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JP7230371B2 - 異常検出装置、異常検出方法、異常検出プログラム及び異常検出システム - Google Patents

異常検出装置、異常検出方法、異常検出プログラム及び異常検出システム Download PDF

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Description

本発明は、異常検出装置、異常検出方法、異常検出プログラム及び異常検出システムに関する。
製造装置の装置パラメータの時系列データを特徴量化して、分類された不良パターンの有無による特徴量の頻度分布の有意差を検定することで、不良発生原因の装置パラメータの特定が可能な技術が従来から知られている(例えば特許文献1)。また、異常を検出した装置検査情報から、問題となる装置の特定を可能にする技術が従来から知られている(例えば特許文献2)。
特開2005-251925号公報 特開2004-153228号公報
しかしながら、上記の従来技術では、周期的に類似する波形が現れる時系列データ(例えば、バッチプロセスのプロセスデータ等)における波形の類似性から異常を検出することができない。これに対して、バッチプロセスにおけるバッチ毎の時間波形(すなわち、時間領域における波形)の類似性に着目して、正常時の時間波形との差を監視することで異常を検出する手法も知られているが、正常時の時間波形との部分的な差に基づく異常検出であり、検出精度が十分でない場合があった。
また、時間波形と共に、周波数波形(すなわち、周波数領域における波形)を用いた異常検出を行うことで、より高い精度での異常検出が期待できる。
本発明の実施の形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、正常時の時間波形及び周波数波形との類似度から高い精度で異常を検出することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の実施の形態は、機器の周期的な処理又は動作を表す周期データから前記機器の異常を検出する異常検出装置であって、正常時における前記機器の周期的な処理又は動作を示す正常時周期データを、前記周期の時間幅を示すワーク毎に分割して、複数の正常時ワークデータを作成する分割手段と、前記分割手段により分割された複数の正常時ワークデータのそれぞれに対して、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、前記複数の正常時ワークデータのそれぞれを周波数領域に変換した複数の変換後正常時ワークデータを作成する変換手段と、時間領域における波形の正常モデルを表す第1のプロファイルを前記複数の正常時ワークデータから作成すると共に、周波数領域における波形の正常モデルを表す第2のプロファイルを前記複数の変換後正常時ワークデータから作成するモデル作成手段と、前記第1のプロファイル及び前記第2のプロファイルと、前記周期データとに基づいて、所定の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値算出手段により算出された指標値と、予め設定された所定の閾値とに基づいて、前記機器で異常が発生したか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
正常時の時間波形及び周波数波形との類似度から高い精度で異常を検出することができる。
本実施形態に係る異常検出システムの全体構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る異常検出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る異常検出装置の機能構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る正常モデル作成処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る異常検出処理の一例を示すフローチャートである。 異常検出ワークの判定の一例を説明するための図である。 異常検出結果画面の一例を示す図である。 本実施形態に係る異常検出システムの全体構成の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以降では、正常時の時間波形及び周波数波形との類似度から高い精度で異常を検出することが可能な異常検出システム1について説明する。ここで、時間波形とは、周期的に類似する波形が現れる時系列データの時間領域における波形のことである。また、周波数波形とは、当該時系列データの周波数領域における波形のことである。
なお、周期的に類似する波形が現れる時系列データとしては、例えば、バッチプロセスのプロセスデータ(すなわち、バッチプロセスの或る変数をセンシングすることで得られる時系列データ)が挙げられる。これ以外にも、例えば、周期的に何等かの処理又は動作を実行する工作機械や製造装置、産業用ロボット等の機器の振動をセンシングすることで得られる振動データ等が挙げられる。以降では、周期的に類似する波形が現れる時系列データを「周期データ」と表す。
<全体構成>
まず、本実施形態に係る異常検出システム1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る異常検出システム1の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る異常検出システム1は、異常検出装置10と、センシング機器20とが含まれる。異常検出装置10とセンシング機器20とは、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
