JP7453936B2 - 砂型中子および砂型中子の製造方法 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本開示の実施形態に係る砂型中子10は、複数の砂型中子分割体1と、パイプ5と、図示しない鋳砂と、を備える。
図2aおよび図2bに示すように、複数(本実施形態では二つ)の砂型中子分割体1は、それぞれ円筒形状をなしている。これら砂型中子分割体1は、軸方向に配列されている。これら砂型中子分割体1は、それぞれの軸方向の端面同士が当接している。砂型中子分割体1は、鋳砂を用いた積層造形によって製造されている。砂型中子分割体1は、円筒形状を有し、その大きさは積層造形を行う三次元造形機の大きさに制限される。
砂型中子分割体1の内部には中空部としての孔部2が形成されている。孔部2は、砂型中子分割体1の軸方向と平行な方向に、軸方向の全部にわたって形成されている。即ち、孔部2は、各砂型中子分割体1の両端面にわたって該砂型中子分割体1を軸方向に貫通するように形成されている。孔部2の直径は、後述のパイプ5を孔部2に挿入した際に、孔部2内面とパイプ5外面との間に鋳砂が供給される隙間ができる大きさとされている。
砂型中子分割体1の凹部3は、砂型中子分割体1の一方の端面に形成される。凹部3は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では3つ)が形成されている。即ち、凹部3は、砂型中子分割体1の周方向に120℃間隔で形成されている。各凹部は、砂型中子分割体1の一方の端面から円柱状に凹むように形成されている。これらの凹部3は、後述の凸部4を凹部3に挿入した場合に、複数の砂型中子分割体1の孔部2が連通する位置に形成されている。凹部3の深さおよび直径は、後述の凸部4と互いに固定される範囲に設定される。
砂型中子分割体1の凸部4は、砂型中子分割体1の他方の面に、上記凹部3と同数の複数(本実施形態では3つ)が形成されている。3つの凸部4は、円柱形状を有し、砂型中子分割体1に間隔をあけて複数形成されている。即ち、各凸部4は、周方向に120℃間隔で形成されている。これらの凸部4は、凸部4を上述の凹部3に挿入した場合に、複数の砂型中子分割体1の孔部2が連通する位置に形成されている。凸部4の高さおよび直径は、上述の凹部3と互いに固定される範囲に設定されている。
図3に示すように、本開示の実施形態に係る砂型中子10のパイプ5は、互いに連結された複数の砂型中子分割体1の孔部2内で、即ち、互いに連通された複数の孔部2内で、これら複数の砂型中子分割体1の軸方向にわたって延びている。パイプ5は、軸方向にわたって中空構造とされている。
パイプ5は、内外を貫通する複数の貫通孔6を有している。各貫通孔6は、軸方向に等間隔をあけて配置されている。各貫通孔6は、さらに周方向に間隔をあけて配置されていてもよい。各貫通孔6は、軸方向を長手方向とする長孔状とされている。本実施形態では、軸方向を長手方向とする矩形状をなしている。
鋳砂は、孔部2に挿入されたパイプ5内に充填されている。鋳砂は、自硬性を有する。パイプ5外面と孔部2内面との間にも、パイプ5の貫通孔6からあふれた鋳砂が充填されている。即ち、砂型中子分割体1の内周面(孔部2の内周面)とパイプ5の外周面との間にも鋳砂が充填されている。
上記構成の砂型中子10は、複数の砂型中子分割体1を接合して形成されているため、積層造形により製造した単独の砂型中子よりもサイズが大きい。そのため、上記構成の砂型中子10は、大型の鋳造品の鋳造に用いることができる。
以下、本開示の実施形態に係る砂型中子10の製造方法について説明する。
本開示の実施形態に係る砂型中子10の製造方法は、成型工程と、接合工程と、挿入工程と、鋳砂供給工程と、を含む。
成型工程では、鋳砂を用いた積層造形によって、それぞれが孔部2を有する複数の砂型中子分割体1を成型する。それぞれの砂型中子分割体1には、孔部2に加えて、凹部3および凸部4が形成される。
接合工程では、一方の砂型中子分割体1の凹部3に、他方の砂型中子分割体1の凸部4を挿入することで、複数の砂型中子分割体1の孔部2が連通するように、砂型中子分割体1を接合する。砂型中子分割体1の接合には、砂型中子分割体1の端面に接着剤を塗布する方法を用いることができる。
挿入工程では、図4に示すように、接合された複数の砂型中子分割体1の互いに連通する孔部2に、内外を貫通する複数の貫通孔6(図4では不図示)を有するパイプ5を挿入する。
鋳砂供給工程では、パイプ5内に鋳砂を供給する。パイプ5内に供給された鋳砂は、パイプ5内に充填されると共に、パイプ5に形成された貫通孔6から鋳砂があふれることで、パイプ5外面と砂型中子分割体1の孔部2内面との間にも充填される。
上記構成の砂型中子10の製造方法では、複数の砂型中子分割体1を接合して砂型中子10を製造するため、積層造形により製造した単独の砂型中子よりもサイズが大きい砂型中子10を製造することができる。そのため、大型の鋳造品の鋳造に用いることができる砂型中子10を製造することができる。
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
各実施形態に記載の砂型中子10は、例えば以下のように把握される。
また、上記構成の砂型中子10は、高い強度を有するため、運搬中または鋳造中の砂型中子10が破損することを抑制することができる。
また、上記構成の砂型中子10の製造方法は、高い強度を有する砂型中子10を製造することができる。そのため、運搬中または鋳造中の破損が抑制された砂型中子10を製造することができる。
2…孔部
3…凹部
4…凸部
5…パイプ
6…貫通孔
10…砂型中子
Claims (6)
- 接合された複数の砂型中子分割体と、パイプと、鋳砂と、を備え、
複数の前記砂型中子分割体はそれぞれ孔部を有し、
接合された複数の前記砂型中子分割体の互いに連通する前記孔部には、内外を貫通する複数の貫通孔を有する前記パイプが挿入され、
前記パイプには前記鋳砂が充填されている、砂型中子。 - 前記孔部内面と前記パイプ外面との間に前記鋳砂が充填されている、請求項1に記載の砂型中子。
- 前記パイプの前記貫通孔が、前記パイプの軸方向にわたって等間隔で形成されている、請求項1または2に記載の砂型中子。
- 鋳砂を用いた積層造形によって、それぞれが孔部を有する複数の砂型中子分割体を成型する成型工程と、
複数の前記砂型中子分割体の前記孔部が連通するように、前記砂型中子分割体を接合する接合工程と、
接合された複数の前記砂型中子分割体の互いに連通する孔部に、内外を貫通する複数の貫通孔を有するパイプを挿入する挿入工程と、
前記パイプ内に鋳砂を供給する鋳砂供給工程と、を含む砂型中子の製造方法。 - 前記鋳砂供給工程では、前記パイプ外面と前記孔部内面との間に前記鋳砂が充填されるまで、前記パイプ内に前記鋳砂を供給する、請求項4に記載の砂型中子の製造方法。
- 前記成型工程では、鋳砂を用いた積層造形によって、それぞれが孔部、凹部および凸部を有する複数の砂型中子分割体を成型し、
前記接合工程では、前記凹部に前記凸部を挿入することで、複数の前記砂型中子分割体の前記孔部が連通するように、前記砂型中子分割体を接合する、請求項4または5に記載の砂型中子の製造方法。
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