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JP7268619B2 - 投影装置 - Google Patents

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JP7268619B2
JP7268619B2 JP2020028415A JP2020028415A JP7268619B2 JP 7268619 B2 JP7268619 B2 JP 7268619B2 JP 2020028415 A JP2020028415 A JP 2020028415A JP 2020028415 A JP2020028415 A JP 2020028415A JP 7268619 B2 JP7268619 B2 JP 7268619B2
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Description

三次元形状を計測するために計測対象物に縞パターン画像を投影する投影装置に関する。
計測対象物の三次元形状等を計測する三次元計測装置として、位相シフト法を用いる装置が知られている。位相シフト法は位相をずらした複数枚の縞パターン画像を投影し三角測量を行う手法であり、投影装置が必要である。
特許文献1には、高速で縞模様の格子パターンの位相をシフトすることができる投影装置が開示されている。高速に位相をシフトすることができると、移動体の三次元形状を計測する精度が向上する。特許文献1に開示された投影装置は、複数の光源と、この光源とペアとなる縞パターン作成用のスクリーンを備える。さらに、特許文献1に開示された投影装置は、複数のスクリーンで作成された縞パターンを同一の投影レンズから投影するために、縞パターンとなっている光の向きを変化させるハーフミラーを備えている。
特開2014-202492号公報
特許文献1に開示された装置は、光源毎にスクリーンを備えており、かつ、スクリーンとハーフミラーとの距離が離れているので装置が大型化する。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、小型化が可能な三次元計測装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための1つの開示は、
位相シフト法により計測対象物の三次元形状を計測するために、計測対象物に縞パターン画像を投影する投影装置(20)であって、
少なくとも3つの光源(L)と、
縞パターン画像を投影する投影レンズ(21)と、
少なくとも一方の面が、格子状にミラー(25)またはハーフミラー(26)が形成された面である格子面(27、28)になっている複数の格子素子(23、123、223)と備え、
複数の格子素子は、光源と投影レンズとの間の光路に配置され、かつ、両面に、光源が発光した光が、直接または別の格子素子を介して照射される位置に配置され、
ハーフミラーまたはミラーは、光源が発光した光が投影レンズを通過する際に互いに位相が異なる縞パターンとなるように格子状に形成されている。
この投影装置は、複数の格子素子を備えている。これら格子素子は、少なくとも一方の面が格子面になっており、この格子面には、光源が発光した光が投影レンズを通過する際に互いに位相が異なる縞パターンとなるように、格子状にハーフミラーまたはミラーが形成されている。
このような構成の格子素子に光源が発光した光(以下、光源光)が入射することで、格子素子から出力される光が縞パターンになる。また、格子素子は格子状ではあるが、ミラーまたはハーフミラーの少なくとも一方を備える。よって、格子素子は、光源光の進路を投影レンズの方向に変更することもできる。
よって、格子縞を生成するためのスクリーンと、スクリーンにより生成された格子縞を投影レンズの方向に向かわせるためのミラーまたはハーフミラーとを別々に備える構成に比較して、光源とミラーまたはハーフミラーとの距離を短くできる。この距離を短くできるので、投影装置を小型化することができる。
少なくとも3つの光源は、互いに異なる色を発光する光源であり、かつ、同時に発光する、構成とすることができる。
この投影装置は、カラー位相シフト法により三次元形状を計測する三次元形状計測システムに用いることができる。
投影装置は、光源として、赤色、緑色、青色をそれぞれ発光する3つの光源を備え、
格子素子を2つ備え、
緑色を発光する光源が発光した光は、2つの格子素子を経由して投影レンズに到達する、構成とすることができる。
カメラは、通常、イメージセンサーの画素がベイヤ配列で配置されている。ベイヤ配列は、赤画素および青画素に対して緑画素が2倍ある。したがって、カメラは通常、緑の感度がよい。上記のように、緑色の光が2つの格子素子を経由して投影レンズに到達する場合、赤色および青色のいずれかは格子素子を1つのみ経由して投影レンズに到達する。よって、カメラにおいて相対的に感度が悪い赤色または青色の検出性能低下を抑制できる。
