JP7316802B2 - 糖吸収促進用組成物 - Google Patents
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<1>ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、リューコノストック(Leuconostoc)属またはビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する菌の菌体を有効成分とする腸管における糖吸収促進用組成物。
<2>Lactobacillus属、Lactococcus属、Leuconostoc属またはBifidobacterium属に属する菌が、ラクトバチルス アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガリクス (Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ラクティス (Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、リューコノストック シュードメセンテロイデス(Leuconostoc pseudomesenteroides)、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム カテニュラタム(Bifidobacterium catenulatum)、ビフィドバクテリウム シュードカテニュラタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)、ビフィドバクテリウム シュードロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)から選択されるひとつ以上であることを特徴とする<1>に記載の腸管における糖吸収促進用組成物。
<3>Lactobacillus属、Lactococcus属、Leuconostoc属またはBifidobacterium属に属する菌が、Lactobacillus acidophilus JCM1132、Lactobacillus amylovorus JCM1126、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus JCM1002、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis JCM1012、Lactobacillus helveticus JCM1120、Lactobacillus johnsonii JCM2012、Lactobacillus paracasei subsp. paracasei JCM8130、Lactobacillus plantarum JCM1149、Lactobacillus reuteri JCM1112、Lactobacillus rhamnosus JCM1136、Lactococcus lactis subsp. cremoris JCM16167、Lactococcus lactis subsp. lactis JCM5805、Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides JCM6124、Leuconostoc pseudomesenteroides JCM9696、Bifidobacterium longum JCM1217、Bifidobacterium adolescentis JCM1275、Bifidobacterium bifidum JCM1255、Bifidobacterium breve JCM1192、Bifidobacterium catenulatum JCM1194、Bifidobacterium pseudocatenulatum JCM1200、Bifidobacterium pseudolongum JCM1205から選択されるひとつ以上であることを特徴とする<2>に記載の腸管における糖吸収促進用組成物。
<4> <1>~<3>のいずれか一つに記載の糖吸収促進用組成物を含む、糖吸収促進用飼料組成物、糖吸収促進用医薬組成物、又は糖吸収促進用食品組成物。
本発明の乳酸菌およびビフィズス菌は、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属およびリューコノストック(Leuconostoc)属に分類される乳酸菌およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に分類されるビフィズス菌であればどのようなものでも用いることができる。
具体的には、ラクトバチルス アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガリクス (Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ラクティス (Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、リューコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、リューコノストック シュードメセンテロイデス(Leuconostoc pseudomesenteroides)、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム カテニュラタム(Bifidobacterium catenulatum)、ビフィドバクテリウム シュードカテニュラタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)、ビフィドバクテリウム シュードロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
上記の菌株は、理化学研究所 バイオリソースセンター(日本、茨城県、つくば市)等から入手することができる。
乳酸菌およびビフィズス菌は、各菌の培養の常法に従って培養し、所望の量を調製すればよい。調製の一例を以下に示す。ラクトバチルス属に属する乳酸菌はMRS培地(Difco)を用いて、ラクトコッカス属に属する乳酸菌はM17培地(Difco)を用いて、リューコノストック属に属する乳酸菌およびビフィドバクテリウム属に属するビフィズス菌は、1%グルコース含有GAMブイヨン(日水)を用いてそれぞれ培養し、得られた培養物を遠心分離により集菌することにより菌体を得る。得られた菌体をそのまま用いてもよいし、濃縮、乾燥、凍結乾燥処理に供した菌体を用いることもできる。菌体は加熱乾燥などにより死菌体にしたものを用いることもできる。
上記したとおり、本発明の組成物は濃縮、乾燥、凍結乾燥処理に供した菌体、加熱乾燥などにより得られる死菌体も有効成分とすることができることから、製剤、飲食品、飼料の原料として広く用いることができる。製剤、飲食品、又は飼料を培地として菌体を培養して、当該培地をそのまま製剤、飲食品、又は飼料として用いてもよく、または、他の培地で培養した菌体を製剤、飲食品、又は飼料に添加してもよい。
本発明の組成物の摂取量は、投与対象者の症状、年齢などを考慮してそれぞれ個別に決定されるが、通常成人の場合、一日あたり1-5000mg程度摂取すればよい。
