JP7238098B2

JP7238098B2 - Ｒｆｉｄタグ

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Publication number: JP7238098B2
Application number: JP2021509109A
Authority: JP
Inventors: 好正杉本
Original assignee: Kyocera Corp
Current assignee: Kyocera Corp
Priority date: 2019-03-26
Filing date: 2020-03-17
Publication date: 2023-03-13
Anticipated expiration: 2040-03-17
Also published as: US20220188590A1; JPWO2020196067A1; CN113614742A; WO2020196067A1; EP3951659A4; EP3951659A1; US11763123B2

Description

本開示は、複数の機能モジュールを備えたＲＦＩＤ（Radio Frequency Identifier）タグに関する。

特開２００２－６５４１８号公報には、太陽電池及び液晶表示装置などの複数の機能モジュールを備えたＲＦＩＤタグが示されている。

アンテナ導体及び一続きのグラウンド面を有し、制御回路及びＲＦＩＤ用ＩＣが搭載された回路基板と、
前記回路基板に接続された複数の機能モジュールと、
を備え、
前記回路基板は、
前記制御回路の搭載面及び前記グラウンド面を含む１つの主部と、
前記アンテナ導体を含み前記主部と一体化された１つの延在部と、
からなり、
前記主部は、前記アンテナ導体を含まず、
前記延在部は、前記搭載面及び前記グラウンド面を含まず、
前記延在部及び前記アンテナ導体は、前記主部の一つの縁部よりも長く、かつ、前記一つの縁部に沿って位置する。

本開示に係るもう一つのＲＦＩＤタグは、
アンテナ導体及びグラウンド面を有し、制御回路及びＲＦＩＤ用ＩＣが搭載された回路基板と、
前記回路基板に接続された第１機能モジュール、第２機能モジュール及び第３機能モジュールと、
を備え、
前記回路基板は、
前記制御回路の搭載面及び一続きのグラウンド面を含む１つの主部と、
前記アンテナ導体を含み前記主部と一体化された１つの延在部と、
からなり、
前記主部は、前記アンテナ導体を含まず、
前記延在部は、前記搭載面及び前記グラウンド面を含まず、
前記第１機能モジュールが前記主部と基板面に垂直な方向に重なりかつ前記延在部と前記垂直な方向に重ならず、
前記第２機能モジュール及び前記第３機能モジュールが前記第１機能モジュールを挟んだ両側に配置され、
前記延在部及び前記アンテナ導体が、前記垂直な方向から見て、前記主部の一つの縁部と、前記第１機能モジュールと前記第２機能モジュールとの間と、前記第１機能モジュールと前記第３機能モジュールとの間とに、沿って延在している。

本開示の実施形態１に係るＲＦＩＤタグの分解斜視図である。実施形態１のＲＦＩＤタグの回路構成を示すブロック図である。筐体に回路基板と機能モジュールとが搭載された構成の平面図である。実施形態１のＲＦＩＤタグを示す縦断面図である。実施形態１のＲＦＩＤタグのシミュレーション構成を示す図である。実施形態１のＲＦＩＤタグのアンテナ特性を示す図である。比較例のＲＦＩＤタグのシミュレーション構成を示す図である。比較例のＲＦＩＤタグのアンテナ特性を示す図である。実施形態２のＲＦＩＤタグを示す平面図である。実施形態２の回路基板を示す平面図である。実施形態２のＲＦＩＤタグのシミュレーション構成を示す図である。実施形態２のＲＦＩＤタグのアンテナ特性を示す図である。

以下、本開示の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、図面に示された、互いに直交するＸ、Ｙ、Ｚの三軸方向を用いて各方向を説明する。また、Ｘ方向を左右の横方向、Ｙ方向を上下方向、Ｚ方向を前後方向として、各方向を表わすときもある。しかし、各方向はＲＦＩＤタグ１の使用時の方向と一致していなくてもよい。Ｚ方向は、回路基板２０の基板面に垂直な方向に相当する。