センシング機器20は、異常の発生を検出する対象である異常検出対象30を計測する計測機器である。ここで、異常検出対象30がバッチプロセスを実行する設備又は機器である場合は、センシング機器20は、例えば、当該バッチプロセスの状態(例えば、バッチプロセスの温度や圧力、流量、濃度等)を計測する。また、異常検出対象30が工作機械や製造装置、産業用ロボット等の機器である場合は、センシング機器20は、例えば、当該機器の振動等を計測する。
このように、センシング機器20は、例えばバッチプロセス等の何等かの周期的な処理(又は動作)を実行する異常検出対象30を所定の時間毎(すなわち、サンプリング周期毎)に計測する。そして、センシング機器20は、この計測結果を示す時系列データ(すなわち、周期データ)を作成した上で、作成した周期データを異常検出装置10に送信する。
異常検出対象30は、上述したように、例えば、バッチプロセスを実行する設備又は機器である。又は、異常検出対象30は、上述したように、例えば、周期的に何等かの処理又は動作を実行する工作機械や製造装置、産業用ロボット等の機器である。なお、異常検出対象30は、これら以外にも、周期的に何等かの処理又は動作を実行する機器であれば良く、例えば、コンベアやローラ等の産業機械、鉄道車両等であっても良い。
以降では、周期データにおける1周期分の時間区間を「ワーク」と表す。例えば、バッチプロセスを異常検出対象30が実行する場合、1ワークは、1つのバッチ処理が開始してから終了するまでの時間区間である。同様に、例えば、周期的な何等かの処理又は動作を異常検出対象30が実行する場合、1ワークは、1つの処理又は動作が開始してから終了するまでの時間区間である。
異常検出装置10は、センシング機器20から受信した周期データに基づいて、異常検出対象30に異常が発生したことを検出するコンピュータである。なお、異常検出装置10としては、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)等の制御装置が用いられても良い。
本システムの動作には、異常検出対象30で異常が発生したことを検出するための正常モデルを作成する「モデル作成」フェーズと、異常検出対象30の処理又は動作中に計測された周期データと正常モデルとから異常を検出する「評価」フェーズとがある。基本的に、「モデル作成」フェーズは異常検出対象30が処理又は動作していない時に実行されるオフラインの処理であり、「評価」フェーズは異常検出対象30の処理又は動作中に実行されるオンラインの処理である。ただし、これに限られず、「モデル作成」フェーズ及び「評価」フェーズの両方がオフラインの処理であっても良いし、「モデル作成」フェーズ及び「評価」フェーズの両方がオンラインの処理であっても良い。
異常検出装置10は、「モデル作成」フェーズにおいて、モデル作成用の周期データから正常モデルを作成する。モデル作成用の周期データとは、例えば、正常な処理又は動作を実行している異常検出対象30をセンシング機器20で計測することで作成された周期データのことである。なお、モデル作成用の周期データは、異常検出対象30の正常な処理又は動作を示すものとして、ユーザ等によって作成された周期データであっても良い。
また、異常検出装置10は、「評価」フェーズにおいて、評価用の周期データと、正常モデルとに基づいて、異常検出対象30で発生した異常を検出する。評価用の周期データとは、例えば、異常検出対象30のオンライン中に、当該異常検出対象30をセンシング機器20が計測することによって作成された周期データのことである。
なお、本実施形態に係る異常検出システム1には、複数の種類の異常検出対象30が含まれていても良い。この場合、本実施形態に係る異常検出装置10は、異常検出対象30の種類毎に正常モデルを作成すると共に、異常検出対象30の種類毎に当該異常検出対象30で発生した異常を検出すれば良い。
また、異常検出対象30が複数の種類の処理又は動作を行っても良い。例えば、異常検出対象30が複数の工程(工程A~工程C)によって製品を製造する機器である場合、当該異常検出対象30は、工程Aにおける動作Aと、工程Bにおける動作Bと、工程Cにおける動作Cとを行っても良い。この場合、本実施形態に係る異常検出装置10は、動作毎に正常モデルを作成すると共に、動作毎に異常検出対象30で発生した異常を検出すれば良い。
また、複数のセンシング機器20が1つの異常検出対象30を計測しても良い。この場合、異常検出装置10は、複数のセンシング機器20がそれぞれ作成した複数の周期データを1つにまとめたデータにより、正常モデルの作成や異常検出を行えば良い。1つにまとめたデータとは、例えば、2台のセンシング機器20が1台の異常検出対象30の温度及び圧力をそれぞれ計測する場合、温度を表す時系列データと圧力を表す時系列データとが含まれる周期データのことである。
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る異常検出装置10のハードウェア構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る異常検出装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る異常検出装置10は、入力装置11と、表示装置12と、外部I/F13と、RAM(Random Access Memory)14と、ROM(Read Only Memory)15と、CPU(Central Processing Unit)16と、通信I/F17と、補助記憶装置18とを有する。これらの各ハードウェアは、バス19により通信可能に接続されている。
