JP7378350B2 - 食品成形具 - Google Patents
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Description
このおにぎり成形具を使用する際には、フラップを開き、型枠の下端をテーブルの天面などに押し付けた状態で、型枠の内部に、ラップフィルムやアルミホイルなどからなる包装材に包まれた米飯をセットする。
おにぎりを成形具から取り出す際には、特許文献1の場合は、型枠の下端が封鎖されているため、フラップを開いて、型枠の上端の開口から包装されたおにぎりを持ち上げる。また、特許文献2の場合は、型枠の下端が開口しているため、型枠を持ち上げて型枠の下端から包装されたおにぎりを押し出す。
かかるおにぎり成形具は、おにぎりの包装材と組み合わせることで、おにぎり成形セットとしても販売されている。
この種の包装材を用いた場合に包装材の側部が底部から広がって立ち上がっているため、食品成形具の型枠が垂直に立ち上がっている場合、包装材の底部と型枠の下端部との間に大きな隙間が生じ、底部がずれ動くため食品を充填する作業がおこないにくい。
一方、包装材の底部と型枠の下端部との隙間が小さくなるように、型枠のサイズを小さくすると、側部のひだ部が型枠の壁面に当たって内側に押し込まれるなどして、包装材の形状が乱れるため、同様に食品を充填する作業がおこないにくい。
型枠の壁面を、包装材の側部と同様に、上端の開口に向けて拡がるテーパ形とすることで、包装材の底部と型枠の下端部との間の隙間を小さくすることができるため、型枠のサイズを無理に小さくすることなく、包装材の底部がずれ動きにくくすることができ、食品を充填する作業がスムーズに行われる。
また、型枠の下端が開口している場合、成形後の包装された食品をその下端の開口から押し出すことができるため便利であるが、型枠の壁面の傾斜角度が60°を下回ると、下端の開口に向けて狭まりすぎているため、その下端の開口からの押し出し作業がスムーズに行われないおそれがある。
型枠の壁面の傾斜角度を60°以上~90°未満とすることで、包装材への食品の充填作業および成形後の食品の型枠下端からの押し出し作業がともにスムーズに行うことができる。かかる傾斜角度のより好ましい範囲は、70°以上~85°以下である。
食品成形具10の材質は特に限定されないが、紙製、プラスチック製、金属製であることが例示でき、環境に対する負荷が小さいものとして紙製であることが好ましい。また、型枠11の内面には、成形された食品の離型性を高めるために、OPコートなどのコート層や樹脂フィルムなどの樹脂層を設けることが好ましい。
また、型枠11が紙製の場合、型枠11の内面に同様のコート層や樹脂層を形成することにより、成形された食品の離型性向上に加え、型枠11を構成する紙への食品からの水分の浸透が抑えられるので、水分による型枠11の強度低下を抑えることができ、型枠11を繰り返し使用できるようになる。さらに、型枠11の外面にも内面と同様にコート層や樹脂層を形成することで紙単体の場合よりも型枠11の強度低下を抑えることができ、また、後述する食品を成形する際のフラップの押圧による型枠11の劣化を抑えることができる。
この側面のテーパの傾斜角度は特に限定されないが、パネルとパネルが合流する三角筒の角隅部において、水平方向に対する傾斜角度αが60°≦α<90°が好ましく、70°≦α≦85°がより好ましい。
図1および図2において、そのフラップを時計回りに始端フラップ12、中間フラップ13および終端フラップ14としたとき、始端フラップ12の先端には、半円形のタブ12aが設けられおり、このタブ12aをつまむことで始端フラップ12を操作できるようになっている。
図示のように、折り重ね片13aは三角形状をしており、その三辺のうちの最短辺をなす始端フラップ12との境界、最長辺をなす中間フラップ13との境界には、それぞれ罫線が付されることで折り曲げ可能となっている。折り重ね片13aの三辺のうちの残り一辺は、始端フラップ12とも中間フラップ13とも接していない。同様に折り重ね片14aは折り重ね片13aと相似形の三角形状をしており、その三辺のうちの最短辺をなす終端フラップ14との境界、最長辺をなす中間フラップ13との境界には、それぞれ罫線が付されることで折り曲げ可能となっている。折り重ね片14aの三辺のうちの残り一辺は、終端フラップ14とも中間フラップ13とも接していない。
このようにして、図2(b)のように、始端フラップ12を型枠11の開口に向けた倒れに連動して、すべてのフラップ13、14が型枠11の開口に向けて倒れ、型枠11の開口がフラップ12、13、14により閉じられることになる。このとき、図示のように、開口の中央は、始端フラップ12のタブ12aにより塞がれるため、開口の封鎖状態で隙間が生じないようになっている。