（実施形態１）
図１は、本開示の実施形態１に係るＲＦＩＤタグの分解斜視図である。実施形態１のＲＦＩＤタグ１は、筐体１０と、回路基板２０と、光発電パネル３１、３２及び表示器３３と、蓋体４０とを備える。表示器３３は、本開示に係る第１機能モジュールの一例に相当する。光発電パネル３１、３２は、本開示に係る第２機能モジュール及び第３機能モジュールの一例に相当する。

筐体１０は、一方が開放された凹状の形態を有し、回路基板２０と表示器３３とを重ねかつ表示器３３の左右に２つの光発電パネル３１、３２を並べて収容できる。筐体１０は、ＡＢＳ（アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂）、ＰＣ（ポリカーボネート）、ＰＯＭ（ポリアセタール）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＰＳ（ポリフェニレンサルファイト）、ＰＡ（ポリアミド）、ＥＶＡ（エチレン酢酸ビニル共重合）、ＰＥ（ポリエチレン）、ＰＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）、ＰＳ（ポリスチレン）、ＥＰ（エポキシ樹脂）、ＰＦ（フェノール樹脂）などのエンジニアリングプラスチックを主材とし、例えば射出成形により形成される。筐体１０は、上記の材料のいずれかを主材とし、他の材料を混合した混合材により形成されてもよいし、さらに無機フィラーが含有された材料により形成されてもよい。

表示器３３は、例えば液晶表示パネルであり、回路基板２０と配線（フィルム配線等）３３ｈを介して電気的に接続される。光発電パネル３１、３２は、外部から光を受けて発電する。表示器３３及び光発電パネル３１、３２の各々は、矩形板状であってもよい。光発電パネル３１、３２は、回路基板２０に配線（リード線等）３１ｈ、３２ｈを介して電気的に接続される。配線３１ｈ～３３ｈは、回路基板２０においてコネクタを介して着脱自在に接続されていてもよい。

蓋体４０は、光発電パネル３１、３２及び表示器３３に対向する範囲に透明窓４１ａ～４１ｃを有し、筐体１０の内枠１０ａに接合されて筐体１０内を封止する。

図２は、実施形態１のＲＦＩＤタグの回路構成を示すブロック図である。ＲＦＩＤタグ１は、光発電パネル３１、３２から発電電力を入力し電力管理を行うＰＭＩＣ（Power Management Integrated Circuit）２１と、ＰＭＩＣ２１から電力を受けて制御系の電源電圧を生成する第１電源ＩＣ２２と、ＰＭＩＣ２１から電力を受けて表示器３３の駆動電圧を生成する第２電源ＩＣ２３とを備える。さらに、ＲＦＩＤタグ１は、電波を介してリーダライタと無線通信を行うＲＦＩＤ用ＩＣ２５と、ＲＦＩＤ用ＩＣ２５との通信及び表示器３３の表示制御を行う制御回路２４とを備える。制御回路２４と、ＲＦＩＤ用ＩＣ２５とは、第１電源ＩＣ２２から電源電圧を受けて動作する。ＲＦＩＤ用ＩＣ２５は、例えばＵＨＦ（Ultra High Frequency）帯の電波を用いて無線通信を行う。ＲＦＩＤ用ＩＣ２５は、リーダライタから読み書きが可能な記憶部を有し、記憶部に識別情報又は管理情報等が格納される。制御回路２４は、例えばマイクロコンピュータであり、ＲＦＩＤ用ＩＣ２５と通信を行ってＲＦＩＤ用ＩＣ２５の記憶部の情報を読み出すことができる。制御回路２４は、読み出した情報に基づいて、表示器３３の表示内容を制御する。ＰＭＩＣ２１、第１電源ＩＣ２２、第２電源ＩＣ２３、制御回路２４、ＲＦＩＤ用ＩＣ２５は、回路基板２０に搭載されている。

図３は、筐体に回路基板と機能モジュールとが搭載された構成の平面図である。図３において、表示器３３は二点鎖線で表している。回路基板２０は、ＸＹ方向に拡がる主部２０Ａと、主部２０Ａの上辺（縁部）に沿って延在し、かつ、主部２０ＡのＸ方向の両側に長く延在する延在部２０Ｂとを有する。すなわち、延在部２０Ｂの長手方向の一端部と他端部とが、主部２０Ａよりも主部２０Ａの上辺に沿った一方と他方と突出している。図３において、境界線Ｅ１により、主部２０Ａと延在部２０Ｂとの仮想的な境界を示している。主部２０Ａは平面が矩形状であってもよい。

