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JP7288571B2 - 天びん用風防 - Google Patents

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JP7288571B2
JP7288571B2 JP2021554462A JP2021554462A JP7288571B2 JP 7288571 B2 JP7288571 B2 JP 7288571B2 JP 2021554462 A JP2021554462 A JP 2021554462A JP 2021554462 A JP2021554462 A JP 2021554462A JP 7288571 B2 JP7288571 B2 JP 7288571B2
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Description

本発明は、自動で開閉する扉を有する天びん用風防に関し、特に自動で扉を半開閉させることが可能な風防に関する。
従来、自動で開閉する扉を有する風防が、秤量精度の高い電子天びんに用いられている。風防で秤量皿を覆うことで、精度低下の要因の一つである秤量皿周囲の空気の流動を防ぐことができ、また自動で扉を開閉させることで、秤量作業の作業性を向上させている。
ここで、空気の流動を最小限にするため、扉を半開位置で自動開閉させることへのニーズがある。このため、例えば特許文献1では、所望の開度で扉を自動開閉させるよう構成している。
特開平7-83744号
しかし、特許文献1では、所望の扉の開度を記憶させる必要があり手間である。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、単純な操作で、扉が自動で半開閉可能な天びん用風防を提供する。
上記問題を解決するため、本開示の風防のある態様においては、駆動手段により自動で開閉する扉を有する風防において、前記扉の移動を監視するセンサと、前記扉の移動経路上に配置され、前記扉の移動を妨げるストッパーと、前記扉の移動が妨げられたことが前記センサにより検知されると、前記駆動手段を停止させる制御部とを備える、よう構成した。このように構成することで、ストッパーの配置された位置により、前記扉の開度が決定される。半開はもちろん、全開においてもストッパーで停止させる構成であるため、特別な追加機構なしに、半開を実施することができる。ストッパーを扉の移動経路上に配置させるだけで扉の半開が実施され、操作が容易で切替えも簡単な構造となっている。さらに半開閉での扉の開度の設定位置も、ストッパーの配置位置により一目で把握できる。
またある実施形態では、前記扉には、前記駆動手段としてエアシリンダが連結され、前記センサは前記エアシリンダに供給されるエアの圧力を監視する圧力センサであり、前記制御部は、前記圧力センサが監視するエアの圧力が所定値を超えた際には、前記エアシリンダへのエアの供給を停止するよう構成した。これにより、圧力センサによりエアシリンダのエア圧力が監視され、扉が何かに当接してエアシリンダ内の圧力が上昇すると、これを圧力センサが検知して停止する構成となる。圧力センサの値により開閉が制御され、扉が何かに当接することで移動を自然に停止させる構成となる。開閉移動は扉が何かに当接することにより停止する構成であり、ストッパーを移動経路上に配置して扉に当接するだけで、簡単に自動半開も可能となる。また指挟みなどでも扉は停止するため、安全装置も兼ねる。ストッパーを配置/配置解除だけで容易に半開/全開の切り替えもできる。
またある態様では、前記ストッパーは前記扉の近傍で回動可能に支持され、前記ストッパーの回動角度により、前記ストッパーが、前記扉の移動経路上、または前記扉の移動経路外に選択的に配置されるよう構成した。ストッパーを回動させるだけで、扉の半開閉/全開閉の設定を切り替えることができる。
上記構成によれば、単純な操作で、扉が自動で半開閉可能な天びん用風防を提供する。
