JP7322573B2 - シート状物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に用いられる極細繊維には、ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体とジオールとから得られるポリエステル系樹脂、すなわちポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートなどの樹脂を用いることができる。
(1)シート状物を厚み方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する。
(2)観察面内の任意の50本の極細繊維の繊維直径を、それぞれの極細繊維断面において3方向で測定する。ただし、異型断面の極細繊維を採用した場合には、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面積となる円の直径を以下の式で算出する。これより得られた直径をその単繊維の単繊維直径とする。
・単繊維直径(μm)=(4×(単繊維の断面積(μm2))/π)1/2
(3)得られた合計150点の算術平均値(μm)を算出し、小数点以下第二位で四捨五入する。
・捲縮保持係数=(W/L-L0)1/2
・W:捲縮消滅荷重(捲縮が伸びきった時点の荷重:mg/dtex)
・L:捲縮消滅荷重下の繊維長(cm)
・L0:6mg/dtex下での繊維長(cm)。30.0cmをマーキングする。
本発明で用いられる繊維質基材は、前記極細繊維からなる。なお、繊維質基材には、異なる原料の極細繊維が混合されていることが許容される。
PVAが好ましく用いられる。PVAの中でも、親水性基を有する高分子弾性体を含む水分散液付与時に阻害剤を溶出しにくくでき、かつより極細繊維と高分子弾性体の密着を阻害できるという観点から、より水難性である高ケン化度PVAを適用することが、より好ましい態様である。
本発明のシート状物において、親水性基を有する高分子弾性体としては、水分散型シリコーン樹脂、水分散型アクリル樹脂、および水分散型ウレタン樹脂やそれらの共重合体が挙げられる。それらの中でも風合いの面から、水分散型ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
まず、水分散型ポリウレタン樹脂の各反応成分について説明する。
本発明のシート状物において用いることができる高分子ポリオールとして、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等を挙げることができる。
本発明で用いられる有機ジイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様。)が6以上20以下の芳香族ジイソシアネート、炭素数が2以上18以下の脂肪族ジイソシアネート、炭素数が4以上15以下の脂環式ジイソシアネート、炭素数が8以上15以下の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体など。)およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
本発明に用いられる鎖伸長剤としては、水、「エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなど」の低分子ジオール、「1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなど」の脂環式ジオール、「1,4-ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなど」の芳香族ジオール、「エチレンジアミンなど」の脂肪族ジアミン、「イソホロンジアミンなど」の脂環式ジアミン、「4,4-ジアミノジフェニルメタンなど」の芳香族ジアミン、「キシレンジアミンなど」の芳香脂肪族ジアミン、「エタノールアミンなど」のアルカノールアミン、ヒドラジン、「アジピン酸ジヒドラジドなど」のジヒドラジド、および、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明では後述する理由により、水分散型ポリウレタンを含む水分散液中に、1価陽イオン含有無機塩、増粘剤を含有することが重要である。
本発明で用いられる水分散型ポリウレタンにおいて、ポリウレタンに親水性基を含有させる成分として、例えば、親水性基含有活性水素成分が挙げられる。親水性基含有活性水素成分としては、ノニオン性基および/またはアニオン性基および/またはカチオン性基と活性水素とを含有する化合物等が挙げられる。
・機器:東ソー(株)社製HLC-8220
・カラム:東ソーTSKgel α-M
・溶媒:N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)
・温度:40℃
・校正:ポリスチレン
本発明で用いられる親水性基を有する高分子弾性体は、シート状物中で繊維同士を適度に把持しており、好ましくはシート状物の少なくとも片面に立毛を有する観点から、繊維質基材の内部に存在していることが好ましい態様である。
本発明のシート状物は、シート状物を厚み方向に切断した断面中の極細繊維の断面部500本以上を含む500μm四方の範囲において、極細繊維との接着部分からの長さが10μm以上であり、かつ、極細繊維との接着部分から10μm以内の部分の最大幅が0μmを超えて5μm以下である高分子弾性体の本数が20本以上である。本明細書において、「極細繊維との接着部分からの長さが10μm以上であり、かつ、極細繊維との接着部分から10μm以内の部分の最大幅が0μmを超えて5μm以下である高分子弾性体」を「糸状の高分子弾性体」と称する場合がある。
次に、本発明のシート状物の製造方法について述べる。
(1)シート状物の平均単繊維繊度:
シート状物の繊維を含む厚さ方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE-7800型)を用いて3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した50本の単繊維直径をμm単位で、小数第1位まで測定した。ただし、これを3ヶ所で行い、合計150本の単繊維の直径を測定し、平均値を小数第1位までで算出した。繊維直径が50μmを超える繊維が混在している場合には、当該繊維は極細繊維に該当しないものとして平均繊維直径の測定対象から除外するものとする。また、極細繊維が異形断面の場合、前記したように、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めた。これを母集団とした平均値を算出し、平均単繊維繊度とした。
