JP7217578B2 - ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングのための方法、コンピュータ・システム、およびコンピュータ・プログラム - Google Patents

Description

本発明は一般的にコンピューティングの分野に関し、より具体的にはクラウドソーシングに関する。

米国は、連邦通信委員会を通じて２１世紀通信および映像アクセシビリティ法（ＣＶＡＡ：Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｖｉｄｅｏ Ａｃｃｅｓｓｉｂｉｌｉｔｙ Ａｃｔ）を制定することにより、障害のある個人に対する保護を提供した。ＣＶＡＡは、障害のある個人がより新しい技術にアクセス可能になることを確実にすることによって、過去のアクセシビリティの法律を改訂した。新たな技術には、更新されたブロードバンド・サービス、デジタル・イノベーション、およびモバイル・イノベーションを通じた通信アクセスおよび映像プログラミングが含まれてもよい。音声および映像のクローズド・キャプションおよびシーン記述は、進歩した通信サービスに対する更新された技術が必要とする膨大なコンテンツを実現するために、大量のリソースを必要とすることがある。

本発明の目的は、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングのための方法、コンピュータ・システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提供することである。

本発明の実施形態は、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングのための方法、コンピュータ・システム、およびコンピュータ・プログラム製品を開示している。本発明は、コンテンツ・プロバイダからアセットを受信することを含んでもよい。加えて本発明は、受信したアセットに基づいてスマート・コントラクトを配置することを含んでもよく、この配置されたスマート・コントラクトは複数の補償ルールを含む。次いで本発明は、配置されたスマート・コントラクトに基づいて、受信したアセットを複数のフラグメントにパーティション化することを含んでもよい。本発明はさらに、パーティション化した複数のフラグメントをブロックチェーン・ネットワークにリリースすることを含んでもよい。加えて本発明は、スマート・コントラクトを用いて、リリースされた複数のフラグメント内の各フラグメントを追跡することを含んでもよい。

本発明のこれらおよびその他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき本発明の例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなるだろう。これらの例示は、詳細な説明によって当業者に本発明を容易に理解させることにおける明瞭さのためのものであるため、図面のさまざまな特徴は縮尺どおりではない。

少なくとも１つの実施形態によるネットワーク形成コンピュータ環境を示す図である。 少なくとも１つの実施形態によるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワークを示すブロック図である。 少なくとも１つの実施形態によるブロックチェーン使用可能クラウドソーシングに対するプロセスを示す動作流れ図である。 少なくとも１つの実施形態による図１に示されるコンピュータおよびサーバの内部および外部コンポーネントを示すブロック図である。 本開示の実施形態による図１に示されるコンピュータ・システムを含む例示的クラウド・コンピューティング環境を示すブロック図である。 本開示の実施形態による図５の例示的クラウド・コンピューティング環境の機能レイヤを示すブロック図である。

本明細書において、請求される構造および方法の詳細な実施形態が開示されているが、開示される実施形態はさまざまな形で具現化され得る請求される構造および方法の単なる例示であることが理解され得る。この発明は多くの異なる形で具現化されてもよく、本明細書に示される例示的実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろこれらの例示的実施形態は、この開示が完全かつ完成したものとなって当業者にこの発明の範囲を完全に伝えることとなるように提供されている。記載においては、提示される実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の特徴および技術の詳細は省略することがある。

本発明は、統合の任意の可能な技術的詳細レベルにおけるシステム、方法、もしくはコンピュータ・プログラム製品、またはその組み合わせであってもよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を行わせるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読ストレージ媒体（または複数の媒体）を含んでもよい。

コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持および保存できる有形デバイスであり得る。コンピュータ可読ストレージ媒体は、たとえば電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、または前述の任意の好適な組み合わせなどであってもよいが、それに限定されない。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的リストは以下を含む。ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ：ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ ｍｅｍｏｒｙ）、リード・オンリ・メモリ（ＲＯＭ：ｒｅａｄ－ｏｎｌｙ ｍｅｍｏｒｙ）、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ（ｅｒａｓａｂｌｅ ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ｒｅａｄ－ｏｎｌｙ ｍｅｍｏｒｙ）（ＥＰＲＯＭまたはフラッシュ・メモリ）、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ（ＳＲＡＭ：ｓｔａｔｉｃ ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ ｍｅｍｏｒｙ）、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ（ＣＤ－ＲＯＭ：ｃｏｍｐａｃｔ ｄｉｓｃ ｒｅａｄ－ｏｎｌｙ ｍｅｍｏｒｙ）、デジタル多用途ディスク（ＤＶＤ：ｄｉｇｉｔａｌ ｖｅｒｓａｔｉｌｅ ｄｉｓｋ）、メモリ・スティック、フレキシブル・ディスク、機械的にコード化されたデバイス、たとえばパンチ・カードまたは記録された命令を有する溝の中の隆起構造など、および前述の任意の好適な組み合わせ。本明細書において用いられるコンピュータ可読ストレージ媒体は、たとえば電波もしくはその他の自由に伝播する電磁波、導波路もしくはその他の伝送媒体を通じて伝播する電磁波（例、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス）、またはワイヤを通じて伝送される電気信号など、それ自体が一時的信号のものであると解釈されるべきではない。

本明細書に記載されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体からそれぞれのコンピューティング／処理デバイスにダウンロードされ得るか、またはたとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、もしくは無線ネットワーク、またはその組み合わせなどのネットワークを介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、もしくはエッジ・サーバ、またはその組み合わせを含んでもよい。各コンピューティング／処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信して、そのコンピュータ可読プログラム命令をそれぞれのコンピューティング／処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に記憶するために転送する。

本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令はアセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ（ＩＳＡ：ｉｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ－ｓｅｔ－ａｒｃｈｉｔｅｃｔｕｒｅ）命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路に対する構成データ、または１つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソース・コードもしくはオブジェクト・コードであってもよく、このプログラミング言語はオブジェクト指向プログラミング言語、たとえばＳｍａｌｌｔａｌｋ、またはＣ＋＋など、および手続き型プログラミング言語、たとえば「Ｃ」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、すべてがユーザのコンピュータで実行されてもよいし、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的にユーザのコンピュータで実行されてもよいし、一部がユーザのコンピュータで、一部がリモート・コンピュータで実行されてもよいし、すべてがリモート・コンピュータまたはサーバで実行されてもよい。後者のシナリオにおいて、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ：ｌｏｃａｌ ａｒｅａ ｎｅｔｗｏｒｋ）または広域ネットワーク（ＷＡＮ：ｗｉｄｅ ａｒｅａ ｎｅｔｗｏｒｋ）を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよいし、（たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを用いてインターネットを通じて）外部コンピュータへの接続が行われてもよい。いくつかの実施形態において、たとえばプログラマブル・ロジック回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ（ＦＰＧＡ：ｆｉｅｌｄ－ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ｇａｔｅ ａｒｒａｙｓ）、またはプログラマブル・ロジック・アレイ（ＰＬＡ：ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ｌｏｇｉｃ ａｒｒａｙｓ）などを含む電子回路は、本発明の態様を行うために電子回路をパーソナライズするためのコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。

本明細書においては、本発明の実施形態による方法、装置（システム）、およびコンピュータ・プログラム製品の流れ図もしくはブロック図またはその両方を参照して、本発明の態様を説明している。流れ図もしくはブロック図またはその両方の各ブロック、および流れ図もしくはブロック図またはその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実現され得ることが理解されるだろう。

これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用目的コンピュータ、特定目的コンピュータ、またはマシンを生成するためのその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されることによって、そのコンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、流れ図もしくはブロック図またはその両方の単数または複数のブロックにおいて指定される機能／動作を実現するための手段を生じてもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、もしくはその他のデバイスまたはその組み合わせに特定の方式で機能するように指示できるコンピュータ可読ストレージ媒体にも保存されることによって、命令が保存されたコンピュータ可読ストレージ媒体が、流れ図もしくはブロック図またはその両方の単数または複数のブロックにおいて指定される機能／動作の態様を実現する命令を含む製造物を含んでもよい。

コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイスにもロードされて、コンピュータに実現されるプロセスを生成するためにコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイスにおいて一連の動作ステップを行わせることによって、そのコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイスにおいて実行される命令が、流れ図もしくはブロック図またはその両方の単数または複数のブロックにおいて指定される機能／動作を実現してもよい。

図面における流れ図およびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施のアーキテクチャ、機能、および動作を示すものである。これに関して、流れ図またはブロック図の各ブロックは、指定される論理機能（単数または複数）を実現するための１つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表してもよい。いくつかの代替的実施において、ブロック内に示される機能は、図面に示されるものとは異なる順序で起こってもよい。たとえば、連続して示される２つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよいし、関与する機能によってはこれらのブロックがときに逆の順序で実行されてもよい。加えて、ブロック図もしくは流れ図またはその両方の各ブロック、およびブロック図もしくは流れ図またはその両方のブロックの組み合わせは、指定された機能を行うか、特定目的のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実施または実行する特定目的のハードウェア・ベースのシステムによって実現され得ることが注目されるだろう。