第1の実施形態に係る風防付き電子天びんの部分破断斜視図である。 風防の右側面図である。 図2のIII-III線に沿った端面図である。 風防の背面図である。 ドアの開閉機構を説明するための説明図であり、図4のV-V線で、一部を破断した部分断面斜視図である。 ストッパーの斜視図である。 第1の実施形態に係る半開機構を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係るドア開閉機構のブロック図である。 第1の実施形態に係るドア開閉機構の動作表である。 第1の実施形態に係るドア開閉動作のフローチャートである。 第2の実施の形態に係る風防付き電子天びんの斜視図である。 第2の実施形態に係る半開機構の構成を説明するための説明図である。
(風防付き電子天びんの構成)
以下、本開示の構成に係る好ましい実施形態を図面に従って説明する。図1は、第1の実施形態に係る風防付き電子天びん1の部分破断斜視図である。
図1に示すように、風防付き電子天びん1は、電子天びん30と、風防10とを備える。天びん本体30は、その上面に試料を載置するための秤量皿31を備える。風防10は、秤量皿31の周囲を囲うように天びん30の上面に配置され、秤量皿31の周囲の空気の流動、たとえばエアコンの風、秤量時の人の息、人が歩くときに発生する空気の流れなど、秤量皿31を中心とした荷重負荷部分に風圧として作用して、計量に影響を与えるのを防ぐ。
風防10は電子天びん30に着脱可能に備えられており、着脱機構には従来周知に構成、例えば特開2008-216047号公開の構成が使用されているが、これに限らず、また風防10と電子天びん30とが分離不可に一体化して構成されていても構わない。
風防10は無底箱型で、前面に正面ガラス12、背部に箱型のケース18、左右の側壁の一部にドア11、上面に上面ドア13を有し、これらによって区画された空間として、内部に直方体形状の秤量室Sが形成される。
ドア11は風防10の下部の枠部材である下部フレーム14に設けられたレール14aに沿って、上面ドア13は風防10の上部の左右辺にあるシリンダボックス20に設けられたレール20aに沿って、それぞれ前後方向に移動可能となっている。
正面ガラス12、上面ドア13、及び左右のドア11には、内部の状態が観察可能なように透明なガラス又は樹脂材料が用いられている。上面ドア13およびドア11には、それぞれスライドを補助する取手が取り付けられている。上面ドア13は手動にて開閉可能であり、左右側面のドア11は自動及び手動にて開閉可能に構成されている。
コントロールパネル35は、天びん本体30及び風防10を操作するためのものであり、天びん本体30および風防10とは別体で設けられている。これは、スイッチを押すなど操作の振動が秤量に影響を与えることを防ぐためである。別体であるため、ユーザーは操作し易い位置に自由に配置することができる。信号送受信のため無線通信機能を備えるが、有線にて情報を送受信しても構わない。
コントロールパネル35は、その上面に、秤量結果や状態を表示する表示部38、操作用のスイッチ37、赤外線センサ36を備える。赤外線センサ36は、ドア11の開閉スイッチであり、上部に手をかざすだけでドア11を自動で開閉させることができる。赤外線センサ36の代わりに押圧スイッチを設けても良く、また押圧スイッチと赤外線センサ36の両方を備えるよう構成しても好ましい。赤外線センサ36に、ドア11開閉機能以外の天びん操作機能を割り当てても良い。赤外線センサ36を左右に二つ設け、それぞれが対応するドア11を開閉させるように構成してもよい。
略直方体形状である風防10の左右の上辺を構成するように、上部フレーム17が設けられており、上部フレーム17に長手方向を合わせてシリンダボックス20が係合している。シリンダボックス20は、中空の筐体であり、内部にはドア11を開閉させる駆動手段であるエアシリンダ40が納められている。
エアシリンダ40は複動型であり、内部のピストンの往復運動は、往きと帰りの両方がエア圧力によってなされるため、エアシリンダ40内にエアを送るポートは二箇所に設けられている。エアシリンダ40の前方側には送られたエアによりピストンを後方へと進ませるための後進側ポート46が、後方側にはピストンを前方へと送るための前進側ポート44が、それぞれ設けられている。これらポート44,46には図示しないエアチューブが接続され、ケース18内へと繋がっている。
ケース18内部には、エアシリンダ40の駆動源であるポンプやエアの流止を制御する電磁弁、およびこれらを制御する制御部34などが納められている。
(ドアの構造)