食品成形具10の使用状態において、フランジ16、17、18は型枠11のパネル11a、11b、11cの面に対してほぼ垂直となるように外方に折り曲げられ、テーブルの天面などに押し当てられる。これにより、食品の成形作業中に、型枠11がずれ動かないように位置決めできるようになっている。また、フランジ16、17、18があることで、食品の成形作業中にフランジ16、17、18のいずれか一つのフランジを片方の手の指で押さえることができ、型枠11のずれ動きをさらに抑制することができる。
フランジ16、17、18の形状は特に限定されないが、図示ではいずれも等脚台形状となっている。
食品成形具10の不使用時には、フラップ12、13、14およびフランジ16、17、18を、それぞれ型枠11のパネル11a、11b、11cと平行になるように(同一平面をなすように)折り曲げる。
ついで、折り畳み線12bと、フラップ13とフラップ14との境界からパネル11bとパネル11cとの境界にかけての罫線とを折り曲げることで、図4のように、フラットでコンパクトな状態に折り畳めるようになっている。
同図のように、ブランク10´は、型枠11について、パネル11a、11b、11cが罫線を介して一列に並列し、各パネルの上辺に、始端フラップ12、中間フラップ13、終端フラップ14が、罫線を介してこの順に連設され、各パネルの下辺に、フランジ16、17、18が、罫線を介してこの順に連設されている。
パネル11cには、継ぎ代11eが付属しており、食品成形具10を作成する際には、パネル11a、11b、11cが三角筒状になるように折り曲げ、継ぎ代11eをパネル11aの裏側に貼り付けることによる。
ブランク20´は、正三角形状の底部21と底部21の3辺にそれぞれ連結された矩形の側部22と、側部22の先端から延びる半円形の蓋部23とからなり、底部21の三角形の頂点に対応する角隅部には扇型のひだ部22aが形成されている。
図6(b)のように、かかるブランク20´をプレス成形することで、側部22が底部21から広がって立ち上がり、ひだ部22aが折り畳まれることで包装材20が形成される。ここで、側部22と蓋部23の間は折り曲げられていない。
側部22の底部21に対する立ち上がり角度は特に限定されないが、型枠11の側面の傾斜角度と同程度かやや小さいことが例示できる。
このようなプレス成形は、生産の効率化のため、通常はブランク20´を10~40枚程度重ね合わせておこなわれる。
包装材20の外面には、包装され成形された食品の型枠11からの離型性を高めるために、OPコートなどのコート層を設けることが好ましい。また、包装材20の内面には、包装材20に食品が付着するのを防止するため、離型層としてカルナバワックスなどのワックス層やシリコーン樹脂層を設けることが好ましい。
包装材20がアルミニウム箔の場合、その厚みは特に限定されないが、10~20μmが例示できる。
この包装材20と実施形態の食品成形具10とで、実施形態の食品成形セットを構成する。
まず、図7(a)のように、フラップ12、13、14が起立した状態の食品成形具10の型枠11をテーブルの天面などの作業面に載置する。
このとき、食品成形具10の型枠11の壁面に対してほぼ垂直に折り曲げられたフランジ16、17、18は、その作業面に押し当てられることになる。
この状態で、食品成形具10の内部に、包装材20をセットする。このとき包装材20側部22は型枠11の内面に沿い、蓋部23は食品成形具10のフラップ12、13、14の内面に沿っている。
ついで、図7(b)のように、食品成形具10にセットされた包装材20の底部21と側部22により区画される収納空間に、米飯などの食品Fを充填する。
すると図8(b)のように、中間フラップ13、終端フラップ14も始端フラップ12の動きに連動して、型枠11の開口の側へと倒れ、内側から順に、終端フラップ14、中間フラップ13、始端フラップ12が重なり合い、開口が封鎖される。
このとき、フラップ12、13、14の内面に沿う包装材20の蓋部23も、型枠11の開口の側へと倒され、包装材20の収納空間の開口を封鎖し、これにより食品Fが包装材20に包み込まれることになる。
さらに、図8(b)の矢印で示すように、型枠11の開口が封鎖された状態で、始端フラップ12のタブ12aを指で押圧し、包装材20の包み込まれた食品Fを圧縮して型枠11の形状に沿うように成形する。
この状態で包装材20に包み込まれた食品Fを上から指で押して、食品成形具10の内部から作業面上へと押し出すことで包装材20に包み込まれた食品Fが食品成形具10から分離することができる。
または、食品成形具10と包装材20との接触度合や滑り易さによっては、図9のような作業に代えて、食品成形具10を上方へ持ち上げることで包装材20に包み込まれた食品Fが自重で自然に食品成形具10から分離することもできるし、もしくは食品成形具10を上方へ持ち上げて軽く上下に振る動作をすることでも包装材20に包み込まれた食品Fが食品成形具10から分離することもできる。その後、包装された食品Fは、弁当箱に詰められる等して、喫食の用に供される。