入力装置11は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等であり、ユーザが各種操作を入力するのに用いられる。表示装置12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等であり、異常検出装置10の処理結果を表示する。なお、異常検出装置10は、入力装置11及び表示装置12のうちの少なくとも一方を有していなくても良い。
外部I/F13は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体13a等がある。異常検出装置10は、外部I/F13を介して、記録媒体13a等の読み取りや書き込みを行うことができる。記録媒体13aには、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDメモリカード、USBメモリ等がある。なお、記録媒体13aには、本実施形態に係る異常検出装置10の各機能を実現するプログラムが格納されていても良い。
RAM14は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM15は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM15には、例えば、異常検出装置10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS(Operating System)設定やネットワーク設定等が格納されている。
CPU16は、ROM15や補助記憶装置18等からプログラムやデータをRAM14上に読み出し、処理を実行することで、異常検出装置10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
通信I/F17は、異常検出装置10が他の機器等と通信を行うためのインタフェースである。異常検出装置10は、通信I/F17を介して、センシング機器20から周期データを受信することができる。
補助記憶装置18は、プログラムやデータを格納している不揮発性のメモリであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶装置18に格納されるプログラムやデータには、本実施形態に係る異常検出装置10の各機能を実現するプログラム、異常検出装置10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア等がある。なお、補助記憶装置18は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステムやDB(データベース)等により管理している。
本実施形態に係る異常検出装置10は、上記のハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
<機能構成>
次に、本実施形態に係る異常検出装置10の機能構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る異常検出装置10の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る異常検出装置10は、データ取得部101と、分割部102と、周波数変換部103と、モデル作成部104と、指標値算出部105と、異常判定部106と、出力部107とを有する。これら各機能部は、異常検出装置10にインストールされた1以上のプログラムがCPU16に実行させる処理により実現される。
また、本実施形態に係る異常検出装置10は、周期データ記憶部110と、モデル記憶部120とを有する。これら各記憶部は、例えば補助記憶装置18を用いて実現可能である。なお、これら各記憶部のうちの少なくとも1つの記憶部が、異常検出装置10とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
周期データ記憶部110は、モデル作成用の周期データと、評価用の周期データとを記憶する。これらのモデル作成用の周期データ及び評価用の周期データは、サンプリング周期毎に、センシング機器20により計測された計測値が含まれる時系列データである。言い換えれば、周期データは、例えば、横軸を時間、縦軸を計測値とした時間領域で表される。なお、計測値は、センシング機器20のセンシング対象がバッチプロセスの或る変数である場合、当該変数の値(例えば、温度や圧力、流量等)である。又は、計測値は、センシング機器20のセンシング対象が振動である場合、加速度等である。
なお、モデル作成用の周期データと、評価用の周期データとを異なるデータとして区別して周期データ記憶部110に記憶されている必要はない。例えば、1つの周期データにおいて、或る時間幅のデータ(例えば、時刻t=t~時刻t=tまでの間に計測された計測値が含まれる周期データ)をモデル作成用の周期データとし、別の或る時間幅(例えば、時刻t=t~時刻t=tまで間に計測された計測値が含まれる周期データ)を評価用の周期データとしても良い。
データ取得部101は、「モデル作成」フェーズにおいて、モデル作成用の周期データを周期データ記憶部110から取得する。また、データ取得部101は、「評価」フェーズにおいて、評価用の周期データを周期データ記憶部110から取得する。
