JP7347789B2 - ペリクル枠体及びペリクル - Google Patents
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Description
[1]
ペリクル膜を張設するためのペリクル枠体であって、
前記ペリクル枠体の少なくとも一部に凹部を有し、
前記凹部は、本体部と、前記本体部から前記ペリクル枠体の幅方向に沿って延在する複数の張り出し部とを有し、
前記ペリクル枠体と前記凹部が、次の関係式:
0.4≦a/H≦0.99
0.35≦b/W≦0.6
{式中、Hは、前記ペリクル枠体の高さを表し、Wは、前記ペリクル枠体の最長幅を表し、aは、前記ペリクル枠体の外周面又は内周面における前記凹部の高さ方向の開口長さを表し、かつbは、前記凹部の本体部の幅を表す。}
を満たすペリクル枠体。
[2]
外周側に開口するように前記凹部が形成されている、項目1に記載のペリクル枠体。
[3]
前記ペリクル枠体が正面視で方形状であり、かつ
前記ペリクル枠体の少なくとも一辺の外周面において、前記ペリクル枠体の頂点から長さ方向の距離の30%以内の部分に前記凹部が形成されている、項目1に記載のペリクル枠体。
[4]
前記少なくとも一辺の長さ方向の外周面中間部に、前記凹部が形成されていない部分を有する、項目3に記載のペリクル枠体。
[5]
前記ペリクル枠体が、正面視で一対の長辺と一対の短辺から成る長方形状であり、かつ
前記一対の長辺の少なくとも一つの外周面において、前記ペリクル枠体の頂点から長さ方向の距離の30%以内の部分に、前記凹部が前記少なくとも一つの外周面の長さ方向の長さの少なくとも5%に亘って形成されている、項目1に記載のペリクル枠体。
[6]
前記一対の長辺の少なくとも一つの長さ方向の外周面中間部に、前記凹部が形成されていない部分を有する、項目5に記載のペリクル枠体。
[7]
前記ペリクル枠体が、正面視で一対の長辺と一対の短辺から成る長方形状であり、かつ
長辺長が110mm~180mm、短辺長が100mm~150mm、長辺と短辺の幅が、それぞれ1.8mm~3.0mm、前記ペリクル枠体の高さHが2.0mm~7.0mmである、項目1~6のいずれか1項に記載のペリクル枠体。
[8]
前記ペリクル枠体の前記内周面が平坦であり、かつ当該内周面には高分子ポリマーが塗布されている、項目1~7のいずれか1項に記載のペリクル枠体。
[9]
項目1~8のいずれか1項に記載のペリクル枠体と、当該ペリクル枠体に張設されたペリクル膜とを有するペリクル。
[10]
前記ペリクル膜が、フッ素原子を含む樹脂を含む、項目9に記載のペリクル。
図1~3を参照しながら、第1実施形態に係るペリクル枠体1の概要について説明する。図1は、ペリクル枠体1を示す正面図である。図2は、図1のA-A断面を示す断面図である。図3は、図1のA-A断面と対応する凹部5の拡大斜視図である。
0.4≦a/H≦0.99
0.35≦b/W≦0.6
{式中、Hは、ペリクル枠体の高さを表し、Wは、ペリクル枠体の最長幅を表し、aは、ペリクル枠体の外周面又は内周面における凹部の高さ方向の開口長さを表し、かつbは、凹部の本体部の幅を表す。}
を満たす。
図4~6を参照しながら、第2実施形態に係るペリクル枠体2について説明する。図4は、ペリクル枠体2の正面図である。図5は、図4のA-A断面を示す拡大断面図である。図6は、図4のB-B断面を示す拡大断面図であり、図1のA-A断面に相当する部分を図示する。
図7~9を参照しながら、第3実施形態に係るペリクル枠体3について説明する。図7は、ペリクル枠体3の正面図である。図8は、図7のA-A断面を示す拡大断面図であり、図1のA-A断面に相当する部分を図示する。図9は、図7のB-B断面を示す拡大断面図である。
図10~12を参照しながら、第4実施形態に係るペリクル枠体4について説明する。図10は、ペリクル枠体4の正面図である。図11は、図10のA-A断面を示す拡大断面図であり、図1のA-A断面に相当する部分を図示する。図12は、図10のB-B断面を示す拡大断面図である。
ペリクルは、上記で説明された実施形態のいずれかに係るペリクル枠体と、ペリクル膜とを備え、ペリクル枠体にペリクル膜を張設することにより得られる。ペリクルは、フォトマスク等の防塵のために使用されることができる。
ペリクル膜の構成成分としては、特に制限されないが、例えば、次の材料等が挙げられる:
・セルロース誘導体、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等、又はこれら2種以上の混合物;
・フッ素原子含有樹脂、例えば、テトラフルオロエチレン-ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF(商品名)、AGC社から入手可能なサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)等。
ペリクル枠体の寸法、スリットの有無、及びスリットと対応する凹部の寸法を表1に示されるとおりに調整することによって、実施例1~6及び比較例7~11のそれぞれについてペリクル枠体を形成した。比較例11では、ペリクル枠体の周囲にスリットを設けなかった。
スリット領域Aは、ペリクル枠体の少なくとも一辺の外周面において、ペリクル枠体の頂点から長さ方向の距離の30%を超える部分(いわゆる非コーナー部)を意味する。
スリット領域Bは、ペリクル枠体の少なくとも一辺の外周面において、ペリクル枠体の頂点から長さ方向の距離の30%以内の部分(いわゆるコーナー部)を意味する。
・ペリクル枠体は、ヤング率70[GPa]のアルミニウム合金(7075)製である。
・ペリクル枠体は、外寸115mm×149mm、外側コーナーR5mm、内側コーナーR3mm、フレーム幅が2mm高さ3mmである。
