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JP7335067B2 - 防カビ剤組成物及び防カビ方法 - Google Patents

防カビ剤組成物及び防カビ方法 Download PDF

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Description

本発明は、防カビ剤組成物に関し、さらには、当該防カビ剤組成物を保持させたウェットシート剤及びそれを用いた防カビ方法にも関する。
住環境において、浴室や洗面所など水分が多い湿潤な場所では、カビ汚染が問題となりやすい。このような場所は、結露や流水等で頻繁に水にさらされており、この潤沢な水分を利用して、カビ汚染(カビの繁殖)が速やかに進行する。
これらのカビ汚染は、生活者に耐えがたい不快感をもたらし、さらに、アレルギー等の健康被害の原因ともなる。このような水まわりと呼ばれる場所において、カビの発生を効率的に抑制できる方法が求められてきた。
しかしながら、このような住環境でカビの発生防止に用いられる成分の多くは水に溶けやすいため、水にさらされやすい場所では、その防カビ効果を持続するのは困難であった。
一方、親油性の防カビ剤を使用することで、被処理面に当該防カビ剤を滞留させることは可能となるものの、防カビ剤を高濃度の有機溶剤に溶解させると、処理対象となる部材(被処理部材)への影響が懸念されることから、被処理部材や処理方法が限られ、一般家庭において容易に使用できるものではなかった。
これに対し、乳化することで親油性の防カビ剤を一般家庭においても容易に使用可能となることが報告されている。例えば特許文献1には、撥水性のアルキルアルコキシシランをノニオン性乳化剤およびアニオン性乳化剤の存在下で水性乳化してなる水系浸透性吸収防止剤に、防カビ剤を配合したことを特徴とする防カビ処理材が提案されている。また、特許文献2には水に防カビ剤と変性シリコーンよりなる展着剤とが溶解されてなる防カビ用液剤が乳化により得られることが提案されており、当該変性シリコーンはアミノ変性メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが使用されており、いずれも両親媒性シリコーンではない。
また、防カビ成分としてイソプロピルメチルフェノールなどのフェノール系の防カビ剤(フェノール性防カビ剤)が知られている。これらは、化粧品などでも使用されるように、非常に高い効果と安全性を有している。また、他の成分と比較すると、水性液剤としての製剤化が比較的容易である。そのため、一般家庭で利用する防カビ成分として理想的である。
特開平11-158418号公報 特開2017-160136号公報
しかしながら、フェノール性防カビ剤は処理面が水にさらされると水と共に流れ去りやすく、処理面の防カビ効果が長続きしないという課題があった。
また、防カビ剤組成物を被処理面に処理した際に、親油性である被処理面に対して防カビ剤組成物の処理ムラが生じることがある。これは、防カビ剤組成物又は防カビ剤と被処理面との親和性が低いことに起因するものと推測される。さらに、この親和性の低さにより、微細な傷の内部に防カビ剤組成物が浸透せず、当該傷の内部に対するカビに対しては、防カビ効果を発揮することは難しかった。
そこで本発明は、フェノール性防カビ剤を含む防カビ剤組成物であって、フェノール性防カビ剤が有する優れた防カビ効果を維持しながら、耐水性(持続性)に優れ、微細な傷の内部にも浸透して防カビ効果が発揮され、処理ムラが軽減された防カビ剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、両親媒性シリコーンを防カビ剤組成物中に配合すると、防カビ剤組成物と被処理面との親和性が高まり、優れた防カビ効果を維持しつつ、防カビ剤組成物の耐水性(持続性)及び微細な傷内部への浸透性を高めることができ、処理ムラも軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)~(5)を特徴とする。
(1)両親媒性シリコーン及びフェノール性防カビ剤を含む防カビ剤組成物。
(2)前記両親媒性シリコーンがフェニル変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーンの少なくともいずれか一方である前記(1)に記載の防カビ剤組成物。
(3)さらに低級アルコールを含む前記(1)又は(2)に記載の防カビ剤組成物。
