以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下、図面を適宜参照して、本実施形態について説明する。本明細書の全体を通じて同一要素には、特に断らない限り、同一符号を付す。添付の図面と共に以下に記載される事項は、例示的な実施形態を説明するためのものであり、唯一の実施形態を示すためのものではない。例えば、実施形態において動作の順序が示された場合、動作の順序は、全体的な動作として矛盾が生じない範囲で、適宜変更されてもよい。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るBIM支援システムBSの構成を示す図である。図2は、実施形態に係るBIM支援システムBSの構成を示すブロック図である。
<BIM支援システムの概要>
以下、図1及び図2を参照して本実施形態に係るBIM支援システムBSのシステム構成について説明する。BIM支援システムBSは、性能情報演算システム、機種情報取得システム、環境負荷情報取得システム、及び移動経路情報取得システムの一例に該当する。
BIM支援システムBSは、ハードウェア構成として、クライアント端末T及び複数のサーバS1~S4を有する。尚、本実施形態のBIM支援システムBSは、クライアント端末TとサーバS1~S4とがネットワークNを介して接続された、クライアント・サーバ型のBIM支援システムである。BIM支援システムBSにおけるクライアント端末及びサーバの数は、図示の場合に限定されない。
クライアント端末Tには、BIMアプリケーションAがインストールされている。BIMアプリケーションAは、画像生成アプリケーション、作業機表示操作アプリケーション、及び画像生成モジュールの一例に該当する。BIMアプリケーションAには、画像生成アプリケーション支援モジュールM(以下、単に「支援モジュールM」と称する。)がアドインされている。支援モジュールMが組み込まれたクライアント端末Tは、端末及び表示支援装置の一例に該当する。支援モジュールMが、作業機表示操作アプリケーションの一例に該当する場合もある。又、BIMアプリケーションAと支援モジュールMとを合わせたアプリケーションが、画像生成アプリケーション又は作業機表示操作アプリケーションの一例に該当する場合もある。
BIMアプリケーションAは、BIMに特化したソフトウェアである。BIMアプリケーションAは、建設物(建物又はインフラ等)の計画、設計、構築、及び/又は管理等を行うことができる、BIMのための種々のソフトウェアであってよい。
尚、本発明に係る画像生成アプリケーション及び作業機表示操作アプリケーションは、BIMに特化したソフトウェアに限定されず、例えば、コンストラクション・インフォメーション・モデリング(CIM)、建築物の設計のための2D-CAD、及び3D-CADであってもよい。又、画像生成アプリケーションは、クレーン等の作業機のシミュレーションを、仮想的な空間において行うVRシミュレータ(Virtual Reality Simulator)であってもよい。尚、CIMは、BIMに含まれると捉えてもよい。
支援モジュールMは、操作支援モジュールの一例に該当し、表示部12に表示する作業機の画像を生成するBIMアプリケーションAと連携して動作する。
このような支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、所定の搬送条件のもと荷物の搬送に必要な性能を有する作業機の機種情報を取得する機能(以下、「機種情報取得機能」と称する。)も有する。よって、支援モジュールMが組み込まれたBIMアプリケーションA及びクライアント端末Tも、機種情報取得機能を有する。
又、支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、所定の搬送条件のもとで荷物を搬送した場合の環境負荷に関する情報を取得する機能(以下、「環境負荷情報取得機能」と称する。)も有する。よって、支援モジュールMが組み込まれたBIMアプリケーションA及びクライアント端末Tも、環境負荷情報取得機能を有する。
又、支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、クライアント端末Tの表示部に表示部12に表示された作業機が、移動条件下において作業機が移動した場合の、作業機の移動経路に関する情報を取得する機能を有する。作業機の移動経路に関する情報は、移動条件下において作業機が移動した場合の、作業機の移動後の位置に関する情報及び作業機の移動後の方向に関する情報を含む。
又、移動経路に関する情報は、例えば、作業現場の入り口から作業現場における作業機の配置位置までの経路であってもよい。
又、支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、表示部12に表示された作業機の性能情報を取得する機能(以下、「性能情報取得機能」と称する。)も有する。
サーバS1~S4はそれぞれ、性能情報サーバの一例に該当し、支援モジュールMから取得したリクエストに基づいて、所定の搬送条件のもと荷物の搬送に必要な性能を有する作業機の機種情報を取得する機能を有する。又、サーバS1~S4は、取得した作業機の機種情報を含むレスポンスを、支援モジュールM(クライアント端末T)に提示する機能(以下、「機種情報提供機能」と称する。)も有する。
又、サーバS1~S4はそれぞれ、支援モジュールMから取得したリクエストに基づいて、所定の搬送条件下において作業機が荷物を搬送した場合の環境負荷に関する情報を取得する機能を有する。又、サーバS1~S4は、取得した環境負荷に関する情報を含むレスポンスを、支援モジュールM(クライアント端末T)に提示する機能(以下、「環境負荷情報提供機能」と称する。)も有する。
又、サーバS1~S4はそれぞれ、支援モジュールMから取得したリクエストに基づいて、クライアント端末Tの表示部12に表示された作業機が、所定の移動条件下において作業機が移動した場合の、この作業機の移動経路に関する情報(例えば、移動後の位置に関する情報及びこの作業機の移動後の方向に関する情報)を含むレスポンスを、支援モジュールM(クライアント端末T)に提示する機能(以下、「移動情報提供機能」と称する。)も有する。
又、支援モジュールMから取得したリクエストに基づいて、作業機の性能情報を取得する機能も有する。サーバS1~S4は、リクエストを受けた支援モジュールMに対して、取得した性能情報を含むレスポンスを提示する機能(以下、「性能情報提供機能」と称する。)も有する。
上述の性能情報は、例えば、定格総荷重に関する情報、モーメント負荷率に関する情報、ブームの最大倒伏角に関する情報、作業半径に関する情報、ブームの変形画像情報、ジブの変形画像情報、作業機の作業領域画像情報、アウトリガジャッキの反力に関する情報、作業機の姿勢情報、地盤強度を考慮した作業可否に関する情報、及び荷物の移動経路に関する情報等を含む(後述の表2のC列参照)。又、性能情報は、作業機が所望の作業を実行できるか否かの判定結果を含む。又、作業機がクレーンの場合、性能情報は、荷物の移動経路に関する情報を含む。
支援モジュールMは、表示部12に表示された作業機の画像における作業機の姿勢を定義する姿勢条件を取得する。以下、作業機の画像を、単に「作業機画像」と称する。又、作業機の姿勢を、単に「作業機画像の姿勢」と称する。更に、作業機画像の姿勢を定義する姿勢条件を、単に「作業機画像の姿勢条件」と称する。
又、支援モジュールMは、作業機が搬送する荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報を搬送条件として含むリクエストを、サーバS1~S4の全てのサーバ又はサーバS1~S4から特定したサーバに送信する。
又、支援モジュールMは、作業機の機種、作業機により搬送される荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報を搬送条件として含むリクエストを、サーバS1~S4から特定したサーバに送信する。
又、支援モジュールMは、作業機の機種情報及び作業機の移動条件を含むリクエストを、サーバS1~S4から特定したサーバに送信する。
又、支援モジュールMは、姿勢条件、作業機の性能情報を指定するための性能情報要求、及び作業機の機種情報を含むリクエストを、サーバS1~S4から特定したサーバに送信する。
支援モジュールMは、作業機画像に対応するサーバを特定するサーバ特定情報をリクエストに含めることにより、リクエストを送信するサーバを特定してもよい。サーバ特定情報は、例えば、サーバのURI(Uniform Resource Identifier)である。
又、支援モジュールMは、性能情報要求で指定した性能情報を含むレスポンスをサーバから受信する。そして、支援モジュールMは、受信した性能情報を、表示部12に表示する画像又は表示部12に表示された作業機画像に反映させる。
サーバS1~S4は、支援モジュールMを有するクライアント端末Tから、作業機が搬送する荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報を搬送条件として含むリクエストを取得する。サーバS1~S4はそれぞれ、対応するメーカーの作業機の機種情報を記憶している。
又、サーバS1~S4は、リクエストを取得した後、諸元データに基づいて、リクエストに含まれる搬送条件下において荷物の搬送に必要な性能を有する作業機の機種情報を取得する。そして、サーバS1~S4は、取得した作業機の機種情報を含むレスポンスを、クライアント端末Tに提示する。
サーバS1~S4は、支援モジュールMを有するクライアント端末Tから、作業機の機種、作業機により搬送される荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報を搬送条件として含むリクエストを取得する。
又、サーバS1~S4は、リクエストを取得した後、リクエストに含まれる搬送条件下において荷物を搬送した場合の作業機の環境負荷に関する情報を取得する。そして、サーバS1~S4は、取得した環境負荷に関する情報を含むレスポンスを、クライアント端末Tに提示する。
サーバS1~S4は、支援モジュールMを有するクライアント端末Tから、作業機の機種情報及び作業機の移動条件を含むリクエストを取得する。
又、サーバS1~S4は、リクエストを取得した後、リクエストに含まれる移動条件下において作業機が移動した場合の、作業機の移動経路に関する情報(例えば、作業機の移動後の位置に関する情報及び作業機の移動後の方向に関する情報)を取得する。そして、サーバS1~S4は、取得した作業機の移動経路に関する情報を含むレスポンスを、クライアント端末Tに提示する。
又、サーバS1~S4は、上述の支援モジュールMを有するクライアント端末Tから、作業機画像の姿勢条件、作業機の性能情報を指定する性能情報要求、及び機種情報を含むリクエストを取得する。このようなサーバS1~S4は、性能情報の演算に用いられる演算式及び作業機の諸元データを予め記憶している。
又、サーバS1~S4は、リクエストを取得した後、リクエストに含まれる姿勢条件、性能情報要求、及び機種情報と、記憶している演算式及び諸元データとに基づいて、性能情報要求で指定された性能情報の演算を実行する。そして、サーバS1~S4は、演算の結果を含むレスポンスを、クライアント端末Tに提示する。
このようなサーバS1~S4で実行される演算は、実際の作業機(例えば、クレーン)が備える演算器で行われる演算と同じ精度の演算である。BIMアプリケーションAのオペレータ(以下、単に「オペレータ」と称する。)は、BIMアプリケーションAにおいて、実際の作業機と同じ性能情報を得ることができるため、作業機を考慮した詳細な施工計画を効率よく行うことができる。
<クライアント端末の構成例>
次に、クライアント端末Tの構成例について説明する。図2は、実施形態1に係るBIM支援システムBSの構成の一例を示す機能ブロック図である。図3は、実施形態1に係るクライアント端末Tのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。クライアント端末Tは、BIMアプリケーションが組み込まれた端末の一例に該当する。
(クライアント端末の機能構成例)
クライアント端末Tは、入力部11、表示部12、通信部13、記憶部14、及び制御部15等を備える。
(入力部)
入力部11は、オペレータから入力された情報等の入力を受け付ける。オペレータによる入力情報は、入力部11によって受け付けられて制御部15に送られる。入力部11が受け付ける情報の一例を以下に説明する。
入力部11は、機種情報要求を受け付ける。オペレータは、表示部12に表示された入力画面から、機種情報要求を入力する。入力部11は、作業機により荷物を搬送する際の搬送条件の入力を受け付ける。搬送条件は、例えば、搬送される荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報である。尚、ここで、作業機による荷物の搬送とは、BIMアプリケーションAにおける作業機の搬送を意味する。
搬送条件は、表示部12において作業機(作業機画像)の周囲に表示された建築物の画像に関する情報を含んでもよい。建築物の画像に関する情報は、サーバが、作業機と建築物との干渉を判定するために必要な情報であればよい。建築物の画像に関する情報は、例えば、建築物の画像の位置に関する情報や建築物の画像の形状に関する情報である。
又、搬送条件は、荷物の搬送経路に関する情報を含んでもよい。又、搬送条件は、作業機の定格総荷重を荷物の重量で除算した値である安全率の閾値を含んでもよい。
オペレータは、表示部12に表示された設定画面に数値を入力することによって、荷物の重量を入力する。又、オペレータは、マウス等の入力装置を介して、表示部12に表示された画像の任意位置を選択することにより、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置を入力する。
入力部11は、作業機の種類(例えば、クレーンタイプ)を指定するための入力(以下、「作業機の種類に関する条件」と称する。)を受け付ける。オペレータは、サーバから機種情報を取得する際、表示部12に表示された入力画面から、作業機の種類を指定できる。オペレータは、複数の作業機の種類を指定してもよい。
作業機メーカーを指定するための入力(以下、「作業機メーカーに関する条件」と称する。)を受け付ける。オペレータは、サーバから機種情報を取得する際、表示部12に表示された入力画面から、作業機メーカーを指定できる。オペレータは、複数の作業機メーカーを指定してもよい。作業機の種類に関する条件及び作業機メーカーに関する条件は、機種条件の一例に該当する。
入力部11は、環境負荷情報要求を受け付ける。オペレータは、表示部12に表示された入力画面から、環境負荷情報要求を入力する。入力部11は、BIMアプリケーションAにおいて、作業機により荷物を搬送する際の搬送条件の入力を受け付ける。搬送条件は、例えば、搬送される荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報である。
搬送条件は、作業機の機種情報を含んでもよい。又、搬送条件は、荷物の搬送回数に関する情報を含んでもよい。搬送条件は、荷物の搬送経路に関する情報を含んでもよい。
入力部11は、移動経路情報要求を受け付ける。オペレータは、表示部12に表示された入力画面から、移動経路情報要求を入力する。入力部11は、BIMアプリケーションAにおける作業機の移動条件の入力を受け付ける。移動条件は、例えば、作業機の移動距離に関する情報、作業機の移動方向に関する情報、及びステアリングの操舵量に関する情報を含む。移動条件は、作業機のステアリングモードに関する情報を含んでもよい。
ステアリングの操舵量に関する情報は、例えば、ステアリングの操舵角(実操舵角とも称する。)である。又、ステアリングの操舵量に関する情報は、最大操舵角に対する実操舵角の割合であってもよい。
又、入力部11は、性能情報要求の入力を受け付ける。性能情報要求は、クライアント端末TがサーバS1~S4から取得する作業機の性能情報を指定する情報を含む。換言すれば、性能情報要求は、サーバS1~S4が演算し、クライアント端末Tに提示する、作業機の性能情報を指定する情報を含む。
尚、性能情報要求で指定される作業機の性能情報は、表示部12に表示された画像における作業機の性能情報を意味する。以下、表示部12に表示された画像における作業機は、「表示された作業機」とも称される。
入力部11は、建築物の画像を表示部12に表示するための指示を受け付ける。以下、建築物の画像を、単に「建築物画像」と称する。又、表示部12に表示するための指示を、単に「建築物画像の表示指示」と称する。
建築物画像の表示指示には、例えば、建築物画像の種類を指定する情報が含まれる。又、建築物画像の表示指示には、建築物画像の大きさに関する情報及び/又は建築物画像の配置に関する情報が含まれる。
入力部11は、作業機画像を表示部12に表示する指示を受け付ける。以下、作業機画像を表示部12に表示する指示を、単に「作業機画像の表示指示」と称する。
作業機画像の表示指示には、例えば、表示部12に表示する作業機の機種を特定するための情報が含まれる。以下、作業機の機種を特定するための情報を、単に「機種情報」と称する。
又、作業機画像の表示指示には、作業機画像の配置に関する情報が含まれてもよい。作業機画像の配置に関する情報は、例えば、座標及び/又は方向(方位)を含む。
機種情報は、作業機ID(型式、スペック番号、及び/又は製造番号)、及びメーカー名等のうちの少なくとも一つを含む。
入力部11は、表示部12に表示された画像の操作を受け付ける。以下、表示部12に表示された画像の操作を、単に「画像操作」と称する。
画像操作には、表示部12に表示された建築物画像及び/又は作業機画像に関する操作が含まれる。以下、表示部12に表示された建築物画像及び/又は作業機画像を、単に「表示画像」と称することもある。又、表示画像における建築物画像は、単に「表示建築物画像」とも称される。又、表示画像における作業機画像は、単に「表示作業機画像」とも称される。
画像操作として、表示建築物画像の姿勢を変更する操作、サイズを変更する操作(拡大操作又は縮小操作)、及び、配置を変更する操作等のうち少なくとも一つが挙げられる。又、画像操作として、表示作業機画像の姿勢を変更する操作、サイズを変更する操作(拡大操作又は縮小操作)、及び配置を変更する操作等のうち少なくとも一つが挙げられる。
オペレータは、表示部12に表示された設定画面に数値を入力することによって、画像操作を行う。又、オペレータは、表示建築物画像や表示作業機画像をドラッグ操作することによって、画像操作を行ってもよい。
オペレータは、上記設定画面において、表示作業機画像の属性情報における姿勢条件(具体例は、後述する)を変更することによって、表示作業機画像の姿勢を変更する。或いは、オペレータは、表示作業機画像をドラッグ操作することによって、表示作業機画像の姿勢を変更してもよい。つまり、入力部11は、表示作業機画像の姿勢を決定する姿勢条件の入力を受け付ける。
オペレータは、上記設定画面において、表示作業機におけるアタッチメント(例えば、クレーンのジブやマンバスケット)の使用の有無(使用状態又は非使用状態)を選択することにより、表示作業機の作業状態を変更する。このような操作は、表示作業機画像の属性情報における作業状態情報の変更の一例に該当する。
(表示部)
表示部12は、情報等を表示する。表示部12に表示される情報は、記憶部14に記憶された情報でもよいし、制御部15によって生成された情報でもよい。
尚、入力部11と表示部12とは、個別のデバイスによって構成されてもよいし、タッチパネルディスプレイのように、情報の入力と出力(表示)とを並行して行えるデバイスに一体化されてもよい。
(通信部)
通信部13は、ネットワークNを介してサーバS1~S4と通信する。そのために、通信部13は、情報の送信部及び受信部(図示省略)を備える。サーバS1~S4との通信は、例えば、制御部15によって制御される。
又、通信部13は、サーバS1~S4に向けて後述のリクエストを送信し、このリクエストに対するレスポンスをサーバS1~S4から受信する。通信部13は、取得したレスポンスを制御部15(具体的には、第二制御部17の支援制御部172)に送る。
(記憶部)
記憶部14は、第一記憶部141、第二記憶部142、及び第三記憶部143等を有する。尚、記憶部141~143は、一つのハードウェア(主記憶装置)により構成されている。但し、記憶部141~143は、複数のハードウェアにより構成されてもよい。
第一記憶部141は、建築物画像データベースであって、建築物画像に関する情報を記憶する。建築物を構成する部材の三次元画像に関する情報が、第一記憶部141に記憶されている。以下、建築物を構成する部材の三次元画像を、単に「建築物画像」と称する。建築物を構成する部材として、柱、窓、配管、ドア、床、天井、及び壁等のうちの少なくとも一つが挙げられる。
建築物画像とともに、各画像と対応付けられた属性情報が、第一記憶部141に記憶されている。建築物画像の属性情報は、部材ID(型番又は製造番号等)、種類、部材名、メーカー名、規格、寸法、及び材質等のうちの少なくとも一つを含んでよい。
又、第一記憶部141は建築物画像以外に、例えば、建築現場や工事現場等の作業現場の構成要素の画像に関する情報を記憶してもよい。以下、作業現場の構成要素の画像を、単に「作業現場構成画像」と称する。作業現場構成画像は、例えば、道路(歩道、車道)、木、電線、電柱、車、及び人のうちの少なくとも一つの画像を含んでよい。
第二記憶部142は、作業機画像データベースであって、作業機画像に関する情報を記憶する。例えば、作業機及び/又は作業機を構成する部材の三次元画像に関する情報が、第二記憶部142に記憶されている。以下、作業機を構成する部材の二次元画像又は三次元画像を、単に「作業機画像」と称する。
作業機画像として、例えば、クレーン、ブルドーザ、油圧ショベルカー、コンクリートポンプ車、高所作業車、ダンプトラック、トレーラ、及びリフターのうちの少なくとも一つの作業機画像が挙げられる。作業機画像は、これら各作業機の構成部材の三次元画像を含んでもよい。
作業機がクレーンの場合、クレーンとして、移動式クレーン(ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン)及び/又はタワークレーン等が挙げられる。クレーンの構成部材として、例えば、ブーム、ジブ、アウトリガ、車両、及びフックのうちの少なくとも一つが挙げられる。
作業機画像とともに、各作業機画像と対応付けられた属性情報が、第二記憶部142に記憶されてもよい。
作業機画像の属性情報は、作業機画像における作業機の機種情報及び/又は作業機画像の姿勢条件を含む。作業機画像の属性情報は、作業機の作業状態に関する情報を含んでもよい。以下、作業機の作業状態に関する情報を、単に「作業状態情報」と称する。作業機画像の属性情報は、作業機を構成する部材に関する情報を含んでもよい。以下、作業機を構成する部材に関する情報を、単に「構成部材情報」と称する。
姿勢条件は、例えば、ブームの起伏角、ブームの長さ、ブームの旋回角、ジブの起伏角、ジブの長さ、及びアウトリガの張出幅のうちの少なくとも一つを含む。
作業状態情報は、例えば、ブーム作業状態、ジブ作業状態、シングルトップ作業状態、アウトリガ作業状態、オンタイヤ作業状態、及びフックの作業状態のうちの少なくとも一つの作業状態を特定する情報を含む。
構成部材情報は、作業機を構成する部材の種類に関する情報を含む。作業機を構成する部材は、例えば、ブーム、ジブ、フック、及びワイヤである。以下、作業機を構成する部材の種類に関する情報を、単に「構成部材の種類情報」と称する。
第三記憶部143は、リクエストを送るサーバを特定する情報を記憶する。サーバを特定する情報は、サーバ特定情報とも称される。サーバ特定情報は、作業機画像に対応付けて、第三記憶部143に記憶されている。
第三記憶部143は、作業機画像の属性情報のうちの機種情報から、作業機画像に対応するサーバを特定できる形式で、サーバ特定情報を記憶している。
具体的には、第三記憶部143は、複数の作業機画像の属性情報に含まれる機種情報と、これら各機種情報に対応するサーバ(サーバ特定情報)と、を対応付けるアドレステーブルを記憶している。
制御部15は、上述したエレメント11~14それぞれの動作を制御してクライアント端末Tの全体的な動作を制御する。BIM支援システムBSの機能に着目した場合、制御部15は、第一制御部16及び第二制御部17等を備える。
(第一制御部)
第一制御部16は、BIM制御部161及び表示制御部162等を有する。第一制御部16は、BIMアプリケーションAの機能を実現する。第一制御部16は、表示部12(後述)に表示された作業機画像の挙動を制御する画像アプリケーションAの操作制御部の一例に該当する。
(BIM制御部)
BIM制御部161は、入力部11から、上述の建築物画像の表示指示に関する情報を取得する。そして、BIM制御部161は、建築物画像の表示指示に関する情報によって特定される建築物画像に関する情報を、記憶部14から取得する。BIM制御部161は、取得した建築物画像に関する情報を、後述の表示制御部162に送る。
BIM制御部161は、入力部11から、上述の作業機画像の表示指示に関する情報を取得する。そして、BIM制御部161は、取得した作業機画像の表示指示に含まれる機種情報によって特定される作業機画像に関する情報を、記憶部14から取得する。BIM制御部161は、取得した作業機画像に関する情報を、後述の表示制御部162に送る。
BIM制御部161は、入力部11から、上述の画像操作に関する情報を取得する。BIM制御部161は、取得した画像操作に関する情報を、表示画像に反映させる。
具体的には、BIM制御部161は、取得した画像操作に関する情報(例えば、座標、寸法、及び/又は姿勢条件)を、表示画像(例えば、表示作業機画像)の属性情報に反映することにより、取得した画像操作に関する情報を表示部12の表示に反映する。
(表示制御部)
表示制御部162は、BIM制御部161から取得した建築物画像に関する情報を表示部12に対応する表示信号に変換して出力し、表示部12に、建築物画像を表示させる。
表示制御部162は、BIM制御部161から受け取った作業機画像に関する情報を表示部12に対応する表示信号に変換して出力し、表示部12に、作業機画像を表示させる。
(第二制御部)
第二制御部17は、通信制御部171、支援制御部172、領域画像処理部176、及び変形画像処理部177等を有する。第二制御部17は、支援モジュールMの機能を実現する。又、支援制御部172は、姿勢条件取得部、性能情報取得部、及び描画支援部の機能を実現する。
(通信制御部)
通信制御部171は、通信部13を介した、クライアント端末TとサーバS1~S4との通信を制御する。
(支援制御部)
支援制御部172は、支援モジュールMの機能に着目した場合、情報取得部173、リクエスト発行部174、及び表示支援制御部175等を有する。支援制御部172の一部の機能は、性能情報取得部の機能を実現する。
又、支援制御部172の一部は、性能情報取得部の一例に該当する。支援制御部172は、操作支援部の一例に該当する。又、支援制御部172は、作業機の機種情報を含むレスポンスをサーバから受信するレスポンス取得機能部としての機能を有する。又、支援制御部172は、環境負荷情報を含むレスポンスをサーバから受信するレスポンス取得機能部としての機能を有する。又、支援制御部172は、作業機の移動経路に関する情報を含むレスポンスをサーバから受信するレスポンス取得機能部としての機能を有する。
又、支援制御部172は、性能情報を含むレスポンスをサーバから受信するレスポンス取得部としての機能を有する。よって、支援制御部172は、レスポンス取得部の一例にも該当する。
(情報取得部)
情報取得部173は、入力部11から性能情報要求を取得した場合に、性能情報要求で指定される性能情報をサーバS1~S4から取得するために必要な情報(以下、「パラメータ」という。)を、BIM制御部161から取得する。
情報取得部173が取得するパラメータは、後述のリクエスト発行部174が生成するリクエストにおけるパラメータを構成する。尚、リクエストに含まれるパラメータを以下の表1に示す。情報取得部173は、姿勢条件取得部の一例に該当する。
表1のうち、製造番号、型式番号、及びスペック番号は、機種情報の一例に該当する。表1のうち、アウトリガ状態及びブーム・ジブ選択は、作業機状態情報の一例に該当する。ブーム・ジブ選択は、例えば、ブーム作業状態、ジブ作業状態、及びシングルトップ作業状態の中から一つの作業状態を選択する。
表1のうち、アウトリガ幅、ブーム起伏角度、ブーム長さ、旋回角度、ジブ起伏角度、及びジブ長さは、姿勢条件の一例に該当する。アウトリガ幅は、アウトリガ毎に設定してもよい。
又、表1のうち、ブームに関する情報(例えば、ブームの種類)、ジブに関する情報(例えば、ジブの種類)、フックに関する情報(例えば、フックの種類)、及びワイヤに関する情報(例えば、ワイヤ掛け数)は、構成部材情報の一例に該当する。
表1のうち、単位は、その他の情報の一例に該当する。経路情報には、例えば、荷物の移動経路、作業機の走行移動経路、及び/又はブームの先端部の移動経路が含まれる。
具体的には、情報取得部173は、入力部11から性能情報要求を取得した場合に、表示作業機画像の属性情報における機種情報を、BIM制御部161から取得する。
情報取得部173は、入力部11から性能情報要求を取得した場合に、表示作業機画像の属性情報のうち、作業機の作業状態を特定するための作業状態情報を、BIM制御部161から取得する。
情報取得部173は、入力部11から性能情報要求を取得した場合に、表示作業機画像の属性情報のうち、取得した性能情報要求に対応する姿勢条件を、BIM制御部161から取得する。
情報取得部173は、入力部11から性能情報要求を取得した場合に、表示作業機画像の属性情報のうち、作業機の構成部材に関する情報である構成部材情報を、BIM制御部161から取得する。
情報取得部173は、表示作業機画像における作業機が吊り上げている荷物荷重の情報を、BIM制御部161から取得する。以下、上記荷物荷重の情報を、単に「吊上荷重情報」と称する。吊上荷重情報は、荷物情報の一例に該当する。
情報取得部173は、表示作業機画像における作業機が吊り上げている荷物の経路情報を、BIM制御部161から取得する。以下、上記荷物の経路情報を、単に「経路情報」と称する。
以上のような情報取得部173が取得する情報は、作業機画像の属性情報として予め記憶部14に記憶されていてもよいし、サーバS1~S4から取得した情報であってもよい。尚、情報取得部173が取得する情報の具体例は、後述の表2や後述のBIM支援システムBSの動作説明において示される。
尚、パラメータの取得方法の一例として、情報取得部173は、表1に示すパラメータのうち、取得した性能情報要求で指定された性能情報の演算に必要なパラメータのみ、BIM制御部161から取得する。
パラメータの取得方法の一例として、情報取得部173は、性能情報要求で指定される性能情報に拘わらず、表1に示すパラメータのうち、予め決められた種類のパラメータ情報を、BIM制御部161から取得する。予め決められた種類のパラメータ情報は、例えば、属性情報における機種情報、姿勢条件、作業状態情報、及び構成部材情報に関する総ての情報である。
情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
又、情報取得部173は、入力部11から情報(例えば、機種情報要求及び搬送条件)を取得した場合に、取得した情報をリクエスト発行部174に送る。搬送条件は、サーバが機種情報を取得するために使用するパラメータと捉えてもよい。又、情報取得部173は、入力部11から、機種条件(作業機の機種に関する条件及び/又は作業機メーカーに関する条件)を取得した場合、取得した機種条件をリクエスト発行部174に送る。
又、情報取得部173は、入力部11から情報(例えば、環境負荷情報要求及び搬送条件)を取得した場合に、取得した情報をリクエスト発行部174に送る。搬送条件は、サーバが環境負荷情報を取得するために使用するパラメータと捉えてもよい。
又、情報取得部173は、入力部11から情報(例えば、移動経路情報要求及び移動条件)を取得した場合に、取得した情報をリクエスト発行部174に送る。移動条件は、サーバが移動経路に関する情報を取得するために使用するパラメータと捉えてもよい。
(リクエスト発行部)