この実施形態では、食品成形具10の型枠11は上下端が開口する正四角筒形状をしており、その側面がパネル11a~11dの4枚の台形状のパネルから構成されている。型枠11の側面は、上端の開口に向けて拡がるように、テーパ形となっている。
始端フラップ12と隣接する中間フラップ13、中間フラップ13、15同士、終端フラップ14と隣接する中間フラップ15とは、それぞれ三角形状の折り重ね片13a、15a、14aを介して連結されている。始端フラップ12と終端フラップ14とは連結されていない。
各フランジ16~19は、互いに連結されていない。
この実施形態では、別途折り畳み線12bを形成することを要しない。
同図のように、ブランク10´は、型枠11について、パネル11a、11b、11c11dが罫線を介して一列に並列し、各パネルの上辺に、始端フラップ12、2枚の中間フラップ13、15、終端フラップ14が、罫線を介してこの順に連設され、各パネルの下辺に、フランジ16、17、18、19が、罫線を介してこの順に連設されている。
パネル11dには、継ぎ代11eが付属しており、食品成形具10を作成する際には、パネル11a、11b、11c、11dが四角筒状になるように折り曲げ、継ぎ代11eをパネル11aの裏側に貼り付けることによる。
また、包装材20の種類、形状も実施形態に限定されない。
実施形態では、食品成形具10の型枠11を三角筒状または四角筒状としたが、これに限定されず、六角筒、八角筒等、他の多角筒形状としてもよい。また、実施形態では、正三角筒状や正四角筒状としたが、これに限定されず、直角三角筒状や台形筒状などとしてもよい。
実施形態では、食品成形具10の始端フラップ12と終端フラップ14とは連結されていないが、折り重ね片を介して連結されていてもよい。ただし、始端フラップ12と終端フラップ14とは連結されていない方が、当該フラップ同士の干渉が無いので成形作業がし易くなる。
折り重ね片の形状は、三角形状である限りにおいて実施形態に限定されず、たとえば正三角形状とすることもできる。
実施形態では、食品成形具10の型枠11、フラップ12~15、フランジ16~19を一体に形成しているが、別体に形成した後に連結してもよい。
タブ12aは省略することもできるし、複数のフラップに付属させることもできる。
型枠11の壁面はほぼ垂直に立ち上がっていてもよい。
包装材20の形状および製法は実施形態に限定されず、プレス成形により作製されたものでなくてもよく、包装材20にはひだ部22aが形成されていなくてもよい。
10´ ブランク
11 型枠
11a~11d パネル
11e 継ぎ代
12 始端フラップ
12a タブ
12b 折り畳み線
13 中間フラップ
13a 折り重ね片
14 終端フラップ
14a 折り重ね片
15 中間フラップ
15a 折り重ね片
16~19 フランジ
20 包装材
20´ ブランク
21 底部
22 側部
22a ひだ部
23 蓋部
F 食品
α 傾斜角度
Claims (5)
- 上端が開口する多角筒状の型枠と、
前記型枠の各上辺に折り曲げ可能に連結された複数のフラップと、を備え、
前記型枠内に食品包装材を配置しここに食品を充填し、前記フラップを折り曲げて前記型枠の開口に向けて倒し食品を押圧することで、包装された前記食品を成形する食品成形具であって、
前記複数のフラップは、周方向に順に始端フラップ、一または複数の中間フラップ、および終端フラップからなり、
始端フラップから終端フラップにかけては、それぞれ隣接するフラップ同士が、折り曲げ可能な三角形状の折り重ね片を介して連結されており、
始端フラップを前記型枠の開口に向けて倒すと、これに連動して折り重ね片が折り曲げられることで、すべてのフラップが開口に向けて倒れるようになっている食品成形具。 - 前記始端フラップの先端部から突出するタブをさらに備え、
前記タブは、前記各フラップが前記型枠の開口に向けて倒された際に、開口の中央に形成されるフラップ隙間を封鎖するようになっている請求項1に記載の食品成形具。 - 前記型枠は上端の開口に向けて拡がるように、その側面がテーパ形になっている請求項1または2に記載の食品成形具。
- 前記型枠は下端も開口し、
そのテーパ形の壁面の水平方向に対する傾斜角度は、60°以上~90°未満
である請求項3に記載の食品成形具。 - 請求項1から4のいずれかに記載の食品成形具と、
前記食品成形具の型枠内に収納可能な食品包装材と、からなり、
前記食品包装材は、
シート体から一体に成形された、底部と底部から立ち上がる多角筒状の側部と、側部の上縁に連設される蓋部と、を備える
、食品成形セット。
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