以下に記載される例示的実施形態は、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングのためのシステム、方法、およびプログラム製品を提供する。このように、本実施形態はブロックチェーン使用可能クラウドソーシングを用いて音声および映像のクローズド・キャプションおよび映像のシーン記述を生成することによってクラウドソーシングの技術分野を改善する能力を有する。より具体的には、コンテンツ・プロバイダはブロックチェーン・システム環境におけるクラウドソーシングを介して、ボランティア参加者に作業プロダクトを作成させてクローズド・キャプションおよびシーン記述情報をフラグメント状態でコンテンツ・プロバイダに提供させることで、完全なアセットまたはスクリプトが公に入手可能にならないようにしてもよい。

前述のとおり、米国は、連邦通信委員会を通じて２１世紀通信および映像アクセシビリティ法（ＣＶＡＡ）を制定することにより、障害のある個人に対する保護を提供した。ＣＶＡＡは、障害のある個人がより新しい技術にアクセス可能になることを確実にすることによって、過去のアクセシビリティの法律を改訂した。新たな技術には、更新されたブロードバンド・サービス、デジタル・イノベーション、およびモバイル・イノベーションを通じた通信アクセスおよび映像プログラミングが含まれてもよい。音声および映像のクローズド・キャプションおよびシーン記述は、進歩した通信サービスに対する更新された技術が必要とする膨大なコンテンツを実現するために、大量のリソースを必要とすることがある。

コンテンツ・プロバイダが、障害があり得る個人のアクセスを可能にするために各映画に対してクローズド・キャプションおよびシーン記述のサポートを提供することを期待することは、現実的ではないかもしれない。加えて経済的な問題によって、コンテンツ・プロバイダまたは小規模スタジオが、障害のある個人に対する通信サービスの更新を必要とするような大量のコンテンツを作成することが困難となるかもしれない。したがって特に、関心のある第３者および個人が分散ブロックチェーン技術を使用することによって、必要とされる付加的素材を作成できるようにすることが有利であり得る。

少なくとも１つの実施形態によると、コンテンツ・プロバイダによって提供される進歩した通信サービスに整合するようにコンテンツを更新するために必要であり得る付加的素材を、個人が作成できるようにされてもよい。個人（例、賛同者、ボランティア、参加者）または２人以上の個人（例、複数の賛同者、複数のボランティア、複数の参加者）がサポート素材を提供するための第３者として動作して、コミュニティ・ベースのクラウドソーシング・モデルを作成してもよい。個人に更新コンテンツを作成するためのツールを与えることは、有効な解決策を提供し得る。クラウドソーシングによって、関心のある個人がシーン記述およびクローズド・キャプション・コンテンツを生成するための時間を寄付または投資することが可能になってもよい。ボランティアは、そのボランティアが熟知している、またはそのメンバである特定のコミュニティに対する、たとえばその特定のコミュニティの要求を満たすように特化され得る委員会または団体などのサポートを提供してもよい。

分散ブロックチェーン技術を用いることによって参加者を調整し、参加者の作業の寄与に対する報奨を提供することは、コンテンツ・プロバイダからのリソースの非現実的な要求を強いることなく解決策を提供し得る。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラムは、コミュニティにシーン記述、クローズド・キャプション、およびその他のサポート素材を作成する能力を与えるために分散ブロックチェーン技術を取り入れてもよく、それによってコンテンツ・プロバイダが障害のある個人に対するアップグレードされた技術を必要とする近年制定された法律によって課される責務を果たすことを可能にしてもよい。コンテンツ・プロバイダは、たとえば小規模、中規模、および大規模のプロダクション・スタジオ、コンテンツ・ジェネレータ・ウェブサイト、一般的なウェブ・コンテンツ・コントリビュータ、講演者、ならびに学会などのエンティティを含んでもよい。

参加者によって提供されるコンテンツに対する正確な記述およびコンプライアンスを確実にするために、ブロックチェーンが用いられてもよい。キャプション、シーン記述、解説、またはプロジェクトに関連するその他の素材の信頼できる評価（すなわちランキング）を提供するために、ブロックチェーンが活用されてもよい。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラムは、参加者のコミュニティが作業寄与を非同期的に提出することを可能にするように、作業配分を管理してもよい。生成およびアップロードされた作業の品質に基づいて参加者が評価を構築することを可能にするために、各参加者の寄与に対するスコアが作成されてもよい。加えて、最良の作業プロダクト（例、キャプション、シーン記述、または付加的な素材）を選択するために評価スコアが取り入れられてもよい。キャプションの配置およびオーバーレイ・コンテンツをどこに位置決めするかは、コンテンツ・プロバイダによって決定されてもよい。加えて参加者のコミュニティは、シーンに関するスクリーン上のどこにオーバーレイ・コンテンツを位置決めするかに関する提案を提供してもよい。コミュニティの提案は、たとえばオーバーレイ・コンテンツをスクリーンの底部から２インチ（５．０４ｃｍ）のところに配置すること、またはスクリーンの特定の部分がそのシーンにとって視覚的に重要な領域であるため、そこにオーバーレイ・コンテンツを配置しないことなどを含んでもよい。

作業品質に対する解決策を提供し、かつキャプションのソースおよびタイミングに対する多くの視聴者に到達するために、自動ツール（例、言語の翻訳）および人間の専門家による手動処理が組み合わされてもよい。加えて、音声バージョンの本を生成するために、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラムが用いられてもよい。たとえば、参加者は通信ネットワークを通じてデータを送信できるマイクロホンを有するコンピュータ・デバイスを介して、音声ファイル（例、ｗａｖまたはｍｐ３ファイル）または音声ファイルへのリンクをアップロードすることによって、音声バージョンの本を提供してもよい。加えて参加者は、たとえば本、物語、詩の素材またはスクリプトにおける特定のキャラクターに対する音声などを提供してもよいし、たとえば英語のアクセントを有する男性または女性ナレーターなど、異なるアクセントおよび言語を有するクラウドソーシング・コミュニティによって、異なるバージョンの音声が提出されてもよい。

ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラムは、スマート・コントラクトまたは複数のスマート・コントラクトを含んでもよい。スマート・コントラクトは、キャプションを得るためにユーザ（例、参加者）が各アセットの適切なフラグメントを入手できるようにしてもよい。アセットは、たとえばスタジオからの全スクリプトなどの作業の全体を含んでもよい。加えて、アセットは保護データまたは機密データを含んでもよい。フラグメントは、アセットのパーティションまたはセクションであってもよい。アセットを多数のフラグメントに分割するとき、参加者によって作業の全体をつなぎ合わせることは困難となり得るため、アセットの保護が保たれ得る。寄与を提出した参加者のセットから最良の作業プロダクト（例、完了したフラグメント）を選択することによって、よりロバストで信頼性の高い素材が確実になってもよい。この選択プロセスはタスクに駆動されるやり方で行われてもよく、それは時間を自発的に提供した参加者に報酬を与えてもよい。報酬は、たとえば無料のオンライン映画、無料チケット、またはポイント・タイプの報酬システムなどを含んでもよい。参加者のランキングによって、各参加者が評価を構築するやり方を提供してもよく、その評価が特定のレベルに達するか、または特定のスコアに達したときに、参加者はその参加者の作業プロダクトに対する料金（例、金銭または通貨）を請求してもよい。作業プロダクトが利用可能になるとき、コンテンツ・プロバイダは生成された素材をどのように見せるか（すなわち、生成された素材とフレームとの作業プロダクト・マッピング）を決定してもよく、かつたとえば映画または映像に対する最良バージョンのシーン記述などの、最良バージョンの作業プロダクトを構成してもよい。加えて、たとえば保護者の承認を必要とするバージョンなどの代替バージョンが提供されてもよい。代替バージョンは、スマート・コントラクトへの自然言語アプリケーションの埋め込みを含んでもよい。

ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラムは、視覚または聴覚障害のある個人がたとえばシーン記述、クローズド・キャプション、およびその他のサポート素材などにアクセスすることを可能にするために、クラウドソーシング・コミュニティ参加者が作業プロダクトを供給できるように、コンテンツ・プロバイダがアセットを分配するための方法を提供してもよい。アセットは分割されてフラグメントにされてもよく、それらのフラグメントは所有権を保護するためにブロックチェーン・ネットワークによってスクランブル化されて保護されてもよい。ブロックチェーン・ネットワーク内のフラグメントは、異なるアセット・フラグメントを組み合わせることによってスクランブル化されてもよい。アセットは、認知的または自然言語技術を用いて作業可能なフラグメントに分割されてもよいし、手動で分割が行われてもよい。認知的および自然言語プログラムおよびプロセスは、話者の変化またはシーンの変化を検出してもよい。認知的および自然言語プログラムおよびプロセスは、たとえば自然言語処理（ＮＬＰ：ｎａｔｕｒａｌ ｌａｎｇｕａｇｅ ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ）などを含んでもよい。ＮＬＰは、構造化および非構造化データを処理して有意義な情報にしてもよい。ＮＬＰは、たとえばビデオ・クリップまたは映画などのシーンを分析して、アセットをフラグメントにパーティション化するための有意義または有用な場所を見出してもよい。ＮＬＰシステムは作成されてルールまたは機械学習によってトレーニングされてもよく、たとえばコンピュータまたはサーバなどにおいてＮＬＰ処理が実行されてもよい。

