JP7296608B2 - 青果物の鮮度保持用収納袋 - Google Patents
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Description
各実施例および比較例で用いた合成樹脂フィルムを、長さ150mm、幅15mmにサンプリングし、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間に亘って調湿した。そして、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、JIS K-7127に準拠し、東洋ボールドウィン株式会社製「テンシロン」(STM-T-50BP)を用い、調湿したフィルムを100mmの距離を隔てたチャック間に掴み、引張速度200mm/分で引っ張り、引張比例限度内における引張応力とそれに対応するひずみとの比を、引張弾性率として算出した。
各実施例および比較例で用いた合成樹脂フィルムを、長さ100mm、幅15mmにサンプリングし、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間に亘って調湿した。そして、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、JIS K-7127に準拠し、東洋ボールドウィン株式会社製「テンシロン」(STM-T-50BP)を用い、該試験片の両端をチャック間距離が50mmとなるように取り付け、引張速度200mm/分としてサンプルを伸長し、破断した際のチャック間距離と伸長前のチャック間距離との比(百分率)を引張伸度として算出した。
各実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(袋サイズが高さ(袋の深さ方向の長さ)×幅=200mm×200mmの二方シール袋)を準備し、その上端の開口部を、約7.0mmの幅でヒートシール(その他の部分と同じ温度でのヒートシール)をして、収納袋を密封し、その収納袋の中央部に粘着剤付きのゴム板を貼り付け、ゴム板部分に注射針を刺して、収納袋内部の空気を抜いた後、100%の窒素ガス(1気圧)で充満させた。これを25℃の大気中に放置した際の経過時間と収納袋内の酸素ガス濃度の変化を測定して酸素透過度を求めた。なお、表1における酸素透過度は、単位面積(1m2)の24時間当たりの酸素ガスの透過量(cc)を示したものである。
各実施例および比較例で用いた合成樹脂フィルムを、40℃、90%RHの条件で、JIS Z0208に準拠し、アルミニウム材の透湿カップを用いて合成樹脂フィルムの水蒸気の透過量を測定した。なお、表1における水蒸気透過度は、単位面積(1m2)の24時間当たりの水蒸気の透過量(g)を示したものである。
各実施例および比較例で用いた合成樹脂フィルムの防曇性を、次の手順にて測定した。
(1)500mLの上部開口容器に50℃の温水を300mL入れる。
(2)フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
(3)5℃の冷室中に放置する。
(4)5℃の冷室に放置30分後、冷室から取り出し、フィルム測定面の露付着状況を6段階で評価する。
・6:全面露なし(付着面積ゼロ)
・5:若干の露付着(付着面積1/5まで)
・4:多少の露付着(付着面積1/4まで)
・3:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
・2:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
・1:全面露付着(付着面積3/4以上)
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(二方袋)に、長イモを収納する際に、作業者の手によってできる限り空気が入り込まないようにしながら収納して上端の開口部をヒートシールした(密封した)。しかる後、シリンダー式のガス採取器を利用して内部に残留した空気の量を測定し、その数値を含気量とした。
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋に長イモ、ブドウ(マスカット)、サツマイモ、カットレタス、ホウレンソウを収納した場合の鮮度保持効果を以下の方法にて評価した。
[長イモ]
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(袋サイズが高さ(袋の深さ方向の長さ)×幅=440mm×100mmの二方シール袋)に、約500gの長イモを詰めた後に、その収納袋の上端の開口部を、約7.0mmの幅でヒートシール(その他の部分と同じ温度でのヒートシール)することによって収納袋を密封した。そして、その長イモを収納した収納袋を、20℃×60%RHの雰囲気下にて、10日間(240時間)放置した後に、収納された長イモの状態を、色および臭気の観点から下記の5段階で官能評価した。
5:色・臭気において収納前のものとの違いがまったく認められない。
4:若干乾燥した様子であるものの、変色・異臭が認められない。
3:わずかな変色、微かな異臭が認められる。
