JP7305943B2 - 2成分型硬化性組成物 - Google Patents
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Description
変成シリコーン系硬化性樹脂組成物は、通常、1成分型又は2成分型として提供される。1成分型の場合、使用前に混合作業等を行う必要がなく簡便である一方、保管時の安定性を保つために、水分管理を十分に行う必要がある。そのため、カートリッジ等の容器に充填する必要があり、一包装あたりに充填できる量にも制限があるため、包装材料コストが高くなる問題があった。また、水分管理が十分に行われた状態で施工するため、施工後、空気中の湿気で硬化が進行する際、深部硬化が遅くなる問題があった。
一方、2成分型の場合には、使用前に混合等の作業が必要になるものの、可使時間と硬化時間のバランスが取りやすく、深部の硬化も速やかに進行しやすいという特徴がある。
しかしながら、可塑剤としてポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレン誘導体を使用しているため、耐候性の観点で十分とは言えない。
また、特許文献2及び3は、エポキシ樹脂、水等を用いることにより、深部硬化性に優れた硬化性組成物を提供する技術であるが、実質的に可塑剤を含有していないため、組成物の粘度が高く、施工時の作業性に劣るという問題があった。
すなわち、本発明は当該知見に基づいて完成したものであり、本明細書によれば以下の手段を提供する。
加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体は下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むものであれば、特に限定されない。
-O-R2- (1)
(式中、R2は、2価の炭化水素基である。)
上記一般式(1)におけるR2としては、以下のものが例示される。
(CH2)n (nは1~10の整数)
CH(CH3)CH2
CH(C2H5)CH2
C(CH3)2CH2
前記オキシアルキレン系重合体は、上記繰り返し単位を1種又は2種以上を組み合わせて含んでもよく、これらの中でも、作業性に優れる点で、CH(CH3)CH2が好ましい。
また、上記オキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体又は分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
上記オキシアルキレン系重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
また、上記オキシアルキレン系重合体は、直鎖状重合体及び分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構造単位を有する重合体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む単量体混合物を重合することにより得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体は、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する単量体であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル単量体の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10~100質量%の範囲であり、より好ましくは30~100質量%の範囲であり、さらに好ましくは50~100質量%の範囲である。
これらの中でも、硬化物の機械物性の観点から炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(メタ)アクリル系重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。なお、上限値は100質量%以下であり、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく50質量%以下であってもよい。
加水分解性シリル基の数の平均値の範囲は、上記の上限値及び下限値を組み合せて設定することができるが、例えば、0.1個以上5.0個以下であり、0.1個以上3.0個以下であってもよく、0.1個以上2.2個以下であってもよく、0.2個以上2.2個以下であってもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体に含まれる加水分解性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
加水分解性シリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
他の単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の官能基含有単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類
スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン等のアルケン類;
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
粘度が200mPa・s以上であれば、垂直面に塗布した際の垂れが抑制されるために好ましく、100,000mPa・s以下にすることにより、硬化性組成物の作業性が良好になる。
粘度の範囲は、上記の上限値及び下限値を組み合せて設定することができるが、例えば、500mPa・s以上100,000mPa・s以下であり、800mPa・s以上50,000mPa・s以下であってもよく、1,000mPa・s以上10,000mPa・s以下であってもよい。
例えば、加圧可能な反応機を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に設定した後、各単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法が挙げられる。
また、単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その配合する場合の配合量としては、単量体混合物100質量部に対して0.001~2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の滞留時間は、1~60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が十分に反応しない恐れがあり、未反応単量体が60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2~40分である。
重合開始剤はこれらの内の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤として水素引き抜き能が高いものを使用した場合、得られる重合体の二重結合濃度が高くなる傾向がある。例えば、アゾ系化合物よりも有機過酸化物を使用した方が、二重結合濃度の高い重合体が得られる傾向がある。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤及び単量体の種類、所望する分子量、重合条件等により適宜調整することができるが、一般的には、使用する単量体100質量部に対して0.001~10質量部である。同じ分子量の重合体を得る場合、重合開始剤の使用量が少ないほど、得られる重合体中の二重結合濃度は高くなる傾向がある。
