本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、POSシステムを用いた会計処理の流れが、概念図により示されている。POSシステムは、例えば、店舗に備えられる。POSシステムは、登録装置100と、精算装置200とを備える。登録装置100及び精算装置200は、それぞれ複数でもよい。登録装置100は、客が購入する商品に付されたバーコードを、店員の操作によりスキャンする。登録装置100は、バーコード・データに基づいて、商品の取引情報を記憶部に登録する。商品の取引情報には、例えば、取引の識別番号、商品の識別番号、商品の個数を示す情報が含まれていてもよい。
客が購入する全ての商品のバーコードについて、商品の取引情報の登録が完了した場合、登録装置100は、商品の取引情報の登録の完了を宣言するための操作入力(例えば、店員による完了キーの押下操作)に基づいて、バーコード又は2次元コードを会計券(図8を用いて後述する)に印刷し、その会計券を客に発行する。
会計券を受け取った客は、精算装置200まで移動し、精算装置200が備えるスキャナ部を用いて、会計券に印刷されたバーコード又は2次元コードを読み取らせ、その客自身が、精算装置200の操作キーを操作することにより、取引情報により定まる買上金額(購入された商品の合計金額)を精算する。
図2には、POSシステムの構成例が、ブロック図により示されている。POSシステムは、ストアコントローラ400(上位管理装置)を更に備えてもよい。POSシステムは、ストアコントローラ400と、N台(Nは、1以上の整数)の登録装置100と、M台(Mは、1以上の整数)の精算装置200とを備える。登録装置100と、精算装置200と、ストアコントローラ400とは、LAN(Local Area Network)300を介して接続されている。
ストアコントローラ400は、商品情報(例えば、商品の値段)を、商品マスタデータとして予め記憶する。登録装置100は、読み取ったバーコード・データに基づいて、商品の取引情報をストアコントローラ400に登録してもよい。つまり、ストアコントローラ400は、登録装置100から送信された取引情報を記憶してもよい。
なお、登録装置100には、ストアコントローラ400に接続されていない登録装置100と、LAN300を介してストアコントローラ400に接続されている登録装置100とが存在してもよい。
まず、登録装置の詳細について説明する。 図3には、登録装置の構成例が、ブロック図により示されている。登録装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、スキャナ部104と、店員用表示部105と、客用表示部106と、操作部107と、通信部108と、ブザー109と、印字部111と、電子マネー読取部112と、クレジットカード読取部113とを備える。これらの各部は、バス1を介して、互いに接続されている。印字部111は、レシート発行口110を有する。
スキャナ部104は、商品に付されているバーコード(商品コード)を、光学的に読み取る。ROM102は、読み出し専用のメモリであり、登録装置100を動作させるためのプログラムを予め記憶する。
CPU101は、中央演算処理装置である。CPU101は、ROM102に記憶されているプログラムを読み出して、RAM103に展開する。CPU101は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、登録装置100の各部を制御する。
CPU101は、スキャナ部104に読み取られたバーコード・データに基づいて、商品の取引情報をRAM103に登録する。また、CPU101は、スキャナ部104に読み取られたバーコード・データに基づいて、商品の取引情報を、通信部108を介してストアコントローラ400に登録してもよい。
CPU101は、客が選択した精算方法(支払い方法)を特定する。例えば、CPU101は、操作部107を操作する店員によって入力された、現金、クレジットカード、電子マネー又は品券を示す識別情報に基づいて、客が選択した精算方法を特定する。
また、CPU101は、特定した精算方法に応じた様式のレシートを印字して、そのレシートを発行するよう、印字部111を制御する。より具体的には、CPU101は、特定された精算方法が現金以外による精算方法である場合、自登録装置で精算の済んだ取引情報により定まる商品の明細情報をレシートに印刷し、そのレシートを発行するよう、印字部111を制御する。つまり、操作部107を介してCPU101に入力された精算方法情報が「クレジット宣言」、「電子マネー宣言」、又は、「品券」を示す場合、CPU101は、自精算装置にて精算処理を実行した後の明細情報が印刷されたレシートを発行するよう、印字部111に指示する。
