JP7202597B2 - アクチュエータおよびこれを用いたバルブ装置 - Google Patents
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Description
原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition 法)等においては、基板に膜を堆積させる処理プロセスに使用する処理ガスの流量を精密に調整する必要があるとともに、基板の大口径化等により、処理ガスの流量をある程度確保する必要もある。
エア駆動式のバルブにおいて、空圧調整や機械的調整により流量を精密に調整するのは容易ではない。また、ALD法による半導体製造プロセスでは、処理チャンバ周辺が高温となるため、バルブが温度の影響を受けやすい。さらに、高頻度でバルブを開閉するので、バルブの経時、経年変化が発生しやすく、流量調整作業に膨大な工数を要する。
しかしながら、従来においては、バルブ装置が処理ガス等のガスを流通させた状態で、バルブ装置の外部から流量を容易にかつ精密に調整することは困難であった。
前記ハウジングに設けられた加圧流体の供給口と、
前記ハウジングの前記供給口とは離隔した位置に設けられ、前記ピストンの移動可能な上限位置を規定する規定面を有する調節部材と、を有し、
前記供給口を通じて加圧流体が供給されると、前記ピストン又はピストンと共に移動する部材は前記調節部材の規定面に当接し、前記ピストンは前記上限位置に位置付けられ、
前記調節部材はハウジングの外部から前記上限位置を調節可能に設けられている。
前記ロック機構は、前記ハウジングに螺合する前記調節部材を変形させることにより、当該調節部材の位置をロックする。
前記ねじ部材により前記調節部材の位置がロックされた状態で、当該ねじ部材の操作により前記調節部材の位置が微調節される。
流路を画定するバルブボディと、
前記バルブボディの流路を開閉可能に設けられた弁体と、
前記弁体に流路を開閉させる開閉方向において、予め設定された前記弁体に流路を閉鎖させる閉位置と予め設定された前記弁体に流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記弁体を操作する操作部材と、
前記ハウジングが前記バルブボディに接続され、前記操作部材を駆動する上記のアクチュエータと、を有し、
前記弁体の開位置が、前記上限位置に応じて規定され、かつ、前記調節部材により調節される。
前記アクチュエータに加圧流体を供給しつつ前記弁体を前記開位置まで上昇させ、
前記バルブボディの流路を流通する流体の流量を、前記調節部材を操作して調整する。
前記アクチュエータに加圧流体を供給しつつ前記弁体を前記開位置まで上昇させた状態で、前記弁体の前記閉位置から前記開位置までのリフト量を前記調節部材により調節する。
前記複数の流体機器は、上記のバルブ装置を含む。
先ず、図8を参照して、本発明が適用される流体制御装置の一例を説明する。
図8に示す流体制御装置には、幅方向W1,W2に沿って配列され長手方向G1,G2に延びる金属製のベースプレートBSが設けられている。なお、W1は背面側、W2は正面側、G1は上流側、G2は下流側の方向を示している。ベースプレートBSには、複数の流路ブロック992を介して各種流体機器991A~991Eが設置され、複数の流路ブロック992によって、上流側G1から下流側G2に向かって流体が流通する図示しない流路がそれぞれ形成されている。
バルブボディ2の円筒部24内の底面の第1の流路21の開口周囲に、バルブシート48が配置されている。バルブシート48は、PFA、PA、PI、PCTFE、PTFE等の合成樹脂製とすることができる。バルブシート48は、カシメ加工によりバルブボディ2に固定されているが、カシメ加工によらずに配置することも可能である。円筒部24内の底面には、環状溝23が形成され、この環状溝23と第2の流路22が連通している。
上側バルクヘッド86と下側バルクヘッド84の間に形成されるシリンダ83に上側ピストン81Aが配置され、ボンネット5と下側バルクヘッド84で挟まれたシリンダ83に下側ピストン81Bが配置される。
下側ピストン81Bのステム部81Btは、押えホルダ44に接続されている。
ボンネット5と下側ピストン81Bと下側バルクヘッド84と上側ピストン81Aと上側バルクヘッド86とケーシング6との間にはそれぞれシールリング91が配置され、気密性が確保されている。ケーシング6の中心部に開口したアクセス孔61の下側にはねじ部68が形成され、このねじ部に後述する調節部材7がねじ込まれている。調節部材7とケーシング6のアクセス孔61の間にもシールリング91が配置され、気密性が確保されている。
すなわち、アクチュエータ8単体における上側ピストン81Aおよび下側ピストン81Bの移動可能な下限位置は、バルブ装置1にアクチュエータ8が組み込まれた状態とは必ずしも一致しない。