次に、ドア11の開閉機構およびその構造を説明する。図2は風防10の右側面図、図3は図2中のIII-III線に沿った端面図、図4は風防10の背面図である。図5はドア11の形状や構成を説明するための説明図であり、ドア11、シリンダボックス20、上部フレーム17のみを示し、シリンダボックス20及び上部フレーム17を図4のV-V線に沿って切断した部分断面斜視図である。
図3に示すように、シリンダボックス20の内壁にはエアシリンダ40の形状に合わせて凹部が形成されており、ここにエアシリンダ40が係合して固定される。またシリンダボックス20は上部にカバー20eを備え、これを押さえとしてレール20aを形成している。
図4および図5に示すように、一対の上部フレーム17は、ケース18の上部の左右の縁部に設けられた凹部18aに沿って配置され、風防10の上部の枠部材を構成する。シリンダボックス20は背面視して逆L字型を押し出した外形を有し、上辺部分が上部フレーム17の上面に載置され、内側面が上部フレーム17の側面に当接して、逆L字の直角部分が上部フレーム17の角部に係合し、上部フレーム17と長手方向を合わせて固定されている。
シリンダボックス20は底面を有さず(図3参照)、ドア11の上部がシリンダボックス20内部に入り込んで配置されている。シリンダボックス外側面20bの下端部には内側に向けて内フランジ部20cが長手方向の全長にわたって形成されている。また、上部フレーム17の外側面17bの下部には、内フランジ部20cに対向して長手方向(前後方向)の全長にわたって伸びる凸部17cが形成されている。
ドア11は全体の外縁部に備えられるホルダー16に保持される。ホルダー16の上部の前後二箇所には、ドア11のスライド方向(前後方向)に直交して、ドア11の厚み方向(左右方向)に突き出た保持部5が形成されている。ドア11の上部が内フランジ部20cと凸部17cとの間に形成されたスリット(以下、ガイド孔20dと呼ぶ)に入り込み、ホルダー16の保持部5が、内フランジ部20cと凸部17cとに係合し、ドア11を懸吊保持している。これにより、ドア11は下部フレーム14上面やこれに形成されたレール14a上面からは離間して配置され、ガイド孔20dに沿ってスライド可能に保持される。レール14aにゴミや砂等が侵入すると、ドア11開閉時の摺動抵抗が大きくなって開閉が困難になる問題があるが、ドア11自体を上部から吊るすことでこれを防止している。
内フランジ部20cと凸部17cは、正対せずに上下方向に僅かにオフセットされて形成されており、内側である凸部17cの方が内フランジ部20cよりも僅かに高い位置にある。これは、保持部5がドア11の上部から左右同じ高さに突き出して、ドア11が左右どちらにも振れ易い状態にするよりも、僅かに内側を高くしてドア11を内側に傾けさせて、ドア11の下部をレール14a側面に当接させて、ドア11の姿勢を安定して保持するためである。このように構成することで、移動させてもドア11が揺れることがなく、ドア11の開閉の際にも、同じ姿勢を維持した状態で移動させることができ、不用意なドア11の摺動を防止することができる。
ドア11の保持部5は、内フランジ部20cと凸部17cの形状と配置に合わせて形成されており、外側配置された内フランジ部20c側に向かって突出して形成される第1係合部16b、内側配置された凸部17c側に向かって突出して形成される第2係合部16c、さらに第2係合部16cの下方にオフセットされて形成される第3係合部16dからなる。
第3係合部16dは、第2係合部16cと併せて凸部17cを挟むように形成されるが、第3係合部16dは、凸部17c底面とは離間するよう隙を持たせて形成されている。
本実施形態においては、ドア11の懸吊支持形態をこのように構成したが、平板に形成されたスリットにT字に形成された保持部5が係合する形態や、保持部5をフック状として凸状レールに係合させる形態など、他の従来周知の構成を用いても構わない。
図5に示すように、ホルダー16の前端上部には、結合部16eが形成されている。結合部16eはドア11の上方へ向けて凸設され、中央にはドア11のスライド方向に沿った結合孔16fが形成されている。エアシリンダ40内のピストンから延在するピストンロッド40aの先端が、この結合孔16fに嵌合して固定されている。ピストン(ピストンロッド40a)がホルダー16でドア11と接続され、ピストンがエアにより前後に移動することで、ホルダー16はガイド孔20dに沿ってスライドし、ドア11は開閉する。