一方、CPU101は、特定された精算方法が少なくとも現金による精算方法を含む場合、取引情報が印刷された会計券を発行するよう、印字部111を制御する。ここで、CPU101は、取引情報を示す識別情報が印刷された会計券を発行するよう、印字部111を制御してもよい。つまり、操作部107を介してCPU101に入力された精算方法情報が「現金」又は「会計券」を示す場合、CPU101は、精算装置200を客が操作して精算するために必要な情報が印刷された会計券を発行するよう、印字部111に指示する。
RAM103は、種々の情報を記憶する読み出し書き込みメモリである。種々の情報は、例えば、買上金額毎の値引き率である。買上金額は、購入された全ての商品の代金の合計金額である。RAM103には、ROM102から読み出されたプログラムが展開される。また、RAM103は、プログラムが実行されることによって生成された各種データを記憶する。
図4には、値引き率の例が買上金額毎に示されている。図4では、買上金額と、値引き率とが対応付けられている。具体的には、買上金額「2000円未満」と、値引き率「5」[%]とが、一例として、予め対応付けられている。また、買上金額「2000円以上、4000円未満」と、値引き率「7」[%]とが、一例として、予め対応付けられている。
図3に戻り、登録装置の構成例の説明を続ける。店員用表示部105は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置である。店員用表示部105は、操作キーなどの各種の画像(図6及び図7を用いて後述する)を表示する。
店員用表示部105は、透明な接点スイッチであるタッチキー(ソフトキー)が設けられたタッチパネルを有する。つまり、店員用表示部105は、操作部107としてのタッチパネルを有する。店員用表示部105は、モード切替、設定又は登録などの操作入力を、表示された操作キーを介して受け付ける。この設定は、例えば、買上金額毎の値引き率(図4を参照)の設定でもよい。
図5には、買上金額毎の値引き率を入力するため画像が示されている。買上金額毎の値引き率を入力するため画像は、店員用表示部105に表示された会計券キー又は会計キーが押下操作された(完了キーが押下操作された)場合、店員用表示部105に更に表示されてもよい。また、買上金額毎の値引き率を入力するため画像は、登録装置100に電源が投入された直後の初期設定時に、店員用表示部105に表示されてもよい。店員は、買上金額毎の値引き率を入力するため画像を確認しながら、店員用表示部105に表示された操作キー、又は、操作部107の数字キーを操作することにより、買上金額毎の値引き率を入力してもよい。
なお、特典の内容(例えば、値引き率(図4を参照)、その他値引き額、又は、一定の商品を無償で付与する)は、予め設定されていてもよい。CPU101は、店員用表示部105に表示された会計券キー又は会計キー等が客により押下操作された場合、当該客に対して特典を付与してもよい。これにより、POSシステムは、精算装置を利用する全ての客に対して店員が値引き率等をいちいち設定しなくても、当該客に対して特典を付与することができる。
また、店員用表示部105に表示された会計券キー又は会計キー等を押下するなど、精算処理に必要な操作を店員がするだけで、当該精算装置を利用する客に特典を付与することができる。また、POSシステムは、特典付与忘れをなくし、且つ、店員の操作性を向上させることができる。
また、CPU101は、店員用表示部105に表示された会計券キー又は会計キー等が押下される前に、特定の客に限って値引き率(図4を参照)を変更可能とするための変更手段を、店員用表示部105に表示させてもよい。これにより、POSシステムは、客毎に適したサービスとしての特典を付与することができる。
図6には、登録装置に表示される画像の第1例が示されている。店員用表示部105は、スキャナ部104に読み取られたバーコード・データに基づく取引情報により定まる商品の明細情報を、CPU101による制御に応じて表示する。例えば、店員用表示部105は、購入された商品の名称と、商品の値段と、内税であることを示す文字列「内」と、買上点数と、小計(金額)と、合計(買上金額)とを、表形式で商品毎に表示する。
店員用表示部105は、各種の操作キーを表示する。各種の操作キーは、例えば、拡張キーと、電子マネー宣言キー500と、クレジット宣言キー510と、中断キーと、発券キーと、会計券キー520と、QR再発行キーと、扱者画面キーと、登録画面キーとである。