JIS L 1096:2010「織物および編物の生地試験方法」の8.21「剛軟度」の、8.21.1に記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2×35cmの試験片を5枚作成し、45°の角度の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めた。
各実施例、比較例で調製される、親水性基を有する高分子弾性体を含む水分散液20gを内径12mmの試験管に入れ、温度計を先端が液面よりも下になるように差し込んだ後、試験管を封止し、95℃の温度の温水浴に親水性基を有する高分子弾性体の水分散液の液面が温水浴の液面よりも下になるように浸漬した。温度計により試験管内の温度の上昇を確認しつつ、適宜1回あたり5秒以内の時間、試験管を引き上げて親水性基を有する高分子弾性体の水分散液の液面の流動性の有無を確認できる程度に揺すり、親水性基を有する高分子弾性体の水分散液の液面が流動性を失った温度を凝固温度とした。この測定を、親水性基を有する高分子弾性体の水分散液1種につき3回ずつ行い、平均値を算出した。
上記シート状物より分離した高分子弾性体について、日本分光(株)社製FT/IR 4000 seriesを用いて、赤外分光分析により結合種を同定した。
得られたシート状物の表面品位は10人のパネラーによる評価で行い、下記の基準で評価して、最も人数の多かった評価結果を採用した。なお、表面品位の評価は、図4に示すように床面10と平行の位置にある検査台11の上にシート状物12を置き、目視確認する位置とシート状物とを結ぶ線13の距離が50cmとなるように、シート状物14に対して検査台平面から45°の角度でシート状物14を目視確認して判断した。また、検査台には、検査台上面から垂直方向に150cm上部に32Wの蛍光灯15が設置されていた。その蛍光灯15の真下、すなわち、シート状物から蛍光灯への垂線16を引くことができる位置にシート状物12を置いて表面品位評価を実施した。外観品位は、4級~5級を良好とした。
5級:繊維の分散状態は良好でかつ光沢感を持つ外観は良好である。シート状物が立毛層を有する場合、均一な繊維の立毛がある。
4級:5級と3級の間の評価である。
3級:繊維の分散状態はやや良くない部分があるが、外観はまずまず良好であるものの光沢感はない。シート状物が立毛層を有する場合、均一ではないが、繊維の立毛がある。
2級:3級と1級の間の評価である。
1級:全体的に繊維の分散状態は非常に悪く、外観は不良である。シート状物が立毛層を有する場合、ムラが多く立毛が発現しない部分が多く存在する。
ポリオールに数平均分子量(Mn)が2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(表ではPTMGと記載)、イソシアネートにMDI、親水性基を含有させる成分として、2,2-ジメチロールプロピオン酸を用い、トルエン溶媒中でプレポリマーを作成した。鎖伸長剤としてエチレングリコールとエチレンジアミン、外部乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水を添加して、攪拌した。減圧化でトルエンを除去して親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waを得た。なお、高分子弾性体aは、高分子弾性体Aに該当する高分子弾性体である。
ポリオールにMnが2,000のポリヘキサメチレンカーボネート(表ではPHCと記載)、イソシアネートに水添MDI、親水性基を含有させる成分として、側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物および2,2-ジメチロールプロピオン酸を用い、アセトン溶媒中でプレポリマーを作成した。鎖伸長剤としてエチレングリコールとエチレンジアミンと水を添加して、攪拌した。減圧化でアセトンを除去して親水性基を有する高分子弾性体bの水分散液Wbを得た。なお、高分子弾性体bは、高分子弾性体Bに該当する高分子弾性体である。
(不織布)
海成分として、5-スルホイソフタル酸ナトリウムを8モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分が43質量%で島成分が57質量%の複合比率で、島数16島/1フィラメント、平均繊維直径が20μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を、繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により不織布とした。このようにして得られた不織布を、97℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間乾燥させた。
上記の繊維質基材用不織布にケン化度99%、重合度1400のPVA(日本合成化学株式会社製NM-14)の10質量%水溶液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質基材用不織布の繊維質量に対するPVAの付着量が30質量%のPVA付与シートを得た。
得られたPVA付与シートを、95℃の温度に加熱した濃度8g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分間処理を行い、海島型複合繊維の海成分を除去した極細繊維からなるシート(PVA付与極細繊維不織布)を得た。
親水性基を有する高分子弾性体aの固形分100質量%に対して、ポリウレタン固形分濃度を20%に調製した水分散型ポリウレタン分散液Waに、ノニオン性増粘剤(グアーガム) [太陽化学(株)製「ネオソフトG」]の有効成分をポリウレタン固形分対比1質量%、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム(表1では「Na2SO4」と記載)を30質量%添加し、カルボジイミド系架橋剤3質量%加え、水によって全体を固形分17質量%に調製し、親水性基を有する高分子弾性体aを含む水分散液を得た。感熱凝固温度は、65℃であった。得られたPVA付与極細繊維不織布を、前記水分散液に浸漬し、次いで酸凝固処理つまりpH2の液中で10分間処理後、乾燥温度120℃で30分間熱風乾燥させ、不織布の島成分質量に対するポリウレタン質量が45質量%付与された厚みが2.0mmの高分子弾性体樹脂付与シートを得た。
