,153,154 ワイヤルーメン
17 鉗子チャンネル
20 ハンドル
21 グリップ
23 カメラチャンネルポート
25,26 操作ノブ
27 鉗子チャンネルポート
30 先端チップ
35 先端チップの先端面
33 カメラチャンネル
341,342 送水チャンネル
37 鉗子チャンネル
40 中間部材
41 主貫通穴
421,422,423,424 副貫通穴
43,441,442,47 連通路
51,52,53,54 操作用ワイヤ
511,521,531,541 操作用ワイヤの先端大径部
60 カメラ
61 カメラヘッド
611 CMOSイメージセンサ
65 ケーブルチューブ
70 カメラコネクタ
71 コネクタケース
711 基端面
712 ガイド溝
713 ガイド孔
715 貫通孔
72 スライド部材
721 シャフト部
722 雄ねじ部
723 ガイド部
724 凸条部
725 突起部
73 回転摘み
731 雌ねじ部
80 ポート側コネクタ
81 先端部分
82 基端部分
821 内管部
822 外管部
823~827 切り欠き
828 周壁部分
829 半球状の突起
200 内視鏡
45 中間部材
135 被覆樹脂層
300 ステラブルシース
310 シースシャフト
310A 先端可撓部分
317 ルーメン(ワーキングルーメン)
3130 シースシャフトおよび/または先端チップの構成樹脂
3151,3152 ワイヤルーメン
320 ハンドル
321 ハウジング
322 回転操作部
323 回転シャフト
3241 第1スライダ
3242 第2スライダ
3251 第1アンカー
3252 第2アンカー
3246,3247 樋状部
3245 点線
3255 一点鎖線
330 先端チップ
335 先端チップの先端面
337 ルーメン(先端ワーキングルーメン)
340 中間部材
345 連通路
346 主貫通穴
3471,3472 副貫通穴
351 第1操作用ワイヤ
3511 第1操作用ワイヤの先端大径部
352 第2操作用ワイヤ
3521 第2操作用ワイヤの先端大径部
381 枝管
382 三方活栓

Claims (8)

  1. 先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器であって、
    先端可撓部分を有し、少なくとも1つのワーキングルーメンと、少なくとも1つのワイヤルーメンとが形成されている樹脂製の前記シャフトと、
    前記シャフトの先端側に配置され、少なくともその基端において前記シャフトと実質的に同一の外径を有し、前記シャフトの前記ワーキングルーメンに連通して、その先端面で開口する先端ワーキングルーメンが形成されている樹脂製の先端チップと、
    前記シャフトと前記先端チップとの間に配置された前記シャフトと実質的に同一の外径を有する板状であって、前記シャフトの前記ワーキングルーメンと、前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンとの連通路を確保するために当該連通路を取り囲むように形成された主貫通穴と、前記ワイヤルーメンの形成位置に対応して形成された副貫通穴とを有する金属製またはセラミックス製の中間部材と、
    前記先端チップに埋設された、前記中間部材の前記副貫通穴の直径よりも大きな直径の先端大径部を有し、前記副貫通穴を通って前記シャフトの前記ワイヤルーメンに延在し、その後端が引張操作可能である操作用ワイヤとを備えてなり、
    前記中間部材の前記主貫通穴の内側であって前記連通路の外側において、前記シャフトと前記先端チップとが直接接合されていることを特徴とする医療機器。
  2. 前記連通路の直径が、前記シャフトの前記ワーキングルーメンおよび前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンの直径と実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
  3. 複数の前記ワーキングルーメンが前記シャフトに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の医療機器。
  4. 前記中間部材には、前記連通路のすべてを取り囲む1つの前記主貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の医療機器。
  5. 1つの前記ワーキングルーメンが前記シャフトに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の医療機器。
  6. 前記中間部材の外径は前記シャフトの外径および前記先端チップの外径より僅かに小さく、これによる前記シャフトおよび前記先端チップとの段差が解消されるよう、前記中間部材の外周が樹脂被覆されていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の医療機器。
  7. 内視鏡として使用する先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器であって、
    先端可撓部分を有し、ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネルが形成されているとともに、4つのワイヤルーメンが形成されている樹脂製の前記シャフトと、
    前記シャフトの基端側に配置され、回転操作部を備えたハンドルと、
    前記シャフトの先端側に配置され、前記シャフトと実質的に同一の外径を有し、前記シャフトの前記ワーキングルーメンの各々に連通して、その先端面で開口する先端ワーキングルーメンとして、カメラチャンネル、送水チャンネルおよび鉗子チャンネルが形成されている樹脂製の先端チップと、
    前記シャフトと前記先端チップとの間に配置された前記シャフトと実質的に同一の外径を有する板状であって、前記シャフトの前記ワーキングルーメンの各々と、前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンの各々との連通路を確保するために、当該連通路のすべてを取り囲むように形成された主貫通穴と、前記ワイヤルーメンの形成位置に対応して形
    成された4つの副貫通穴とを有する金属製またはセラミックス製の中間部材と、
    前記先端チップに埋設された、前記中間部材の前記副貫通穴の直径よりも大きな直径の先端大径部を有し、前記副貫通穴の各々を通って、前記シャフトの前記ワイヤルーメンの各々に延在し、それぞれの後端が、前記ハンドルの前記回転操作部に固定されて引張操作可能である4本の操作用ワイヤとを備えてなり、
    前記中間部材の前記主貫通穴の内側であって前記連通路の各々の外側において、前記シャフトと前記先端チップとが直接接合されていることを特徴とする医療機器。
  8. ステラブルシースとして使用する先端偏向操作可能なシャフトを備えた医療機器であって、
    先端可撓部分を有し、その中心軸に沿って延びる1つのワーキングルーメンと、前記ワーキングルーメンを挟んで対向配置された2つのワイヤルーメンとが形成されている樹脂製の前記シャフトと、
    前記シャフトの基端側に配置され、回転操作部を備えたハンドルと、
    前記シャフトの先端側に配置され、少なくともその基端において前記シャフトと実質的に同一の外径を有し、前記シャフトの前記ワーキングルーメンに連通して、その先端面で開口する先端ワーキングルーメンが形成されている樹脂製の先端チップと、
    前記シャフトと前記先端チップとの間に配置された、前記シャフトと実質的に同一の外径を有する板状であって、前記シャフトの前記ワーキングルーメンと、前記先端チップの前記先端ワーキングルーメンとの連通路を確保するために当該連通路を取り囲むように形成された主貫通穴と、前記ワイヤルーメンの形成位置に対応して形成された2つの副貫通穴とを有する金属製またはセラミックス製の中間部材と、
    前記先端チップに埋設された、前記中間部材の前記副貫通穴の直径よりも大きな直径の先端大径部を有し、前記副貫通穴の各々を通って、前記シャフトの前記ワイヤルーメンの各々に延在し、それぞれの後端が、前記ハンドルの前記回転操作部を回転させることによって引張操作可能である2本の操作用ワイヤとを備えてなり、
    前記中間部材の前記主貫通穴の内側であって前記連通路の外側において、前記シャフトと前記先端チップとが直接接合されていることを特徴とする医療機器。
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