ホルダー16が内フランジ部20cと係合した状態においても、エアシリンダ40はホルダー16の上面とは接触せず、ホルダー16とは離間して固定されており(図3参照)、エアシリンダ40はドア11の動きを邪魔しない。また、結合部16eはホルダー16上面よりも上方に突出しているが、結合部16eはピストンロッド40aの先端に固定されているため、エアシリンダ40下方に入り込むことはなく、またシリンダボックス20内の結合部16eの経路も確保されているため、シリンダボックス20と結合部16eが干渉することはない。
ドア11の駆動手段であるエアシリンダ40は、ドア11のほぼ真上に、ドア11のスライド方向と平行に配置されている。ドア11を懸吊支持するホルダー16は、上面に形成された結合部16eでエアシリンダ40に連結されており、エアシリンダ40はドア11を懸吊支持するホルダー16を直接摺動させてドア11を開閉させている。このため、エアシリンダ40からの力の伝達率がよく、僅かな力でドア11を開閉させることができ、ドア11をスムーズに開閉させることができる。
(半開機構)
次に、ドア11を半開させるための半開機構50を説明する。図6はドア11の係止部材であるストッパー51の斜視図である。図7は図1のA部拡大図であり、ケース18とストッパー51のみを示してストッパー51の回動状態を説明する説明図である。図7(A)はストッパー51不使用状態を示し、図7(B)はストッパー51使用状態を示す。
図6に示すように、ストッパー51は上部が略直方体形状、下部が円柱形状の外形を有する。上面には突出して把持部51aが、下部の円柱形状の中心には前後方向に突出する回転軸51bが、それぞれ形成されている。また前面上部には弾性部材52が、ストッパー51の前面に形成された孔(図示せず)に嵌合して固定されている。
ケース18の側面には、ストッパー51の大きさに合わせて内側に凹み形成された収納部18bが設けられている(図2参照)。ストッパー51は、収納部18b内に、回転軸51bがドア11のスライド方向と平行となるように配置され、回転軸51bを軸として回動可能に保持される。このとき、弾性部材52はドア11配置側(前方側)となるように配置される。
図7(A)に示すように、ストッパー51不使用時には、ストッパー51はこの収納部18b内に直立状態で保持される。そのため、ドア11の移動を妨げることはない。
図7(B)に示すように、ストッパー51使用時には、ストッパー51は上部の把持部51aを把持されて収納部18bから引き出される。ストッパー51は図7(A)の状態から回動して、その上部がレール14aを横断した状態で、側面がレール14a上面に当接して保持される。
ストッパー51はドア11の移動を妨げる目的で配置されるものであり、ストッパー51の回動角度により、ストッパー51はドア11の移動経路上、またはドア11の移動経路外に選択的に配置される。
(ブロック図)
ドア11の自動開閉機構について詳しく説明する。図8は風防付き電子天びん1のドア11の開閉機構60を示すブロック図である。開閉機構60はドア11を開閉させるための機構であり、左右のドア11はそれぞれ開閉機構60を備え、接続された開閉機構60により独立して制御される。本実施形態では、エアシリンダ40の内部のピストン(さらにはピストンから延在するピストンロッド40a)を前方へ移動(前進)させるポンプと、後方へ移動(後進)させるためのポンプは、別々に存在する。
開閉機構60は、第1加圧ポンプ62A、第2加圧ポンプ62B、第1圧力センサ64A、第2圧力センサ64B、第1一方電磁弁66A、第2一方電磁弁66B、およびエアシリンダ40を備える。エアシリンダ40はピストンロッド40aを介してドア11に接続される。
第1加圧ポンプ62A,第2加圧ポンプ62Bは、共にエアポンプである。エアシリンダ40の駆動源であり、エアを圧縮してエアシリンダ40に送り、エア圧力によりピストンを動かしてドア11を移動させる。
第1一方電磁弁66A,第2一方電磁弁66Bは、弁の出口側は大気に開放されており、弁の開閉によりエアの流止を制御する。
第1圧力センサ64Aは第1加圧ポンプ62Aから吐出されたエアの圧力を、第2圧力センサ64Bは、第2加圧ポンプ62Bから吐出されたエアの圧力を、それぞれ監視する。二つの圧力センサ64A,64Bはそれぞれエアシリンダ40の二つのポート44,46に接続されているため、換言すれば圧力センサは、エアシリンダ40に供給されるエアの圧力、エアシリンダ40内のエアの圧力を監視している。