(4)前記(1)~(3)のいずれかに記載の防カビ剤組成物を保持させたウェットシート剤。
(5)防カビ製剤を用いた防カビ方法であって、
前記防カビ製剤が前記(4)に記載のウェットシート剤であり、前記ウェットシート剤で被処理面を拭くことにより、前記被処理面に防カビ処理を施す、防カビ方法。
本発明に係る防カビ剤組成物を用いて被処理面に対して防カビ処理を施すことにより、優れた防カビ効果を、長期にわたって、微細な傷を含めた処理面全体に対してムラなく発揮することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<防カビ剤組成物>
本発明に係る防カビ剤組成物は両親媒性シリコーン及びフェノール性防カビ剤を含む。
フェノール性防カビ剤は非常に高い防カビ効果と安全性を有し、さらには、他の成分と比較すると、水性液剤としての製剤化が比較的容易である。
フェノール性防カビ剤とは、具体的には、4-イソプロピル-3-メチルフェノール(cLogP=3.093)、エチルパラベン(cLogP=2.091)、メチルパラベン(cLogP=1.656)、プロピルパラベン(cLogP=2.556、メタクレゾール(cLogP=1.998)、o,p-クレゾール(cLogP=1.997)、o-フェニルフェノールナトリウム(cLogP=3.364)、クロロフェン(cLogP=4.022)、p-クロロメタキシレノール(cLogP=2.926)、p-クロロメタクレゾール(cLogP=2.61)、チモール(cLogP=3.093)等が挙げられる。ここでcLogPとは疎水性指標であり、cLogPの値が1.5~4程度が好ましく、中でも4-イソプロピル-3-メチルフェノールが、防カビ効果の点から好ましい。
フェノール性防カビ剤の含有量は防カビ効果が得られれば特に限定されないが、防カビ効果をより発揮する点から0.0001w/w%以上が好ましく、0.01w/w%以上がより好ましい。また、安定に配合できるという点から5.0w/w%以下が好ましく、1.0w/w%以下がより好ましい。
本発明に係る防カビ剤組成物は、上記フェノール性防カビ剤と併用して、他の防カビ剤も使用することができる。他の防カビ剤としては例えば、セチルピリジニウム塩、ナトリウムピリチオン、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等は水溶性であることから好適に使用できる。
両親媒性シリコーンは、疎水性部分と親水性部分とを有するシリコーンである。
両親媒性シリコーンが疎水性部分を有することにより、疎水性(親油性)である被処理面と防カビ剤組成物との親和性が高くなる。そのため、処理面における当該防カビ剤組成物が水にさらされても流れ去りにくく、留まりやすくなることから、防カビ効果が持続する。
さらには、防カビ剤組成物が親水性であると、親油性である被処理面との親和性が低くなることに起因して処理ムラが見られるが、両親媒性シリコーンの疎水性部分により被処理面との親和性が高まり、当該処理ムラを軽減することができる。この処理ムラを軽減する効果は、防カビ剤組成物に低級アルコールが含まれる場合により顕著に発揮することができる。
また、被処理面と防カビ剤組成物との親和性が高まることで、毛管現象等により微細な傷の内部にまで防カビ剤組成物が浸潤可能となることから、微細な傷の内部にまで防カビ効果をもたらすことができるようになる。
一方、防カビ剤組成物を被処理面へ処理した際、両親媒性シリコーンの親水性部分が外側(表面側)に多く存在することにより、カビ繁殖の原因(カビのエサ)となる油性汚れを吸着させにくくすることで、より高い防カビ効果を発揮することが可能である。
さらには、一般的にカビ胞子表面は疎水性であることから、防カビ剤組成物の外側(表面側)が親水性となることでカビ胞子の付着を防止する効果も期待できる。
両親媒性シリコーンは、疎水性部分と親水性部分を有するシリコーンであれば特に限定されないが、例えばフェニル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグルコシド変性シリコーン等が挙げられる。フェニル変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーンの少なくともいずれか一方を用いると、より優れた防カビ効果の耐水性(持続性)が得られることから好ましい。
