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JP7289995B2 - 太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体 - Google Patents

太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体 Download PDF

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Description

本開示は、太陽光発電技術の分野に関し、より詳細には、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体に関する。
太陽光発電フィールドステーションを実際に運転させると、太陽光発電ストリングに発電性能の低下や異常といった発電性能に関する障害が発生することが多い。そのため、太陽光発電フィールドステーションの発電損失を低減するために、点検・保守が必要となる。
関連技術では、太陽光発電フィールドステーションの太陽電池モジュールを検査するために、運転保守担当者が配置されている。具体的には、太陽光発電フィールドステーション内の各太陽光発電ストリングを比較またはランク付けし、発電性能が低い、または平均レベルからの乖離が著しい太陽光発電ストリングを問題のある太陽光発電ストリングと規定する。
しかしながら、太陽光発電ストリングは、設置方法の違いにより発電性能が異なるため、比較やランク付けの際に誤判定が起こりやすい。その結果、太陽光発電ストリングの動作状態の決定精度が低くなる。
本開示の実施形態は、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させ得る、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体を提供する。
一局面において、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法が提供される。
この方法は、現在の動作条件下で、太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するステップを含み、太陽光発電ストリングは、直列接続された2以上の太陽電池モジュールにより形成された直流出力を有する回路ユニットであり、前記太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出するステップと、前記太陽光発電ストリングの前記理論電力、前記理論最大短絡電流、前記標準年理論電力および前記標準年最大短絡電流に基づいて、前記太陽光発電ストリングの標準状態パラメータを確立するステップとを含み、前記標準状態パラメータが、前記太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含み、さらに現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得するステップとを含み、前記動作状態パラメータが、前記太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を含み、さらに前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを前記太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより前記太陽光発電ストリングの動作状態を決定するステップとを含む。
他の局面では、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する装置が提供される。
この装置は、現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するように構成される第1の計算モジュールを含み、前記太陽光発電ストリングは、直列接続された2以上の太陽電池モジュールにより形成された直流出力を有する回路ユニットであり、さらに前記太陽光発電ストリングの標準年理論電力と標準年最大短絡電流を算出するように構成される、第2の計算モジュールと、前記太陽光発電ストリングの理論電力、理論最大短絡電流、標準年理論電力および標準年最大短絡電流に基づいて、前記太陽光発電ストリングの標準状態パラメータを確立するように構成される標準確立モジュールを含み、前記標準状態パラメータが、前記太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含み、さらに現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得するように構成される第1の取得モジュールを含み、前記動作状態パラメータが、前記太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を含み、さらに前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを、前記太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、前記太陽光発電ストリングの動作状態を決定するように構成される決定モジュールとを含む。
いくつかの実施形態において、前記標準確立モジュールは、電力閾値として、太陽光発電ストリングの理論電力および標準年理論電力のうちの小さい方を決定するように構成される第1の取得サブモジュールと、短絡電流閾値として、太陽光発電ストリングの理論最大短絡電流および標準年の最大短絡電流のうちの小さい方を決定するように構成される第2の取得サブモジュールとをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本装置は、予め設定された間隔で、太陽光発電ストリングが設置されている太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度を取得するように構成される第2の取得モジュールと、太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度が日射強度閾値以上となる期間を検出期間と決定するように構成される第3の取得モジュールと、検出期間内の特定期間における動作条件を現在の動作条件と決定するように構成される第4の取得モジュールとをさらに含む。
いくつかの実施形態において、第1の取得モジュールは、検出期間において、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングのDCコンバイナーボックスまたはストリング型インバータのDC側動作電流および動作電力を取得するように構成される。
いくつかの実施形態において、第1の計算モジュールは、気象データが存在する場合に、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データに基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、周囲温度および風速を取得するように構成される第3の取得サブモジュールと、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、周囲温度および風速に基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの太陽電池モジュールの温度を算出するように構成される第1の計算サブモジュールと、太陽電池モジュールの温度に基づいて、現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセルの温度を算出するように構成される第2の計算サブモジュールと、標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における太陽電池モジュールの日射強度および標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における太陽電池モジュールの温度に基づいて、現在の動作条件に対応する太陽電池モジュールのセルの平均動作温度を計算するように構成される第3の計算サブモジュールと、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、太陽電池モジュールのセルの平均動作温度および現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセルの温度に基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を計算するように構成される第4の計算サブモジュールとを備える。
いくつかの実施形態では、第1の計算モジュールは、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データが存在しない場合には、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの全てにおける最大電流を取得するように構成される第4の取得サブモジュールと、最大電流に基づいて現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度を算出するように構成される第5の計算サブモジュールと、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、標準動作条件下での太陽電池モジュールの短絡電流および標準試験条件下での太陽電池モジュールの日射強度に基づいて、太陽光発電フィールドステーション内の太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するように構成される第6の計算サブモジュールとを備える。
いくつかの実施形態では、第2の計算モジュールは、太陽光発電フィールドステーションの地理的位置に従って標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得するように構成され、標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度を収集する間隔が動作条件の下で太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得する間隔と同一である第5の取得サブモジュールと、現在の動作条件に対応する検出時間において、標準年における太陽光発電フィールドステーションの日射強度のうちの最大日射強度を選択するように構成される選択サブモジュールと、最大日射強度に基づき、太陽光発電フィールドステーションにおける太陽光発電ストリングの標準年の理論電力および標準年の最大短絡電流を算出するように構成される第7の計算サブモジュールとを備える。