リクエスト発行部174は、情報取得部173から取得した機種情報に基づいて、この機種情報に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。リクエスト発行部174は、リクエスト発行機能部の一例に該当する。
具体的には、リクエスト発行部174は、第三記憶部143に記憶されたアドレステーブルを参照して、情報取得部173から取得した機種情報に対応するサーバ特定情報を取得する。尚、サーバ特定情報は、作業機画像の属性情報に記憶されていてもよい。つまり、作業機画像毎に、対応するサーバ特定情報が記憶されていてもよい。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含む、リクエストを生成する。
リクエストは、例えば、HTTPSプロトコルのリクエストメッセージの形式である。リクエストで使用されるHTTPメソッドは、例えば、GETメソッドである。リクエスト発行部174は、生成したリクエストを、通信制御部171に送る。
式1は、リクエストの一例を示す。リクエストは、先頭から順に、URI、性能情報要求、及びパラメータを含む。パラメータは、上記表1に示す機種情報、作業状態情報、姿勢条件、構成部材情報、荷物荷重情報、経路情報、及びその他の情報のうちの少なくとも一つを含む。パラメータは、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを含んでいればよい。
具体的には、式1において、「https://.../bimapi/v1.0/Simulation/」は、URIの一例に該当する。又、式1において、「RatedWeight」は、性能情報要求の一例に該当する。又、式1において、「Model={モデル}& BoomState={ブームジブ種類}&BoomLength={ブーム長さ}&...」は、パラメータの一例に該当する。尚、式1における、「モデル」、「ブームジブ種類」、及び「ブーム長さ」は、式2のように記号、文字列、又は数値に置き換えられてもよい。尚、性能情報要求を含むリクエストは、性能情報リクエストの一例に該当する。
又、リクエスト発行部174は、取得した機種情報要求及び搬送条件を含むリクエストを生成する。リクエスト発行部174は、機種条件を取得している場合、リクエストに機種条件を含めてもよい。又、リクエスト発行部174は、入力部11から作業機メーカーに関する条件を取得している場合、作業機メーカーに関する条件が示す作業機メーカーのサーバを特定するサーバ特定情報を取得する。リクエスト発行部174は、第三記憶部143からサーバ特定情報を取得してよい。
又、リクエスト発行部174は、入力部11から作業機メーカーに関する条件を取得していない場合、総てのサーバのサーバ特定情報を取得する。そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報を、リクエストに含める。リクエスト発行部174は、生成したリクエストを通信制御部171に順次送る。尚、機種情報要求を含むリクエストは、機種情報リクエストの一例に該当する。
又、リクエスト発行部174は、取得した環境負荷情報要求及び搬送条件を含むリクエストを生成する。又、リクエスト発行部174は、取得した作業機の機種情報に基づいて、このリクエストの送り先であるサーバを特定するサーバ特定情報を取得する。リクエスト発行部174は、第三記憶部143からサーバ特定情報を取得してよい。
又、リクエスト発行部174は、取得した移動経路情報要求及び移動条件を含むリクエストを生成する。又、リクエスト発行部174は、取得した作業機の機種情報に基づいて、このリクエストの送り先であるサーバを特定するサーバ特定情報を取得する。リクエスト発行部174は、第三記憶部143からサーバ特定情報を取得してよい。
(表示支援制御部)
表示支援制御部175は、通信制御部171から取得したレスポンスを解析し、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果を、表示部12の表示に反映させる。表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果を、BIM制御部161に送り、表示部12に表示する画像又は表示部12の表示された画像に反映させる。表示支援制御部175は、レスポンス取得部、描画支援部、及び制御機能部の一例に該当する。
表示支援制御部175は、表示作業機画像の属性情報を、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果に基づいて更新することにより、この演算結果を、表示部12の表示に反映させてもよい。
表示支援制御部175は、レスポンスに領域画像に関する情報が含まれている場合には、領域画像に関する情報を、領域画像処理部176に送る。
表示支援制御部175は、領域画像処理部176から取得した領域画像を、BIM制御部161に送り、表示部12の表示に反映させる。尚、領域画像は、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果(つまり、領域画像に関する情報)が反映された画像である。
表示支援制御部175は、レスポンスに変形画像に関する情報が含まれている場合には、変形画像に関する情報を、変形画像処理部177に送る。
表示支援制御部175は、変形画像処理部177から取得した変形画像を、BIM制御部161に送り、表示部12の表示に反映させる。尚、変形画像は、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果(つまり、変形画像に関する情報)が反映された画像と捉えてよい。
表示支援制御部175は、レスポンスに機種情報が含まれている場合、機種情報をリスト(以下、「機種情報リスト」と称する。)にしてBIM制御部161に送る。BIM制御部161は、取得した機種情報リストを表示部12に表示する。よって、表示支援制御部175が、機種情報リストを表示部12に表示すると捉えてよい。
表示支援制御部175は、レスポンスに環境負荷に関する情報が含まれている場合、環境負荷に関する情報をBIM制御部161に送る。BIM制御部161は、環境負荷に関する情報を表示部12に表示する。尚、表示支援制御部175が、環境負荷に関する情報を表示部12に表示すると捉えてもよい。
表示支援制御部175は、レスポンスに作業機の移動経路に関する情報が含まれている場合、作業機の移動経路に関する情報をBIM制御部161に送る。ここで、作業機の移動経路に関する情報は、作業機の移動後の位置に関する情報及び作業機の移動後の方向に関する情報を含む。BIM制御部161は、取得した作業機の移動経路に関する情報を参照して、表示部12に移動経路に関する情報を反映させる。具体的には、移動経路に関する情報が、移動後の位置に関する情報及び移動後の作業機の方向に関する情報の場合、表示支援制御部175は、作業機の画像を、表示部12における作業機の移動後の位置に、作業機の移動後の方向を向いて表示される。尚、表示支援制御部175が、移動後の作業機を表示部12に表示すると捉えてもよい。
このような表示支援制御部175の処理は、表示支援処理と称されることもある。表示支援処理の具体例は、BIM支援システムBSの動作説明において示される。
(領域画像処理部)
領域画像処理部176は、表示支援制御部175から取得した領域画像に関する情報に基づいて、領域画像を生成する。このような領域画像処理部176は、領域画像生成部の一例に該当する。そして、領域画像処理部176は、生成した領域画像を表示支援制御部175に送る。領域画像処理部176は、変形画像生成部の一例と捉えてよい。
尚、領域画像は、表示部12に表示された作業機の姿勢において、この作業機のフックを移動させることができる範囲(以下、「フックの可動領域」と称する。)を、二次元及び/又は三次元で示す画像である。つまり、作業機にはフックが含まれると捉えてよい。
又、表示部12に表示された作業機が荷物を吊っている場合には、吊り具及び荷物が作業機に含まれると捉えてよい。この場合には、領域画像は、吊り具を移動させることができる範囲(以下、「吊り具の可動領域」と称する。)及び/又は荷物を移動させることができる範囲(以下、「荷物の可動領域」と称する。)を、二次元及び/又は三次元で示す画像である。領域画像の具体例は、BIM支援システムBSの動作説明において示される。尚、領域画像処理部176が生成する領域画像は、作業機画像に関連する変形画像の一例と捉えてもよい。
(変形画像処理部)
変形画像処理部177は、表示支援制御部175から取得した変形画像に関する情報に基づいて、変形画像を生成する。変形画像処理部177は、変形画像生成部の一例に該当する。そして、変形画像処理部177は、生成した変形画像を表示支援制御部175に送る。変形画像の具体例は、BIM支援システムBSの動作説明において示される。尚、変形画像処理部177が生成する変形画像は、作業機画像に関連する変形画像の一例と捉えてよい。
尚、以上のようなクライアント端末Tに組み込まれたBIMアプリケーションA及び支援モジュールMは、クラウドサーバ(不図示)に組み込まれて、実行されてもよい。クラウドサーバは、ネットワークNを介して、サーバS1~S4に接続される。
又、クラウドサーバは、ビューアが組み込まれたクライアント端末(不図示)にネットワークNを介して接続されている。ビューアは、クラウドサーバで実行されるBIMアプリケーションAが生成する画像を表示するアプリケーションである。
オペレータは、クライアント端末のビューアを介して、BIMアプリケーションAが生成する画像を操作する。このようなシステムは、クラウド型のBIM支援システムの一例に該当する。クラウド型のBIM支援システムにおいて、クラウドサーバは、画像生成アプリケーションが組み込まれた端末の一例に該当する。
(クライアント端末のハードウェア構成例)
図3に示すように、クライアント端末Tは、デスクトップ型コンピュータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーション等)、ラップトップ型コンピュータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーション等)、タブレット端末、又はスマートフォン等のモバイル装置等である。
クライアント端末Tは、ハードウェア構成に着目した場合、一般的なデスクトップ型コンピュータ又はラップトップ型コンピュータが備えるプロセッサ1001、入力装置1002、出力装置1003、メモリ1004、及びストレージ1005等を備える。
又、クライアント端末Tは、通信インタフェース(IF)1006、及び電源回路1007を備える。これらのエレメント1001~1007は、例えば、バス1008によって接続されてよい。
プロセッサ1001は、クライアント端末Tの動作を制御する。プロセッサ1001は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。プロセッサ1001には、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、及びGPU(graphics processing unit)の少なくとも1つが用いられてよい。
入力装置1002は、図2に示した入力部11を含んでよい。入力装置1002は、クライアント端末Tに対する情報の入力に用いられるデバイス、例えば、キーボード、タッチパネル、及びマウスの少なくとも1つを含んでよい。入力装置1002を通じて、プロセッサ1001に情報が入力されてよい。
出力装置1003は、図2に示した表示部12を含んでよい。具体的には、出力装置1003は、表示部12に相当するディスプレイ(又は、モニタ)を含んでよい。ディスプレイは、タッチパネル式のディスプレイであってよい。タッチパネル式のディスプレイは、入力装置1002及び出力装置1003の双方に該当すると捉えてよい。
メモリ1004は、例えば、プロセッサ1001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。メモリ1004には、RAM(random access memory)及びROM(read only memory)が含まれる。RAMは、プロセッサ1001のワークメモリに用いられてよい。「プログラム」は、「ソフトウェア」或いは「アプリケーション」と称される。
ストレージ1005は、プロセッサ1001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。ストレージ1005に、既述の建築物画像に関する情報、作業機画像に関する情報、及びサーバ特定情報等のBIM支援システムBSに関連した情報が記憶される。
ストレージ1005は、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)といった半導体ドライブ装置を含む。半導体ドライブ装置の追加で又は代替で、フラッシュメモリのような不揮発性メモリが、ストレージ1005に含まれてもよい。メモリ1004及びストレージ1005が、図2の記憶部14に該当する。
プログラムには、既述のようなBIMアプリケーションA及び支援モジュールMを具現するプログラム(以下「BIMプログラム」と称する。)が含まれる。BIMプログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部に組み込まれてよい。
プログラム及び/又はデータは、プロセッサ1001による読み取りが可能な記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、ブルーレイディスク、及びポータブルハードディスクが挙げられる。又、USB(universal serial bus)メモリ等の半導体メモリも記録媒体の一例である。
又、プログラム及び/又は情報は、アプリケーションサーバ(不図示)からネットワークNを介してクライアント端末Tに提供(ダウンロード)されてもよい。通信IF1006を通じてプログラム及び/又は情報がクライアント端末Tに提供されて、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてよい。又、プログラム及び/又はデータは、入力装置1002を通じてクライアント端末Tに提供されて、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてもよい。
通信IF1006は、図2の通信部13に該当し、ネットワークNと通信するためのインタフェースである。通信IF1006は、無線通信のための無線インタフェースを備えてよい。又、通信IF1006は、有線通信のための有線インタフェースを備えてもよい。
プロセッサ1001が、記憶部14に記憶されたBIMプログラムを読み出して実行することにより、クライアント端末Tは、既述のようなBIMアプリケーションA及び支援モジュールMの機能を実現する表示処理装置の一例として機能する。
プロセッサ1001がBIMプログラムを実行することによって、図2に例示した制御部15の各エレメント161、162が具現される。
電源回路1007は、図3に示した各エレメント1001~1006が動作するための電力を各エレメント1001~1006のそれぞれに供給する。
<サーバ>
図1に示すBIM支援システムBSは、例示的に、複数のサーバS1~S4を備える。図1には、非限定的な一例として、4台のサーバS1~S4が例示されている。サーバの数は、1以上かつ3以下でもよいし5以上でもよい。
サーバS1~S4は、例えば、作業機メーカー毎に設けられる。以下、サーバS1~S4のうちサーバS1について説明する。尚、サーバS2~S4の構成は、サーバS1と同様であるため省略する。サーバS1は、例えば、作業機メーカーM1に対応するサーバである。又、サーバS2~S4はそれぞれ、作業機メーカーM2~M4に対応するサーバである。尚、サーバS1~S4は、一つのサーバにまとめられてもよい。つまり、一つのサーバが、複数の作業機メーカーM1~M4に対応してもよい。
(サーバの機能構成例)
サーバS1は、通信部21、記憶部23、及び制御部22等を有する。
(通信部)
通信部21は、クライアント端末Tと、ネットワークNを介して通信する。そのため、通信部21は、情報の送信部及び受信部(図示省略)等を備える。クライアント端末Tとの通信は、制御部(不図示)によって制御される。尚、通信部21は、サーバS1とサーバS2~S4とを、ネットワークNを介して通信する。
本実施形態の場合、サーバS1は、インターネットを介してクライアント端末Tと接続されている。サーバS1とクライアント端末Tとは、HTTPSプロトコル等のTCP/IPプロトコルを用いて通信する。尚、サーバS1とクライアント端末Tとの通信プロトコルは、HTTPSプロトコルに限定されず、いわゆるリクエスト-レスポンス型の種々の通信プロトコルであってもよい。
通信部21は、クライアント端末Tから受信したリクエストを、制御部22に送る。又、通信部21は、制御部22から取得したレスポンスを、クライアント端末Tに送信する。
(記憶部)
記憶部23は、演算部222が行う演算で使用される演算式(不図示)を記憶する。演算式は、リクエストに含まれる性能情報要求で指定される性能情報の演算に使用される。記憶部23は、後述の補間演算に用いられる補間演算式を記憶する。
記憶部23は、演算部222が行う演算で使用される性能データ(例えば、定格総荷重)を記憶する。記憶部23は、例えば、性能データを表形式の性能テーブルとして記憶する。性能テーブルは、作業機画像の姿勢条件(ブームの起伏角、ブームの長さ、ブームの旋回角、ジブの起伏角、ジブの長さ、及びアウトリガの張出幅)、クレーンの作業状態、及びクレーンの作業半径等のパラメータと、性能データとを対応付けた表(以下、「性能データ表」と称する。)である。
(性能データ表の一例)
性能データ表は、性能テーブルの一例に該当し、姿勢条件、作業状態情報、及び作業半径等から、性能データ(例えば、定格総荷重)を求めるための表である。このような性能データ表は、作業機の機種毎に記憶部23に記憶されている。
性能データ表の一例を、図5に示す。図5には、ブーム作業状態かつアウトリガ作業状態であって、各アウトリガの張出幅が最大の場合の、ブーム長さ及び作業半径と性能データである定格総荷重とに関する性能データ表24が例示されている。
例えば、図5に示す性能データ表24は、ブーム長さ(例えば、9.35m)及び作業半径(例えば、2.5m)がパラメータとして与えられると、これら各パラメータに対応する定格総荷重(25t)が得られる。尚、性能データ表は、ジブ作業状態、オンタイヤ状態、及び/又はアウトリガ状態等の作業状態情報毎に設けられている。又、アウトリガの張出幅に応じて、複数の性能データ表が設けられている。
図5に示す性能データ表24は、所定間隔で並べられたブーム長さ及び作業半径と、定格総荷重とにより構成されている。所定間隔を小さくするほど、精度のよい性能データ表となる。例えば、図5に示す性能データ表24に値が示されているブーム長さ(例えば、9.35m、16.4m等)及び作業半径(例えば、2.5m、3.0m)であれば、性能データ表から定格総荷重を求めることができる。
しかしながら、図5に示す性能データ表24に示されていないブーム長さ(例えば、12m)の場合には、作業半径2.5mにおける定格総荷重を、性能データ表24から求めることができない。性能データ表24から直接求めることができない定格総荷重は、演算部222が、補間演算により求める。演算部222は、記憶部23から取得した補間演算式を用いて、この補間演算を実行する。
性能データ表24は、例えば、アウトリガジャッキの反力に関する性能データ表、又は、ブームの撓みに関する性能データ表であってもよい。ブームの撓みに関する性能データ表は、例えば、ブーム又はジブの種類と、クレーンの姿勢条件と、吊り上げ荷重に応じたブーム又はジブの先端の撓み量と、を対応付けて記憶している。クレーンの姿勢条件は、例えば、ブーム長さ、ブーム起伏角度、ジブ長さ、及びジブオフセット角度(ジブ起伏角度)である。
又、記憶部23は、作業機の機種情報と、作業機の機種情報に対応付けた諸元データを記憶する。諸元データは、演算部222が行う演算で使用される。
作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、移動式クレーンのキャリア部(下部走行体ともいう)の重量重心位置及び重量を含む。又、諸元データは、各アウトリガの張出長さに対する各アウトリガの重量重心位置及び重量を含む。
又、作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、上部旋回台の旋回中心座標、重量重心位置、及び/又は重量を含む。又、作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、上部旋回台の基準座標に対するベースブームの回転中心座標、重量重心位置、及び/又は重量を含む。
又、作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、ベースブームに対する2ndブームの取り付け原点座標、重量重心位置、及び/又は重量を含む。又、諸元データは、ワイヤロープの単位長さあたりの重量を含む。又、作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、移動式クレーンのステアリングモードに関する情報を含む。
ステアリングモードは、例えば、ステアリングの回転に伴い前輪のみ向きが変わるモード、ステアリングの回転に伴い後輪のみ向きが変わるモード、ステアリングの回転に伴い前輪と後輪とが互いに反対方向の向きに変わるモード、及びステアリングの回転に伴い前輪と後輪とが同方向に向きが変わるモード等を含む。尚、作業機は、前輪と後輪だけでなく、前輪と後輪との間に車輪(中間輪)を有してもよい。この場合には、ステアリングモードは、前輪、中間輪、及び後輪を含めたモードであってよい。
記憶部23は、ステアリングの操舵角と、各ステアリングモードにおけるタイヤの回転角との関係を、例えば、テーブルとして記憶してもよい。
又、作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、移動式クレーンの構成部材(例えば、走行車体、旋回台、ブーム、ジブ、及びタイヤ)の寸法に関する情報を含んでもよい。作業機が移動式クレーンの場合の諸元データは、この諸元データに基づいて、移動式クレーンが取り得る姿勢を算出できるようなデータであると好ましい。尚、諸元データは、上述の例に限定されない。
記憶部23は、サーバ側第一記憶部、サーバ側第二記憶部、及びサーバ側第三記憶部の一例に該当する。記憶部23は、作業機の機種情報及び作業機の動作の種類と対応付けて、作業機の単位動作当たりの燃費である燃費基本情報を記憶している。燃費基本情報は、荷物の重量と対応付けられていてもよい。
ここで、作業機がクレーンの場合、作業機の動作の種類とは、荷物を搬送する際にクレーンが実施する動作を意味する。具体的には、作業機がクレーンの場合、作業機の動作の種類は、ブームの旋回動作、ブームの起伏動作(起仰動作又は倒伏動作)、ブームの伸縮動作(伸長動作又は収縮動作)、ジブの起伏動作(起仰動作又は倒伏動作)、ウインチの巻き取り動作、及びウインチの繰り出し動作等である。ただし、作業機の動作の種類は、これらの動作に限定されない。
動作の種類がブームの旋回動作の場合、単位動作は、例えば、旋回角度が1度である旋回動作を意味する。よって、動作の種類がブームの旋回動作の場合、燃費基本情報は、旋回角度が1度である旋回動作における作業機の燃費を意味する。
動作の種類がブームの起仰動作の場合、単位動作は、ブームの起仰角度が1度である起仰動作を意味する。よって、動作の種類がブームの起仰動作の場合、燃費基本情報は、ブームの起仰角度が1度である起仰動作における作業機の燃費を意味する。
記憶部23は、作業機における騒音の発生源の位置に関する情報及び騒音の分布に関する情報を、作業機の機種情報と対応付けて記憶している。記憶部23は、作業機の機種情報と対応付けて、作業者から、例えば、単位時間(1分)に排出される排気ガスの流量を記憶してもよい。騒音の発生源の位置に関する情報は、例えば、作業機における基準位置(例えば、作業機の重心位置)に対する、騒音の発生源の座標であってよい。この基準位置は、作業機の重心位置に限定されず、作業機における他の部分であってもよい。
騒音の分布に関する情報は、クライアント端末T(BIMアプリケーションA又は支援モジュールM)において、騒音の分布画像を生成可能な情報である。騒音の分布に関する情報は、例えば、数式であってもよい。
又、作業機における騒音の発生源の位置に関する情報及び騒音の分布に関する情報を、騒音基本情報と称する。騒音の分布に関する情報は、例えば、作業機のエンジンの回転数が最大である場合の騒音の分布であってよい。
又、記憶部23は、作業機における排気ガスの発生源の位置に関する情報及び排気ガスの分布に関する情報を、作業機の機種と対応付けて記憶している。排気ガスの発生源の位置に関する情報は、例えば、作業機における基準位置(例えば、作業機の重心位置)に対する、排気ガスの発生源の座標であってよい。この基準位置は、作業機の重心位置に限定されず、作業機における他の部分であってもよい。
又、排気ガスの分布に関する情報は、クライアント端末T(BIMアプリケーションA又は支援モジュールM)において、排気ガスの分布画像を生成可能な情報である。排気ガスの分布に関する情報は、例えば、数式であってもよい。
作業機における排気ガスの発生源の位置に関する情報及び排気ガスの分布に関する情報を、排気ガス基本情報と称する。排気ガスの分布に関する情報は、例えば、作業機のエンジンの回転数が最大である場合の排気ガスの分布であってよい。
(制御部)
制御部22は、リクエスト取得部221、演算部222、及びレスポンス発行部223等を有する。
(リクエスト取得部)
リクエスト取得部221は、通信部21から取得したリクエストの解析を行う。本実施形態の場合、リクエストは、HTTPSプロトコルのHTTPメッセージの形式である。リクエストで使用されているHTTPメソッドは、GETメソッドである。リクエスト取得部221は、リクエスト取得機能部の一例に該当する。
具体的には、リクエスト取得部221は、リクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。パラメータは、性能情報要求に対応するパラメータであって、上記表1に示す機種情報、姿勢条件、作業状態情報、構成部材情報、荷物荷重情報、経路情報、及びその他の情報等のうちの少なくとも一つの情報である。
リクエストからパラメータを抽出する方法の一例について説明する。リクエストに含まれるパラメータが、リクエストに含まれる性能情報要求で指定された性能情報の演算に必要なパラメータのみの場合には、リクエスト取得部221は、リクエストに含まれるパラメータを総て抽出する。
リクエストから姿勢条件を抽出する方法の別例について説明する。リクエストに含まれるパラメータが、予め決められた種類のパラメータである場合には、リクエスト取得部221は、リクエストに含まれるパラメータのうち、リクエストに含まれる性能情報要求で指定された性能情報の演算に必要なパラメータを選択して抽出する。
尚、性能情報要求は、下記表2のA列の各項目に対応する。表2のB列は、リクエストに含まれるパラメータ(例えば、上記表1に示す機種情報、姿勢条件、作業状態情報、構成部材情報、荷物情報、経路情報、及びその他の情報)を示している。
表2の説明において、表2中の項目を参照する場合に、列番号A~Cと行番号1~10とを用いる。例えば、表2のA列1行の項目は、表2のA-1と記載される。ジブを使用しない作業状態の場合には、ジブに関する情報は、省略されてよい。
又、例えば、固定長のジブを使用する場合には、ジブの長さをパラメータに含めてもよいし、含めなくてもよい。ジブの長さをパラメータに含めない場合には、諸元データに含まれるジブの長さを、後述の演算に使用してよい。
又、リクエスト取得部221は、リクエストが機種情報要求を含む場合、リクエストからパラメータ(搬送条件)を抽出する。又、リクエスト取得部221は、リクエストが機種情報要求を含む場合、リクエストから機種条件をパラメータとして抽出してもよい。
又、リクエスト取得部221は、リクエストが環境負荷情報要求を含む場合、リクエストからパラメータ(機種情報及び搬送条件)を抽出する。
又、リクエスト取得部221は、リクエストが移動経路情報要求を含む場合、リクエストからパラメータ(機種情報及び移動条件)を抽出する。
リクエスト取得部221は、リクエストから抽出した情報を演算部222に送る。尚、リクエスト取得部221の処理は、後述の演算部222により実施されてもよい。
(演算部)
演算部222は、リクエスト取得部221から取得した情報と、記憶部23から取得した情報とに基づいて、リクエストに含まれる性能情報要求で指定される性能情報を演算する。
演算部222は、リクエストに含まれる情報に基づいて、演算に使用する演算式を選定する。そして、演算部222は、選定した演算式を記憶部23から取得する。
演算式の選定方法の一例として、演算部222は、リクエストに含まれる性能情報要求に基づいて、演算に使用する演算式を選定する。
演算式の選定方法の一例として、演算部222は、リクエストに含まれる性能情報要求、及び、リクエストに含まれる性能情報要求以外の情報に基づいて、演算に使用する演算式を選定する。性能情報要求以外の情報は、例えば、機種情報、姿勢条件、作業状態情報、及び/又は構成部材情報(構成部材の種類情報)を含む。
演算部222は、リクエストに含まれる情報に基づいて、演算に使用する作業機の諸元データを選定する。そして、演算部222は、選定した諸元データを記憶部23から取得する。
諸元データの選定方法の一例として、演算部222は、リクエストに含まれる機種情報に基づいて、演算に使用する作業機の諸元データを選定する。
諸元データの選定方法の一例として、演算部222は、リクエストに含まれる機種情報、及びリクエストに含まれる機種情報以外の情報(例えば、性能情報要求及び/又は姿勢条件)に基づいて、演算に使用する作業機の諸元データを選定する。
(第一の演算について)
演算部222が行う演算の一例として、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及びパラメータ(機種情報及び姿勢条件等)と、記憶部23から取得した演算式及び諸元データとに基づいて、性能情報要求で指定される性能情報を演算する。
このような演算は、第一の演算と称される。本明細書全体において、第一の演算は、記憶部23に記憶された性能データ(性能データ表)を使用しない演算を意味する。
(第二の演算について)
又、演算部222が行う演算の一例として、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及びパラメータ(機種情報及び姿勢条件等)と、記憶部23から取得した演算式、性能データ表、及び諸元データとに基づいて、性能情報要求で指定される性能情報を演算する。
このような演算は、第二の演算や補間演算と称される。本明細書全体において、第二の演算及び補間演算は、記憶部23に記憶された性能データ(性能データ表)を使用する演算を意味する。
尚、本明細書全体において、補間演算は、性能データ表のデータ間の性能データ(例えば、定格総荷重)を補間する演算を意味することもある。このような補間演算は、例えば、線形補間等の補間方法により行われる。このような補間演算は、作業機メーカー各社の独自のノウハウに基づく補間方法により行われる。演算部222は、演算結果を、レスポンス発行部223に送る。
(第三の演算について)
以下、演算部222が実施する第三の演算について説明する。第三の演算は、クライアント端末Tからのリクエストに応じて、作業機の機種情報を取得するためのものである。演算部222は、第三の演算において、仮想的な空間(以下、「仮想空間」と称する。)を設定し、この仮想空間において搬送のシミュレーション(演算)を実施する。そして、リクエストに含まれた搬送条件のもとで荷物の搬送に必要な性能を有する作業機を選択する。
ここでリクエストに含まれる搬送条件とは、少なくとも、作業機が搬送する荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報である。
