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JP7278046B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、半導体装置及びその作製方法に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関するものである。又は、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器等は、半導体装置を有する場合がある。また、半導体装置は、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器等を示す場合がある。
基板上に形成された酸化物半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。例えば、酸化物半導体を有するオフ電流が極めて低いトランジスタを画素回路に用いる構成の撮像装置が特許文献1に開示されている。
特開2011-119711号公報
半導体装置の一態様である撮像装置は、可視光を画像化する手段として用いられるだけでなく、様々な用途に用いられている。例えば、個人認証、不良解析、医療診断、セキュリティ用途等に用いられている。これらの用途では、可視光の他、X線等の短波長の光、赤外線等の長波長の光等を用途に応じて使い分けている。また、可視光及び赤外線としては自然光や室内光を利用する場合もあるが、専用の光源を用いることも一般化している。
本発明の一態様では、光源としての機能を有する発光デバイスと、光センサとしての機能を有する光電変換デバイスと、を有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、発光デバイス及び光電変換デバイスを有し、当該発光デバイスから発する光の被写体からの反射光を、光電変換デバイスにより検出する機能を有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、発光デバイスを有し、当該発光デバイスにより画像を表示することができる半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、表示装置と、撮像装置と、を有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。
又は、小型の半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、低消費電力の半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、高輝度の光を射出することができる半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、光の検出感度が高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、高速に動作する半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、低価格な半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、信頼性の高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、新規な半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、上記半導体装置の動作方法を提供することを課題の一つとする。
又は、光源としての機能を有する発光デバイスと、光センサとしての機能を有する光電変換デバイスと、を有する半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、発光デバイス及び光電変換デバイスを有し、当該発光デバイスから発する光の被写体からの反射光を、光電変換デバイスにより検出する機能を有する半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、発光デバイスを有し、当該発光デバイスにより画像を表示することができる半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、表示装置と、撮像装置と、を有する半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。
又は、小型の半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、低消費電力の半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、高輝度の光を射出することができる半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、光の検出感度が高い半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、高速に動作する半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、簡易な半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、信頼性の高い半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、新規な半導体装置の作製方法を提供することを課題の一つとする。又は、上記作製方法により作製された半導体装置の動作方法を提供することを課題の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項等の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項等の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、画素を有する半導体装置であって、画素は、第1の層と、第2の層と、を有し、第1の層は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、第2の層は、発光デバイスと、光電変換デバイスと、を有し、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、発光デバイスの一方の電極と電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、光電変換デバイスの一方の電極と電気的に接続されている半導体装置である。
又は、上記態様において、発光デバイスは、赤外光を発する機能を有してもよい。
又は、上記態様において、発光デバイスは、可視光を発する機能を有してもよい。
又は、上記態様において、第1及び第2のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、Nd又はHf)と、を有してもよい。
又は、本発明の一態様は、第1の基板に、低抵抗領域と、開口部と、を形成する工程と、開口部に、第1の導電層を形成する工程と、低抵抗領域、及び第1の導電層と重なる領域を有するように、絶縁層を形成する工程と、絶縁層上に、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方が、低抵抗領域と電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方が、第1の導電層と電気的に接続されるように形成する工程と、第1の基板を、第1の導電層が露出するように研磨する工程と、第1の導電層と電気的に接続されるように、第2の導電層を形成する工程と、第2の導電層と重なる領域を有するように、発光層を形成する工程と、第2の導電層、及び発光層と重なる領域を有するように、第3の導電層を形成する工程と、を有する半導体装置の作製方法である。
又は、上記態様において、第1及び第2のトランジスタを形成した後に、第1の基板上の、第1及び第2のトランジスタが形成されている面に、第2の基板を貼り合わせてもよい。
又は、上記態様において、第3の導電層を形成した後に、第1の基板上の、第3の導電層が形成されている面に、第3の基板を封止してもよい。
又は、上記態様において、発光層は、赤外光を発する機能を有してもよい。
又は、上記態様において、発光層は、可視光を発する機能を有してもよい。
又は、上記態様において、第1及び第2のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、Nd又はHf)と、を有してもよい。
本発明の一態様により、光源としての機能を有する発光デバイスと、光センサとしての機能を有する光電変換デバイスと、を有する半導体装置を提供することができる。又は、発光デバイス及び光電変換デバイスを有し、当該発光デバイスから発する光の被写体からの反射光を、光電変換デバイスにより検出する機能を有する半導体装置を提供することができる。又は、発光デバイスを有し、当該発光デバイスにより画像を表示することができる半導体装置を提供することができる。又は、表示装置と、撮像装置と、を有する半導体装置を提供することができる。
又は、小型の半導体装置を提供することができる。又は、低消費電力の半導体装置を提供することができる。又は、高輝度の光を射出することができる半導体装置を提供することができる。又は、光の検出感度が高い半導体装置を提供することができる。又は、高速に動作する半導体装置を提供することができる。又は、低価格な半導体装置を提供することができる。又は、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。又は、新規な半導体装置を提供することができる。又は、上記半導体装置の動作方法を提供することができる。
又は、光源としての機能を有する発光デバイスと、光センサとしての機能を有する光電変換デバイスと、を有する半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、発光デバイス及び光電変換デバイスを有し、当該発光デバイスから発する光の被写体からの反射光を、光電変換デバイスにより検出する機能を有する半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、発光デバイスを有し、当該発光デバイスにより画像を表示することができる半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、表示装置と、撮像装置と、を有する半導体装置の作製方法を提供することができる。
又は、小型の半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、低消費電力の半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、高輝度の光を射出することができる半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、光の検出感度が高い半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、高速に動作する半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、簡易な半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、信頼性の高い半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、新規な半導体装置の作製方法を提供することができる。又は、上記作製方法により作製された半導体装置の動作方法を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 半導体装置の作製方法の一例を説明する図。 半導体装置の作製方法の一例を説明する図。 半導体装置の作製方法の一例を説明する図。 発光デバイスの構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 画素の構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 ローリングシャッタ方式、及びグローバルシャッタ方式を説明する図。 画素の構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 半導体装置の動作方法の一例を説明する図。 トランジスタの構成例を説明する図。 電子機器を説明する図。 市場イメージを説明する図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲等は、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲等を表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲等に限定されない。
なお、「膜」という用語と、「層」という用語とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)等に分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置、及びその作製方法について、図面を参照して説明する。
本発明の一態様は、画素を有し、当該画素が発光デバイスと、光電変換デバイスと、を有する半導体装置の作製方法である。まず、基板に光電変換デバイスを形成し、それと共に当該基板に開口部を設ける。次に、当該開口部に埋め込むように導電層を形成する。その後、基板上にトランジスタを形成する。例えば、ソース又はドレインの一方が上記光電変換デバイスの一方の電極と電気的に接続される第1のトランジスタ、及びソース又はドレインの一方が上記導電層と電気的に接続される第2のトランジスタを形成する。
次に、トランジスタを形成した基板の裏面を、上記導電層が露出するように研磨する。その後、画素電極と、発光層と、共通電極と、を有する発光デバイスを、上記導電層と画素電極とが電気的に接続されるように形成する。以上が本発明の一態様の半導体装置の作製方法である。
本発明の一態様の半導体装置では、発光デバイスが発し、被写体から反射された光を光電変換デバイスで検出する。例えば、発光デバイスとして、赤外光を発するデバイスを用いることで、本発明の一態様の半導体装置は、指紋認証、静脈認証等の生体認証を行う機能を有することができる。又は、工業製品の不良解析等を行う機能を有することができる。
また、発光デバイスとして可視光を発するデバイスを用いることで、本発明の一態様の半導体装置は画像を表示する機能を有することができる。以上により、発光デバイスとして赤外光と可視光の両方を発するデバイスを用いることで、上記生体認証、不良解析等を行いつつ、画像の表示を行うことができる。例えば、認証結果等を表示することができる。なお、発光デバイスとして可視光を発するデバイスを用いた場合であっても、当該発光デバイスが発し、被写体から反射された可視光を光電変換デバイスで検出することにより、上記生体認証、不良解析等を行うことができる。
本明細書等において、赤外光とは、例えば波長が0.7μm以上1000μm以下の光を示す。また、例えば波長が0.7μm以上2.5μm以下の光である近赤外光を、単に赤外光という場合がある。
本発明の一態様の半導体装置では、トランジスタ、及び当該トランジスタと電気的に接続されている配線等が形成されている層の上に、発光デバイス及び光電変換デバイスを形成する。これにより、発光デバイスが発する光が配線等により遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。また、半導体装置に入射された光が配線等により遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置における光の検出感度を高めることができる。
<画素の断面構成例1>
図1は、本発明の一態様の半導体装置が有する画素である、画素10の構成例を説明する断面図である。画素10は、基板30と基板50との間に、トランジスタ101、トランジスタ132、光電変換デバイス12、発光デバイス40等を有する。ここで、トランジスタ101及びトランジスタ132には、例えばチャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
図1に示すように、画素10は、層61と、層62と、層63と、の積層構成とすることができる。層61には、基板30と、絶縁層81と、絶縁層82と、トランジスタ101及びトランジスタ132と、絶縁層80と、絶縁層86と、が設けられる。トランジスタ101及びトランジスタ132は、絶縁層82と絶縁層80の間に設けられる。また、トランジスタ101及びトランジスタ132のチャネル形成領域、ソース領域、及びドレイン領域を覆うように絶縁層84及び絶縁層85が設けられる。また、絶縁層82と絶縁層84の間に、絶縁層83が設けられる。
トランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続されるように導電層21が設けられ、トランジスタ101のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層22が設けられる。また、トランジスタ132のソース又はドレインの一方と電気的に接続されるように導電層23が設けられ、トランジスタ132のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層24が設けられる。なお、導電層21乃至導電層24を、配線という場合がある。また、本発明の一態様の半導体装置に設けられる他の導電層についても、配線という場合がある。
基板30として、シリコン基板、ガラス基板、セラミクス基板、樹脂基板等を用いることができる。なお、本発明の一態様の半導体装置に設けられる他の基板についても、基板30と同様の材料を有する基板を用いることができる場合がある。
絶縁層80乃至絶縁層86の少なくとも一層に、水や水素等の不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア膜として機能させることができるので、トランジスタ101及びトランジスタ132等に不純物が入り込むことを効果的に抑制することができる。よって、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
トランジスタ101及びトランジスタ132等、層61に設けられるトランジスタとして、OSトランジスタ等の薄膜トランジスタとすることが好ましい。これにより、フィールド酸化膜等の素子間分離層を設けなくても、層61に設けられたトランジスタ等の素子について素子間分離を行うことができる。よって、本発明の一態様の半導体装置を簡易な方法で作製することができる。
層62には基板11と、光電変換デバイス12と、が設けられる。基板11は、例えばシリコン基板とすることができる。例えば、結晶方位が(100)である単結晶を有するシリコン基板とすることができる。基板11の厚さは、2μm以上20μm以下とすることが好ましい。
本明細書等において、基板11の、層61側の面を表面とし、層63側の面を裏面とする。
光電変換デバイス12は、基板11に設けることができ、例えばpn接合型フォトダイオード、又はpin接合型フォトダイオードとすることができる。例えば、基板11に低抵抗領域13を設けることで、光電変換デバイス12を形成することができる。例えば、基板11がp型基板である場合、低抵抗領域13をn型領域とすることにより、光電変換デバイス12としてpn接合型フォトダイオードを形成することができる。ここで、基板11の電気抵抗は、8Ω・cm以上12Ω・cm以下とすることが好ましい。
基板11に低抵抗領域13を設けることにより光電変換デバイス12を形成する場合、光電変換デバイス12の一方の電極には低抵抗領域13が含まれるとすることができ、光電変換デバイス12の他方の電極には基板11が含まれるとすることができる。例えば、基板11がp型基板、低抵抗領域13がn型領域である場合、光電変換デバイス12のアノードには基板11が含まれ、光電変換デバイス12のカソードには低抵抗領域13が含まれるとすることができる。
低抵抗領域13は、導電層21と電気的に接続されている。よって、光電変換デバイス12の一方の電極は、導電層21を介してトランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。したがって、トランジスタ101は、光電変換デバイス12の動作を制御する機能を有することができる。
また、基板11に開口部が設けられており、当該開口部の側面を覆うように絶縁層87が設けられている。側面を絶縁層87で覆われた上記開口部には導電層14が設けられ、導電層14は導電層23と電気的に接続されている。
トランジスタ101及びトランジスタ132等、層61に設けられるトランジスタとしてOSトランジスタを用いる場合、当該トランジスタのチャネル形成領域の近傍に設けられる絶縁層中の水素は、金属酸化物層中にキャリアを生成する要因の一つとなる。よって、OSトランジスタのチャネル形成領域の近傍に設けられる絶縁層中の水素は少ないほうがよい。一方、基板11としてシリコン基板を用いる場合、光電変換デバイス12の近傍に設けられる絶縁層中の水素は、シリコンのダングリングボンドを終端する。よって、光電変換デバイス12の近傍に設けられる絶縁層中の水素は多い方がよい。そこで、絶縁層80を、水素を透過しにくい材料で形成することにより、基板11側に水素を閉じ込めることができ、またトランジスタ101及びトランジスタ132等に水素が入り込むことを抑制することができる。よって、絶縁層80を設けない場合より、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を向上させることができる。
絶縁層80に用いることができる、水素を透過しにくい材料としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等が挙げられる。
層63には導電層31と、絶縁層32と、発光デバイス40と、絶縁層33と、が設けられる。また、層63には基板50と、フィルタ51と、が設けられる。基板50と基板11は封止層52を介して封止されている。ここで、発光デバイス40として、例えば白色光及び赤外光を発する機能を有するデバイスを用いることが好ましい。
基板11と接する領域を有するように、導電層31が設けられる。導電層31を設けることにより、光電変換デバイス12の他方の電極を低抵抗化することができる。
導電層31を覆うように絶縁層32が設けられ、絶縁層32上に発光デバイス40が設けられる。発光デバイス40は、絶縁層32側から、導電層41、EL層42、導電層43の順に積層された積層構造を有する。つまり、発光デバイス40は、EL(Electro―Luminescence)デバイスとすることができる。発光デバイス40としてELデバイスを用いることにより、本発明の一態様の半導体装置を小型化・薄型化することができるので、様々な電子機器へ搭載することが可能となり、当該電子機器の携帯性を向上させることができる。
導電層41は、絶縁層32に設けられた開口を介して、導電層14と電気的に接続されている。また、導電層41の端を覆うように、絶縁層33が設けられる。
絶縁層32及び絶縁層33として、例えば酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、又は窒化酸化絶縁膜を用いることができる。当該絶縁層は、単層又は積層で形成することができる。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜等が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜、及び窒化アルミニウム等が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜等が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜等が挙げられる。なお、絶縁層81乃至絶縁層87、トランジスタ101及びトランジスタ132のゲート絶縁層等、本発明の一態様の半導体装置が有する他の絶縁層も、上記材料を有する絶縁層とすることができる場合がある。
本明細書等において「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、酸素の含有量が窒素の含有量よりも多いものをいう。また、本明細書等において、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多いものをいう。
また、導電層41には金属等の低抵抗の導電膜を用いることができる。例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。なお、導電層21乃至導電層24、及び導電層14、並びにトランジスタ101及びトランジスタ132のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極等、本発明の一態様の半導体装置が有する他の導電層も、上記材料を有する導電層とすることができる場合がある。
導電層41及び導電層43は、発光デバイス40の電極としての機能を有する。よって、発光デバイス40の一方の電極は、導電層14及び導電層23を介してトランジスタ132のソース又はドレインの一方と電気的に接続されているということができる。したがって、トランジスタ132は、発光デバイス40の動作を制御する機能を有することができる。なお、導電層41は、例えば発光デバイス40の画素電極としての機能を有することができ、導電層43は、例えば発光デバイス40の共通電極としての機能を有することができる。
ここで、導電層43として、透光性を有する導電層を用いることができる。例えば、発光デバイス40が可視光及び赤外光を発する機能を有する場合、導電層43として可視光及び赤外光を透過する透光性導電層を用いることができる。例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物等を用いることができる。又は、カドミウム錫酸化物(CTO:Cadmium Tin Oxide)等を用いることができる。
封止層52は、発光デバイス40に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が入り込むことを抑制する機能を有する。封止層52としては窒素やアルゴン等の不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂、又は熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル系樹脂、ポリイミド、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)又はEVA(エチレンビニルアセテート)等を用いることができる。また、封止層52に乾燥剤が含まれていてもよい。
また、封止層52の一部として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)等の保護層を設けてもよい。
フィルタ51は、封止層52を介して光電変換デバイス12及び発光デバイス40と重なる領域を有するように設けられる。フィルタ51は、特定の波長の光を吸収する機能を有する。例えば、赤色の光以外の光を吸収する機能を有する。この場合、発光デバイス40から白色光が発せられるとすると、赤色の光が基板50等を介して画素10の外部に射出される。又は、フィルタ51は、例えば緑色の光以外の光を吸収する機能を有する。この場合、発光デバイス40から白色光が発せられるとすると、緑色の光が基板50等を介して画素10の外部に射出される。又は、フィルタ51は、例えば青色の光以外の光を吸収する機能を有する。この場合、発光デバイス40から白色光が発せられるとすると、青色の光が基板50等を介して画素10の外部に射出される。
又は、フィルタ51は、赤外光以外の光を吸収する機能を有する構成とすることができる。例えば、可視光を吸収する機能を有する。この場合、発光デバイス40から、白色光及び赤外光が発せられるとすると、赤外光が基板50等を介して画素10の外部に射出される。
画素10は、光電変換デバイス12と、発光デバイス40と、を有する。これにより、発光デバイス40から基板50等を介して画素10の外部に射出され、被写体に当たることにより反射された光を、光電変換デバイス12により検出することができる。これにより、例えば発光デバイス40として赤外光を発するデバイスを用いることで、本発明の一態様の半導体装置は、物体を検出する機能を有することができる。例えば、本発明の一態様の半導体装置に手のひらをかざすことにより静脈認証を行うことができ、指をかざすことにより指紋認証を行うことができる。つまり、本発明の一態様の半導体装置は、生体認証を行う機能を有することができる。また、本発明の一態様の半導体装置は、食品内の異物検査や工業製品の不良解析等の非破壊検査に利用することもできる。
ここで、フィルタ51を、発光デバイス40だけでなく、光電変換デバイス12とも重なる領域を有するように設けることにより、発光デバイス40から基板50を介して画素10の外部に射出される光の波長以外の波長の光が、光電変換デバイス12に入射されることを抑制することができる。これにより、光電変換デバイス12による検出精度を高め、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
また、発光デバイス40が白色光等の可視光を発する機能を有することにより、本発明の一態様の半導体装置は、画像を表示する機能を有することができる。例えば、光電変換デバイス12により取得された撮像データに対応する画像を、発光デバイス40を用いて表示することができる。又は、認証結果等、光電変換デバイス12により取得された撮像データから得られた情報を表示することができる。又は、画素10の外部から供給された画像データに対応する画像を表示することができる。例えば、インターネットを介して得られた画像データに対応する画像を表示することができる。
以上により、発光デバイス40として赤外光と可視光の両方を発するデバイスを用いることで、本発明の一態様の半導体装置は上記生体認証、不良解析等を行いつつ、画像の表示を行うことができる。なお、発光デバイス40として可視光を発するデバイスを用いた場合であっても、発光デバイス40から基板50等を介して画素10の外部に射出され、被写体に当たることにより反射された可視光を、光電変換デバイス12で検出することにより、上記生体認証、不良解析等を行うことができる。
以上、本発明の一態様の半導体装置は、光電変換デバイス12が設けられた撮像装置と、発光デバイス40が設けられた表示装置と、を有する半導体装置であるということができる。
ここで、基板50は、ガラス基板等、透光性を有する基板とする。これにより、発光デバイス40から発せられる光、及び光電変換デバイス12に入射する光が、基板50により遮られることを抑制することができる。よって、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。また、本発明の一態様の半導体装置における光の検出感度を高めることができる。
また、導電層31は、導電層43と同様に、透光性を有する導電層を用いることができる。例えば、可視光及び赤外光を透過する透光性導電層を用いることができる。これにより、光電変換デバイス12に入射する光が、導電層31に遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置における光の検出感度を高めることができる。なお、導電層31は、例えば導電層43に用いることができる材料を有することができる。
なお、導電層41及び導電層43と重なるEL層42は発光することができるが、導電層43と重なり、かつ導電層41と重ならないEL層42は発光することはできない。また、EL層42は極めて薄い薄膜であり、可視光及び赤外光の吸収を無視することができる。したがって、光電変換デバイス12上にEL層42及び導電層43を重ねて設けることができる。
図1に示すように、画素10は、トランジスタ、及び当該トランジスタと電気的に接続されている配線等が形成されている層である層61の上に、光電変換デバイス12、及び発光デバイス40を形成する。これにより、発光デバイス40が発する光が配線等により遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。また、半導体装置に入射された光が配線等により遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置における光の検出感度を高めることができる。
図2(A)は、本発明の一態様の半導体装置の構成例を示す図である。図2(A)では、画素10として、画素10R、画素10G、画素10B、及び画素10IRの構成例を示している。
画素10R、画素10G、画素10B、及び画素10IRは、それぞれ図1に示す構成を適用することができる。なお、図2(A)では層61を省略しているが、実際には画素10R、画素10G、画素10B、及び画素10IRはそれぞれ層61を有する。
本発明の一態様の半導体装置では、図2(A)に示す構成の光電変換デバイス12の側面を、光制御層56で囲まれた構成とすることができる。光制御層56は、隣接する光電変換デバイス12間における素子分離層としての機能を有する。光電変換デバイス12の受光面から側面に向かって入射した光は光制御層56で反射又は減衰させることができる。したがって、隣接する光電変換デバイス12に当該光を侵入させることを防止することができる。よって、光電変換デバイス12による検出精度を高め、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。なお、光制御層56を設けなくてもよい。
光制御層56としては、シリコンよりも屈折率の低い材料を用いることが好ましい。例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、又は酸化タンタル等の絶縁体を用いることができる。また、アクリル樹脂やポリイミド等の有機材料を用いてもよい。シリコンよりも屈折率の低い材料を用いることで、光電変換デバイス12の側面に入射した光が全反射しやすくなる。また、上記材料の替わりに空気、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等の気体を用いても良く、この場合、大気圧よりも低い圧力としても良い。