実施例に記載の方法で評価が可能である。
下記(1)の各供試菌を、ラクトバチルス属はMRS培地(Difco)、ラクトコッカス属はM17培地(Difco)、リューコノストック属およびビフィドバクテリウム属は1%グルコース含有GAMブイヨン(日水)にそれぞれ植菌し、37℃にて16時間静置培養を行った。培養物を、生理食塩水にて2回、滅菌水にて1回洗浄し、洗浄菌体を得た。この洗浄菌体を凍結乾燥処理して菌体粉末を得た。菌体粉末を10mg/mlになるように滅菌PBS(-)で希釈し、80℃にて30分間加熱して加熱死菌体を得た。加熱死菌体は100μg/mlとなるように10%FBS(Gibco)、1×Non-essential Amino Acids(Gibco)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Sigma)を含むDMEM(Sigma)で希釈した。
ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、リューコノストック(Leuconostoc)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の下記21株を供試菌とした。
Lactobacillus acidophilus JCM1132、Lactobacillus amylovorus JCM1126、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus JCM1002、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis JCM1012、Lactobacillus helveticus JCM1120、Lactobacillus johnsonii JCM2012、Lactobacillus paracasei subsp. paracasei JCM8130、Lactobacillus plantarum JCM1149、Lactobacillus reuteri JCM1112、Lactobacillus rhamnosus JCM1136、Lactococcus lactis subsp. cremoris JCM16167、Lactococcus lactis subsp. lactis JCM5805、Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides JCM6124、Leuconostoc pseudomesenteroides JCM9696、Bifidobacterium longum JCM1217、Bifidobacterium adolescentis JCM1275、Bifidobacterium bifidum JCM1255、Bifidobacterium breve JCM1192、Bifidobacterium catenulatum JCM1194、Bifidobacterium pseudocatenulatum JCM1200、Bifidobacterium pseudolongum JCM1205
上記の菌株は、理化学研究所 バイオリソースセンター(日本、茨城県、つくば市)等から入手することができる。
実施例品1を以下の試験に供した。
Cell matrix type I-C(新田ゼラチン)でコラーゲンコートした24 well plate(BD)に、ヒト結腸癌由来細胞株Caco-2を5×104 cells/wellで播種し、10%FBS(Gibco)、1×Non-essential Amino Acids(Gibco)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Sigma)を含むDMEM(Sigma)で培養した。2-3日ごとに培地交換しながら24日間培養し、腸上皮様に分化させた。24日後、細胞をPBSで1回洗浄し、試験群には各種菌体を100μg/mlで懸濁した培地を、コントロール群には菌体を含まない培地を添加して、24時間培養した。24時間後、細胞を冷PBS(-)で1回洗浄し、洗浄した細胞に、TRIzol Reagent(Invitrogen)300μlを入れ、細胞をピペッティングにより溶解した。細胞溶解液を1.5mlチューブに回収し、5分以上室温でインキュベートした後、RNA抽出操作実施まで-80℃で保存した。
腸上皮様に分化させたCaco-2細胞に、乳酸菌またはビフィズス菌21菌種のいずれかを添加して24時間培養した時の、グルコーストランスポーターの遺伝子発現量を図1に示した。SGLT1およびGLUT5については、すべての供試菌株が遺伝子発現を増加させた(Control群と比較して、SGLT1は約1.5-2.5倍、GLUT5は約1.2-2.7倍)。また、GLUT2についても、ラクトバチルス アミロボラス、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ、ラクトバチルス ロイテリ、ラクトバチルス ラムノーサスの4菌種は遺伝子発現にほとんど影響を与えなかったが、それ以外の17菌種は遺伝子発現を増加させた(Control群と比較して約1.2-2.3倍)。したがって、乳酸菌およびビフィズス菌の菌体は、菌種によらず、単糖トランスポーターの遺伝子発現を増加させ、腸管における糖の取り込みを増加させることが示唆された。
Claims (3)
- ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する菌の菌体を有効成分とする腸管における糖吸収促進用組成物であって、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する菌が、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp.lactis)、ラクトバチルス ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、から選択されるひとつ以上である前記組成物。
- ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する菌が、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)JCM1002、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp. Lactis)JCM1012、ラクトバチルス ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)JCM1120、ラクトバチルス ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)JCM2012、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)JCM1149から選択されるひとつ以上であることを特徴とする請求項1に記載の腸管における糖吸収促進用組成物。
- 請求項1又は2に記載の糖吸収促進用組成物を含む、糖吸収促進用飼料組成物、糖吸収促進用医薬組成物、又は糖吸収促進用食品組成物。
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