投影装置は、少なくとも3つの光源は、互いに同じ色を発光し、発光期間が互いに相違する、構成とすることができる。
この投影装置は、単色位相シフト法により三次元形状を計測する三次元形状計測システムに用いることができる。
投影装置は、光源を4つ備え、
格子素子(223)を3つ備え、
4つの光源のうちの2つは第1の方向に互いに平行に光を照射し、4つの光源のうちの残りの2つは第1の方向と直交する第2の方向に互いに平行に光を照射し、
第1の格子素子は、第1の方向の光が一方の面に入射し、第2の方向の光が他方の面に入射し、
第2の格子素子は、第1の格子素子が第1の方向に出力した光が一方の面に入射し、他方の面に第2の方向の光であって第1の格子素子に入射する光とは別の光が入射し、
第3の格子素子は、第2の格子素子が第2の方向に出力した光が一方の面に入射し、他方の面に第1の方向の光であって第1の格子素子に入射する光とは別の光が入射する、構成とすることができる。
この構成によれば、第1の格子素子と第2の格子素子は第1の方向に並んでいるのに対して、第3の格子素子は第2の格子素子に対して第2の方向に並んでいる。よって、3つの格子素子は直交配置になるので、3つの格子素子が一直線上に配置されている場合に比較して、格子素子が配置されることによって投影装置が長くなってしまうことを抑制できる。
投影装置は、光源を4つ備え、
格子素子(223)を3つ備え、
4つの光源のうちの2つは第1の方向に互いに平行に光を照射し、4つの光源のうちの残りの2つは第1の方向と直交する第2の方向に互いに平行に光を照射し、
第1の格子素子は、一方の面に第1の方向の光が入射し、他方の面に第2の方向の光が入射し、
第2の格子素子は、第1の方向の光であって第1の格子素子に入射する光とは別の光が一方の面に入射し、他方の面に第2の方向の光であって第1の格子素子に入射する光とは別の光が入射し、
第3の格子素子は、第1の格子素子が出力した光と第2の格子素子が出力した光とが交差する位置に配置され、第1の格子素子が第1の方向に出力した光が一方の面に入射し、他方の面に第2の格子素子が第2の方向に出力した光が入射する、構成とすることができる。
この構成によれば、第3の格子素子は、第1の格子素子が出力した光と第2の格子素子が出力した光とが交差する位置に配置されている。よって、3つの格子素子は直交配置になるので、投影装置の格子素子配置方向の大きさを短縮できる。
また、この構成では、どの光源からの光も、経由する格子素子の数が3つにならない。よって、光源からの光が格子素子を経由する際に減衰しまう程度を少なくできる。
投影装置は、光源を4つ備え、
格子素子(223)を2つ備え、
ハーフミラー素子(226)を1つ備え、
4つの光源のうちの2つは第1の方向に互いに平行に光を照射し、4つの光源のうちの残りの2つは第1の方向と直交する第2の方向に互いに平行に光を照射し、
第1の格子素子は、一方の面に第1の方向の光が入射し、他方の面に第2の方向の光が入射し、
第2の格子素子は、一方の面に、第1の方向の光であって第1の格子素子に入射する光とは別の光が入射し、他方の面に、第2の方向の光であって第1の格子素子に入射する光とは別の光が入射し、
ハーフミラー素子は、第1の格子素子が出力した光と第2の格子素子が出力した光とが交差する位置に配置され、一方の面に第1の格子素子が第1の方向に出力した光が入射し、他方の面に第2の格子素子が第2の方向に出力した光が入射する、構成とすることができる。
この構成によれば、ハーフミラーは、第1の格子素子が出力した光と第2の格子素子が出力した光とが交差する位置に配置されている。よって、ハーフミラーと2つの格子素子は直交配置になるので、投影装置の一方向が長くなってしまうことを抑制できる。
また、この構成では、どの光源からの光も、格子素子とハーフミラーを合わせた経由数が2つで済む。よって、光源からの光が格子素子およびハーフミラーを経由する際に減衰しまう程度を少なくできる。
三次元形状計測システム1の構成を示す図。 プロジェクタ20において合成縞パターン画像を投影するための内部構成図。 格子素子23a、格子素子23bの構成を詳しく示す図。 緑色の光源光がどのように進行するかを説明する図。 青色の光源光がどのように進行するかを説明する図。 赤色の光源光がどのように進行するかを説明する図。 第1実施形態において各区分Cで出力される色を説明する図。 第1実施形態において位相に対する各色の変化を示す図。 三次元形状を計測する処理を示す図。 比較例の構成図。 第2実施形態における格子素子23a、123の構成を示す図。 第2実施形態において各区分Cで出力される色を説明する図。 4つの光源Lとしたときの5つのパターンを示す図。 