いくつかの実施形態では、決定モジュールは太陽光発電ストリングの動作状態パラメータが第1の時間閾値よりも長い持続時間、太陽光発電ストリングの標準状態パラメータよりも大きい場合には、太陽光発電ストリングの電力が増大していると決定するように構成される第1の決定サブモジュールと、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータの電流が、第2の時間閾値よりも長い持続時間、電流閾値未満である場合には、太陽光発電ストリングに短絡が発生したと決定するように構成される第2の決定サブモジュールと、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータが、第3の時間閾値より長い持続時間、太陽光発電ストリングの重付標準状態パラメータより小さい場合に、太陽光発電ストリングの電流または電力が低いと決定するように構成される第3の決定サブモジュールとを含む。
さらに別の局面では、コンピュータ機器が提供される。このコンピュータ機器は、プロセッサと、1以上の命令、1以上のプログラム、コードセットまたは命令セットを記憶するメモリとを備え、前記1以上の命令、前記1以上のプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットは、前記プロセッサによりロードされかつ実行されると、前記プロセッサに、上述の局面の太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法を実行させる。
さらに別の局面では、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。この記憶媒体は、1以上の命令、1以上のプログラム、コードセットまたは命令セットを記憶し、前記1以上の命令、前記1以上のプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットが、コンピュータ機器のプロセッサによりロードされかつ実行されると、前記コンピュータ機器に、上述の局面の太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法を実行させる。
本開示による技術的解決策は、以下の有益な効果を達成し得る。
本開示では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出して、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータを確立し、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得し、動作状態パラメータを太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較して太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守時における太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示と一致する実施形態を図示し、かつ記載とともに本開示の原理を説明する役割を果たすものである。
本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。 本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。 本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。 本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。 本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。 本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する装置のブロック図である。 本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ機器の構造ブロック図である。
いくつかの実施形態に関して詳細に説明し、その例について添付の図面に示す。以下の説明は添付の図面を参照して行い、特に指定しない限り、異なる図面における同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を表す。例示的な実施形態に関する以下の説明で示される実施形態は、本開示と一致するすべての実現例を表すわけではない。むしろ、これらの実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載される本開示に関連する局面と一致する装置および方法の例にすぎない。
当然ながら、本明細書における「複数の」という用語は、2以上を指す。本明細書における「および/または」という用語は、関連する物の関連関係を記述し、3つの関係を示す。例えば、Aおよび/またはBは、次のように表現することができる。Aは単独で存在、AおよびBは同時に存在、Bは単独で存在。また、記号「/」は、一般に、文脈上の物の間の「OR」の関係を示す。
太陽光発電フィールドステーションの運転保守においては、太陽光発電ストリングの動作状態に関するトラブルシューティングが必要である。本開示は、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法を提供し、その方法は、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させ得る。理解を容易にするために、本開示の実施形態に関わる用語について以下に説明する。
1)太陽光発電ストリング
太陽光発電ストリングは、モジュールのストリングと呼ばれ、太陽光発電システムにおいて直列に接続された複数の太陽電池モジュールにより形成される直流出力を有する回路ユニットである。
2)太陽電池モジュール
太陽電池モジュールは、ソーラーパネルとも呼ばれ、直列に接続し、並列に接続し、かついくつかの単位セルを密にパッケージすることにより形成される。太陽電池モジュールは、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーをバッテリーに送って蓄電したり、それにより負荷を駆動したりできる。従来技術の太陽電池モジュールは、複層ガラスモジュール、従来型モジュール、薄膜モジュールなどに分類される。
3)標準気象年(TMY)
本開示の実施形態では、標準気象年を単に標準年と呼ぶ。標準年は、日射等の一連の時間ごとの気象データで構成されるデータ年である。標準年は、以下のような特徴を有する。
(1)標準年の日射、気温、風速などの気象データの出現頻度分布は、過去数年の気象データの出現頻度の長期分布と類似する。
(2)標準年の気象パラメータは、過去数年の気象パラメータと日ごとのパラメータ基準の連続性が類似する。
(3)標準年の気象パラメータと過去数年のパラメータとで、異なるパラメータ間で相関を有する。
標準年は、過去数年の気象データから計算かつ選択した12の標準的月別気象データからなる標準気象年であってもよいし、異なる都市や地域の標準気象年に対して、異なる重み付け係数で選択かつ計算を行うことで決定されてもよい。
4)日射強度
単位面積当たりのエネルギー量を日射強度とする。
5)現在の動作条件
本開示の実施形態において、現在の動作条件とは、動作状態の認識が必要な太陽光発電ストリングの実際の動作中に、本方法を用いて動作状態の認識を行う期間に対応する気候や日射強度等の条件を意味する。
6)理論電力および動作電力
理論電力とは、理論計算上、現在の動作条件下で太陽光発電ストリングが出力すべき電力のことであり、かつ動作電力とは、実際の動作において、現在の動作条件下で太陽光発電ストリングが実際に出力する電力のことである。
一般に、動作電力と理論電力には差があり、その差は自然環境、線路損等によるものである。一般に、太陽光発電ストリングの通常動作では、動作電力は理論電力を下回る。
7)理論短絡電流と動作電流
短絡電流とは、電力系統の運転中に位相間または位相と接地(または中性点)間に異常な接続(すなわち短絡)が生じたときに流れる電流のことである。
理論短絡電流は、たとえば現在の動作条件下での太陽光発電ストリングに発生し得る最大電流を示し、かつ動作電流は、現在の動作条件下での実際の動作時に太陽光発電ストリングに発生する電流を意味する。
太陽光発電ストリングの通常の動作では、動作電流は理論短絡電流を下回る。
8)標準年理論電力と標準年最大短絡電流
上記の標準年の説明を参照すると、通常、標準年は複数存在する。これらの標準年のうち、日射強度が最も高い標準年の気候データを選択して、その標準年の標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出する。
すなわち、標準年理論電力とは、標準年の動作条件下で太陽光発電ストリングが出力し得る最大電力を意味し、標準年最大短絡電流とは、標準年の動作条件下で太陽光発電ストリングに発生し得る最大電流を意味する。
実際の太陽光発電フィールドステーションの運転では、太陽光発電ストリングに発電性能の低下や異常といった発電性能に関する不具合が発生することがよくある。しかしながら、運転保守担当者は、太陽光発電ストリングの電流および電圧から発電性能低下の原因を正確に判断または分析できない場合がある。また、プラットフォームには大量のデータが蓄積されているため、これらのデータを用いて効果的に運転保守を行うことが難しく、その結果、太陽光発電フィールドステーションの発電損失が生じるという問題があった。また、太陽光発電フィールドステーションの太陽光発電ストリングの数は非常に多く、例えば、1MWの太陽光発電所では一般的に165~185の太陽光発電ストリングを備える。大規模な太陽光発電フィールドステーション、特に地上発電所や複数の屋根を有する分散型太陽光発電所では、太陽電池モジュールの設置フィールドの状況は度々複雑であり、それぞれ異なることが多い。例えば、それぞれの太陽電池モジュールの設置方位、設置傾斜および遮光状態などが異なるため、実際に発電性能が低い太陽光発電ストリングや故障の理由をデータの面から正確に判断することが困難である。