光制御層56としては、光を吸収しやすい材料を用いてもよい。例えば、カーボンブラック等のカーボン系黒色顔料、チタンブラック等のチタン系黒色顔料、鉄の酸化物、銅及びクロムの複合酸化物、銅、クロム及び亜鉛の複合酸化物、等の材料が添加された樹脂等を用いることができる。
層63に設けられる発光デバイス40は、前述のように、例えば白色光及び赤外光を発する機能を有することができる。画素10Rが有する層63には、光電変換デバイス12及び発光デバイス40と重なる領域を有するように、フィルタ51Rを設けることができる。フィルタ51Rは、例えば赤色の光を透過する機能を有する。よって、画素10Rは、赤色の光を射出し、赤色の光を光電変換デバイス12により検出する機能を有することができる。
また、画素10Gが有する層63には、光電変換デバイス12及び発光デバイス40と重なる領域を有するように、フィルタ51Gを設けることができる。フィルタ51Gは、例えば緑色の光を透過する機能を有する。よって、画素10Gは、緑色の光を射出し、緑色の光を光電変換デバイス12により検出する機能を有することができる。
また、画素10Bが有する層63には、光電変換デバイス12及び発光デバイス40と重なる領域を有するように、フィルタ51Bを設けることができる。フィルタ51Bは、例えば青色の光を透過する機能を有する。よって、画素10Bは、青色の光を射出し、青色の光を光電変換デバイス12により検出する機能を有することができる。
さらに、画素10IRが有する層63には、光電変換デバイス12及び発光デバイス40と重なる領域を有するように、フィルタ51IRを設けることができる。フィルタ51IRは、例えば赤外光を透過し、可視光を吸収する機能を有する。よって、画素10Bは、赤外光を射出し、赤外光を光電変換デバイス12により検出する機能を有することができる。
画素10Rが赤色の光を射出して当該光を検出する機能を有し、画素10Gが緑色の光を射出して当該光を検出する機能を有し、画素10Bが青色の光を射出して当該光を検出する機能を有し、画素10IRが赤外光を射出して当該光を検出する機能を有することにより、本発明の一態様の半導体装置は、カラー画像を表示し、かつ可視光及び赤外光を検出する機能を有することができる。なお、画素10R、画素10G、画素10Bは、それぞれ黄色、シアン、マゼンタ等の色の光を射出し、当該光を検出する機能を有していてもよい。
ここで、画素10R、画素10G、画素10B、及び画素10IRは、それぞれ副画素ということができる。また、画素10R、画素10G、画素10B、及び画素10IRにより、1画素が構成されているということができる。なお、本明細書等において、「画素」という用語が「副画素」を示す場合がある。例えば、画素10は、副画素であるということができる。
画素10Rには、フィルタ51Rと重なる領域を有するように、フィルタ53を設けることができる。また、画素10Gには、フィルタ51Gと重なる領域を有するように、フィルタ53を設けることができる。さらに、画素10Bには、フィルタ51Bと重なる領域を有するように、フィルタ53を設けることができる。フィルタ53は、例えば可視光を透過し、赤外光を吸収する機能を有する。つまり、フィルタ53は、赤外光カットフィルタであるということができる。
画素10R、画素10G、及び画素10Bにフィルタ53を設けることにより、例えば全ての発光デバイス40が赤外光を発する機能を有する場合であっても、画素10Rが有する光電変換デバイス12、画素10Gが有する光電変換デバイス12、及び画素10Bが有する光電変換デバイス12が、赤外光を検出することを抑制する。これにより、光電変換デバイス12による検出精度を高め、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
なお、図2(A)では、フィルタ51R、フィルタ51G、及びフィルタ51Bの上にフィルタ53が設けられた構成を示しているが、フィルタ51R、フィルタ51G、及びフィルタ51Bの下にフィルタ53が設けられていてもよい。
層63の上には、光電変換デバイス12と重なる領域を有するように、マイクロレンズ54を設けることができる。これにより、光電変換デバイス12による光の検出感度を高めることができる。
図2(B)は、本発明の一態様の半導体装置の構成例を示す図であり、図2(A)に示す構成の変形例である。図2(B)に示す構成の半導体装置は、画素10G及び画素10Bにフィルタ53が設けられていない点が、図2(A)に示す構成の半導体装置と異なる。
フィルタ51G、及びフィルタ51Bは、赤色の光を吸収する機能を有する。よって、赤色の光と波長が近い、赤外光も吸収する場合がある。この場合、画素10G及び画素10Bに、赤外光を吸収する機能を有するフィルタ53を設けなくても、画素10Gに設けられた光電変換デバイス12、及び画素10Bに設けられた光電変換デバイス12が赤外光を検出することを抑制することができる。本発明の一態様の半導体装置を図2(B)に示す構成とすることにより、画素10Gが有する発光デバイス40から発せられた光、及び画素10Bが有する発光デバイス40から発せられた光が、フィルタ53に吸収されることを抑制することができる。よって、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。また、本発明の一態様の半導体装置における光の検出感度を高めることができる。
<画素の作製方法の一例>
図3(A)、(B)、(C)、(D)、図4(A)、(B)、(C)、図5(A)、(B)は、図1に示す構成の画素10の作製方法の一例を示す図である。
なお、発光装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulse Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法や、熱CVD法等がある。また、熱CVD法のひとつに、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法がある。
また、発光装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
また、発光装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。又は、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法等により薄膜を加工してもよい。また、メタルマスク等の遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を直接形成してもよい。
フォトリソグラフィ法としては、代表的には以下の2つの方法がある。一つは、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう一つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、又はこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、又はArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra-violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線又は電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビーム等のビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法等を用いることができる。
図1に示す構成の画素10の作製方法の一例について説明する。まず、基板11上に低抵抗領域13を形成する(図3(A))。これにより、光電変換デバイス12を作製することができる。低抵抗領域13は、基板11に不純物を添加することにより形成することができる。例えば、リン、砒素等の5価元素を添加することで、低抵抗領域13をn型の領域とすることができ、ホウ素、アルミニウム等の3価元素を添加することで、低抵抗領域13をp型の領域とすることができる。なお、基板11がp型基板である場合、低抵抗領域13はn型の領域とすることができ、基板11がn型基板である場合、低抵抗領域13はp型の領域とすることができる。
上記不純物の添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション等が挙げられる。
次に、基板11に開口部を設ける。当該開口部は、基板11を貫通している必要はない。その後、開口部の側面を覆うように絶縁層87を設け、絶縁層87に覆われた開口部を埋めるように、導電層14を形成する(図3(B))。
基板11として、SOI基板を用いてもよい。この場合は、BOX層に達するように、基板11に開口部を設ける。
次に、絶縁層87上、及び導電層14上に絶縁層86を形成し、絶縁層86上に絶縁層80を形成する。その後、絶縁層80上にトランジスタ101及びトランジスタ132を形成する。なお、トランジスタ101及びトランジスタ132のチャネル形成領域、ソース領域、及びドレイン領域を覆うように、絶縁層85及び絶縁層84を形成する。また、絶縁層84上に絶縁層83を形成する。絶縁層83は層間絶縁膜としての機能を有し、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法等を用いた平坦化処理により平坦化されている。なお、絶縁層83は平坦化されていなくてもよい。また、絶縁層83以外の層についても、CMP法等により平坦化処理を行うことができる。
ここで、トランジスタ101及びトランジスタ132は、同一の工程で作製することができる。つまり、光電変換デバイス12の動作を制御する機能を有するトランジスタと、発光デバイス40の動作を制御する機能を有するトランジスタと、を同一の工程で作製することができる。よって、光電変換デバイス12の動作を制御する機能を有するトランジスタと、発光デバイス40の動作を制御する機能を有するトランジスタと、を異なる工程で作製する場合より、本発明の一態様の半導体装置の作製工程を簡易なものとすることができる。したがって、本発明の一態様の半導体装置を低価格なものとすることができる。なお、容量素子等、トランジスタ以外の回路素子も、トランジスタと同一の工程で作製することができる。
トランジスタ101及びトランジスタ132等の形成後に、絶縁層82を形成する。次に、絶縁層80、及び絶縁層82乃至絶縁層87に開口部を設け、当該開口部を埋めるように導電層21乃至導電層24を形成する。具体的には、トランジスタ101のソース又はドレインの一方、及び低抵抗領域13と電気的に接続されるように導電層21を形成し、トランジスタ101のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層22を形成する。また、トランジスタ132のソース又はドレインの一方、及び導電層14と電気的に接続されるように導電層23を形成し、トランジスタ132のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層24を形成する。
導電層21乃至導電層24の形成後、導電層21乃至導電層24上、及び絶縁層82上に絶縁層81を形成する(図3(C))。その後、絶縁層81上に基板30を貼り合わせる(図3(D))。絶縁層81と基板30は、例えば圧着により貼り合わせることができる。又は、絶縁層81と基板30の間に接着層を設けることで、絶縁層81上に基板30を貼り合わせることができる。基板30は、以降の作製工程における支持基板としての機能を有する。
次に、基板11の裏面、及び絶縁層87を研磨して、導電層14を露出させる(図4(A))。例えば、グラインダーを用いることにより、基板11を研磨することができる。また、グラインダーを用いて基板11を研磨した後、CMP法を用いて基板11及び絶縁層87を研磨することにより、導電層14を露出させることができる。グラインダーを用いることにより、基板11を高速に研磨することができる。また、CMP法を用いることにより、基板11及び絶縁層87の研磨を精密に行うことができ、基板11の平坦性を高めることができる。なお、図4(A)において点線で囲まれた部分は、基板11の研磨された部分である。
基板11がSOI基板である場合は、低抵抗領域13を構成する材料とは異なる材料を有する層である、BOX層を研磨することにより、導電層14を露出させることができる。これにより、研磨工程の制御を簡易に行うことができる。
次に、基板11上に導電層31を形成する(図4(B))。具体的には、基板11上、導電層14上、及び絶縁層87上に導電膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法等によりパターニングを行う。その後、当該導電膜の、導電層14と接する部分をエッチング法等により除去する。以上により、導電層31を形成することができる。なお、図4(B)では、導電層31は絶縁層87と接する領域を有していないが、絶縁層87と接する領域を有していてもよい。
次に、導電層31を覆うように絶縁層32を形成する(図4(C))。具体的には、導電層31上、基板11上、導電層14上、及び絶縁層87上に絶縁膜を成膜し、導電層14に達する開口部を当該絶縁膜に設けることにより、絶縁層32を形成することができる。なお、図4(C)では、絶縁層32は絶縁層87と接する領域を有しているが、絶縁層87と接する領域を有していなくてもよい。また、図4(C)では、絶縁層32は導電層14と接する領域を有していないが、導電層14と接する領域を有してもよい。
次に、導電層14と電気的に接続されるように、導電層41を形成する。その後、導電層41と重なる領域を有するようにEL層42を形成し、導電層41及びEL層42と重なる領域を有するように導電層43を形成する(図5(A))。以上により、発光デバイス40を作製することができる。ここで、EL層42は、蒸着法、塗布法、印刷法、吐出法等の方法で形成することができる。
次に、基板50上にフィルタ51を形成する(図5(B))。ここで、フィルタ51の他、赤外光カットフィルタとしての機能を有するフィルタ53を形成してもよい。なお、フィルタ51及びフィルタ53は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
その後、封止層52を用いて、基板50と基板11を封止する。以上が図1に示す構成の画素10の作製方法の一例である。
図3乃至図5に示す方法で画素10を作製することにより、トランジスタ、及び当該トランジスタと電気的に接続されている配線等が形成されている層である層61の上に、光電変換デバイス12、及び発光デバイス40を形成することができる。これにより、発光デバイス40が発する光が配線等により遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。また、半導体装置に入射された光が配線等により遮られることを抑制することができるので、本発明の一態様の半導体装置における光の検出感度を高めることができる。
<発光デバイスの構成例>
図6(A)乃至(C)は、発光デバイス40の構成例を示す図である。図6(A)には、導電層41と導電層43の間にEL層42が挟まれた構造(シングル構造)を示す。前述のとおり、EL層42には発光材料が含まれ、例えば、有機化合物である発光材料が含まれる。
図6(B)は、EL層42の積層構造を示す図である。ここで、図6(B)に示す構造の発光デバイス40では、導電層41はアノードとしての機能を有し、導電層43はカソードとしての機能を有する。
EL層42は、導電層41の上に、正孔注入層71、正孔輸送層72、発光層73、電子輸送層74、電子注入層75が順次積層された構造を有する。なお、導電層41がカソードとしての機能を有し、導電層43がアノードとしての機能を有する場合は、積層順は逆になる。
発光層73は、発光材料や複数の材料を適宜組み合わせて有しており、所望の発光色を呈する蛍光発光や燐光発光が得られる構成とすることができる。また、発光層73を発光色の異なる積層構造としてもよい。なお、この場合、積層された各発光層に用いる発光物質やその他の物質は、それぞれ異なる材料を用いればよい。
発光デバイス40において、例えば、図6(B)に示す導電層41を反射電極とし、導電層43を半透過・半反射電極とし、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造とすることにより、EL層42に含まれる発光層73から得られる発光を両電極間で共振させ、導電層43を透過して射出される発光を強めることができる。
なお、発光デバイス40の導電層41が、反射性を有する導電性材料と透光性を有する導電性材料(透明導電膜)との積層構造からなる反射電極である場合、透明導電膜の膜厚を制御することにより光学調整を行うことができる。具体的には、発光層73から得られる光の波長λに対して、導電層41と、導電層43との電極間距離がmλ/2(ただし、mは自然数)近傍となるように調整するのが好ましい。
