JP7287821B2 - 作業機制御装置、作業車両、および作業機制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、作業機に掛かる荷重から特定される作業機の負荷状態に基づいて、自動駆動制御の可否を決定する技術が開示されている。
本発明の目的は、自動駆動制御による作業対象物の落下を防止する作業機制御装置、作業車両、および作業機制御方法を提供することにある。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る作業車両の側面図である。
第1の実施形態に係る作業車両100は、ホイールローダである。作業車両100は、車体110、作業機120、前輪部130、後輪部140、運転室150を備える。
ステアリングシリンダ113は、油圧シリンダである。ステアリングシリンダ113の基端部は後車体112に取り付けられ、先端部は前車体111に取り付けられる。ステアリングシリンダ113は、作動油によって伸縮することで、前車体111と後車体112とのなす角度を規定する。つまり、ステアリングシリンダ113の伸縮により、前輪部130の舵角が規定される。
図2は、第1の実施形態に係る運転室の内部の構成を示す上面図である。運転室150の内部には、シート151、アクセルペダル152、ブレーキペダル153、ステアリングハンドル154、前後切替スイッチ155、シフトスイッチ156、ブームレバー157、バケットレバー158、停止スイッチ159が設けられる。
ブレーキペダル153は、作業車両100に生じさせる走行の制動力を設定するために操作される。
ステアリングハンドル154は、作業車両100の舵角を設定するために操作される。
前後切替スイッチ155は、作業車両100の進行方向を設定するために操作される。
シフトスイッチ156は、動力伝達装置の速度範囲を設定するために操作される。
ブームレバー157は、自動駆動制御の開始指令を出力した後に、中立位置に戻る。なお、他の実施形態においては、ブームレバー157は、自動駆動制御の開始指令を出力した後、自動駆動制御が終了するまで位置が固定されてもよい。なお、ブームレバー157が固定された場合も、オペレータがブームレバー157を操作することで、固定を解除することができる。
バケットレバー158は、自動駆動制御の開始指令を出力した後に、中立位置に戻る。なお、他の実施形態においては、バケットレバー158は、自動駆動制御の開始指令を出力した後、自動駆動制御が終了するまで位置が固定されてもよい。なお、バケットレバー158が固定された場合も、オペレータがバケットレバー158を操作することで、固定を解除することができる。
図3は、第1の実施形態に係る作業車両の動力系統を示す模式図である。
作業車両100は、エンジン210、PTO220(Power Take Off)、変速機230、フロントアクスル240、リアアクスル250、可変容量ポンプ260を備える。
PTO220は、エンジン210の駆動力の一部を、可変容量ポンプ260に伝達する。つまり、PTO220は、エンジン210の駆動力を、変速機230、および可変容量ポンプ260に分配する。
リアアクスル250は、変速機230が出力する駆動力を後輪部140に伝達する。これにより、後輪部140が回転する。
コントロールバルブ261は、可変容量ポンプ260から吐出された作動油の流量を制御し、作動油をリフトシリンダ124とバケットシリンダ125とに分配する。
作業車両100は、作業車両100を制御するための制御装置300を備える。制御装置300は、作業機制御装置の一例である。
制御装置300は、ブームレバー157およびバケットレバー158の操作量に応じて、またオペレータによる自動駆動制御の指令に応じて、コントロールバルブ261に制御信号を出力する。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ350に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、プログラムの実行により、メインメモリ330には、モード記憶部331の記憶領域が確保される。モード記憶部331は、自動ダンプ制御の実行可否を示す自動ダンプ可否モードを記憶する。自動ダンプ可否モードは、自動ダンプ制御の実行を許可する自動ダンプ許可モード、または自動ダンプ制御の実行を禁止する自動ダンプ禁止モードのいずれかの値をとる。
指令入力部312は、ブームレバー157およびバケットレバー158から自動駆動制御の開始指令の入力を受け付ける。また指令入力部312は、停止スイッチ159から自動駆動制御の停止指令の入力を受け付ける。