主部２０Ａには、グラウンド面２７が含まれる。グラウンド面２７は、回路基板２０の一面又は中間層に形成され、ＸＹ平面に沿った方向において主部２０Ａの大部分を占める。図３では、グラウンド面２７は、回路基板２０の裏面（後面）に形成されており、破線で示している。主部２０Ａには、制御回路２４、ＰＭＩＣ２１、第１電源ＩＣ２２、第２電源ＩＣ２３、表示パネル接続用コネクタ、光発電パネル用コネクタなどの搭載面を有し、これらの部品が搭載されている。これらは、図３の回路基板２０の裏側（後方、後面）に搭載されており、図３において図示を省略している。ＲＦＩＤ用ＩＣ２５は、主部２０Ａと延在部２０Ｂとの境界の近傍で、アンテナ導体２８に接続されれば、主部２０Ａに搭載されていても、延在部２０Ｂに搭載されていても、これらの境界に搭載されていてもよい。主部２０Ａは、表示器３３と横幅が略同一であってもよい。

延在部２０Ｂは、アンテナ導体２８を含み、主部２０Ａと一体化されている。アンテナ導体２８は、回路基板２０の一面（例えば図３では後面）に形成される。アンテナ導体２８から放射される電磁界は、アンテナ導体２８の長手方向（Ｘ方向）に垂直なＹＺ面において、全方位的に放射される。アンテナ導体２８は、回路基板２０の中間層に形成されていてもよい。

アンテナ導体２８は、無線信号の周波数で共振する長さを有する電波放射用の帯状部２８ａと、インピーダンス整合用のパターン部２８ｂとを含む。帯状部２８ａは、Ｘ方向において光発電パネル３１、３２が配置される範囲まで延在されていてもよい。帯状部２８ａは、主部２０Ａ及びグラウンド面２７の横幅よりも長く、主部２０Ａ及びグラウンド面２７よりもＸ方向の一方と他方とに長く延在している。帯状部２８ａは、電気長がＲＦＩＤ用ＩＣ２５の無線信号のほぼ半波長の長さを有するダイポールアンテナを構成していてもよい。帯状部２８ａと、グラウンド面２７との最小距離Ｌ１は、帯状部２８ａの短手方向の幅Ｌ２よりも長い。パターン部２８ｂは、例えばループ状のパターンを有し、帯状部２８ａとＲＦＩＤ用ＩＣ２５の給電点との間に設けられ、両者の間でインピーダンスを整合させる。

図３に示すように、表示器３３は、回路基板２０の主部２０ＡとＺ方向に重なり、延在部２０ＢとＺ方向に重ならない。なお、表示器３３は、アンテナ導体２８の帯状部２８ａに重ならなければ、パターン部２８ｂ及び延在部２０Ｂの一部と重なってもよい。光発電パネル３１、３２は、回路基板２０の主部２０Ａと延在部２０Ｂとに二方が仕切られる両方の脇部Ｗ１、Ｗ２に配置される。具体的には、光発電パネル３１の一角３１ａが脇部Ｗ１内に収まり、光発電パネル３１の２つの辺３１ｅ１、３１ｅ２が、二方を仕切る延在部２０Ｂの下辺と主部２０Ａの左辺とにそれぞれ沿っている。もう一方の光発電パネル３２についても同様である。

図４は、実施形態１のＲＦＩＤタグを示す縦断面図である。図４は、図３の矢印Ａ－Ａ線の位置における断面を示している。図４において表示器３３は仮想線で示している。図４に示すように、表示器３３と回路基板２０とはＺ方向に重なるように配置されている。光発電パネル３１、３２は、ＸＹ平面に沿った方向に見たとき、表示器３３と重なるように配置され、回路基板２０と重ならないように配置されている。なお、光発電パネル３１、３２は、ＸＹ平面に沿った方向に見たときに、表示器３３と重ならない高さに配置されていてもよいし、回路基板２０と重なる高さに配置されていてもよい。