得られた高分子弾性体樹脂付与シートを、95℃に加熱した水中に浸漬して10分処理を行い、付与したPVAを除去してシート状物を得た。
得られたPVA除去後の高分子弾性体樹脂付与シートを厚さ方向に垂直に半裁し、半裁面の反対側をサンドペーパー番手240番のエンドレスサンドペーパーで研削することにより、厚みが0.7mmの立毛を有するシート状物を得た。
得られた立毛を有するシート状物を、液流染色機を用いて120℃の温度条件下で黒色染料を用いて染色を行った。次いで乾燥機で乾燥を行い、極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、図1と同様、繊維と高分子弾性体が部分的に接着する構造を形成し、表層繊維の長さが均一でかつ、光沢感を有していた。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合が存在しており、糸状の高分子弾性体が49本であり、表面被覆率は72%であった。
(不織布)
実施例1と同様に実施した。
実施例1と同様に実施した。
親水性基を有する高分子弾性体aの固形分100質量%に対して、ポリウレタン固形分濃度を20%に調製した水分散型ポリウレタン分散液Waに、ノニオン性増粘剤(グアーガム)の有効成分をポリウレタン固形分対比1質量%、感熱凝固剤として硫酸ナトリウムを30質量%添加し、カルボジイミド系架橋剤3質量%加え、水によって全体を固形分17質量%に調製し、親水性基を有する高分子弾性体aを含む水分散液を得た。感熱凝固温度は、65℃であった。得られたPVA付与極細繊維不織布を、前記水分散液に浸漬し、次いで温度90℃の熱水中で3分間処理後、乾燥温度120℃で30分間熱風乾燥させ、不織布の島成分質量に対するポリウレタン質量が45質量%付与された厚みが2.0mmの高分子弾性体樹脂付与シートを得た。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体を含む水分散液を変更した(具体的には、親水性基を有する高分子弾性体bの水分散液Wbに変更した)以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、図1と同様、繊維と高分子弾性体が部分的に接着する構造を形成し、表層繊維の長さが均一でかつ、光沢感を有していた。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合が存在しており、糸状の高分子弾性体が44本であり、表面被覆率は66%であった。
実施例2の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体を含む水分散液を変更した(具体的には、親水性基を有する高分子弾性体bの水分散液Wbに変更した)以外は、実施例2と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、図1と同様、繊維と高分子弾性体が部分的に接着する構造を形成し、表層繊維の長さが均一でかつ、光沢感を有していた。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合が存在しており、糸状の高分子弾性体が40本であり、表面被覆率は67%であった。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱ゲル化剤として塩化ナトリウム(表1では「NaCl」と記載)を25質量%添加し、感熱凝固温度を60℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、図1と同様、繊維と高分子弾性体が部分的に接着する構造を形成し、表層繊維の長さが均一でかつ、光沢感を有していた。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合が存在しており、糸状の高分子弾性体が46本であり、表面被覆率は70であった
[実施例6]
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱ゲル化剤として硫酸ナトリウムを45質量%添加し、感熱凝固温度を60℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、図1と同様、繊維と高分子弾性体が部分的に接着する構造を形成し、表層繊維の長さが均一でかつ、光沢感を有していた。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合が存在しており、糸状の高分子弾性体が51本であり、表面被覆率は68%であった。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱ゲル化剤として硫酸ナトリウムを18質量%添加し、感熱凝固温度を70℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、図1と同様、繊維と高分子弾性体が部分的に接着する構造を形成し、表層繊維の長さが均一でかつ、光沢感を有していた。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合が存在しており、糸状の高分子弾性体が33本であり、表面被覆率は66%であった。
親水性基を有する高分子弾性体aの固形分100質量%に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウムを30質量%添加し、カルボジイミド系架橋剤3質量%加え、水によって全体を固形分17質量%に調製し、親水性基を有する高分子弾性体aを含む水分散液を得た。感熱凝固温度は、65℃であった。得られたPVA付与極細繊維不織布を、前記水分散液に浸漬し、次いで120℃の温度の熱風で30分間乾燥することにより、繊維重量に対して高分子弾性体Aが45質量%付与された、厚みが1.9mmの高分子弾性体樹脂付与シートを得た。得られたシート状物は、柔軟な風合いであったものの、外観品位が3級であった。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を有しており、表面被覆率は67%であったが、糸状の高分子弾性体の本数は、14本であった。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、感熱凝固剤として硫酸マグネシウムを用いたこと以外は実施例1と同様にしておこなったところ、親水性基を有する高分子弾性体を含む水分散液が加工中にゲル化し、高分子弾性体樹脂付与シートを得ることは出来なかった。