コンテンツ・プロバイダは、素材をケース・バイ・ケースでリリースしてもよい。コンテンツ・プロバイダがリリースしてもよい素材のタイプの例は、音声トラック、タイミング情報、生ビデオ映像（すなわち不完全なビデオ映像）、スクリプト、またはストーリーボードを含む。コンテンツ・プロバイダは、どの素材がリリースされるかに関する決定権を使用してもよい。次いでコンテンツ・プロバイダは、必要とされるロジックおよび許可を有するスマート・コントラクトを配置して、クラウドソーシング作業（すなわちプロジェクト、アセット、フラグメント）を調整してもよい。スマート・コントラクトは元の素材の各フラグメントに対して呼び出されて、各フラグメントをブロックチェーンにインストールしてもよい。各トランザクションはリンク不可能であってもよく、ブロックチェーン・ネットワークにおいて他のトランザクションとシャッフルされてもよい。各フラグメントはシャッフルされたトランザクションに含まれてもよく、各参加者は作業を行うために利用可能なフラグメントを有してもよい。トランザクションは、ブロックチェーン・ネットワークを通じて参加者に配置された元の素材のフラグメントを含んでもよく、分配された素材（すなわち、参加者に対するフラグメントに分割されたアセット）に対するスマート・コントラクトが呼び出されてもよい。

各アセットは、複数のフラグメントに分割される。それらのフラグメントはスクランブル化されてもよい。各アセットが分割されてなるフラグメントの数が大きいほど、複数の参加者が共謀して全アセットを再現できる可能性が低くなる。たとえば、１つの全アセットは映画のスクリプトである。もしこのスクリプトが３つのフラグメントに分割されれば、１つのフラグメントに対する作業を行う参加者が残り２つのフラグメントに対する作業を行う残り２人の参加者と話をして、スクリプト全体にアクセスできるかもしれない。もしこのスクリプトが１，０００のフラグメントに分割されれば、参加者がスクリプト全体へのアクセスを得る可能性はかなり低くなるだろう。

ブロックチェーン・ネットワークにフラグメントが分配されると、任意の参加者はコンテンツ・プロバイダのスマート・コントラクトの１つの機能を呼び出すことによって、作業すべきフラグメント（すなわちトランザクション）を検索してもよい。このフラグメント検索プロセスは、参加者のアクセスを追跡するために参加者からの認証を必要としてもよい。参加者がフラグメントに対するコンテンツ（すなわち作業プロダクト）の作成を終えるとき、参加者はそのコンテンツをブロックチェーン・ネットワークにアップロードまたは提出してもよく、それによってコンテンツ・プロバイダのスマート・コントラクトの別の機能が呼び出されてもよい。スマート・コントラクトの他の機能の１つは、フラグメントに対して作成されたコンテンツをユーザ識別子（例、ユーザ名）とともにアップロードして、将来の参照（すなわち、評価スコアの計算）のために作業とその作業を作成した参加者とを関連付けることを含んでもよい。各フラグメントは複数の参加者によって処理されてもよく、各参加者は別の参加者について知らなくてもよい。コンテンツ・プロバイダは、素材の所有者のみが呼び出し得るスマート・コントラクトからの別の機能を呼び出すことによって、いつでもプロセスの進行状況を追跡してもよい。スマート・コントラクトの他の機能の１つは、１つのアセットを完了するためにいくつの処理すべきフラグメントが残っているかの進行状況を追跡することを含んでもよい。

収集された素材の最良のバージョンを構成するために、参加者によって生成される作業プロダクトはキュレートされる必要があるかもしれない。キュレーション・プロセスは、ブロックチェーン・ネットワークにおけるクラウドソーシング、またはブロックチェーンを用いたリアルタイムのコンテンツ・キュレーションのためのクラウド投票も含んでもよい。キュレートされたバージョンの作業プロダクトが作成されると、コンテンツ・プロバイダは最終プロダクト（例、映画またはテレビジョン・ショー）によって生成素材を提示する最良のやり方を決めてもよい。コンテンツ・プロバイダは利用可能な収集素材の最良バージョンを用いてもよく、特定の期間の後に、クラウドソーシング・コミュニティによって改善された新たなセグメントによって素材の一部を置換または更新してもよい。生成された素材は静的コンテンツまたは動的コンテンツに適用されてもよく、たとえばキャプションまたはシーン記述は、物理的媒体の映画、ストリーミング・コンテンツ、スタジオ・コンテンツ、または消費者コンテンツに用いられてもよい。次いで、たとえば寄与の数およびキュレーション・プロセスの間に提供されたフィードバックなどに基づいて、１人の参加者または複数の参加者に対する評価スコアが生成されてもよい。スコアに対する計算は、システム・チェーンコードを通じてブロックチェーン・ネットワークによって提供されてもよいし、コンテンツ・プロバイダによって調整されて、特定のアセットに関連するスマート・コントラクトにおいて実現されてもよい。

図１を参照すると、一実施形態による例示的ネットワーク形成コンピュータ環境１００が示されている。ネットワーク形成コンピュータ環境１００は、プロセッサ１０４と、ソフトウェア・プログラム１０８を実行可能なデータ・ストレージ・デバイス１０６と、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａとを有するコンピュータ１０２を含んでもよい。加えてネットワーク形成コンピュータ環境１００は、データベース１１４および通信ネットワーク１１６と対話し得るブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ｂを実行可能なサーバ１１２を含んでもよい。ネットワーク形成コンピュータ環境１００は複数のコンピュータ１０２およびサーバ１１２を含んでもよく、それらのうちの１つだけが示されている。通信ネットワーク１１６は、たとえば広域ネットワーク（ＷＡＮ）、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ）、電気通信ネットワーク、無線ネットワーク、パブリック・スイッチド・ネットワーク、もしくは衛星ネットワーク、またはその組み合わせなどのさまざまなタイプの通信ネットワークを含んでもよい。当然のことながら、図１は１つの実施の例示のみを提供するものであり、異なる実施形態が実現され得る環境に関するいかなる制限も意味するものではない。設計および実施の要求に基づいて、示される環境に対する多くの修正が行われてもよい。

クライアント・コンピュータ１０２は、通信ネットワーク１１６を介してサーバ・コンピュータ１１２と通信してもよい。通信ネットワーク１１６は、たとえばワイヤ、無線通信リンク、または光ファイバ・ケーブルなどの接続を含んでもよい。図４を参照して考察されることとなるとおり、サーバ・コンピュータ１１２は内部コンポーネント９０２ａおよび外部コンポーネント９０４ａをそれぞれ含んでもよく、クライアント・コンピュータ１０２は内部コンポーネント９０２ｂおよび外部コンポーネント９０４ｂをそれぞれ含んでもよい。加えてサーバ・コンピュータ１１２は、たとえばサービスとしてのソフトウェア（ＳａａＳ：Ｓｏｆｔｗａｒｅ ａｓ ａ Ｓｅｒｖｉｃｅ）、サービスとしてのプラットフォーム（ＰａａＳ：Ｐｌａｔｆｏｒｍ ａｓ ａ Ｓｅｒｖｉｃｅ）、またはサービスとしてのインフラストラクチャ（ＩａａＳ：Ｉｎｆｒａｓｔｒｕｃｔｕｒｅ ａｓ ａ Ｓｅｒｖｉｃｅ）などのクラウド・コンピューティング・サービス・モデルにおいて動作してもよい。加えてサーバ１１２は、たとえばプライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、またはハイブリッド・クラウドなどのクラウド・コンピューティング配置モデル内に位置してもよい。クライアント・コンピュータ１０２は、たとえばモバイル・デバイス、電話、パーソナル・デジタル・アシスタント、ネットブック、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、またはプログラムの実行、ネットワークへのアクセス、およびデータベース１１４へのアクセスが可能な任意のタイプのコンピュータ・デバイスなどであってもよい。本実施形態のさまざまな実施によると、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂはデータベース１１４と対話してもよく、データベース１１４は、たとえばコンピュータ／モバイル・デバイス１０２、ネットワーク形成サーバ１１２、またはクラウド・ストレージ・デバイスなどであるがそれに限定されないさまざまなストレージ・デバイスに埋め込まれてもよい。

本実施形態によると、クライアント・コンピュータ１０２またはサーバ・コンピュータ１１２を用いるユーザは、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂを（それぞれ）用いて、音声および映像のクローズド・キャプションおよび映像のシーン記述を生成してもよい。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング法については、図２および図３に関して以下により詳細に説明する。