＜アンテナ特性＞
図５Ａ及び図５Ｂは、実施形態１のＲＦＩＤタグのシミュレーション構成とアンテナ特性とを示す図である。図６Ａ及び図６Ｂは、比較例のＲＦＩＤタグのシミュレーション構成とアンテナ特性とを示す図である。シミュレーション構成を示す図５Ａにおいてはアンテナ導体２８及びグラウンド面２７は見やすいように細実線で示している。図６Ａにおいてはアンテナ導体８２８及びグラウンド面８２７は見やすいように光発電パネル３１、３２と重ならない範囲において細実線で示している。アンテナ特性グラフにおいて、図５Ａの＋Ｚ方向がＸＺ面放射パターン及びＹＺ面放射パターンの０°に相当し、図５Ａの－Ｘ方向がＸＺ面放射パターンの－９０°に相当し、図５Ａの－Ｙ方向がＹＺ面放射パターンの－９０°に相当する。

実施形態１のＲＦＩＤタグ１について、図５Ａに示すように、アンテナ導体２８の長さを１１４ｍｍ、グラウンド面２７の横幅を５９．４ｍｍとして、アンテナ放射特性についてシミュレーションを行った。その結果、図５Ｂに示すように、Ｚ方向（０°方向）のアンテナ利得として高い値（１．６ｄＢｉ）が得られた。また、ＹＺ面におけるアンテナ利得として方向に依存しない良好な値（最低で０．４ｄＢｉ）が得られた。

一方、図６Ａの比較例についてシミュレーションを行ったところ、図６Ｂに示すように、Ｚ方向（０°方向）のアンテナ利得が－５.８ｄＢｉと低い値となった。さらに、ＹＺ面におけるアンテナ利得として－Ｙ方向（－９０°方向）の値が高く、Ｙ方向（９０°方向）の値が非常に低くなった。比較例は、アンテナ導体８２８の長さが１１４ｍｍ、回路基板８２０の主部８２０Ａの横幅が延在部８２０Ｂの横幅と一致、グラウンド面８２７の横幅がアンテナ導体８２８の長さと一致とし、他の構成要素を実施形態１の図５Ａと同様に構成した例である。

アンテナ導体２８、８２８においては、端部に強い電界が現れる。グラウンド面２７、８２７は、電波に対して反射器として作用する一面がある。比較例の構成では、アンテナ導体８２８のうち強い電界が生じる端部の近くに、反射器として作用するグラウンド面８２７があることで、ＹＺ面におけるアンテナ利得に指向性が生じることに加えて、Ｚ方向のアンテナ利得を低下させている。一方、実施形態１の構成では、アンテナ導体２８のうち強い電界が生じる端部から、反射器として作用するグラウンド面２７が離れていることで、ＹＺ面放射特性が方向によらず一様となることに加えて、Ｚ方向のアンテナ利得が向上している。

以上のように、実施形態１のＲＦＩＤタグ１によれば、回路基板２０の延在部２０Ｂ及びアンテナ導体２８が、回路基板２０の主部２０Ａの上辺（縁部）に沿って、主部２０Ａ及びグラウンド面２７よりも長く延在している。したがって、強い電界が生じるアンテナ導体２８の端部が、グラウンド面２７から離れるので、端部とグラウンド面２７との間に無線信号の電界が集中してしまうことが抑制される。さらに、グラウンド面２７が反射器として作用することによる特定方向（Ｚ方向）のアンテナ利得の低下が抑制される。これらによって、アンテナ利得を向上でき、かつ、表示機能付きのＲＦＩＤタグ１に対して好適なアンテナ特性（表示面の方向にアンテナ利得が高い特性）を得ることができる。

さらに、実施形態１のＲＦＩＤタグ１によれば、延在部２０Ｂ及びアンテナ導体２８は、回路基板２０の主部２０Ａよりも左右両方に長く延在している。したがって、アンテナ導体２８の両方の端部をグラウンド面２７から離すことができる。よって、アンテナ利得をより向上でき、より好適なアンテナ特性を得ることができる。この構成は、ダイポールアンテナのように両端に強い電界が生じるアンテナ導体２８に対して、特に有効である。