従来の方法では、太陽光発電ストリング同士を比較したり、ランク付けして、発電性能が低いかまたは平均レベルからのずれが著しく大きい太陽光発電ストリングを問題ありとして規定し、発電性能が低い太陽光発電ストリングが直接認識できるようにする。しかしながら、前述したように、設置情報のばらつきにより、太陽光発電ストリングにより発電性能は異なるのが普通であるため、中ランクの発電性能の、実際に破損した太陽光発電ストリングが、発電性能の本当に低い太陽光発電ストリングであるにもかかわらず、正しく認識されず、見過ごされやすくなることがある。また、太陽光発電フィールドにおける通信障害により、データが正確に監視台に送信されなかったり、データ異常が発生したりすることがあり、データ異常が大きすぎると、本当は性能が低くなっていない最低ランクの太陽光発電ストリングの誤判定が起こりえる。そこで、太陽光発電クラウド監視台で取得したビッグデータを用いて、太陽光発電ストリングの実発電性能を復元するアルゴリズム解析を行い、太陽光発電フィールドステーションにおける太陽光発電ストリングの発電性能の実状を正確に判定して障害の原因を分析かつ分類し、それにより運転保守担当者の動作効率を向上させて障害を克服し、太陽光発電所の発電損失を低減するためのアドバイスを決定できる。
図1は、本開示の例示的実施形態による、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。本方法は、サーバーにより実行されてもよい。図1に示すように、本方法は、以下のステップを含み得る。
ステップ110において、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出する。太陽光発電ストリングは、直列に接続された2以上の太陽電池モジュールにより形成された直流出力を有する回路ユニットである。
1つの太陽電池は、発生可能な電圧が0.5Vに過ぎず、実用上必要な電圧よりはるかに低い。このため、実用的な応用の要件を満たすためには、太陽電池を接続して太陽電池モジュールにする必要がある。太陽電池モジュールは、太陽電池を直列または並列に接続したものであり、実用的な応用の要件を満たす、より大きな電力を発生させることが可能である。
太陽光発電システムでは、一般に、いくつかの太陽電池モジュールを直列に接続して、太陽電池モジュールの大容量化の要件をみたす容量を確保するための直流出力を有する回路ユニットを形成する。1つの太陽光発電ストリングに含まれる太陽電池モジュールの数は限定されないため、太陽光発電ストリングの実際の設置現場や環境に応じて設計および調整を行うことが必要である。
ステップ120において、太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出する。
上述の標準年の説明を参照して、標準年理論電力および標準年最大短絡電流は、標準年の最大日射強度のデータに基づいて算出される。例えば、過去20年間の気象データの変化特性をまとめるために、過去20年間の気象データに基づいて標準年を選択してもよい。標準年の最大日射強度が、太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出するために選択される。
ステップ130において、太陽光発電ストリングの理論電力、理論最大短絡電流、標準年の理論電力および標準年の最大短絡電流に基づいて、太陽光発電ストリングの標準状態パラメータが確立される。標準状態パラメータは、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む。
ステップ140では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得する。動作状態パラメータは、太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を含む。
ステップ150において、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを、太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。
要約すると、本開示の実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法において、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流は、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータを確立するために算出され、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得し、動作状態パラメータを太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守時における太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
太陽光発電フィールドステーションが気象観測所を有する場合、または太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データを取得することができる場合、図2は、本開示の例示的実施態様による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。本方法は、サーバーにより実行されてもよい。図2に示すように、本方法は、以下のステップを含み得る。
ステップ201において、太陽光発電ストリングが設置される太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度を、予め設定された間隔で取得する。
太陽光発電フィールドステーションの日射強度には、水平面日射強度と斜面日射強度があり、一般に太陽光発電フィールドステーションに設置された気象観測所の照射器の角度に基づいて決定される。気象観測所の照射器が水平に設置されている場合、検出される日射強度は水平面日射強度であり、気象観測所の照射器が斜めに設置されている場合、検出される日射強度は斜面日射強度であり、照射器の傾きは、一般に発電所のデータがアクセスする監視台で収集される。太陽電池モジュールは通常、地面に対して傾斜を持つように設置されるため、通常、斜面日射強度で上記の計算を行うことが好ましい。斜面日射強度が入手できない場合は、水平面日射強度を用いて計算を行ってもよい。
ステップ202では、太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度が日射強度閾値以上となる期間を検出期間として決定する。
太陽光発電ストリングの動作は日射強度に依存し、かつ日射強度に応じて発電量が変化する。具体的には、日射強度が上昇すると太陽光発電ストリングの発電量は増加し、日射強度が下がると太陽光発電ストリングの発電量は減少する。そこで、日射強度が低くすぎて太陽光発電ストリングの発電量が低下することによる太陽光発電ストリングの動作状態の認識上の支障をなくすために、予め設定した間隔で太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度を取得する。太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度が日射強度閾値以上である期間を検出期間として決定する。様々な太陽光発電フィールドステーションの異なる地理的位置により、様々な太陽光発電フィールドステーションの検出期間もまた異なる。
任意には、日射強度閾値は300w/mであり、日射強度が300w/m以上である期間のデータのみが太陽光発電ストリング動作状態の認識時に算出されるようにすることもできる。
が太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度、Hthresが日射強度閾値を表す場合、検出期間における太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度Hは、以下の関係を満たす。
Figure 0007289995000001
ステップ203では、検出期間内の特定期間における動作条件を、現在の動作条件として決定する。
現在の動作条件とは、検出期間内のある期間に対応する気象データの特性値を意味する。特性値は、データを収集した時の瞬間的な気象データであってもよいし、期間中の気象データの平均であってもよい。
現在の動作条件がある期間は、データ収集の頻度により決定される。例えば、データ収集の頻度は、1分ごと、5分ごと、または10分ごとに1回であってもよく、それに応じて、対応する現在の動作条件は、1分ごと、5分ごとまたは10分ごとの瞬時の気象データである。任意には、対応する現在の動作条件は、1分ごと、5分ごとまたは10分ごとの気象データの平均あってもよい。データ収集の頻度は、サーバーの計算能力に応じてテスターにより設定されてもよい。
本開示の実施形態では、データ収集における瞬時の気象データが気象データの特性値である場合を例にとって説明する。
ステップ204では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力と理論最大短絡電流を算出する。太陽光発電ストリングは、直列に接続された2以上の太陽電池モジュールにより形成された直流出力を有する回路ユニットである。
いくつかの実施形態では、気象データが存在する場合、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、周囲温度および風速が、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データに基づいて取得される。
次に、現在の動作条件下での太陽光発電ストリング内の太陽電池モジュールの温度を、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度と風速とに基づいて算出し、温度の計算式は以下の通りである。
Figure 0007289995000002
は現在の動作条件下での太陽電池モジュールの温度、Hは現在の動作条件に対応する太陽光発電ストリングの瞬間日射強度、Wは風速、Tambは現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの周囲温度、aおよびbは太陽電池モジュールの種類と設置態様に依存する定数である。詳細は、表1を参照されたい。
Figure 0007289995000003
現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセル温度は、太陽電池モジュールの温度に基づいて算出される。計算は、以下の式に基づいて行われる。
Figure 0007289995000004