調節部材7では、ねじ部7cが形成された領域の中途にスリット7sが形成されることにより、調節部材7の上部領域7aが片持ち梁状に支持された状態となる。後述するように、ロックねじ75により上部領域7aの根元部分を弾性変形させることにより、ねじ部7cの上部領域7aに対応する部分とケーシング6のねじ部68との相対的な位置関係を変化させ、調節部材7をケーシング6のねじ部68に対して回転しないようにさせる。すなわち、調節部材7のスリット7sにより画定される片持ち梁状の上部領域7aをロックねじ75で弾性変形させることにより、ねじ部68に対する調節部材7の回転を阻止することでロック機構が構成される。なお、ロック機構はこれに限定されるわけではなく、ねじ部68に対する調節部材7の回転を阻止できる機構であればよい。
ロックねじ75は、図3A,3Bに示すように、いわゆるイモねじであり、外周面にねじ部75aを備え、上端部中心に六角穴75bが形成されている。
図4Aに示すバルブ装置1は、調節部材7により上限位置が調整されていない状態にある。このときの調節部材7の当接面7gの位置を初期上限位置P0とする。ワンタッチ継手100を通じて圧縮エアCAが供給されると、上側ピストン81A,下側ピストン81Bが上方向A1に駆動され、上側ピストン81Aは初期上限位置P0で移動が規制される。加えて、図示しないが、第1の流路21から第2の流路22に窒素ガスなどの流体を流通させ、その流量を図示しない流量計を用いてモニタリングする。
次いで、図4Cに示すように、工具300に代えて、六角レンチからなる工具400を、アクセス孔61を通じてロックねじ75の六角穴75bに嵌合させ、ロックねじ75が対向面7f2に向かう向きに回転させる。図5に示すように、ロックねじ75を回転させていくと、ロックねじ75の下端面75cが対向面7f2を下向きに押圧することで、対向面7f2からの反力がロックねじ75、すなわち、調節部材7の上部領域7aに曲げ力として作用する。上部領域7aに曲げ力が作用していない状態の対向面7f1を含む平面を基準平面X1とすると、上部領域7aに曲げ力が作用すると、基準平面X1は矢印C方向に傾斜する平面X2となる。例えば、基準平面X1に対する平面X2の傾斜角度が所定角度を越えると、調節部材7はロックされた状態となる。ここで、ロック状態とは、上側ピストン81Aの上端面81aが調節部材7の当接面7gに繰り返し衝突したとしても、調節部材7の回転位置が変わらない、あるいは、実質的に変わらないことをいうものとする。
上記したように、ロックねじ75の調節部材7に作用する力がある程度の力を越えると、調節部材7は、ロック状態になる。
このロック状態の下で、ロックねじ75を操作すると、調節部材7は微小な弾性変形を受ける。このことを利用して、ロックねじ75で調節部材7をロックしたのち、さらにロックねじ75を操作することで、流量の微調整、あるいは、リフト量の微調整が可能となる。
図6に示すバルブ装置1Bは、非接触で上側ピストン81Aの上下方向A1,A2の位置を検出可能な位置センサ200がケーシング6に設けられている。バルブ装置1Bのその他の構成は、上記したバルブ装置1と同様である。
図4Aにおいて説明したように、先ず、ワンタッチ継手100を通じて圧縮エアCAを供給するが、流路21,22にガスを流す必要はない。
この状態で、位置センサ200の検出値をモニタリングしながら、調節部材7の調節を行う。上側ピストン81Aの上下方向の位置が目標位置、すなわち、目標リフト量となる位置に達したところで、調節部材7の調節を完了し、ロックねじ75によりロックする。
このような方法によれば、実際のガスを流す必要がなくなるので、調整作業がより簡易に実施できる。
図7に示す半導体製造装置980は、ALD法による半導体製造プロセスを実行するための装置であり、981はプロセスガス供給源、982はガスボックス、983はタンク、984は制御部、985は処理チャンバ、986は排気ポンプを示している。
ALD法による半導体製造プロセスでは、処理ガスの流量を精密に調整する必要があるとともに、基板の大口径化により、処理ガスの流量をある程度確保する必要もある。
ガスボックス982は、正確に計量したプロセスガスを処理チャンバ985に供給するために、開閉バルブ、レギュレータ、マスフローコントローラ等の各種の流体制御機器を集積化してボックスに収容した集積化ガスシステム(流体制御装置)である。
タンク983は、ガスボックス982から供給される処理ガスを一時的に貯留するバッファとして機能する。
制御部984は、バルブ装置1への操作ガスの供給制御による流量調整制御を実行する。
処理チャンバ985は、ALD法による基板への膜形成のための密閉処理空間を提供する。
排気ポンプ986は、処理チャンバ985内を真空引きする。
2 :バルブボディ
5 :ボンネット
6 :ケーシング
7 :調節部材
7a :上部領域
7c :ねじ部
7d :ねじ孔
7e :円筒面
7f1 :対向面
7f2 :対向面
7g :当接面(規定面)
7s :スリット
7t :係合溝