さらに、実施形態１のＲＦＩＤタグ１によれば、アンテナ導体２８は電波放射用の帯状部２８ａを含み、帯状部２８ａとグラウンド面２７との最小距離Ｌ１が、帯状部２８ａの短手方向の幅Ｌ２よりも大きい（図３）。このように、帯状部２８ａの端部以外の範囲においても、帯状部２８ａがグラウンド面２７から離れることで、この範囲の帯状部２８ａに対して、グラウンド面２７の反射器としての作用が、特定方向（Ｚ方向）のアンテナ特性を低下させてしまうことを抑制できる。

さらに、実施形態１のＲＦＩＤタグ１によれば、光発電パネル３１、３２が、回路基板２０の主部２０Ａと延在部２０Ｂとの二方が仕切られる脇部Ｗ１、Ｗ２に配置されている。このような構成により、光発電パネル３１、３２がアンテナ導体２８と前後方向に重なってしまうことを回避しつつ、光発電パネル３１、３２の有効な配置スペースを確保できる。

さらに、実施形態１のＲＦＩＤタグ１によれば、表示器３３が回路基板２０の主部２０Ａと重なり、２つの光発電パネル３１、３２が、両方の脇部Ｗ１、Ｗ２に配置されている。このような構成によれば、筐体１０の限られたスペース内で、表示器３３と２つの光発電パネル３１、３２とを一列に並べて配置することができ、かつ、アンテナ導体２８がこれらと前後方向に重ならならずに良好なアンテナ特性を得ることができる。

（実施形態２）
図７Ａ及び図７Ｂは、実施形態２のＲＦＩＤタグを示す平面図と、回路基板の平面図である。図７Ａにおいて、表示器３３は仮想線で表し、蓋体４０の図示を省略している。実施形態２のＲＦＩＤタグ１０１は、回路基板１２０の延在部１２０Ｂ及びアンテナ導体１２８の形状が異なる一方、他の構成要素は実施形態１とほぼ同様である。同様の構成要素については実施形態１と同様の符号を付して詳細な説明を省略する。

回路基板１２０は、ＸＹ方向に拡がる主部２０Ａと、主部２０Ａの左辺、上辺及び右辺（左方の縁部、上方の縁部及び右方の縁部）に沿って延在する延在部１２０Ｂとを有する。図７Ａ及び図７Ｂにおいて、境界線Ｅ２により主部２０Ａと延在部１２０Ｂとの仮想的な境界を表わす。延在部１２０Ｂは、Ｚ方向に見たとき、表示器３３の上方、表示器３３の左方（表示器３３と光発電パネル３１との間）、並びに、表示器３３の右方（表示器３３と光発電パネル３２との間）に位置し、Ｚ方向に見て表示器３３及び光発電パネル３１、３２と重ならない。なお、アンテナ導体１２８を除く延在部１２０Ｂの一部が表示器３３に重なっていてもよい。主部２０Ａは、実施形態１と同様にグラウンド面２７を含み、実施形態１と同様の部品が搭載されている。

延在部１２０Ｂは、アンテナ導体１２８を含み、主部２０Ａと一体化されている。アンテナ導体１２８は、無線信号の周波数で共振する長さを有する電波放射用の帯状部１２８ａと、インピーダンス整合用のパターン部２８ｂとを含む。パターン部２８ｂは、実施形態１のものと同様である。

帯状部１２８ａは、主部２０Ａの上方でＸ方向に延在する中央帯状部１２８ａ０と、Ｚ方向に見たときに表示器３３と光発電パネル３１との間でＹ方向に延在する第１帯状部１２８ａ１と、Ｚ方向に見たときに表示器３３と光発電パネル３２との間でＹ方向に延在する第２帯状部１２８ａ２とを含む。帯状部１２８ａは、電気長がＲＦＩＤ用ＩＣ２５の無線信号のほぼ半波長の長さを有するダイポールアンテナを構成していてもよい。中央帯状部１２８ａ０とグラウンド面２７との最小距離Ｌ１は、中央帯状部１２８ａ０の短手方向の幅Ｌ２よりも大きい。第１帯状部１２８ａ１とグラウンド面２７との最小距離Ｌ３は、第１帯状部１２８ａ１の短手方向の幅Ｌ４よりも大きい。第２帯状部１２８ａ２とグラウンド面２７との最小距離Ｌ５は、第２帯状部１２８ａ２の短手方向の幅Ｌ６よりも大きい。