ここで図２を参照すると、少なくとも１つの実施形態によるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００を示すブロック図が示されている。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００は、コンピュータ（例、コンピュータ１０２）、サーバ（例、サーバ１１２）、スマート・フォン、タブレット、またはＩＯ動作の送信および受信ならびにデータの処理が可能なデバイスにおいて動作してもよい。これらのデバイスは通信してもよく、通信ネットワーク１１６を介して接続されてもよい。

アセット２０２は複数のフラグメントに分割されてもよく、それらのフラグメントはスクランブル化されてもよい。アセット２０２はコンテンツ・プロバイダ２０４によって、たとえば音声トラック、スクリプト、ストーリーボード、タイミング情報、または生ビデオ映像（すなわち、不完全なビデオ映像）などの形でブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に提示されてもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４の例は、スタジオ、コンテンツ・ジェネレータ・ウェブサイト、一般的なウェブ・コンテンツ・コントリビュータ、講演者、および学会を含んでもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４は、ブロックチェーンにアセットをリリースしてもよい２０６（すなわち、サーバ１１２上で動作し、かつ通信ネットワーク１１６を用いるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に、コンピュータ１０２上にセーブされたアセットをアップロードする）。アセット２０２はスクランブル化フラグメントであっても、非スクランブル化フラグメントであってもよい。フラグメントはコンテンツ・プロバイダ２０４によって手動で分けられてもよいし、フラグメントは認知的または自然言語処理技術を用いて分けられてもよい。

次いで、アセット・フラグメント２０８のブロックチェーンはハッシュ化されてもよい。アセット・フラグメント２０８をハッシュ化してブロックチェーン・ログにすることは、トランザクションの台帳またはアセット・フラグメント２０８のログからなっていてもよい。特定数のアセット・フラグメント２０８が受信されたときに、大量のデータを固定長のハッシュに変え得るアルゴリズムを用いて、アセット・フラグメント２０８がハッシュ化されてもよい。２０６においてコンテンツ・プロバイダ２０４がブロックチェーン・ネットワークにアセット２０２をリリースした後、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは、アセット２０２がスマート・コントラクト２１０に支配されることを必要としてもよい。スマート・コントラクト２１０は、参加者がアセット２０２の適切なフラグメントを利用できるようにしてもよい。加えてコンテンツ・プロバイダ２０４は、スマート・コントラクト２１０を用いて、未処理のアセット・フラグメント２１２の量のクエリを行ってもよい（すなわちコンテンツ・プロバイダ２０４は、いくつのアセット・フラグメント２０８が終了しており、プロジェクトまたはアセット２０２を完了するためにあといくつのアセット・フラグメント２０８が必要かをチェックして知ることができる）。未処理のアセット・フラグメント２１２とは、たとえばプロジェクトが終了する前に未解決であるアセット・フラグメント２０８の数であってもよい。

賛同者２１４とは、アセット２０２のフラグメントを完了させるために時間を費やしている参加者であってもよい。賛同者２１４は、フラグメントに関連するスマート・コントラクト２１０を通じて、ブロックチェーン・ネットワーク２１６からフラグメントを検索するか、またはブロックチェーン・ネットワークにフラグメント・コンテンツ２１８を提出してもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４によってスマート・コントラクト２１０パラメータが作成されてもよく、加えてスマート・コントラクト２１０は参加者の評価２２０を更新してもよい。評価を作成するために、参加者はランキングまたはスコア付けされてもよい。スマート・コントラクト２１０パラメータは、アセット２０２のために作成されるべきフラグメントの数、各処理フラグメントに対する評価スコア報酬、もしあれば各フラグメントに対する追加報酬、およびフラグメントを処理するために賛同者がフラグメントを入手可能となる期間を含んでもよい。ランキングおよびスコア付けのためのプロセスは、各処理フラグメントに対する評価スコア報酬と、たとえば所与の時間フレーム以内に作業を完了したこと、または大量の完了フラグメントを提出したことなどの任意の追加報酬とをまとめることを含んでもよい。

ここで図３を参照すると、少なくとも１つの実施形態によるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂによって使用される例示的なブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プロセス３００を示す動作流れ図が示されている。

３０２において、アセット２０２が受信される。コンテンツ・プロバイダ２０４は、アセット２０２を生成してブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に提供してもよい。たとえば、コンテンツ・プロバイダ２０４はコンピュータ１０２を用いてアセット２０２をアップロードし、ここでアセット２０２はコンピュータ・データ・ストレージ・デバイス１０６にセーブされ、アセット２０２はコンピュータまたはサーバ１１２上のブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂを通じて処理される。アセット２０２は、たとえば映画、スクリプト、または生ビデオ映像などのクローズド・キャプション情報を作成するために用いられる素材であってもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４によってブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００にリリースされる素材またはアセット２０２は、音声トラック、タイミング情報、生ビデオ映像、スクリプト、またはストーリーボードであってもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４はスタジオの判断でアセット２０２をリリースしてもよく、コンテンツ・プロバイダ２０４はリリースされるべき素材のタイプをケース・バイ・ケースで選択してもよい。リリースされたアセット２０２は、聴覚障害または視覚障害のある個人のアクセスを可能にするためのクローズド・キャプションに対するシーン記述およびその他のサポート素材をクラウドソーシング・コミュニティが作成することを可能にしてもよい。

次に３０４において、スマート・コントラクト２１０が配置される。コンテンツ・プロバイダ２０４は、クラウドソーシング作業（すなわちアセット２０２）に関連する特定の許可を有するスマート・コントラクト２１０を配置してもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４によって設定される許可は、作業ルール、補償ルール、特権、およびアセット２０２の進行状況を追跡することを含んでもよい。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・ネットワーク２００にインストールまたはアップロードされるアセット２０２（すなわち元の素材）の各フラグメントに対して、スマート・コントラクト２１０が呼び出されてもよい。作業ルールの例は、コンテンツが特定の言葉を回避することを指示し、どの特定の言葉を翻訳すべきでないかを勧告するか、またはその回避される言葉をシーンの中でどのように記載するかを推奨する、保護者承認バージョンの要求を含んでもよい。他の作業ルールの１つは、各フラグメントに対する変動する重要性の割り当てを含んでもよい。たとえば、最も重要なシーンは、サブジェクト・マター・エキスパート（ＳＭＥ：ｓｕｂｊｅｃｔ ｍａｔｔｅｒ ｅｘｐｅｒｔ）か、クローズド・キャプションを行っている専門家か、または高い評価スコア（すなわち特定の値または閾値よりも高い）を有する賛同者によってのみ処理され得る。付加的なルールは、コンテンツ・プロバイダ２０４が特定のセグメントに表示すべき文字数の制限を指定することを含んでもよい。文字の制限は、コンテンツ・プロバイダ２０４によって手動で指定されてもよいし、機械学習（ＭＬ：ｍａｃｈｉｎｅ ｌｅａｒｎｉｎｇ）アプローチを用いて自動的に生成されてもよい。たとえば、ＭＬアプローチは経時的に受信フラグメントのすべてから学習でき、類似のシーンに対する平均のクローズド・キャプションの長さの推定値を計算できる。他のルールの１つは、どのフラグメントがより高いかまたはより低い重要性を有し得るかを決めることを含んでもよく、たとえばいくつかのフラグメントはシーンにとって重要であって省くことはできないかもしれず、他のフラグメントはもし期限が迫っていれば必要ないかもしれないため、アセット２０２に対して利用可能なフラグメントが使用されてもよく、あまり重要でないフラグメントは参加者によってアップロードされた際に追加されてもよい。

たとえば補償ルールは、評価スコア報酬、もしそのフラグメントが所与の期間内に完了されれば追加報酬、排他的オンライン・コンテンツにアクセスするためのコード（例、ポイント、トークン、またはディスカウント）、または映画のチケットもしくはその他の報酬と引き換えるためのコードを含んでもよい。特権およびアセット２０２の進行状況の追跡は、コンテンツ・プロバイダ２０４がアセット２０２の状態についての問い合わせを行って、アセット２０２作業プロダクトが完了する前にいくつのフラグメントが未解決であるかを知ることを可能にすることを含んでもよい。

１つのスマート・コントラクト２１０は、コンテンツ・プロバイダ２０４（すなわち、コンテンツ・オーナ）によってブロックチェーン・ネットワークにアセット・フラグメント２０８を提出することに関連する許可を含んでもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４がアセット・フラグメント２０８を提出またはアップロードするための、スマート・コントラクト２１０疑似コードの例を以下に示す。

他のスマート・コントラクト２１０の１つは、たとえば参加者（例、賛同者２１４）が作業すべきフラグメントを要求することに関連する許可を含んでもよい。参加者が作業すべきフラグメントを要求するための、スマート・コントラクト２１０疑似コードの例を以下に示す。