電子マネー宣言キー500、クレジット宣言キー510、及び、会計券キー520は、取引情報の登録を完了させるための操作キー(完了キー)(宣言手段)である。より具体的には、電子マネー宣言キー500は、電子マネーによる精算処理を実行することを、CPU101に宣言するための操作キーである。クレジット宣言キー510は、クレジットカードによる精算処理を実行することを、CPU101に宣言するための操作キーである。
会計券キー520は、会計券をレシート発行口110から発行させるための操作キーである。会計券キー520が押下された場合、客は、発行された会計券を受け取り、精算装置200まで移動する。会計券を受け取った客は、精算装置200まで移動し、精算装置200が備えるスキャナ部を用いて、会計券に印刷されたバーコード又は2次元コードを読み取らせ、その客自身が、精算装置200の操作キーを操作することにより、取引情報により定まる買上金額(購入された商品の合計金額)を精算する。
図7には、登録装置に表示される画像の第2例が示されている。店員用表示部105は、精算装置選択キー530と、会計キー540とを表示してもよい。精算装置選択キー530は、店員が精算装置200を選択するための操作キーである。会計キー540は、取引情報の登録を完了させるための操作キーである。CPU101は、精算装置選択キー530のいずれかに続いて会計キー540が押下された場合、選択された精算装置200に対して、通信部108から取引情報を送信させる。この場合、CPU101は、選択された精算装置200に対して、通信部108から取引情報を直接送信させてもよい。また、CPU101は、選択された精算装置200に対して、通信部108からストアコントローラ400(上位装置)を介して取引情報を送信させてもよい。客は、選択された精算装置200まで移動し、選択された精算装置200の操作キーを操作することにより、精算装置200に受信された取引情報により定まる買上金額(購入された商品の合計金額)を精算する。
図3に戻り、登録装置の構成例の説明を続ける。客用表示部106は、表示デバイスである。客用表示部106は、液晶ディスプレイなどを用いた発光型の表示デバイスでもよい。客用表示部106は、例えば、7セグメント表示又はドット表示(フルドット表示)により、文字列などの画像を表示する。例えば、客用表示部106は、登録された取引情報、購入された商品の買上金額(合計金額)、特典が付与される旨の情報、又は、精算装置200での支払いが必要である旨の情報などを、取引情報の登録を完了した客に対して表示する。
操作部107は、登録装置100を動作させるための操作手段を備える。この操作手段(入力デバイス)は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン又はタッチパネルである。操作手段は、例えば、商品登録の完了を宣言するための完了キー(例えば、会計キー、会計券キーでもよい。)、訂正キー、プリセットキー、数字キー、品券キー、クレジット宣言キー、電子マネー宣言キーでもよい。
なお、操作手段は、メカキー(ハードキー)などのボタンとして配置されていてもよいし、店員用表示部105の表示面上に設けられたタッチパネルに、操作キーの画像として表示されてもよい。
通信部108は、ネットワークを介して、ストアコントローラ400及び精算装置200と通信する。なお、ネットワークは、どのように構成された通信回線(例えば、無線通信回線、有線通信回線)でもよく、LAN300に限らなくてもよい。ブザー109は、CPU101による制御により、ブザー音を発生させる。
レシート発行口110は、印字部111により印刷された各種シートを排出して発行する。各種シートは、例えば、クレジットレシート、電子マネーレシート、品券レシート、又は、会計券である。
ここで、クレジットレシートは、クレジット宣言キーが押下されて、登録装置100での精算処理が完了した後に発行されるレシートである。電子マネーレシートは、電子マネー宣言キーが押下されて、登録装置100での精算処理が完了した後に発行されるレシートである。品券レシートは、品券キーが押下されて、登録装置100での精算処理が完了した後に発行されるレシートである。会計券は、会計券キーが押下された場合に発行される。会計券には、一取引における買上金額が印字されてもよい。
印字部111は、シートに情報を印刷する。印字部111は、サーマルヘッド(不図示)と、プラテンローラ(不図示)とを有する。プラテンローラは、サーマルヘッドに押圧された状態に設置され、ステッピングモータにより駆動される。CPU101からの制御信号に応じてステッピングモータが駆動することにより、シートは、サーマルヘッドとプラテンローラとの隙間を、所定量だけ搬送される。シートは、例えば、クレジットレシート、電子マネーレシート、品券レシート又は会計券として、レシート発行口110から発行される。