cellは、現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセルの温度を表し、Gstcは、標準試験条件下での太陽電池モジュールの日射強度を表し、値は1000W/mであり、かつΔTは太陽電池モジュールの種類と設置態様に依存する温度パラメータを表す。詳細については、表1を参照されたい。
標準試験条件は、当該技術分野で許容される太陽電池モジュールの試験標準(STC)の試験条件、すなわち、AM=1.5、1000W/m、25℃であり、ここで、AMはエア・マスを意味し、AM=1.5は、大気を通過する光の実際の距離が大気の鉛直厚さの1.5倍であることを意味し、1000W/mは、太陽電池の標準試験における光の日射強度を意味し、25℃は、25℃において動作することを意味する。
現在の動作条件に対応する太陽電池モジュールのセルの平均動作温度は、標準年における現在の動作条件に対応する時間での太陽電池モジュールの日射強度と、標準年における現在の動作条件に対応する時間での太陽電池モジュールの温度とに基づいて算出される。計算方法は、以下の式による。
Figure 0007289995000005
cell_typ_avgは、現在の動作条件に対応する太陽電池モジュールのセルの平均動作温度を表し、Htyp_iは、標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における日射強度を表し、Tcell_typ_iは、標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における太陽電池モジュールの温度を表す。
現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流は、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、太陽電池モジュールのセルの平均動作温度および現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセルの温度に基づいて算出される。計算は以下の式に基づく。
Figure 0007289995000006
Figure 0007289995000007
は、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力、Ii_maxは、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論短絡電流、δは、太陽電池モジュールの電力温度係数で、その単位は%/℃、nは太陽光発電ストリングを構成する太陽電池モジュールの数であり、Kは、太陽電池モジュールの設置状況に影響される経験パラメータ、Pstcは、標準動作条件下での太陽電池モジュールの公称電力を表し、Istcは、標準動作条件下での太陽電池モジュールの公称短絡電流を表し、PstcおよびIstcは、太陽電池モジュールの製品仕様から取得され得る。
なお、太陽光発電ストリングは、いくつかの太陽電池モジュールが直列に接続されて形成されているため、太陽光発電ストリングを流れる電流は各太陽電池モジュールを流れる電流に過ぎず、太陽光発電ストリングの発電電力は太陽光発電ストリング内の全ての太陽電池モジュールの発電電力の和に等しい。実際には、太陽光発電ストリングを構成する太陽電池モジュールの仕様は概ね同じであるため、太陽光発電ストリングの電力は、単一の太陽電池モジュールの電力に太陽光発電ストリングを構成する太陽電池モジュールの数を乗じることにより算出することができる。
ステップ205において、太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出する。
いくつかの実施形態では、標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度が、太陽光発電フィールドステーションの地理的位置に従って取得され、標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度を収集する間隔は、動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得する間隔と同一である。
標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度のうち最大日射強度を選択し、標準年の最大日射強度に基づいて、太陽光発電フィールドステーションの太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出する。
太陽光発電ストリングの標準年理論電力と標準年最大短絡電流は、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007289995000008
Figure 0007289995000009
sc_tmy_maxは、太陽光発電ストリングの標準年理論短絡電流を表し、Ptmy_maxは標準年理論電力を表し、Istcは標準動作条件下での太陽電池モジュールの公称短絡電流を表し、Htmy_maxは標準年の太陽光発電ストリングの最大の日射強度を表わす。
ステップ206において、太陽光発電ストリングの理論電力、理論最大短絡電流、標準年理論電力および標準年最大短絡電流に基づいて、太陽光発電ストリングの標準状態パラメータを確立する。標準状態パラメータは、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む。
いくつかの実施形態では、太陽光発電ストリングの理論電力と標準年理論電力のうち小さい方が電力閾値として決定され、太陽光発電ストリングの理論最大短絡電流と標準年最大短絡電流のうち小さい方が短絡電流閾値として決定される。
電流閾値と電力閾値は、以下のように表される。
Figure 0007289995000010
Figure 0007289995000011
thresは、太陽光発電ストリングの短絡電流閾値を表し、Pthresは、太陽光発電ストリングの電力閾値を表す。
ステップ207において、検出期間における現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得する。
いくつかの実施形態では、検出期間における現在の動作条件下での太陽光発電ストリングのDCコンバイナーボックスまたはストリング型インバータのDC側動作電流および動作電力を取得する。
コンバイナーボックスは、結合と監視のための装置である。実際には、同じ仕様の太陽電池セルをいくつか直列に接続して、複数の太陽光発電ストリングを形成し、太陽光発電コンバイナーボックスにおいて並列接続する。
インバータとは、直流電力を交流電力に変換する装置である。
直流コンバイナーボックスとストリング型インバータの直流側で、太陽光発電ストリングの動作電流と動作電力の検出動作を行い、太陽光発電ストリング全体の動作電流と動作電力を取得することができる。したがって、単一の太陽電池モジュールについて検出と計算を行う必要がなく、計算効率が向上する。
ステップ208において、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを、太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。
いくつかの実施形態では、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータが、第1の時間閾値よりも長い持続時間、太陽光発電ストリングの標準状態パラメータよりも大きい場合には、太陽光発電ストリングの電力が増大していると判断される。
判断は、以下の関係に基づいて行われる。
Figure 0007289995000012
Figure 0007289995000013
は太陽光発電ストリングの動作電流を表し、Pは太陽光発電ストリングの動作電力を表し、以下の関係を満たす。
Figure 0007289995000014
この場合、太陽光発電ストリングの電流または電力が増大し、関連する警告メッセージが警報用サーバーにより自動的に出される。Tdurlは、太陽光発電ストリングの電流または電力が増大し続ける時間を表し、Tiは、予め設定された第1の時間閾値を表す。つまり、太陽光発電ストリングの電流または電力が一時的に増大しても警告メッセージがトリガされず、太陽光発電ストリングの電流または電力が一定時間増大し続けた後にのみメッセージを発するようにし、これにより、事故による太陽光発電ストリングの動作状態の誤判定が起き、運転保守担当者に誤った指示を出すことを回避することができる。サーバーは、太陽光発電ストリングの電流または電力が増大していることが確認された場合、対応する点検を行うよう運転保守担当者に促すための対応する指示を出してもよい。一般に増大は、通信モジュールの故障や回線データの異常時に発生するため、検査は、太陽光発電ストリングの通信モジュールや回線のチェックが一般的である。
第1の時間閾値は、たとえば1時間である。
太陽光発電ストリングの動作状態パラメータにおける電流が、第2の時間閾値よりも長い持続時間、電流閾値未満である場合には、太陽光発電ストリングに短絡が発生したと判断される。
判定は、以下の関係に基づいて行われる。
Figure 0007289995000015
は電流閾値を表し、Iの値はたとえば0.01Aで、以下の関係を満たす。
Figure 0007289995000016
この場合、太陽光発電ストリングは切断され、警報用サーバーから自動的に警告メッセージが出される。
この場合、ヒューズの溶断、ヒューズベースの損傷、太陽光発電ストリングのモジュール接続端子の剥離や溶断、太陽光発電ストリングのモジュール接続箱のバーンアウト等が原因として考えられる。サーバーは、上記の想定される状況に応じて、運転保守担当者に対応の指示を与えることができる。
dur2は、太陽光発電ストリングが切断されている持続時間を表し、Tは予め設定された第2の時間閾値を表し、第2の時間閾値はたとえば30分である。
太陽光発電ストリングの動作状態パラメータが、第3の時間閾値より長い持続時間、太陽光発電ストリングの重付けされた標準状態パラメータより小さい場合には、太陽光発電ストリングの電流または電力が低いと判断される。
この判断は、以下の関係に基づく。
Figure 0007289995000017
Figure 0007289995000018
ここで、αおよびβは経験パラメータを表し、以下の関係を満たす。
Figure 0007289995000019
この場合、太陽光発電ストリングの電流または電力が低く、太陽光発電ストリングの発電性能が低いので、対応する警告メッセージが、警報用サーバーにより自動的に出される。