ここでｖｅｒｉｆｙＵｓｅｒＣｅｒｔｉｆｉｃａｔｅは、有効な認証局（ＣＡ：Ｃｅｒｔｉｆｉｃａｔｅ Ａｕｔｈｏｒｉｔｙ）によって認証が署名されていることを検証してもよく、フラグメントＩＤがＣＡの許可したフラグメント上にあることを検証してもよく、かつフラグメントＩＤがユーザ認証（ｕｓｅｒＣｅｒｔ）上にあることを検証してもよい。ＣＡは、パブリックまたはプライベート・キーの所有権をデジタル的に認証してもよい（例、ハイパーテキスト転送プロトコル・セキュア（ＨＴＴＰＳ：ｈｙｐｅｒｔｅｘｔ ｔｒａｎｓｆｅｒ ｐｒｏｔｏｃｏｌ ｓｅｃｕｒｅ）またはセキュア・ソケット・レイヤ（ＳＳＬ：ｓｅｃｕｒｅ ｓｏｃｋｅｔｓ ｌａｙｅｒ）サーバ認証）。

他のスマート・コントラクト２１０の１つは、フラグメントに対する作業プロダクトの寄与を提出することに関連する許可を含んでもよい。参加者が作業プロダクト・フラグメントを提出してブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に戻すための、スマート・コントラクト２１０疑似コードの例を以下に示す。

他のスマート・コントラクト２１０の１つは、フラグメントに対する作業プロダクトの寄与を得ることに関連する許可を含んでもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４がフラグメント作業プロダクトの参加者の寄与を受信するための、スマート・コントラクト２１０疑似コードの例を以下に示す。

他のスマート・コントラクト２１０の１つは、ＣＡを作成するためのオプションのスマート・コントラクト２１０に関連する許可を含んでもよい。ＣＡを作成するための許可に対するスマート・コントラクト２１０疑似コードの例を以下に示す。

ＣＡは複雑なシナリオにおいてユーザ認証を作成する責を負い得るため、ＣＡの使用は有益であってもよい。しかし、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００においてはＣＡの使用が必要とされないことがある。たとえばＣＡは、各ユーザに対する異なるフラグメント識別を有する認証を作成することによって、自身のメンバにタスクを割り当ててもよい。加えてＣＡは、メンバがプロジェクトに対する作業プロダクトに寄与することを許可するために、自身のメンバとの対面での対話を有してもよい。

次いで３０６において、アセット２０２はパーティション化され、作業配分が処理される。スマート・コントラクト２１０とフラグメントとを関連付けるトランザクションはリンク不可能であってもよく、ブロックチェーン・ネットワーク上の他のトランザクションとシャッフルされてもよい。リリースされたアセット２０２は、スクランブル化フラグメントまたは非スクランブル化フラグメントからなっていてもよい。コンテンツ・プロバイダ２０４によってリリースされたアセット２０２は、分割またはパーティション化されてフラグメントになっていてもよい。フラグメントの数は、コンテンツ・プロバイダ２０４によって決められてもよい。アセット２０２からより多くのフラグメントが作成された方が、参加者が他の参加者と共謀してアセット２０２をつなぎ合わせられなくなる可能性が高くなる。フラグメントの分割は手動で行われてもよいし、認知的または自然言語処理技術を用いて行われてもよい。認知的および自然言語処理技術は、たとえば音声における話者の変化または映画におけるシーンの変化を検出してもよい。

次に３０８において、アセット・パーティション（すなわちフラグメント）がブロックチェーンにリリースされる。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは、パーティション化アセット（すなわちフラグメント）を送って、アセット・フラグメント２０８のブロックチェーンによってハッシュ化されるようにしてもよい。リリースされたフラグメントは、３０４において提供されたスマート・コントラクト２１０の特定の許可と関連付けられてもよい。ブロックチェーンはフラグメントと、関連するスマート・コントラクト２１０と、許可とをログ化およびハッシュ化して、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に入れられたデータの不変のアカウントを作成してもよい。

たとえば、新たなアニメーション映画のストーリーボード（すなわち、アセット２０２）に対する１０，０００のフラグメントが生成およびリリースされる。必要とされる作業は、ストーリーボードに基づいてシーン記述を生成することである。ストーリーボード情報は、コンテンツ・プロバイダ２０４によって手動でフラグメント化されてもよいし、たとえばＮＬＰなどの自動プロセスを用いてフラグメント化されてもよい。次いで各フラグメントは、ブロックチェーン・ネットワークにリリースされた他のアセット・フラグメント２０８とともにハッシュ化およびスクランブル化されるだろう。

３１０において、各パーティションまたはフラグメントに対するアクセシビリティ情報が生成される。アクセシビリティ情報は、クラウドソーシング・コミュニティに関連付けられてもよい。アクセシビリティに対するクラウドソーシングは、ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン（ＷＣＡＧ：Ｗｅｂ Ｃｏｎｔｅｎｔ Ａｃｃｅｓｓｉｂｉｌｉｔｙ Ｇｕｉｄｅｌｉｎｅｓ）規格を使用してもよい。どの参加者がフラグメントにアクセスできるようにされてもよいかを制御するために、各フラグメントに対して要求されるアクセス許可が適用されてもよい。もしアクセス許可が必要なければ、すべての参加者が作業すべきフラグメントを検索できてもよい。アクセシビリティの例はプラットフォームを含んでもよく、そこでユーザは個人または人間によって行われるべきタスクを要求してもよく、個人は与えられたサービスに対する少額決済を受け取るだろう。アクセシビリティ情報を生成することによって、スマート・コントラクト２１０を介してアクセスする参加者に対してフラグメントがアクセス可能になり、完了されてもよい。

過去にリリースされて参加者によって完了されていないフラグメントに対するアクセシビリティ情報も生成されてもよい。たとえば、参加者Ａは完了させるべきフラグメントを受信したが、参加者Ａは指定された時間内にフラグメントを完了させなかったとき、そのフラグメントは参加者Ｂが作業して完了させるためにアクセス可能になってもよい。加えて、たとえば１つのフラグメントが２人以上の参加者によって完了されることもあるため、同時に２人以上の参加者にアクセシビリティが提供されてもよい。

次いで３１２において、スマート・コントラクト２１０を用いて通知によって進行状況が送られる。コンテンツ・プロバイダ２０４は、スマート・コントラクト２１０を用いてアセット２０２の作業プロダクトの進行状況を通知されてもよい。スマート・コントラクト２１０許可を通じて問い合わせることによって、コンテンツ・プロバイダ２０４はたとえばコンピュータまたはサーバ１１２上に、アセット２０２作業プロダクトが完了する前に特定のアセット２０２のいくつのフラグメントが未解決であるかに関する通知情報を得てもよい。

次に３１４において、スマート・コントラクト２１０を用いて各フラグメントの進行状況が追跡される。各参加者がフラグメント作業プロダクトを完成およびアップロードしてブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に戻す際に、その進行状況が追跡される。たとえば、コンピュータ１０２を用いる参加者が通信ネットワーク１１６を介して完了したフラグメントをアップロードすると、この作業の提出がスマート・コントラクト２１０によって追跡される。スマート・コントラクト２１０はたとえば、参加者によってアセット２０２のいくつのフラグメントが受信またはアップロードされたか、および完了させるべき特定のアセット２０２に対していくつのフラグメントが未解決であるかを追跡してもよい。

次いで３１６において、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは、作業が完了したかどうかを判定する。少なくとも１つの実施形態によると、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは、参加者がブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・システム・ネットワーク２００に完了した作業フラグメントを提出する（例、完了したフラグメントをコンピュータ１０２を介してアップロードする）ときに、作業が完了しただろうと判定してもよく、次いでコンテンツ・プロバイダ２０４はスマート・コントラクト２１０を介して（例、コンピュータ・デバイス上にアラートによって）通知される。アセット２０２に対する予め定められた数、量、またはパーセンテージの通知があるとき、コンテンツ・プロバイダ２０４は作業が完了したと判定してもよい。予め定められた量の通知は、特定のアセット２０２の状況によって決まってもよい。

たとえば１，０００のフラグメントがあるときは、フラグメントの作業が完了したことを判定するために各一意フラグメントに対する１つの通知（すなわち、１，０００の通知）で十分かもしれないが、各完了通知は生成された作業の品質を保証しないかもしれない。完了した作業を判定するための他のやり方の１つは、コンテンツ・プロバイダ２０４が作業が完了したと判定する前に、予め定められた数の指定されたレベルの品質を有する通知を要求することを含んでもよい。スマート・コントラクト２１０を介した各通知に対して、賛同者によって生成されたコンテンツが手動的または自動的に（例、コンテンツ・プロバイダ２０４によって手動的に、またはＮＬＰによって自動的に）分析されて、作業プロダクトの品質が定められてもよく、完了したフラグメントはコンテンツ・プロバイダ２０４によって受容または拒絶されてもよい。たとえば、完了したとみなされる前に１，０００のフラグメントに予め定められたレベルの品質が要求されるとき、参加者から返される１，０００のフラグメントすべてが予め定められたレベルの品質を満たすまで、作業またはアセット２０２は完了したとみなされない。

