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JP7227482B2 - 発光装置 - Google Patents

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JP7227482B2
JP7227482B2 JP2019065979A JP2019065979A JP7227482B2 JP 7227482 B2 JP7227482 B2 JP 7227482B2 JP 2019065979 A JP2019065979 A JP 2019065979A JP 2019065979 A JP2019065979 A JP 2019065979A JP 7227482 B2 JP7227482 B2 JP 7227482B2
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Description

本開示は、発光装置に関する。
特許文献1には、赤色蛍光体を含む第2封止材料が上面に配置された近紫外LEDチップ(以下、第1光源)と、第2封止材料が上面に配置されない近紫外LEDチップ(以下、第2光源)と、第1光源および第2光源を一体に被覆し黄色蛍光体を含む第1封止材料とを備えた発光装置が開示されている。
特開2013-120812号公報
しかしながら、特許文献1の発光装置では、第2光源により励起された黄色蛍光体の発する光が第2封止材料内に入り、その光の一部が赤色蛍光体に吸収される可能性がある。これにより、発光装置における光取り効率が低下する可能性がある。
そこで、本発明の一実施形態では、光取り出し効率が向上した発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態の発光装置は、複数の第1発光素子と、第1発光素子の上面上に位置し、第1発光素子の側面を露出し、第1蛍光体を含む樹脂からなる第1透光性部材と、複数の第1発光素子の個数以下であり、上面上に第1透光性部材が位置しない複数の第2発光素子と、複数の第1発光素子、複数の第2発光素子および複数の第1透光性部材を被覆し、前記第1蛍光体が発する光よりも短波長の光を発する第2蛍光体を含む封止部材とを備える。
本発明の一実施形態により、光取り出し効率が向上した発光装置を提供することが可能となる。
一実施形態に係る発光装置の模式的上面図である。 図1A中の1B-1B線における模式端面図である。 発光装置の変形例を示す模式的上面図である。 発光装置の変形例を示す模式的上面図である。
以下、図面に基づいて詳細に説明する。複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、理解を容易にする等のために誇張している場合がある。
図1Aは一実施形態に係る発光装置100の模式的上面図であり、図1Bは図1A中の1B-1B線における模式的端面図である。図1Aでは、凹部2の内部が分かりやすいように封止部材40を省略して図示している。また、第1透光性部材15の有無が分かりやすいように、第1発光素子10の上面にハッチングを施している。図1Bでは、ワイヤ等を省略して図示している。
図1Aおよび図1Bに示す発光装置100は、複数の第1発光素子10と、第1発光素子10の上面上に位置する第1透光性部材15と、複数の第1発光素子10の個数以下であり、上面上に第1透光性部材15が位置しない複数の第2発光素子20と、複数の第1発光素子10、複数の第2発光素子20および複数の第1透光性部材15を被覆する封止部材40とを備える。第1透光性部材15は第1蛍光体61を含み、封止部材40は第2蛍光体62を含む。図1A等に示す発光装置100は、凹部2を有するパッケージ50をさらに備え、複数の第1発光素子10および複数の第2発光素子20は凹部2の底面に配置されている。
第1発光素子10および第2発光素子20は、発光装置100の光源として機能する。第1発光素子10および第2発光素子20は、例えば、可視光の光を発する発光素子を用いることが好ましい。具体的には、第1発光素子10および第2発光素子20は、発光ピーク波長が430nm~480nmである発光素子を用いることが好ましい。第1発光素子10および第2発光素子20が、近紫外領域よりも長波長の発光ピーク波長を有することで、近紫外領域の光の問題(例えば、人体や照射物に悪影響を及ぼしたり、発光装置の構成部材が劣化し発光装置の発光効率が大幅に低下するという問題)を抑制することができる。
第1発光素子10および第2発光素子20は、それぞれの発光ピーク波長の波長差が5nm以下である発光素子を用いることが好ましい。第1発光素子10および第2発光素子20が同程度の発光ピーク波長を有する発光素子であることで、発光装置100および発光装置100を備える照明装置等における設計が容易になる。なお、第1発光素子10および第2発光素子20は異なる発光ピーク波長(波長差が5nmより大きい)である発光素子であってもよい。例えば、第1発光素子10は青色光を発する青色発光素子であり、第2発光素子20は緑色光を発する緑色発光素子である。