また、発光層73から得られる所望の光(波長:λ)を増幅させるために、導電層41から発光層の所望の光が得られる領域(発光領域)までの光学距離と、導電層43から発光層73の所望の光が得られる領域(発光領域)までの光学距離と、をそれぞれ(2m’+1)λ/4(ただし、m’は自然数)近傍となるように調節するのが好ましい。なお、ここでいう発光領域とは、発光層73における正孔(ホール)と電子との再結合領域を示す。
このような光学調整を行うことにより、発光層73から得られる特定の単色光のスペクトルを狭線化させ、色純度のよい発光を得ることができる。
但し、上記の場合、導電層41と導電層43との光学距離は、厳密には導電層41における反射領域から導電層43における反射領域までの総厚ということができる。しかし、導電層41や導電層43における反射領域を厳密に決定することは困難であるため、導電層41と導電層43の任意の位置を反射領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。また、導電層41と、所望の光が得られる発光層との光学距離は、厳密には導電層41における反射領域と、所望の光が得られる発光層における発光領域との光学距離であるということができる。しかし、導電層41における反射領域や、所望の光が得られる発光層における発光領域を厳密に決定することは困難であるため、導電層41の任意の位置を反射領域、所望の光が得られる発光層の任意の位置を発光領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。
図6(B)に示す発光デバイス40は、マイクロキャビティ構造を有するため、同じEL層を有していても異なる波長の光(単色光)を取り出すことができる。従って、異なる発光色を得るための塗り分けが不要となる。従って、高精細化を実現することが容易である。また、着色層との組み合わせも可能である。さらに、特定波長の正面方向の発光強度を強めることが可能となるため、低消費電力化を図ることができる。
なお、図6(B)に示す発光デバイス40は、マイクロキャビティ構造を有していなくてもよい。この場合、発光層73が白色光及び赤外光を発する構造とし、着色層を設けることにより、所定の色の光を取り出すことができる。また、EL層42を形成する際、異なる発光色を得るための塗り分けを行えば、着色層を設けなくても所定の色の光を取り出すことができる。
導電層41と導電層43の少なくとも一方は、透光性を有する電極(透明電極、半透過・半反射電極等)とすることができる。透光性を有する電極が透明電極の場合、透明電極の可視光の透過率は、40%以上とする。また、半透過・半反射電極の場合、半透過・半反射電極の可視光の反射率は、20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。
導電層41又は導電層43が、反射性を有する電極(反射電極)である場合、反射性を有する電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、この電極の抵抗率は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。
発光デバイス40の構成は、図6(C)に示す構成としてもよい。図6(C)には、導電層41と導電層43との間に3層のEL層(EL層42a、EL層42b、及びEL層42c)が設けられる発光デバイス40の構成(タンデム構成)を示す。ここで、EL層42aとEL層42bの間には電荷発生層44aが設けられ、EL層42bとEL層42cの間には電荷発生層44bが設けられる。
ここで、例えばEL層42aは青色光を発する機能を有し、EL層42bは黄色光を発する機能を有し、EL層42cは赤外光を発する機能を有する。青色の補色は黄色であるので、図6(C)に示す構成の発光デバイス40は、白色光と赤外光を発する機能を有することができる。
発光デバイス40をタンデム構造とすることで、発光デバイス40の電流効率及び外部量子効率を高めることができる。よって、発光デバイス40が発する光を高輝度なものとすることができる。また、本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。ここで、EL層42a、EL層42b、及びEL層42cは、図6(B)に示すEL層42と同様の構成とすることができる。
電荷発生層44aは、導電層41と導電層43との間に電圧を供給したときに、EL層42a及びEL層42bのうち、一方に電子を注入し、他方に正孔(ホール)を注入する機能を有する。また、電荷発生層44bは、導電層41と導電層43との間に電圧を供給したときに、EL層42b及びEL層42cのうち、一方に電子を注入し、他方に正孔(ホール)を注入する機能を有する。以上より、導電層41の電位が導電層43の電位より高くなるように電圧を供給すると、電荷発生層44aからEL層42aに電子が注入され、電荷発生層44aからEL層42bに正孔が注入されることになる。また、電荷発生層44bからEL層42bに電子が注入され、電荷発生層44bからEL層42cに正孔が注入されることになる。
なお、電荷発生層44は、光取り出し効率の点から、可視光を透過する(具体的には、電荷発生層44の可視光の透過率が、40%以上である)ことが好ましい。また、電荷発生層44の導電率は、導電層41の導電率、又は導電層43の導電率より低くてもよい。
<発光デバイスの構成材料>
次に、発光デバイス40に用いることができる構成材料について説明する。
<<導電層41及び導電層43>>
導電層41及び導電層43には、アノード及びカソードの機能が満たせるのであれば、以下に示す材料を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を適宜用いることができる。具体的には、In-Sn酸化物(ITOともいう)、In-Si-Sn酸化物(ITSOともいう)、In-Zn酸化物、In-W-Zn酸化物が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)等の金属、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属及びこれらを適宜組み合わせて含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。
<<正孔注入層71及び正孔輸送層72>>
正孔注入層71は、アノードである導電層41又は電荷発生層44からEL層42に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。ここで、EL層42は、EL層42a、EL層42b、EL層42c、及びEL層42(1)乃至EL層42(n)を含むものとする。
正孔注入性の高い材料としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等の遷移金属酸化物が挙げられる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(略称:CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、又はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(略称:PEDOT/PSS)等の高分子等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い材料としては、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)を含む複合材料を用いることもできる。この場合、アクセプター性材料により正孔輸送性材料から電子が引き抜かれて正孔注入層71で正孔が発生し、正孔輸送層72を介して発光層73に正孔が注入される。なお、正孔注入層71は、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)を含む複合材料からなる単層で形成してもよいが、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とをそれぞれ別の層で積層して形成してもよい。
正孔輸送層72は、正孔注入層71によって、導電層41から注入された正孔を発光層73に輸送する層である。なお、正孔輸送層72は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送層72に用いる正孔輸送性材料は、特に正孔注入層71のHOMO準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有するものを用いることが好ましい。
正孔注入層71に用いるアクセプター性材料としては、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムが挙げられる。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。その他、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体等の有機アクセプターを用いることができる。具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)等を用いることができる。
正孔注入層71及び正孔輸送層72に用いる正孔輸送性材料としては、10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)や芳香族アミン化合物が好ましく、具体例としては、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB又はα-NPD)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、3-[4-(9-フェナントリル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPPn)、N-(4-ビフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9-フェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCBiF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等の芳香族アミン骨格を有する化合物、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)等のカルバゾール骨格を有する化合物、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)等のチオフェン骨格を有する化合物、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)等のフラン骨格を有する化合物が挙げられる。
さらに、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、正孔輸送性材料は、上記に限られることなく公知の様々な材料を1種又は複数種組み合わせて正孔輸送性材料として正孔注入層71及び正孔輸送層72に用いることができる。なお、正孔輸送層72は、各々複数の層から形成されていてもよい。すなわち、例えば第1の正孔輸送層と第2の正孔輸送層とが積層されていてもよい。
<<発光層73>>
発光層73は、発光物質を含む層である。なお、発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色等の発光色を呈する物質を適宜用いる。ここで、図6(C)に示すように、発光デバイス40が複数のEL層を有する場合、それぞれのEL層に設けられる発光層73に異なる発光物質を用いることにより、異なる発光色を呈する構成とすることができる。なお、一つの発光層が異なる発光物質を有する積層構造であってもよい。
また、発光層73は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種又は複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)を有していてもよい。また、1種又は複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料や電子輸送性材料の一方又は両方を用いることができる。
発光層73に用いることができる発光物質としては、特に限定は無く、一重項励起エネルギーを可視光領域の発光に変える発光物質、又は三重項励起エネルギーを可視光領域の発光に変える発光物質を用いることができる。なお、上記発光物質としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)が挙げられ、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体等が挙げられる。特にピレン誘導体は発光量子収率が高いので好ましい。ピレン誘導体の具体例としては、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス(ジベンゾフラン-2-イル)-N,N’-ジフェニルピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FrAPrn)、N,N’-ビス(ジベンゾチオフェン-2-イル)-N,N’-ジフェニルピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6ThAPrn)、N,N’-(ピレン-1,6-ジイル)ビス[(N-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン)-6-アミン](略称:1,6BnfAPrn)、N,N’-(ピレン-1,6-ジイル)ビス[(N-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン)-8-アミン](略称:1,6BnfAPrn-02)、N,N’-(ピレン-1,6-ジイル)ビス[(6,N-ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン)-8-アミン](略称:1,6BnfAPrn-03)等が挙げられる。またピレン誘導体は、本発明の一態様における青色の色度を達成するのに有用な化合物群である。
その他にも、5,6-ビス[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6-ビス[4’-(10-フェニル-9-アントリル)ビフェニル-4-イル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニルスチルベン-4,4’-ジアミン(略称:YGA2S)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、4-(10-フェニル-9-アントリル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、4-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン(略称:TBP)、N,N’’-(2-tert-ブチルアントラセン-9,10-ジイルジ-4,1-フェニレン)ビス[N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPPA)、N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)等を用いることができる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、例えば、燐光を発する物質(燐光材料)や熱活性化遅延蛍光を示す熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。
燐光材料としては、有機金属錯体、金属錯体(白金錯体)、希土類金属錯体等が挙げられる。これらは、物質ごとに異なる発光色(発光ピーク)を示すため、必要に応じて適宜選択して用いる。