代替的実施形態は、参加者が１つ以上のフラグメントに対する作業プロダクトを提出することを可能にしてもよく、各フラグメントは台帳に記録されて、後にコンテンツ・プロバイダ２０４によるクエリが可能であってもよい。参加者が一度に提出し得るフラグメントの数は、変動してもよい。

３１６において、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂが作業は完了していないと判定するとき、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは３１０に戻って、各パーティションまたはフラグメントに対するアクセシビリティ情報を生成することとなる。

３１６において、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂが作業は完了したと判定するとき、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは３１８において、スマート・コントラクト２１０の補償ルールを適用することとなる。補償ルールは、参加者がフラグメントに対する作業を行うために自発的に提供した時間によって報酬を受けることを可能にしてもよい。報酬は、たとえば無料のオンライン映画、無料チケット、またはポイント・タイプの報酬システムなどを含んでもよい。参加者がポジティブな評価を構築したとき、その参加者は金銭または通貨による報酬を受けてもよい。

補償ルールの実行を引き起こすために、プル・モデルまたはプッシュ・モデルが用いられてもよい。プル・モデルはサーバ１１２から情報が要求されることを可能にしてもよく、プッシュ・モデルは明確な要求なしにデバイスに情報を送信してもよい。補償ルールの実行の決定は、特定の時間間隔で行われてもよいし、イベント（例、参加者によって作業が完了およびアップロードされること）によって引き起こされてもよい。たとえば、参加者によって作業が完了されて受容できる品質にて提出されても、その参加者とコンテンツ・プロバイダ２０４とのビジネス合意に基づいて、参加者はそれより後の時期まで補償されないことがある。加えてスマート・コントラクト２１０は、定期的に台帳内の情報のクエリを行って、作業を完了した参加者のリストを定め、コンテンツ・プロバイダ２０４に通知し、参加者に報酬または支払いを与えるための補償ルールを引き起こしてもよい。たとえばアセット２０２が多数のフラグメントに分割されるときなどのいくつかのシナリオにおいては、特定の時間間隔で補償を提供することが効率的であってもよい。

次いで３２０において、各参加者の評価スコアの更新または割り当てがなされる。生成およびアップロードされた作業の品質に基づいて参加者が評価を構築することを可能にするために、各参加者の寄与に対するスコアが作成されてもよい。加えて、最良の参加者作業プロダクト、たとえばキャプション、シーン記述、または付加的な素材などを選択するために、評価スコアが取り入れられてもよい。評価スコアが高いほど、より多くの重みが品質作業プロダクトに関連付けられてもよい。参加者のランキングも参加者のスコアに関連付けられてもよい。たとえば、複数の参加者によって同じフラグメントが作成されたとき、参加者スコアおよびランキングは、映画または映像に対する最良バージョンのシーン記述を提供してもよい。加えて、たとえば保護者の承認を必要とするバージョンなどの代替バージョンが提供されてもよい。代替バージョンは、スマート・コントラクト２１０への自然言語アプリケーションの埋め込みを含んでもよい。

当然のことながら、図２および図３は一実施形態の例示のみを提供するものであり、どれほど異なる実施形態が実現されてもよいかに関するいかなる制限も意味するものではない。設計および実施の要求に基づいて、示される実施形態（単数または複数）に対する多くの修正が行われてもよい。

図４は、本発明の例示的実施形態による図１に示されるコンピュータの内部および外部コンポーネントのブロック図９００である。当然のことながら、図４は１つの実施の例示のみを提供するものであり、異なる実施形態が実現され得る環境に関するいかなる制限も意味するものではない。設計および実施の要求に基づいて、示される環境に対する多くの修正が行われてもよい。

データ処理システム９０２、９０４は、マシン可読プログラム命令を実行できる任意の電子デバイスを表す。データ処理システム９０２、９０４はスマート・フォン、コンピュータ・システム、ＰＤＡ、またはその他の電子デバイスを表してもよい。データ処理システム９０２、９０４によって表され得るコンピュータ・システム、環境、もしくは構成、またはその組み合わせの例は、パーソナル・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、シン・クライアント、シック・クライアント、ハンドヘルドまたはラップトップ・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、ネットワークＰＣ、ミニコンピュータ・システム、および上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散型クラウド・コンピューティング環境を含むが、それに限定されない。

ユーザ・クライアント・コンピュータ１０２およびネットワーク・サーバ１１２は、図４に示される内部コンポーネント９０２ａ、ｂおよび外部コンポーネント９０４ａ、ｂのそれぞれのセットを含んでもよい。内部コンポーネント９０２ａ、ｂのセットの各々は１つ以上のプロセッサ９０６と、１つ以上のコンピュータ可読ＲＡＭ９０８と、１つ以上のコンピュータ可読ＲＯＭ９１０とを１つ以上のバス９１２上に含み、かつ１つ以上のオペレーティング・システム９１４と、１つ以上のコンピュータ可読有形ストレージ・デバイス９１６とを含む。クライアント・コンピュータ１０２における１つ以上のオペレーティング・システム９１４、ソフトウェア・プログラム１０８、およびブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａと、ネットワーク・サーバ１１２におけるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ｂとは、１つ以上のＲＡＭ９０８（通常はキャッシュ・メモリを含む）を介した１つ以上のプロセッサ９０６による実行のために、１つ以上のコンピュータ可読有形ストレージ・デバイス９１６に保存されてもよい。図４に示される実施形態において、コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス９１６の各々は、内部ハード・ドライブの磁気ディスク・ストレージ・デバイスである。代替的に、コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス９１６の各々は、たとえばＲＯＭ９１０、ＥＰＲＯＭ、フラッシュ・メモリ、またはコンピュータ・プログラムおよびデジタル情報を保存し得る任意のその他のコンピュータ可読有形ストレージ・デバイスなどの半導体ストレージ・デバイスである。

内部コンポーネント９０２ａ、ｂの各セットは、たとえばＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ、メモリ・スティック、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、または半導体ストレージ・デバイスなどの１つ以上のポータブル・コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス９２０からの読取りおよびそこへの書込みを行うためのＲ／Ｗドライブまたはインタフェース９１８も含む。たとえばソフトウェア・プログラム１０８などのソフトウェア・プログラムと、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂとは、それぞれのポータブル・コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス９２０の１つ以上に保存され、それぞれのＲ／Ｗドライブまたはインタフェース９１８を介して読取られ、それぞれのハード・ドライブ９１６にロードされ得る。

内部コンポーネント９０２ａ、ｂの各セットは、たとえばＴＣＰ／ＩＰアダプタ・カード、無線ｗｉ－ｆｉインタフェース・カード、または３Ｇもしくは４Ｇ無線インタフェース・カード、あるいはその他の有線または無線通信リンクなどのネットワーク・アダプタ（またはスイッチ・ポート・カード）またはインタフェース９２２も含んでもよい。クライアント・コンピュータ１０２におけるソフトウェア・プログラム１０８およびブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａと、ネットワーク・サーバ・コンピュータ１１２におけるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ｂとは、ネットワーク（たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、またはその他の広域ネットワークなど）と、それぞれのネットワーク・アダプタまたはインタフェース９２２とを介して、外部コンピュータ（例、サーバ）からダウンロードされ得る。ネットワーク・アダプタ（またはスイッチ・ポート・アダプタ）またはインタフェース９２２から、クライアント・コンピュータ１０２におけるソフトウェア・プログラム１０８およびブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａと、ネットワーク・サーバ・コンピュータ１１２におけるブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ｂとが、それぞれのハード・ドライブ９１６にロードされる。ネットワークは銅線、光ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、もしくはエッジ・サーバ、またはその組み合わせを含んでもよい。

外部コンポーネント９０４ａ、ｂのセットの各々は、コンピュータ・ディスプレイ・モニタ９２４と、キーボード９２６と、コンピュータ・マウス９２８とを含み得る。外部コンポーネント９０４ａ、ｂはタッチ・スクリーン、仮想キーボード、タッチ・パッド、ポインティング・デバイス、およびその他のヒューマン・インタフェース・デバイスも含み得る。内部コンポーネント９０２ａ、ｂのセットの各々は、コンピュータ・ディスプレイ・モニタ９２４、キーボード９２６、およびコンピュータ・マウス９２８とインタフェースするためのデバイス・ドライバ９３０も含む。デバイス・ドライバ９３０、Ｒ／Ｗドライブまたはインタフェース９１８、およびネットワーク・アダプタまたはインタフェース９２２は、ハードウェアおよびソフトウェアを含む（ストレージ・デバイス９１６もしくはＲＯＭ９１０またはその両方に保存される）。

この開示はクラウド・コンピューティングに対する詳細な説明を含むが、本明細書に述べられている教示の実施はクラウド・コンピューティング環境に限定されないことが予め理解される。本発明の実施形態は、現在公知であるか、後に開発される任意のその他のタイプのコンピューティング環境とともに実現され得る。