フェニル変性シリコーンとはポリジメチルシロキサンのメチル基をフェニル基とオキシエチレン基又はオキシプロピレン基とで置換したシリコーンを言い、より具体的には、PEG/PPG-20/20 フェニルイソプロピルカプリリルジメチコン(旭化成ワッカーシリコーン社製、BELSIL(登録商標)PF200)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとはポリジメチルシロキサンのメチル基をオキシエチレン基又はオキシプロピレン基で置換したシリコーンを言い、より具体的には、PEG/PPG-25/25 ジメチコン(旭化成ワッカーシリコーン社製、BELSIL(登録商標)DMC6031)、ビスPEG-15 メチルエーテルジメチコン(同社製、BELSIL(登録商標)DMC6038)、PEG/PPG-20/20 コポリマー、PEG/PPG-20/20 ジメチコン(同社製、BELSIL(登録商標)OW1500)等が挙げられる。
両親媒性シリコーンの含有量は上記効果が得られれば特に限定されず、その種類によっても異なるが、例えば、上記効果をより発揮する点から0.001w/w%以上が好ましく、0.1w/w%以上がより好ましい。また、処理面やカビ等の汚れに対する親和性の点から5.0w/w%以下が好ましく、1.0w/w%以下がより好ましい。
防カビ剤組成物には、溶媒又は分散媒として水及び/又は水溶性溶媒が用いられる。水溶性溶剤としては、低級アルコール、プロピレングリコール等のグリコール類及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。中でも、フェノール性防カビ剤や後述する任意成分のうち油性を示す成分の溶解性を高める点から低級アルコールを含むことが好ましい。
低級アルコールとしてはエタノール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
防カビ剤組成物中に低級アルコールが含まれる場合、低級アルコールはその構造から、防カビ剤組成物中に含まれる疎水性防カビ剤の溶解性を高め、系の安定性を高めることから好ましい。一方、低級アルコールを高濃度で使用すると、処理面の耐薬剤性に影響を及ぼす他、手肌の油分が脱脂され、肌荒れの原因となり得る。
低級アルコールの含有量は上記溶解性の点から0.5w/w%以上が好ましく、1.0w/w%以上がより好ましい。また、上記耐薬剤性や脱脂を防ぐ点から15w/w%以下が好ましく、10w/w%以下がより好ましい。
防カビ剤組成物には、本発明の効果を奏する限り、一般的な防カビ剤組成物に含まれている任意成分を含んでいてもよい。
任意成分としては、例えば、界面活性剤、消臭剤、香料、pH調整剤、防錆剤、安定化剤、色素等を用いることができる。
界面活性剤としてはノニオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤を用いることができ、中でもノニオン性界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤としてはPOE(ポリオキシエチレン)アルキルエーテル、POE硬化ヒマシ油等が挙げられ、中でも組成物の可溶化や安定分散させる点からPOEアルキルエーテルが好ましい。
界面活性剤の含有量は可溶化や安定分散させる点から0.1w/w%以上が好ましく、0.5w/w%以上がより好ましい。また、両親媒性シリコーンの機能性への影響から3.0w/w%以下が好ましく、1.0w/w%以下がより好ましい。
消臭剤としては、例えば、メタクリル酸ラウリル、ゲラニルクロリネート、カテキン、ポリフェノール、炭等が挙げられる。
香料としては、様々な植物や動物から抽出された天然香料や、化学的に合成される合成香料、さらにはこれらの香料成分を多数混合して作られる調合香料等が挙げられる。
香料は様々な文献、例えば、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1960)、「香りの百科」,日本香料協会編,朝倉書店(1989)、「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Pajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)、「Perfume and Flavor Chemicals(aroma chemicals)」,Vols.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香料と調香の基礎知識」,中島基貴編著,産業図書(1995)、「合成香料 化学と商品知識」,印藤元一著,化学工業日報社(1996)、「香りの百科事典」,谷田貝光克編,丸善(2005)に記載の香料が使用できる。それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。以下に香料の代表例を具体的に挙げるが、これらに限定されるものではない。