青色又は緑色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が450nm以上570nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、トリス{2-[5-(2-メチルフェニル)-4-(2,6-ジメチルフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-κN2]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz-dmp)])、トリス(5-メチル-3,4-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)])、トリス[4-(3-ビフェニル)-5-イソプロピル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrptz-3b)])、トリス[3-(5-ビフェニル)-5-イソプロピル-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPr5btz)])、のような4H-トリアゾール骨格を有する有機金属錯体、トリス[3-メチル-1-(2-メチルフェニル)-5-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1-mp)])、トリス(1-メチル-5-フェニル-3-プロピル-1H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Prptz1-Me)])のような1H-トリアゾール骨格を有する有機金属錯体、fac-トリス[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-フェニル-1H-イミダゾール]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrpmi)])、トリス[3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmpimpt-Me)])のようなイミダゾール骨格を有する有機金属錯体、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CFppy)(pic)])、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のように電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体等が挙げられる。
緑色又は黄色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が495nm以上590nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、トリス(4-メチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)])、トリス(4-t-ブチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)])、(アセチルアセトナト)ビス(6-メチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6-tert-ブチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[6-(2-ノルボルニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(nbppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[5-メチル-6-(2-メチルフェニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス{4,6-ジメチル-2-[6-(2,6-ジメチルフェニル)-4-ピリミジニル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm-dmp)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6-ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、(アセチルアセトナト)ビス(3,5-ジメチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr-Me)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5-イソプロピル-3-メチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr-iPr)(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、トリス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)])、ビス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)])、トリス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)])、ビス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、ビス(2,4-ジフェニル-1,3-オキサゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(dpo)(acac)])、ビス{2-[4’-(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p-PF-ph)(acac)])、ビス(2-フェニルベンゾチアゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bt)(acac)])等の有機金属錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。
上述した中で、ピリジン骨格(特にフェニルピリジン骨格)又はピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、本発明の一態様における緑色の色度を達成するのに有用な化合物群である。
黄色又は赤色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が570nm以上750nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)(dibm)])、ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)(dpm)])、(ジピバロイルメタナト)ビス[4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属錯体、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)(acac)])、ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)(dpm)])、ビス{4,6-ジメチル-2-[3-(3,5-ジメチルフェニル)-5-フェニル-2-ピラジニル-κN]フェニル-κC}(2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオナト-κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr-P)(dibm)])、ビス{4,6-ジメチル-2-[5-(4-シアノ-2,6-ジメチルフェニル)-3-(3,5-ジメチルフェニル)-2-ピラジニル-κN]フェニル-κC}(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト-κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr-dmCP)(dpm)])、(アセチルアセトナト)ビス[2-メチル-3-フェニルキノキサリナト-N,C2’]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpq)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(2,3-ジフェニルキノキサリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dpq)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3-ビス(4-フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属錯体や、トリス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)])、ビス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属錯体、2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン白金(II)(略称:[PtOEP])のような白金錯体、トリス(1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)(Phen)])、トリス[1-(2-テノイル)-3,3,3-トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。
上述した中で、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、本発明の一態様における赤色の色度を達成するのに有用な化合物群である。特に、[Ir(dmdppr-dmCP)(dpm)]のようにシアノ基を有する有機金属イリジウム錯体は、安定性が高く好ましい。
なお、青色の発光物質としては、フォトルミネッセンスのピーク波長が430nm以上470nm以下、より好ましくは430nm以上460nm以下の物質を用いればよい。また、緑色の発光物質としては、フォトルミネッセンスのピーク波長が500nm以上540nm以下、より好ましくは500nm以上530nm以下の物質を用いればよい。赤色の発光物質としては、フォトルミネッセンスのピーク波長が610nm以上680nm以下、より好ましくは620nm以上680nm以下の物質を用いればよい。なお、フォトルミネッセンス測定は溶液、薄膜のいずれでもよい。
このような化合物と、マイクロキャビティ効果を併用することで、より容易に上述した色度を達成することができる。この時、マイクロキャビティ効果を得るのに必要な半透過・半反射電極(金属薄膜部分)の膜厚は、20nm以上40nm以下が好ましい。より好ましくは25nmより大きく、40nm以下である。なお、40nmを超えると効率が低下してしまう可能性がある。
発光層73に用いる有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)としては、発光物質(ゲスト材料)のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種若しくは複数種選択して用いればよい。なお、上述した正孔輸送性材料及び後述する電子輸送性材料は、それぞれ、ホスト材料又はアシスト材料として用いることもできる。
発光物質が蛍光材料である場合、ホスト材料としては、一重項励起状態のエネルギー準位が大きく、三重項励起状態のエネルギー準位が小さい有機化合物を用いるのが好ましい。例えば、アントラセン誘導体やテトラセン誘導体を用いるのが好ましい。具体的には、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:PCzPA)、3-[4-(1-ナフチル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPN)、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、7-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6-[3-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9-フェニル-10-{4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)ビフェニル-4’-イル}アントラセン(略称:FLPPA)、5,12-ジフェニルテトラセン、5,12-ビス(ビフェニル-2-イル)テトラセン等が挙げられる。
発光物質が燐光材料である場合、ホスト材料としては、発光物質の三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも三重項励起エネルギーの大きい有機化合物を選択すればよい。なお、この場合には、亜鉛やアルミニウム系金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体等の他、芳香族アミンやカルバゾール誘導体等を用いることができる。
具体的には、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)等の金属錯体、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)-トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBphen)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)等の複素環化合物、NPB、TPD、BSPB等の芳香族アミン化合物が挙げられる。
また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:CzA1PA)、4-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、YGAPA、PCAPA、N,9-ジフェニル-N-{4-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]フェニル}-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPBA)、9,10-ジフェニル-2-[N-フェニル-N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)アミノ]アントラセン(略称:2PCAPA)、6,12-ジメトキシ-5,11-ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、3,6-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、9,9’-ビアントリル(略称:BANT)、9,9’-(スチルベン-3,3’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’-(スチルベン-4,4’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5-トリ(1-ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)等を用いることができる。
また、発光層73に複数の有機化合物を用いる場合、励起錯体を形成する化合物を発光物質と混合して用いることが好ましい。この場合、様々な有機化合物を適宜組み合わせて用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するためには、正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性材料)と、電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性材料)とを組み合わせることが特に好ましい。なお、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料の具体例については、本実施の形態で示す材料を用いることができる。
TADF材料とは、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈する材料のことである。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起準位と一重項励起準位のエネルギー差が0eV以上0.2eV以下、好ましくは0eV以上0.1eV以下であることが挙げられる。また、TADF材料における遅延蛍光とは、通常の蛍光と同様のスペクトルを持ちながら、寿命が著しく長い発光をいう。その寿命は、10-6秒以上、好ましくは10-3秒以上である。
TADF材料としては、例えば、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、若しくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF(Proto IX))、メソポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF(Meso IX))、ヘマトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル-フッ化スズ錯体(SnF(Copro III-4Me))、オクタエチルポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF(OEP))、エチオポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF(Etio I))、オクタエチルポルフィリン-塩化白金錯体(PtClOEP)等が挙げられる。