クラウド・コンピューティングは、最小限の管理努力またはサービスのプロバイダとの対話によって迅速にプロビジョニングおよびリリースされ得る構成可能なコンピューティング・リソース（例、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想機械、およびサービス）の共有プールへの便利なオンデマンド・ネットワーク・アクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。このクラウド・モデルは少なくとも５つの特性と、少なくとも３つのサービス・モデルと、少なくとも４つの配置モデルとを含んでもよい。

特性は次のとおりである。
オンデマンド・セルフサービス。クラウド消費者は、たとえばサーバ時間およびネットワーク・ストレージなどのコンピューティング・ケイパビリティを、必要に応じて自動的に、サービスのプロバイダとの人的対話を必要とせずに一方的にプロビジョニングできる。

広範なネットワーク・アクセス。ケイパビリティはネットワークを通じて利用可能であり、異種シンまたはシック・クライアント・プラットフォーム（例、携帯電話、ラップトップ、およびＰＤＡ）による使用を促進する標準的な機構を通じてアクセスされる。

リソース・プール。マルチテナント・モデルを用いて複数の消費者にサービスするために、プロバイダのコンピューティング・リソースはプールされ、要求に従って異なる物理および仮想リソースが動的に割り当ておよび再割り当てされる。消費者は一般的に、提供されるリソースの正確な場所に対する制御も知識も有さないが、より高い抽象化レベルにおける場所（例、国、州、またはデータセンタ）を特定できてもよいという点で、場所独立性の意味が存在する。

迅速な順応性。ケイパビリティは、素早くスケール・アウトするために場合によっては自動的に、迅速かつ順応的にプロビジョニングされ、かつ素早くスケール・インするために迅速にリリースされ得る。消費者にとって、プロビジョニングのために利用可能なケイパビリティはしばしば無制限にみえ、任意のときに任意の量を購入できる。

サービスの測定。クラウド・システムは、サービスのタイプ（例、ストレージ、処理、帯域幅、およびアクティブ・ユーザ・アカウント）に対して適切な何らかの抽象化レベルにおいて計測ケイパビリティを利用することによって、リソースの使用を自動的に制御および最適化する。リソースの使用をモニタ、制御、および報告して、使用されるサービスのプロバイダおよび消費者の両方に対する透明性を提供できる。

サービス・モデルは次のとおりである。
サービスとしてのソフトウェア（ＳａａＳ）。消費者に提供されるケイパビリティは、クラウド・インフラストラクチャにおいて実行されるプロバイダのアプリケーションの使用である。アプリケーションは、さまざまなクライアント・デバイスからたとえばウェブ・ブラウザ（例、ウェブ・ベースのｅメール）などのシン・クライアント・インタフェースを通じてアクセス可能である。消費者はネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、または個々のアプリケーション・ケイパビリティさえも含む基礎的なクラウド・インフラストラクチャを管理または制御することはなく、例外となり得るのは限られたユーザ特有のアプリケーション構成設定である。

サービスとしてのプラットフォーム（ＰａａＳ）。消費者に提供されるケイパビリティは、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語およびツールを用いて作成された、消費者が作成または取得したアプリケーションのクラウド・インフラストラクチャへの配置である。消費者はネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、またはストレージを含む基礎的なクラウド・インフラストラクチャを管理または制御することはないが、配置されたアプリケーションおよびおそらくはアプリケーション・ホスティング環境構成に対する制御を有する。

サービスとしてのインフラストラクチャ（ＩａａＳ）。消費者に提供されるケイパビリティは、オペレーティング・システムおよびアプリケーションを含み得る、消費者が任意のソフトウェアを配置および実行することが可能な処理、ストレージ、ネットワーク、およびその他の基本的なコンピューティング・リソースのプロビジョニングである。消費者は基礎的なクラウド・インフラストラクチャを管理または制御することはないが、オペレーティング・システム、ストレージ、配置されたアプリケーションに対する制御、およびおそらくはネットワーク形成コンポーネント（例、ホスト・ファイアウォール）の選択に対する限られた制御を有する。

配置モデルは次のとおりである。
プライベート・クラウド。このクラウド・インフラストラクチャは、ある組織に対してのみ動作される。これはその組織または第３者によって管理されてもよく、オンプレミスまたはオフプレミスに存在してもよい。

コミュニティ・クラウド。このクラウド・インフラストラクチャは複数の組織によって共有され、共通する関心事項（例、任務、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンスの検討）を有する特定のコミュニティをサポートする。これはそれらの組織または第３者によって管理されてもよく、オンプレミスまたはオフプレミスに存在してもよい。

パブリック・クラウド。このクラウド・インフラストラクチャは、一般人または大規模な産業グループに対して利用可能にされ、クラウド・サービスを販売する組織が所有している。

ハイブリッド・クラウド。このクラウド・インフラストラクチャは２つ以上のクラウド（プライベート、コミュニティ、またはパブリック）の複合体であり、それらのクラウドは一意のエンティティを留めるが、データおよびアプリケーション・ポータビリティを可能にする標準または独自の技術（例、クラウド間のロード・バランシングのためのクラウド・バースティング）によってともに結合される。

クラウド・コンピューティング環境はサービス指向型であり、ステートレス性、低結合性、モジュラリティ、および意味的な相互運用性に焦点を合わせている。クラウド・コンピューティングの中心には、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャがある。

ここで図５を参照すると、例示的なクラウド・コンピューティング環境１０００が示されている。示されるとおり、クラウド・コンピューティング環境１０００は１つ以上のクラウド・コンピューティング・ノード１００を含み、たとえばパーソナル・デジタル・アシスタント（ＰＤＡ：ｐｅｒｓｏｎａｌ ｄｉｇｉｔａｌ ａｓｓｉｓｔａｎｔ）もしくは携帯電話１０００Ａ、デスクトップ・コンピュータ１０００Ｂ、ラップトップ・コンピュータ１０００Ｃ、もしくは自動車のコンピュータ・システム１０００Ｎ、またはその組み合わせなどの、クラウド消費者によって用いられるローカル・コンピュータ・デバイスが、このクラウド・コンピューティング・ノード１００によって通信してもよい。ノード１００は互いに通信してもよい。これらのノードは、たとえば上述したプライベート、コミュニティ、パブリック、もしくはハイブリッド・クラウド、またはその組み合わせなどの１つ以上のネットワークにおいて、物理的または仮想的にグループ化（図示せず）されてもよい。このことは、クラウド・コンピューティング環境１０００がインフラストラクチャ、プラットフォーム、もしくはソフトウェア、またはその組み合わせを、クラウド消費者がそれに対するリソースをローカル・コンピュータ・デバイスにおいて維持する必要のないサービスとして提供することを可能にする。図５に示されるコンピュータ・デバイス１０００Ａ～Ｎのタイプは単なる例示であることが意図されており、コンピューティング・ノード１００およびクラウド・コンピューティング環境１０００は、任意のタイプのネットワークもしくはネットワーク・アドレス可能接続（例、ウェブ・ブラウザを使用するもの）またはその両方を通じて、任意のタイプのコンピュータ・デバイスと通信できることが理解される。

ここで図６を参照すると、クラウド・コンピューティング環境１０００によって提供される機能的抽象化レイヤ１１００のセットが示されている。図６に示されるコンポーネント、レイヤ、および機能は単なる例示であることが意図されており、本発明の実施形態はそれらに限定されないことが予め理解されるべきである。示されるとおり、以下のレイヤおよび対応する機能が提供される。

ハードウェアおよびソフトウェア・レイヤ１１０２は、ハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネントを含む。ハードウェア・コンポーネントの例は、メインフレーム１１０４、ＲＩＳＣ（縮小命令セット・コンピュータ（Ｒｅｄｕｃｅｄ Ｉｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ Ｓｅｔ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ））アーキテクチャに基づくサーバ１１０６、サーバ１１０８、ブレード・サーバ１１１０、ストレージ・デバイス１１１２、ならびにネットワークおよびネットワーク形成コンポーネント１１１４を含む。いくつかの実施形態において、ソフトウェア・コンポーネントは、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア１１１６およびデータベース・ソフトウェア１１１８を含む。

仮想化レイヤ１１２０は抽象化レイヤを提供し、この抽象化レイヤから仮想エンティティの以下の例が提供されてもよい。仮想サーバ１１２２、仮想ストレージ１１２４、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク１１２６、仮想アプリケーションおよびオペレーティング・システム１１２８、ならびに仮想クライアント１１３０。