分割部102は、「モデル作成」フェーズにおいて、データ取得部101により取得された周期データ(モデル作成用の周期データ)をワーク毎に分割する。以降では、ワーク単位のモデル作成用の周期データを「モデル作成用ワークデータ」と表す。モデル作成用の周期データにN個のワークが含まれる場合、このモデル作成用の周期データは、N個のモデル作成用ワークデータに分割される。
また、分割部102は、「評価」フェーズにおいて、データ取得部101により取得された周期データ(評価用の周期データ)をワーク毎に分割する。以降では、ワーク単位の評価用の周期データを「評価用ワークデータ」と表す。評価用の周期データにM個のワークが含まれる場合、この評価用の周期データは、M個の評価用ワークデータに分割される。
周波数変換部103は、「モデル作成」フェーズにおいて、モデル作成用ワークデータ毎に、当該モデル作成用ワークデータに対して窓関数を用いた高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を行って、窓(ウインドウ)毎に周波数領域に変換する。これにより、各モデル作成用ワークデータにおいて、窓毎に、縦軸をスペクトル強度、横軸を周波数としたパワースペクトルが得られる。例えば、各モデル作成用ワークデータ内にL個の窓(ウインドウ)がそれぞれ含まれる場合、各モデル作成用ワークデータにおいて、L個のパワースペクトルがそれぞれ得られる。以降では、周波数変換部103により変換されたモデル作成用ワークデータを「変換後モデル作成用ワークデータ」と表す。
同様に、周波数変換部103は、「評価」フェーズにおいて、評価用ワークデータ毎に、当該評価用ワークデータに対して窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、窓(ウインドウ)毎に周波数領域に変換する。これにより、各評価用ワークデータにおいて、窓毎に、縦軸をスペクトル強度、横軸を周波数としたパワースペクトルが得られる。例えば、各評価用ワークデータ内にL個の窓(ウインドウ)がそれぞれ含まれる場合、各評価用ワークデータにおいて、L個のパワースペクトルがそれぞれ得られる。以降では、周波数変換部103により変換された評価用ワークデータを「変換後評価用ワークデータ」と表す。
モデル作成部104は、「モデル作成」フェーズにおいて、各モデル作成用ワークデータの平均を算出することで、時間領域における波形(つまり、時間波形)の正常モデルである時間波形プロファイルを作成する。そして、モデル作成部104は、時間波形プロファイルをモデル記憶部120に保存する。なお、各モデル作成用ワークデータの平均とは、各ワーク間で対応する時刻における計測値の平均のことである。また、各ワーク間で対応する時刻とは、各ワークの開始時刻を基準として、各ワークで相対時刻が同一である各時刻のことである。
また、モデル作成部104は、「モデル作成」フェーズにおいて、各変換後モデル作成用ワークデータの平均を算出することで、周波数領域における波形(つまり、周波数波形)の正常モデルである周波数波形プロファイルを作成する。そして、モデル作成部104は、周波数波形プロファイルをモデル記憶部120に保存する。なお、各変換後モデル作成用ワークデータの平均とは、各ワーク間で同一の周波数におけるパワースペクトル値(又は「スペクトル強度」とも称される。)の平均のことである。
指標値算出部105は、「評価」フェーズにおいて、モデル記憶部120に記憶されている時間波形プロファイルと、各評価用ワークデータのそれぞれとの類似度を表す第1の指標値を算出する。また、指標値算出部105は、「評価」フェーズにおいて、モデル記憶部120に記憶されている周波数波形プロファイルと、各変換後評価用ワークデータのそれぞれとの類似度を表す第2の指標値を算出する。なお、評価用ワークデータ数がM個である場合、M個の第1の指標値とM個の第2の指標値とが算出される。
ここで、第1の指標値としては、例えば、時間波形プロファイルと評価用ワークデータとの相関係数が挙げられる。同様に、第2の指標値としては、例えば、周波数波形プロファイルと変換後評価用ワークデータとの相関係数が挙げられる。以降では、第1の指標値及び第2の指標値は相関係数であるものとして説明する。
ただし、第1の指標値及び第2の指標値は相関係数に限られない。第1の指標値としては、例えば、時間波形プロファイルと評価用ワークデータとの平均値や中央値、マハラノビス距離等を用いることができる。同様に、第2の指標値としては、例えば、周波数波形プロファイルと変換後評価用ワークデータとの平均値や中央値、マハラノビス距離等を用いることができる。
このように、第1の指標値としては、時間波形プロファイルと評価用ワークデータとの類似度を表す任意の指標値を用いることができる。同様に、第2の指標値としては、周波数波形プロファイルと評価用ワークデータとの類似度を表す任意の指標値を用いることができる。
異常判定部106は、「評価」フェーズにおいて、各第1の指標値と、予め設定された第1の閾値との大小関係を比較判定する。また、異常判定部106は、各第2の指標値と、予め設定された第2の閾値との大小関係を比較判定する。
そして、異常判定部106は、例えば、第1の指標値が第1の閾値以下である評価用ワークデータに対応するワークを異常検出ワークと判定する。同様に、異常判定部106は、第2の指標値が第2の閾値以下である評価用ワークデータに対応するワークを異常検出ワークと判定する。
出力部107は、「評価」フェーズにおいて、例えば、異常判定部106により異常検出ワークと判定された評価用ワークデータに関する情報が含まれる画面(後述する異常検出結果画面)を表示装置12に出力する。
ここで、評価用ワークデータに関する情報としては、例えば、当該評価用ワークデータを識別するワークID、ワークの年月日、ワークを代表する時刻(例えば、ワークの開始時刻、終了時刻、又は開始時刻と終了時刻との中間を示す時刻等)、及び指標値(第1の指標値又は第2の指標値)等が挙げられる。