その他にも、2-(ビフェニル-4-イル)-4,6-ビス(12-フェニルインドロ[2,3-a]カルバゾール-11-イル)-1,3,5-トリアジン(PIC-TRZ)、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(PCCzPTzn)、2-[4-(10H-フェノキサジン-10-イル)フェニル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(PXZ-TRZ)、3-[4-(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン-10-イル)フェニル]-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾール(PPZ-3TPT)、3-(9,9-ジメチル-9H-アクリジン-10-イル)-9H-キサンテン-9-オン(ACRXTN)、ビス[4-(9,9-ジメチル-9,10-ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(DMAC-DPS)、10-フェニル-10H,10’H-スピロ[アクリジン-9,9’-アントラセン]-10’-オン(ACRSA)、等のπ電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物を用いることができる。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強くなり、一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギー差が小さくなるため、特に好ましい。
なお、TADF材料を用いる場合、他の有機化合物と組み合わせて用いることもできる。
<<電子輸送層74>>
電子輸送層74は、電子注入層75によって、導電層43から注入された電子を発光層73に輸送する層である。なお、電子輸送層74は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送層74に用いる電子輸送性材料は、1×10-6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
電子輸送性材料としては、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体等が挙げられる。その他、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族化合物を用いることもできる。
具体的には、Alq、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Zn(BOX)、ビス[2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4’-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4’’-ビフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)等の複素芳香族化合物、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq-III)、7-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq-II)、6-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq-II)等のキノキサリンないしはジベンゾキノキサリン誘導体を用いることができる。
また、ポリ(2,5-ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。
また、電子輸送層74は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層した構造であってもよい。
<<電子注入層75>>
電子注入層75は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層75には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiO)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層75にエレクトライドを用いてもよい。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。なお、上述した電子輸送層74を構成する物質を用いることもできる。
また、電子注入層75に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層74に用いる電子輸送性材料(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
<<電荷発生層44>>
電荷発生層44(電荷発生層44a、電荷発生層44b)は、導電層41と導電層43との間に電圧を印加したときに、当該電荷発生層44に接する2つのEL層42のうち、導電層41と近い側のEL層42に電子を注入し、導電層43と違い側のEL層42に正孔を注入する機能を有する。なお、電荷発生層44は、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていてもよい。なお、上述した材料を用いて電荷発生層44を形成することにより、EL層が積層された場合における、本発明の一態様の半導体装置の駆動電圧の上昇を抑制することができる。
電荷発生層44において、正孔輸送性材料に電子受容体が添加された構成とする場合、電子受容体としては、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F-TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウム等が挙げられる。
電荷発生層44において、電子輸送性材料に電子供与体が添加された構成とする場合、電子供与体としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属又は希土類金属又は元素周期表における第2、第13族に属する金属及びその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウム等を用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、発光デバイス40の作製には、蒸着法等の真空プロセスや、スピンコート法やインクジェット法等の溶液プロセスを用いることができる。蒸着法を用いる場合には、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法等の物理蒸着法(PVD法)や、化学蒸着法(CVD法)等を用いることができる。特に発光デバイスのEL層に含まれる機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層)及び電荷発生層については、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、マイクロコンタクト法等)等の方法により形成することができる。
なお、本実施の形態で示す発光デバイスのEL層を構成する各機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層)及び電荷発生層は、上述した材料に限られることはなく、それ以外の材料であっても各層の機能を満たせるものであれば組み合わせて用いることができる。一例としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)、中分子化合物(低分子と高分子の中間領域の化合物:分子量400~4000)、無機化合物(量子ドット材料等)等を用いることができる。なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料等を用いることができる。
<画素の断面構成例2>
図7は、画素10の構成例を説明する断面図であり、図1に示す構成の画素10の変形例である。図7に示す構成の画素10は、EL層42を塗り分けにより形成している点が、図1に示す構成の画素10と異なる。
図1に示す構成の画素10では、例えば全ての画素10に設けられたEL層42が、白色光と赤外光を発する。一方、図7に示す構成の画素10では、例えば赤色光を発するEL層42と、緑色光を発するEL層42と、青色光を発するEL層42と、赤外光を発するEL層42と、を塗り分けて形成する。このため、発光デバイス40と重なる領域を有するようにフィルタ51を設けなくてもよい。したがって、発光デバイス40から発せられた光がフィルタ51により吸収されることを抑制することができる。これにより、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。なお、図7に示す構成の画素10においても、発光デバイス40と重なる領域を有するようにフィルタ51を設けてもよい。この場合、本発明の一態様の半導体装置から射出される光の色純度を高めることができる。
図8(A)は、画素10の構成例を説明する断面図であり、図1に示す構成の画素10の変形例である。図8(A)に示す構成の画素10は、基板11の裏面上に導電層31が形成されておらず、基板11の裏面側に低抵抗領域34が形成されている点が、図1に示す構成の画素10と異なる。
低抵抗領域34は、図4(A)に示すように基板11の裏面を研磨した後に、基板11の裏面から不純物を添加することにより形成することができる。例えば、3価元素を添加することで、低抵抗領域34をp型の領域とすることができ、5価元素を添加することで、低抵抗領域34をn型の領域とすることができる。なお、基板11がp型基板である場合、低抵抗領域34はp型の領域とすることができ、基板11がn型基板である場合、低抵抗領域34はn型の領域とすることができる。また、上記不純物の添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション等が挙げられる。
図8(B)は、画素10の構成例を説明する断面図であり、図1に示す構成の画素10の変形例である。図8(B)に示す構成の画素10は、層63の内部にマイクロレンズ55を設けている点が、図1に示す構成の画素10と異なる。
マイクロレンズ55は、光電変換デバイス12と重なる領域を有するように設けられる。これにより、光が垂直方向に光電変換デバイス12に入射されるようになり、光電変換デバイス12による光の検出感度を高めることができる。
なお、図8(B)では、絶縁層32に覆われるようにマイクロレンズ55を設けているが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、絶縁層33に覆われるようにマイクロレンズ55を設けてもよい。また、層63の内部と、層63の上(図2参照)と、の両方に、マイクロレンズアレイを設けてもよい。
<画素の断面構成例3>
図9は、画素10の構成例を説明する断面図である。図9に示す構成の画素10は、基板60と基板50との間に、トランジスタ101、トランジスタ132、光電変換デバイス12、発光デバイス40等が設けられる。
図9に示す構成の画素10は、層61と、層64と、の積層構成とすることができる。層61には、基板60と、絶縁層86と、絶縁層80と、トランジスタ101及びトランジスタ132と、絶縁層82と、が設けられる。トランジスタ101及びトランジスタ132は、絶縁層80と絶縁層82の間に設けられる。また、トランジスタ101及びトランジスタ132のチャネル形成領域、ソース領域、及びドレイン領域を覆うように絶縁層85及び絶縁層84が設けられる。また、絶縁層84と絶縁層82の間に、絶縁層83が設けられる。
トランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続されるように導電層21が設けられ、トランジスタ101のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層22が設けられる。また、トランジスタ132のソース又はドレインの一方と電気的に接続されるように導電層23が設けられ、トランジスタ132のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層24が設けられる。
基板60として、シリコン基板、ガラス基板、セラミクス基板、樹脂基板等を用いることができる。なお、基板60と、トランジスタ101及びトランジスタ132との間に、トランジスタ等を設けることができる。例えば、基板60としてシリコン基板を用いた場合、Siトランジスタを設けることができる。
層64には絶縁層32と、発光デバイス40と、光電変換デバイス12と、絶縁層33と、が設けられる。また、層64には基板50と、フィルタ51と、が設けられる。基板50と基板11は封止層52を介して封止されている。
導電層21乃至導電層24を覆うように絶縁層32が設けられ、絶縁層32上に発光デバイス40及び光電変換デバイス12が設けられる。
発光デバイス40は、絶縁層32側から、導電層41、EL層42、導電層43の順に積層された積層構造を有する。光電変換デバイス12は、絶縁層32側から、導電層45、活性層46、導電層43の順に積層された構成を有する。
ここで、導電層41と導電層45は同一の工程で形成することができる。具体的には、導電層21乃至導電層24上、及び絶縁層82上に絶縁膜を成膜し、導電層21に達する開口部、及び導電層23に達する開口部を当該絶縁膜に設けることにより、絶縁層32を形成する。次に、絶縁層32上、及び上記開口部に導電膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法等によりパターニングを行う。その後、形成したパターンに従って、当該導電膜をエッチング法等により加工する。以上により、導電層41及び導電層45を形成することができる。
また、導電層43は、発光デバイス40の共通電極と、光電変換デバイス12の共通電極の両方を兼ねることができる。以上により、画素10を図9に示す構成とすることにより、本発明の一態様の半導体装置の作製工程を簡易なものとすることができる。したがって、本発明の一態様の半導体装置を低価格なものとすることができる。
導電層41は、絶縁層32に設けられた開口を介して、導電層23と電気的に接続されている。導電層45は、絶縁層32に設けられた開口を介して、導電層21と電気的に接続されている。また、導電層41の端、及び導電層45の端を覆うように、絶縁層33が設けられる。
導電層41及び導電層45には、金属等の低抵抗の導電膜を用いることができる。例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
導電層45は、光電変換デバイス12の電極としての機能を有する。よって、光電変換デバイス12の一方の電極は、導電層21を介してトランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続されているということができる。
活性層46は、p型半導体とn型半導体とを積層し、pn接合を実現した積層構造、又は、p型半導体、i型半導体、及びn型半導体を積層し、pin接合を実現した積層構造等とすることができる。
活性層46に用いる半導体として、シリコン等の無機半導体、又は有機化合物を含む有機半導体を用いることができる。特に、有機半導体材料を用いると、発光デバイス40のEL層42と、活性層46とをそれぞれ同じ製造装置で形成することができるため好ましい。
活性層46として有機半導体材料を用いる場合、n型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)又はその誘導体等の電子受容性の有機半導体材料を用いることができる。また、p型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)やテトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)等の電子供与性の有機半導体材料を用いることができる。活性層46は、電子受容性の半導体材料と電子供与性の半導体材料の積層構造(p-n積層構造)としてもよいし、これらの間に電子受容性の半導体材料と電子供与性の半導体材料を共蒸着したバルクへテロ構造層を設けた積層構造(p-i-n積層構造)としてもよい。また光を照射していない時の、暗電流を抑制する目的で、上記のp-n積層構造又はp-i-n積層構造の周辺(上側又は下側)に、ホールブロック層として機能する層や、電子ブロック層として機能する層を設けてもよい。
画素10を図9に示す構成とする場合、画素10の内部に基板11を設ける必要が無い。このため、基板60及び基板50として、可とう性を有する基板(以下、可とう性基板ともいう)とすること等により、本発明の一態様の半導体装置を、可とう性を有する半導体装置とすることができる。
可とう性基板として、フィルムを用いた基板とすることが好ましく、特に樹脂フィルムを用いた基板とすることが好ましい。これにより、本発明の一態様の半導体装置の可とう性を高めることができ、また軽量化、薄型化が可能となる。