溶媒の使用量は、全ビニル単量体100質量部に対して、80質量部以下とすることが好ましい。80質量部以下とすることにより、短時間で高い転化率が得られる。より好ましくは、1~50質量部である。また、オルト酢酸トリメチル、オルト蟻酸トリメチル等の脱水剤を添加することもできる。
2価の錫化合物は、加水分解性シリル基の架橋のための硬化触媒として作用する。通常、2価及び4価の錫化合物が存在するが、4価の錫化合物の場合、安定であるため、施工及び養生後も触媒活性を保持したまま存在し続ける。その結果、経年で過剰な架橋反応が進行し硬化物が硬くなるため、硬化物の柔軟性が損なわれるという問題が生じる。
一方、2価の錫化合物の場合、経時的に酸化され触媒活性が低下していくため、過剰な架橋反応が起こらず、初期の柔軟性が長期に保持できる特徴がある。
2価の錫化合物の具体例としては、酢酸スズ(II)、プロピオン酸錫(II)、ブタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及びバーサチック酸錫(II)等が挙げられるが、これらの限定されるものではない。これらの中でも、触媒の活性及び樹脂への溶解性の観点から、2-エチルヘキサン酸錫(II)が好ましい。
アミン化合物は、2価の錫化合物とともに、加水分解性シリル基の架橋反応を促進するために添加される。
アミン化合物の具体例としては、プロピルアミン、ブチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ベンジルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン及び1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、臭気が少ないこと及び樹脂への溶解性の観点から、ラウリルアミン及びステアリルアミンが好ましい。
(B-3)の(メタ)アクリル酸エステル重合体については、前記(A-2)と同じである。なお、本発明において、(B-3)は(A-2)と同一であっても、異なっていてもよい。
なお、(B-3)が、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体であると、貯蔵中に、硬化触媒と共存することになり、貯蔵安定性の点で好ましくない。よって、架橋性シリル基を有しない(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。
加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A-1)を100質量部とした場合に、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A-2)及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B-3)の合計量が、20質量部以上150質量部以下であることが好ましい。20質量部以上であることにより、施工時の作業性が良好となり、150質量部以下であることにより、硬化物の耐候性が良好となる。好ましくは、25質量部以上100質量部であり、より好ましくは、30質量部以上70質量部以下である。
2価の錫化合物(B-1)の添加量は、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A-1)を100質量部とした場合に、0.3~10質量部使用することが好ましい。0.3質量部以上であることにより、速やかに硬化し、10質量部以下であることにより、引張物性が良好となる。
アミン化合物(B-2)の添加量は、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A-1)を100質量部とした場合に、0.1~10質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であることにより、速やかに硬化し、10質量部以下であることにより、引張物性が良好となる。
本発明におけるA成分には、上記以外に、充填剤、(A-2)以外の可塑剤、エポキシ樹脂、老化防止剤、タック防止剤及び硬化促進のための水等を添加することができる。
これらの中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンが好ましく、軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとの混合物がより好ましい。充填剤の添加量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部とした場合、20~300質量部が好ましく、より好ましくは、50~200質量部である。上記のように軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの混合物とする場合には、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウムの質量割合が90/10~50/50の範囲であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、BASF社製の商品名「チヌビン571」、「チヌビン1130」及び「チヌビン327」が例示される。光安定剤としては同社製の商品名「チヌビン292」、「チヌビン144」及び「チヌビン123」、三共社製の商品名「サノール770」が例示される。
熱安定剤としては、BASF社製の商品名「イルガノックス1135」、「イルガノックス1520」及び「イルガノックス1330」が例示される。
紫外線吸収剤/光安定剤/熱安定剤の混合物であるBASF社製の商品名「チヌビンB75」を使用してもよい。
本発明のB成分には、上記以外に、充填剤、(B-3)以外の可塑剤等を添加してもよい。また、A成分にエポキシ樹脂を添加した場合には、エポキシ樹脂の硬化剤を添加することもできる。
(B-3)以外の可塑剤としては、前記(A-2)以外の可塑剤と同じである。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、(B-2)に例示したアミン化合物に加えて、ポリアミン化合物、ケチミン化合物などが挙げられる。
1成分型は、保管中に硬化が進するため、脱水状態で保管する必要がある。塗工直後は脱水状態にあり、表面から徐々に硬化が進行するため、深部の硬化に時間がかかり、その間の温度変化等により目地幅が変化して、硬化に不具合が生じる恐れがあるのに対し、2成分型は脱水状態で保管する必要がないので、深部の硬化が早いという長所がある。
また、2成分型は、保管中に硬化性樹脂と硬化剤(触媒)を共存させていないので、保管中に硬化する恐れが極めて少ない。
本発明の2成分型硬化性樹脂組成物は、A成分、B成分をそれぞれ混合し、別々に保管する。塗工直前に、A成分とB成分を所定の割合で混合し、ディスパー等の撹拌機で十分に混合した後、その混合物を塗工することができる。
製造例、実施例及び比較例で得られた重合体の分析方法、並びに硬化性組成物から得られた硬化物の評価方法について以下に記載する。
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC-8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー製TSKgel SuperMultiporeHZ-M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
TVE-20H型粘度計(円錐/平板方式、東機産業社製)を用いて、下記の条件下でE型粘度を測定した。
○測定条件