エアシリンダ40の後方に設けられた前進側ポート44には、第1加圧ポンプ62Aが接続されている。途中分岐があり、さらに第1圧力センサ64Aと第1一方電磁弁66Aが接続されている。エアシリンダ40の前方に設けられた後進側ポート46には、第2加圧ポンプ62Bが接続されている。途中分岐があり、こちらには第2圧力センサ64Bと第2一方電磁弁66Bが接続されている。
開閉機構60の各要素は、ケース18内部に配置された制御部34により動作を制御される。
(ドア開閉時の動作)
次にドア11自動開閉時における各構成要素の動作を説明する。図9は、開閉機構60の動作表である。
まず、使用者が手動でドア11を開閉可能な「標準状態」では、第1加圧ポンプ62A、第2加圧ポンプ62B共に作動せず、第1一方電磁弁66Aおよび第2一方電磁弁66Bは、開かれている。両加圧ポンプ(62A,62B)が動作せず、両一方電磁弁(66A,66B)が開いて大気と連通しているため、全くエアシリンダ40からの負荷はなく、ドア11を手動でスムーズに開閉させることが出来る。
コントロールパネル35の赤外線センサ36より、「ドアを開ける/閉じる」の命令が入力されると、制御部34は各要素に動作を命令する。
ドア11を開ける「自動開操作」の場合、即ち、エアシリンダ40のピストンを後方へ移動させる場合、第2一方電磁弁66Bは閉じられ、第2加圧ポンプ62Bの加圧が開始される。このとき、第1加圧ポンプ62Aは作動せず、第1一方電磁弁66Aは開かれているため、エア圧力によりピストンは後方へ移動し、ドア11が開かれる。
ドア11が開ききると、エア圧力が急激に上昇するため、この変化を第2圧力センサ64Bが検知すると、第2加圧ポンプ62Bは停止させられ、第2一方電磁弁66Bが開かれ、エアシリンダ内の圧縮されたエアが大気に開放され、標準状態に戻る。
ドア11を閉じる「自動閉操作」の場合、即ち、エアシリンダ40内のピストンを前方へ移動させる場合、第1一方電磁弁66Aは閉じられ、第1加圧ポンプ62Aの加圧が開始される。このとき、第2加圧ポンプ62Bは動作せず、第2一方電磁弁66Bは開かれているため、エア圧力によりピストンは前方へ移動し、ドア11が閉じられる。
ドア11が閉じきると、やはりエア圧力が急激に上昇するため、この変化を第1圧力センサ64Aが検知すると、第1加圧ポンプ62Aは停止させられ、第1一方電磁弁66Aが開かれ、エアシリンダ内の圧縮されたエアが大気に開放され、標準状態に戻る。
また、校正を行う場合、第1一方電磁弁66A,第2一方電磁弁66Bは閉じられる。両方の一方電磁弁(66A,66B)が閉じられており、エアシリンダ40内のピストンは前後のどちらにも移動することができず、ドア11はロックされる。これは校正作業中に扉が不用意に開かれて校正に影響を及ぼすことを防ぐためである。校正が終了すると、第1一方電磁弁66Aと第2一方電磁弁66Bが開かれ、標準状態に戻る。
このように校正作業時には自動でドア11がロックされる。スイッチ37からの命令でドア11がロックされるように構成してもよい。校正時に限らず、運搬時にも、ドア11をロックすることができる。
一方の加圧ポンプが可動時にはもう一方の加圧ポンプは可動せず、一方の電磁弁のみ閉じられ、もう一方の電磁弁は開いて大気と連通している。可動していたポンプが停止すると、閉じていた電磁弁は開いて大気に連通する。即ち、加圧ポンプが停止した際には、全一方電磁弁が開かれて大気に連通するように構成されている。ドア11が自動で開閉された後には、エアは大気に開放され、ドア11にかかる負荷が無くなり、ドア11を手動でスムーズに移動させることが可能となる。ドア11は自動開閉可能でありながら、自動開閉された後には、特別な操作なしに即座に手動開閉が可能となる。
(作用効果)
ドア11は全閉位置では正面ガラス12に当接する。詳しくは正面ガラス12背面に備えられた図示しない弾性部材に当接する。上述の通り、開閉機構60には位置センサなどの全閉/全開位置を検知するセンサは設けられておらず、エア圧力の上昇を圧力センサが検知して、所定値以上となると加圧ポンプを停止させるよう構成されている。エア圧力の上昇は、ピストンの移動が何らかの理由により阻害され、それでも加圧ポンプがエアを送り続けようとするために引き起こされる。
「自動閉操作」においては、ドア11が正面ガラス12に当接することにより、ドア11を移動させていたピストンも移動できなくなり、第1加圧ポンプ62Aはエアを送ろうとしてエア圧力が上昇し、これを検知した第1圧力センサ64Aが第1加圧ポンプ62Aを停止させる。