可とう性基板として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。又は、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
<画素の回路構成例>
図10は、画素10の構成例を説明する回路図である。画素10は、光電変換デバイス12が設けられた撮像回路100と、発光デバイス40が設けられた表示回路130と、を有する。
<<撮像回路の構成例>>
撮像回路100は、光電変換デバイス12の他、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、トランジスタ104と、容量素子105と、を有する。なお、容量素子105を設けない構成としてもよい。
光電変換デバイス12の一方の電極は、トランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ101のソース又はドレインの一方は、トランジスタ102のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ102のソース又はドレインの一方は、トランジスタ103のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ103のゲートは、容量素子105の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ103のソース又はドレインの一方は、トランジスタ104のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。
ここで、トランジスタ101のソース又はドレインの一方、トランジスタ102のソース又はドレインの一方、トランジスタ103のゲート、及び容量素子105の一方の電極が電気的に接続されているノードをノードFDとする。ノードFDは電荷蓄積部として機能させることができる。
トランジスタ101のゲートは、配線111と電気的に接続されている。トランジスタ102のゲートは、配線112と電気的に接続されている。トランジスタ104のゲートは、配線114と電気的に接続されている。光電変換デバイス12の他方の電極は、配線121と電気的に接続されている。トランジスタ102のソース又はドレインの他方は、配線122と電気的に接続されている。トランジスタ104のソース又はドレインの他方は、配線124と電気的に接続されている。容量素子105の他方の電極は、配線125と電気的に接続されている。
配線111、配線112、及び配線114は走査線としての機能を有し、配線111、配線112、配線114を介して各トランジスタのゲートに供給される信号により、各トランジスタの導通を制御することができる。配線124はデータ線としての機能を有し、光電変換デバイス12により取得された撮像データは配線124を介して撮像回路100の外部に出力される。
配線121、配線122、及び配線125は電源線としての機能を有する。図10に示す撮像回路100は、光電変換デバイス12のカソードがトランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、光電変換デバイス12のアノードが配線121と電気的に接続される構成である。よって、配線121を低電位、配線122を高電位とすることにより、ノードFDを高電位にリセットして動作させる構成とすることができるので、光電変換デバイス12を逆バイアスで動作させることができる。なお、配線125は、低電位とすることができる。
本明細書等において、高電位とは、低電位よりも高い電位を示す。例えば、高電位は正電位とすることができ、低電位は接地電位又は負電位とすることができる。
トランジスタ101は、転送トランジスタとしての機能を有する。トランジスタ101を導通状態とすることにより、ノードFDの電位を、光電変換デバイス12の露光量に応じた電位とすることができる。これにより、撮像回路100が撮像データを取得することができる。
トランジスタ102は、リセットトランジスタとしての機能を有する。トランジスタ102を導通状態とすることにより、ノードFDの電位を配線122の電位にリセットすることができる。
トランジスタ103は、増幅トランジスタとしての機能を有し、ノードFDの電位に応じた出力を行うことができる。
トランジスタ104は、選択トランジスタとしての機能を有する。トランジスタ104を導通状態とすることにより、撮像データを配線124に出力することができる。具体的には、配線124の電流を、撮像データに対応する値とすることができる。
<<表示回路の構成例>>
表示回路130は、発光デバイス40の他、トランジスタ131と、トランジスタ132と、トランジスタ133と、容量素子134と、を有する。
トランジスタ131のソース又はドレインの一方は、トランジスタ132のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ132のゲートは、容量素子134の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ132のソース又はドレインの一方は、トランジスタ133のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ133のソース又はドレインの一方は、容量素子134の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子134の他方の電極は、発光デバイス40の一方の電極と電気的に接続されている。
トランジスタ131のソース又はドレインの他方は、配線141と電気的に接続されている。トランジスタ132のソース又はドレインの他方は、配線142と電気的に接続されている。トランジスタ133のソース又はドレインの他方は、配線143と電気的に接続されている。トランジスタ131のゲート、及びトランジスタ133のゲートは、配線144と電気的に接続されている。発光デバイス40の他方の電極は、配線145と電気的に接続されている。
配線141はデータ線としての機能を有し、発光デバイス40の発光輝度に関する情報を有するデータが、配線141を介して表示回路130に供給される。配線143はモニタ線としての機能を有し、配線143を流れる電流を検出すること等により、発光デバイス40の電気特性等を検出することができる。配線144は走査線としての機能を有し、配線144を介してトランジスタ131及びトランジスタ133のゲートに供給される信号により、トランジスタ131及びトランジスタ133の導通を制御することができる。
配線142及び配線145は電源線としての機能を有する。図10に示す表示回路130は、発光デバイス40のアノードがトランジスタ132のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、発光デバイス40のカソードが配線145と電気的に接続される構成である。よって、配線142を高電位、配線145を低電位とすることにより、発光デバイス40を順バイアスで動作させることができるので、発光デバイス40に、表示回路130に供給されたデータに対応する大きさの電流を流すことができる。これにより、発光デバイス40を、表示回路130に供給されたデータに対応する輝度で発光させることができる。
図10に示す構成の表示回路130において、トランジスタ131を導通状態とすることにより、トランジスタ132のゲートの電位を、配線141から供給されるデータに対応する電位とすることができる。これにより、表示回路130にデータを書き込むことができる。
トランジスタ132は、駆動トランジスタとしての機能を有し、当該トランジスタに供給される電位に応じて発光デバイス40に流れる電流を制御することができる。
また、トランジスタ133を導通状態とすることにより、配線143に電流を流すことができる。これにより、発光デバイス40の電気特性等を取得することができる。
図10では、撮像回路100と、表示回路130と、が電気的に接続されない構成としている。これにより、撮像回路100と、表示回路130と、を独立して制御することができる。なお、撮像回路100と、表示回路130と、が電気的に接続される構成とする場合、撮像回路100の動作と、表示回路130の動作と、を互いに依存させて制御することができる。
<半導体装置の構成例>
図11(A)は、本発明の一態様の半導体装置の構成例を説明するブロック図である。当該半導体装置は、マトリクス状に配列された画素10を有する画素アレイ151と、ゲートドライバ回路152と、ソースドライバ回路153と、を有する。画素10には、撮像回路100及び表示回路130が設けられる。
ゲートドライバ回路152は、画素アレイ151の行を選択する機能を有する。ソースドライバ回路153は、表示回路130に供給するデータを生成する機能を有する。また、ソースドライバ回路153は、撮像回路100が取得した撮像データを受信し、半導体装置の外部に出力する機能を有する。
図11(A)に示す半導体装置では、全ての画素10が撮像回路100と表示回路130の両方を有しているが、本発明の一態様はこれに限らない。図11(B)は、画素アレイ151の構成例を示す図であり、図11(A)に示す構成の画素アレイ151の変形例である。図11(B)に示す構成の画素アレイ151は、一部の画素10にのみ撮像回路100が設けられている点が、図11(A)に示す構成の画素アレイ151と異なる。
図11(B)に示す構成の画素アレイ151を有する半導体装置では、表示回路130の開口面積を大きくすることができる。これにより、本発明の一態様の半導体装置から射出される光を高輝度なものとし、また本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。
ここで、図10等に示す撮像回路100が有する、トランジスタ101及びトランジスタ102にはOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて低い特性を有する。トランジスタ101及びトランジスタ102にOSトランジスタを用いることによって、ノードFDで電荷を保持できる期間を極めて長くすることができる。そのため、回路構成や動作方法を複雑にすることなく、全画素で同時に電荷の蓄積動作を行うグローバルシャッタ方式を適用することができる。
図12(A)はローリングシャッタ方式の動作方法を模式化した図であり、図12(B)はグローバルシャッタ方式を模式化した図である。Enはn列目(nは自然数)の露光(蓄積動作)、Rnはn列目の読み出し動作を表している。図12(A)、(B)では、1行目からM行目(Mは自然数)までの動作を示している。
ローリングシャッタ方式は、露光とデータの読み出しを順次行う動作方法であり、ある行の読み出し期間と他の行の露光期間を重ねる方式である。露光後すぐに読み出し動作を行うため、データの保持期間が比較的短い回路構成であっても撮像を行うことができる。しかしながら、撮像の同時性がないデータで1フレームの画像が構成されるため、動体の撮像においては画像に歪が生じてしまう。
一方で、グローバルシャッタ方式は、全画素で同時に露光を行って各画素にデータを保持し、行毎にデータを読み出す動作方法である。したがって、動体の撮像であっても歪のない画像を得ることができる。
画素にSiトランジスタ等の比較的オフ電流の高いトランジスタを用いた場合は、電荷蓄積部から電荷がリークしやすいためローリングシャッタ方式が用いられる。Siトランジスタを用いてグローバルシャッタ方式を実現するには、別途メモリ回路等を設ける必要があり、さらに複雑な動作を高速で行わなければならない。一方で、画素にOSトランジスタを用いた場合は、電荷蓄積部からの電荷のリークがほとんどないため、容易にグローバルシャッタ方式を実現することができる。
なお、トランジスタ103及びトランジスタ104にもOSトランジスタを適用してもよい。また、表示回路130が有するトランジスタ131乃至トランジスタ133にもOSトランジスタを適用してもよい。本発明の一態様の半導体装置が有するトランジスタの全てを、OSトランジスタ等、一種類のトランジスタとすることにより、本発明の一態様の半導体装置の作製工程を簡易なものとすることができる。よって、本発明の一態様の半導体装置を低価格なものとすることができる。なお、トランジスタ101乃至トランジスタ104、及びトランジスタ131乃至トランジスタ133の全て又は一部を、Siトランジスタとしてもよい。Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン、単結晶シリコン等)を有するトランジスタ等が挙げられる。
図13は、画素10の構成例を説明する回路図であり、図10に示す構成の画素10の変形例である。図13に示す構成の画素10は、撮像回路100が有する容量素子105の他方の電極に、電源線としての機能を有する配線125ではなく、データ線としての機能を有する配線155が電気的に接続されている点が、図10に示す構成の画素10と異なる。
図13に示す構成の撮像回路100では、配線155を介して、容量素子105の他方の電極にデータを供給することができる。当該データは、光電変換デバイス12を用いて取得した撮像データに付加することができる。これにより、例えば撮像回路100が取得した撮像データを補正することができる。例えば、撮像回路100が取得した撮像データに対し、ノイズ除去等の画像処理を行うことができる。
なお、図13に示す撮像回路100は、光電変換デバイス12のアノードがトランジスタ101のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、光電変換デバイス12のカソードが配線121と電気的に接続される構成である。よって、配線121を高電位、配線122を低電位とすることにより、ノードFDを低電位にリセットして動作させることができるので、光電変換デバイス12を逆バイアスで動作させることができる。
図14は、本発明の一態様の半導体装置の構成例を説明するブロック図であり、図11(A)に示す構成の半導体装置の変形例である。図14に示す構成の半導体装置は、データ生成回路154を有する点が、図11(A)に示す構成の半導体装置と異なる。
図14に示す画素10として、図13に示す構成の画素10を適用することができる。撮像回路100と電気的に接続された配線155は、データ生成回路154と電気的に接続されている。データ生成回路154は、撮像回路100に供給するデータを生成する機能を有する。データ生成回路154が生成したデータは、配線155を介して撮像回路100に供給される。具体的には、データ生成回路154が生成したデータは、配線155を介して、撮像回路100が有する容量素子105の他方の電極に供給される。
図15は、図13に示す構成の撮像回路100の動作方法の一例を説明するタイミングチャートである。なお、本明細書におけるタイミングチャートにおいて、“H”は高電位を示し、“L”は低電位を示す。
期間T1において、配線111の電位、及び配線112の電位を高電位とし、配線114の電位を低電位とすることにより、トランジスタ101及びトランジスタ102が導通し、トランジスタ104が非導通となる。これにより、ノードFDの電位が配線122の電位である低電位にリセットされる。また、配線155の電位を、参照電位である電位Vrefとする。電位Vrefは、例えば接地電位とすることができる。以下では、電位Vrefは接地電位とする。
期間T2において、配線111の電位を高電位とし、配線112の電位、及び配線114の電位を低電位とすることにより、トランジスタ101が導通し、トランジスタ102及びトランジスタ104が非導通となる。これにより、光電変換デバイス12への露光量に応じてノードFDの電位が上昇する。なお、配線155の電位は電位Vrefのままとする。
期間T3において、配線111の電位、配線112の電位、及び配線114の電位を低電位とすることにより、トランジスタ101、トランジスタ102、及びトランジスタ104が非導通となる。これにより、ノードFDの電位が確定し、保持される。以上により、撮像データが取得される。ここで、確定したノードFDの電位を、電位Vとする。なお、配線155の電位は電位Vrefのままとする。
ノードFDと電気的に接続されるトランジスタ101及びトランジスタ102に、オフ電流の低いOSトランジスタを用いることによって、ノードFDからの電荷のリークを抑えることができ、撮像回路100が取得した撮像データの保持時間を延ばすことができる。
期間T4において、配線111の電位、及び配線112の電位を低電位とし、配線114の電位を高電位とすることにより、トランジスタ101及びトランジスタ102が非導通となり、トランジスタ104が導通する。これにより、次の数式(1)で示される電流Irefが、配線124に流れる。ここで、kは比例定数、Vthはトランジスタ103のしきい値電圧である。なお、配線155の電位は電位Vrefのままとする。
Figure 0007278046000001
その後、期間T5において、配線155の電位を、図14に示すデータ生成回路154が生成したデータに対応する電位とする。当該電位を電位Vとし、ノードFDの容量結合係数を1とすると、ノードFDの電位は電位“V+V”となる。これにより、次の数式(2)で示される電流Iが、配線124に流れる。
Figure 0007278046000002