8 :アクチュエータ
21 :第1の流路
22 :第2の流路
23 :環状溝
24 :円筒部
25 :ねじ穴
26 :支持部
41 :ダイヤフラム
42 :ダイヤフラム押え
43 :押えアダプタ
44 :押えホルダ
45 :コイルばね
48 :バルブシート
61 :アクセス孔
62 :流路
63 :流路
64 :供給口
68 :ねじ部
75 :ロックねじ
75b :六角穴
75a :ねじ部
75c :下端面
81A :上側ピストン
81At :ステム部
81B :下側ピストン
81Bt :ステム部
81a :上端面
82 :流路
83 :シリンダ
84 :下側バルクヘッド
86 :上側バルクヘッド
91 :シールリング
100 :ワンタッチ継手
200 :位置センサ
300 :工具
400 :工具
980 :半導体製造装置
982 :ガスボックス
983 :タンク
984 :制御部
985 :処理チャンバ
986 :排気ポンプ
991A~991E :流体機器
992 :流路ブロック
993 :導入管
A :円
A1 :上方向
A2 :下方向
BS :ベースプレート
C1 :矢印
CA :圧縮エア
G1 :長手方向上流側
G2 :長手方向下流側
P0 :初期上限位置
P1 :上限位置
R :反力
W1 :幅方向
W2 :幅方向
X1 :基準平面
X2 :平面
Claims (11)
- ハウジング内に収容されたピストンと、
前記ハウジングに設けられた加圧流体の供給口と、
前記ハウジングの前記供給口とは離隔した位置に設けられ、前記ピストンの移動可能な上限位置を規定する規定面を有する調節部材と、を有し、
前記供給口を通じて加圧流体が供給されると、前記ピストン又はピストンと共に移動する部材は前記調節部材の規定面に当接し、前記ピストンは前記上限位置に位置付けられ、
前記調節部材はハウジングの外部から前記上限位置を調節可能に設けられており、
前記供給口と前記調節部材にアクセスするためのアクセス孔とが、前記ハウジングの共通の面に設けられている、アクチュエータ。 - 前記調節部材はハウジングの外部から直接アクセス可能に設けられている、請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記調節部材は、前記ハウジングの外部から操作可能な、当該調節部材の位置をロックするロック機構を備えており、
前記ロック機構は、前記ハウジングに螺合する前記調節部材を変形させることにより、当該調節部材の位置をロックする、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。 - 前記ロック機構は、前記ハウジングの外部から操作可能な、前記調節部材に螺合して当該調節部材を変形させるねじ部材を有し、
前記ねじ部材により前記調節部材の位置がロックされた状態で、当該ねじ部材の操作により前記調節部材の位置が調節される、請求項3に記載のアクチュエータ。 - 流路を画定するバルブボディと、
前記バルブボディの流路を開閉可能に設けられた弁体と、
前記弁体に流路を開閉させる開閉方向において、予め設定された前記弁体に流路を閉鎖させる閉位置と予め設定された前記弁体に流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記弁体を操作する操作部材と、
前記ハウジングが前記バルブボディに接続され、前記操作部材を駆動する請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータと、を有し、
前記弁体の開位置が、前記上限位置に応じて規定され、かつ、前記調節部材により調節される、バルブ装置。 - 請求項5のバルブ装置における流量調整方法であって、
前記アクチュエータに加圧流体を供給しつつ前記弁体を前記開位置まで上昇させ、
前記バルブボディの流路を流通する流体の流量を、前記調節部材を操作して調整する、流量調整方法。 - 請求項5のバルブ装置におけるリフト量調整方法であって、
前記アクチュエータに加圧流体を供給しつつ前記弁体を前記開位置まで上昇させた状態で、前記弁体の前記閉位置から前記開位置までのリフト量を前記調節部材により調節する、
リフト量調整方法。 - 請求項5に記載のバルブ装置を用いて流体の流量を調整する流量制御方法。
- 上流側から下流側に向かって複数の流体機器が配列された流体制御装置であって、
前記複数の流体機器は、請求項5に記載のバルブ装置を含む流体制御装置。 - 密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの制御に請求項5に記載のバルブ装置を用いる半導体製造装置。
- 密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの流量制御に請求項5に記載のバルブ装置を用いる半導体製造方法。
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