2:全体的な変色、明確な異臭が認められる。
1:変色の程度が酷く、刺激性の高い異臭がする。
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(袋サイズが高さ(袋の深さ方向の長さ)×幅=350mm×180mmの二方シール袋)に、約200gのブドウ(ピオーネ)を詰めた後に、その収納袋の上端の開口部を、約7.0mmの幅でヒートシール(その他の部分と同じ温度でのヒートシール)することによって収納袋を密封した。そして、そのブドウを収納した収納袋を、8℃×30%RHの雰囲気下にて、35日間(840時間)放置した後に、収納されたブドウの状態を、味、萎びおよびカビの発生の観点から下記の5段階で官能評価した。
5:味・萎び、カビの発生について収納前のものとの違いがまったく認められない。
4:若干乾燥した様子であるものの、収納前のものと味の違いはなく、カビの発生も認められない。
3:わずかに炭酸の刺激を感じる味がするとともに、若干の萎びが認められ、微かなカビの発生も認められる。
2:炭酸の刺激を感じる味がするとともに、萎びが明確に認められ、カビの発生も認められる。
1:萎び、カビ発生の程度が酷い(味の検知不能)。
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(袋サイズが高さ(袋の深さ方向の長さ)×幅=270mm×180mmの二方シール袋)に、約600gのサツマイモを詰めた後に、その収納袋の上端の開口部を、約7.0mmの幅でヒートシール(その他の部分と同じ温度でのヒートシール)することによって収納袋を密封した。そして、そのサツマイモを収納した収納袋を、上記した長イモの鮮度保持効果の試験と同様の条件下で19日間(456時間)放置した後に、収納されたサツマイモの状態を、色、萎び、カビの発生の観点から下記の5段階で官能評価した。
5:変色・萎び、カビの発生について収納前のものとの違いがまったく認められない。
4:若干乾燥した様子であるものの、収納前のものと色の変化はなく、カビの発生も認められない。
3:わずかに変色が認められるとともに、若干の萎びが認められ、微かなカビの発生も認められる。
2:変色と萎びが明確に認められ、カビの発生も認められる。
1:変色、萎び、カビ発生の程度が酷い。
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(袋サイズが高さ(袋の深さ方向の長さ)×幅=170mm×180mmの二方シール袋)に、約100gのカットレタス(概ね50mm×50mmの大きさより小さく裁断したもの)を詰めた後に、その収納袋の上端の開口部を、約7.0mmの幅でヒートシール(その他の部分と同じ温度でのヒートシール)することによって収納袋を密封した。そして、そのカットレタスを収納した収納袋を、5℃×30%RHの雰囲気下にて、5日間(120時間)放置した後に、収納されたカットレタスの状態(色、臭気)を、長イモの鮮度保持効果の試験と同様の基準で評価した。
実施例・比較例の合成樹脂フィルムよりなる収納袋(袋サイズが高さ(袋の深さ方向の長さ)×幅=340mm×230mmの二方シール袋)に、約200gのホウレンソウを詰めた後に、その収納袋の上端の開口部を、約7.0mmの幅でヒートシール(その他の部分と同じ温度でのヒートシール)することによって収納袋を密封した。そして、そのホウレンソウを収納した収納袋を、上記した長イモの鮮度保持効果の試験と同様の条件下で4日間(96時間)放置した後に、放置した後に、収納されたホウレンソウの状態(色、臭気)を、長イモの鮮度保持効果の試験と同様の基準で評価した。
厚さ32μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材層に、溶融させたポリエチレンテレフタレート樹脂を約20μmの厚みとなるように積層させてヒートシール層を形成した積層ポリエチレンテレフタレートフィルム(中本パックス株式会社製HS-PET))を二つ折りしつつ矩形に裁断して、その左右を約230℃の温度で5mm幅のヒートシールすることによって、上部を開口した長方形状の二方袋を製造した。ここで、収納袋の大きさは、中に入れる青果物にあわせ、適宜最適なものを準備した。なお、当該ポリエチレンテレフタレートフィルムの内面には、防曇剤である非イオン系の界面活性剤がコーティングされている。また、製造された二方袋は、幅方向が構成材料である長尺なポリエチレンテレフタレートフィルムの長手方向となっており、高さ方向が構成材料である長尺なポリエチレンテレフタレートフィルムの幅方向となっている。
収納袋の原料の合成樹脂フィルムを、厚さ25μmのポリ乳酸フィルム(三菱樹脂株式会社社製SG106)に変更するとともにヒートシール温度を約140℃としたした以外は、実施例1と同様にして収納袋を製造した。なお、当該ポリ乳酸フィルムの内面には、実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムと同様な非イオン系の界面活性剤がコーティングされている。そして、得られた二方袋の鮮度保持特性を、実施例1と同様な方法によって評価した。また、二方袋の製造に用いた合成樹脂フィルムの酸素透過度、水蒸気透過度、比重、縦方向および横方向の引張弾性率、引張伸度等の各特性を、実施例1と同様な方法によって測定した。二方袋の鮮度保持特性の評価結果を、合成樹脂フィルムの各特性の測定結果とともに表1に示す。