・ペリクル枠体の1辺の長辺中央部に口径0.5mmの貫通穴(通気口)を開け、各長辺端部にアルマイト処理時の把持および電極用として口径1.6mm、深さ1.3mmの穴を2箇所ずつ計4箇所開けた。
・ペリクル枠体表面をショットブラスト処理した後、黒色アルマイト及び封孔処理した。
パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するアモルファスフッ素樹脂を膜材として含む溶液であるサイトップ CTX-809SP2(旭硝子(株)製商品名、降伏歪み約5%、引張伸度約175%)をパーフルオロトリブチルアミン(フロリナートFC-43 住友スリーエム(株)製商品名)で希釈調整した。この時、ポリマー溶液中に含まれるパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するアモルファスフッ素樹脂の濃度は3質量%であった。作製したポリマー溶液を30cc成膜基板上に滴下した後、スピンコーター上で回転数300rpm、回転時間50秒の条件で回転塗布した。
次いで、成膜基板ごと80℃、180℃のホットプレートで各5分間乾燥し、成膜基板から乾燥された膜を引き剥がすことで、ペリクル膜を得た。
外形が115mm×149mm、幅が2mm、厚さが3mmのアルミニウム合金(7075)を黒色アルマイトおよび封孔処理したペリクルフレームを用意した。このペリクルフレームの一端面に上記ペリクル膜を接着剤を介して接着し、さらに他端面には厚さ0.3mmのアクリル粘着剤を形成し、さらに粘着剤層にシリコーン離型処理した厚さ100μmのポリエステル製保護フィルムを貼りつけることで、ペリクルを作製した。
フォトマスクの変形の評価は、Tropel社製のFlatMaster200を用いて測定した。フォトマスク(6025石英)について、ペリクルを貼りつける前の平坦度を測定し、その後にペリクルを貼り付け、ペリクル貼り付け後の平坦度を測定した(測定範囲:135mm×110mm)。貼り付け前後の平坦度の差し引きを行い、ペリクルを貼り付けたことでどれだけ6025石英が変形したかを算出した。
ペリクルの石英への貼り付けは簡易型マウンターで行った(加重:15Kgf、60sec)。
○(可):ペリクルを貼り付けたことによるフォトマスクの変形量が30nmより小さい。
×(不可):ペリクルを貼り付けたことによるフォトマスクの変形量が30nm以上である。
6025石英にペリクルを貼り付け、70℃5日間加熱させた。その後ペリクルの長辺に備えている把持穴を把持して、ペリクルの剥離を実施した。
◎(良好):ペリクルフレームの変形が非常に小さく、剥離がスムーズにできる。
〇(可):ペリクルフレームの変形が小さく、比較的剥離がスムーズにできる。
×(不可):ペリクルフレームの変形が大きく、剥離が困難である。
5 凹部
5a 凹部の本体部
5b 凹部の張り出し部
6 マウンティング穴
O 外周面
I 内周面
H ペリクル枠体の高さ
W ペリクル枠体の最長幅
a 凹部の高さ方向の開口長さ
b 凹部の本体部の幅
Claims (11)
- ペリクル膜を張設するためのペリクル枠体であって、
前記ペリクル枠体の少なくとも一部に凹部を有し、
前記凹部は、本体部と、前記本体部から前記ペリクル枠体の幅方向に沿って延在する複数の張り出し部とを有し、
前記ペリクル枠体と前記凹部が、次の関係式:
0.4≦a/H≦0.99
0.35≦b/W<0.5
{式中、Hは、前記ペリクル枠体の高さを表し、Wは、前記ペリクル枠体の最長幅を表し、aは、前記ペリクル枠体の外周面又は内周面における前記凹部の高さ方向の開口長さを表し、かつbは、前記凹部の本体部の幅を表す。}
を満たすペリクル枠体。 - 外周側に開口するように凹部が形成されている、請求項1に記載のペリクル枠体。
- 前記ペリクル枠体が正面視で方形状であり、かつ
前記ペリクル枠体の少なくとも一辺の外周面において、前記ペリクル枠体の頂点から長さ方向の距離の30%以内の部分に前記凹部が形成されている、請求項1に記載のペリクル枠体。 - 前記少なくとも一辺の長さ方向の外周面中間部に、前記凹部が形成されていない部分を有する、請求項3に記載のペリクル枠体。
- 前記ペリクル枠体が、正面視で一対の長辺と一対の短辺から成る長方形状であり、かつ
前記一対の長辺の少なくとも一つの外周面において、前記ペリクル枠体の頂点から長さ方向の距離の30%以内の部分に、前記凹部が前記少なくとも一つの外周面の長さ方向の長さの少なくとも5%に亘って形成されている、請求項1に記載のペリクル枠体。 - 前記一対の長辺の少なくとも一つの長さ方向の外周面中間部に、前記凹部が形成されていない部分を有する、請求項5に記載のペリクル枠体。
- 前記ペリクル枠体が、正面視で一対の長辺と一対の短辺から成る長方形状であり、かつ
長辺長が110mm~180mm、短辺長が100mm~150mm、長辺と短辺の幅が、それぞれ1.8mm~3.0mm、前記ペリクル枠体の高さHが2.0mm~7.0mmである、請求項1~6のいずれか1項に記載のペリクル枠体。 - 前記ペリクル枠体の前記内周面が平坦であり、かつ当該内周面には高分子ポリマーが塗布されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のペリクル枠体。
- 前記a/Hが0.5以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載のペリクル枠体。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載のペリクル枠体と、当該ペリクル枠体に張設されたペリクル膜とを有するペリクル。
- 前記ペリクル膜が、フッ素原子を含む樹脂を含む、請求項10に記載のペリクル。
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