「自動開操作」においては、エアシリンダ40内でピストンがエアチューブの端部まで移動し、これに当接して移動できなくなり、第2加圧ポンプ62Bはエアを送ろうとしてエア圧力が上昇し、これを検知した第2圧力センサ64Bが第2加圧ポンプ62Bを停止させる。
このように、ドア11の駆動手段にエアシリンダ40を用いた本実施形態では、ドア11の移動は圧力センサにより監視され、エアシリンダ40内のピストン、あるいはピストンに接続されたドア11が何かに当接することによりエアシリンダ40内のエア圧力が高まり、エア圧力が所定値以上となったことを圧力センサが検知すると、加圧ポンプが停止されるため、ドア11の移動が停止する構成となっている。即ち、ドア11が何かに当接することによって移動が停止する構成であり、ドア11の停止位置はドア11に当接して移動を阻害する物体の配置位置によって決定される。
ドア11が移動途中であっても、ドア11が移動阻害物に当接すると、当接位置で停止をし、さらに赤外線センサ36から信号が入力されると、逆のポートからエアが送られるため、その位置から逆方向へ移動を開始する。ドア11の移動経路上の所望の位置に阻害物を配置することで、ドア11の停止位置を自由に決定することができる。
半開機構50はこれを利用してドア11を自動で半開閉させている。即ち、ストッパー51がドア11の移動経路上に配置されていない場合、ドア11の移動は邪魔されず、ドア11は自動で全開閉するが、ストッパー51がドア11の移動経路上に配置されると、ドア11は全閉状態から全開状態へ移動の途中でストッパー51に嵌合した弾性部材52に当接して停止し、さらに赤外線センサ36から信号が入力されると、その位置からドア11は前方に移動して正面ガラス12に当接して全閉位置で停止する。ストッパー51はドア11の移動経路の略中央に配置されるため、ストッパー51を使用する(回動させる)ことで、ドア11を自動で半開閉させることができる。
ドア11の移動経路上に、ストッパー51を配置/撤去することで、ドア11の全開閉/半開閉を簡単に切り替えることができる。ストッパー51の位置の変更は、把持部51aを把持して引き出す、あるいは押し込むだけでよく、配置の変更も非常にシンプルであり、設定状態も一目で把握することができる。
(フローチャート)
次に、ドア11開閉動作の流れを、図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップS101で、ドア11開閉のスイッチであるコントロールパネル35の赤外線センサ36から、ドア11開閉の命令信号が入力される。信号が入力されない場合は、入力されるまで待機する。
命令が入力されると、ステップS102に移行し、ドア位置が閉位置であるか開位置であるかが確認される。本実施形態では、制御部34は、直前のドア11の開閉動作を記憶しており、その内容によって判断する。
ここで、ドア11は自動で半開も可能であり、さらに手動でも開閉可能である構成のため、ドア11が僅かでも開いていれば開状態であり、ドア11が開位置であるとは、ドア11が閉位置ではない、ということを意味している。これに対し、閉位置であるとは、ドア11が全閉状態にあることを意味する。このため、ドア11全閉位置に位置センサとしてフォトインタラプタを設けて、ドア11が閉位置か否かを判断するように構成してもよい。
まずドア11が閉位置にあった場合(ステップS103~ステップS108)について説明する。
ステップS103に移行し、閉位置にあるドア11を開けるため、ドア11の「自動開操作」が実施される。具体的には、第2一方電磁弁66Bが閉じられ、第2加圧ポンプ62Bの動作が開始される。この時、第1一方電磁弁66Aは開かれたままで、第1加圧ポンプ62Aは作動しない(図8、図9参照)。
次にステップS104に移動し、ドア11が移動を開始したかが確認される。ドア11が移動を始めるとエア圧力が急激に降下するため、第2圧力センサ64Bの値が所定時間内、例えば1秒以内に急激に降下することで、ドア11が開動作を開始したと判断される。所定時間内にドア11の移動開始がなされない場合には、制御部34は「ドア11は既に開いている」と判断し、ステップS109に移行し、今度は「自動閉操作」を開始する(後述)。あるいは、第2圧力センサ64Bの値が所定の値を超えたことで、ドアが移動を開始していないと判断するよう構成してもよい。ドア11の直前の位置は記憶されているが、本実施形態では手動による開閉も可能であり、使用者によりドア11の位置が移動している場合がある。そのような場合やドア11位置の誤判断がこのステップS104により担保される。