図8には、会計券の例が示されている。図8(a)には、バーコードC2が印刷された会計券40(お会計券)の例が示されている。バーコードC2は、取引情報を示す識別情報を表すコードである。ストアコントローラ400に登録された取引情報は、バーコードC2が表す取引情報を示す識別情報(取引の識別番号)に基づいて、ストアコントローラ400から検索される。一方、図8(b)には、2次元コードC1が印刷された会計券40(お会計券)の例が示されている。2次元コードC1は、客が購入した全ての商品の取引情報により定まる商品の明細情報を表すコードである。この場合、取引情報は、2次元コードC1に全て記録されているので、ストアコントローラ400から検索される必要がない。
会計券40には、取引情報の少なくとも一部、例えば、購入された商品の点数及び買上金額が、買上内容として印字されてもよい。また、会計券40には、取引情報の少なくとも一部、例えば、取引日時が印字されてもよい。また、会計券40の一部領域(例えば、下半分の領域)には、クーポン券(不図示)が印刷されてもよい。
図3に戻り、登録装置の構成例の説明を続ける。電子マネー読取部112は、電子マネーカード(媒体)を挿入可能な構造を有する。電子マネー読取部112は、挿入された電子マネーカードに記憶されている金額情報を無線により読み取り、読み取った金額情報をCPU101に出力する。電子マネー読取部112は、CPU101から入力された買上金額が差し引かれた金額情報を、挿入された電子マネーカードに記憶させる。
クレジットカード読取部113は、クレジットカード(媒体)を挿入可能な構造を有する。クレジットカード読取部113は、挿入されたクレジットカードに記憶されている顧客情報を、磁気などを用いて読み取り、読み取った情報をCPU101に出力する。
図9は、登録装置(図3を参照)の動作手順を示すフローチャートである。
(ステップS1)スキャナ部104は、商品に付されているバーコード(商品コード)を、光学的に読み取る。CPU101は、スキャナ部104に読み取られたバーコード・データに基づいて、商品の取引情報をRAM103又はストアコントローラ400に登録する。
(ステップS2)CPU101は、購入される全ての商品について取引情報の登録が完了したか否か、すなわち、商品登録の完了を宣言するための操作部107の完了キー(例えば、会計キー540又は会計券キー520でもよい。)が操作されたか否かを判定する。取引情報の登録が完了した場合(ステップS2:Yes)、ステップS3に処理を進める。一方、取引情報の登録が完了していない場合(ステップS2:No)、CPU101は、ステップS1に処理を戻す。
(ステップS3)CPU101は、精算方法が少なくとも現金による精算であるか否か(精算方法情報)を判定する。例えば、CPU101は、予め定められた操作入力(例えば、会計キー540又は会計券キー520の押下操作)を操作部107が受け付けた場合、精算方法が少なくとも現金による精算である、と判定する。
なお、電子マネー又は品券による精算を客が選択したとしても、電子マネーカード(媒体)に記憶されている金額、又は、品券の額面金額が、買上金額未満である場合には、不足分の金額は、現金による精算となってもよい。
精算方法が少なくとも現金による精算である場合(ステップS3:Yes)、CPU101は、ステップS5に処理を進める。一方、精算方法が現金による精算でない場合(ステップS3:No)、CPU101は、ステップS4に処理を進める。
(ステップS4)CPU101は、精算方法情報に応じて、現金以外(例えば、品券、電子マネー、クレジットカード)による精算を実行し、処理を終了する。
(ステップS5)CPU101は、特典が付与される旨を示す画像を、客用表示部106に表示させる。
(ステップS6)CPU101は、取引情報を示す識別情報が印字されたバーコード(図8(a)を参照)が印字された会計券40を、レシート発行口110から発行させる。通信部108は、ストアコントローラ400に、取引情報を送信して登録する。通信部108は、選択された精算装置200に、取引情報を送信してもよい。CPU101は、取引情報の内容を示す2次元コード(図8(b)を参照)が印字された会計券40を、レシート発行口110から発行させてもよい。
なお、通信部108は、選択された精算装置200の前に客が立ったことが人感知センサ(不図示)によって検出されたことをトリガーにして、取引情報を送信してもよい。また、通信部108は、選択された精算装置200を客が操作したことをトリガーにして、取引情報を送信してもよい。
次に、精算装置の詳細について説明する。