dur3は、太陽光発電ストリングが切断されている持続時間、Tは予め設定された第3の時間閾値を表す。つまり、太陽光発電ストリングの電流または電力が一時的に低レベルでも、警告メッセージをトリガせず、太陽光発電ストリングの電流または電力が一定の持続時間、継続して低レベルであった後にのみメッセージを出すことで、事故による太陽光発電ストリングの動作状態の誤判定により、運転保守担当者に誤った指示を出すことを避けることができる。太陽光発電ストリングの性能が低いと判断された場合、サーバーは、運転保守担当者に太陽光発電ストリングを点検するよう促す指示を出すことができる。性能の低い太陽光発電ストリングに、固有の長年にわたる影、局所的な埃やその他の深刻な汚れがない場合、太陽電池モジュールが深刻に減衰または損傷していると判断される得る。運転保守担当者は、太陽光発電ストリングに対して、赤外線カメラやELテスターを用いた太陽光発電ストリングの健康診断など、適切な性能試験を行い、性能の低い太陽光発電ストリングを交換し、発電量の損失を低減する必要がある。
第3の時間閾値は、たとえば3時間である。
なお、第1の時間閾値、第2の時間閾値および第3の時間閾値は、実際の状況に応じて調整してもよく、本開示は、第1の時間閾値、第2の時間閾値および第3の時間閾値の値を制限するものではない。
要約すると、本開示の実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法において、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流が算出されて、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータを確立し、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得しかつ動作状態パラメータを太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守時における太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
太陽光発電フィールドステーションが気象観測所を有していない場合、または太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データを取得できない場合、本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートである図3を参照することができる。太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法は、サーバーにより実行されてもよい。図3に示すように、本方法は、以下のステップを含み得る。
ステップ301において、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データが存在しない場合には、現在の動作条件下でのすべての太陽光発電ストリングの最大電流を取得する。
ステップ302では、最大電流に基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度を算出する。
太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データを取得できない場合があるため、太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得できないことがある。そのため、現在の動作条件下での日射強度が日射強度閾値以上であるという条件を満たすか否かを決定するために、現在の動作条件下での理論日射強度を太陽光発電フィールドステーションの既存の動作データから変換する必要がある。
計算は、以下の式に基づいて行われる。
Figure 0007289995000020
i_thは、現在の動作条件下での理論日射強度を表し、Imp_all_maxは、現在の動作条件下での全ての太陽光発電ストリングにおける最大電流を表す。
ステップ303において、現在の動作条件下での理論日射強度が日射強度閾値以上であると判定されると、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、標準動作条件下での太陽電池モジュールの短絡電流および標準試験条件下での太陽電池モジュールの日射強度に基づいて、太陽光発電フィールドステーションでの太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流が算出される。
現在の動作条件下での理論日射強度が日射強度閾値以上であると判定するための論理は、以下の通りである。
Figure 0007289995000021
現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、標準動作条件下での太陽電池モジュールの短絡電流および標準試験条件下での太陽電池モジュールの日射強度に基づく、太陽光発電フィールドステーションにおける太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流は、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007289995000022
Figure 0007289995000023
i_max_thは、現在の動作条件下での理論最大短絡電流を表し、Pi_thは、現在の動作条件下での理論電力を表す。
ステップ304において、太陽光発電ストリングの標準年理論電力と標準年最大短絡電流が算出される。
ステップ305では、太陽光発電ストリングの理論電力、理論最大短絡電流、標準年理論電力および標準年最大短絡電流に基づき、太陽光発電ストリングの標準状態パラメータが確立される。標準状態パラメータは、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む。
いくつかの実施態様においては、太陽光発電ストリングの理論電力と標準年理論電力のうち小さい方が電力閾値として決定され、かつ太陽光発電ストリングの理論最大短絡電流および標準年最大短絡電流のうち小さいほうを短絡電流閾値として決定する。
電流閾値と電力閾値は、以下のように表される。
Figure 0007289995000024
Figure 0007289995000025
ステップ306では、検出期間における現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得する。
ステップ307では、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを、太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。
ステップ304、306および307の詳細はここでは省略するが、これらの詳細については、図2に示す実施形態におけるステップ205、207および208の関連する内容を参照されたい。
要約すると、本開示の実施形態による方法では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流が、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータを確立するために算出され、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得し、動作状態パラメータを対応する太陽光発電ストリングの標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守時の太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
図4は、本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。本方法は、サーバーにより実行されてもよい。図4に示すように、本方法は、以下のステップを含み得る。
ステップ401において、検出時間を決定し、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得する。
ステップ402において、動作条件下での太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を出力する。
ステップ401で取得した太陽光発電ストリングの動作状態パラメータは、動作条件下での太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を含み、これは検出時間中の太陽光発電ストリングの動作状態パラメータの一部を示す。
ステップ403では、特定の状況に応じて対応する計算方法を選択することにより、太陽光発電ストリングの理論電力および理論短絡電流を算出する。
ステップ404では、標準年の気象データを取得する。
太陽光発電ストリングが配置される太陽光発電フィールドステーションの標準年における気象データを取得する。
ステップ405において、標準年における太陽光発電ストリングの理論電力および理論短絡電流を算出する。
標準年における太陽光発電ストリングの理論電力および理論短絡電流を、標準年における気象データに基づいて算出する。
ステップ406において、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。
太陽光発電ストリングの動作状態を、太陽光発電ストリングの理論電力および理論短絡電流、動作条件下での太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流ならびに標準年における太陽光発電ストリングの理論電力および理論短絡電流に基づいて決定する。
ステップ407では、太陽光発電ストリングの動作状態に基づいて、運転保守のための対応のアドバイスを提供する。
要約すると、本開示の実施形態による方法では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年の理論電力および標準年の最大短絡電流が、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータを確立するために算出され、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得し、動作状態パラメータを対応する太陽光発電ストリングの標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守中の太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、それにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