ドア11の移動が開始されると、ステップS105に移行し、ドア11の開動作が終了したかが確認される。ドア11の移動が完了すると、エア圧力が再び上昇するため、第2圧力センサ64Bの値が所定時間内に再び上昇することで、ドア11の開動作が終了したと判断される。所定時間内に第2圧力センサ64Bの値が上昇しない場合は、エア漏れや故障が疑われるため、エラー処理を行うために、ステップS106に移行する。
ステップS106では、エラー処理として、警告音が発され、表示部38にエラーが表示され、第2加圧ポンプ62Bの動作が停止され、第2一方電磁弁66Bが開かれ、緊急停止する。
エア圧力上昇によりドア11の開動作の完了が確認された場合には、ステップS107に移行し、第2加圧ポンプ62Bの動作が停止され、第2一方電磁弁66Bが開かれ、自動操作が正常に終了する。
最後にステップS108に移動し、標準状態となり手動での開閉が可能となる。
次に、ステップS102でドア11が開位置にあった場合(S109~S113)を説明する。
ステップS109に移行し、開位置にあるドア11を閉めるため、ドア11の「自動閉操作」が実施される。具体的には、第1一方電磁弁66Aが閉じられ、第1加圧ポンプ62Aの動作が開始される。この時、第2一方電磁弁66Bは開かれたままで、第2加圧ポンプ62Bは作動しない(図8、図9参照)。
次にステップS110に移行し、ドア11が移動を開始したかが確認される。ステップS104同様、第1圧力センサ64Aの値が所定時間内に急激に降下することで、ドア11が閉動作を開始したと判断される。所定時間内にドア11の移動が開始されない場合には、制御部34は「ドア11は既に閉じている」と判断し、ステップS103に移行し、今度は「自動開操作」を開始する。このステップS110も、ステップS104同様、手動開閉によるドア11位置の移動などの場合や誤判断の担保である。
ドア11の移動が開始されると、ステップS111に移行し、ドア11の閉動作が終了したかが確認される。ドア11の移動の完了は、第1圧力センサ64Aが所定時間内に第1圧力センサ64Aの値が再び上昇することで判断される。所定時間内に第1圧力センサ64Aの値が上昇しない場合は、やはりエラー処理を行うため、ステップS112に移行する。所定時間内に第1圧力センサ64Aの値の上昇によりドア閉動作の完了が確認された場合には、ステップS113に移行する。
ステップS112では、エラー処理として、警告音が発され、表示部38にエラーが表示され、第1加圧ポンプ62Aの動作が停止され、第1一方電磁弁66Aが開かれ、緊急停止する。
所定時間内に第1圧力センサ64Aの値の上昇が確認された場合には、ステップS113に移行し、第1加圧ポンプ62Aの動作が停止され、第1一方電磁弁66Aが開かれる。
最後にステップS108に移動し、標準状態となり手動での開閉が可能となる。
ステップS105及びステップS111に示すように、本実施形態のドア11の開閉の終了はエア圧力の上昇により判断される。このため、何らかの理由によりエア圧力が上昇した場合、全てS107またはステップS113に移行し、自動操作終了となる。
エア圧力の上昇は、ドア11の移動が妨げられることにより引き起こされるため、ストッパー51等の移動障害物の意図的な設置による開度の決定の他、指挟み防止などの安全機能の意味も兼ねられる。ドア11が自動で閉じられようとしているとき、あるいは開かれようとしているときに、作業者が指をドア11に挟んでしまった場合、あるいは試料等をドア11に挟んでしまった場合や、ドア11移動に不都合があり移動を強引に止めた場合にも、エア圧力が上昇するため、これを第1圧力センサ64A(または第2圧力センサ64B)が検知して、直ちにドア11の動作が停止となり、両一方電磁弁(66A,66B)が大気に連通され、ドア11の負荷が消え安全が確保される。
エア圧力上昇によりドア11を停止させることは、ドア11の通常の自動開閉においても行われているため、ストッパー51による停止は非常手段ではなく、通常手段としてドア11の移動を停止させる。さらに安全機能としての停止も通常手段として停止させるものであり、特別な構成要素を追加することなしに、安全機能と半開機能としての効力も持つ構成となっている。さらに停止後は、逆のポートからエアが送られる構成であるため、切替え操作や解除操作なども不要である。シンプルな構成で、安全機能、所望の位置での自動半開機能を持たせることができる。