図10には、精算装置の構成例がブロック図により示されている。精算装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部205と、操作部206と、撮像部207と、通信部208と、ブザー209と、レシート発行口210と、印字部211と、釣銭釣札部212、ハードディスク213とを備える。精算装置200の各部は、バス2を介して互いに接続されている。なお、スキャナ部204及び撮像部207は、精算装置200に着脱可能な別体(外付)であってもよい。
CPU201は、中央演算処理装置である。CPU201は、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して、RAM203に展開する。CPU201は、展開されたプログラムの各ステップを実行することによって、精算装置200の各部を制御する。
また、CPU201は、スキャナ部204が読み取ったシートに印刷されたコードの内容を認識する。例えば、CPU201は、登録装置100による登録が完了した取引情報のうち、精算が完了していない取引情報について発行された会計券40に印字されているバーコード又は2次元コードが示す内容を認識する。
より具体的には、CPU201は、スキャナ部204によって読み取られた画像データにOCR(Optical Character Reader)処理を施すことにより、会計券40に印字されているバーコード又は2次元コードが示す内容を認識する。ここで、バーコードが示す内容は、例えば、ストアコントローラ400に登録されている取引情報を示す識別情報である。また、2次元コードが示す内容は、例えば、精算装置200により登録された取引情報により定まる商品の明細情報である。
CPU201は、取引情報を、RAM203に記憶させる。また、CPU201は、RAM203に記憶されている取引情報を、ハードディスク213に記憶させる。CPU201は、バーコード又は2次元コードが示す内容に基づいて、取引情報により定まる商品の買上金額(代金)を精算する。
スキャナ部204は、シート(例えば、会計券40)に付されているバーコード又は2次元コードを、光学的に読み取る。
ROM202は、読み出し専用のメモリであり、精算装置200を動作させるためのプログラムを予め記憶する。
RAM203は、種々の情報を記憶する読み出し書き込みメモリである。種々の情報は、例えば、取引情報である。また、RAM203には、ROM202から読み出されたプログラムが展開される。また、RAM203は、プログラムが実行されることによって生成された各種データを記憶する。
操作部206は、精算装置200を動作させるための操作手段を備える。この操作手段(入力デバイス)は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン又はタッチパネルである。操作手段は、例えば、精算キーである。精算キーは、精算処理を実行させる指示をCPU201に操作入力する際、客によって操作される操作キーである。
なお、操作手段は、メカキー(ハードキー)などのボタンとして配置されていてもよいし、表示部205の表示面上に設けられたタッチパネルに、操作キーの画像として表示されてもよい。
表示部205は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置である。表示部205は、透明な接点スイッチであるタッチキー(ソフトキー)が設けられたタッチパネルを有する。表示部205は、操作部206としてのタッチパネルを有していてもよい。表示部205は、モード切替、設定又は登録などの操作入力を受け付ける。表示部205は、CPU201によって認識されたバーコード又は2次元コードが示す内容(取引情報)により定まる商品の明細情報(例えば、買上金額)を表示する。
図11には、精算装置に表示される選択画像の例が示されている。会計券40(図8を参照)を使用しないで客が精算する場合、選択画像は、精算装置選択キー530のいずれかに続いて会計キー540(図7を参照)が押下された段階で、その選択された精算装置200の表示部205に表示される。したがって、選択された精算装置200に客が行くと、その選択された精算装置200は、選択画像をすでに表示して、精算可能な状態となっている。一方、会計券40を使用して客が精算する場合、選択画像は、会計券40に印字されているバーコードが精算装置200のスキャナ部204で読み取られることにより取引情報が特定され、その特定された取引情報に基づいて表示される。
表示部205は、客が支払い方法(精算方法)を選択するための画像を、CPU201による制御に基づいて表示する。図11では、支払い方法を選択するための画像には、文字列「お支払方法を選択してください」と、買上金額(合計金額)「合計580円」と、支払い方法を選択するための操作キー「現金」、「クレジット」及び「電子マネーA」とが表示されている。