配線124を流れる電流が数式(2)で示される値となった後、“Iref-I”を算出する。当該演算は、演算回路(図14等には図示せず)等を用いて行うことができる。なお、以下では、“Iref-I”をΔIと表記する。
Figure 0007278046000003
次に、数式(3)に示すΔIから、露光されていない場合の“Iref-I”であるΔIを差し引いた値を算出する。つまり、“ΔI-ΔI”を算出する。当該演算は、上記演算回路等を用いて行うことができる。ここで、ΔIは以下の数式(4)で示すことができる。なお、配線124を流れる電流がΔIである場合における、ノードFDの電位は、配線122の電位であるとし、当該電位は接地電位であるとする。
Figure 0007278046000004
よって、“ΔI-ΔI”は以下の数式(5)で示すことができる。
Figure 0007278046000005
以上により、配線124に流れる電流の値が、撮像回路100が取得した撮像データに対応する電位Vと、データ生成回路154から撮像回路100に供給されたデータに対応する電位Vと、の積に対応する値となる。よって、撮像回路100が取得した撮像データに、データ生成回路154から撮像回路100に供給されたデータを付加することができる。以上が期間T5における動作である。
期間T6において、配線111、配線112、及び配線114の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ101、トランジスタ102、及びトランジスタ104が非導通となる。以上が図13に示す構成の撮像回路100の動作方法の一例である。
<トランジスタの構成例>
図16(A)に、トランジスタ101等に適用することができるOSトランジスタの詳細な構成例を示す。図16(A)に示すOSトランジスタは、金属酸化物層及び導電層の積層上に絶縁層を設け、当該金属酸化物層に達する溝を当該絶縁層及び導電層に設けることでソース電極205及びドレイン電極206を形成する、セルフアライン型の構成である。
OSトランジスタは、金属酸化物層207に形成されるチャネル形成領域210、ソース領域203、及びドレイン領域204の他、ゲート電極201、ゲート絶縁層202、及びバックゲート電極235を有する構成とすることができる。ここで、上記溝には少なくともゲート絶縁層202及びゲート電極201が設けられる。当該溝には、さらに金属酸化物層208が設けられていてもよい。また、絶縁層85は、バックゲート電極235のゲート絶縁層としての機能を有する。
OSトランジスタは、図16(B)に示すように、ゲート電極201をマスクとして金属酸化物層にソース領域203及びドレイン領域204を形成するセルフアライン型の構成としてもよい。
又は、図16(C)に示すように、ソース電極205又はドレイン電極206とゲート電極201とが重なる領域を有するノンセルフアライン型のトップゲート型トランジスタであってもよい。
バックゲート電極235は、図16(D)に示すトランジスタのチャネル幅方向の断面図のように、対向して設けられるトランジスタのフロントゲートであるゲート電極201と電気的に接続してもよい。なお、図16(D)は図16(A)のトランジスタを例として示しているが、その他の構造のトランジスタも同様である。また、バックゲート電極235にフロントゲートとは異なる固定電位を供給することができる構成であってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)等と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)等と、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC(C-Axis Aligned Crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC-OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3等が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3等が主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3等が主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3等が主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3等に起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を用いることができる電子機器の一例を説明する。
図17(A)は生体認証機器であり、筐体911、操作ボタン912、検知部913等を有する。検知部913上に手や指をかざす、又は密着することにより静脈の形状を認識することができる。検知部913は、画像を表示することもできる。取得したデータは無線通信ユニット914でサーバに送信してデータベースと照合し、個人を特定することができる。また、操作ボタンにより暗証番号等を入力することもできる。
本発明の一態様の半導体装置は検知部913の直下に配置される。これにより、検知部913による検出感度を高め、また検知部913に高輝度の画像を表示することができる。
図17(B)は非破壊検査機器であり、筐体921、操作パネル922、搬送機構923、モニタ924、検知ユニット925等を有する。被検査部材926は搬送機構923で検知ユニット925の直下に運搬される。被検査部材926は、検知ユニット925内に設けられた本発明の一態様の半導体装置で撮像が行われ、撮像された画像がモニタ924に映し出される。その後、筐体921の出口まで運搬され、不良品が分別されて回収される。
本発明の一態様の半導体装置は検知ユニット925の直下に配置される。これにより、検知ユニット925による検出感度を高めることができる。
図17(C)は食品選別機器であり、筐体931、操作ボタン932、表示部933、遮光フード934等を有する。果物等の被検査食材に受光部の周囲に設けられた遮光フード934を密着させて撮像することにより、食材内に混入した異物、虫、食材内部の空洞や腐敗等を検出することができる。また、検出した赤外光等の強度から食材の糖度や水分量等も検出することができる。食品選別機器では、不良品やグレードの選別や収穫期の判断を行うことができる。
本発明の一態様の半導体装置は、受光部に設けることができる。これにより、受光部による光の検出感度を高めることができる。なお、図17(B)に示す構成を食品選別機器として用いてもよい。又は、図17(C)に示す構成を非破壊検査機器として用いてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を用いることができる市場イメージについて説明する。
<市場イメージ>
まず、本発明の一態様の半導体装置を用いることができる市場イメージを図18に示す。図18において、領域701は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを適用したディスプレイ(Display)に応用可能な製品領域(OS Display)を表し、領域702は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを適用したLSI(Large Scale Integration)をアナログ(analog)に応用可能な製品領域(OS LSI analog)を表し、領域703は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを適用したLSIをデジタル(digital)に応用可能な製品領域(OS LSI digital)を表す。本発明の一態様の半導体装置は、図18に示す領域701、領域702、及び領域703の3つの領域、別言すると3つの大きな市場に好適に用いることができる。
また、図18において、領域704は、領域701と、領域702とが重なった領域を表し、領域705は、領域702と、領域703とが重なった領域を表し、領域706は、領域701と、領域703とが重なった領域を表し、領域707は、領域701と、領域702と、領域703とが、それぞれ重なった領域を表す。
OS Displayでは、例えば、Bottom Gate型のOS FET(BG OSFET)、Top Gate型のOS FET(TG OS FET)などのFET構造を好適に用いることができる。なお、Bottom Gate型のOS FETには、チャネルエッチ型のFET、及びチャネルストップ型のFETも含まれる。また、Top Gate型のOS FETには、TGSA(Top Gate Self-Aligned)型のFETも含まれる。
また、OS LSI analog及びOS LSI digitalでは、例えば、Gate Last型のOS FET(GL OS FET)を好適に用いることができる。
なお、上述のトランジスタは、それぞれ、ゲート電極が1つのSingle Gate構造のトランジスタ、ゲート電極が2つのDual Gate構造のトランジスタ、またはゲート電極が3つ以上のトランジスタを含む。また、Dual Gate構造のトランジスタの中でも特に、S-channel(surrounded channel)構造のトランジスタを用いると好適である。
なお、本明細書等において、S-channel構造のトランジスタとは、一対のゲート電極の一方および他方の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を表す。
また、OS Display(領域701)に含まれる製品としては、LCD(liquid crystal display)、EL(Electro Luminescence)、及びLED(Light Emitting Diode)を表示デバイスに有する製品が挙げられる。または、上記表示デバイスと、Q-Dot(Quantum Dot)とを組み合わせることも好適である。
なお、本実施の形態において、ELとは、有機EL、及び無機ELを含む。また、本実施の形態において、LEDとは、マイクロLED、ミニLED、及びマクロLEDを含む。なお、本明細書等において、チップの面積が10000μm以下の発光ダイオードをマイクロLED、チップの面積が10000μmより大きく1mm以下の発光ダイオードをミニLED、チップの面積が1mmより大きい発光ダイオードをマクロLEDと記す場合がある。
また、OS LSI analog(領域702)に含まれる製品としては、様々な周波数の音域(例えば、周波数が20Hz~20kHzの可聴音、または20kHz以上の超音波など)に対応する音源定位デバイス、あるいはバッテリー制御用デバイス(バッテリー制御用IC、バッテリー保護用IC、またはバッテリマネジメントシステム)などが挙げられる。
また、OS LSI digital(領域703)に含まれる製品としては、メモリーデバイス、CPU(Central Processing Unit)デバイス、GPU(Graphics Processing Unit)デバイス、FPGA(field-programmable gate array)デバイス、パワーデバイス、OS LSIと、Si LSIとを積層または混在させたハイブリッドデバイス、発光デバイスなどが挙げられる。
また、領域704に含まれる製品としては、表示領域に赤外線センサ、または近赤外線センサを有する表示デバイス、あるいはOS FETを有するセンサ付き信号処理デバイス、または埋め込み型バイオセンサデバイスなどが挙げられる。また、領域705に含まれる製品としては、A/D(Analog to Digital)変換回路などを有する処理回路、あるいは、当該処理回路を有するAI(Artificial Intelligence)デバイスなどが挙げられる。また、領域706に含まれる製品としては、Pixel AI技術が適用された表示デバイスなどが挙げられる。なお、本明細書等において、Pixel AI技術とは、ディスプレイの画素回路に搭載されたOS FETなどにより構成されるメモリを活用する技術をいう。
また、領域707に含まれる製品としては、上記領域701乃至領域706に含まれる、あらゆる製品を組み合わせた複合的な製品が挙げられる。
以上のように、本発明の一態様の半導体装置は、図18に示すように、あらゆる製品領域に適用することが可能である。すなわち、本発明の一態様の半導体装置は、多くの市場に適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、本明細書等に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
10 画素
10B 画素
10G 画素
10IR 画素
10R 画素
11 基板
12 光電変換デバイス
13 低抵抗領域
14 導電層
21 導電層
22 導電層
23 導電層
24 導電層
30 基板
31 導電層
32 絶縁層
33 絶縁層
34 低抵抗領域
40 発光デバイス
41 導電層
42 EL層
42a EL層
42b EL層
42c EL層
43 導電層
44 電荷発生層
44a 電荷発生層
44b 電荷発生層
45 導電層
46 活性層
50 基板
51 フィルタ
51B フィルタ
51G フィルタ
51IR フィルタ
51R フィルタ
52 封止層
53 フィルタ
54 マイクロレンズ
55 マイクロレンズ
56 光制御層
60 基板
61 層
62 層
63 層
64 層
71 正孔注入層
72 正孔輸送層
73 発光層
74 電子輸送層
75 電子注入層
80 絶縁層
81 絶縁層
82 絶縁層
83 絶縁層
84 絶縁層
85 絶縁層
86 絶縁層
87 絶縁層
100 撮像回路
101 トランジスタ
102 トランジスタ
103 トランジスタ
104 トランジスタ
105 容量素子
111 配線
112 配線
114 配線
121 配線
122 配線
124 配線
125 配線
130 表示回路
131 トランジスタ
132 トランジスタ
133 トランジスタ
134 容量素子
141 配線
142 配線
143 配線
144 配線
145 配線
151 画素アレイ
152 ゲートドライバ回路
153 ソースドライバ回路
154 データ生成回路
155 配線
201 ゲート電極
202 ゲート絶縁層
203 ソース領域
204 ドレイン領域
205 ソース電極
206 ドレイン電極
207 金属酸化物層
208 金属酸化物層
210 チャネル形成領域
235 バックゲート電極
701 領域
702 領域
703 領域
704 領域
705 領域
706 領域
707 領域
911 筐体
912 操作ボタン
913 検知部
914 無線通信ユニット
921 筐体
922 操作パネル
923 搬送機構
924 モニタ
925 検知ユニット
926 被検査部材
931 筐体
932 操作ボタン
933 表示部
934 遮光フード

Claims (4)

  1. 第1の基板に、低抵抗領域を形成してpn接合型の光電変換デバイスを作製する工程と、
    前記第1の基板に、開口部を形成する工程と、
    前記開口部に、第1の導電層を形成する工程と、
    前記低抵抗領域、及び前記第1の導電層と重なる領域を有するように、絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層上に、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方が、前記低抵抗領域と電気的に接続され、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方が、前記第1の導電層と電気的に接続されるように形成する工程と、
    前記第1の基板を、前記第1の導電層が露出するように研磨する工程と、
    前記第1の導電層と電気的に接続されるように、第2の導電層を形成する工程と、
    前記第2の導電層と重なる領域を有するように、発光層を形成する工程と、
    前記第2の導電層、及び前記発光層と重なる領域を有するように、第3の導電層を形成する工程と、を有し、
    前記発光層は、赤外光を発する発光層と、可視光を発する発光層とを含む半導体装置の作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを形成した後に、前記第1の基板上の、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタが形成されている面に、第2の基板を貼り合わせる半導体装置の作製方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第3の導電層を形成した後に、前記第1の基板上の、前記第3の導電層が形成されている面に、第3の基板を封止する半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、
    前記金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、Nd又はHf)と、を有する半導体装置の作製方法。
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