＜アンテナ特性＞
図８Ａ及び図８Ｂは、実施形態２のＲＦＩＤタグのシミュレーション構成とアンテナ特性とを示す図である。シミュレーション構成を示す図８Ａにおいてはアンテナ導体１２８及びグラウンド面２７は見やすいように細実線で示している。アンテナ特性グラフにおいて、図８Ａの＋Ｚ方向がＸＺ面放射パターン及びＹＺ面放射パターンの０°に相当し、図８Ａの－Ｘ方向がＸＺ面放射パターンの－９０°に相当し、図８Ａの－Ｙ方向がＹＺ面放射パターンの－９０°に相当する。

実施形態２のＲＦＩＤタグ１０１について、図８Ａに示すように、第１帯状部１２８ａ１及び第２帯状部１２８ａ２とグラウンド面２７との最小距離Ｌ３、Ｌ５を６ｍｍ、帯状部１２８ａの短手方向の幅を１．２ｍｍとして、アンテナ放射特性についてシミュレーションを行った。その結果、図８Ｂに示すように、Ｚ方向（０°）のアンテナ利得として、図６Ａ及び図６Ｂの比較例と比べて高い値（０．５ｄＢｉ）が得られ、さらに、±Ｘ方向においても、ある程度（－１０ｄＢｉ）のアンテナ利得が得られた。また、ＹＺ面におけるアンテナ利得として方向に依存しない良好な値（０～２ｄＢｉ）が得られた。

実施形態２のアンテナ導体１２８においては、Ｙ方向に延在する第１帯状部１２８ａ１及び第２帯状部１２８ａ２があることで、実施形態１と比べて、±Ｘ方向のアンテナ利得が上昇している。さらに、アンテナ導体１２８のうち強い電界が生じる端部が、グラウンド面２７から大きく離れていることで、端部とグラウンド面２７との間に電界が集中せず、アンテナ利得の低下が回避されている。加えて、アンテナ導体１２８の第１帯状部１２８ａ１に対してグラウンド面２７が反射器として作用することで、－Ｘ方向のアンテナ利得が上昇し、第２帯状部１２８ａ２に対してグラウンド面２７が反射器として作用することで、Ｘ方向のアンテナ利得が上昇している。これらによって、ＸＺ面においてもアンテナ特性が無指向に近づき、ＲＦＩＤタグとして好適な放射特性が得られている。

以上のように、本開示の実施形態２のＲＦＩＤタグ１０１によれば、回路基板１２０の延在部１２０Ｂ及びアンテナ導体１２８が、主部２０Ａの上辺（縁部）に加えて、Ｚ方向に見て、表示器３３と２つの光発電パネル３１、３２との間に、延在している。このような構成により、表示器３３と２つの光発電パネル３１、３２とが一列に並ぶ配置を実現でき、かつ、アンテナ導体２８がこれらと前後方向に重ならならずに良好なアンテナ特性を得ることができる。さらに、アンテナ導体２８は、Ｘ方向に延在する部分と、Ｙ方向に延在する部分とを含むので、実施形態１の構成と比較して、ＸＺ面におけるアンテナ特性を無指向に近づけることができる。

さらに、本開示の実施形態２のＲＦＩＤタグ１０１によれば、アンテナ導体２８の第１帯状部１２８ａ１とグラウンド面２７との最小距離Ｌ３は、第１帯状部１２８ａ１の短手方向の幅Ｌ４よりも大きい（図７Ａ）。同様に、第２帯状部１２８ａ２とグラウンド面２７との最小距離Ｌ５は、第２帯状部１２８ａ２の短手方向の幅Ｌ６よりも大きい（図７Ａ）。このように、無線信号の伝送時に強い電界が生じるアンテナ導体１２８の端部が、グラウンド面２７から大きく離れて配置されることで、アンテナ導体１２８の端部とグラウンド面２７との間に、強い電界が集中してしまうことを抑制できる。したがって、アンテナ特性の劣化を抑制できる。さらに、グラウンド面２７の反射器としての作用が、±Ｘ方向の電波に対してアンテナ利得を向上させる方向に働き、ＸＺ面におけるアンテナ特性をより無指向に近づけることができる。