パターンPT1-1における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT1-1における格子素子223aでの光の透過と反射を示す図。 パターンPT1-1における格子素子223bでの光の透過と反射を示す図。 パターンPT1-1における格子素子223cでの光の透過と反射を示す図。 パターンPT1-1において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT1-2における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT1-2において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT2-1における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT2-1において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT2-2における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT2-2において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT3-1における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT3-1において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT3-2における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT3-2において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT4-1における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT4-1において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT4-2における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT4-2において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT5-1における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT5-1において各区分Cで出力される色を説明する図。 パターンPT5-2における格子素子223の構成を示す図。 パターンPT5-2において各区分Cで出力される色を説明する図。
<第1実施形態>
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、三次元形状計測システム1の構成を示す図である。三次元形状計測システム1は、制御装置10と、投影装置であるプロジェクタ20と、カメラ30とを備えている。三次元形状計測システム1は、作業台2の上に置かれた計測対象物5の三次元形状を位相シフト法により計測する。
作業台2の上面は平面であり、作業台2の任意の位置に計測対象物5が位置する。三次元形状計測システム1は、たとえば、ロボットにピッキング、組付け作業、製品検査等を行わせる際のロボットの目として利用する。
制御装置10は、コンピュータを備えたものとすることができる。制御装置10は、プロジェクタ20が投影する画像のデータとなる画像データを生成してプロジェクタ20へ出力する。プロジェクタ20が投影する画像は縞パターン画像である。
また、制御装置10は、プロジェクタ20から縞パターン画像が計測対象物5に投影された状態で、カメラ30が撮影した画像を表す画像データを取得する。そして、その画像データをもとに位相シフト法により、計測対象物5の三次元形状を計測する。
三次元形状を計測するために、プロジェクタ20が計測対象物5に投影する縞パターン画像は、合成縞パターン画像である。合成縞パターン画像は、赤、緑、青、それぞれの輝度が周期的に変化する3色の単色縞パターン画像を合成した縞パターン画像である。
単色縞パターン画像は、赤、緑、青のいずれか1色の輝度が画像の一方向には正弦波状に変化し、その一方向と直交する方向は輝度が一定である画像である。また、合成縞パターン画像は、3色の単色縞パターン画像の位相が所定の角度だけずれている。
一例としては、赤色の単色縞パターン画像の位相が最も進んでおり、緑色の単色縞パターン画像の位相がそれよりも2π/3遅れている。青色の単色縞パターン画像は、緑色の単色縞パターン画像よりもさらに2π/3だけ位相が遅れている。