例えば、牽引力算出部314は、変速機230が無段変速機である場合、以下の手順で牽引力を算出することができる。牽引力算出部314は、燃料噴射量の計測値とエンジン210の回転数からエンジン210の出力トルクを算出する。また牽引力算出部314は、可変容量ポンプ260の吐出圧および容量から可変容量ポンプ260の負荷トルクを算出する。牽引力算出部314は、出力トルクから負荷トルクを減算することで得られる走行トルクに、変速機230の減速比、アクスルの減速比、およびトルク効率を乗算し、これを車輪の有効径で除算することで、牽引力を算出する。
また例えば、牽引力算出部314は、変速機230がトルクコンバータである場合、以下の手順で牽引力を算出することができる。牽引力算出部314は、エンジン210の回転数を1000rpmで除算したものを二乗した値に変速機230のプライマリトルク係数およびトルク比を乗算することで走行トルクを算出する。プライマリトルク係数およびトルク比は、変速機230の入出力回転比によって定まる特性値である。牽引力算出部314は、走行トルクに、変速機230の減速比、アクスルの減速比、およびトルク効率を乗算し、これを車輪の有効径で除算することで、牽引力を算出する。
具体的には、状態判定部315は、牽引力が牽引力閾値以上であり、かつブーム角θLがブーム角閾値以下であり、かつバケット角θBがバケット角範囲内であり、かつブームレバーの上げ操作またはバケットレバーのチルト操作が一定時間継続している場合に、作業状態が掘削状態であると判定する。牽引力閾値は、掘削中に発揮される牽引力に相当する閾値である。ブーム角閾値は、バケット122の基端部が接地高さより所定の許容高さだけ高い位置にあるときのブーム角θLに相当する閾値である。つまり、ブーム角θLがブーム角閾値以下のとき、バケット122は接地高さを含む所定の高さ範囲内に位置する。高さ範囲は下限を有しなくてよい。バケット角範囲は、0度を含む範囲である。すなわち、バケット角θBがバケット角範囲内にある場合、バケット122の底面は車体110の前方と略平行となる。
また、状態判定部315は、バケット角θBが所定のダンプ閾値未満である場合に、作業状態がダンプ状態であると判定する。ダンプ閾値は、負の値であって、バケット角範囲の下限値より低い値である。すなわち、バケット角θBがダンプ閾値未満である場合、バケット122の底面はダンプ方向に傾いている。
また駆動制御部317は、自動駆動制御を行っていない場合、ブームレバー157およびバケットレバー158の操作量に応じた駆動信号を生成し、コントロールバルブ261に出力する。
図5は、第1の実施形態に係る制御装置による自動ダンプ可否モードの設定方法を示すフローチャートである。
制御装置300は、所定の制御周期ごとに、以下に示す自動ダンプ可否モードの設定処理を実行する。
まず、操作量取得部311は、ブームレバー157およびバケットレバー158の操作量を取得する(ステップS1)。また、計測値取得部313は、燃料噴射装置211、エンジン回転計212、ポンプ圧計262、ポンプ容量計263、ブーム角センサ1211、およびバケット角センサ1231から計測値を取得する(ステップS2)。
図6は、第1の実施形態に係る制御装置による自動駆動制御方法を示すフローチャートである。
指令入力部312が自動駆動制御の開始指令の入力を受け付けると、制御装置300は、以下に示す自動駆動制御を実行する。まず、駆動制御部317は、入力された開始指令が、自動ダンプ制御に係る開始指令であるか否かを判定する(ステップS31)。
自動ダンプ制御に係る開始指令が入力された場合(ステップS31:YES)、駆動制御部317は、モード記憶部331が記憶する自動ダンプ可否モードの値が自動ダンプ許可モードであるか否かを判定する(ステップS32)。駆動制御部317は、自動ダンプ可否モードの値が自動ダンプ禁止モードである場合(ステップS32:NO)、自動ダンプ制御を行わずに処理を終了する。
このように、第1の実施形態に係る制御装置300は、作業車両100の牽引力と作業機120の姿勢とに基づいて、作業車両100の作業状態を判定し、作業状態に応じて自動ダンプ可否モードを決定する。これにより、制御装置300は、自動駆動制御による作業対象物の落下を防止することができる。
より具体的には、制御装置300は、作業状態が掘削状態であると判定された場合に、自動ダンプ可否モードを、自動ダンプ禁止モードに切り替える。作業車両100が掘削作業を行うと、それ以降バケット122には作業対象物が収容される。そのため、制御装置300は、作業状態が掘削状態となった以降に自動ダンプ可否モードを自動ダンプ禁止モードとすることで、自動駆動制御による作業対象物の落下を防止することができる。