発光装置100は、第1発光素子10の上面上に位置する第1透光性部材15を有する。第1透光性部材15は、第1発光素子10の上面と直接接して配置されていてもよく、第1透光性部材15と第1発光素子10の上面との間に保護層等の別の部材が位置し、第1発光素子10の上方に間接的に配置されていてもよい。第1透光性部材15は樹脂からなる。
第1透光性部材15は、第1発光素子10の側面を被覆しない。換言すると、第1発光素子10の側面は第1透光性部材15から露出する。これにより、封止部材40内の第2蛍光体62として励起効率が高い蛍光体を用いた場合に、第1発光素子10から側方に出る光を第2蛍光体62で効率的に励起することができる。その結果、光取り出しが良好な発光装置とすることができる。また、第1透光性部材15となる液状の樹脂材料を第1発光素子10の上面に塗布して配置する場合、第1発光素子10の上面の縁部で樹脂材料に表面張力が働き、樹脂材料の広がりを第1発光素子10の縁部内に留めることができる。これにより、複数の発光装置100を製造する場合に、第1透光性部材15の形状を安定して形成することができ、製造の歩留りを向上させることができる。また、第1透光性部材15を安定して形成することで、所望の配光を有する発光装置100を容易に得ることができる。
第1透光性部材15は第1蛍光体61を含む。第1蛍光体61は、例えば、半値幅の広い赤色蛍光体を用いることができる。これにより、発光装置100の演色性を向上させることができる。赤色蛍光体の半値幅は、例えば80nm以上100nm以下であり、85nm以上95nm以下であることが好ましい。このような第1蛍光体61として、例えば、下記式(1)で表される組成を有する赤色蛍光体を用いることができる。
(Sr,Ca)AlSiN:Eu(1)
式(1)で表される組成を有する赤色蛍光体を用いることで、発光装置の演色性と光取り出しの双方を向上させることができる。第1蛍光体61の含有量は、例えば、第1透光性部材15の全重量に対して9重量%~57重量%である。第1透光性部材15内の第1蛍光体61の含有量は各第1透光性部材15で同じでもよく、異なっていてもよい。
なお、第1蛍光体61は、赤色の光を発する赤色蛍光体に限定されず、例えば、緑色の光を発する緑色蛍光体や青色の光を発する青色蛍光体であってもよい。また、第1蛍光体61は、1種の蛍光体であってもよく、また複数種の蛍光体であってもよい。
(封止部材40)
封止部材40は、複数の第1発光素子10、複数の第2発光素子20および複数の第1透光性部材15を被覆し、第2蛍光体62を含む。封止部材40は、発光素子等を外力や埃、水分などから保護する役割を有する。
第2蛍光体62は、第1蛍光体61よりも短波の光を発する蛍光体である。換言すると、第2蛍光体62から出射される光は、第1蛍光体61から出射される光よりも短波長である。これにより、第1蛍光体61から発する光が第2蛍光体62に吸収される割合を低減することができる。
第2蛍光体62は、1種の蛍光体であってもよく、また複数種の蛍光体であってもよい。第2蛍光体62として複数種の蛍光体を用いることで、例えば、発光装置100の演色性を向上させることができる。第2蛍光体62として、(Y,Lu,Gd)(Al,Ga)12:Ceを用いることが好ましく、さらに、(Y,Lu,Gd)(Al,Ga)12:Ceと(Sr,Ca)AlSiN:Euとを混合したものを用いることがさらに好ましい。これにより、演色性の高い発光装置とすることができる。
発光装置100は、複数の第1発光素子10と、第1発光素子10の上面上に位置する第1透光性部材15と、複数の第1発光素子10の個数以下であり、上面上に第1透光性部材15が位置しない複数の第2発光素子20とを備える。図1Aで示す発光装置100は、複数の発光素子を備え、複数の発光素子のうち半分以上の発光素子の上面上に第1透光性部材15が位置している。これにより、複数の発光素子のうち半分以上の発光素子から出射される光の大部分は第1透光性部材15を通り封止部材40を通ることになる。その結果、波長の長い第1蛍光体61が発する光が波長の短い第2蛍光体62に吸収される割合を低減することができ、発光装置100の光取り出し効率を向上させることができる。
複数の第1発光素子10および複数の第2発光素子20の配置は、所望の配光を得るために種々の配置にすることができる。例えば、複数の第1発光素子10が第1方向Fに配列された第1素子群10aと、複数の第2発光素子20が第1方向Fに配列された第2素子群20aとが、第1方向Fと直交する第2方向Sに順に配列された配置でもよい。同種の発光素子(第1透光性部材15が配置される第1発光素子10または第1透光性部材15が配置されない第2発光素子20)をライン状に配置することで、例えば、外観検査装置において各発光素子の外観を検査する際に、ラインごとに検査をすることが可能となり外観検査工程が容易になる。工程が簡略になることで、各発光装置のコストを低減することができる。図1Aで示す発光装置100では、2つの第1素子群10aと、2つの第1素子群10aの間に位置する第2素子群20aとを有している。