なお、支払い方法を選択するための画像には、電子マネーカード(媒体)に記憶されている金額を確認するための操作キー「電子マネー確認」と、取引情報により定まる商品の明細情報を確認するための操作キー「お買上内容確認」と、現在の日時とが表示されてもよい。
図12には、精算装置に表示されるガイダンス画像の例が示されている。表示部205は、選択画像に表示された操作キー「現金」(図11を参照)を客が押下した場合、現金による精算処理を進めるためのガイダンス画像を表示する。図12では、文字列「お買上金額を確認しお金をいれてください」と、文字列「お買上金額 580円」と、文字列「お値引き金額 29円」「精算機でご精算頂いておりますので、5%値引きさせていただきます。」と、文字列「お預り額 0円」と、文字列「釣銭額」とが表示されている。また、ガイダンス画像には、釣銭釣札部212の外観及び操作手順を表す動画像が表示されてもよい。
また、ガイダンス画像には、精算装置200に精算処理を開始させるための操作キー「精算」(精算キー)が、表示されている。CPU201は、操作キー「精算」が押下された場合、投入された現金の金額(預り額)から、値引きされた買上金額を減算して、それらの差額を算出するなどの精算処理を開始するとともに、印字部211を制御して、レシート発行口210から買上シートを発行させる。また、釣銭釣札部212は、CPU201から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を、現金払出口から払い出す。なお、CPU201は、印字部211を制御して、レシート発行口210からクーポン券を発行させてもよい。
図10に戻り、精算装置の構成例の説明を続ける。撮像部207は、撮影を実行し、画像データを生成する。撮像部207は、生成した画像データをCPU201に出力する。画像データには、例えば、精算装置200を操作する客が撮像されていてもよい。ブザー209は、CPU201による制御により、ブザー音を発生させる。
通信部208は、ネットワークを介して、ストアコントローラ400及び登録装置100と通信する。なお、ネットワークは、どのように構成されたネットワーク(例えば、無線通信ネットワーク)でもよく、LAN300に限らなくてもよい。
レシート発行口210は、買上シートを発行する。買上シートには、精算が完了した取引情報により定まる商品の明細情報が、印字部211により印刷されている。印字部211は、買上シートに情報(例えば、取引情報により定まる商品の明細情報)を印刷する。印字部211は、サーマルヘッド(不図示)と、プラテンローラ(不図示)とを有する。プラテンローラは、サーマルヘッドに押圧された状態に設置され、ステッピングモータにより駆動される。CPU201からの制御信号に応じてステッピングモータが駆動することにより、買上シートは、サーマルヘッドとプラテンローラとの隙間を、所定量だけ搬送される。
釣銭釣札部212は、現金投入口と現金払出口を有する。釣銭釣札部212は、現金投入口に現金が投入された場合、投入された現金の種別情報及び数量情報を、CPU201に出力する。また、釣銭釣札部212は、CPU201から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を、現金払出口から払い出す。
ハードディスク213は、例えば、磁気を用いた記録装置である。ハードディスク213は、種々の情報を記憶する。ハードディスク213は、例えば、買上シートに印刷される印字内容を示す文字情報を予め記憶する。ハードディスク213は、例えば、品券を表す文字情報を予め記憶する。品券を表す文字情報とは、例えば、「品券」、「クーポン」などの文字情報である。
また、ハードディスク213は、例えば、買上金額を表す文字情報を予め記憶する。買上金額を表す文字情報とは、例えば、「買上金額」、「合計金額」、「合計」などの文字情報である。また、ハードディスク213は、例えば、不足金額を表す文字情報を予め記憶する。不足金額を表す文字情報とは、例えば、「不足金額」、「支払金額」などの文字情報である。また、ハードディスク213は、例えば、お釣りを表す文字情報を予め記憶する。お釣りを表す文字情報とは、例えば、「お釣り」、「つり銭」などの文字情報である。なお、ハードディスク213は、RAM203に代えて、CPU201を動作させるためのプログラムを記憶してもよい。