以上、本開示の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、機能モジュールとして、２つの光発電パネル３１、３２と表示器３３とを適用した例を示したが、機能モジュールとしては、例えば、温度、湿度、照度、振動、加速度などを検出するセンサモジュール、集音器、拡声器など、様々なモジュールが適用されてもよい。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

本開示は、複数の機能モジュールを備えたＲＦＩＤタグに利用できる。

Claims

アンテナ導体及び一続きのグラウンド面を有し、制御回路及びＲＦＩＤ用ＩＣが搭載された回路基板と、
前記回路基板に接続された複数の機能モジュールと、
を備え、
前記回路基板は、
前記制御回路の搭載面及び前記グラウンド面を含む１つの主部と、
前記アンテナ導体を含み前記主部と一体化された１つの延在部と、
からなり、
前記主部は、前記アンテナ導体を含まず、
前記延在部は、前記搭載面及び前記グラウンド面を含まず、
前記延在部及び前記アンテナ導体は、前記主部の一つの縁部よりも長く、かつ、前記一つの縁部に沿って位置する、
ＲＦＩＤタグ。
前記延在部及び前記アンテナ導体の一端部と他端部とが、前記一つの縁部に沿って前記主部よりも一方と他方とに突出している、
請求項１記載のＲＦＩＤタグ。
前記アンテナ導体は電波放射用の帯状部を含み、
前記帯状部と前記グラウンド面との最小距離が、前記帯状部の短手方向の幅よりも長い、
請求項１又は請求項２記載のＲＦＩＤタグ。
前記延在部と前記主部とに二方が仕切られた脇部に、前記複数の機能モジュールのいずれかが配置されている、
請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のＲＦＩＤタグ。
前記複数の機能モジュールは第１機能モジュール、第２機能モジュール及び第３機能モジュールを含み、
前記第１機能モジュールが、前記主部と基板面に垂直な方向に重なりかつ前記延在部と前記垂直な方向に重ならず、
前記第２機能モジュール及び前記第３機能モジュールが、前記延在部と前記主部とに二方が仕切られた一方の脇部及び他方の脇部にそれぞれ配置されている、
請求項２記載のＲＦＩＤタグ。
アンテナ導体及びグラウンド面を有し、制御回路及びＲＦＩＤ用ＩＣが搭載された回路基板と、
前記回路基板に接続された第１機能モジュール、第２機能モジュール及び第３機能モジュールと、
を備え、
前記回路基板は、
前記制御回路の搭載面及び一続きのグラウンド面を含む１つの主部と、
前記アンテナ導体を含み前記主部と一体化された１つの延在部と、
からなり、
前記主部は、前記アンテナ導体を含まず、
前記延在部は、前記搭載面及び前記グラウンド面を含まず、
前記第１機能モジュールが前記主部と基板面に垂直な方向に重なりかつ前記延在部と前記垂直な方向に重ならず、
前記第２機能モジュール及び前記第３機能モジュールが前記第１機能モジュールを挟んだ両側に配置され、
前記延在部及び前記アンテナ導体が、前記垂直な方向から見て、前記主部の一つの縁部と、前記第１機能モジュールと前記第２機能モジュールとの間と、前記第１機能モジュールと前記第３機能モジュールとの間とに、沿って延在している、
ＲＦＩＤタグ。
前記アンテナ導体は、前記第１機能モジュールと前記第２機能モジュールとの間に延在する第１帯状部と、前記第１機能モジュールと前記第３機能モジュールとの間に延在する第２帯状部とを含み、
前記第１帯状部と前記グラウンド面との最小距離が、前記第１帯状部の短手方向の幅よりも大きく、
前記第２帯状部と前記グラウンド面との最小距離が、前記第２帯状部の短手方向の幅よりも大きい、
請求項６記載のＲＦＩＤタグ。