先ず、演算部222は、仮想空間において、仮想配置位置、搬送元の仮想位置、及び搬送先の仮想位置を設定する。ここで、仮想配置位置は、リクエストに含まれた作業機の配置位置に関する情報が示す位置に対応する。又、搬送元の仮想位置は、リクエストに含まれた荷物の搬送元の位置に関する情報が示す位置に対応する。又、搬送先の仮想位置は、リクエストに含まれた荷物の搬送先の位置に関する情報が示す位置に対応する。
そして、演算部222は、仮想空間において、仮想配置位置に作業機を配置した場合に、この作業機が、荷物を、搬送元の仮想位置から搬送先の仮想位置まで搬送できる性能を有するか否かを判定する。尚、この荷物の重量は、リクエストに含まれる荷物の重量に関する情報が示す重量である。
具体的には、先ず、演算部222は、記憶部23に記憶された機種情報(作業機)の中から、一つの作業機を選択する。そして、選択した作業機を、仮想空間における仮想配置位置に配置する。尚、リクエストに含まれる機種条件に作業機の種類に関する条件が含まれる場合、演算部222は、この作業機の種類に関する条件を満たす作業機のみ選択する。
次に、演算部222は、選択した作業機の諸元データを記憶部23から取得する。そして、演算部222は、取得した諸元データに基づいて、仮想空間における搬送元の仮想位置から搬送先の仮想位置まで荷物を搬送する際の作業機の姿勢を決定する。
作業機の姿勢は、搬送が進むに従い変化する。リクエストが搬送経路に関する情報を含まない場合、演算部222は、搬送元の仮想位置から搬送先の仮想位置までの搬送経路を設定してよい。演算部222は、決定した作業機の姿勢毎に、この作業機の姿勢に対応する性能データ(定格総荷重)を取得する。性能データの取得方法は、上述の第一の演算又は第二の演算であってよい。
そして、演算部222は、取得した性能データ(定格総荷重)と荷物の重量とを比較する。演算部222は、取得した総ての姿勢に対応する性能データ(定格総荷重)が、荷物の重量以上の場合、選択した作業機が荷物の搬送のための所望の性能を有すると判定する。
又、リクエストに安全率の閾値が含まれている場合、演算部222は、取得した性能データ(定格総荷重)を荷物の重量で除算した値が、この安全率以上の場合に、選択した作業機が荷物の搬送のための所望の性能を有すると判定する。
又、リクエストに搬送経路に関する情報が含まれている場合、演算部222は、仮想空間において仮想搬送経路を設定してもよい。この仮想搬送経路は、リクエストに含まれた搬送経路に関する情報が示す搬送経路に対応する。
次に、演算部222は、搬送元の仮想位置から搬送先の仮想位置まで、仮想搬送経路を通って荷物を搬送する際の作業機の姿勢(搬送中の作業機の姿勢条件とも称する。)を決定する。そして、演算部222は、決定した作業機の姿勢毎に、この作業機の姿勢に対応する性能データ(定格総荷重)を求める。
演算部222は、このような処理を繰り返すことにより、リクエストに含まれた搬送条件下において荷物の搬送に必要な性能を有する作業機を選択する。尚、演算部222により決定された搬送中の作業機の姿勢条件は、機種情報と対応付けて、レスポンスに含まれてもよい。つまり、サーバは、搬送中の作業機の姿勢条件を、機種情報と対応付けて、クライアント端末Tに提示してもよい。
又、リクエストに建築物の画像に関する情報が含まれる場合、演算部222は、仮想空間にこの建築物の画像を配置する。そして、演算部222は、搬送元の仮想位置から搬送先の仮想位置まで、荷物を搬送する際の作業機と建築物との干渉の有無を判定する。
演算部222は、作業機が、建築物と干渉することなく、荷物の搬送を行うことができる場合、この作業機が荷物の搬送のための所望の性能を有すると判定する。
(レスポンス発行部)
レスポンス発行部223は、レスポンス提示部の一例に該当し、演算部222から取得した演算結果を含む、レスポンスを生成する。レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。
レスポンスは、例えば、HTTPSプロトコルのレスポンスメッセージの形式である。レスポンスのメッセージボディーには、演算結果が記載される。
ここで、図6Aを参照しつつ、演算部222が行う演算の一例について、クライアント端末TとサーバS1との間のデータの流れに着目して説明する。図6Aは、クライアント端末TがサーバS1から性能情報を取得する場合の、クライアント端末TとサーバS1との間におけるデータの流れの一例を簡易的に示す図である。
図6Aに示すように、先ず、クライアント端末Tは、リクエスト31をサーバS1に送信する。リクエスト31は、サーバS1を特定するためのサーバ特定情報32、性能情報要求33、及びパラメータ34を含む。パラメータ34は、例えば、機種情報、姿勢条件、作業状態情報、構成部材情報、荷物荷重情報、経路情報、及びその他の情報のうちの少なくとも一つを含む。尚、パラメータ34は、少なくとも、性能情報要求33で指定される性能情報の演算に必要な情報を含めばよい。
サーバS1は、クライアント端末Tから取得したリクエスト31に含まれるパラメータ34、サーバS1の記憶部23から取得した演算式35、性能データ表24(図5参照)、及び諸元データ36に基づいて、リクエスト31に含まれる性能情報要求33で指定される性能情報を演算する。
具体的には、サーバS1の演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求33、及びパラメータ34に含まれる機種情報に対応する演算式35を記憶部23から取得する。
又、演算部222は、リクエスト取得部221から取得したパラメータ34(機種情報、姿勢条件、及び/又は作業状態)に対応する性能データ表24(図5参照)を記憶部23から取得する。この際、演算部222は、取得したパラメータ34(機種情報、姿勢条件、及び/又は作業状態)に対応する複数の性能データ表を記憶部23から取得する。性能データ表24は、性能情報テーブルの一例に該当する。
更に、演算部222は、取得したパラメータ34の機種情報によって特定される作業機に対応する諸元データ36を、記憶部23から取得する。
そして、演算部222は、クライアント端末Tから取得したパラメータ34と、記憶部23から取得した演算式35、性能データ表24、及び諸元データ36とに基づいて、クライアント端末Tから取得した性能情報要求33で指定される性能情報37を演算する。
そして、サーバS1は、演算結果(性能情報37)を含むレスポンス38をクライアント端末Tに送信する。レスポンス38には、性能情報37とともに、クライアント端末Tを特定する端末特定情報が含まれる。
演算部222は、作業機の実機に搭載された演算部とほぼ同精度の演算を行うことができる。換言すれば、演算部222が演算に使用する演算式、性能データ表、及び諸元データは、作業機の実機に搭載された演算部が演算に使用する演算式、性能データ表、及び諸元データと同様である。
尚、作業機の実機では、アウトリガのジャッキ反力は、ジャッキ反力検出手段の検出値である。一方、本実施形態においては、アウトリガのジャッキ反力は、シミュレーション演算により求める。
又、図6Bは、クライアント端末TがサーバS1から機種情報を取得する場合の、クライアント端末TとサーバS1との間におけるデータの流れの一例を簡易的に示す図である。
図6Bに示すように、先ず、クライアント端末Tは、リクエスト31aをサーバS1に送信する。リクエスト31aは、サーバS1を特定するためのサーバ特定情報32、機種情報要求33a、及びパラメータ34aを含む。パラメータ34aは、例えば、作業機が搬送する荷物の重量、荷物の搬送元の位置、荷物の搬送先の位置、及び作業機の配置位置に関する情報等の搬送条件を含む。尚、パラメータ34aは、少なくとも、サーバS1において、機種情報を選択するための演算に必要な情報を含めばよい。
サーバS1は、クライアント端末Tから取得したリクエスト31aに含まれるパラメータ34a、サーバS1の記憶部23から取得した諸元データ36に基づいて、リクエスト31aに含まれる搬送条件のもと荷物の搬送に必要な性能を有する作業機の機種情報を取得する。尚、サーバS1は、機種情報の取得に、記述の第三の演算を使用する場合には、記憶部23から取得した演算式35や性能データ表24(図5参照)を使用してもよい。
そして、サーバS1は、演算結果(機種情報37a)を含むレスポンス38aをクライアント端末Tに送信する。レスポンス38aには、機種情報37aとともに、クライアント端末Tを特定する端末特定情報が含まれる。
又、図6Cは、クライアント端末TがサーバS1から環境負荷情報を取得する場合の、クライアント端末TとサーバS1との間におけるデータの流れの一例を簡易的に示す図である。
図6Cに示すように、先ず、クライアント端末Tは、リクエスト31bをサーバS1に送信する。リクエスト31bは、サーバS1を特定するためのサーバ特定情報32、環境負荷情報要求33b、及びパラメータ34bを含む。
パラメータ34bは、例えば、作業機の機種情報、荷物の重量に関する情報、荷物の搬送元の位置に関する情報、荷物の搬送先の位置に関する情報、及び作業機の配置位置に関する情報等の搬送条件を含む。尚、パラメータ34bは、少なくとも、環境負荷情報要求33bで指定された環境負荷情報(例えば、燃費情報、騒音情報、又は排気ガス情報)の演算に必要な情報を含めばよい。
サーバS1は、クライアント端末Tから取得したリクエスト31bに含まれるパラメータ34b、サーバS1の記憶部23から取得した情報(燃費基本情報、騒音基本情報、又は排気ガス基本情報)に基づいて、リクエスト31に含まれる環境負荷情報要求33bで指定される環境負荷情報(燃費情報、騒音情報、又は排気ガス情報)を取得する。
サーバS1が燃費情報を取得する場合、具体的には、サーバS1の演算部222は、リクエスト取得部221から取得したパラメータ34bに含まれる機種情報に対応する燃費基本情報を取得する。
次に、演算部222は、パラメータ34bに含まれる搬送条件下において荷物を搬送した場合の作業機の動作を取得する。具体的には、作業機が荷物を搬送元から搬送先に搬送する際に実施する動作を取得する。ここで取得する動作は、例えば、搬送元と搬送先との間を1往復する際の作業機の動作(以下、1往復の動作と称する。)である。
次に、演算部222は、取得した1往復の動作と、記憶部から取得した燃費基本情報とに基づいて、1往復の動作における作業機の燃費(以下、「1往復の燃費」と称する。)を取得する。そして、演算部222は、取得した1往復の燃費に、リクエストに含まれる搬送回数を乗算することにより、搬送作業全体の燃費を取得する。
又、サーバS1が騒音情報を取得する場合、具体的には、サーバS1の演算部222は、リクエスト取得部221から取得したパラメータ34bに含まれる機種情報に対応する騒音基本情報を取得する。
次に、演算部222は、パラメータ34bに含まれる搬送条件(機種情報)と、記憶部から取得した騒音基本情報とに基づいて、機種情報により指定された作業機における騒音の発生源の位置に関する情報及び騒音の分布に関する情報を取得する。
又、サーバS1が排気ガス情報を取得する場合、具体的には、サーバS1の演算部222は、リクエスト取得部221から取得したパラメータ34bに含まれる機種情報に対応する排気ガス基本情報を取得する。
次に、演算部222は、パラメータ34bに含まれる搬送条件(機種情報)と、記憶部から取得した排気ガス基本情報とに基づいて、機種情報により指定された作業機における排気ガスの発生源の位置に関する情報及び騒音の分布に関する情報を取得する。
そして、サーバS1は、演算結果(環境負荷情報37b)を含むレスポンス38bをクライアント端末Tに送信する。レスポンス38bには、環境負荷情報37bとともに、クライアント端末Tを特定する端末特定情報が含まれる。
又、図6Dは、クライアント端末TがサーバS1から移動情報を取得する場合の、クライアント端末TとサーバS1との間におけるデータの流れの一例を簡易的に示す図である。
図6Dに示すように、先ず、クライアント端末Tは、リクエスト31cをサーバS1に送信する。リクエスト31cは、サーバS1を特定するためのサーバ特定情報32、移動経路情報要求33c、及びパラメータ34cを含む。
パラメータ34cは、例えば、作業機の機種情報及び移動条件を含む。尚、パラメータ34cは、少なくとも、移動経路に関する情報(作業機の移動後の位置に関する情報及び作業機の移動後の方向に関する情報)の演算に必要な情報を含めばよい。
サーバS1は、クライアント端末Tから取得したリクエスト31bに含まれるパラメータ34c、サーバS1の記憶部23から取得した諸元データに基づいて、リクエスト31に含まれる移動経路情報要求33cで指定される移動経路に関する情報を取得する。
ここで、サーバS1が移動経路に関する情報を取得する方法の一例について説明する。サーバS1の演算部222は、リクエスト取得部221から取得したパラメータ34cに含まれる機種情報に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
次に、演算部222は、取得した諸元データに基づいて、パラメータ34cに含まれる移動条件下において作業機が移動した場合の、作業機の移動経路に関する情報(例えば、作業機の移動後の位置に関する情報及び作業機の移動後の方向に関する情報)を取得する。
具体的には、演算部222は、移動条件に含まれる作業機の移動距離に関する情報、作業機の移動方向に関する情報、及び作業機の操舵量に関する情報に基づいて、作業機の移動経路に関する情報(例えば、移動後の位置及び作業機の移動後の方向)を取得する。
以下、作業機の移動距離に関する情報により指定された移動距離を、指定移動距離と称する。又、作業機の移動方向に関する情報により指定された移動方向を、指定移動方向と称する。又、作業機の操舵量に関する情報により指定された操舵量を、指定操舵量と称する。
作業機がステアリングモードを有する機種の場合には、演算部222は、作業機の移動距離に関する情報、作業機の移動方向に関する情報、作業機の操舵量に関する情報、及び作業機のステアリングモードに関する情報に基づいて、作業機の移動経路に関する情報(作業機の移動後の位置及び作業機の移動後の方向)を取得する。作業機のステアリングモードに関する情報により指定されたステアリングモードを、指定ステアリングモードと称する。
ステアリングの操舵量がゼロの場合、作業機は、パラメータ34cで指定された移動方向にパラメータ34cで指定された移動距離進む。一方、ステアリングの操舵量がゼロでない場合、作業機は、ステアリングの操舵量に応じた方向に曲がりながら進む。
ステアリングの操舵量がゼロでない場合、演算部222は、諸元データ、指定操舵量、及び指定ステアリングモードに基づいて、作業機の回転半径を取得する。回転半径の求め方は、従来から知られている方法であってよい。尚、回転半径は、ステアリングの操舵量に対する各車輪の切れ角に応じて変わる。このため、ステアリングの操舵量が同じであっても、ステアリングモードが異なれば、回転半径は異なる。
ステアリングモードを備えていない作業機の場合には、演算部222は、諸元データ及び指定操舵量に基づいて、作業機の回転半径を取得すればよい。
演算部222は、取得した回転半径に基づいて、作業機が指定移動方向に指定移動距離進んだ場合の、作業機の基準部分(例えば、重心)の位置を取得する。作業機の基準部分(例えば、重心)は、この基準部分を通り且つ回転半径を中心とした円上を、移動する。
演算部222は、作業機において回転半径が最も小さい部分の最小回転半径を取得してもよい。作業機において回転半径が最も小さい部分は、例えば、回転中心に近い側の作業機の側面である。又、演算部222は、作業機において回転半径が最も大きい部分の最大回転半径を取得してもよい。
作業機がクレーンの場合、作業機において回転半径が最も大きい部分は、例えば、ブームの先端部である。このような最小回転半径に関する情報及び最大回転半径に関する情報も、移動経路に関する情報の一例に該当する。
作業機の移動後の位置は、作業機の基準位置(例えば、重心位置)の移動後の位置であってよい。作業機の移動後の位置は、作業機の移動前の位置に対する変化量(移動量)であってよい。又、作業機の移動後の方向は、作業機の移動前の方向に対する変化量(回転量)であってよい。
作業機の移動後の位置は、作業機の移動後の位置の座標であってもよい。この場合、パラメータ34cは、演算部222が作業機の移動後の位置の座標を取得するために必要な情報を含んでいると好ましい。又、作業機の移動後の方向は、作業機の移動後の方向(方位)であってもよい。この場合、パラメータ34cは、演算部222が作業機の移動後の位置の方向を取得するために必要な情報を含んでいると好ましい。
そして、サーバS1は、演算結果(移動経路に関する情報37c)を含むレスポンス38cをクライアント端末Tに送信する。レスポンス38cには、移動経路に関する情報37cとともに、クライアント端末Tを特定する端末特定情報が含まれる。
(サーバのハードウェア構成例)
図4に示すように、サーバS1はそれぞれ、ハードウェア構成に着目した場合、プロセッサ2001、メモリ2002、及びストレージ2003等を備える。又、サーバS1は、通信IF2004、及び電源回路2005等を備える。更に、サーバS1は、入力装置(不図示)及び出力装置(不図示)等を備えてもよい。これらのエレメント2001~2005は、例えば、バス2006によって接続されている。
プロセッサ2001は、サーバS1の動作を制御する。プロセッサ2001は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。プロセッサ2001には、例えば、CPU、MPU、及びGPUの少なくとも1つが用いられる。
メモリ2002は、プロセッサ2001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報等を記憶している。メモリ2002には、RAM及びROMが含まれる。RAMは、プロセッサ2001のワークメモリに用いられる。
ストレージ2003は、プロセッサ2001によって実行されるプログラムを記憶する。又、ストレージ2003は、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報等を記憶する。ストレージ2003は、既述の演算式、性能データ表、及び諸元データを記憶する。
ストレージ2003は、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)といった半導体ドライブ装置を含む。半導体ドライブ装置の追加で又は代替で、フラッシュメモリのような不揮発性メモリが、ストレージ2003に含まれてもよい。
メモリ2002及びストレージ2003が、図2の記憶部23に該当すると捉えてよい。
サーバS1の機能を実現するプログラム(以下、「性能情報演算プログラム」と称する。)を成すプログラムコードの全部又は一部は、メモリ2002及び/又はストレージ2003に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部に組み込まれてもよい。
プログラム及び/又はデータは、プロセッサ2001による読み取りが可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD-ROM,CD-R,CD-RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、及びポータブルハードディスク等が上げられる。又、USBメモリ等の半導体メモリも記録媒体の一例である。
通信IF2004は、図2の通信部21に該当し、ネットワークNと通信するためのインタフェースである。通信IF2004は、ネットワークNとの有線通信のための有線インタフェースを備える。
プロセッサ2001が、記憶部23に記憶された性能情報演算プログラムを読み出して実行することにより、サーバS1は、性能情報演算サーバ装置の一例として機能する。
例えば、プロセッサ2001が性能情報演算プログラムを実行することによって、図2に例示した制御部22及び制御部22の各エレメント221~223が具現される。
電源回路2005は、例えば図4に示した各エレメント2001~2004が動作するための電力を各エレメント2001~2004に供給する。
尚、サーバS2~S4の機能構成及びハードウェア構成は、サーバS1の機能構成及びハードウェア構成と同等でよい。
(サーバで行われる演算例)
ここで、サーバS1の演算部222で行われる性能情報の演算の一例について、上記表2を参照しつつ簡単に説明する。
演算部222は、性能情報要求が、定格総荷重の表示要求(表2のA-1参照)、モーメント負荷率の表示要求(表2のA-2参照)、最大モーメント負荷率における定格総荷重の表示要求(表2のA-3参照)、及びブーム最大倒伏角及び作業半径の表示要求(表2のA-4参照)の場合には、各性能情報の値を演算により求める。
尚、定格総荷重を演算するための演算式、モーメント負荷率を演算するための演算式、ブーム最大倒伏角を演算するための演算式、及び作業半径を演算するための演算式は、記憶部23に記憶されている。
又、演算部222は、例えば、性能情報要求が、ブームの変形画像及びジブの変形画像の表示要求(表2のA-5参照)の場合には、ブームの変形画像情報及びジブの変形画像情報を演算により求める。これらの変形画像情報は、変形画像処理部177による、変形画像の生成に用いられる。ブームの変形画像情報及びジブの変形画像情報は、例えば、ブーム又はジブの変形画像を描画するための数値データである。演算部222は、画像用演算式を用いて、上記数値データを算出する。
又、演算部222は、性能情報要求が、領域画像の表示要求(表2のA-6参照)の場合には、領域画像情報を演算により求める。領域画像情報は、領域画像処理部176による、領域画像の生成に用いられる。
更に、性能情報要求が作業機の姿勢条件、モーメント負荷率、及び作業可否の表示要求(表2のA-7参照)の場合には、演算部222は、例えば、ブーム起伏角やブーム長さ等の作業機の姿勢条件、モーメント負荷率、及び作業可否の判定結果を演算で求める。
<BIM支援システムの動作例>
以下、BIM支援システムBSの動作例について、説明する。
(動作例1)
図7A及び図8A~図8Bを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。図7Aは、表示部12に表示された作業機(クレーン)の定格総荷重を、表示部12に表示させる場合(表2のA-1参照)の、BIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。
動作例1において、オペレータは、表示部12に表示された作業機画像の姿勢を決定した後、サーバS1~S4から選定した一つのサーバに対して、作業機画像の姿勢に対応する定格総荷重を要求する。このように、オペレータは、作業機画像の姿勢を変更した場合に、サーバに対して定格総荷重を要求する。
オペレータは、サーバから取得した定格総荷重と搬送予定の荷物の重量とを比較することにより、オペレータにより決定された姿勢において、クレーンが上記荷物を搬送目的位置まで搬送できるか否かを判定できる。以下、本動作例におけるBIM支援システムBSの動作について説明する。
図7AのステップS100において、表示部12には、図8Aに示す建築物画像G1のみが表示されている。つまり、ステップS100において、図8Aに示す作業機画像G2は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1は、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS100において、オペレータは、表示部12に作業機画像G2を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。
ステップS100において、入力部11が作業機画像の表示指示を受け付けると、BIM制御部161は、作業機画像の表示指示に含まれる機種情報で特定される作業機画像G2を表示部12に表示させる。
ステップS100において、BIM制御部161は、作業機画像G2を、第二記憶部142から取得する。具体的には、BIM制御部161は、作業機画像の表示指示に含まれる機種情報に対応する作業機画像を、第二記憶部142から取得する。第二記憶部142から取得した作業機画像の姿勢は、作業機画像の基本姿勢である。
ここで、ステップS100におけるオペレータの操作の一例について説明する。ステップS100において、オペレータは、所望の作業機に関する作業機画像G2を表示部12に表示するために、BIMアプリケーションAを操作する。
オペレータがステップS100における操作を実行する前に状態において、表示部12には、建築物画像G1が表示されており、作業機画像G2は、表示されていない。表示部12にはBIMアプリケーションAのウインドウが表示されており、このウインドウの上部には、BIMアプリケーションAのツールバー4(図7B参照)が表示されている。ツールバー4は、BIMアプリケーションAを操作するためのアイコン等を含む。
図7Bは、BIMアプリケーションAのツールバー4の一部を示す図である。ツールバー4は、図7Bに示すタブ及びアイコン以外に、種々のタブ、アイコン、及びボタン等を備えてよい。
先ず、オペレータは、表示部12に表示させる作業機の機種を選定する。具体的には、オペレータは、図7Bに示すツールバー4のうちのクレーン配置に関するアイコン41aを選択する。アイコン41aは、オペレータが所望のクレーンを選択するために操作するアイコンである。
すると、BIMアプリケーションAは、図7Cに示すようなクレーン選択画面42を、表示部12に表示する。クレーン選択画面42は、「簡易モード」と「詳細モード」とを選択するモード選択部42aを有する。図7Cには、簡易モードのクレーン選択画面が示されている。詳細モードのクレーン選択画面(不図示)についての説明は省略するが、詳細モードのクレーン選択画面は、簡易モードのクレーン選択画面よりも詳細なクレーンの設定の入力を、オペレータから受け付けることができる。
クレーン選択画面42は、条件入力部43を有する。条件入力部43は、クレーンの条件に関する入力を、オペレータから受け付ける。
条件選択部43は、クレーンタイプを選択するための第一選択部43a、クレーンメーカーを選択するための第二選択部43b、及びジブタイプを選択するための第三選択部43cを有する。
又、条件選択部43は、最大揚重量を選択するための第四選択部43d、最大地上揚程を選択するための第五選択部43e、及び、最大作業半径を選択するための第六選択部43fを有する。
又、条件選択部43は、最大ブーム長さを選択するための第七選択部43g、カウンタウエイトの重量を選択するための第八選択部43h、及びフックの重量を選択するための第九選択部43iを有する。
オペレータは、条件選択部43のうちの任意の選択部に所望のクレーンに関する条件を入力する。図7Dは、オペレータがクレーンタイプの条件を選択する際の、第一選択部43aの表示態様を示す図である。第一選択部43aは、プルダウンタイプの選択部である。オペレータは、第一選択部43aに表示された複数のクレーンのタイプから、所望のクレーンタイプを選択する。
クレーンタイプは、例えば、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、カーゴクレーン、及びタワークレーン等である。
又、図7Eは、オペレータがクレーンメーカーの条件を選択する際の、第二選択部43bの表示態様を示す図である。第二選択部43bは、プルダウンタイプの選択部である。オペレータは、第二選択部43bに表示された複数のクレーンメーカーから、所望のクレーンメーカーを選択する。
オペレータによるクレーンの条件の選択が終わると、クレーン選択画面42の一覧表示部44に、条件選択部43で選択されたクレーンの条件を満たすクレーンが表示される。オペレータは、一覧表示部44に表示されたクレーンの中から、所望のクレーンを選択する。オペレータがクレーンを選択すると、表示部12に、選択されたクレーンの作業機画像G2が表示される。
ステップS101において、オペレータは、表示部12に表示された作業機画像G2における作業機の姿勢を決定するために、入力部11から姿勢条件を入力する。オペレータは、例えば、作業機画像G2の表示部12に表示されたクレーン調整画面45(後述)から、作業機画像G2の姿勢条件を入力する。又、オペレータは、作業機画像G2をドラッグ操作することにより、作業機画像G2における作業機の姿勢を決定してもよい。ステップS101においてオペレータが行う操作は、姿勢決定操作と称される。
ステップS101において、オペレータは、作業機画像G2における作業機の姿勢条件のうち、決定していない姿勢条件がある場合には、この決定していない姿勢条件に対応する姿勢条件(例えば、ブーム起伏角)の入力を省略してよい。以下、上記決定していない姿勢条件を、単に「未決定姿勢条件」と称する。本動作例では、未決定姿勢条件がない場合について説明する。
ステップS101において、入力部11が姿勢決定操作の入力を受け付けると、BIM制御部161は、姿勢決定操作を表示部12の作業機画像G2に反映する。すると、表示部12には、図8Bに示されるように、図8Aに示す作業機画像G2から姿勢が変更された作業機画像G21が表示される。
ステップS101において、入力部11は、例えば、ブーム起伏角、ブーム長さ、ブーム旋回角、ジブ起伏角、ジブ長さ、及びアウトリガ張出幅等のうち少なくとも一つの姿勢条件の入力を受け付ける。図8Bに示す作業機画像G21は、図8Aに示す作業機画像G2に、ステップS101において入力部11が受け付けた姿勢条件を反映させた画像である。
ここで、ステップS101におけるオペレータの操作の一例について説明する。上述のステップS100の処理の後、表示部12に表示された作業機画像G2の姿勢は、基本姿勢である(図8A参照)。作業機画像G2がクレーンの画像の場合、クレーンの基本姿勢において、ブームは全倒伏状態且つ全縮状態である。又、クレーンの基本姿勢において、ブームの旋回角度はゼロであり、アウトリガの張出幅はゼロである。
ステップS101において、オペレータは、表示部12に表示された作業機画像G2の姿勢を決定するために、BIMアプリケーションAを操作する。ステップS101においてオペレータは、例えば、ブームの旋回角度、ブームの起伏角度、ブームの伸縮長さ、及びアウトリガの張出幅等を決定する。
具体的には、オペレータは、図7Bに示すツールバー4のうちの配置済みクレーン調整に関するアイコン41bを選択する。アイコン41bは、表示部12に表示された作業機画像の姿勢を決定するために操作するアイコンである。
すると、BIMアプリケーションAは、図7Fに示すようなクレーン調整画面45を、表示部12に表示する。クレーン調整画面45は、姿勢調整部46を有する。姿勢調整部46は、クレーンの姿勢に関する入力を、オペレータから受け付ける。
姿勢調整部46は、第一調整部46a、第二調整部46b、第三調整部46c、及び第四調整部46dを有する。
第一調整部46aは、スライドバーであって、オペレータがクレーン(つまり、作業機画像G2)の角度を調整するための調整部である。クレーンの角度は、基準方向(例えば、表示部12における上方)に対するブームの中心軸の傾斜角度と定義される。
第二調整部46bは、スライドバーであって、オペレータが旋回台の角度(つまり、クレーンの旋回角度)を調整するための調整部である。
第三調整部46cは、スライドバーであって、オペレータがブーム長さを調整するための調整部である。第四調整部46dは、スライドバーであって、オペレータがブームの起伏角度を調整するための調整部である。
又、姿勢調整部46は、第一入力部46e、第二入力部46f、第三入力部46g、及び第四入力部46hを有する。
第一入力部46eは、第一調整部46aにより選択されたクレーンの角度を表示する。又、第一入力部46eは、オペレータから、クレーンの角度に関する直接入力を受け付ける。
第二入力部46fは、第二調整部46bにより選択されたクレーンの旋回角度を表示する。又、第二入力部46fは、オペレータから、クレーンの旋回角度に関する直接入力を受け付ける。
第三入力部46gは、第三調整部46cにより選択されたクレーンの旋回角度を表示する。又、第三入力部46gは、オペレータから、ブーム長さに関する直接入力を受け付ける。
第四入力部46hは、第四調整部46dにより選択されたブームの起伏角度を表示する。又、第四入力部46hは、オペレータから、ブームの起伏角度に関する直接入力を受け付ける。