具体的には、発光装置100は、2つの第1発光素子10を有する第1素子群10aが2つあり、2つの第1素子群10aの間に位置し3つの第2発光素子20を有する第2素子群20aを備えている。2つの第1素子群10aの間に第2素子群20aが位置していることで、発光装置100全体の混色性が向上する。また、第1透光性部材15が上面上に位置する第1発光素子10の個数が第2発光素子20の個数よりも多いため、複数の発光素子のうち半分以上の発光素子から出射される光の大部分が第1透光性部材15を通り封止部材40を通ることになる。その結果、発光装置100の光取り出し効率を向上させることができる。また、図1Cで示すように、第1素子群10aが複数群ある場合に、各第1素子群10aにおける第1発光素子10の個数は異ならせることができる。第2素子群20aが複数群ある場合も同様である。なお、第1発光素子10および第2発光素子の配置は上記の形態に限られず、第1素子群10aが2つの第2素子群20aの間に位置していてもよい。第1透光性部材15が配置される第1素子群10aを内側に配置することで、発光装置100全体の混色性を向上させることができる。
第1発光素子10および第2発光素子20は、平面視における1辺の長さが例えば150μm~900μmであり、450μm~800μmであることが好ましく、630μm~780μmであることがより好ましい。隣接する第1発光素子10間の離隔距離および隣接する第2発光素子20間の離隔距離は、0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましい。これにより、発光素子から出射される光が隣接する発光素子に吸収される可能性を低減することができ、発光装置の光取り出しが良好になる。また、第1発光素子10と第2発光素子20との離隔距離は、0.3mm以上1.5mm以下であることが好ましい。これにより、第2発光素子20が発する光および第2発光素子20の上面上に位置し第2発光素子20が発する光により励起される第2蛍光体62が発する光が、第1発光素子10の上面上に位置する第1透光性部材15内に含まれる第1蛍光体61に吸収されることを抑制することができる。その結果、第2発光素子20等が発する光を効率良く外部に取り出すことができ、光取り出しが良好な発光装置とすることができる。好適には、第1発光素子10と第2発光素子20との離隔距離は、隣接する第1発光素子10間の離隔距離および隣接する第2発光素子20間の離隔距離よりも大きいことが好ましい。第1発光素子10と第2発光素子20との離隔距離を大きくすることで、第2発光素子20および第2発光素子20の上面上に位置する第2蛍光体62が発する光を効率的に外部に取り出しつつ、同種の発光素子間の距離を小さくすることで、小型の発光装置を提供することができる。
複数の第1発光素子10の個数は、複数の第2発光素子20の個数に対して1.2倍以上の個数(整数)であることが好ましく、2倍以上の個数(整数)であることがより好ましい。これにより、光取り出しが良好な発光装置100を提供することができる。なお、各発光素子の個数の比率は上記に限定されない。
第1透光性部材15の上面は、湾曲面であることが好ましい。これにより、第1透光性部材15の表面(第1発光素子10側の内表面)において、第1発光素子10が発する光が全反射されて第1発光素子10側に戻る可能性を低減することができる。これにより、発光装置100の光取り出し効率を向上させることができる。なお、第1透光性部材15の上面は、平坦面であってもよく、湾曲面と平坦面とを組み合わせた形状であってもよい。また、第1透光性部材15の高さは、各第1透光性部材15で同じでもよく、異なっていてもよい。
第1透光性部材15は、第1発光素子10の上面の50%以上の面積を被覆することが好ましく、第1発光素子10の上面全面を被覆することがより好ましい。これにより、第1発光素子10を外力や埃、水分などから保護することが可能となる。また、封止部材40の母材の屈折率を第1透光性部材15の母材の屈折率よりも大きく設定することで、凹部2内において第1発光素子10側に戻る光を第1透光性部材15の上面で上方に反射させやすくなる。これにより、発光装置100の光取り出し効率を向上させることができる。
第1透光性部材15は、上面に微小な凹凸を有することが好ましい。これにより、第1透光性部材15と封止部材40との密着性を向上させることができる。微小な凹凸は、例えば、第1透光性部材15の上面に粗面化処理を施すことにより形成することができる。粗面化処理としては、例えば、プラズマ処理、エッチング処理、ブラスト処理、又は微粒子を付着させる方法等を挙げることができる。
封止部材40の母材となる樹脂材料の屈折率は、第1透光性部材15の母材となる樹脂材料の屈折率と同じ又は高いことが好ましい。これにより、第1透光性部材15内において、第1透光性部材15から封止部材40へ進む光は、第1透光性部材15と封止部材40との界面において透過しやすい。一方、封止部材40から第1透光性部材15へ進む光は、第1透光性部材15と封止部材40との界面において反射されやすい。これにより、発光装置100の光取り出し効率を効果的に向上させることができる。