天然香料としては、例えば、オレンジ油、レモン油、ラベンダー油、ラバンジン油、ベルガモット油、パチュリ油、シダーウッド油、ペパーミント油等の天然精油等が挙げられる。
合成香料としては、例えば、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、p-サイメン、ターピノレン、α-ターピネン、γ-ターピネン、α-フェランドレン、ミルセン、カンフェン、オシメン等の炭化水素テルペン;ヘプタナール、オクタナール、デカナール、ベンズアルデヒド、サリシリックアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、シトロネラール、ハイドロキシシトロネラール、ハイドロトロピックアルデヒド、リグストラール、シトラール、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、リリアール、シクラメンアルデヒド、リラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、ヘリオナール、バニリン、エチルバニリン等のアルデヒド類;エチルフォーメート、メチルアセテート、エチルアセテート、メチルプロピオネート、メチルイソブチレート、エチルイソブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレート、イソブチルアセテート、イソブチルイソブチレート、イソブチルブチレート、イソブチルイソバレレート、エチル-2-メチルバレレート、イソアミルアセテート、テルピニルアセテート、イソアミルプロピオネート、アミルプロピオネート、アミルイソブチレート、アミルブチレート、アミルイソバレレート、アリルヘキサノエート、エチルアセトアセテート、エチルヘプチレート、ヘプチルアセテート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、エチルオクチレート、スチラリルアセテート、ベンジルアセテート、ノニルアセテート、ボルニルアセテート、リナリルアセテート、オルト-ter-ブチルシクロヘキシルアセテート、安息香酸リナリル、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、エチルシンナメート、メチルサリシレート、ヘキシルサリシレート、ヘキシルアセテート、ヘキシルブチレート、メンチルアセテート、ターピニルアセテート、アニシルアセテート、フェニルエチルイソブチレート、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、エチレンブラシレート、γ-ウンデカラクトン、γ-ノニルラクトン、シクロペンタデカノライド、クマリン等のエステル・ラクトン類;アニソール、p-クレジルメチルエーテル、ジメチルハイドロキノン、メチルオイゲノール、β-ナフトールメチルエーテル、β-ナフトールエチルエーテル、アネトール、ジフェニルオキサイド、ローズオキサイド、ガラクソリド、アンブロックス等のエーテル類;イソプロピルアルコール、cis-3-ヘキセノール、ヘプタノール、2-オクタノール、ジメトール、ジヒドロミルセノール、リナロール、ベンジルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ターピネオール、テトラハイドロゲラニオール、l-メントール、セドロール、サンタロール、アニスアルコール、フェニルエチルアルコール、ヘキサノール等のアルコール類;ジアセチル、メントン、イソメントン、チオメントン、アセトフェノン、α-又はβ-ダマスコン、α-又はβ-ダマセノン、α-、β-又はγ-ヨノン、α-、β-又はγ-メチルヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、ベンゾフェノン、テンタローム、アセチルセドレン、α-又はβ-イソメチルヨノン、α-、β-又はγ-イロン、マルトール、エチルマルトール、cis-ジャスモン、ジヒドロジャスモン、l-カルボン、ジヒドロカルボン、メチルアミルケトン等のケトン類、カンファー、1,8-シネオール、アリルアミルグリコレート、イソプレゴール、リグストラル、アリルカプロエートなどが挙げられる。これらの香料は、1種単独で使用されても、また2種以上を任意に組み合わせて、調合香料として使用することもできる。さらに、香料は香料成分、溶剤、香料安定化剤などを含有する混合物(香料組成物)として使用することもできる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、1,2,3-ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、アスコルビン酸やその塩等が挙げられる。