ステップS101において、オペレータは、第一調整部46a、第二調整部46b、第三調整部46c、及び第四調整部46dを操作して、クレーンの姿勢条件を入力する。又、ステップS101において、オペレータは、第一入力部46e、第二入力部46f、第三入力部46g、及び第四入力部46hに、クレーンの姿勢条件を直接入力してもよい。
オペレータが、姿勢調整部46からクレーンの姿勢条件を入力すると、入力された姿勢条件は直ちに表示部12に表示された作業機画像G2に反映される。この結果、作業機画像G2は、作業機画像G21へと移行する(図8B参照)。
次に、ステップS102において、オペレータは、ステップS101において姿勢が決定された作業機画像G21の定格総荷重を求めるための操作を行う。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、定格総荷重の表示要求(性能情報要求)を入力する。
尚、表示部12に定格総荷重を表示するためのオペレータの操作は、ステップS102で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。つまり、本動作例において、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して定格総荷重の表示要求を入力すると、定格総荷重が自動的に表示部12に表示される。
尚、上述の例では、オペレータが、定格総荷重の表示要求を、入力部11を介して手動で入力している。但し、オペレータによる定格総荷重の表示要求の入力操作は、省略されてもよい。この場合には、ステップS101において、入力部11が姿勢決定操作の入力を受け付けると、BIM制御部161は、姿勢決定操作を表示部12の作業機画像G2に反映するとともに、定格総荷重の表示要求(性能情報要求)を情報取得部173に自動的に送る。BIM制御部161は、性能情報要求とともに、性能情報要求で指定される性能情報の演算に対応するパラメータを、情報取得部173に送る。
ステップS102において、性能情報要求を入力部11が受け付けると、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータ(機種情報、姿勢条件、作業状態情報、構成部材情報、及びその他の情報)を、BIM制御部161から取得する。
ステップS102において、情報取得部173は、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを、BIM制御部161から取得する。
ステップS102において、情報取得部173が、BIM制御部161から性能情報要求を受け取った場合も、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータを、BIM制御部161から取得してよい。
ステップS102において情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表3のB列に示すパラメータ(表2の1-Bに示すパラメータ)である。
具体的には、取得されたパラメータのうちの姿勢条件は、ブーム起伏角、ブーム長さ、ブーム旋回角、ジブ起伏角、及びジブ長さである。
取得されたパラメータのうちの作業状態情報は、アウトリガ状態(オンタイヤ作業状態又はアウトリガ状態)に関する情報を含む。又、取得されたパラメータのうちの作業状態情報は、ブーム・ジブ選択に関する情報(表1参照)を含む。
又、取得されたパラメータのうちの構成部材情報は、ブームに関する情報(例えば、ブームの種類)、ジブに関する情報(例えば、ジブの種類)、フックに関する情報(例えば、フックの種類)、ワイヤに関する情報(例えば、ワイヤ掛け数)、及びカウンタウエイトに関する情報(例えば、カウンタウエイトの重量)等のうち少なくとも一つの情報が含まれる。
尚、ステップS102において、情報取得部173が自動取得する情報は、表2の1-Bに記載された項目に関する情報である。そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS103において、リクエスト発行部174は、取得した機種情報で特定される作業機画像(つまり、図8Bの作業機画像G21)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
尚、ステップS103において生成されるリクエストは、HTTPSプロトコルのリクエストメッセージの形式である。このようなリクエストは、先頭から順に、URI、性能情報要求、及びパラメータを含む(上記式1参照)。
リクエストのうち、URIは、ステップS103において、第三記憶部143から取得したサーバ特定情報である。又、リクエストのうち、性能情報要求は、ステップS102においてオペレータから入力された、定格総荷重の表示要求である。更に、リクエストのうち、パラメータは、ステップS102において、情報取得部173が自動取得したパラメータである。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS104において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS105において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求、及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS106において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。ステップS106において演算部222が取得する演算式は、既述の補間演算を行うための補間演算式である。
ステップS107において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS108において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する性能データ表を記憶部23から取得する。この際、演算部222は、取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する複数の性能データ表を、記憶部23から取得してもよい。
尚、ステップS108において、演算部222は、姿勢条件及び/又は作業状態情報とともに、ステップS107において取得した諸元データに基づいて、性能データ表を記憶部23から取得してもよい。
ステップS109において、演算部222は、クライアント端末Tから取得したパラメータと、記憶部23から取得した演算式(補間演算式)、性能データ表、及び諸元データとに基づいて、定格総荷重を演算する。そして、演算部222は、演算結果をレスポンス発行部223に送る。
ステップS109において、演算部222は、リクエストに含まれるパラメータに対応する定格総荷重を、性能データ表から直接取得できる場合、ステップS109において、演算式(補間演算式)を使用しなくてよい。ただし、リクエストに含まれるパラメータに対応する定格総荷重を性能データ表から直接取得できない場合には、演算部222は、演算式(補間演算式)を使用して、既述の補間演算を行うことにより、定格総荷重を取得する。
ステップS110において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した演算結果に基づいて、レスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21を介して、クライアント端末Tに送信する。
以上が、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理である。次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末T(支援モジュールM)の処理について説明する。
ステップS111において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して支援制御部172の表示支援制御部175に送られる。
ステップS112において、表示支援制御部175は、通信制御部171から取得したレスポンスを解析し、レスポンスに含まれるサーバS1の演算結果(本動作例の場合、定格総荷重)を、表示部12の表示に反映させる。
例えば、表示支援制御部175は、図8Cに示す定格総荷重を通知する通知画像G3を、表示部12に表示させる。尚、通知画像G3は、支援モジュールM(例えば、表示支援制御部175)で生成されてもよいし、BIMアプリケーションA(例えば、BIM制御部161)で生成されてもよい。
通知画像G3がBIMアプリケーションAで生成される場合には、ステップS112において、表示支援制御部175は、サーバS1の演算結果(本動作例の場合、定格総荷重)を、BIMアプリケーションA(具体的には、BIM制御部161)に送る。以上のような本動作例におけるBIM支援システムBSの動作は、技術的に矛盾しない範囲で、動作の順番を適宜入れ替えてもよい。
(動作例1の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、オペレータは、BIMアプリケーションAから性能情報要求(定格総荷重の表示要求)を入力するのみで、表示部12において姿勢が決定された作業機画像G21(図8B参照)の定格総荷重を知ることができる。このように、オペレータは、作業機メーカーから提供された定格総荷重表を参照するような煩雑な作業をすることなく、表示部12に表示されたクレーンの定格総荷重を知ることができる。従って、オペレータは、クレーンの定格総荷重を考慮した、より詳細な施工計画作業を、効率よく行うことができる。
又、作業計画作業において、オペレータは、サーバから取得した定格総荷重と、荷物荷重とを比較して、クレーン作業の可否を判断することがある。オペレータは、BIMアプリケーションAにおいて上記動作例1で説明した操作を行うことにより、クレーン作業の可否の判断を効率よく行うことができる。クレーン作業を行うことができないと判断した場合には、オペレータは、クレーンの姿勢の変更、クレーンの作業状態の変更、クレーンの設置場所の変更、及び/又はクレーンの機種変更等を行い、再検討することにより、最適な作業状態を効率よく決定できる。
尚、オペレータが、BIM支援システムBSにより、モーメント負荷率の表示要求(表2のA-2参照)を行う場合、BIM支援システムの基本的な動作は、上記動作例1と同様である。オペレータがモーメント負荷率の表示要求を行う場合、図7AのステップS102において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表4のB列に示すパラメータ(表2の2-Bに示すパラメータ)である。
又、オペレータが、BIM支援システムBSにより、最大モーメント負荷率における定格総荷重の表示要求(表2のA-3参照)を行う場合、BIM支援システムの基本的な動作は、上記動作例1と同様である。オペレータが最大モーメント負荷率における定格総荷重の表示要求を行う場合、図7AのステップS102において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表5のB列に示すパラメータ(表2の3-Bに示すパラメータ)である。
更に、オペレータが、BIM支援システムBSにより、アウトリガジャッキ反力表示要求(表2のA-8参照)を行う場合、BIM支援システムの基本的な動作は、上記動作例1と同様である。オペレータがアウトリガジャッキ反力の表示要求を行う場合、図7AのステップS102において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表6のB列に示すパラメータ(表2の8-Bに示すパラメータ)である。
(動作例1の付記)
尚、表示支援制御部175は、取得した定格総荷重と荷物荷重とに基づいて、クレーン作業を行えるか否か判定してもよい。判定の結果、クレーン作業を行えないと判定した場合には、クレーン作業を行えないことを通知する情報を、表示部12に表示してもよい。
又、上述の動作例1において、オペレータは、表示部12に表示された作業機が吊上げ作業を行えるか否かの判定結果(以下、「作業の可否判定」と称呼する)を、サーバS1に要求することもできる。作業の可否判定の結果を要求する場合には、リクエストに含まれるパラメータは、作業情報を含む。作業情報は、表示部12に表示された作業機が実行する予定の作業を示す情報である。
具体的には、ステップS102において、オペレータは、作業の可否判定の表示要求(性能情報要求)を、入力部11から入力する。すると、ステップS102において、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータを、BIM制御部161から取得する。尚、ステップS102において取得されるパラメータには、荷物荷重情報が含まれる。
次に、リクエストを受信したサーバS1は、ステップS109において演算した定格総荷重とリクエストに含まれる荷物荷重情報とに基づいて、吊上げ作業の可否を判定する。そして、判定結果(性能情報)を含むレスポンスを、クライアント端末Tに送信する。
レスポンスを取得した表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる判定結果を、表示部12に表示する。表示部12は、判定結果に応じて、吊上げ作業が可能であることを示す情報、又は、吊上げ作業が不可能であることを示す情報が表示される。
(動作例2)
次に、図9及び図10A~図10Cを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。図9は、表示部12に表示された画像における作業機が吊上げている吊り荷の移動範囲を示す領域画像(以下、「領域画像」と称する。)を、表示部12に表示させる場合(表2のA-6参照)の、BIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。
動作例2において、オペレータは、表示部12に表示された作業機の作業状態を決定した後、サーバS1~S4から選定した一つのサーバに対して、作業機の作業状態に対応する移動可能範囲を示す画像(移動範囲を示す領域画像)を要求する。本動作例の説明において、作業機の作業状態とは、作業機の姿勢が決定した状態、かつ、作業機が搬送予定の荷物が決定している状態を意味する。
オペレータは、取得した移動範囲を示す領域画像と、荷物の搬送目的位置とを比較することにより、オペレータにより決定された作業機の作業状態において、クレーンが上記荷物を搬送目的位置まで搬送できるか否かを判定できる。以下、本動作例におけるBIM支援システムBSの動作について説明する。
先ず、ステップS200において、表示部12には、図10Aに示す建築物画像G1Aのみが表示されている。このような建築物画像G1Aは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS200において、オペレータは、表示部12に作業機画像を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。
ステップS200において、作業機画像の表示指示の入力を入力部11が受け付けると、BIM制御部161は、表示制御部162を制御して、図10Aに示す作業機画像G2Aを表示部12に表示させる。尚、ステップS200におけるオペレータの操作及びBIM支援システムBSの処理は、既述の図7AのステップS100と同様である。
ステップS201において、オペレータは、既述の姿勢決定操作を入力する。
ステップS201において、入力部11が姿勢決定操作の入力を受け付けると、BIM制御部161は、姿勢決定操作を表示部12の作業機画像G2Aに反映する。すると、表示部12には、図10Bに示されるように、図10Aに示す作業機画像G2Aから姿勢が変更された作業機画像G21Aが表示される。尚、ステップS201におけるオペレータの操作及びBIM支援システムBSの処理は、既述の図7AのステップS101と同様である。
ステップS202において、オペレータは、表示部12に領域画像の表示要求(性能情報要求)を、入力部11から入力する。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、領域画像の表示要求を入力する。
ステップS202において、性能情報要求を入力部11が受け付けると、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータを、BIM制御部161から取得する。ステップS202において、情報取得部173は、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを、BIM制御部161から取得すればよい。
ステップS202において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表7のB列に示すパラメータ(表2の6-B参照)である。
そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。尚、表示部12に領域画像を表示するためのオペレータの操作は、ステップS202で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。つまり、本動作例において、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して領域画像の表示要求を入力すると、領域画像が自動的に表示部12に表示される。
ステップS203において、リクエスト発行部174は、取得した機種情報で特定される作業機画像(つまり、図8Bの作業機画像G21)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS204において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS205において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS206において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。
ステップS207において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS208において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する性能データ表を記憶部23から取得する。この際、演算部222は、取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する複数の性能データ表を、記憶部23から取得してもよい。尚、ステップS208において、演算部222は、姿勢条件及び/又は作業状態情報とともに、ステップS207において取得した諸元データに基づいて、性能データ表を記憶部23から取得してもよい。
ステップS209において、演算部222は、クライアント端末Tから取得した姿勢条件及びパラメータと、記憶部23から取得した演算式、性能データ表、及び諸元データとに基づいて、領域画像に関する情報(以下、「領域画像情報」と称する。)を演算して求める。そして、演算部222は、演算結果をレスポンス発行部223に送る。
なお、ステップS209において演算される領域画像情報は、支援モジュールMの領域画像処理部176による領域画像の生成に用いられる。
ステップS210において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した演算結果に基づいて、レスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21を介して、クライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS211において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171及び表示支援制御部175を介して領域画像処理部176に送られる。
ステップS212において、領域画像処理部176は、表示支援制御部175から取得した領域画像情報に基づいて、領域画像を生成する。そして、領域画像処理部176は、生成した領域画像を表示支援制御部175に送る。尚、本動作例で生成される領域画像は、フックの可動領域に関する領域画像である。但し、生成される領域画像は、既述の吊り具の可動領域に関する領域画像及び/又は荷物の可動領域に関する領域画像であってもよい。
ステップS213において、表示支援制御部175は、領域画像処理部176から取得した領域画像を、表示部12の表示に反映させる。
例えば、表示支援制御部175は、図10Cに示す領域画像G4を、表示部12に表示させる。なお、領域画像G4は、既述のように支援モジュールM(領域画像処理部176)で生成されてもよいし、BIMアプリケーションA(例えば、BIM制御部161)で生成されてもよい。
領域画像G4がBIMアプリケーションAで生成される場合には、ステップS211において、表示支援制御部175は、サーバS1から取得した演算結果(本動作例の場合、領域画像情報)を、BIMアプリケーションA(具体的には、BIM制御部161)に送る。
又、領域画像は、サーバS1(具体的には演算部222)により生成されてもよい。この場合には、演算部222が生成した領域画像(性能情報)を含むレスポンスが、サーバ1からクライアント端末Tに送信される。
レスポンスを取得した表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる領域画像を表示部12の表示に反映させる。以上のような本動作例におけるBIM支援システムBSの動作は、技術的に矛盾しない範囲で、動作の順番を適宜入れ替えてもよい。
(動作例2の作用・効果)
以上のような本動作例の場合、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して領域画像の表示要求を入力すると、領域画像が自動的に表示部12に表示される。オペレータは、領域画像G4を視認することにより、表示部12に表示された作業機画像G21Aにおける作業機により荷物を移動できる範囲を、直感的に認識できる。荷物の搬送目標位置が領域画像G4よりも外に位置している場合には、オペレータは、作業機画像の姿勢を変更するか、或いは、作業機の機種を変更してもよい。このように、本動作例によれば、オペレータは、荷物の移動範囲を考慮した、より詳細な施工計画を、容易に行うことができる。
(動作例3)
次に、図11、図12A、及び図12Bを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。図11は、撓んだブームの画像(以下、「ブームの変形画像」と称する。)及び撓んだジブの画像(以下、「ジブの変形画像」と称する。)を表示部12に表示させる場合(表2のA-5参照)の、BIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。
クレーンによる搬送作業において、クレーンのブーム及び/又はジブは、自重、フックの重量、ワイヤロープの重量、及び荷物の重量に基づいて、撓む。従って、施工計画において予めこの撓みを考慮しておくことは、クレーンと建築物との干渉を防止して、実際の作業の安全性の向上、及び、作業効率の向上に著しく寄与する。
動作例3は、ブーム及び/ジブの撓みを考慮した施工計画を行う場合に実施される。オペレータは、動作例3において、表示部12に表示された作業機の作業状態を決定した後、サーバS1~S4から選定した一つのサーバに対して、作業機の作業状態に対応するブームの変形画像及び/又はジブの変形画像を要求する。本動作例の説明において、作業機の作業状態とは、作業機の姿勢が決定した状態、かつ、作業機が搬送予定の荷物が決定している状態を意味する。
オペレータは、取得したブームの変形画像及び/又はジブの変形画像と、表示部12に表示された建築物画像との位置関係を見て、オペレータにより決定された作業機の作業状態において、クレーンが搬送作業を実行できるか否かを判定できる。以下、本動作例におけるBIM支援システムBSの動作について説明する。
先ず、ステップS300において、表示部12には、図12Aに示す建築物画像G1Bのみが表示されている。このような建築物画像G1Bは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS300において、オペレータは、表示部12に作業機画像を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。
ステップS300において、作業機画像の表示指示の入力を入力部11が受け付けると、BIM制御部161は、表示制御部162を制御して、表示部12に基本姿勢の作業機画像(不図示)を表示させる。
ステップS301において、オペレータは、既述の姿勢決定操作を入力する。
ステップS301において、入力部11が姿勢決定操作の入力を受け付けると、BIM制御部161は、姿勢決定操作を表示部12の作業機画像(不図示)に反映する。すると、表示部12には、図12Aに示す作業機画像G2Bが表示される。尚、ステップS301におけるオペレータの操作及びBIM支援システムBSの処理は、既述の図7AのステップS101と同様である。
図12Aに示す作業機画像G2Bは、作業機の作業姿勢が決定された状態の画像である。但し、図12Aに示す作業機画像G2Bは、ブーム及びジブに作用する荷重(例えば、荷物荷重)の影響によるブーム及びジブの変形が反映されていない画像である。尚、荷物荷重は、荷物の荷重とフックの重量との和であってもよい。
図12Aに示す画像において、作業機画像G2Bのブーム及びジブは、建築物画像G1Bと干渉していない。但し、実機による作業において、ブーム及びジブは、荷物荷重等の影響で撓み、建築物と干渉する場合がある。
ブーム及び/又はジブの変形画像を表示部12に表示させることにより、BIMアプリケーションAにおいて、ブーム及びジブの撓みを考慮した施工計画を立てることが可能となる。尚、ジブを使用していない状態では、表示部12には、ブームの変形画像のみが、表示されてもよい。
ステップS302において、オペレータは、ブーム及び/又はジブの変形画像の表示要求(以下、「変形画像の表示要求」と称する。)を、入力部11から入力する。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、変形画像の表示要求(性能情報要求)を入力する。オペレータは、表示部12に表示された撓み表示用のチェックボックスをON状態にすることにより、変形画像の表示要求を入力してもよい。
ステップS302において、性能情報要求を入力部11が受け付けると、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータを、BIM制御部161から取得する。ステップS302において、情報取得部173は、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを、BIM制御部161から取得すればよい。
ステップS302において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表8のB列に示すパラメータ(表2の5-B参照)である。
そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。尚、ブームの変形画像及びジブの変形画像を表示部12に表示するためのオペレータの操作は、ステップS302で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。
ステップS303において、リクエスト発行部174は、取得した機種情報で特定される作業機画像(つまり、図12Aに示す作業機画像G2B)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。尚、リクエストに含まれるパラメータは、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要な情報を含めばよい。
次に、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS304において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS305において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS306において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。
ステップS307において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機画像に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS308において、演算部222は、クライアント端末Tから取得した姿勢条件及びパラメータと、記憶部23から取得した演算式及び諸元データとに基づいて、ブームの変形画像及びジブの変形画像に関する情報(以下、「変形画像情報」と称する。)を演算して求める。そして、演算部222は、演算結果をレスポンス発行部223に送る。
尚、変形画像情報は、例えば、ブームの変形曲線に関する情報及び/又はジブの変形曲線に関する情報である。変形曲線は、例えば、正弦波又はn次関数によりブーム及び/又はジブの変形が表された曲線である。又、変形画像情報は、基端側ブーム、中間ブーム、及び先端側ブームそれぞれの撓み角に対応する傾斜した直線(変形直線)であってもよい。
図13Aは、撓んでいないブームの画像G79を示す図である。図13B及び図13Cは、撓んだブームの画像G79A、G79Bを示す図である。
図13Bに示すブームの画像G79Aの場合、基端側ブームの画像G79a、中間ブームの画像G79b、G79c、及び先端側ブームの画像G79dの変形は、正弦波又はn次関数により表された曲線(変形曲線)に基づいて求められている。
一方、図13Cに示すブームの画像G79Bの場合、基端側ブームの画像G79a、中間ブームの画像G79b、G79c、及び先端側ブームの画像G79dの変形は、撓み角に対応して傾斜した直線(変形直線)に基づいて求められている。
尚、ステップS308において演算される変形画像情報は、支援モジュールMの変形画像処理部177による、ブームの変形画像及び/又はジブの変形画像の生成に用いられる。
ステップS309において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した演算結果に基づいて、レスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS310において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171及び表示支援制御部175を介して変形画像処理部177に送られる。
ステップS311において、変形画像処理部177は、表示支援制御部175から取得した変形画像情報に基づいて、ブームの変形画像及びジブの変形画像を生成する。そして、変形画像処理部177は、生成したブームの変形画像及びジブの変形画像を表示支援制御部175に送る。
ステップS312において、表示支援制御部175は、変形画像処理部177から取得したブームの変形画像及びジブの変形画像を、表示部12の表示に反映させる。
例えば、表示支援制御部175は、図12Bに実線で示す変形画像G5を、表示部12に表示させる。尚、変形画像G5は、既述のように支援モジュールM(変形画像処理部177)で生成されてもよいし、BIMアプリケーションA(例えば、BIM制御部161)で生成されてもよい。
変形画像G5がBIMアプリケーションAで生成される場合には、ステップS310において、表示支援制御部175は、サーバS1の演算結果(本動作例の場合、変形画像情報)を、BIMアプリケーションA(具体的には、BIM制御部161)に送る。
又、変形画像は、サーバS1(具体的には演算部222)により生成されてもよい。この場合には、演算部222が生成した変形画像(性能情報)を含むレスポンスが、サーバ1からクライアント端末Tに送信される。レスポンスを取得した表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる変形画像を表示部12の表示に反映させる。