<正常モデル作成処理>
次に、「モデル作成」フェーズにおいて、正常モデルを作成する処理(正常モデル作成処理)について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る正常モデル作成処理の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部101は、モデル作成用の周期データを周期データ記憶部110から取得する(ステップS101)。
次に、分割部102は、上記のステップS101で取得したモデル作成用の周期データをワーク毎に分割して、モデル作成用ワークデータを作成する(ステップS102)。以降では、モデル作成用の周期データがN個のモデル作成用ワークデータに分割されたものとして説明する。
以降のステップS103の処理と、ステップS104~ステップS105の処理とは並列に実行される。ただし、ステップS103の処理が実行された後、ステップS104~ステップS105の処理が実行されても良いし、ステップS104~ステップS105の処理が実行された後、ステップS103の処理が実行されても良い。又は、例えば、ステップS104の処理、ステップS103の処理、ステップS105の処理の順で実行されても良い。
モデル作成部104は、N個のモデル作成用ワークデータの平均を算出して、時間波形プロファイルを作成する。すなわち、例えば、1ワーク内の時間幅をT、各ワークの開始時刻を基準としたワーク内の相対時刻をt(1≦t≦T)、ワークn(1≦n≦N)のモデル作成用ワークデータの相対時刻tにおける計測値をu(t)とした場合、モデル作成部104は、相対時刻t毎に、P(t)=(u(t)+・・・+u(t))/Nを算出する。このP(t),1≦t≦Tが時間波形プロファイルである。
そして、モデル作成部104は、作成した時間波形プロファイルをモデル記憶部120に保存する(ステップS103)。
周波数変換部103は、モデル作成用ワークデータ毎に、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、窓(ウインドウ)毎に周波数領域に変換する(ステップS104)。
より具体的には、周波数変換部103は、例えば、2048個のデータ値が含まれる時間幅をウインドウ幅、オーバラップ率を50%として、各モデル作成用ワークデータに対して、ウインドウ毎に高速フーリエ変換を行ってパワースペクトルを算出する。これにより、例えば、1つのモデル作成用ワークデータに対して、K=65536/(2048/2)=64個のパワースペクトルが算出される。すなわち、N個のモデル作成用ワークデータのそれぞれに対して、K個のパワースペクトルが算出される。このK個のパワースペクトルが変換後モデル作成用ワークデータである。
次に、モデル作成部104は、N個の変換後モデル作成用ワークデータの平均を算出して、周波数波形プロファイルを作成する。すなわち、各変換後モデル作成用ワークデータに含まれる周波数を表す番号(周波数番号)をk(1≦k≦K)、ワークn(1≦n≦N)の変換後モデル作成用ワークデータの周波数番号kにおけるパワースペクトル値をv(k)とした場合、モデル作成部104は、周波数番号k毎に、Q(k)=(v(k)+・・・+v(k))/Nを算出する。このQ(k),1≦k≦Kが周波数波形プロファイルである。
そして、モデル作成部104は、作成した周波数波形プロファイルをモデル記憶部120に保存する(ステップS105)。
以上のように、本実施形態に係る異常検出装置10は、時間領域における波形の正常モデルを表す時間波形プロファイルと、周波数領域における波形の正常モデルを表す周波数波形プロファイルとを作成する。後述するように、これらの正常モデルとの類似度を評価することで、異常検出対象30で異常が発生したか否かが判定される。
<異常検出処理>
次に、「評価」フェーズにおいて、正常モデルを用いて、異常検出対象30で異常が発生したことを検出する処理(異常検出処理)について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る異常検出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部101は、評価用の周期データを周期データ記憶部110から取得する(ステップS201)。
次に、分割部102は、上記のステップS201で取得した評価用の周期データをワーク毎に分割して、評価用ワークデータを作成する(ステップS202)。以降では、評価用の周期データがM個の評価用ワークデータに分割されたものとして説明する。
以降のステップS203の処理と、ステップS204~ステップS205の処理とは並列に実行される。ただし、ステップS203の処理が実行された後、ステップS204~ステップS205の処理が実行されても良いし、ステップS204~ステップS205の処理が実行された後、ステップS203の処理が実行されても良い。又は、例えば、ステップS204の処理、ステップS203の処理、ステップS205の処理の順で実行されても良い。
指標値算出部105は、モデル記憶部120に記憶されている時間波形プロファイルと、M個の評価用ワークデータのそれぞれとの類似度を表す相関係数(第1の指標値)を算出する(ステップS203)。すなわち、M個の評価用ワークデータのそれぞれをp(t),1≦t≦Tとした場合、指標値算出部105は、各m(1≦m≦M)に対して、時間波形プロファイルP(t)と、m番目の評価用ワークデータp(t)との相関係数rを算出する。なお、tは、各ワークの開始時刻を基準としたワーク内の相対時刻である。