プロジェクタ20は、上述の合成縞パターン画像を投影する。プロジェクタ20において合成縞パターン画像を投影するため内部構成は、図4を用いて後述する。カメラ30は、カラー画像を撮影可能なカメラである。カメラ30は、デジタルカメラであって、フォトダイオードなどの光検出素子を受光面に縦横に多数備えている。1つ1つの光検出素子が1画素に相当する。プロジェクタ20が投影する画像のx方向とカメラ30が撮影する画像のx方向は一致させているものとする。
光検出素子の光到来方向にはRGBカラーフィルタが設けられている。RGBカラーフィルタは、赤と緑と青のいずれかのカラーフィルタが各光検出素子の光到来方向に配置されたものである。赤と緑と青のカラーフィルタの配列は、一般にベイヤ配列に従っている。プロジェクタ20とカメラ30との間の距離は、事前に計測されている。
〔プロジェクタ20の内部構成〕
図2を用いて、プロジェクタ20において合成縞パターン画像を投影するための内部構成を説明する。プロジェクタ20は、3つの光源Lを備えている。光源Lは、いずれも、たとえばLEDとすることができる。光源L(R)は赤色の光を発光する。光源L(B)は青色の光を発光する。光源L(G)は緑色の光を発光する。
図2において一点鎖線は光路を示す。いずれの光路も、投影レンズ21を通る。投影レンズ21は、図2に示した縞パターン画像を計測対象物5に投影するレンズである。各光源Lよりも光路において投影レンズ21側には集光レンズ22が配置されている。集光レンズ22は、光源Lが発光した光(以下、光源光)を集光する。
集光レンズ22よりも光路において投影レンズ21側には、格子素子23が配置されている。プロジェクタ20には、2つの格子素子23a、23bが配置されている。2つの格子素子23a、23bを区別しないときは格子素子23と記載する。2つの格子素子23a、23bは、投影レンズ21の光軸上であって、投影レンズ21よりも緑色の光源L(G)側に配置されている。
1つの格子素子23aは、一方の面に青色の光源光が入射し、他方の面に緑色の光源光が入射する。もう一方の格子素子23bは、一方の面に赤色の光源光が入射し、反対側の面に、青色の光源光および緑色の光源光が入射する。
図3に、格子素子23a、格子素子23bの構成を詳しく示す。格子素子23aは、透明のガラス24を基材としている。ガラス24の形状は、生成する必要がある縞パターン画像の形状により定まる。ガラス24の形状は一例として矩形板形状である。ガラス24の一方の面に格子状にミラー25が蒸着されている。ガラス24の他方の面には、ハーフミラー26が蒸着されている。ガラス24において格子状にミラー25が蒸着されている面が格子ミラー面27、格子状にハーフミラー26が蒸着されている面が格子ハーフミラー面28である。これら格子ミラー面27および格子ハーフミラー面28は格子面である。
格子素子23aの格子ミラー面27にミラー25が形成されている部分は、第1区分C1と第2区分C2である。ここで区分Cを説明する。区分Cは、本実施形態では第1から第6までの6区分に分けられている。6区分を1周期として、第1区分C1から第6区分C6まで、ガラス24の一方向に区分Cが周期的に繰り返す。各区分Cの大きさは互いに同一である。
1周期は、縞パターン画像の1周期に相当し、区分Cが繰り返す方向は、縞パターンが繰り返す方向に対応する。また、格子は、回折格子などにおいて用いられる場合と同様、細い平行線を意味し、区分Cが繰り返す方向は、格子と直交する方向である。したがって、それぞれの区分Cが延びる方向は、格子が延びる方向と同一方向である。
格子ミラー面27には、第1区分C1と第2区分C2にミラー25が蒸着されている。格子ハーフミラー面28には、第3区分C3にハーフミラー26が蒸着されている。
格子素子23bも透明のガラス24を基材としている。格子素子23bも一方の面に格子状にミラー25が蒸着された格子ミラー面27になっており、他方の面はハーフミラー26が蒸着された格子ハーフミラー面28になっている。
格子素子23bの格子ミラー面27には第6区分C6にミラー25が蒸着されている。格子素子23bの格子ハーフミラー面28には第1区分C1と第5区分C5にハーフミラー26が蒸着されている。
このように、2つの格子素子23a、23bにミラー25、ハーフミラー26が蒸着されていると、投影レンズ21から縞パターン画像が投影される。この理由を以下、詳しく説明する。図4は、緑色の光源光がどのように進行するかを説明する図である。緑色の光源光は、格子素子23aの格子ハーフミラー面28に45度の入射角で入射する。格子素子23aの第1区分C1と第2区分C2にはミラー25が形成されているので、緑色の光源光は、第1区分C1と第2区分C2は透過しない。第3区分C3にはハーフミラー26が形成されているが、ハーフミラー26であるため、一部の光は格子素子23aを透過する。格子素子23aの第4区分C4から第6区分C6はガラス24であるので、緑色の光源光は格子素子23aの第4区分C4から第6区分C6を透過する。