なお、他の実施形態においては、作業機120の操作装置の操作が一定時間継続していることを、掘削状態の判定の条件に含まなくてよい。例えば、他の実施形態においては、これに代えて、作業機120の操作装置の操作量に対して作業機120の駆動量が所定の閾値より小さいことを、掘削状態と判定するための条件に含んでよい。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
Claims (11)
- ブームおよびバケットを有する作業機を備える作業車両の作業機制御装置であって、
前記作業車両の作業状態を判定する状態判定部と、
前記作業状態に応じて、前記バケットを所定のダンプ角度まで自動的に駆動させる自動ダンプ制御の実行の可否を示す自動ダンプ可否モードを決定する自動ダンプ判定部と、
前記自動ダンプ可否モードに応じて前記自動ダンプ制御に係る駆動指令を出力する駆動制御部と、
を備える作業機制御装置。 - 前記自動ダンプ判定部は、前記作業状態が掘削状態であると判定された場合に、前記自動ダンプ可否モードを、前記自動ダンプ制御の実行を禁止するモードに切り替える
請求項1に記載の作業機制御装置。 - 前記状態判定部は、前記作業車両の牽引力が所定の閾値以上であり、かつ前記バケットの角度が、前記バケットの底面が前記作業車両に対して平行となる角度を含む所定の角度範囲内にあり、かつ前記バケットの高さが、前記作業車両の接地高さを含む所定の高さ範囲内にある場合に、前記作業状態が掘削状態であると判定する
請求項2に記載の作業機制御装置。 - 前記状態判定部は、前記牽引力が所定の閾値以上であり、かつ前記バケットの角度が、前記バケットの底面が前記作業車両に対して平行となる角度を含む所定の角度範囲内にあり、かつ前記バケットの高さが、前記作業車両の接地高さを含む所定の高さ範囲内にあり、かつ前記作業機の操作装置の操作が一定時間継続している場合に、前記作業状態が掘削状態であると判定する
請求項3に記載の作業機制御装置。 - 前記自動ダンプ判定部は、前記作業状態がダンプ状態であると判定された場合に、前記自動ダンプ可否モードを、前記自動ダンプ制御の実行を許可するモードに切り替える
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の作業機制御装置。 - 前記状態判定部は、前記バケットの角度が、前記作業車両に対して平行となる角度よりダンプ方向に所定角度以上傾いた場合に、前記作業状態がダンプ状態であると判定する 請求項5に記載の作業機制御装置。
- 前記自動ダンプ制御の開始指令を受け付ける指令入力部と、
前記自動ダンプ制御の開始指令を受け付け、かつ前記自動ダンプ可否モードが前記自動ダンプ制御の実行を許可するモードである場合に、前記自動ダンプ制御に係る駆動指令を出力する駆動制御部と
を備える請求項1から請求項6の何れか1項に記載の作業機制御装置。 - 前記指令入力部は、前記自動ダンプ制御、前記バケットを所定のチルト角度まで自動的に駆動させる自動チルト制御、前記ブームを所定の上昇位置まで自動的に駆動させる自動上昇制御、および前記ブームを所定の下降位置まで自動的に駆動させる自動下降制御の開始指令を受け付け、
前記駆動制御部は、前記自動チルト制御、前記自動上昇制御、または前記自動下降制御の開始指令を受け付けた場合、前記自動ダンプ可否モードに関わらず、前記自動チルト制御、前記自動上昇制御、または前記自動下降制御に係る駆動指令を出力する
請求項7に記載の作業機制御装置。 - 前記指令入力部は、前記作業車両に設けられた停止スイッチの押下による停止指令を受け付け、
前記駆動制御部は、前記停止指令を受け付けた場合に、前記駆動指令の出力を停止する 請求項7または請求項8に記載の作業機制御装置。 - ブームおよびバケットを有する作業機と、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の作業機制御装置と
を備える作業車両。 - ブームおよびバケットを有する作業機を備える作業車両の作業機制御方法であって、
前記作業車両の作業状態を判定するステップと、
前記作業状態に応じて、前記バケットを所定のダンプ角度まで自動的に駆動させる自動ダンプ制御の実行の可否を示す自動ダンプ可否モードを決定するステップと、
前記自動ダンプ可否モードに応じて前記自動ダンプ制御に係る駆動指令を出力するステップと、
を備える作業機制御方法。
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