これにより、各m(1≦m≦M)に対して、時間波形プロファイルとm番目の評価用ワークデータとの類似度を表す第1の指標値として相関係数rが得られる。
周波数変換部103は、評価用ワークデータ毎に、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、窓(ウインドウ)毎に周波数領域に変換する(ステップS204)。
より具体的には、周波数変換部103は、上記のステップS104と同様に、例えば、2048個のデータ値が含まれる時間幅をウインドウ幅、オーバラップ率を50%として、各評価用ワークデータに対して、ウインドウ毎に高速フーリエ変換を行ってパワースペクトルを算出する。これにより、例えば、1つの評価用ワークデータに対して、K=65536/(2048/2)=64個のパワースペクトルが算出される。すなわち、M個の評価用ワークデータのそれぞれに対して、K個のパワースペクトルが算出される。このK個のパワースペクトルが変換後評価用ワークデータである。
次に、指標値算出部105は、モデル記憶部120に記憶されている周波数波形プロファイルと、M個の評価用ワークデータのそれぞれとの類似度を表す相関係数(第2の指標値)を算出する(ステップS205)。すなわち、M個の変換後評価用ワークデータのそれぞれをq(k),1≦k≦Kとした場合、指標値算出部105は、各m(1≦m≦M)に対して、周波数波形プロファイルQ(k)と、m番目の変換後評価用ワークデータq(k)との相関係数sを算出する。なお、kは、周波数番号である。
これにより、各m(1≦m≦M)に対して、周波数波形プロファイルとm番目の評価用ワークデータとの類似度を表す第2の指標値として相関係数sが得られる。
異常判定部106は、各相関係数r(1≦m≦M)と第1の閾値thとの大小関係を比較判定すると共に、各相関係数s(1≦m≦M)と第2の閾値thとの大小関係を比較判定する(ステップS206)。
そして、異常判定部106は、各相関係数r(1≦m≦M)のうち、第1の閾値th以下と判定された相関係数rに対応するワークを異常検出ワークと判定する。同様に、異常判定部106は、各相関係数s(1≦m≦M)のうち、第2の閾値th以下と判定された相関係数sに対応するワークを異常検出ワークと判定する。
ここで、異常検出ワークと判定される場合の一例を図6(a)及び図6(b)に示す。図6(a)は、第1の閾値th=0.7として、相関係数rがth以下であるワークを異常検出ワークと判定する場合を示している。図6(a)に示す例では、ワークID「55」、「80」、「81」のワークが、時間領域における異常検出ワークと判定されている。また、図6(b)は、第2の閾値th=0.5として、相関係数sがth以下であるワークを異常検出ワークと判定する場合を示している。図6(b)に示す例では、ワークID「80」のワークが、周波数領域における異常検出ワークと判定されている。
このように、異常判定部106は、第1の指標値と第1の閾値との比較結果に応じて異常検出ワークを判定すると共に、第2の指標値と第2の閾値との比較結果に応じて異常検出ワークを判定する。
次に、出力部107は、上記のステップS206で異常検出ワークと判定された評価用ワークデータに関する情報が含まれる異常検出結果画面を表示装置12に出力する(ステップS207)。ここで、異常検出結果画面の一例を図7に示す。図7に示す異常検出結果画面1000は、上記のステップS206でワークID「55」、「80」、「81」のワークが時間領域における異常検出ワークと判定されたと共に、ワークID「80」のワークが周波数領域における異常検出ワークと判定された場合を示している。
図7に示す異常検出結果画面1000には、時間領域における異常検出ワークの評価用ワークデータに関する情報が表示される第1の表示欄1100と、周波数領域における異常検出ワークの評価用ワークデータに関する情報が表示される第2の表示欄1200とが含まれる。これにより、ユーザは、異常検出対象30で異常が検出されたワークの情報を知ることができる。
このとき、第1の表示欄1100及び第2の表示欄1200では、時間領域における異常検出ワークと判定されると共に周波数領域における異常検出ワークと判定されたワークの評価用ワークデータに関する情報を所定の表示態様で表示する。図7に示す例では、ワークID「80」の評価用ワークデータに関する情報が網掛けされ、強調表示されている。これにより、ユーザは、時間領域と周波数領域との両方で異常と判定されたワークの情報を知ることができる。
なお、異常検出結果画面を出力する場合にも、出力部107は、上記のステップS206における判定結果を任意の出力先に出力しても良い。このような出力先としては、例えば、補助記憶装置18、ネットワークを介して接続される所定のサーバ装置等が挙げられる。
以上のように、本実施形態に係る異常検出装置10は、ワーク単位の評価用ワークデータと時間波形プロファイルとの類似度を示す第1の指標値を算出すると共に、ワーク単位の評価用ワークデータと周波数波形プロファイルとの類似度を示す第2の指標値を算出する。そして、本実施形態に係る異常検出装置10は、これらの第1の指標値及び第2の指標値を用いて、時間領域と周波数領域との両方で異常の有無を判定する。
このように、本実施形態に係る異常検出装置10では、時間領域と周波数領域との両方で正常モデルとの類似度を判定する。これにより、異常検出対象30で発生した異常を高い精度で検出することができるようになる。