(第2の実施形態)
図11は第2の実施形態にかかる風防付き電子天びん1Aの部分破断斜視図である。同等の構成を有するものについては同じ符号を付して説明を省略する。
風防付き電子天びん1Aは、自動で半開閉させる半開機構50に代わり、所望の位置でドア11を開閉させる半開機構50Aを備える以外は、第1の実施形態と同等の構成となっている。
図12は半開機構50Aの構成を説明するための説明図である。ケース18と下部フレーム14、及び半開機構50Aを示し、(A)がストッパー53不使用状態、(B)がストッパー53使用状態を示す。
半開機構50Aは、下部フレーム14に形成される凸状レール54と、ストッパー53から成る。
凸状レール54は、下部フレーム14の上面に、ドア11移動経路近傍かつドア11の移動を邪魔しない位置に、レール14aと平行して、即ちドア11のスライド方向と平行してライン状に突設される。
ストッパー53は、二本のアーム55、56が弾性部材(バネ)57を基点として、両下端部が開閉自在に組み合わされているクリップ構造体である。弾性部材57によって下端部が閉じ方向に付勢されているため、指でアームの両上端部を摘み、アームを開いて下端部で物体を挟持させることができる。
ストッパー53を使用の際は、ライン状の凸状レールの所望の位置で、ストッパー53に凸状レール54を挟持させる。一方のアーム55の下端部には外側に向けて係止部55aが形成されており、ストッパー53で凸状レール54を挟持させると、係止部55aがレール14aと凸状レール54とで形成された溝に入り込み、移動するドア11の側面に当接する位置に配置される。
前述の通り、ドア11の移動は移動経路上に配置されたストッパー53(係止部55a)に当接して停止する。さらに、閉じるために信号が入力されると、そこから折り返して移動する。ドア11はストッパー53の配置位置にて自動で半開閉し、ストッパー53の配置された場所によりドア11の開度が決定する。
ストッパー53は凸状レール54を挟持しているだけであり、使用者はストッパー53を指でつまんで簡単に取付け/取り外しができる。使用しない場合には外しておく、あるいは凸状レール54端部に配置しておくだけでよい。紛失防止のために収納場所をケース18に設けてもよい。
凸状レール54の長手方向の所望の位置にストッパー53を配置する(挟持させる)だけでドア11の閉位置を決定でき、一目でドア11の停止位置が把握できる。
以上、本発明の実施形態及び変形例を述べたが、形態及び変形例を当業者の知識に基づいて組み合わせることも可能であり、そのような形態は本発明の範囲に含まれる。
1、1A 風防付き天びん
10 風防
11 ドア
34 制御部
40 エアシリンダ
51、53 ストッパー
62A、62B 加圧ポンプ
64A、64B 圧力センサ

Claims (3)

  1. 駆動手段により自動で開閉する扉を有する風防において、
    前記扉の移動を監視するセンサと、
    前記扉の移動経路上に配置され、前記扉の移動を妨げるストッパーと、
    前記扉の移動が妨げられたことが前記センサにより検知されると、前記駆動手段を停止させる制御部とを備える、
    ことを特徴とする天びんに備えられる天びん用風防。
  2. 前記扉には、前記駆動手段としてエアシリンダが連結され、
    前記センサは前記エアシリンダに供給されるエアの圧力を監視する圧力センサであり、
    前記制御部は、前記圧力センサが監視するエアの圧力が所定値を超えた際には、前記エアシリンダへのエアの供給を停止するよう構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の天びん用風防。
  3. 前記ストッパーは前記扉の近傍で回動可能に支持され、
    前記ストッパーの回動角度により、前記ストッパーが、前記扉の移動経路上、または前記扉の移動経路外に選択的に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の天びん用風防。
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