本開示の例示的な実施形態は、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法を提供し、本方法は、サーバーにより実行されてもよく、かつこのサーバーは、クラウド監視台として実装されてもよい。本方法は、以下のステップを含み得る。
I.気象観測所を有する太陽光発電フィールドステーションにおいて
ステップ1において、太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得し、日射強度が300w/mより大きい期間における太陽光発電ストリングの状態データを、動作状態データとして選択する。
ステップ2において、現在の条件下での太陽光発電ストリングの理論電力Pおよび理論短絡電流Ii_maxを算出する。
ステップ3において、太陽光発電フィールドステーションの標準年の日射強度における最大日射強度Htmy_maxを取得する。
ステップ4では、最大日射強度Htmy_maxに基づいて、太陽光発電ストリングの標準年理論電力Ptmy_maxおよび標準年最大短絡電流Isc_tmy_maxを算出する。
ステップ5では、理論電力Pと標準年理論電力Ptmy_maxのうち小さい方を標準状態パラメータにおける電力閾値Pthresとして決定し、理論短絡電流Ii_maxと標準年最大短絡電流Isc_tmy_maxのうち小さい方を標準状態パラメータにおける短絡電流閾値Ithresとして決定する。
ステップ6では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの動作電力Pと動作電流Iを取得する。
ステップ7では、第1の時間閾値Tが設定される。太陽光発電ストリングの動作電力Pおよび動作電流Iが以下の関係を満たし、
Figure 0007289995000026
Figure 0007289995000027
かつ、持続時間Tdurが以下の関係を満たす場合、
Figure 0007289995000028
クラウドシステムは、太陽光発電ストリングの電流または電力が増大していると判断し、警告メッセージを自動的に送信する。
ステップ8では、動作電流Iが以下の関係を満たす場合、電流閾値Iと第2の時間閾値Tが設定され、
Figure 0007289995000029
Figure 0007289995000030
クラウドシステムは、太陽光発電ストリングが切断されていると判断し、警告情報を自動的に送信する。
ステップ9において、第3の時間閾値Tが設定される。太陽光発電ストリングの動作電力Pと動作電流Iが、以下の関係を満たし(ここで、αおよびβは経験係数である)、
Figure 0007289995000031
Figure 0007289995000032
かつ、持続時間Tdurが以下の関係を満たす場合、
Figure 0007289995000033
クラウドシステムは、太陽光発電ストリングが低性能であると判断し、自動的に警告メッセージを送信する。
II.気象観測所がない太陽光発電フィールドステーションにおいて
ステップ1において、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーション内の全ての太陽光発電ストリングの電流のうち最大電流Imp_all_maxを取得する。
ステップ2において、太陽光発電フィールドステーションの日射強度Hi_thを算出し、かつ日射強度が300w/mより大きい期間における太陽光発電ストリングの状態データを動作状態データとして選択する。
ステップ3において、太陽光発電フィールドステーションの日射強度Hi_thに基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力Pi_thおよび理論短絡電流Ii_max_thを算出する。
ステップ3では、太陽光発電フィールドステーションの標準年の日射強度における最大日射強度Htmy_maxを取得する。
ステップ4では、最大日射強度Htmy_maxに基づいて、太陽光発電ストリングの標準年理論電力Ptmy_maxと標準年最大短絡電流Isc_tmy_maxを算出する。
ステップ5では、理論電力Pi_thと標準年理論電力Ptmy_maxのうち小さい方を標準状態パラメータにおける電力閾値Pthresとして決定し、かつ理論短絡電流Ii_max_thと標準年最大短絡電流Isc_tmy_maxのうち小さい方を、標準状態パラメータにおける短絡電流閾値Ithresとして決定する。
ステップ6では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの動作電力Pと動作電流Iを取得する。
ステップ7では、第1の時間閾値Tが設定される。太陽光発電ストリングの動作電力Pと動作電流Iが以下を満たし、
Figure 0007289995000034
Figure 0007289995000035
かつ、持続時間Tdurが以下を満たす場合、
Figure 0007289995000036
クラウドシステムは、太陽光発電ストリングの電流または電力が増大していると判断し、警告メッセージを自動的に送信する。
ステップ8では、電流閾値Iと第2の時間閾値Tが設定される。動作電流Iが以下を満足する場合、
Figure 0007289995000037
Figure 0007289995000038
クラウドシステムは、太陽光発電ストリングが切断されていると判断し、警告情報を自動的に送信する。
ステップ9において、第3の時間閾値Tが設定される。太陽光発電ストリングの動作電力Pおよび動作電流Iが以下を満たし(ここで、αおよびβは経験係数である)、
Figure 0007289995000039
Figure 0007289995000040
かつ、持続時間Tdurが以下を満たす場合、
Figure 0007289995000041
クラウドシステムは、太陽光発電ストリングの性能が低いと判断し、自動的に警告メッセージを送信する。
図5は、本開示の例示的な実施形態による、太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法のフローチャートを示す。上記のステップを実行する論理については、図5を参照されたい。図5に示すように、太陽光発電ストリングの動作状態の認識では、気象観測所があるシーンと気象観測所がないシーンとでは異なる態様で、現在の動作条件下での理論日射強度ならびに太陽光発電ストリングの理論電力および理論電流を取得し、算出した標準年理論最大短絡電流および標準年理論電力に基づいて標準状態パラメータを決定し、動作状態パラメータを標準状態パラメータと比較して太陽光発電ストリングの動作状態を判断し、判断した太陽光発電ストリングの動作状態に基づいて対応のアドバイスを提供する。
要約すると、本開示の実施形態による方法では、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流が算出されて、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータが確立され、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得し、かつ動作状態パラメータを太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守時の太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
図6は、本開示の例示的な実施形態による太陽光発電ストリングの動作状態を認識する装置のブロック図である。この装置は、図1、図2、図3、図4または図5に示される対応の実施形態による方法のステップのすべてまたは一部を実行するために、ソフトウェアの形態でサーバーのすべてまたは一部として実装され得る。図6に示すように、この装置は、第1の計算モジュール610、第2の計算モジュール620、標準確立モジュール630、第1の取得モジュール640および決定モジュール650を含み得る。
第1の計算モジュール610は、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するように構成され、太陽光発電ストリングは、直列接続された2以上の太陽電池モジュールにより形成される、直流出力を有する回路ユニットである。
第2の計算モジュール620は、太陽光発電ストリングの標準年理論電力と標準年最大短絡電流を算出するように構成される。
標準確立モジュール630は、太陽光発電ストリングの理論電力、理論最大短絡電流、標準年理論電力および標準年最大短絡電流に基づいて太陽光発電ストリングの標準状態パラメータを確立するように構成され、標準状態パラメータは、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む。
第1の取得モジュール640は、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得するように構成され、動作状態パラメータは、太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を含む。
決定モジュール650は、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを、太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定するように構成される。
いくつかの実施形態において、標準確立モジュール630は、太陽光発電ストリングの理論電力および標準年理論電力のうちの小さい方を電力閾値として決定するように構成される第1の取得サブモジュールと、太陽光発電ストリングの理論最大短絡電流および標準年最大短絡電流のうちの小さい方を短絡電流閾値として決定するように構成される第2の取得サブモジュールとを含む。
いくつかの実施形態において、本装置は太陽光発電ストリングが設置されている太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度を予め設定された間隔で取得するように構成される第2の取得モジュールと、太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度が日射強度閾値以上である期間を検出期間として決定するように構成される第3の取得モジュールと、検出期間内の特定の期間における動作条件を現在の動作条件として決定するように構成される第4の取得モジュールとをさらに備える。
いくつかの実施形態において、第1の取得モジュール640は、検出期間における現在の動作条件下での、太陽光発電ストリングのDCコンバイナーボックスまたはストリング型インバータのDC側動作電流および動作電力を取得するように構成される。