なお、本実施形態では、上記のステップS206で相関係数r(1≦m≦M)と第1の閾値thとを比較判定すると共に、相関係数s(1≦m≦M)と第2の閾値thとを比較判定したが、これに限られない。例えば、予め設定された重みをα、β(ただし、α+β=1,α≧0,β≧0)、R=α×r+β×sとして、各m(1≦m≦M)に対して、このRと、予め設定された閾値thとを比較判定しても良い。この場合、異常判定部106は、各R(1≦m≦M)のうち、閾値th以下と判定されたRに対応するワークを異常検出ワークと判定すれば良い。
<異常検出システム1の他の例>
ここで、本実施形態に係る異常検出システム1の全体構成の他の例について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る異常検出システム1の全体構成の他の例を示す図である。
図8に示すように、本実施形態に係る異常検出システム1は、異常検出装置10と、センシング機器20と、表示端末40とを有し、例えばインターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続される構成であっても良い。言い換えれば、表示端末40のユーザに対して、異常検出装置10による正常モデル作成処理及び異常検出処理が、クラウド型のサービスとして提供されても良い。
図8に示す異常検出システム1では、異常検出装置10は、出力部107によって異常検出結果画面を表示端末40に送信する。これにより、表示端末40には、例えば図7に示す異常検出結果画面1000が表示される。なお、表示端末40としては、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン、タブレット端末等を用いることができる。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る異常検出システム1は、例えばオフラインにおいて、異常検出対象30の正常な処理又は動作を示す周期データを用いて、時間領域における波形の正常モデルを表す時間波形プロファイルと、周波数領域における波形の正常モデルを表す周波数波形プロファイルとを作成する。
そして、本実施形態に係る異常検出システム1は、オンラインで動作している異常検出対象30の処理又は動作をセンシング機器20で計測することで取得された周期データと、時間波形プロファイルと、周波数波形プロファイルとを用いて、当該異常検出対象30の異常を検出する。このように、本実施形態に係る異常検出システム1では、時間領域と周波数領域との両方で正常モデルとの類似度を判定することで、異常検出対象30の異常を高い精度で検出することができるようになる。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
1 異常検出システム
10 異常検出装置
20 センシング機器
30 異常検出対象
101 データ取得部
102 分割部
103 周波数変換部
104 モデル作成部
105 指標値算出部
106 異常判定部
107 出力部
110 周期データ記憶部
120 モデル記憶部

Claims (8)

  1. 機器の周期的な処理又は動作を表す周期データから前記機器の異常を検出する異常検出装置であって、
    正常時における前記機器の周期的な処理又は動作を示す正常時周期データを、前記周期の時間幅を示すワーク毎に分割して、複数の正常時ワークデータを作成する分割手段と、
    前記分割手段により分割された複数の正常時ワークデータのそれぞれに対して、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、前記複数の正常時ワークデータのそれぞれを周波数領域に変換した複数の変換後正常時ワークデータを作成する変換手段と、
    前記複数の正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を時間領域においてモデル化した正常モデルとして第1のプロファイル作成する第1のモデル作成手段と、
    前記複数の変換後正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を周波数領域においてモデル化した正常モデルとして第2のプロファイル作成する第2のモデル作成手段と、
    前記第1のプロファイル及び前記第2のプロファイルと、前記周期データとに基づいて、所定の指標値を算出する指標値算出手段と、
    前記指標値算出手段により算出された指標値と、予め設定された所定の閾値とに基づいて、前記機器で異常が発生したか否かを判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記分割手段は、
    前記周期データを、前記ワーク毎に分割して、複数のワークデータを作成し、
    前記変換手段は、
    前記分割手段により分割された複数のワークデータのそれぞれに対して、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、前記ワークデータのそれぞれを周波数領域に変換した複数の変換後ワークデータを作成し、
    前記指標値算出手段は、
    前記第1のプロファイルと、前記複数のワークデータとから複数の第1の指標値を算出すると共に、前記第2のプロファイルと、前記複数の変換後ワークデータとから複数の第2の指標値とを算出し、
    前記判定手段は、
    前記複数の第1の指標値と、前記複数の第2の指標値と、予め設定された所定の閾値とに基づいて、前記機器で異常が発生したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記第1の指標値は、前記第1のプロファイルと前記ワークデータとの相関係数、平均値、中央値、又はマハラノビス距離のいずれかであり、