一例において、管理レイヤ１１３２は以下に記載される機能を提供してもよい。リソース・プロビジョニング１１３４は、クラウド・コンピューティング環境内でタスクを行うために用いられるコンピューティング・リソースおよびその他のリソースの動的調達を提供する。計測および価格決定１１３６は、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが使用される際のコスト追跡と、これらのリソースの消費に対する請求書またはインボイスの送付とを提供する。一例において、これらのリソースはアプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを含んでもよい。セキュリティは、クラウド消費者およびタスクに対するアイデンティティ検証、ならびにデータおよびその他のリソースの保護を提供する。ユーザ・ポータル１１３８は、消費者およびシステム管理者に対するクラウド・コンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービス・レベル管理１１４０は、要求されるサービス・レベルが満たされるようにクラウド・コンピューティング・リソースの割り当ておよび管理を提供する。サービス・レベル・アグリーメント（ＳＬＡ：Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｌｅｖｅｌ Ａｇｒｅｅｍｅｎｔ）計画および実現１１４２は、ＳＬＡによって将来の要求が予測されるクラウド・コンピューティング・リソースに対する事前の取り決めおよびその調達を提供する。

作業負荷レイヤ１１４４は、クラウド・コンピューティング環境が使用され得る機能の例を提供する。このレイヤから提供され得る作業負荷および機能の例は、マッピングおよびナビゲーション１１４６、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理１１４８、仮想教室の教育配信１１５０、データ分析処理１１５２、トランザクション処理１１５４、およびブロックチェーン使用可能クラウドソーシング１１５６を含む。ブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・プログラム１１０ａ、１１０ｂは、ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングを用いて音声および映像のクローズド・キャプションおよび映像のシーン記述を生成するためのやり方を提供する。

本発明のさまざまな実施形態の説明を例示の目的のために提供したが、包括的になったり、開示される実施形態に限定されたりすることは意図されていない。記載される実施形態の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正および変更が明らかになるだろう。本明細書において用いられる用語は、実施形態の原理、実際の適用、もしくは市場に見出される技術に対する技術的改善点を最もよく説明するため、または他の当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。

Claims (18)

1. ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングのためのコンピュータ・システムにより実行される方法であって、前記方法は、
   コンテンツ・プロバイダからアセットを受信するステップと、
   前記アセットに基づいてスマート・コントラクトを配置するステップであって、前記スマート・コントラクトは、前記コンテンツ・プロバイダによって設定され、前記アセットと関連付けられる許可を有し、前記許可は、補償ルールとアセットの進行状況を追跡することとを含む、配置するステップと、
   前記スマート・コントラクトに基づいて前記アセットを複数のフラグメントにパーティション化するステップと、
   前記各フラグメントをハッシュ化するステップと、
   前記ハッシュ化された各フラグメントをブロックチェーン・ネットワークにリリースするステップと、
   前記スマート・コントラクトを用いて前記ブロックチェーン・ネットワーク内の前記ハッシュ化された各フラグメントを追跡するステップとを含む、方法。
2. リリースされた各フラグメントに対して複数のアクセシビリティ情報を生成するステップと、
   前記スマート・コントラクトを用いて前記コンテンツ・プロバイダにリリースされた各フラグメントに関連する進行状況を通知するステップとをさらに含む、請求項１に記載の方法。
3. リリースされたフラグメントが参加者によって完了されたことを判定するステップと、
   前記判定された完了フラグメントに基づいて前記補償ルールと前記アセットの進行状況を追跡することとを適用するステップと、
   前記判定された完了フラグメントに基づいて参加者評価スコアを作成するステップとをさらに含む、請求項１に記載の方法。
4. リリースされたフラグメントが参加者によって完了されていないことを判定するステップと、
   リリースされた各パーティション化フラグメントに対して複数のアクセシビリティ情報を生成するステップと、
   前記スマート・コントラクトを用いて前記コンテンツ・プロバイダにリリースされた各フラグメントに関連する進行状況を通知するステップとをさらに含む、請求項１に記載の方法。
5. リリースされたフラグメントが参加者によって期限以内に完了されていないことを判定するステップと、
   完了されていない前記判定されたフラグメントを得るための活動を引き起こすステップとをさらに含み、前記活動は前記フラグメントを完了させるために専門家を雇うステップ、前記フラグメントを完了させるためにクラウドソーシング・コミュニティに対する補償報酬を増加させるステップ、および前記フラグメントの重要性の値を決定するステップからなる群より選択され、前記期限を超過しているときには低い重要性の値を有する前記フラグメントは無視され、前記低い重要性の値を有する前記フラグメントは後の時期に前記受信されたアセットに追加される、請求項１に記載の方法。
6. 前記スマート・コントラクトは、複数の許可を各パーティション化フラグメントに関連付け、前記関連付けられた複数の許可は複数の作業ルール、複数の補償ルール、および複数の特権からなる群より選択され、前記スマート・コントラクトは各パーティション化フラグメントの進行状況を追跡する、請求項１に記載の方法。
7. 前記スマート・コントラクトは、複数の許可を前記アセットに関連付け、前記関連付けられた複数の許可は複数の作業ルール、複数の補償ルール、および複数の特権からなる群より選択され、前記アセットはスクリプト、ビデオ・クリップ、音声トラック、ストーリーボード、およびタイミング情報からなる群より選択される、請求項１に記載の方法。
8. 前記複数のフラグメントはブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・ネットワークに分散され、参加者は複数の別個のフラグメントに対して作業する前記クラウドソーシング・ネットワークの一部である、請求項１に記載の方法。
9. ブロックチェーン使用可能クラウドソーシングのためのコンピュータ・システムであって、
   １つ以上のプロセッサと、１つ以上のコンピュータ可読メモリと、１つ以上のコンピュータ可読有形ストレージ媒体と、前記１つ以上のメモリの少なくとも１つを介した前記１つ以上のプロセッサの少なくとも１つによる実行のために前記１つ以上の有形ストレージ媒体の少なくとも１つに保存されたプログラム命令とを含み、前記コンピュータ・システムは、
   コンテンツ・プロバイダからアセットを受信することと、
   前記アセットに基づいてスマート・コントラクトを配置することであって、前記スマート・コントラクトは、前記コンテンツ・プロバイダによって設定され、前記アセットと関連付けられる許可を有し、前記許可は、補償ルールとアセットの進行状況を追跡することとを含む、配置することと、
   前記スマート・コントラクトに基づいて前記アセットを複数のフラグメントにパーティション化することと、
   前記各フラグメントをハッシュ化するステップと、
   前記ハッシュ化された各フラグメントをブロックチェーン・ネットワークにリリースすることと、
   前記スマート・コントラクトを用いて前記ブロックチェーン・ネットワーク内の前記ハッシュ化された各フラグメントを追跡することとを実行する、コンピュータ・システム。
10. リリースされた各フラグメントに対して複数のアクセシビリティ情報を生成することと、
    前記スマート・コントラクトを用いて前記コンテンツ・プロバイダにリリースされた各フラグメントに関連する進行状況を通知することとをさらに実行する、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
11. リリースされたフラグメントが参加者によって完了されたことを判定することと、
    前記判定された完了フラグメントに基づいて前記補償ルールと前記アセットの進行状況を追跡することとを適用することと、
    前記判定された完了フラグメントに基づいて参加者評価スコアを作成することとをさらに実行する、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
12. リリースされたフラグメントが参加者によって完了されていないことを判定することと、
    リリースされた各パーティション化フラグメントに対して複数のアクセシビリティ情報を生成することと、
    前記スマート・コントラクトを用いて前記コンテンツ・プロバイダにリリースされた各フラグメントに関連する進行状況を通知することとをさらに実行する、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
13. リリースされたフラグメントが参加者によって期限以内に完了されていないことを判定することと、
    完了されていない前記判定されたフラグメントを得るための活動を引き起こすこととをさらに含み、前記活動は前記フラグメントを完了させるために専門家を雇うこと、前記フラグメントを完了させるためにクラウドソーシング・コミュニティに対する補償報酬を増加させること、および前記フラグメントの重要性の値を決定することからなる群より選択され、前記期限を超過しているときには低い重要性の値を有する前記フラグメントは無視され、前記低い重要性の値を有する前記フラグメントは後の時期に前記受信されたアセットに追加される、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
14. 前記スマート・コントラクトは、複数の許可を各パーティション化フラグメントに関連付け、前記関連付けられた複数の許可は複数の作業ルール、複数の補償ルール、および複数の特権からなる群より選択され、前記スマート・コントラクトは各パーティション化フラグメントの進行状況を追跡する、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
15. 前記スマート・コントラクトは、複数の許可を前記アセットに関連付け、前記関連付けられた複数の許可は複数の作業ルール、複数の補償ルール、および複数の特権からなる群より選択され、前記アセットはスクリプト、ビデオ・クリップ、音声トラック、ストーリーボード、およびタイミング情報からなる群より選択される、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
16. 前記複数のフラグメントはブロックチェーン使用可能クラウドソーシング・ネットワークに分散され、参加者は複数の別個のフラグメントに対して作業する前記クラウドソーシング・ネットワークの一部である、請求項９に記載のコンピュータ・システム。
17. コンピュータ・プログラムであって、請求項１ないし８のいずれか１項に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるための、コンピュータ・プログラム。
18. 請求項１７に記載のコンピュータ・プログラムを記録した、コンピュータ可読媒体。

Images