封止部材40の母材となる樹脂材料の屈折率と、第1透光性部材15の母材となる樹脂材料の屈折率との差は、例えば、0~0.2であり、0.5~0.15であることが好ましい。例えば、第1透光性部材15の母材となる樹脂材料の屈折率は1.4~1.6であり、封止部材40の母材となる樹脂材料の屈折率は、1.4~1.6である。なお、この場合の屈折率は、例えば、屈折率測定装置を用いて、最小偏角法、臨界角法またはVブロック法等により測定される。
図1Bで示すように、封止部材40は、第1透光性部材15の上方に位置する上面に凸部9を有することが好ましい。これにより、第1透光性部材15から上方に出る光を凸部9から効率良く外部に取り出すことができる。凸部9は、例えば、図1Bで示すように、封止部材40の上面のうち曲率が変化する2つの変曲点で規定される部分である
また、図1Dで示すように、第1発光素子10および第2発光素子20は、上面視において、第1発光素子10および第2発光素子20のそれぞれの辺が凹部2の一の内側面に対して傾斜するように配置されてもよい。図1Dでは、凹部2は4つの内側面を有し、第1発光素子10および第2発光素子20は上側から見た外形が矩形状である発光素子である。第1発光素子10および第2発光素子20を上記のように配置することで、発光素子の側面から出た光が凹部2の内側面で反射されて発光素子側に戻り、その光の一部が発光素子に吸収されることを抑制することができる。特に、凹部2の内側面の近傍に配置される発光素子において、内側面と発光素子の側面との距離が大きくなるように発光素子を傾斜させて配置することで、発光装置の光取り出しが良好となる。上面視において、発光素子の一の辺の仮想線と、凹部2の内側面の仮想線とからなる角度θは、0度より大きく90度よりも小さく、例えば、15度、30度、45度、60度または75度である。好ましくは、角度θは30度または45度である。
(パッケージ)
発光装置100は、凹部2を有するパッケージ50を備えることができる。パッケージ50は、発光素子を配置するための基台である。図1Aおよび図1Bで示すパッケージ50は、第1リード51および第2リード52と、第1リード51および第2リード52を保持する樹脂部30とを備えている。パッケージ50は凹部2を有し、凹部2の底面において、第1リード51および第2リード52の上面の一部が位置している。
図1Aおよび図1Bに示すパッケージ50は、上面80aおよび上面80aと反対側に位置する下面80bとを有している。また、パッケージ50は、上面視において略矩形の外形形状を有し、第1外側面81、第1外側面81と反対側に位置する第2外側面82、第3外側面83、および第3外側面83と反対側に位置する第4外側面84を有する。パッケージ50は、外側面において、第1リード51および第2リード52が樹脂部30から外側に延出しないことが好ましい。図1Bでは、第3外側面83において、第1リード51が樹脂部30から露出し、かつ、第1リード51と樹脂部30とが略同一面になっている。また、第4外側面84において、第2リード52が樹脂部30から露出し、かつ、第2リード52と樹脂部30とが略同一面になっている。同様に、第1外側面81および第2外側面82においても、リードと樹脂部とが略同一面になっていることが好ましい。これにより、占有面積の小さい小型の発光装置100を提供することができる。
パッケージ50の下面80bは、発光装置100を実装基板に実装する実装面として機能する。また、パッケージ50の下面80bにおいて、第1リード51および第2リード52は、樹脂部30から露出している。これにより、発光素子から発生する熱を、パッケージ50の下面80bから効率的に放熱することができる。また、パッケージ50の下面80bにおいて、第1リード51および第2リード52の下面と樹脂部30の下面とは略同一面になっている。
以下、本発明の発光装置100に用いられる各部材について詳細に説明する。
(第1発光素子、第2発光素子)
第1発光素子10および第2発光素子20には、発光ダイオード素子などを用いることができ、可視域の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を好適に用いることができる。第1発光素子10および第2発光素子20のそれぞれの個数は目的や用途に応じて変更可能である。各発光素子は、正負電極を有する電極形成面を上側にして載置される発光素子でもよく、または、電極形成面を下側にして載置される発光素子でもよい。複数の発光素子は直列、並列または直列と並列の組み合わせで電気的に接続される。
(第1透光性部材、封止部材)