格子素子23bの第3区分C3と第4区分C4はガラス24であり、第5区分C5はハーフミラー26であるので、格子素子23bの第3区分C3から第5区分C5までは緑色の光源光が透過する。格子素子23bの第6区分C6はミラー25なので緑色の光源光は透過しない。以上より、緑色の光源光は、格子素子23bの第3区分C3、第4区分C4、第5区分C5から出力される。
図5は、青色の光源光がどのように進行するかを説明する図である。青色の光源光は、格子素子23aの格子ミラー面27に45度の入射角で入射する。格子素子23aの第1区分C1と第2区分C2にはミラー25が形成されているので、青色の光源光は、第1区分C1と第2区分C2では反射して格子素子23bの方向に向かう。第3区分C3にはハーフミラー26が形成されているので、一部の光は反射して格子素子23bの方向に向かう。格子素子23aの第4区分C4から第6区分C6はガラス24であるので、青色の光源光は格子素子23aの第4区分C4から第6区分C6を透過し、格子素子23bの方向には向かわない。
格子素子23bの第1区分C1はハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はガラス24である。よって、格子素子23bの格子ハーフミラー面28の第1区分C1から第3区分C3に入射した青色の光源光は、格子素子23bを透過する、以上より、青色の光源光は、格子素子23bの第1区分C1、第2区分C2、第3区分C3から出力される。
図6は、赤色の光源光がどのように進行するかを説明する図である。赤色の光源光は、格子素子23bの格子ミラー面27に45度の入射角で入射する。格子素子23bの第1区分C1、第5区分C5にはハーフミラー26が形成されているので、赤色の光源光は、第1区分C1、第5区分C5では反射して投影レンズ21の方向に向かう。格子素子23bの第2区分C2から第4区分C4はガラス24であるので、赤色の光源光は格子素子23bの第2区分C2から第4区分C4を透過し、投影レンズ21の方向には向かわない。格子素子23bの第6区分C6はミラー25であるので、赤色の光源光は、第6区分C6でも反射して投影レンズ21の方向に向かう。
以上、まとめると図7に示すようになる。図7において、各色の丸印は光が出力されることを意味する。また、図7に示すように、各区分Cは、60度分の位相に相当すると考えることができる。図7から分かるように、各色とも、180度ごとに光の出力と非出力が切り替わっている。つまり、各色とも、正弦波状に光の出力と非出力が切り替わっている。また、各色の位相は120度ずつずれている。よって、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
図8には、位相が周期的に変化する方向における各色の変化を示している。合成縞パターン画像は、図8において、位相に対応する各位置において出力されている色が合成された画像になる。
〔三次元形状を計測する処理〕
次に、三次元形状を計測する処理を説明する。図9に三次元形状を計測する処理を示している。図9に示す処理は、ユーザの操作に基づき、制御装置10が実行する。ステップ(以下、ステップを省略)S11では、合成縞パターン画像を計測対象物5に投影し、カメラ30により、そのときの計測対象物5の画像を撮影する。合成縞パターン画像は、各光源Lを同時に発光させることで生成される。
S12では、赤、緑、青の3色について、色別の撮影画像の輝度値(以下、撮影輝度値)Iを取得する。これは、色画素別に撮影輝度値Iを示すデータを取得することを意味する。色画素は、赤の光を検出する画素、緑の光を検出する画素、青の光を検出する画素のいずれか、または、それらの総称を意味する。
S13では、各色の撮影輝度値Iを正規化する。正規化は、各色の最大輝度および最小輝度を揃える処理である。S14では、各画素座標(x、y)の色画素別の正規化した撮影輝度値Iをもとに、式1から、各画素座標(x、y)における位相θ(x、y)を算出する。
Figure 0007268619000001
なお、式1において、Nは位相シフト総回数、nは色別に取得した撮影画像の位相シフト回数である。縞パターン画像において最も早い位相とした色のnが0、次に位相が早い色のnが1、最も位相が遅い色のnが2である。位相シフト総回数Nは3である。また、a(x、y)は輝度振幅、b(x、y)は背景輝度、θ(x、y)はn=0での位相θである。
式1において、未知数は、a(x、y)、b(x、y)、θ(x、y)の3つである。したがって、S13で正規化した色別の各座標(x、y)の撮影輝度値Iを用いれば、位相θを含む、3つの未知数、a(x、y)、b(x、y)、θ(x、y)を、画素座標別に算出することができる。