収納袋の原料の合成樹脂フィルムを、厚さ40μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(東洋紡株式会社製P5562)に変更するとともにヒートシール温度を約150℃としたした以外は、実施例1と同様にして収納袋を製造した。そして、得られた二方袋の鮮度保持特性を、実施例1と同様な方法によって評価した。また、二方袋の製造に用いた合成樹脂フィルムの酸素透過度、水蒸気透過度、比重、縦方向および横方向の引張弾性率、引張伸度等の各特性を、実施例1と同様な方法によって測定した。二方袋の鮮度保持特性の評価結果を、合成樹脂フィルムの各特性の測定結果とともに表1に示す。
収納袋の原料の合成樹脂フィルムを、厚さ25μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東洋紡株式会社製P1128)に変更するとともにヒートシール温度を約130℃とした以外は、実施例1と同様にして収納袋を製造した。そして、得られた二方袋の鮮度保持特性を、実施例1と同様な方法によって評価した。また、二方袋の製造に用いた合成樹脂フィルムの酸素透過度、水蒸気透過度、比重、縦方向および横方向の引張弾性率、引張伸度等の各特性を、実施例1と同様な方法によって測定した。二方袋の鮮度保持特性の評価結果を、合成樹脂フィルムの各特性の測定結果とともに表1に示す。
収納袋の原料の合成樹脂フィルムを、厚さ40μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム(タマポリ株式会社製VE-7)に変更するとともにヒートシール温度を約100℃とした以外は、実施例1と同様にして収納袋を製造した。そして、得られた二方袋の鮮度保持特性を、実施例1と同様な方法によって評価した。また、二方袋の製造に用いた合成樹脂フィルムの酸素透過度、水蒸気透過度、比重、縦方向および横方向の引張弾性率、引張伸度等の各特性を、実施例1と同様な方法によって測定した。二方袋の鮮度保持特性の評価結果を、合成樹脂フィルムの各特性の測定結果とともに表1に示す。
収納袋の原料の合成樹脂フィルムを、ナイロンの基層上にPEの熱融着層を積層してなる厚さ70μmの積層ナイロン-ポリエチレンフィルム(クリロン化成株式会社製ナイロンポリ彊美人)に変更するとともにヒートシール温度を約100℃とした以外は、実施例1と同様にして収納袋を製造した。そして、得られた二方袋の鮮度保持特性を、実施例1と同様な方法によって評価した。また、二方袋の製造に用いた合成樹脂フィルムの酸素透過度、水蒸気透過度、比重、縦方向および横方向の引張弾性率、引張伸度等の各特性を、実施例1と同様な方法によって測定した。二方袋の鮮度保持特性の評価結果を、合成樹脂フィルムの各特性の測定結果とともに表1に示す。
Claims (2)
- 合成樹脂フィルムによって形成された青果物の鮮度保持用収納袋であって、
前記合成樹脂フィルムが、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に溶融押出ししたポリエチレンテレフタレートを前記二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムより厚くなるように積層させた積層ポリエチレンテレフタレートフィルム、あるいは、ポリ乳酸によって形成された厚さ20~40μmのフィルムであり、
前記合成樹脂フィルムの酸素透過度が、100cc/(m2・24hr・atm)以上1,000cc/(m2・24hr・atm)未満であり、かつ、
前記合成樹脂フィルムの水蒸気透過度が、15g/(m2・24hr・atm)以上500g/(m2・24hr・atm)未満であるとともに、
前記合成樹脂フィルムの縦方向および横方向の引張弾性率が、いずれも3,000Mpa以上4,500Mpa未満であり、かつ、
内面に、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル型、脂肪酸グリセリンエステル型を併用してなる非イオン性の界面活性剤からなる防曇剤がコーティングされており、なおかつ、
上部を開口した長方形の袋状に形成されており、幅方向が構成材料である前記合成樹脂フィルムの長手方向となっており、高さ方向が構成材料である前記合成樹脂フィルムの幅方向となっているとともに、高さ方向の引張弾性率が幅方向の引張弾性率よりも高くなっており、
長イモ、ブドウ、サツマイモ、カットレタス、ホウレンソウのいずれかを収納した状態で、含気量を187.4cm2以下に調整可能であることを特徴とする青果物の鮮度保持用収納袋。 - 前記合成樹脂フィルムの縦方向および横方向の引張伸度が、いずれも10%以上200%未満であることを特徴とする請求項1に記載の青果物の鮮度保持用収納袋。
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