尚、図12Bに示すように、表示部12には、撓みが反映されていないブーム及びジブの画像を有する作業機画像G2B(以下、「変形前画像」と称する。)が破線で示されるとともに、撓みが反映されたブームの変形画像及びジブの変形画像を有する作業機画像(つまり、変形画像G5)が実線で表示されている。
変形前画像は、表示部12に表示されなくてもよい。又、変形前画像と変形画像G5との表示態様は、区別できる表示態様であれば、図12Bに示す例に限定されない。
又、BIMアプリケーションA(具体的には、BIM制御部161)及び支援モジュールM(具体的には、支援制御部172)のうちの何れか一方の制御部は、変形画像が、表示部12に表示された他の画像(例えば、建築物画像G1B)と干渉する場合に、干渉していることを示す情報を、表示部12に表示してもよい。この場合に、上記一方の制御部は、通知部の機能を実現する。上記一方の制御部の一部は、通知部の一例に該当する。
又、上述の動作例3では、作業機がクレーンである場合の、ブーム及びジブの変形画像について説明した。上述の動作例3は、作業機が高所作業車である場合の、ブームについても適用できる。又、上述の動作例3は、作業者がコンクリートポンプ車である場合の、ブームにも適用できる。クレーンのブーム及びジブ、高所作業車のブーム、並びに、コンクリートポンプ車のブームは、アームの一例に該当する。
(動作例3の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、オペレータは、表示部12に表示された変形画像を視認することにより、ブームの撓み及びジブの撓みを考慮した作業機画像と、建築物画像との干渉を確認できる。
(動作例4)
次に、図14~図15Bを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。図14は、ブームの最大倒伏角及び最大作業半径を示す情報を表示部12に表示させる場合(表2のA-4参照)の、BIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。
クレーンによる搬送作業において、クレーンは、搬送目的位置に荷物を搬送するために、ブームを倒伏させて作業半径を拡大することがある。クレーンにおいて、ブームの起伏角度が小さくなるほど、定格総荷重は小さくなる。
このため、起伏角度が大きい第一状態において荷物の重量が定格総荷重よりも小さい場合でも、ブームの起伏角度がこの第一状態よりも小さい第二状態において、荷物の重量が定格総荷重よりも大きくなってしまう場合がある。この場合、選定したクレーンでは、荷物を搬送目的位置に搬送することができない。実際の作業において、このような状況が発生すると、クレーンの交換が必要となり、作業の進捗が著しく遅れてしまう可能性が有る。
又、複数のクレーンを使用する作業計画を立てる際、最小台数で施工現場の全領域をカバーするためには、各クレーンの指定吊上げ荷重における作業半径を考慮する必要がある。よって、施工計画において、最大倒伏角及び最大作業半径を考慮しておくことは、実際の作業の安全性の向上、及び、作業効率の向上に著しく寄与する。
動作例4は、クレーンの最大倒伏角及び最大作業半径を考慮した施工計画を行う場合に実施される。オペレータは、動作例4において、表示部12に表示された作業機の作業状態を決定した後、サーバS1~S4から選定した一つのサーバに対して、作業機の作業状態に対応するブームの最大倒伏角及び最大作業半径を要求する。本動作例の説明において、作業機の作業状態とは、作業機の姿勢が決定した状態、かつ、作業機が搬送予定の荷物が決定している状態を意味する。
オペレータは、取得したブームの最大倒伏角及び最大作業半径と、搬送目的位置との位置関係を見て、オペレータにより決定された作業機の作業状態において、クレーンが搬送作業を実行できるか否かを判定できる。以下、本動作例におけるBIM支援システムBSの動作について説明する。
先ず、ステップS400及びステップS401を経たステップS402において、表示部12には、図15Aに示す建築物画像G1C及び作業機画像G21Cが表示されている。ステップS401及びステップS401は、既述の図7AのステップS101及びステップS102と同様である。
図15Aに示す建築物画像G1C及び作業機画像G21Cは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された画像であってもよい。
ステップS402において、オペレータは、ブームの最大倒伏角及び最大作業半径の表示要求(以下、「最大倒伏角及び最大作業半径の表示要求」と称する。)を、入力部11を介して入力する。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、最大倒伏角及び最大作業半径の表示要求(性能情報要求)を入力する。
ステップS402において、性能情報要求を入力部11が受け付けると、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータを、BIM制御部161から取得する。ステップS402において、情報取得部173は、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを、BIM制御部161から取得すればよい。
ステップS402において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表9のB列に示すパラメータである(表2の4-B参照)。
そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。尚、表示部12に最大倒伏角及び最大作業半径を表示するためのオペレータの操作は、ステップS402で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。つまり、本動作例において、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して最大倒伏角及び最大作業半径の表示要求を入力すると、領域画像が自動的に表示部12に表示される。
ステップS403において、リクエスト発行部174は、取得した機種情報で特定される作業機画像(つまり、図15Aの作業機画像G21C)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
次に、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS404において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS405において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS406において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。
ステップS407において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機画像に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS408において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する性能データ表を記憶部23から取得する。この際、演算部222は、取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する複数の性能データ表を、記憶部23から取得してもよい。
尚、ステップS408において、演算部222は、姿勢条件及び/又は作業状態情報とともに、ステップS407において取得した諸元データに基づいて、性能データ表を記憶部23から取得してもよい。
ステップS409において、演算部222は、クライアント端末Tから取得した姿勢条件及びパラメータ(姿勢条件、作業状態情報、荷物情報、及び構成部材情報)と、記憶部23から取得した演算式、性能データ表、及び諸元データとに基づいて、ブームの最大倒伏角及び最大作業半径に関する情報を演算して求める。そして、演算部222は、演算結果をレスポンス発行部223に送る。
ステップS410において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した演算結果に基づいて、レスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。そして、通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS411において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS412において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバS1の演算結果(本動作例の場合、ブームの最大倒伏角及び最大作業半径に関する情報)を、表示部12の表示に反映させる。
例えば、表示支援制御部175は、図15Bに示すように、最大倒伏角まで倒伏した状態のブームを有する作業機画像G22C(以下、「倒伏画像」と称する。)を、表示部12に表示させる。倒伏画像を表示部12に表示させる方法の一例について説明する。
表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるブームの最大倒伏角に関する情報を、表示部12に表示された作業機画像G21Cの属性情報におけるブームの起伏角に反映する。
尚、この処理は、BIM制御部161により行われてもよい。この場合には、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるブームの最大倒伏角に関する情報を、BIM制御部161に送る。そして、BIM制御部161は、取得したブームの最大倒伏角に関する情報を、表示部12に表示されている作業機画像の属性情報におけるブームの起伏角に反映する。何れにしても、表示支援制御部175が実施する処理に基づいて、レスポンスに含まれるサーバS1の演算結果が、表示部12の表示に反映される。
又、表示支援制御部175は、ステップS412において、図15Bに示すように、最大倒伏角及び最大作業半径の数値を、表示部12に表示させてもよい。尚、この処理についても、BIM制御部161により行われてもよい。
又、図示は省略するが、表示支援制御部175は、ステップS412において、最大倒伏角及び最大作業半径を通知するための通知画像を、表示部12に表示させてもよい。
(動作例4の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、オペレータは、表示部12に表示された作業機画像における作業機の最大倒伏角及び作業半径を、直感的に認識することができる。オペレータは、作業機の最大倒伏角及び作業半径を認識することにより、選択した作業機が、荷物の搬送に適した作業機であるか否かを直感的に判断できる。例えば、取得した作業半径内に、荷物の搬送目的位置が含まれなければ、オペレータは、選択した作業機のみでは、荷物を搬送目的地まで搬送できないと判断できる。このような判定結果に基づいて、オペレータは、使用する作業機を、より作業半径が大きい作業機に変更することができる。或いは、上述の判定結果に基づいて、オペレータは、選択した作業機により、この作業機の作業半径内の任意の位置まで荷物を搬送した後、他の作業機により、この中継位置から搬送目的地まで荷物を搬送する手順を選択することもできる。
又、複数のクレーンを使用する作業計画を立てる際、クレーン毎の指定吊上げ荷重に対する作業半径を取得することにより、最小台数で施工現場の全領域をカバーできるクレーンの配置を知ることができる。例えば、施工現場の平面図に対して、クレーン毎の作業半径を描画することにより、オペレータは、最小台数で施工現場の全領域をカバーできるクレーンの配置を直感的に認識することができる。このように、本動作例によれば、オペレータは、作業機の最大倒伏角及び作業半径を考慮した精度の高い施工計画作業を行うことができる。
(動作例5)
次に、図16A~図16Eを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、既述の動作例2と同様に、表示部12に領域画像を表示させる例である。尚、BIM支援システムBSのオペレータの操作及びBIM支援システムBSの動作は、既述の動作例2の動作フロー(図9)とほぼ同様である。本動作例が実施される状況は、既述の動作例2の場合と同様である。
図16A~図16Eは、建築物画像、作業現場構成画像、及び作業機画像を含む作業現場の画像(以下、「作業現場画像G6」と称する。)が表示された表示部12の一例を示す。図16Aは、作業現場画像G6の斜視図が表示された表示部12を示す。図16Bは、図16AのA1矢視図である。図16Cは、図16AのA2矢視図である。図16Dは、図16AのA3矢視図である。図16Eは、図16Bに示す作業現場画像G6に領域画像G4Aが表示された表示部12を示す。
本動作例において、オペレータは、図16A~図16Eに示す作業現場画像G6において、ビルG72とフェンスG73との間に配置されたエアコンの室外機G74を吊上げ、移動させる操作の検証を行うことができる。
先ず、オペレータは、表示部12に、図16A~図16Eに示す作業現場画像G6を表示させる。このような作業現場画像G6は、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された画像であってもよい。作業現場画像G6を作成する方法は、既述の通りである。
図16A~図16Eに示す作業機画像G21Dの左側アウトリガの張出幅は、最小である。左側アウトリガの張出幅を最小にすることにより、左側アウトリガが、対向車線G77にはみ出さないようにしている。
一方、作業機画像G21Dの右側アウトリガの張出幅は、最大である。このように、作業機画像G2の左側アウトリガと右側アウトリガとは、張出幅が異なる。
又、オペレータは、作業現場画像G6におけるフェンスG73、電柱G75、及び木G76と干渉しないように、作業機画像G21Dのブームの姿勢(例えば、ブーム長さ、旋回角、及び起伏角)を決める。姿勢を決める操作は、作業機画像G21Dの姿勢を定義する姿勢条件を、入力部11から入力することにより行われる。尚、オペレータは、作業機画像G21Dをドラッグ操作することにより、表示作業機の姿勢を決定してもよい。
作業現場画像G6において、作業機画像G21Dの姿勢が決定した後、オペレータは、領域表示要求(性能情報要求)の操作を行う。オペレータは、例えば、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、領域表示要求を入力する。
本動作例の場合、リクエストに含まれる姿勢条件における左側アウトリガの張出幅と右側アウトリガの張出幅とが異なる。
オペレータが領域表示要求を入力すると、BIM支援システムBSにおいて、図9のステップS202~ステップS213の処理が実行されて、表示部12に、図16Eに太線で示す領域画像G4Aが表示される。尚、図示は省略するが、図16A及び図16C~図16Eに示す作業現場画像G6にも領域画像G4Aが表示される。
(動作例5の作用・効果)
以上のような本動作例においても、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して領域画像の表示要求を入力すると、領域画像が自動的に表示部12に表示される。
図16Eに示す領域画像G4Aの場合、作業機画像G21Dにおける左側アウトリガの張出幅が最小であるため、領域画像G4Aにおける車両左側の領域が欠けている。オペレータは、アウトリガの張出状態に対応する領域画像を、表示部12で視認できるため、高精度なシミュレーションを直感的に行うことができる。
又、領域画像G4Aを図16A~図16Eのような異なる視点の作業現場画像G6に表示することにより、オペレータは、より高精度なシミュレーションを行うことができる。
(動作例6)
次に、図17A~図18Eを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、既述の動作例3と同様に、表示部12にブームの変形画像を表示させる例である。尚、オペレータの操作及びBIM支援システムBSの動作は、既述の動作例3の動作フロー(図11参照)とほぼ同様である。動作例6が実施される状況は、既述の動作例3の場合と同様である。
図17A~図17Eは、建築物画像及び作業機画像を含む作業現場画像G6Aが表示された表示部12の一例を示す。図17Aは、作業現場画像G6Aの斜視図が表示された表示部12を示す。図17Bは、図17AのA10矢視図である。図17Cは、図17AのA11矢視図である。図17Dは、図17AのA12矢視図である。図17Eは、図17BのX1-X1線断面図である。
図18A~図18Eは、図17A~図17Eに示す作業現場画像G6Aに、ブームの変形画像が表示された表示部12の一例を示す。
本動作例において、オペレータは、図17A~図17Eに示す作業現場画像G6Aにおいて、鉄骨構造体G78とブームとの干渉を検証できる。
先ず、オペレータは、表示部12に、図17A~図17Eに示す作業現場画像G6Aを表示させる。このような作業現場画像G6Aは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された画像であってもよい。作業現場画像G6Aを生成する方法は、既述の通りである。
オペレータは、鉄骨構造体G78と干渉しないように、作業機画像G21Eのブームの姿勢(例えば、ブーム長さ、旋回角、及び起伏角)を決める。姿勢を決める操作は、作業機画像G21Eの姿勢条件を、入力部11から入力することにより行われる。尚、オペレータは、作業機画像G21Eをドラッグ操作することにより、表示作業機の姿勢を決定してもよい。
作業現場画像G6Aにおいて、作業機画像G21Eの姿勢を決定した後、オペレータは、変形画像の表示要求(性能情報要求)の操作を行う。オペレータは、例えば、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、変形画像の表示要求を入力する。
オペレータが撓み表示要求を入力すると、BIM支援システムBSにおいて、図11のステップS301~ステップS312の処理が実行されて、表示部12に、図18A~図18Eに示すブームの変形画像を有する作業機画像(変形画像G5A)が表示される。
図18A~図18Eに示す変形画像G5は、サーバS1から取得したレスポンスに含まれる変形画像情報に基づいて、変形画像処理部177が生成した画像である。但し、変形画像は、サーバS1(具体的には演算部222)により生成されてもよい。
この場合には、演算部222が生成した変形画像(性能情報)を含むレスポンスが、サーバS1からクライアント端末Tに送信される。レスポンスを取得した表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる変形画像を表示部12の表示に反映させる。
以上のような本動作例においても、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して変形画像の表示要求を入力すると、変形画像が自動的に表示部12に表示される。
尚、図示は省略するが、図18A~図18Eにおいて、変形前のブームの画像(以下、「変形前画像」と称する。)は省略されてもよい。つまり、オペレータが変形画像の表示要求を入力した場合に、変形前画像が表示部12から削除され、変形画像G5Aが表示部に自動的に表示されてもよい。
図17A~図17Eに示す画像において、作業機画像G2のブームは、鉄骨構造体G78に干渉していない。一方、図18A~図18Eに示す変形画像G5Aの場合、ブームの先端部G57が、変形前画像のブームの先端部G57よりも下方に変位するとともに、ブームの中間部G58が、変形前画像のブームの中間部よりも上方に変位して、作業機画像G21Eのブームと、鉄骨構造体G78とが干渉している。
図18A~図18Eに示すように、ブームと鉄骨構造体G78とが干渉している場合、オペレータは、表示されたブームの姿勢を変えることにより、ブームと鉄骨構造体G78とが干渉しないブームの姿勢を探すことができる。オペレータは、表示されたブームをドラッグすることによりブームの姿勢を変えることができる。又、オペレータは、ブームの起伏角度を入力することにより、表示されたブームの姿勢を変えることもできる。ブームの姿勢が変更されると、変更されたブームの姿勢に対応するブームの変形画像が表示されるように構成されてもよい。
(動作例6の作用・効果)
以上のように、本動作例によれば、オペレータは、図18A~図18Eに示す画像を視認することにより、作業機と鉄骨構造体との干渉を考慮した高精度なシミュレーションを行うことができる。
(動作例7)
次に、図2及び図19~図20Bを参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。図19は、地盤強度を考慮した作業可否の判定結果を表示部12に表示させる場合(表2のA-9参照)の、BIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。
クレーンによる搬送作業において、クレーンのアウトリガから地盤に対して設置圧(アウトリガ反力)が作用する。設置圧が、地盤強度よりも大きいと、地盤が沈下して、クレーンが転倒する可能性がある。このため、施工計画において予め地盤強度を考慮しておくことは、地盤の沈下及びクレーンの転倒を防止して、実際の作業の安全性の向上、及び、作業効率の向上に著しく寄与する。
以下、本動作例におけるBIM支援システムBSの動作について説明する。具体的には、図20Aに示されるクレーンCを使用して始点SPから終点FPまで荷物を搬送することが可能か否かの検証を、オペレータが行う場合のBIM支援システムBSの動作について説明する。
尚、以下、終点FPに荷物を降ろす際のクレーンの姿勢(図20A及び図20Bに示すクレーンCの姿勢)に対して検証する場合について説明する。その他のクレーンの姿勢に対して検証を行う場合も、BIM支援システムBSの基本的な動作は同じである。
図19のステップS500において、表示部12には、図20Aに示す建築物画像G1Dのみが表示されている。つまり、ステップS500において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1Dは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS500において、オペレータは、表示部12に基本姿勢の作業機画像を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。尚、基本姿勢の作業機画像を表示部12に表示させる際にオペレータが行う操作は、既述の動作例1の場合と同様である。
ステップS501において、オペレータは、表示部12に表示された基本姿勢の作業機画像における作業機の姿勢を決定するために、入力部11から姿勢条件を入力する。オペレータが作業機画像の姿勢を決定する際の操作は、既述の動作例1と同様である。
ステップS501において、入力部11が姿勢決定操作の入力を受け付けると、BIM制御部161は、姿勢決定操作を表示部12の作業機画像に反映する。すると、表示部12には、図20Aに示されるように、基本姿勢の作業機画像から姿勢が変更された作業機画像G22Dが表示される。
次に、ステップS502において、オペレータは、ステップS501において姿勢が決定された作業機画像G22Dの、地盤強度を考慮した作業の可否(以下、単に「作業可否」と称する。)を求めるための操作を行う。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、作業可否の表示要求(性能情報要求)を入力する。
尚、表示部12に作業可否を表示するためのオペレータの操作は、ステップS502で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。つまり、本動作例において、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して作業可否の表示要求を入力すると、作業可否に関する情報が自動的に表示部12に表示される。
ステップS502において、性能情報要求を入力部11が受け付けると、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータ(機種情報、姿勢条件、荷物情報、作業状態情報、構成部材情報、及びその他の情報)を、BIM制御部161から取得する。
ステップS502において、情報取得部173は、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを、BIM制御部161から取得する。
ステップS502において情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表10のB列に示すパラメータ(表2の9-Bに示すパラメータ)である。
本動作例におけるパラメータは、アウトリガジャッキ反力表示要求(表2のA-8参照)を行う場合のパラメータと、地盤強度に関する情報と、を含む。
BIMアプリケーションAは、地盤強度に関する情報を記憶している。又、BIMアプリケーションAは、作業現場全体の地盤強度を記憶している。地盤強度に関する情報は、作業現場の地下に埋められた埋設部材を考慮した地盤強度であってよい。
尚、BIMアプリケーションAは、地盤強度に関する情報を、地盤強度テーブルとして記憶してよい。地盤強度テーブルは、作業現場の位置情報(例えば、座標又は区画)、及び、この位置情報に対応付けられた地盤強度を含んでよい。
ステップS502において、情報取得部173は、表示部12において作業機画像G22Dが配置された位置に対応する地盤の地盤強度に関する情報を、BIMアプリケーションAから取得する。そして、ステップS502において、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。尚、ステップS502において、情報取得部173が取得する地盤強度に関する情報は、BIMアプリケーションAに記憶された情報に限定されない。情報取得部173が取得する地盤強度に関する情報は、オペレータにより情報入力部77から入力された情報であってもよい。
ステップS503において、リクエスト発行部174は、取得した機種情報で特定される作業機画像(つまり、図20Aの作業機画像G22D)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS504において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS505において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS506において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。本動作例において、演算部222が取得する演算式は、アウトリガジャッキの反力を演算するための演算式、及び、アウトリガジャッキの反力とパラメータに含まれた地盤強度とを比較するための演算式である。
ステップS507において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS508において、演算部222は、クライアント端末Tから取得したパラメータと、記憶部23から取得した演算式及び諸元データとに基づいて、アウトリガジャッキの反力を算出する。そして、算出したアウトリガジャッキの反力とパラメータに含まれる地盤強度とを比較して、作業可否を判定する。
ステップS508において、演算部222は、算出したアウトリガジャッキの反力が、パラメータに含まれる地盤強度よりも小さい場合、作業可能と判定する。一方、ステップS508において、演算部222は、算出したアウトリガジャッキの反力が、パラメータに含まれる地盤強度以上の場合、作業不可能と判定する。
演算部222は、算出したアウトリガジャッキの反力及び/又は判定結果をレスポンス発行部223に送る。
ステップS509において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得したアウトリガジャッキの反力及び/又は判定結果に基づいて、レスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。そして、通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。レスポンスが判定結果を含む場合、このレスポンスは、リクエストに含まれる姿勢条件により定義される姿勢を有する作業機が、所定作業を実施できるか否かの判定結果を含むと捉えてよい。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS510において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS511において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバS1の演算結果(本動作例の場合、作業可否に関する情報)を、表示部12の表示に反映させる。
(動作例7の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、地盤強度を考慮した施工計画を立てることができるため、実際の作業における地盤の沈下及びクレーンの転倒を防止できる。このような本動作例は、作業の安全性の向上、及び、作業効率の向上に著しく寄与する。
(動作例7の変形例1)
動作例7の変形例1について説明する。本変形例は、荷物を始点SP(図20A及び図20B参照)から終点FPまで搬送できるか否かの検証を行う状況で実施される。
本変形例において、オペレータは、荷物を始点SPから終点FPまで搬送する際に、クレーンが取り得る姿勢の範囲を指定する。具体的には、クレーンが荷物を始点SPから終点FPまで搬送する際、クレーンの姿勢条件のうち、旋回角度が、始点SPに配置された荷物を吊り揚げる際の第一姿勢に対応する第一旋回角度(例えば、0度)から終点FPに荷物を降ろす際の第二姿勢に対応する第二旋回角度(例えば、90度)の範囲で変化する。オペレータは、この旋回角度の範囲を指定する。
BIM支援システムBSが旋回角度の範囲の入力を受け付けた場合、上述のステップS502において情報取得部173は、オペレータにより指定された範囲の旋回角度を、パラメータとして取得する。そして、上述のステップS508において、演算部222は、パラメータに含まれる旋回角度の全範囲に対して、アウトリガジャッキ反力を算出し、算出したアウトリガジャッキの反力とパラメータに含まれる地盤強度とを比較して、作業可否を判定する。指定された旋回角度の範囲のうちの何れかの旋回角度において、アウトリガジャッキの反力が、地盤強度よりも大きくなった場合、演算部222は、上述の搬送作業を行うことはできなと判定する。尚、演算部222は、パラメータを離散的に変化させて、上述の作業可否を判定してもよい。
(動作例7の変形例2)
動作例7の変形例2について説明する。本変形例は、搬送作業を行うことができるクレーンの提示をオペレータが求める状況において実施される。
本変形例において、パラメータに含まれる姿勢条件において搬送作業を行うことができないとサーバS1が判定した場合、サーバS1(具体的には、レスポンス発行部223)は、搬送作業を行うことが可能なクレーンに関する情報を、レスポンスに含める。このようなレスポンスを受け取ったクライアント端末Tの表示支援制御部175は、レスポンスに含まれたクレーンをオペレータに通知するための情報を、表示部12に表示する。
(動作例7の変形例3)
動作例7の変形例3について説明する。本変形例は、少なくともクレーンの設置位置及び荷物が決定している状況において実施される。この状況において、オペレータは、性能情報要求として、指定された位置に配置されたクレーンにより荷物を移動可能な範囲(以下、「荷物の移動可能範囲」と称する。)を指定する。
本変形例において、作業機の姿勢は決定されていなくてもよい。つまり、リクエストに含まれるパラメータは、作業機の姿勢条件を含まなくてもよい。ただし、一部の姿勢条件が決定されている場合には、パラメータは、決定された姿勢条件を含んでもよい。