    前記第2の指標値は、前記第2のプロファイルと前記ワークデータとの相関係数、平均値、中央値、又はマハラノビス距離のいずれかである、ことを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記複数の第1の指標値のそれぞれと、予め設定された所定の第1の閾値とを比較判定すると共に、前記複数の第2の指標値のそれぞれと、予め設定された所定の第2の閾値とを比較判定することで、前記機器で異常が発生したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の異常検出装置。
  5. 前記判定手段は、
    前記第1の指標値と前記第2の指標値との重み付け和と、予め設定された所定の閾値とを比較判定することで、前記機器で異常が発生したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の異常検出装置。
  6. 機器の周期的な処理又は動作を表す周期データから前記機器の異常を検出する異常検出装置が、
    正常時における前記機器の周期的な処理又は動作を示す正常時周期データを、前記周期の時間幅を示すワーク毎に分割して、複数の正常時ワークデータを作成する分割手順と、
    前記分割手順により分割された複数の正常時ワークデータのそれぞれに対して、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、前記複数の正常時ワークデータのそれぞれを周波数領域に変換した複数の変換後正常時ワークデータを作成する変換手順と、
    前記複数の正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を時間領域においてモデル化した正常モデルとして第1のプロファイル作成する第1のモデル作成手順と、
    前記複数の変換後正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を周波数領域においてモデル化した正常モデルとして第2のプロファイル作成する第2のモデル作成手順と、
    前記第1のプロファイル及び前記第2のプロファイルと、前記周期データとに基づいて、所定の指標値を算出する指標値算出手順と、
    前記指標値算出手順により算出された指標値と、予め設定された所定の閾値とに基づいて、前記機器で異常が発生したか否かを判定する判定手順と、
    を実行することを特徴とする異常検出方法。
  7. 機器の周期的な処理又は動作を表す周期データから前記機器の異常を検出する異常検出装置に、
    正常時における前記機器の周期的な処理又は動作を示す正常時周期データを、前記周期の時間幅を示すワーク毎に分割して、複数の正常時ワークデータを作成する分割手順と、
    前記分割手順により分割された複数の正常時ワークデータのそれぞれに対して、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、前記複数の正常時ワークデータのそれぞれを周波数領域に変換した複数の変換後正常時ワークデータを作成する変換手順と、
    前記複数の正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を時間領域においてモデル化した正常モデルとして第1のプロファイル作成する第1のモデル作成手順と、
    前記複数の変換後正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を周波数領域においてモデル化した正常モデルとして第2のプロファイル作成する第2のモデル作成手順と、
    前記第1のプロファイル及び前記第2のプロファイルと、前記周期データとに基づいて、所定の指標値を算出する指標値算出手順と、
    前記指標値算出手順により算出された指標値と、予め設定された所定の閾値とに基づいて、前記機器で異常が発生したか否かを判定する判定手順と、
    を実行させることを特徴とする異常検出プログラム。
  8. センシング対象の機器の周期的な処理又は動作を表す周期データをセンシングするセンシング機器と、該センシング機器から送信された周期データから前記機器の異常を検出する異常検出装置とが含まれる異常検出システムであって、
    正常時における前記機器の周期的な処理又は動作を示す正常時周期データを、前記周期の時間幅を示すワーク毎に分割して、複数の正常時ワークデータを作成する分割手段と、
    前記分割手段により分割された複数の正常時ワークデータのそれぞれに対して、窓関数を用いた高速フーリエ変換を行って、前記複数の正常時ワークデータのそれぞれを周波数領域に変換した複数の変換後正常時ワークデータを作成する変換手段と、
    前記複数の正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を時間領域においてモデル化した正常モデルとして第1のプロファイル作成する第1のモデル作成手段と、
    前記複数の変換後正常時ワークデータの平均を、正常時の波形を周波数領域においてモデル化した正常モデルとして第2のプロファイル作成する第2のモデル作成手段と、
    前記第1のプロファイル及び前記第2のプロファイルと、前記周期データとに基づいて、所定の指標値を算出する指標値算出手段と、
    前記指標値算出手段により算出された指標値と、予め設定された所定の閾値とに基づいて、前記機器で異常が発生したか否かを判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする異常検出システム。
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