本発明に係る防カビ剤組成物を含む防カビ製剤の形態は、ウェットシート剤、スプレー剤、エアゾール剤等特に限定されないが、施用量を制御しやすく、また被処理面へ処理した後の拭き取りを別途行う必要がない点等からウェットシート剤が好ましい。
ウェットシート剤へ防カビ剤組成物を保持させる方法としては、点滴や塗工、浸漬等が挙げられる。
(防カビ方法)
本発明は上記防カビ剤組成物を被処理面に処理することを特徴とする防カビ方法にも関する。すなわち、上記防カビ剤組成物を含む防カビ製剤を用いて、被処理面に防カビ処理を施す。例えば、防カビ剤組成物を保持させたウェットシート剤で被処理面を拭くことにより、前記被処理面に防カビ処理を施すことが好ましい。
この際、防カビ剤組成物に両親媒性シリコーンが含まれることにより、処理ムラなく、かつ微細な傷内部にまで防カビ処理を施すことができ、優れた防カビ効果を、長期にわたってムラなく発揮することが可能となる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明は下記例に何ら制限されるものではない。
(試験例1~6)
表1に示す検体処方に従い、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、エタノール、及びシリコーン類の各成分を室温で混合した。エタノールにイソプロピルメチルフェノール(IPMP)、シリコーン類を加え、約300rpmで3分間混合した後、水を加えて更に3分間撹拌し、防カビ剤組成物を得た。なお、シリコーン類としては、両親媒性シリコーンであるフェニル変性シリコーン若しくはポリエーテル変性シリコーン、又は、疎水性シリコーンであるアルキルアラルキル変性シリコーン若しくはジメチコノールとジメチコンとの混合物(ジメチコノール+ジメチコン)を用いた。
(試験例7)
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、フェニル変性シリコーンを室温で混合した。イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、フェニル変性シリコーンを約300rpmで3分間混合した後水を加えて更に3分間撹拌し、防カビ剤組成物を得た。
(試験例8、9)
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)に代えて、チモールまたはp-クロロメタキシレノールを用いた点以外は、試験例2と同様に防カビ剤組成物を得た。
ここで試験例2~4、7~9は実施例であり、試験例1、5及び6は比較例である。
(耐水性(持続性)評価)
5×5cmのFRP(繊維強化プラスチック)板中央に防カビ剤組成物400μLを滴下し、マイクロピペッターの先端で全体に塗り広げた。試験片を乾燥させた後、試験片を約45°に傾けた状態で、メスピペットを用いて試験片上部よりイオン交換水10mLをかけることで、試験片表面の洗浄を行った。試験片を風乾させた後、クロカワカビ(Cladosporium cladosporioides NBRC6348、以下「C.c.」と称する。)胞子液50μLの液滴を6滴(2列×3行)に滴下した。99%RH、25℃の条件で7日間保管し、液滴の色づき具合から、防カビ効果の耐水性(持続性)についての評価を行った。
なお、C.c.胞子液は、ジャガイモブドウ糖液体培地(PDB)を1/10濃度で調製し、C.c.を培養したジャガイモブドウ糖寒天(PDA)斜面培地に10mL加え、白金耳を用いて培地表面からC.c.胞子をかきおとし作製した。試験にはこの原液を約1.0×10~1.0×10CFU/mLの適当な濃度に希釈したものを用いた。また、一連の操作は全て安全キャビネット内で行った。
耐水性(持続性)の評価基準は下記のとおりである。
0:胞子が成長し、全ての液滴が濃く色づいている。
1:胞子が成長し、一部色づいている液滴もある。