本変形例において、サーバS1の演算部222は、未決定の姿勢条件を所定の間隔で変化させて、アウトリガジャッキの反力を算出する。又、演算部222は、算出したアウトリガジャッキの反力と、パラメータに含まれる地盤強度と、を比較して作業の可否を判定する。
演算部222は、指定されたクレーンが取り得る全ての姿勢を対象として、アウトリガジャッキの反力の算出、及び、作業可否の判定を行う。そして、演算部222は、判定結果に基づいて、荷物の移動可能範囲を示す情報を生成する。
本変形例において、サーバS1(具体的には、レスポンス発行部223)は、荷物の移動可能範囲を示す情報をレスポンスに含める。そして、このレスポンスを受け取ったクライアント端末Tの表示支援制御部175は、レスポンスに含まれた荷物の移動可能範囲を示す情報を、表示部12に表示する。図20Cは、荷物の移動可能範囲の画像G80が示された表示部12を示す図である。荷物の移動可能範囲の画像は、二次元画像であってもよいし、三次元画像であってもよい。
(動作例7の変形例4)
動作例7の変形例4について説明する。本変形例は、少なくともクレーンの設置位置及びクレーンの姿勢条件が決定している状況において実施される。この状況において、オペレータは、性能情報要求として、吊上げ可能な荷物の最大荷重を指定する。
本変形例において、サーバS1の演算部222は、荷物の荷重を所定の間隔で変化させて、アウトリガジャッキの反力を算出する。又、演算部222は、算出したアウトリガジャッキの反力と、パラメータに含まれる地盤強度と、を比較して作業可否を判定する。そして、演算部222は、判定結果に基づいて、吊上げ可能な荷物の最大荷重に関する情報を生成する。
本変形例において、サーバS1(具体的には、レスポンス発行部223)は、荷物の最大荷重に関する情報をレスポンスに含める。そして、このレスポンスを受け取ったクライアント端末Tの表示支援制御部175は、レスポンスに含まれた荷物の最大荷重に関する情報を、表示部12に表示する。
(動作例7の変形例5)
動作例7の変形例5について説明する。本変形例は、少なくとも、作業機(本変形例の場合、クレーン)の機種及び荷物荷重が決定している状況において実施される。この状況において、オペレータは、性能情報要求として、作業機の設置位置に関する情報(以下、単に「設置位置に関する情報」と称する。)を指定する。
本変形例において、リクエストに含まれるパラメータは、少なくとも、性能情報要求、作業機の機種情報、荷物荷重情報、及び作業現場全体の地盤強度に関する情報を含む。
サーバS1の演算部222は、リクエストに含まれるパラメータ及び取得した諸元データ等に基づいて、機種情報で指定された作業機の設置位置に関する情報を算出する。又、演算部222は、算出した設置位置に作業機を設置した場合の作業機の姿勢条件を算出してもよい。
サーバS1(具体的には、レスポンス発行部223)は、作業機の設置位置に関する情報をレスポンスに含める。演算部222が作業機の姿勢条件を算出している場合には、サーバS1は、作業機の姿勢条件に関する情報をレスポンスに含める。そして、このレスポンスを受け取ったクライアント端末Tの表示支援制御部175は、レスポンスに含まれた設置位置に関する情報を、表示部12に表示する。又、レスポンスに作業機の姿勢条件が含まれる場合には、表示支援制御部175は、取得した姿勢条件を、表示部12に表示された作業機画像の表示に反映する。
(動作例8)
次に、図2及び図21~図23を参照して、BIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、表示部12に荷物の移動経路に関する画像を表示させる例である。
クレーンの作業計画において、荷物の始点SP、終点FP、荷物、及び作業機の機種を決定した後、荷物の移動経路を決定する。従来、オペレータは、荷物の位置、クレーンの姿勢、クレーンの負荷状態、及び周囲の建築物を考慮して、荷物の移動経路を決定していたが、最適な経路を決定するためには、様々な状況に応じた移動経路を検討する必要があった。このため、従来から行われている移動経路の決定方法では、作業効率が低かった。よって、クレーンの作業計画において、効率よく最適な荷物の移動経路を求められる方法が望まれていた。
本動作例は、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物、及び作業機の機種が決定した状態で実施される。図21は、荷物の移動経路を表示部12に表示させる場合(表2のA-10参照)の、BIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。以下、本動作例におけるBIM支援システムBSの動作について説明する。
図21のステップS600において、表示部12には、図22Aに示す建築物画像G1Eのみが表示されている。つまり、ステップS600において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1Eは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS600において、オペレータは、表示部12に基本姿勢の作業機画像G22Eを表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。尚、基本姿勢の作業機画像G22Eを表示部12に表示させる際にオペレータが行う操作は、既述の動作例1の場合と同様である。ステップS600までに、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物、及び作業機の機種が決まっている。
次に、ステップS601において、オペレータは、荷物の移動経路を表示部12に表示させるための操作を行う。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、荷物の移動経路の表示要求(性能情報要求)を入力する。
本動作例の場合、オペレータは、BIMアプリケーションAを操作して、荷物の始点SP及び荷物の終点FPを入力する。オペレータは、荷物の経由点(不図示)を入力してもよい。
尚、ステップS601において、オペレータは、後述のステップS607において演算部222が実行する荷物の移動経路の生成において優先される条件(以下、「優先条件」と称する。)を入力してもよい。優先条件として、例えば、「移動距離が最も短い移動経路」、「移動時間が最も少ない移動経路」、及び「燃費が最も低い移動経路」が挙げられる。
又、オペレータは、優先条件として、「禁止区域を通らない移動経路」を指定することもできる。禁止区域は、例えば、図22B及び図22Cに斜格子が付された区域である。禁止区域に関する情報は、BIMアプリケーションAに記憶されている。
尚、表示部12に荷物の移動経路を表示するためのオペレータの操作は、ステップS601で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。つまり、本動作例において、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して荷物の移動経路の表示要求を入力すると、荷物の移動経路に関する画像が自動的に表示部12に表示される。
ステップS601において、性能情報要求を入力部11が受け付けると、情報取得部173は、取得した性能情報要求に対応するパラメータ(機種情報、姿勢条件、荷物情報、作業状態情報、構成部材情報、及びその他の情報)を、BIM制御部161から取得する。本動作例の場合、パラメータは、その他の情報として、建築物画像G1Eに関する情報を含んでいる。又、パラメータは、荷物情報として、吊上荷重情報及び荷物の始点に関する情報、及び荷物の終点に関する情報を含んでいる。ただし、パラメータは、荷物情報として、荷物の形状に関する情報を含んでもよい。
尚、本動作例において、パラメータは、姿勢条件としてアウトリガ張り出し幅を含んでいる。ただし、パラメータは、姿勢条件を含まなくてもよい。又、パラメータは、構成部材情報として、フック情報及びワイヤ掛け数に関する情報を含んでいる。ただし、パラメータは、構成部材情報を含まなくてもよい。
ステップS601において情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表11のB列に示すパラメータ(表2の10-Bに示すパラメータ)である。尚、ステップS601において、オペレータが優先条件として禁止区域を通らない移動経路を指定した場合には、パラメータは、禁止区域に関する情報を含む。禁止区域に関する情報は、ステップS601において、情報取得部173がBIMアプリケーションAから取得する。
建築物画像に関する情報は、BIMアプリケーションAに記憶されている。よって、ステップS601において、情報取得部173は、BIMアプリケーションAから建築物画像に関する情報を取得する。尚、ステップS601において情報取得部173が取得する建築物画像に関する情報は、オペレータにより情報入力部77から入力された情報であってもよい。
ステップS601において、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS602において、リクエスト発行部174は、取得した機種情報で特定される作業機画像(つまり、図22A~図22Cの作業機画像G22E)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS603において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS604において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS605において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。本動作例において、演算部222が取得する演算式は、荷物の移動経路を生成するための必要な演算式である。
ステップS606において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS607において、演算部222は、クライアント端末Tから取得したパラメータと、記憶部23から取得した演算式及び諸元データとに基づいて、荷物の移動経路を算出する。
本動作例の場合、作業機の姿勢条件が決定されていない。このため、ステップS607において、演算部は、機種情報で特定された作業機が取り得る姿勢条件の範囲で、作業機の姿勢条件を変更して、荷物の移動経路を算出する。演算部222は、パラメータに含まれる建築物画像に関する情報に基づいて、建築物画像と、クレーンC及び荷物とが干渉しないような荷物の移動経路を算出する。尚、ステップS601においてオペレータから優先条件が入力されている場合には、演算部222は、優先条件で指定された条件に基づいて、移動経路を生成する。
演算部222は、算出した荷物の移動経路に関する情報をレスポンス発行部223に送る。
ステップS608において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した荷物の移動経路に関する情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS609において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS610において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバS1の演算結果(本動作例の場合、荷物の移動経路に関する情報)を、表示部12の表示に反映させる。
図22B及び図22Cは、荷物の移動経路の画像が示された表示部12の表示態様の一例を示している。荷物の移動経路の画像R1は、オペレータにより、優先条件として「移動距離が最も短い移動経路」が指定された場合に、表示部12に表示される荷物の移動経路である。又、荷物の移動経路R2は、オペレータにより、優先条件として「禁止区域を通らない移動経路」が指定された場合に、表示部12に表示される荷物の移動経路である。
尚、上述の動作例8において、サーバS1は、荷物の移動経路と共に、算出した荷物の移動経路に対応する作業機の姿勢条件を含むレスポンスを、クライアント端末Tに送信してもよい。
又、サーバS1は、算出した荷物の移動経路に関する情報に基づいて、作業計画書を生成してもよい。この場合、サーバS1は、生成した作業計画書に関する情報を含むレスポンスを、クライアント端末Tに送信する。作業計画書には、例えば、旋回角度、起伏角度、作業の種類(例えば、玉掛け作業、玉外し作業)、巻き上げ量、負荷率、作業半径等が記載される。図23は、作業計画書の一例を示す。
尚、作業計画書は、BIMアプリケーションAにより生成されてもよい。この場合、サーバS1は、作業計画書を生成するための情報を含むレスポンスを、BIMアプリケーションAに送信する。BIMアプリケーションAは、取得した作業計画書を生成するための情報に基づいて、図23に示すような作業計画書を生成する。
(動作例8の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、オペレータは、少なくとも、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物、及び作業機の機種を決定すれば、優先条件を満たす荷物の移動経路を取得できる。このように本動作例によれば、オペレータは、効率よく荷物の移動経路を得ることができる。よって、本動作例は、作業計画の作業効率を著しく向上することができる。
(動作例9)
次に、図24~図26を参照して、オペレータが実施する動作及びBIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、表示部12に機種情報のリスト48(図25B参照)を表示させる例である。
クレーンの作業計画において、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件を決定した後、この搬送条件下において荷物を搬送可能な性能を有するクレーンを選択する必要がある。
従来、BIMのオペレータは、作業機メーカーから提供されたクレーンの諸元データや定格総荷重表を参照して、BIMに記憶された作業機のリストからクレーンを選択していた。しかしながら、荷物の搬送に最適なクレーンを選択することは難しく、時間を要する作業であった。このため、クレーンの作業計画において、荷物の搬送に最適なクレーンを効率よく選択できる方法が望まれていた。
本動作例は、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件が決定した状態、且つ、クレーンが決まっていない状況で実施される。図24は、搬送条件を満たすクレーンの機種情報のリストを表示部12に表示させる場合の、オペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。以下、本動作例におけるオペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作について説明する。
図24のステップS700において、表示部12には、図26に示す建築物画像G1Eのみが表示されている。つまり、ステップS700において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。換言すれば、ステップS700において、使用する作業機は決定されていない。建築物画像G1Eは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS700において、オペレータは、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件を入力する。クレーンの配置点CPは、作業機の配置位置の一例に該当する。荷物の始点SPは、荷物の搬送元の位置の一例に該当する。荷物の終点FPは、荷物の搬送先の位置の一例に該当する。
オペレータは、例えば、マウスやタッチペン等の入力装置を介して、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、及び荷物の搬送経路R1を入力する。
又、オペレータは、表示部12に表示された入力画面47a(図25A参照)から、荷物の重量を入力する。又、オペレータは、入力画面47aから、安全率の閾値を入力してもよい。又、オペレータは、入力画面47aから、クレーンタイプに関する条件を入力してもよい。クレーンタイプに関する条件は、作業機の種類及び機種条件の一例に該当し、例えば、ラフテレーンクレーンやオールテレーンク等であってよい。
又、オペレータは、入力画面47aから、作業機メーカーに関する条件を入力してもよい。作業機メーカーに関する条件は、機種条件の一例に該当する。
ステップS701において、オペレータは、クレーンの機種情報のリストを表示部12に表示させるための操作を行う。オペレータは、例えば表示部12に表示された入力画面(不図示)から、クレーンの機種情報の表示要求(機種情報要求)を入力する。
ステップS701において、入力部11が機種情報要求を受け付けると、ステップS702において、情報取得部173は、機種情報要求に必要なパラメータ(搬送条件及び/又は機種条件)を、BIM制御部161から取得する。
本動作例の場合、パラメータは、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量に関する情報等の搬送条件を含む。搬送条件は、安全率の閾値に関する情報を含んでもよい。パラメータは、機種条件(クレーンタイプに関する条件及び/又は業機メーカーに関する条件)を含んでもよい。そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS703において、リクエスト発行部174は、サーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
尚、ステップS700において、作業機メーカーに関する条件が入力されていない場合、リクエスト発行部174は、総てのサーバのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。一方、ステップS700において、作業機メーカーに関する条件が入力されている場合、リクエスト発行部174は、入力された作業機メーカーに対応するサーバのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、機種情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、生成したリクエストを通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS704において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS705において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS706において、演算部222は、記憶部23から取得した作業機の諸元データを参照しつつ、リクエストに含まれた搬送条件下において荷物を搬送可能な性能を有する作業機の機種情報を取得する。演算部222は、パラメータに機種条件(作業機の種類に関する条件)が含まれる場合には、機種条件に該当する作業機の機種情報を取得する。尚、演算部222は、作業機の機種情報を、例えば、既述の第三の演算により取得する。そして、演算部222は、取得した機種情報をレスポンス発行部223に送る。
ステップS707において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した作業機の機種情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS708において、通信部13は、サーバ(サーバS1~S4)からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS709において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバ(S1~S4)の演算結果(本動作例の場合、作業機の機種情報)を、表示部12の表示に反映させる。具体的には、表示支援制御部175は、図25Bに示すような作業機の機種情報のリスト48を生成し、表示部12に表示させる。
リスト48には、左から順に、作業機メーカーに関する情報、作業機の機種情報、及び安全度が示されている。安全度は、搬送条件に対する作業機の性能の安全の度合いと捉えてよい。安全度が高い作業機ほど、搬送条件に対して性能に余裕がある作業機を意味する。
オペレータは、リスト48を見ることにより、搬送条件を満たす性能を有する作業機を知ることができる。オペレータは、リスト48の中から、所望の作業機を選択する。尚、オペレータは、例えば、リスト48を操作することにより、機種情報を、安全度の高い順に並べることもできる。
ここで、リクエストに建築物の画像に関する情報が含まれる場合、サーバにおいて、作業機と建築物との干渉の有無の判定が行われる。この場合、リスト48に含まれる作業機は、搬送条件下において、周囲の建築物(図24の建築物画像G1E)と干渉することなく、荷物を搬送可能な性能を有する作業機である。
一方、リクエストに建築物に関する情報が含まれない場合、リスト48に含まれる作業機は、荷物を搬送する際の作業機の姿勢によっては、周囲の建築物(図24の建築物画像G1E)と干渉する作業機が含まれている場合がある。
そこで、本動作例の場合、ステップS709以降のステップ(不図示)において、支援制御部172は、サーバから取得したレスポンスに含まれる作業機(機種情報)から、ステップS700において入力された搬送条件下において、表示部12において作業機(作業機の配置点CP)の周囲に表示された建築物(例えば、建築物画像G1E)と干渉することなく、荷物を搬送可能な性能を有する作業機(機種情報)を選択してもよい。
このために、支援制御部172は、サーバから取得したレスポンスに含まれる総ての作業機(機種情報)に対して、作業機(作業機の配置点CP)と建築物との干渉の有無を判定する。
具体的には、支援制御部172は、レスポンスに含まれる作業機(機種情報)から一つの作業機を選択する。次に、支援制御部172は、荷物の始点SPから荷物の終点FPまで荷物を搬送する際に作業機が取り得る姿勢を決定する。
そして、支援制御部172は、搬送中に作業機が取り得る総ての姿勢に対して、建築物との干渉の有無を判定する。この判定を、レスポンスに含まれる総ての作業機に対して行うことにより、支援制御部172は、建築物と干渉しない作業機のみを、レスポンスに含まれる作業機から抽出し、表示部12に表示させる。
又、支援制御部172(表示支援制御部175)は、オペレータによりリスト48から選択された作業機画像を、表示部12におけるクレーンの配置点CPに表示する。
(動作例9に関する付記)
上述の動作例9では、搬送条件として搬送経路が決定している場合について説明した。搬送経路が決定していれば、搬送経路を考慮した作業機の選択が可能となるため、好ましい。ただし、搬送経路は決定していなくてもよい。
搬送経路が決定していない場合、搬送条件は、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、及び荷物の重量を含む。クライアント端末Tは、この搬送条件を含むリクエストをサーバに送る。つまり、サーバは、搬送経路を考慮せずに、リクエストに含まれる搬送条件下において、荷物を搬送可能な作業機の機種情報を取得する。そして、サーバは、取得した機種情報を含むレスポンスをクライアント端末Tに送る。オペレータは、作業機のリストの中から選択した作業機を表示部12に表示させ、表示された作業機を操作することにより、移動経路を検討してもよい。
(動作例9の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、オペレータは、搬送条件を決定することにより、この搬送条件下において荷物を搬送可能な性能を有する作業機の機種情報をサーバから取得できる。そして、オペレータは、サーバから取得した機種情報の中から、所望の作業機を選択する。このように本動作例によれば、オペレータは、荷物の搬送に最適なクレーンを効率よく選択できる。
(動作例10)
図27~図30を参照して、オペレータが実施する動作及びBIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、表示部12に環境負荷情報である作業機の燃費情報の画像G31(図30参照)を表示させる例である。
クレーンの作業計画において、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件を決定した後、この搬送条件下において荷物を搬送可能な性能を有するクレーンを選択する。
従来、BIMのオペレータは、作業機メーカーから提供されたクレーンの仕様書から、クレーンの大まかな燃費を知ることはできた。但し、搬送作業におけるクレーンの詳細な燃費を知ることはできなかった。このため、クレーンの作業計画において、搬送作業におけるクレーンの詳細な燃費を知る方法が望まれていた。尚、本動作例は、クレーンに限らず、種々の作業機を対象としてよい。
本動作例は、作業機の機種情報、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件が決定した状態で実施される。図27は、設定した搬送条件のもと荷物を搬送した場合の作業機の燃費を表示部12に表示させる場合の、オペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。以下、本動作例におけるオペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作について説明する。
図27のステップS800において、表示部12には、図29に示す建築物画像G1Eのみが表示されている。つまり、ステップS800において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1Eは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS800において、オペレータは、表示部12に基本姿勢の作業機画像G2を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。尚、基本姿勢の作業機画像G2を表示部12に表示させる際にオペレータが行う操作は、既述の動作例1の場合と同様である。
ステップS801において、オペレータは、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件を入力する。クレーンの配置点CPは、作業機の配置位置の一例に該当する。荷物の始点SPは、荷物の搬送元の位置の一例に該当する。荷物の終点FPは、荷物の搬送先の位置の一例に該当する。
オペレータは、例えば、マウスやタッチペン等の入力装置を介して、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、及び荷物の搬送経路R1を入力する。
又、オペレータは、表示部12に表示された入力画面47b(図28参照)から、荷物の重量を入力する。又、オペレータは、入力画面47bから、搬送回数に関する情報を入力してもよい。本動作例の場合、搬送回数に関する情報は、荷物の個数である。搬送回数に関する情報は、搬送回数であってもよい。
ステップS802において、オペレータは、クレーンの燃費情報を表示部12に表示させるための操作を行う。オペレータは、例えば表示部12に表示された入力画面(不図示)から、クレーンの燃費情報の表示要求(環境負荷情報要求)を入力する。
ステップS802において、入力部11が環境負荷情報要求を受け付けると、ステップS803において、情報取得部173は、環境負荷情報要求に必要なパラメータ(搬送条件)を、BIM制御部161から取得する。
パラメータは、クレーンの機種情報、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量に関する情報等の搬送条件を含む。搬送条件は、搬送回数に関する情報を含んでもよい。そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS804において、リクエスト発行部174は、サーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。リクエスト発行部174は、クレーンの機種情報に対応する作業機メーカーのサーバのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、環境負荷情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、生成したリクエストを通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS805において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS806において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから環境負荷情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS807において、演算部222は、パラメータに含まれる搬送条件下において作業機が荷物を搬送した場合の、作業機の燃費情報を取得する。演算部222が作業機の燃費情報を取得する方法は、既述の通りである。そして、演算部222は、取得した作業機の燃費情報をレスポンス発行部223に送る。
尚、演算部222は、ステップS807において、リクエストに含まれた搬送条件下において荷物を搬送した場合に作業機が取り得る姿勢に関する情報を取得してもよい。
ステップS808において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した作業機の燃費情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
尚、ステップS807において、演算部222が作業機の姿勢に関する情報を取得している場合には、レスポンス発行部223は、演算部222が取得した作業機の姿勢に関する情報を更に含むレスポンスを生成してもよい。そして、レスポンス発行部223は、生成したこのレスポンスを、通信部21を介して、クライアント端末Tに送信してもよい。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS809において、通信部13は、サーバ(サーバS1~S4)からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS810において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバ(S1~S4)の演算結果(本動作例の場合、作業機の燃費情報)を、表示部12の表示に反映させる。具体的には、表示支援制御部175は、図30に示すような作業機の燃費情報の画像G31を生成し、表示部12に表示させる(表示部12の表示に反映させる)。
尚、図示は省略するが、レスポンスに作業機の姿勢に関する情報が含まれている場合、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる作業機の姿勢に関する情報を、表示部12に表示してもよい。オペレータは、レスポンスに含まれる作業機の姿勢に関する情報から、荷物を搬送するために作業機が取るべき姿勢を知ることができる。
(動作例10の作用・効果)
以上のような本動作例によれば、オペレータは、搬送作業における作業機の詳細な燃費を知ることができる。このため、オペレータは、燃料補給のタイミングを考慮した作業計画を立てることができる。又、レスポンスに作業機の姿勢に関する情報が含まれている場合、オペレータは、搬送作業における作業機の姿勢を決定する必要がないため、作業効率が向上する。
(動作例11)
図31~図33を参照して、オペレータが実施する動作及びBIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、表示部12に環境負荷情報である騒音分布画像G41(図33参照)を表示させる例である。騒音分布画像G41は、例えば、騒音の大きさの分布である。