コーン形状:角度1°34′、半径24mm(10000mPa・s未満)
角度3°、半径7.7mm(10000mPa・s以上)
温度:25℃±0.5℃
加水分解性シリル基であるアルコキシシリル基の数(平均数)f(Si)は全構成単量体を100質量部とした場合の反応性シリル基を有する単量体の質量部から、下記式を用いて算出した。
f(Si)={シリル基単量体の質量部/(シリル基単量体の分子量×100/Mn)}
(製造例1)
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器の温度を263℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、アクリル酸ブチル(以下、「BA」という)を100部、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」という)を20部、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)を20部、重合開始剤としてジ-t-ブチルパーオキサイド(日油社製、商品名「パーブチルD」、以下、「DTBP」という)を2部からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケットの温度を制御することにより、反応温度を254~256℃に保持した。
単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して(メタ)アクリル酸エステル重合体A-2-1を得た。得られた重合体の性状を表1に示す。
原料供給組成および反応器内温を、表1のように変更する以外は、製造例1と同様の操作により、(メタ)アクリル系重合体A-2-2~A-2-10を得た。
BA:アクリル酸ブチル
HA:アクリル酸2-エチルヘキシル
TDA:アクリル酸テトラデシル
MMA:メタクリル酸メチル
TMS:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
DMS:3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
IPA:イソプロピルアルコール
MEK:メチルエチルケトン
MOA:オルソ酢酸トリメチル
DTBP:ジ-t-ブチルパーオキシド(日油社製、商品名「パーブチルD」)
DTHP:ジ-t-ヘキシルパーオキシド(日油社製、商品名「パーヘキシルD」)
Mw:質量平均分子量
Mn:数平均分子量
実施例1~実施例11、参考例1及び比較例1~比較例2
A成分として、市販品であるESS2420(AGC社製、商品名「エクセスターS2420」又はESS3430(AGC社製、商品名「エクセスターS3430」などを下記表2に示す量比で、プラネタリーミキサーを用いて、温度60℃、10Torrの条件で1時間混合することによりA成分を得た。
一方、別の容器で、B成分として、表2に示す量比で、透明になるまで、攪拌混合してB成分を得た。
次いで、前記で得られたA成分とB成分を、自転公転式ミキサーにより、回転数2000rpmで、1分混合、30秒脱泡することにより、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。
この組成物を、テフロン(登録商標)シート上で、2mm厚になるように塗布して、23℃、50%RHで、2週間養生し、硬化物を得た。
表2から、B-1または硬化触媒(比較例3の場合)を除いた状態で、上記と同じ混合作業を行い、直後に、粘度測定を行った。粘度の測定の条件は、(メタ)アクリル酸エステル重合体の粘度測定と同様であり、回転数は、1rpmに固定した。
得られた2mm厚の硬化物より引張試験用ダンベル(JIS K 6251 3号型)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS-J、島津製作所社製)を用いて、引張速度200mm/分の条件下での破断伸び及び破断強度を測定した。
得られた2mm厚の硬化物をメタルウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製「DAIPLA METAL WEATHER KU-R5NCI-A」)に入れ、促進耐候試験を行った。条件は照射63℃、70%RH、照度80mW/cm2とし、2時間に1回2分間のシャワーで試験を実施した。外観にクラック等の異常が生じ始めた時間を記録した。
得られた2mm厚のシートを、100℃雰囲気で、1週間加熱し、取り出したのち、1日、23℃、50%RHで状態調節した。その後、上記引張試験と同様の条件で引張試験を行い、物性の変化を評価した。
ESS2420:AGC社製、商品名「エクセスタ-S2420」(直鎖状変成シリコーン)
ESS3430:AGC社製、商品名「エクセスターS3430」(分岐状変成シリコーン)
PPG:プロピレングリコール(分子量3000)
CCR:軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「白艶華CCR」)
スーパーSS:重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)
R820:酸化チタン(石原産業社製)
チヌビンB75:老化防止剤(BASF社製)
M-8100:多官能アクリレート(東亞合成社製、商品名「アロニックスM-8100」)
実施例1~11と比較例2を比較した場合、実施例は、比較例2に対して、引張物性がほぼ同等である状態を維持したうえで、耐候性に優れるという結果を示す。
実施例3と比較例3については、2価の錫を用いた実施例は、4価の錫を用いた比較例に対して、耐熱試験後の引張物性の変化が初期値に対して少ないため、2価の錫を用いた方が、耐熱性に優れる結果を示す。
実施例1~11の中での比較では、分子量が高いほど耐候性に優れるが、配合物粘度が高くなる傾向にある。一方で、引張物性については、顕著な変化はない結果を示す。
Claims (1)
- (A)成分と(B)成分を含む2成分型硬化性樹脂組成物であって、前記(A)成分として、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(A-1)及び数平均分子量が500以上2000以下の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A-2)を含み、前記(B)成分として、2価の錫化合物(B-1)、アミン化合物(B-2)及び(メタ)アクリル酸エステル重合体(B-3)を含む、2成分型硬化性樹脂組成物であって、前記加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A-1)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A-2)と前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(B-3)の合計量が、25質量部以上100質量部以下であって、前記数平均分子量が500以上2000以下の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A-2)の25℃における粘度が200mPa・s以上10000mPa・s以下であって、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(B-3)の数平均分子量が500以上2000以下、且つ25℃における粘度が200mPa・s以上10000mPa・s以下である2成分型硬化性樹脂組成物。
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