2:胞子の成長は見られ、一部の液滴で色づきも認められるが、程度が軽い。
3:いずれの液滴においても色づきは見られない。
(微細な傷への浸透性評価)
5×5cmのFRP板表面にルーターで傷を平行に9本入れたものを試験片とした。この試験片に、前記(耐水性(持続性)評価)と同様の手法で調製したC.c.胞子液原液(約1.0×10~1.0×10CFU/mL)400μLを滴下し、フィルムを被せて20分間静置させることで、試験片表面上に胞子液を一様に広げた。
10×10cmの不織布に、シート重量の2.5倍量となる防カビ剤組成物を含浸により保持させたウェットシート剤を、設置面が7×5.5cm、重さが150gである錘に巻き付け、先に得られた試験片表面上を1往復/秒の速さで5往復させることで、拭き取り操作(防カビ処理)を行った。
その後10分間静置し、レシチン・ポリソルベート80加・グルコース・ペプトン(GPLP)液体培地10mLに試験片を入れて表面を擦り、胞子を培地中に溶出させた。溶出させたものをジャガイモブドウ糖寒天(PDA)平板培地に塗布して25℃で3日間培養し、コロニー数をカウントすることで除菌効力を比較した。
なお、一連の操作は全て安全キャビネット内で行った。
微細な傷への浸透性評価の評価は、下記式を用いて生菌数から除菌率を算出し、C.c.胞子に対する効力の評価を行った。式中CFUとは、コロニー形成単位を意味する。
イオン交換水を2.5倍量含浸したものを対照区とした。
除菌率(%)=[{対照区(CFU/試験片)-処理区(CFU/試験片)}/対照区(CFU/試験片)]×100
(処理ムラの評価)
5×5cmのFRP板の中央に防カビ剤組成物500μLをピペッターを用いて滴下し、これを風乾させたものを試験片とした。
試験片表面に、前記(耐水性(持続性)評価)におけるC.c.胞子液と同じ胞子液を同濃度で、スプレーにより万遍なく処理した。その後試験片をタッパー内に入れて99%RH、25℃で7日間静置した。7日後、試験片表面において防カビ剤組成物を処理したことにより菌の成長が抑制された部分(黒く色づいていない部分)の直径(円形でない場合には、最も長い部分と最も短い部分の平均値)を測り、その直径から処理ムラの評価を行った。
処理ムラの評価基準は下記のとおりである。なお、直径の平均値とは、上記評価を試験片3枚に対しておこなった際の平均値である。
1:直径の平均値が1cm未満
2:直径の平均値が1cm以上2cm未満
3:直径の平均値が2cm以上3cm未満
4:直径の平均値が3cm以上4cm未満
5:直径の平均値が4cm以上
防カビ剤組成物の各評価結果を表1に示す。
Figure 0007335067000001
以上の結果より、本発明に係る防カビ剤組成物は、処理ムラが少なく、微細な傷内部に対する防カビ効果も有しており、優れた防カビ効果を、処理面に対して万遍なく発揮することができ、また、当該効果を持続的に発揮することができる。

Claims (4)

  1. 両親媒性シリコーン及びフェノール性防カビ剤を含む防カビ剤組成物であって、
    前記両親媒性シリコーンは、疎水性部分と親水性部分とを有するシリコーンであり、かつ、ポリジメチルシロキサンのメチル基をフェニル基とオキシエチレン基又はオキシプロピレン基とで置換したフェニル変性シリコーン及びポリジメチルシロキサンのメチル基をオキシエチレン基又はオキシプロピレン基で置換したポリエーテル変性シリコーンの少なくともいずれか一方であり、
    前記フェノール性防カビ剤は、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、p-クロロメタキシレノール、およびチモールからなる群より選ばれる少なくとも一種である、防カビ剤組成物。
  2. さらに低級アルコールを含む請求項1に記載の防カビ剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の防カビ剤組成物を保持させたウェットシート剤。
  4. 防カビ製剤を用いた防カビ方法であって、
    前記防カビ製剤が請求項に記載のウェットシート剤であり、前記ウェットシート剤で被処理面を拭くことにより、前記被処理面に防カビ処理を施す、防カビ方法。
    ただし、前記被処理面からヒトの皮膚の表面を除く。
JP2018205267A 2017-11-02 2018-10-31 防カビ剤組成物及び防カビ方法 Active JP7335067B2 (ja)

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