第1透光性部材15および封止部材40は、樹脂材料を固体化した樹脂部材等を用いることができる。樹脂材料としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、変成シリコーン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物等の硬化体、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂を用いることができる。特に、第1透光性部材15および封止部材40の樹脂材料として、耐熱性および耐光性に優れたシリコーン樹脂組成物の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。第1透光性部材15および封止部材40の全てが、シリコーン樹脂組成物からなることが好ましい。これにより、第1透光性部材15および封止部材40の耐光性が高くなるため、発光素子からの光による光劣化を効果的に抑制することができ、信頼性の高い発光装置とすることができる。
第1透光性部材15および封止部材40は、光散乱材を含有することができる。光散乱材としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等を用いることができる。
(第1蛍光体、第2蛍光体)
第1透光性部材15は第1蛍光体61を含み、封止部材40は第2蛍光体62を含む。第1蛍光体61および第2蛍光体62は、1種の蛍光体であってもよく、また複数種の蛍光体であってもよい。第1蛍光体61および第2蛍光体62は、発光素子の光で励起する蛍光体であればよい。第1蛍光体61および第2蛍光体62は、例えば、(Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,Br):Eu、(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu、(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu、(Y,Lu,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Sr,Ca)AlSiN:Eu、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、(x-s)MgO・(s/2)Sc・yMgF・uCaF・(1-t)GeO・(t/2)M :zMn、CaScSi12:Ce、CaSc:Ce、(La,Y)Si11:Ce、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si12:Eu、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)Ga:Eu、K(Si,Ti,Ge)F:Mnの蛍光体を用いることができる。
(樹脂部)
樹脂部30は、母材となる樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、変成シリコーン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物等の硬化体、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂を用いることができる。特に、樹脂部30の樹脂材料として、耐熱性および耐光性に優れたエポキシ樹脂組成物やシリコーン樹脂組成物の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
樹脂部30は、上記の母材となる樹脂材料に、光反射性物質を含有させたものを用いることが好ましい。光反射性物質としては、発光素子からの光を吸収しにくく、且つ、母材となる樹脂材料に対して屈折率差の大きい部材を用いることが好ましい。このような光反射性物質は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等である。
また、樹脂部30は、発光装置100のコントラストを向上させるために、発光装置100の外光(多くの場合、太陽光)に対して光反射率が低い充填剤を含有してもよい。この場合、樹脂部30は、例えば、黒色ないしそれに近似した色である。充填剤としては、アセチレンブラック、活性炭、黒鉛などのカーボンや、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、もしくは有色有機顔料などを目的に応じて利用することができる。
(第1リード、第2リード)
第1リード51および第2リード52は、導電性を有し、発光素子に給電するための電極として機能する。第1リード51および第2リード52は、母材として、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅などの金属を用いることができる。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。特に、母材には安価で放熱性が高い銅を用いることが好ましい。また、第1リード51および第2リード52は、表面に銀含有層を備えることができる。また、第1リード51および第2リード52は、母材と銀含有層との間に中間層を有することができる。中間層は、例えば、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、銅、又はこれらの合金などを含む。なお、銀含有層または中間層は、第1リード51および第2リード52の全面に設けられていてもよく、また部分的に設けられていてもよい。また、リードの上面側に形成される銀含有層または中間層は、リードの下面側に形成される銀含有層または中間層よりも厚くすることができる。