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱ゲル化剤として硫酸マグネシウムを1.2質量%添加し、感熱凝固温度を60℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、柔軟な風合いであったものの、含浸ムラが生じ、外観品位が3級であった。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を有しており、表面被覆率は63%であったが、糸状の高分子弾性体の本数は、17本であることを確認した。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱ゲル化剤として硫酸ナトリウムを1.2質量%添加し、感熱凝固温度を95℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、硬い風合いであり、外観品位が2級であった。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を有していたが、糸状の高分子弾性体の本数は、11本であり、表面被覆率は55%であったことを確認した。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱ゲル化剤として硫酸ナトリウムを60質量%添加し、感熱凝固温度を60℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、柔軟な風合いであったものの、外観品位が3級であった。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を有しており、表面被覆率は69%であったが、糸状の高分子弾性体の本数は、14本であることを確認した。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、架橋剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、柔軟な風合いであったものの、外観品位が2級であった。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を有していたが、糸状の高分子弾性体の本数は26本であり、表面被覆率は58%であったことを確認した。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、増粘剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、柔軟な風合いであったものの、外観品位が3級であった。また、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を有していたが、糸状の高分子弾性体の本数は8本であり、表面被覆率は58%であったことを確認した。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、オキサゾリン系架橋剤を3質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、柔軟な風合いであったものの、外観品位が3級であった。また、糸状の高分子弾性体の本数が、39本であり、表面被覆率は63%であったが、高分子弾性体にN‐アシルウレア結合とイソウレア結合を確認することはできなかった。
実施例1の(高分子弾性体樹脂の付与)において、親水性基を有する高分子弾性体aの水分散液Waの固形分100質量%に対して、感熱凝固剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維の平均単繊維繊度が4.4μmのシート状物を得た。得られたシート状物は、硬い風合いであり、外観品位が2級であった。また、高分子弾性体にN-アシルウレア結合とイソウレア結合を有していたが、糸状の高分子弾性体の本数は10本であり、表面被覆率は54%であったことを確認した。
2: 高分子弾性体
3: 極細繊維
4: 極細繊維
5: 極細繊維
6: 高分子弾性体
7: 極細繊維
8: 極細繊維
9: 極細繊維
10: 床面
11: 検査台
12: シート状物
13: 目視確認する位置とシート状物とを結ぶ線
14: 目視確認する位置
15: 蛍光灯
16: シート状物から蛍光灯への垂線
Claims (6)
- 繊維質基材と高分子弾性体とを含有するシート状物であって、前記繊維質基材は平均単繊維繊度が0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなり、前記高分子弾性体は、親水性基並びにN-アシルウレア結合および/またはイソウレア結合を有し、シート状物を厚み方向に切断した断面中の極細繊維の断面部500本以上を含む500μm四方の範囲において、極細繊維との接着部分からの長さが10μm以上であり、かつ、極細繊維との接着部分から10μm以内の部分の最大幅が0μmを超えて5μm以下の高分子弾性体の本数が20本以上であるシート状物。
- 前記高分子弾性体の本数が30本以上である、請求項1に記載のシート状物。
- 立毛層を有し、前記立毛層における極細繊維の表面被覆率が60%以上90%以下である、請求項1または2に記載のシート状物。
- 請求項1~3のいずれかに記載のシート状物を製造する方法であって、繊維質基材に水分散液を含浸せしめる工程、pHが1以上3以下の凝固溶媒にて凝固処理を行う酸凝固法又は80℃以上100℃以下の熱水中にて凝固処理を行う熱水凝固法により凝固処理を行う工程、100℃以上180℃以下で乾燥する工程を含み、前記繊維質基材は平均単繊維繊度が0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなり、前記水分散液は、親水性基を有する高分子弾性体、架橋剤、前記親水性基を有する高分子弾性体固形分質量100質量部に対して10質量部以上50質量部以下の1価陽イオン含有無機塩、および増粘剤を含有する、シート状物の製造方法。
- 前記架橋剤がカルボジイミド系架橋剤である、請求項4に記載のシート状物の製造方法。
- 前記増粘剤がノニオン性増粘剤である、請求項4または5に記載のシート状物の製造方法。
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