クレーンの作業計画において、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件を決定した後、この搬送条件下において荷物を搬送可能な性能を有するクレーンを選択する。
従来、BIMのオペレータは、クレーンの詳細な騒音情報を知ることはできなかった。このため、クレーンの作業計画において、クレーンの騒音情報を知る方法が望まれていた。尚、本動作例は、クレーンに限らず、種々の作業機を対象としてよい。
本動作例は、少なくとも作業機が決定し、作業機を表示部12における所定位置に配置した状態で実施される。図31は、選択した作業機の騒音情報を表示部12に表示させる場合の、オペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。以下、本動作例におけるオペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作について説明する。
図31のステップS900において、表示部12には、図31に示す建築物画像G1Eのみが表示されている。つまり、ステップS900において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1Eは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS900において、オペレータは、表示部12に作業機画像G2を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。尚、作業機画像G2を表示部12に表示させる際にオペレータが行う操作は、既述の動作例1の場合と同様である。
ステップS901において、オペレータは、クレーンの騒音情報を表示部12に表示させるための操作を行う。オペレータは、例えば表示部12に表示された入力画面(不図示)から、クレーンの騒音情報の表示要求(環境負荷情報要求)を入力する。
ステップS901において、入力部11が環境負荷情報要求を受け付けると、ステップS902において、情報取得部173は、環境負荷情報要求に必要なパラメータ(クレーンの機種情報)を、BIM制御部161から取得する。そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS903において、リクエスト発行部174は、サーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。リクエスト発行部174は、クレーンの機種情報に対応する作業機メーカーのサーバのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、環境負荷情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、生成したリクエストを通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS904において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS905において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから環境負荷情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS906において、演算部222は、パラメータに含まれる機種情報に対応する作業機が搬送を行った場合の作業機の騒音情報を取得する。ステップS906において、演算部222が取得する騒音情報は、作業機における騒音の発生源の位置に関する情報及び騒音の分布に関する情報である。
演算部222が作業機の騒音情報を取得する方法は、既述の通りである。そして、演算部222は、取得した作業機の騒音情報をレスポンス発行部223に送る。
ステップS907において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した作業機の騒音情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS908において、通信部13は、サーバ(サーバS1~S4)からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS909において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバ(S1~S4)の演算結果(本動作例の場合、作業機の騒音情報)を、表示部12の表示に反映させる。具体的には、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる騒音の分布に関する情報に基づいて、図33に示すような作業機の騒音分布画像G41を生成する。
そして、表示支援制御部175は、生成した騒音分布画像G41を、表示部12に表示されている作業機画像G2における騒音の発生源の位置を基準として表示する。本動作例の場合、騒音の発生源は、作業機のマフラーである。よって、レスポンスに含まれる騒音の発生源の位置に関する情報は、作業機における基準位置(例えば、作業機の重心位置)に対する、マフラーの座標である。
(動作例11の付記)
作業機における騒音の発生源は、一か所に限らない。例えば、作業機がクレーンの場合、エンジンやマフラーが騒音の発生源となる。その他、作業機がクレーンの場合、アクチュエータやウインチが騒音の発生源となる場合もある。
このように騒音の発生源が複数ある場合には、サーバは、複数の騒音の発生源の位置に関する情報と、これら複数の騒音の発生源に対応する騒音の分布に関する情報を取得してもよい。又、クライアント端末T(BIMアプリケーションA又は支援モジュールM)は、サーバから取得した複数の騒音の発生源に対応する騒音の分布に関する情報を合成してもよい。クライアント端末T(BIMアプリケーションA又は支援モジュールM)は、合成した騒音の分布に関する情報を、例えば、作業機の基準位置(例えば、重心位置)を基準として、表示部12に表示してもよい。
(動作例12)
図34~図36を参照して、BIMのオペレータ(以下、本動作例において「オペレータ」と称する。)が実施する動作及びBIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、表示部12に環境負荷情報である排気ガス分布画像G42(図36参照)を表示させる例である。排気ガス分布画像G42は、例えば、排気ガスの密度の分布である。
クレーンの作業計画において、クレーンの配置点CP、荷物の始点SP、荷物の終点FP、荷物の搬送経路、及び荷物の重量等の搬送条件を決定した後、この搬送条件下において荷物を搬送可能な性能を有するクレーンを選択する。
従来、オペレータは、クレーンの詳細な排気ガス情報を知ることはできなかった。このため、クレーンの作業計画において、クレーンの排気ガス情報を知る方法が望まれていた。尚、本動作例は、クレーンに限らず、種々の作業機を対象としてよい。
本動作例は、少なくとも作業機が決定し、作業機を表示部12における所定位置に配置した状態で実施される。図34は、選択した作業機の排気ガス情報を表示部12に表示させる場合の、オペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。以下、本動作例におけるオペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作について説明する。
図34のステップS1000において、表示部12には、図35に示す建築物画像G1Eのみが表示されている。つまり、ステップS1000において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1Eは、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ステップS1000において、オペレータは、表示部12に作業機画像G2を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。尚、作業機画像G2を表示部12に表示させる際にオペレータが行う操作は、既述の動作例1の場合と同様である。
ステップS1001において、オペレータは、クレーンの排気ガス情報を表示部12に表示させるための操作を行う。オペレータは、例えば表示部12に表示された入力画面(不図示)から、クレーンの排気ガス情報の表示要求(環境負荷情報要求)を入力する。
ステップS1001において、入力部11が環境負荷情報要求を受け付けると、ステップS1002において、情報取得部173は、環境負荷情報要求に必要なパラメータ(クレーンの機種情報)を、BIM制御部161から取得する。そして、情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS1003において、リクエスト発行部174は、サーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。リクエスト発行部174は、クレーンの機種情報に対応する作業機メーカーのサーバのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、環境負荷情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、生成したリクエストを通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS1004において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS1005において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから環境負荷情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS1006において、演算部222は、パラメータに含まれる機種情報に対応する作業機が搬送を行った場合の作業機の排気ガス情報を取得する。ステップS1006において、演算部222が取得する排気ガス情報は、作業機における排気ガスの発生源の位置に関する情報及び排気ガスの分布に関する情報である。
演算部222が作業機の排気ガス情報を取得する方法は、既述の通りである。そして、演算部222は、取得した作業機の排気ガス情報をレスポンス発行部223に送る。
ステップS1007において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した作業機の排気ガス情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS1008において、通信部13は、サーバ(サーバS1~S4)からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS1009において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバ(S1~S4)の演算結果(本動作例の場合、作業機の排気ガス情報)を、表示部12の表示に反映させる。具体的には、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれる排気ガスの分布に関する情報に基づいて、図36に示すような作業機の排気ガス分布画像G42を生成する。そして、表示支援制御部175は、生成した排気ガス分布画像G42を、表示部12に表示されている作業機画像G2における排気ガスの発生源の位置を基準として表示する。本動作例の場合、排気ガスの発生源は、作業機のマフラーである。よって、レスポンスに含まれる排気ガスの発生源の位置に関する情報は、作業機における基準位置(例えば、作業機の重心位置)に対する、マフラーの座標である。
(動作例13)
図37~図40を参照して、BIMのオペレータ(以下、本動作例において「オペレータ」と称する。)が実施する動作及びBIM支援システムBSの動作の一例について説明する。本動作例は、表示部12に移動情報である移動後の作業機画像G24(図39参照)を表示させる例である。移動後の作業機画像G24は、作業機の移動経路に関する情報の一例に該当する。
クレーンの作業計画において、クレーンの配置位置が決まった後、使用するクレーンを選択する。オペレータは、既述の動作例9の方法により、クレーンを選択してよい。その後、BIMのオペレータは、クレーンを配置位置まで搬入するための搬入経路を検討する。
従来、オペレータは、クライアント端末Tの表示部12に表示された作業機の画像と通路の画像とを見て、クレーンの搬入経路を検討していた。このため、オペレータは、クレーンの搬入経路に関する詳細な検討を行うことはできなかった。そこで、クレーンの作業計画において、クレーンの搬入経路を詳細に検討できる方法が望まれていた。尚、本動作例は、クレーンに限らず、種々の作業機を対象としてよい。
本動作例は、少なくとも作業機が決定した状態で実施される。図37は、クレーンの移動経路に関する情報を表示部12に表示させる場合の、オペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作を示すフローチャートである。以下、本動作例におけるオペレータの動作及びBIM支援システムBSの動作について説明する。
図37のステップS1100において、表示部12には、図38に示す建築物画像G1E及び通路画像G9のみが表示されている。つまり、ステップS1100において、作業機画像は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1E及び通路画像G9は、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
ここで、クレーンは、通路画像G9を矢印A1に沿うように進んでクレーンの配置位置(不図示)まで進む。オペレータは、通路画像G9で示される通路を、作業機が通過可能か否かを検討する。
そこで、オペレータは、通路画像G9の入り口に作業機画像G21Fを表示させる。具体的には、ステップS1100において、オペレータは、表示部12に作業機画像G21Fを表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。尚、作業機画像G21Fを表示部12に表示させる際にオペレータが行う操作は、既述の動作例1の場合と同様である。
ステップS1101において、オペレータは、クレーンの移動距離、クレーンの移動方向、クレーンのステアリングの操舵角、及びクレーンのステアリングモード等の移動条件を入力する。クレーンの移動距離は、作業機の移動距離に関する情報の一例に該当する。クレーンの移動方向は、作業機の移動方向に関する情報の一例に該当する。クレーンのステアリングの操舵角は、作業機のステアリングの操舵量に関する情報の一例に該当する。クレーンのステアリングモードは、クレーンのステアリングモードに関する情報の一例に該当する。
オペレータは、例えば、表示部12に表示された入力画面から、クレーンの移動距離、クレーンの移動方向、クレーンのステアリングの操舵角、及びクレーンのステアリングモード等の移動条件を入力する。
(入力例)
ここで、移動条件の入力例について説明する。クレーンの移動距離の入力例は、1mである。尚、クレーンの移動距離の単位は、特に限定されない。クレーンの移動方向の入力例は、前進又は後進である。クレーンのステアリングの操舵角の入力例は、例えば、-180°である。
尚、ステアリングの操舵角は、例えば、時計の回転方向を+方向とし、時計の回転方向と反対方向を-方向とする。クレーンのステアリングモードの入力例は、例えば、前輪ステアリングモード、後輪ステアリングモード、四輪ステアリングモード、又はカニステアリングモードである。尚、移動条件の入力例は、上述の場合に限定されず、種々の入力態様であってよい。
ステップS1101において、オペレータは、クレーンの移動情報を表示部12に表示させるための操作を行う。オペレータは、例えば表示部12に表示された入力画面(不図示)から、クレーンの移動情報の表示要求(移動経路情報要求)を入力する。
ステップS1101において、入力部11が移動経路情報要求を受け付けると、ステップS1102において、情報取得部173は、移動経路情報要求に必要なパラメータ(機種情報及び移動条件)を、BIM制御部161から取得する。
本動作例の場合、パラメータは、機種情報と移動条件を含む。移動条件は、安全率の閾値に関する情報を含んでもよい。情報取得部173は、取得した情報を、リクエスト発行部174に送る。
ステップS1102において、オペレータは、クレーンの移動条件を表示部12に表示させるための操作を行う。オペレータは、例えば表示部12に表示された入力画面(不図示)から、クレーンの移動情報の表示要求(移動経路情報要求)を入力する。
ステップS1102において、入力部11が移動経路情報要求を受け付けると、ステップS1103において、情報取得部173は、移動経路情報要求に必要なパラメータ(機種情報及び移動条件)を、BIM制御部161から取得する。
本動作例の場合、パラメータは、クレーンの機種情報、クレーンの移動距離、クレーンの移動方向、クレーンのステアリングの操舵角、及びクレーンのステアリングモードを含む。
ステップS1104において、リクエスト発行部174は、サーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。リクエスト発行部174は、クレーンの機種情報に対応するサーバのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、移動経路情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、生成したリクエストを通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
ステップS1105において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS1106において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS1107において、演算部222は、記憶部23から取得した作業機の諸元データを参照しつつ、リクエストに含まれた移動条件下において作業機が移動した場合の、作業機の移動後の位置及び作業機の移動後の方向を取得する。演算部222が作業機の移動後の位置及び作業機の移動後の方向を取得する方法は、既述の通りである。
ステップS1107において、演算部222は、作業機において回転半径が最も小さい部分の最小回転半径を取得してもよい。又、演算部222は、作業機において回転半径が最も大きい部分の最大回転半径を取得してもよい。このような最小回転半径に関する情報及び最大回転半径に関する情報も、移動経路に関する情報に含まれる。
ステップS1108において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した作業機の移動情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。通信部21は、取得したレスポンスをクライアント端末Tに送信する。
次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末Tの処理について説明する。
ステップS1109において、通信部13は、サーバ(サーバS1~S4)からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して表示支援制御部175に送られる。
ステップS1110において、表示支援制御部175は、レスポンスに含まれるサーバ(S1~S4)の演算結果(本動作例の場合、作業機の移動経路に関する情報)を、表示部12の表示に反映させる。具体的には、表示支援制御部175は、図39に示すような作業機の移動情報に基づいて生成した移動後の作業機画像G24を生成し、表示部12に表示させる。
本動作例の場合、図39に示すように、表示支援制御部175は、表示部12に移動前の作業機画像G23と移動後の作業機画像G24とを表示させる。表示支援制御部175は、表示部12に移動前の作業機画像G23を表示せず、移動後の作業機画像G24を表示させてもよい。以上のような動作を繰り返すことにより、表示部12には、図40に示すような作業機の移動軌跡が表示される。
表示支援制御部175は、レスポンスに最小回転半径に関する情報及び最大回転半径に関する情報が含まれている場合、最小回転半径Rmin及び最大回転半径Rmaxを、表示部12に表示する。
オペレータは、表示部12に表示された移動軌跡を見ることで、作業機が通路を通過できるか否かを判定できる。
BIMアプリケーションA又は支援モジュールM(支援制御部172)は、作業機が移動前の位置から移動後の位置に移動した場合に、作業機が、表示部12において作業機の周囲に表示されている建築物と干渉するか否かを判定し、この判定の結果を通知(以下、「干渉通知」と称する。)してもよい。
BIMアプリケーションA又は支援モジュールM(支援制御部172)は、作業機と建築物との干渉を、表示部12に表示された作業機画像(移動後の作業機画像G24)と建築物画像G1Eとの重なりにより判定してよい。オペレータは、干渉通知を確認することにより、作業機が通路を通過できるか否かを、容易に判定できる。
基本姿勢の作業機(ブームが全倒伏した状態の作業機)において、作業機と建築物とが干渉してしまう場合、オペレータは、入力部11から作業機の姿勢条件を入力することにより、作業機の姿勢を変更する。そして、上述の動作例13を実施する。例えば、ブームの先端部が建築物と干渉している場合、オペレータは、クレーンのブームを起仰させた後、動作例13を実施する。
そして、支援モジュールM(支援制御部172)は、姿勢変更後の作業機が移動前の位置から移動後の位置に移動した場合に、この作業機が、表示部12において作業機の周囲に表示されている建築物と干渉するか否かを判定し、この判定の結果を通知してもよい。
(動作例13の付記)
上述の動作例13は、1回の移動毎に、クレーンの移動距離及びステアリングの操舵角を指定する方法である。よって、図40に示すような作業機の移動軌跡を表示部12に表示するためには、クライアント端末は、複数回のリクエストをサーバに送る必要がある。
このような動作例13の変形例として、1回のリクエストで、複数回の移動に対するクレーンの移動距離及びステアリングの操舵角を指定する方法を採用してもよい。
この変形例の場合、オペレータは、複数回の移動のうちの1回の移動におけるクレーンの移動距離と、ステアリングの操舵角の増加量を指定する。具体的には、オペレータは、1回の移動で1m進み、1m進む毎にステアリングの操舵角を15°増加させる、といった指定を行う。そして、クライアント端末は、このような移動条件を含むリクエストをサーバに送る。サーバは、移動条件を満たす移動経路に関する情報を取得し、取得した移動経路に関する情報を含むレスポンスをサーバに送る。このような変形例の場合、1回のリクエストを送るだけで、図40に示すような作業機の移動軌跡を表示できる。
(動作例13の作用・効果)
以上のような構成を有する本動作例によれば、使用するクレーンの搬入経路を詳細に且つ容易に検討できる。
[本実施形態の作用・効果]
上述した通り、本実施形態に係るBIM支援システムBSは、作業機に関する詳細な情報をオペレータに提示できる。このような詳細情報の提示を受けたオペレータは、作業機を考慮した詳細な施工計画を立てることができる。
[参考例]
図41~図43を参照して、本発明に係る参考例のクレーン支援システムCSについて説明する。図41は、クレーン支援システムCSの構成を示す図である。図42は、クレーン支援システムCSの構成を示すブロック図である。尚、本参考例は、作業機の一例としてクレーンCを採用している。ただし、作業機は、クレーンに限定されず、種々の作業機であってもよい。具体的には、作業機として、クレーン、ブルドーザ、油圧ショベルカー、コンクリートポンプ車、高所作業車、ダンプトラック、トレーラ、及びリフター等が挙げられる。
<クレーン支援システムの概要>
以下、図41及び図42を参照して本参考例に係るクレーン支援システムCSのシステム構成について説明する。クレーン支援システムCSは、性能情報演算システムの一例に該当する。
クレーン支援システムCSは、ハードウェア構成として、クレーンC及び複数のサーバS1~S4(性能情報演算サーバとも称される)を有する。尚、本参考例のクレーン支援システムCSは、クレーンCとサーバS1~S4とがネットワークNを介して接続されたシステムである。クレーン支援システムCSにおけるクレーン及びサーバの数は、図示の場合に限定されない。
<クレーン>
以下、クレーンCの構成について説明する。クレーンCは、移動式クレーン(例えば、ラフテレーンクレーン)である。ただし、クレーンCは、移動式クレーンに限らず、種々のクレーンであってよい。
クレーンCは、基本構成として、一般的なラフテレーンクレーンが有する構成を有する。大きな概念として、クレーンCは、走行体6と、旋回体7と、を有する。
具体的には、走行体6は、左右一対のフロントタイヤ61と、リヤタイヤ62と、を有する。又、走行体2は、荷物の運搬作業を行う際に接地させて安定を図るアウトリガ63を有する。
具体的には、旋回体7は、旋回台71と、ブーム72と、ジブ72aと、を有する。旋回台71は、旋回可能な状態で、走行体6に支持されている。ブーム72は、伸縮可能な伸縮式ブームである。ブーム72は、起伏可能な状態で旋回台71に支持されている。このようなブーム72は、旋回台71が旋回軸を中心に回転すると、旋回する。ジブ72aは、使用状態において、ブーム72の先端に支持される。ジブ72aは、非使用状態(図41のクレーンCの状態)において、ブーム72の側方に格納されている。
又、ブーム72には、ワイヤロープ(不図示)が架け渡されている。旋回台71には、ワイヤロープを巻き付けたウインチ(不図示)が設けられている。ワイヤロープは、ブーム72又はジブ72aの先端から、シーブ(不図示)を介して垂下されている。ワイヤロープの先端には、フック(不図示)が固定されている。
旋回台71、ブーム72、ジブ72a、ワイヤロープ、及びフックは、被操作機能部の一例に該当し、アクチュエータにより駆動される。
クレーンCは、被操作機能部を駆動するアクチュエータとして、旋回用アクチュエータ731と、起伏用アクチュエータ732と、伸縮用アクチュエータ733と、ウインチ用アクチュエータ734と、を有する(図42参照)。以下、旋回用アクチュエータ731、起伏用アクチュエータ732、伸縮用アクチュエータ733、及びウインチ用アクチュエータ734を、まとめてアクチュエータ73と称する。
旋回用アクチュエータ731は、例えば、油圧式のモータであって、旋回台71を旋回軸を中心に回転させる。旋回台71が回転すると、旋回台71とともにブーム72が旋回する。よって、旋回用アクチュエータ731は、ブーム72を旋回させるためのアクチュエータと捉えてよい。
起伏用アクチュエータ732は、例えば、油圧式の伸縮シリンダであって、自身の伸縮にともない、ブーム72を起立又は倒伏させる。よって、起伏用アクチュエータ732は、ブーム72を起立させる又は倒伏させるためのアクチュエータと捉えてよい。
伸縮用アクチュエータ733は、例えば、油圧式の伸縮シリンダであって、自身の伸縮にともない、ブーム72を伸長又は縮小させる。よって、伸縮用アクチュエータ733は、ブーム72を伸長させる又は縮小させるためのアクチュエータと捉えてよい。
ウインチ用アクチュエータ734は、例えば、油圧式のモータであって、ウインチを第一方向(繰り出し方向とも称する。)又は第二方向(巻き取り方向とも称する。)に回転させる。ウインチが回転すると、ウインチの回転にともない、ワイヤロープは繰り出される又は巻き取られる。ワイヤロープの繰り出し又は巻き取りに応じて、フックは上昇又は降下する。よって、ウインチ用アクチュエータ734は、フックを上昇させる又は降下させるためのアクチュエータと捉えてよい。
又、クレーンCは、操作入力部74、姿勢検出部75、荷重検出部76、情報入力部77、表示部78、通信部79、記憶部80、及び制御部81等を有する。
操作入力部74は、例えば、運転室に設けられた操作レバーであって、クレーンCのオペレータ(以下、本参考例の説明において、単に「オペレータ」と称する。)からの操作入力を受け付ける。操作入力部74は、オペレータから操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力に対応する操作信号を制御部81(具体的には、第一制御部82の動作制御部821)に出力する。尚、操作入力部74は、クレーンCと無線接続又は有線接続された操作端末に設けられていてもよい。
姿勢検出部75は、クレーンCの姿勢に関する情報を検出する。姿勢検出部75は、検出した姿勢に関する情報を、制御部81(第一制御部82)に送る。姿勢に関する情報は、例えば、ブームの起伏角、ブームの長さ、ブームの旋回角、ジブの起伏角、ジブの長さ、アウトリガの張出幅、及びフックの位置である。
姿勢検出部75は、所定の時間間隔で、姿勢に関する情報を検出する。姿勢検出部75は、検出した姿勢に関する情報を、所定の時間間隔で制御部81(第一制御部82)に送る。
荷重検出部76は、荷物荷重に関する情報を検出する。荷重検出部76は、所定の時間間隔で、荷物荷重に関する情報を検出する。荷重検出部76は、検出した荷物荷重に関する情報を、所定の時間間隔で制御部81(第一制御部82)に送る。
情報入力部77は、オペレータから情報の入力を受け付ける。情報入力部77は、受け付けた入力に関する情報を制御部81(第一制御部82又は第二制御部83)に送る。情報入力部77が受け付ける情報の一例を以下に説明する。
情報入力部77は、オペレータから性能情報要求の入力を受け付ける。性能情報要求は、クレーンCがサーバS1~S4から取得する作業機の性能情報を指定する情報を含む。尚、本参考例において、性能情報要求により指定される作業機の性能情報は、クレーンCの性能情報を意味する。
表示部78は、情報を表示する。表示部78は、例えば、運転室内に設けられたモニタである。
通信部79は、ネットワークNを介してサーバS1~S4と通信する。そのために、通信部79は、情報の送信部及び受信部(図示省略)を備える。サーバS1~S4との通信は、例えば、通信制御部171によって制御される。
又、通信部79は、サーバS1~S4に向けて後述のリクエストを送信し、このリクエストに対するレスポンスをサーバS1~S4から受信する。
記憶部80は、第一記憶部801及び第二記憶部802を有する。第一記憶部801は、作業機(クレーンC)の機種情報を記憶する。第二記憶部802は、リクエストを送るサーバを特定する情報を記憶する。サーバを特定する情報は、サーバ特定情報とも称される。第二記憶部802は、サーバ特定情報を、作業機(例えば、クレーン)の機種と対応付けて記憶している。
具体的には、第二記憶部802は、複数の作業機の機種情報と、これら各機種情報に対応するサーバ(サーバ特定情報)と、を対応付けるアドレステーブルを記憶している。尚、第一記憶部801及び第二記憶部802は、一つのハードウェア(主記憶装置)により構成されている。但し、第一記憶部801及び第二記憶部802は、複数のハードウェアにより構成されてもよい。
制御部81は、上述した各エレメント74~80それぞれの動作を制御してクレーンC全体の動作を制御する。クレーン支援システムCSの機能に着目した場合、制御部81は、第一制御部82及び第二制御部83等を備える。第二制御部83の基本的な構成は、既述の実施形態1の第二制御部17と同様である。
第一制御部82は、操作制御部の一例に該当し、動作制御部821及び表示制御部822等を有する。第一制御部82は、過負荷防止装置の制御部の一例にも該当する。即ち、第一制御部82は、過負荷防止装置の機能を実現する機能を有する。
動作制御部821は、操作入力部74から出力された操作信号に基づいて、アクチュエータ73の動作を制御する。
又、動作制御部821は、支援操作モジュールMから取得した作業機の性能情報に基づいて、アクチュエータ73の動作を制御する。例えば、動作制御部821は、支援操作モジュールMから作業機の性能情報として作業機の姿勢条件に対応する定格総荷重を取得した場合、取得した定格総荷重に基づいて、アクチュエータ73の動作を制御する。