第1リード51および第2リード52の最表面(例えば、銀含有層の表面)には、酸化ケイ素等の保護層を設けることができる。銀含有層の表面に保護層を設けることで、例えば、凹部2内に硫黄等が進入した場合に、銀含有層の劣化の進行を保護層によって効果的に阻害することができる。保護層の成膜方法は、例えばスパッタ等の真空プロセスによって成膜することができる。
パッケージ50は、少なくとも第1リード51、第2リード52を備えていればよい。パッケージ50は、3つ以上のリードを備えていてもよく、例えば、第1リード51および第2リード52に加えて第3リードを備えることができる。第3リードは、放熱部材として機能してもよく、また第1リード51等と同様に電極として機能してもよい。
100 発光装置
50 パッケージ
10 第1発光素子
10a 第1素子群
20 第2発光素子
20a 第2素子群
15 第1透光性部材
2 凹部
30 樹脂部
51 第1リード
52 第2リード
61 第1蛍光体
62 第2蛍光体
80a 上面
80b 下面
81 第1外側面
82 第2外側面
83 第3外側面
84 第4外側面
9 凸部

Claims (11)

  1. 複数の第1発光素子と、
    前記第1発光素子の上面上に位置し、前記第1発光素子の側面を露出し、第1蛍光体を含む樹脂からなる第1透光性部材と、
    前記複数の第1発光素子の個数より少なく、上面上に前記第1透光性部材が位置しない複数の第2発光素子と、
    前記複数の第1発光素子、前記複数の第2発光素子および前記複数の第1透光性部材を被覆し、前記第1蛍光体が発する光よりも短波長の光を発する第2蛍光体を含む封止部材と、を備え
    前記封止部材の上面は、前記第1透光性部材の上方において凸部を有し、前記第2発光素子の上方において凸部を有さない発光装置。
  2. 前記第1蛍光体の含有量は、前記第1透光性部材の全重量に対して9重量%~57重量%である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれは、発光ピーク波長が430nm~480nmの発光素子である、請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記発光装置は、第1方向に2つ以上の前記第1発光素子が配列された2つの第1素子群と、前記第1方向に2つ以上の前記第2発光素子が配列された第2素子群とを有し、前記第2素子群は、前記2つの第1素子群の間に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記発光装置は、上側から見た外形が矩形状であり、凹部を有するパッケージを備え、
    前記複数の第1発光素子および前記複数の第2発光素子は、前記凹部の底面に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれは、上側から見た外形が矩形状であり、
    前記第1発光素子および前記第2発光素子は、上面視において、前記第1発光素子および前記第2発光素子それぞれの辺が前記凹部の一の内側面に対して傾斜して配置されている、請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記第1発光素子の発光ピーク波長と前記第2発光素子の発光ピーク波長との波長差は5nmより大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記第1発光素子と前記第2発光素子との離隔距離は、隣接する前記第1発光素子間の離隔距離および隣接する前記第2発光素子間の離隔距離よりも大きい、請求項1~7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記複数の第1発光素子の個数は、前記複数の第2発光素子の個数の1.2倍以上の整数で表される個数である、請求項1~8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記第1透光性部材の上面は、湾曲面である、請求項1~9のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記封止部材の母材となる樹脂材料の屈折率は、前記第1透光性部材の母材となる樹脂材料の屈折率よりも高く、
    前記封止部材の母材となる樹脂材料の屈折率と、前記第1透光性部材の母材となる樹脂材料の屈折率と、の屈折率差は0より大きく0.2以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の発光装置。
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