いくつかの実施形態において、第1の計算モジュール610は、気象データが存在する場合に、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データに基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、周囲温度および風速を取得するように構成される第3の取得サブモジュールと、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、周囲温度および風速に基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの太陽電池モジュールの温度を算出するように構成される第1の計算サブモジュールと、太陽電池モジュールの温度に基づいて、現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセルの温度を算出するように構成される第2の計算サブモジュールと、標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における太陽電池モジュールの日射強度および標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における太陽電池モジュールの温度に基づいて、現在の動作条件に対応する太陽電池モジュールのセルの平均動作温度を計算するように構成される第3の計算サブモジュールと、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、太陽電池モジュールのセルの平均動作温度および現在の動作条件下での太陽電池モジュールのセルの温度に基づいて、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を計算するように構成される第4の計算サブモジュールとを備える。
いくつかの実施形態では、第1の計算モジュール610は、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データが存在しない場合には、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの全てにおける最大電流を取得するように構成される第4の取得サブモジュールと、最大電流に基づいて現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度を算出するように構成される第5計算サブモジュールと、現在の動作条件下での太陽光発電フィールドステーションの日射強度、標準動作条件下での太陽電池モジュールの短絡電流および標準試験条件下での太陽電池モジュールの日射強度に基づいて、太陽光発電フィールドステーション内の太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するように構成される第6の計算サブモジュールとを備える。
いくつかの実施形態では、第2の計算モジュール620は、太陽光発電フィールドステーションの地理的位置に従って標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得するように構成され、標準年の太陽光発電フィールドステーションの日射強度を収集する間隔が動作条件の下で太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得する間隔と同一である第5の取得サブモジュールと、現在の動作条件に対応する検出時間において、標準年における太陽光発電フィールドステーションの日射強度のうちの最大日射強度を選択するように構成される選択サブモジュールと、最大日射強度に基づき、太陽光発電フィールドステーションにおける太陽光発電ストリングの標準年の理論電力および標準年の最大短絡電流を算出するように構成される第7計算サブモジュールとを備える。
いくつかの実施形態では、決定モジュール650は、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータが第1の時間閾値よりも長い持続時間、太陽光発電ストリングの標準状態パラメータよりも大きい場合には、太陽光発電ストリングの電力が増大していると決定するように構成される第1の決定サブモジュールと、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータの電流が、第2の時間閾値よりも長い持続時間、電流閾値未満である場合には、太陽光発電ストリングに短絡が発生したと決定するように構成される第2の決定サブモジュールと、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータが、第3の時間閾値より長い持続時間、太陽光発電ストリングの重付標準状態パラメータより小さい場合に、太陽光発電ストリングの電流または電力が低いと決定するように構成される第3の決定サブモジュールとを含む。
要約すると、本開示の実施形態による装置は、サーバーにおいて適用され、現在の動作条件下での太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流ならびに太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流は、太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む標準状態パラメータを確立するために算出され、太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得し、かつ動作状態パラメータを対応する太陽光発電ストリングの標準状態パラメータと比較することにより、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する。したがって、太陽光発電所の運転保守時における太陽光発電ストリングの動作パラメータに関するベンチマーク判断により、太陽光発電ストリングの実際の動作状態を取得することができ、太陽光発電ストリングの動作状態を決定する際の精度を向上させることができる。
図7は、本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ機器の概略構造図である。コンピュータ機器は、本開示の解決策における上述のサーバーとして実装されてもよい。コンピュータ機器700は、中央処理装置(CPU)701と、ランダムアクセスメモリ(RAM)702およびリードオンリーメモリ(ROM)703を含むシステムメモリ704と、システムメモリ704とCPU701とを接続するシステムバス705とを含む。コンピュータ機器700は、コンピュータ内の様々な構成要素間の情報伝達を助ける基本入出力システム(I/Oシステム)706と、オペレーティングシステム713、アプリケーション714および他のプログラムモジュール715を格納するための大容量記憶装置707をさらに含む。
基本I/Oシステム706は、情報を表示するためのディスプレイ708と、ユーザが情報を入力するためのマウスやキーボードなどの入力装置709を備える。ディスプレイ708と入力装置709は、いずれもシステムバス705に接続されたI/Oコントローラ710によりCPU701に接続される。また、基本I/Oシステム706は、キーボード、マウス、電子スタイラスなどの他の複数のデバイスからの入力を受信し処理するためのI/Oコントローラ710を備えてもよい。同様に、I/Oコントローラ710はさらに、ディスプレイ画面、プリンタまたは他のタイプの出力デバイスに出力を提供する。
大容量記憶装置707は、システムバス705に接続された大容量記憶装置コントローラ(図示せず)によりCPU701に接続されている。大容量記憶装置707とその関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ機器700のための不揮発性ストレージを提供する。すなわち、大容量記憶装置707は、ハードディスクやCD-ROMドライブなどのコンピュータ可読媒体(不図示)を含み得る。
一般性を損なうことなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体とを含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り出し不可の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の固体記憶装置、CD-ROM、DVDまたは他の光学記憶装置およびテープカートリッジ、磁気テープ、ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置を含む。なお、コンピュータ記憶媒体は上記に限定されないことは、当業者には周知であろう。上記システムメモリ704および大容量記憶装置707を総称してメモリと呼ぶことがある。
本開示の様々な実施形態によれば、コンピュータ機器は、インターネットなどのネットワークを介してネットワーク上のリモートコンピュータに接続されて動作することもできる。すなわち、コンピュータ機器700は、システムバス705に接続されたネットワークインターフェースユニット711によりネットワーク712に接続されてもよいし、ネットワークインターフェースユニット711により他の種類のネットワークまたはリモートコンピュータシステム(図示せず)に接続されてもよい。
メモリは、メモリに格納された1以上のプログラムをさらに含む。この1以上のプログラムは、CPU701によりロードされかつ実行されるとと、CPU701に、図1、図2、図3、図4または図5に示される方法のステップの全てまたは一部を実行させる。
当業者であれば、上述した1以上の例において、本開示の実施形態で説明した機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得ることを理解するであろう。ソフトウェアで実装される場合、これらの機能は、コンピュータ可読媒体に格納されるか、またはコンピュータ可読媒体上の1以上の命令またはコードとして伝送され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体と、通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用のコンピュータによりアクセス可能な任意の利用可能な媒体でよい。