以上のように、POSシステムは、購入される商品に基づく取引情報を登録する登録部(例えば、CPU101)と、取引情報の登録を完了させる際、予め定められた操作入力(例えば、会計券キー520の押下操作)を受け付ける操作部107と、を有する登録装置100と、登録された取引情報に基づいて、少なくとも現金による精算を実行するCPU201(現金精算部)と、予め定められた操作入力を操作部107が受け付けたか否かを判定するCPU201(判定部)と、予め定められた操作入力を操作部107が受け付けた場合、精算装置200で精算する客に、特典(例えば、値引き)を付与する特典付与部(例えば、CPU201、印字部211、レシート発行口210)と、を有する精算装置200と、を備える。
この構成により、精算装置200の特典付与部(例えば、CPU201、印字部211、レシート発行口210)は、予め定められた操作入力を登録装置100の操作部107が受け付けた場合、精算装置200で精算する客に、特典を付与する。これにより、POSシステムは、会計処理を滞らせてしまうことがない。つまり、POSシステムは、精算装置200で精算する客に特典を付与しようとすることにより、精算装置200で精算する動機づけを客に与え、登録装置100に並ぶ客の列を長くさせないようにすることができる。
登録装置100は、現金以外(例えば、クレジットカード、電子マネー、品券)による精算を実行する非現金精算部(例えば、クレジットカード読取部113、電子マネー読取部112、スキャナ部104)を有してもよい。
操作部107は、会計券(図8を参照)を発行するための操作入力(例えば、会計券キー520の押下操作)、精算装置200を指定するための操作入力(例えば、精算装置選択キー530)、又は、取引情報を送信するための操作入力(例えば、会計キー540の押下操作)を、特典を付与するための操作を兼ねている予め定められた操作入力として受け付けてもよい。つまり、会計券キー520、精算装置選択キー530キー、又は、会計キー540の押下操作は、客に特典を付与するための操作を兼ねている。これにより、登録装置100は、精算装置200を自ら操作し会計券を利用して精算する客に、確実に特典を付与することができる。
登録装置100は、取引情報を登録する客に対して所定情報(例えば、画像、7セグメント表示又はドット表示による文字列など)を表示する客用表示部106(登録表示部)を有してもよい。客用表示部106(登録表示部)は、予め定められた操作入力を操作部107が受け付けた場合、特典(例えば、値引き)が付与される旨を示す所定情報(例えば、画像、7セグメント表示又はドット表示による文字列など)を表示してもよい。
精算装置200は、精算装置200を操作する客に対して画像を表示する表示部205(精算表示部)を有してもよい。表示部205(精算表示部)は、予め定められた操作入力を操作部107が受け付けた場合、特典が付与される旨を示す画像を表示してもよい。
操作部107は、予め定められた操作入力を受け付けた場合、特典として値引きするための値引き率を定める操作入力(例えば、図5を参照)を受け付けてもよい。
登録装置100は、購入される商品に基づく取引情報を登録する登録部(例えば、CPU101)と、取引情報を示すコードが記録された媒体を発行するための操作入力、精算装置を指定するための操作入力、又は、取引情報を送信するための操作入力を、特典を付与するための操作を兼ねている予め定められた操作入力として受け付ける操作部107と、を備える。
精算装置200は、購入される商品に基づく取引情報に基づいて、少なくとも現金による精算を実行するCPU201(現金精算部)と、取引情報が読み出された際、特典が付与されるか否かを判定するCPU201(判定部)と、特典が付与される場合、当該取引情報に対応付けられた情報(例えば、図12に示す「お買上金額」)と、特典が付与される旨(例えば、図12に示す文字列「5%値引きさせていただきます。」)と、を表示する表示部205と、を備える。また、精算装置200は、特典が付与される旨を、取引の精算時に発行されるレシートに印字してもよい。これにより、精算装置200は、精算装置で客が精算する際に、特典が付与される旨を報知するので、次回以降の買い物でも精算装置200を利用して精算しようという動機づけを、当該客に与えることができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、精算装置200での精算方法は、現金のみによる精算に限らない。例えば、品券(クーポン券、金券)に示された金額が、登録装置100に入力されてもよい。この場合、客は、登録装置100に入力された金額に、現金を加算して、精算装置200で精算してもよい。また、客は、登録装置100に入力された金額に、電子マネー又はクレジットカードによる支払金額を加算して、精算装置200で精算する場合でも、精算装置200を操作する客に特典が付与されてもよい。
なお、上記に説明した登録装置、精算装置、及び、POSシステムを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。