表示制御部822は、表示部78の動作を制御する。表示制御部822は、支援モジュールMから取得した作業機の性能情報に基づいて、表示部78の動作を制御する。例えば、表示制御部822は、支援操作モジュールMから作業機の性能情報として領域画像(図10Cの領域画像G4及び図16Eの領域画像G4A参照)を取得した場合、表示部78に作業機の画像、作業機の周囲の画像、及び領域画像を表示してもよい。
第二制御部83は、通信制御部171、支援制御部172、領域画像処理部176、及び変形画像処理部177等を有する。第二制御部83は、支援モジュールMの機能を実現する。第二制御部83の基本的な構成は、既述の実施形態1の第二制御部17とほぼ同様であるため、重複する説明は省略する。支援モジュールMの構成については、実施形態1における支援モジュールMの説明を適宜援用してよい。図42において、本参考例の支援モジュールMを構成するエレメントのうち、実施形態1の支援モジュールMと共通のエレメントは、実施形態1の支援モジュールMのエレメントと同一の参照符号を付されている。尚、第二制御部83の構成のうち、実施形態1の第二制御部17と異なる構成については、後述の動作例において説明する。
本参考例の場合、支援モジュールMは、クレーンCの第一制御部82と連携して動作する。支援モジュールMは、第一制御部82に組み込まれている(アドインされている)。尚、支援モジュールMは、第一制御部82と連携して動作するハードウェアであれば、第一制御部82とは異なるハードウェア(例えば、制御器、タブレット、又はパーソナルコンピュータ)に組み込まれてもよい。このような支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル、MQTTSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、作業機の性能情報を取得する。
作業機の性能情報は、既述の実施形態1と同様であり、例えば、定格総荷重、モーメント負荷率、ブームの最大倒伏角、作業半径、ブームの変形画像情報、ジブの変形画像情報、作業機の作業領域画像情報、アウトリガジャッキ反力値、作業機の姿勢情報、地盤強度を考慮した作業可否に関する情報、及び荷物の移動経路に関する情報等を含む(後述の表2のC列参照)。又、性能情報は、作業機が所望の作業を実行できるか否かの判定結果を含む。又、作業機がクレーンの場合、性能情報は、荷物の移動経路に関する情報を含む。
支援モジュールMは、クレーンCの姿勢条件を、第一制御部82から取得する。支援モジュールMは、姿勢条件、作業機の性能情報を指定するための性能情報要求、及び作業機の機種情報を含むリクエストを、サーバS1~S4から特定したサーバに送信する。
この際、支援モジュールMは、作業機に対応するサーバを特定するサーバ特定情報をリクエストに含めることにより、リクエストを送信するサーバを特定してもよい。サーバ特定情報は、例えば、サーバのURIである。
又、支援モジュールMは、性能情報要求で指定した性能情報を含むレスポンスをサーバから受信する。そして、支援モジュールMは、受信した性能情報を、第一制御部82に送る。
<クレーン支援システムの動作例>
以下、クレーン支援システムCSの動作例について説明する。尚、クレーン支援システムCSの基本的な動作については、実施形態1のBIM支援システムBSの動作例1~8とほぼ同様である。以下、クレーン支援システムCSの代表的な動作の一例について説明する。
(動作例1)
本動作例は、実施形態1に係るBIM支援システムBSの動作例1に対応する。本動作例の処理は、クレーンCとサーバS1~S4との間で実施される。この観点で、BIMアプリケーションA(図2参照)とサーバS1~S4との間で実施される処理に関する実施形態1の動作例1とは異なる。つまり、実施形態1の動作例1の場合、支援モジュールMは、BIMアプリケーションAの操作制御部と連携して動作する。一方、本動作例の場合、支援モジュールMは、クレーンCの操作制御部と連携して動作する。本動作例は、このような観点で、実施形態1の動作例1とは異なる。ただし、本動作例の支援モジュールMの基本的な動作については、実施形態1の動作例1の支援モジュールMの動作とほぼ同じである。又、詳述は省略するが、実施形態1の動作例2~8の説明は、本参考例のクレーン支援システムCSの動作例の説明として適宜援用されてよい。
本動作例は、例えば、クレーンCの過負荷防止装置が実施する演算に使用するための定格総荷重を、サーバから取得する場合に実施される。クレーンCの作業時、クレーンCの過負荷防止装置は、クレーンCの姿勢に応じた定格総荷重を取得し、取得した定格総荷重と荷物荷重とに基づいて、作業の安全性を判定する処理を行う。
従来、クレーンCは、記憶部に記憶した定格総荷重表に基づいて、クレーンCの姿勢に対応する定格総荷重を取得していた。又、クレーンCの姿勢に対応する定格総荷重が定格総荷重表に含まれていない場合には、クレーンCは、補間演算することにより定格総荷重を算出していた。このような定格総荷重を算出するための演算は常時行われるため、高性能な演算器が、クレーンCに搭載されている。高性能な演算器は、高価であり、クレーンCの製造コストが嵩む要因であった。
又、定格総荷重表及び補間演算のための補間演算式は、更新されることがあり、メンテナンス作業者は、定格総荷重表及び補間演算式を作業機毎に更新する必要があった。又、荷物の搬送作業において、複数台のクレーンが協働して一つの荷物を搬送する、所謂共吊りと呼ばれる作業が行われることがある。定格総荷重表及び補間演算式が異なる作業機が共吊りを行う場合、作業機毎に過負荷防止装置による演算結果が異なってしまい、作業効率が低下してしまう可能性がある。
本動作例によれば、定格総荷重をサーバから取得するため、クレーンCは、定格総荷重表及び補間演算式を備える必要がない。よって、定格総荷重表及び補間演算式の更新は不要である。又、複数のクレーンCはそれぞれ、共通の定格総荷重表及び補間演算式に基づいて算出された定格総荷重をサーバから取得する。このため、作業機毎に過負荷防止装置による演算結果が異なることもない。
図43は、表示部78に定格総荷重を表示させる場合、及び/又は、サーバから取得した定格総荷重に基づいてクレーンCの動作を制御する場合のクレーン支援システムCSの動作を示すフローチャートである。
図43のステップS1201において、オペレータは、情報入力部77から、定格総荷重(性能情報)を指定する性能情報要求を入力する。換言すれば、情報入力部77は、オペレータから、定格総荷重(性能情報)を指定する性能情報要求の入力を受け付ける。情報入力部77は、オペレータから入力された性能情報要求に関する情報を、制御部81に送る。すると、クレーンCは、所定の時間間隔で、定格総荷重を要求するためのリクエストを、サーバS1に送信する状態となる。
ステップS1202において、情報取得部173は、情報入力部77から性能情報要求を取得した場合、取得した性能情報要求に対応するパラメータを、第一制御部82から取得する。ステップS1202において、情報取得部173は、少なくとも、性能情報要求で指定される性能情報の演算に必要なパラメータを、第一制御部82から取得すればよい。
情報取得部173は、情報入力部77から性能情報要求を取得した場合、第一制御部82(具体的には、動作制御部821)から所定の時間間隔でパラメータを取得し続ける。この場合、性能情報の要求を終了することを示す信号(以下、単に「終了信号」と称する。)を、情報入力部77から取得するまで、パラメータの取得を続ける。
換言すれば、情報取得部173は、情報入力部77から性能情報の要求を開始することを示す信号(以下、単に「開始信号」と称する。)を取得した場合、情報入力部77から終了信号を取得するまで、パラメータの取得を間欠的に続ける。よって、本動作例におけるステップS1202~S1213の制御処理は、情報入力部77から終了信号を取得するまで繰り返される。
例えば、姿勢検出部75がクレーンCの姿勢に関する情報を検出する時間間隔が10msecの場合、情報取得部173がパラメータを検出する時間間隔は、10msec以上、好ましくは、50msec~100msecであってよい。
ステップS1202において、情報取得部173が自動取得するパラメータは、以下の表12のB列に示すパラメータである。
ステップS1202において情報取得部173が取得するパラメータは、第一記憶部80に記憶されているデータ、及び、姿勢検出部75により検出されたデータである。何れにしても、ステップS1202において情報取得部173が取得するパラメータは、クレーンCに記憶されたデータ及びクレーンCにより取得されたデータである。
ステップS1203において、リクエスト発行部174は、クレーンCの機種情報に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第二記憶部802から取得する。
そして、リクエスト発行部174は、取得したサーバ特定情報、性能情報要求、及びパラメータを含むリクエストを生成し、通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
尚、ステップS1203において生成されるリクエストは、HTTPSプロトコルのリクエストメッセージの形式である。このようなリクエストは、URI、性能情報要求、及びパラメータを含む。
以下、クレーンCからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。サーバS1の動作は既述の実施形態1の動作例1におけるサーバS1の動作と同様である。
ステップS1204において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部221に送る。
ステップS1205において、リクエスト取得部221は、取得したリクエストから性能情報要求及びパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部221は、抽出した情報を演算部222に送る。
ステップS1206において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した性能情報要求及び機種情報に対応する演算式を、記憶部23から取得する。ステップS1206において演算部222が取得する演算式は、既述の補間演算を行うための補間演算式である。
ステップS1207において、演算部222は、取得した機種情報によって特定される作業機に対応する諸元データを、記憶部23から取得する。
ステップS1208において、演算部222は、リクエスト取得部221から取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する性能データ表を記憶部23から取得する。この際、演算部222は、取得した姿勢条件及び/又は作業状態情報に対応する複数の性能データ表を、記憶部23から取得してもよい。
尚、ステップS1208において、演算部222は、姿勢条件及び/又は作業状態情報とともに、ステップS1207において取得した諸元データに基づいて、性能データ表を記憶部23から取得してもよい。
ステップS1209において、演算部222は、クレーンCから取得したパラメータと、記憶部23から取得した演算式(補間演算式)、性能データ表、及び諸元データとに基づいて、定格総荷重を演算する。
ステップS1209において、演算部222は、リクエストに含まれるパラメータに対応する定格総荷重を、性能データ表から直接取得できる場合、ステップS1209において、演算式(補間演算式)を使用しなくてよい。ただし、リクエストに含まれるパラメータに対応する定格総荷重を性能データ表から直接取得できない場合には、演算部222は、演算式(補間演算式)を使用して、既述の補間演算を行うことにより、定格総荷重を取得する。そして、演算部222は、演算結果をレスポンス発行部223に送る。尚、補間演算とは、性能データ表において隣り合うデータ間の値を補間するための演算である。
ステップS1210において、レスポンス発行部223は、演算部222から取得した演算結果に基づいて、レスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部223は、生成したレスポンスを、通信部21を介して、クレーンCに送信する。
以上が、クレーンCからのリクエストを受信したサーバS1の処理である。次に、サーバS1からレスポンスを受信したクレーンC(支援モジュールM)の処理について説明する。
ステップS1211において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部83に送る。レスポンスは、通信制御部171を介して支援制御部172に送られる。
ステップS1212において、支援制御部172は、通信制御部171から取得したレスポンスを解析し、レスポンスに含まれるサーバS1の演算結果(本動作例の場合、定格総荷重)を、第一制御部82に送る。
ステップS1213において、第一制御部82(具体的には、動作制御部821)は、取得した定格総荷重を、アクチュエータ73の制御に反映させる。例えば、第一制御部82は、サーバS1から取得した定格総荷重に基づいて、クレーンCの姿勢に対応する負荷率を算出し、負荷率が所定値(例えば、100%)に近づいた場合に、クレーンCの危険側への作動を制限する。尚、危険側とは、負荷率が上がるようにクレーンCの姿勢が変化することを意味する。逆に、安全側とは、負荷率が下がるようにクレーンCの姿勢が変化することを意味する。
<参考例の付記>
ステップS1213において、第一制御部82(具体的には、表示支援制御部175)は、取得した定格総荷重を、表示部78の表示に反映してもよい。
又、ステップS1202において、情報取得部173は、パラメータに含まれる姿勢条件に関する情報を、クレーンCの外部に設けられた姿勢検出装置(不図示)から取得してもよい。姿勢検出装置は、例えば、クレーンCを撮影する撮像部(例えば、カメラ)と、撮像装置が生成した画像を解析してクレーンCの姿勢条件を取得する画像解析部と、を備える。この場合、クレーンCの姿勢検出部75は、省略されてもよい。
<本参考例の作用・効果>
以上のような構成を有する本参考例によれば、クレーンCは、性能情報を演算するための高性能な演算器を備える必要がない。よって、クレーンCの製造コストを低減できる。又、クレーンCは、性能情報を演算するための定格総荷重表及び補間演算式を備える必要がない。このため、クレーンC毎に定格総荷重表及び補間演算式を更新する作業が不要となる。よって、更新のためのメンテナンスコストを低減できる。又、同機種のクレーンCは、共通のサーバから定格総荷重を取得するため、クレーンC同士の間で、過負荷防止装置による演算結果が異なることもない。よって、作業効率及び安全性を向上できる。更に、サーバは、例えば、3D-CADデータや点群データで構成される建物と作業機との干渉チェックに関する演算、及び、他の作業機との強調制御に用いられる情報の演算等、作業機に搭載された演算器では不可能な高度な演算を行うことができる。
[付記]
本発明は、以下の態様を取り得る。
<態様A.1>
作業機の画像の姿勢を定義する姿勢条件、この作業機の性能情報を指定する性能情報要求、及び、機種情報を含むリクエストを、画像生成アプリケーションが動作する端末から取得するリクエスト取得部と、
上記性能情報の演算に用いられる演算式、及び、上記作業機の諸元データを記憶する記憶部と、
上記リクエストから取得した上記姿勢条件、上記性能情報要求、及び上記機種情報と、上記記憶部から取得した上記演算式及び上記諸元データとに基づいて、上記性能情報要求で指定された上記性能情報の演算を実行する演算部と、
上記演算の結果を含むレスポンスを、上記端末に提示するレスポンス提示部と、を有する
性能情報演算サーバ。
<態様A.2>
上記演算部は、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する上記演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データを選定し、
取得した上記姿勢条件と、選定した上記演算式及び上記諸元データに基づいて、上記演算を実行する、上記態様A.1に記載の性能情報演算サーバ。
<態様A.3>
上記記憶部は、上記作業機の姿勢条件に対応付けられた性能データを記憶し、
上記演算部は、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する上記演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報及び上記姿勢条件に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データ及び上記性能データを選定し、
取得した上記姿勢条件と、選定した上記演算式、上記諸元データ、及び上記性能データに基づいて、上記性能情報を算出する補間演算を実行する、上記態様A.1に記載の性能情報演算サーバ。
<態様A.4>
上記記憶部は、上記姿勢条件と性能データとを対応付けた性能テーブルを記憶し、
上記演算部は、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する上記演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報及び上記姿勢条件に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データ及び上記性能テーブルを選定し、
取得した上記姿勢条件と、選定した上記演算式、上記諸元データ、及び上記性能テーブルとに基づいて、上記性能テーブルのデータ間のデータを補間する補間演算を実行して、上記性能情報を算出する、上記態様A.1に記載の性能情報演算サーバ。
<態様A.5>
上記演算部は、上記演算に不要な姿勢条件が上記リクエストに含まれている場合に、上記演算に必要な姿勢条件のみを上記リクエストから取得する、上記態様A.1に記載の性能情報演算サーバ。
<態様A.6>
上記リクエスト取得部及び上記レスポンス提示部は、HTTPSプロトコルにより、上記端末と通信する、上記態様A.1に記載の性能情報演算サーバ。
<態様A.7>
上記演算部は、演算して得た上記性能情報に基づいて、上記画像における上記作業機が、取得した上記姿勢条件により定義される上記作業機の姿勢において、所定の作業を実施できるか否かを判定し、判定結果を含むレスポンスを上記端末に提示する、上記態様A.1に記載の性能情報演算サーバ。
<態様A.8>
上記態様A.1に記載の複数の性能情報演算サーバに選択的に接続可能なクライアント端末であって、
複数の作業機の中から、表示部に表示する作業機の選択を受け付ける入力部と、
複数の上記作業機の機種情報及び上記機種情報に対応する上記性能情報演算サーバを対応付けたアドレステーブルを記憶する記憶部と、
上記アドレステーブルを参照し、選択された上記作業機に対応する上記性能情報演算サーバを選定し、選択した上記作業機の姿勢を定義する姿勢条件を含むリクエストを、選定した上記性能情報演算サーバに送り、上記性能情報演算サーバから、選択された上記作業機の性能情報を含むレスポンスを受信する制御部と、を有する
クライアント端末。
<態様A.9>
上記態様A.1に記載の複数の性能情報演算サーバに選択的に接続可能な端末において実行される性能情報の取得方法であって、
上記端末は、複数の作業機の機種情報と上記機種情報に対応する上記性能情報演算サーバとを、それぞれ対応付けるアドレステーブルを有し、
表示部に表示する作業機の選択を受け付ける工程と、
上記アドレステーブルを参照し、選択された上記作業機に対応する上記性能情報演算サーバを選定する工程と、
選定した上記性能情報演算サーバに、選択された上記作業機の姿勢を定義する姿勢条件を含むリクエストを送信する工程と、
上記性能情報演算サーバから、上記性能情報を含むレスポンスを受信する工程と、を含む
性能情報の取得方法。
<態様A.10>
性能情報演算サーバにおいて実行される性能情報の提供方法であって、
上記性能情報演算サーバは、作業機の性能情報を演算するための演算式、及び、上記作業機の諸元データを予め記憶し、
上記作業機の表示画像の姿勢を定義する姿勢条件、要求される性能情報を指定する性能情報要求、及び、機種情報を含むリクエストを、画像生成アプリケーションが動作する端末から取得する工程と、
上記リクエストから取得した上記姿勢条件、上記性能情報要求、及び上記機種情報と、記憶した上記演算式及び上記諸元データとに基づいて、上記性能情報要求で指定された上記性能情報の演算を実行する工程と、
上記演算の結果を含むレスポンスを、上記端末に提示する工程と、を含む、
性能情報の提供方法。
<態様A.11>
上記演算を実行する工程は、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する上記演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報に基づいて、上記演算に使用する諸元データを選定し、
取得した上記姿勢条件と、選定した上記演算式及び上記諸元データに基づいて、上記演算を実行する、
上記態様A.10に記載の性能情報の提供方法。
<態様A.12>
上記性能情報演算サーバは、上記作業機の姿勢条件に対応付けられた性能データを記憶し、
上記演算を実行する工程は、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する上記演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報及び上記姿勢条件に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データ及び上記性能データを選定し、
取得した上記姿勢条件と、選定した上記演算式、上記諸元データ、及び上記性能データに基づいて、上記性能情報を算出する補間演算を実行する、
上記態様A.10に記載の性能情報の提供方法。
<態様A.13>
上記性能情報演算サーバは、上記作業機の姿勢条件と性能データとを対応付けた性能テーブルを記憶し、
上記演算を実行する工程は、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する上記演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報及び上記姿勢条件に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データ及び上記性能テーブルを選定し、
取得した上記姿勢条件と、選定した上記演算式、上記諸元データ、及び上記性能テーブルとに基づいて、上記性能テーブルのデータ間のデータを補間する補間演算を実行して、上記性能情報を算出する、
上記態様A.10に記載の性能情報の提供方法。
<態様A.14>
上記リクエストを上記端末から取得する工程、及び、上記レスポンスを、上記端末に提示する工程において使用される通信プロトコルは、HTTPSプロトコルである、上記態様A.10に記載の性能情報の提供方法。
又、本発明は、更に以下の態様を取り得る。
<態様B.1>
作業機の画像を生成する画像生成アプリケーションと連携して動作する画像生成アプリケーション支援モジュールであって、
上記画像における上記作業機の姿勢を定義する姿勢条件を取得する姿勢条件取得部と、
取得した上記姿勢条件、上記作業機の性能情報を指定するための性能情報要求、及び、上記作業機の機種情報を含むリクエストを性能情報演算サーバに送信し、上記性能情報要求で指定した上記性能情報を含むレスポンスを上記性能情報演算サーバから受信する性能情報取得部と、
受信した上記性能情報を、表示する画像に反映させる描画支援部と、を有する
画像生成アプリケーション支援モジュール。
<態様B.2>
上記姿勢条件取得部は、上記性能情報要求で指定される上記性能情報の演算に必要な上記姿勢条件のみを取得し、
上記性能情報取得部は、上記演算に必要な姿勢条件を含むリクエストを、上記性能情報演算サーバに送信する、上記態様B.1に記載の画像生成アプリケーション支援モジュール。
<態様B.3>
上記姿勢条件取得部は、上記性能情報要求で指定される上記性能情報に拘わらず、予め決められた種類の上記姿勢条件を取得し、
上記性能情報取得部は、取得した上記姿勢条件を含むリクエストを、上記性能情報演算サーバに送信する、上記態様B.1に記載の画像生成アプリケーション支援モジュール。
<態様B.4>
上記性能情報取得部は、オペレータの操作入力に基づいて、上記姿勢条件、上記性能情報要求、及び、上記機種情報を、上記画像生成アプリケーションから取得して、上記リクエストを生成する、上記態様B.1に記載の画像生成アプリケーション支援モジュール。
<態様B.5>
上記性能情報取得部は、上記リクエストに含まれる上記姿勢条件により定義される姿勢を有する上記作業機が、所定作業を実施できるか否かの判定結果を含むレスポンスを、上記性能情報演算サーバから受信し、
上記描画支援部は、上記判定結果に関する情報を、表示部に表示する、上記態様B.1に記載の画像生成アプリケーション支援モジュール。
<態様B.6>
複数の上記作業機の機種情報と、上記機種情報に対応する上記性能情報演算サーバと、を対応付けるアドレステーブルを、更に備え、
上記性能情報取得部は、上記アドレステーブルを参照して、上記リクエストに含まれる上記機種情報に対応する上記性能情報演算サーバを選定し、上記性能情報要求で指定された上記性能情報を含む上記レスポンスを、選定した上記性能情報演算サーバから取得する、上記態様B.1に記載の画像生成アプリケーション支援モジュール。
<態様B.7>
作業機の画像を生成する画像生成モジュールと、
上記画像における上記作業機の姿勢を定義する姿勢条件を取得する姿勢条件取得部と、
取得した上記姿勢条件、上記作業機の性能情報を指定するための性能情報要求、及び、機種情報を含むリクエストを性能情報演算サーバに送信し、上記性能情報要求で指定した上記性能情報を含むレスポンスを上記性能情報演算サーバから受信する性能情報取得部と、
受信した上記性能情報を、表示する画像に反映させる又は表示部に表示する描画支援部と、を有する
画像生成アプリケーション。
<態様B.8>
上記姿勢条件取得部は、上記性能情報要求で指定される上記性能情報の演算に必要な上記姿勢条件のみを取得し、
上記性能情報取得部は、上記演算に必要な姿勢条件を含むリクエストを、上記性能情報演算サーバに送信する、上記態様B.7に記載の画像生成アプリケーション。
<態様B.9>
上記姿勢条件取得部は、上記性能情報要求で指定される上記性能情報に拘わらず、予め決められた種類の上記姿勢条件を取得し、
上記性能情報取得部は、取得した上記姿勢条件を含むリクエストを、上記性能情報演算サーバに送信する、上記態様B.7に記載の画像生成アプリケーション。
<態様B.10>
上記性能情報取得部は、オペレータの操作入力に基づいて、上記姿勢条件、上記性能情報要求、及び、上記機種情報を、上記画像生成アプリケーションから取得して、上記リクエストを生成する、上記態様B.7に記載の画像生成アプリケーション。
<態様B.11>
上記性能情報取得部は、上記リクエストに含まれる上記姿勢条件により定義される姿勢を有する上記作業機が、所定作業を実施できるか否かの判定結果を含むレスポンスを、上記性能情報演算サーバから受信し、
上記描画支援部は、上記実施の可否を、表示部に表示する、上記B.7に記載の画像生成アプリケーション。
<態様B.12>
複数の上記作業機の機種情報と、上記機種情報に対応する上記性能情報演算サーバと、を対応付けるアドレステーブルを、更に備え、
上記性能情報取得部は、上記アドレステーブルを参照して、上記リクエストに含まれる上記機種情報に対応する上記性能情報演算サーバを選定し、上記性能情報要求で指定された上記性能情報を含む上記レスポンスを、選定した上記性能情報演算サーバから取得する、上記態様B.7に記載の画像生成アプリケーション。
<態様C.1>
作業機の画像を生成する画像生成アプリケーションが動作する端末と、上記画像生成アプリケーションに上記作業機の性能情報を提供する性能情報演算サーバと、を備え、
上記端末は、
上記画像生成アプリケーションが生成する上記画像における作業機の姿勢を定義する姿勢条件、上記性能情報を指定するための性能情報要求、及び、機種情報を含むリクエストを上記性能情報演算サーバに送信し、
上記性能情報演算サーバは、
上記性能情報を演算する演算式、及び、上記作業機の諸元データを記憶し、
取得した上記リクエストに含まれる上記姿勢条件、上記性能情報要求、及び上記機種情報と、記憶した上記演算式及び上記諸元データと、を用いて上記性能情報要求で指定された上記性能情報を演算し、演算結果を含むレスポンスを、上記端末に送信する、
性能情報演算システム。
<態様C.2>
上記性能情報演算サーバは、上記作業機の姿勢条件に対応付けられた性能データを記憶し、
取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する演算式を選定し、
取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報及び上記姿勢条件に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データ及び上記性能データを選定して、上記性能情報を算出する補間演算を実行する、上記態様C.1に記載の性能情報演算システム。
<態様C.3>
作業機の画像を生成する画像生成アプリケーションが動作する端末と、上記作業機の性能情報を演算する性能情報演算サーバと、を含む性能情報演算システムで実行される性能情報の提供方法であって、
上記端末は、
表示部に上記作業機の画像を表示させる処理と、
上記作業機の画像の姿勢条件を取得する処理と、
上記性能情報を指定する性能情報要求、取得した上記姿勢条件、及び、上記作業機の機種情報を含むリクエストを性能情報演算サーバに送信する処理と、
上記性能情報要求で指定した上記性能情報を含むレスポンスを上記性能情報演算サーバから受信する処理と、を実行し、
上記性能情報演算サーバは、
受信した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求、上記姿勢条件、及び上記機種情報と、予め記憶した演算式及び上記作業機の諸元データとに基づいて、上記性能情報要求で指定された上記性能情報を演算する処理と、
演算結果を含むレスポンスを上記端末に送信する処理と、を実行する、
性能情報の提供方法。
<態様C.4>
上記性能情報演算サーバは、上記作業機の姿勢条件に対応付けられた性能データを記憶し、
上記性能情報演算サーバは、
上記性能情報を演算する処理において、取得した上記リクエストに含まれる上記性能情報要求に基づいて、上記演算に使用する演算式を選定し、取得した上記リクエストに含まれる上記機種情報及び上記姿勢条件に基づいて、上記演算に使用する上記諸元データ及び上記性能データを選定して、上記性能情報を算出する補間演算を実行する、上記態様C.1に記載の性能情報演算システム。
<態様D.1>
作業機の画像を生成する画像生成アプリケーションと連携して動作する画像生成アプリケーション支援モジュールであって、
上記画像における作業機の姿勢を定義する姿勢条件を取得する姿勢条件取得部と、
取得した上記姿勢条件、上記作業機の性能情報を指定するための性能情報要求、及び、上記作業機の機種情報を含むリクエストを性能演算サーバに送信し、上記性能情報要求で指定した上記性能情報を含むレスポンスを上記性能情報演算サーバから受信する性能情報取得部と、
受信した上記性能情報に基づいて、上記作業機の画像に関連する変形画像を生成する変形画像生成部と、を有する
画像生成アプリ支援モジュール。
<態様D.2>
上記変形画像生成部は、上記変形画像として、上記画像における作業機のアームを変形させた画像を生成する、
上記態様D.1に記載の画像生成アプリ支援モジュール。
<態様D.3>
上記変形画像が他の物体の画像と干渉する場合に、警告を通知する通知部を、更に備える、上記態様D.2に記載の画像生成アプリ支援モジュール。
<態様D.4>
上記変形画像生成部は、上記変形画像として、上記作業機又は荷物を含む上記作業機の可動領域を示す画像を生成する、上記態様D.1に記載の画像生成アプリ支援モジュール。
<態様D.5>
上記変形画像が他の物体の画像と干渉する場合に、警告を通知する通知部を、更に備える、上記態様D.4に記載の画像生成アプリ支援モジュール。