例示的な実施形態は、1以上の命令、1以上のプログラム、コードセット、または命令セットを記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。1以上の命令、1以上のプログラム、コードセットまたは命令セットは、コンピュータ機器のプロセッサによりロードされかつ実行されると、図2、図3および図4に示される上述の実施形態のいずれかによる方法のステップのすべてまたは一部を実行するように、コンピュータ機器に実行させる。例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、または光学データ記憶装置等でよい。
本開示の他の実施形態は、本開示の明細書および実施の検討から当業者には明らかになるであろう。本願は、その一般原則に従ったかつ本明細書に開示されていない公知または慣用技術の手段を含む本開示のあらゆる変形、用途または適応例を包含することを意図する。本明細書および実施形態は、例示的なものとしてのみ考慮され、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示される。
本開示は、上記で説明され、添付図面に例示された正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な変形および変更を行うことが可能である。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲にのみ従うことが意図される。

Claims (7)

  1. 太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法であって、
    予め設定された間隔で、前記太陽光発電ストリングが設置された太陽光発電フィールドステーションの瞬時日射強度を取得するステップと、
    前記太陽光発電フィールドステーションの前記瞬時日射強度が所定の日射強度閾値以上である期間を検出期間として決定するステップと、
    前記検出期間内の特定の期間における動作条件を現在の動作条件として決定するステップと、
    現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するステップであって、前記太陽光発電ストリングが、直列に接続された2以上の太陽電池モジュールにより形成された直流出力を有する回路ユニットである、ステップと、
    前記太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出するステップと、
    前記太陽光発電ストリングの前記理論電力、前記理論最大短絡電流、前記標準年理論電力および前記標準年最大短絡電流に基づいて、前記太陽光発電ストリングの標準状態パラメータを確立するステップであって、前記標準状態パラメータが、前記太陽光発電ストリングの電力閾値および短絡電流閾値を含む、ステップと、
    現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを取得するステップであって、前記動作状態パラメータが、前記太陽光発電ストリングの動作電力および動作電流を含む、ステップと、
    前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを前記太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより前記太陽光発電ストリングの動作状態を決定するステップとを含み、
    前記太陽光発電ストリングの動作状態パラメータを前記太陽光発電ストリングの対応する標準状態パラメータと比較することにより前記太陽光発電ストリングの動作状態を決定する前記ステップが、
    (i)前記太陽光発電ストリングの前記動作状態パラメータが、第1の時間閾値よりも長い持続時間、前記太陽光発電ストリングの前記標準状態パラメータよりも大きい場合には、前記太陽光発電ストリングの電力が増大していると決定するステップと、
    (ii)前記太陽光発電ストリングの前記動作状態パラメータにおける電流が、第2の時間閾値より長い持続時間、電流閾値より小さい場合には、前記太陽光発電ストリングに短絡が発生したと決定するステップと、
    (iii)前記太陽光発電ストリングの前記動作状態パラメータが、第3の時間閾値より長い持続時間、前記太陽光発電ストリングの重付標準状態パラメータより小さい場合には、前記太陽光発電ストリングの電流または電力が低いと決定するステップとを含む、方法。
  2. 在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出する前記ステップが、
    (1)気象データが存在する場合には、太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データに基づいて、現在の動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度、周囲温度および風速を取得するステップと、
    (2)現在の動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーションの前記日射強度、前記周囲温度および前記風速に基づいて、現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの前記太陽電池モジュールの温度を算出するステップと、
    (3)前記太陽電池モジュールの前記温度に基づいて、現在の動作条件下での前記太陽電池モジュールのセルの温度を算出するステップと、
    (4)標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における前記太陽電池モジュールの日射強度と、標準年における現在の動作条件に対応する検出時間における前記太陽電池モジュールの温度とに基づいて、現在の動作条件に対応する前記太陽電池モジュールのセルの平均動作温度を算出するステップと、
    (5)現在の動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度、前記太陽電池モジュールのセルの前記平均動作温度および現在の動作条件下での前記太陽電池モジュールのセルの前記温度に基づいて、現在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 在の動作条件下での前記太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出する前記ステップが、
    (1)太陽光発電フィールドステーションに対応する気象データが存在しない場合には、現在の動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーション内のすべての前記太陽光発電ストリングの電流のうち最大電流を取得するステップと、
    (2)前記最大電流に基づいて、現在の動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度を算出するステップと、
    (3)現在の動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーションの前記日射強度、標準動作条件下での前記太陽電池モジュールの短絡電流および標準試験条件下での前記太陽電池モジュールの日射強度に基づいて、前記太陽光発電フィールドステーションの前記太陽光発電ストリングの理論電力および理論最大短絡電流を算出するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 記太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出する前記ステップが、
    (1)太陽光発電フィールドステーションの地理的位置に応じて、標準年における前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得するステップであって、標準年における前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度を収集する間隔が、動作条件下での前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度を取得する間隔と同一である、ステップと、
    (2)現在の動作条件に対応する検出時間における標準年における前記太陽光発電フィールドステーションの日射強度のうち最大日射強度を選択するステップと、
    (3)前記最大日射強度に基づき、前記太陽光発電フィールドステーションの前記太陽光発電ストリングの標準年理論電力および標準年最大短絡電流を算出するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記太陽光発電ストリングの前記理論電力、前記理論最大短絡電流、前記標準年理論電力および前記標準年最大短絡電流に基づいて、前記太陽光発電ストリングの標準状態パラメータを確立する前記ステップが、
    前記太陽光発電ストリングの前記理論電力と前記標準年理論電力のうち小さい方を前記電力閾値として決定するステップと、
    前記太陽光発電ストリングの前記理論最大短絡電流と前記標準年最大短絡電流のうち小さい方を前記短絡電流閾値として決定するステップとを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. プロセッサと、1以上の命令、1以上のプログラム、コードセットまたは命令セットを記憶するメモリとを備えるコンピュータ機器であって、前記1以上の命令、前記1以上のプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットは、前記プロセッサによりロードされかつ実行されると、前記プロセッサに、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ機器。
  7. 1以上の命令、1以上のプログラム、コードセットまたは命令セットを記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記1以上の命令、前記1以上のプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットが、コンピュータ機器のプロセッサによりロードされかつ実行されると、前記コンピュータ機器に、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行させる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
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