S15では、S14で算出した各画素座標(x、y)の位相θ(x、y)から、座標計測点Pの高さ座標zを決定する。座標計測点Pは、計測対象物5あるいは作業台2の表面上の点である。高さ座標zは、プロジェクタ20とカメラ30とを含む平面から物体までの距離である。高さ座標zは、位相θと高さ座標zとの関係を示すグラフと、S14で算出した位相θとを用いて決定する。S15では、事前に求めた上記グラフに、S14で算出した位相θ(x、y)を当てはめて、各座標計測点Pの高さ座標zを決定する。
S16では、S15で高さ座標zを決定した座標計測点Pについて、水平座標(x、y)を決定する。S15において決定した高さ座標zは、画素座標(x、y)には対応付けられている。画素座標(x、y)が決まると、カメラ30に対する方向(δ、δ)は定まる。なお、δは、カメラ30から座標計測点Pに向かう方向のうち、x平面におけるz軸との間の角度である。δはカメラ30から座標計測点Pに向かう方向のうち、y平面におけるz軸との間の角度である。水平座標(x、y)は、高さ座標zとδ、δから幾何学計算により算出することができる。
S14からS16までの処理を各画素座標(x、y)に対して実行することで、計測対象物5の三次元形状を計測することができる。
〔第1実施形態のまとめ〕
以上、説明した第1実施形態では、プロジェクタ20は、2つの格子素子23a、23bを備えており、これら格子素子23a、23bは、一方の面に格子状にミラー25が形成され、他方の面に格子状にハーフミラー26が形成されている。このような構成の格子素子23a、23bに光源光が入射することで、格子素子23a、23bから出力される光が縞パターンになる。また、格子素子23a、23bは格子状ではあるが、ミラー25およびハーフミラー26を備える。よって、格子素子23a、23bは、光源光の進路を投影レンズ21の方向に変更することもできる。
本実施形態の構成を、図10に示す比較例の構成と比較する。図10に示す比較例の構成は、格子縞を生成するためのスクリーンと、スクリーンにより生成された格子縞を投影レンズ21の方向に向かわせるためのハーフミラーとを別々に備える構成である。この比較例の構成に比較して、本実施形態の構成では、光源L(G)と格子素子23aとの距離、および、光源L(B)と格子素子23aとの距離を短くできる。この距離を短くできるので、プロジェクタ20を小型化することができる。
また、本実施形態のプロジェクタ20は、緑色の光源光は、2つの格子素子23a、23bを経由して投影レンズ21に到達するようになっている。そして、赤色の光源光は、1つの格子素子23bのみを経由して投影レンズ21に到達する。
この構成により、緑色の光源光は、赤色の光源光よりも輝度が低下する恐れがある。しかし、通常、カメラ30は画素がベイヤ配列になっているので緑色の感度が相対的によい。よって、緑の感度が低下して三次元計測に支障がない場合が多い。本実施形態では、相対的に感度が悪い赤色の検出性能低下を抑制できるので、光の強度不足により三次元計測ができなくなってしまうことを抑制できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
図11は、第2実施形態においてプロジェクタ20が備える格子素子23a、格子素子123を示す。第2実施形態では、格子素子23bに代えて格子素子123を備える。緑色と青色の光源光は、第1実施形態と同じ格子素子23aに入射する。また、第2実施形態では、投影レンズ21が、赤色の光源光が格子素子123を透過した後の光路に配置されている。
格子素子123は、格子ミラー面27の第2区分C2、第3区分C3、第4区分C4にミラー25が蒸着されている点が、第1実施形態の格子素子23bと相違する。格子素子123の格子ハーフミラー面28は、第1実施形態の格子素子23bと同様、第1区分C1と第5区分C5にハーフミラー26が蒸着されている。
このような構成の第2実施形態では、投影レンズ21から投影される縞パターン画像は、各区分Cと色との関係が、図12に示すようになる。図12から分かるように、第2実施形態の構成でも、各色とも、正弦波状に光の出力と非出力が切り替わり、かつ、各色の位相は120度ずつずれている。
<第3実施形態>
第3実施形態では、光源Lを4つ用いる。4つの光源Lの色は互いに相違する。一例として、以下の説明では緑、青、赤、赤外とする。なお、これらの色の一つあるいは全部を、紫外光など他の色とすることもできる。
第3実施形態では、4つの光源Lを用いる5種類の光源配置と格子素子223の構成を説明する。図13には、その5種類のパターンPTにおける光源配置と格子素子223の配置を示している。図13以降の図では、緑色光をG、青色光をB、赤色光をR、赤外光をIRと表記している。
4つの光源Lを用いる場合、格子素子223が3つ、あるいは2つの格子素子223とハーフミラー素子226が必要になる。3つの格子素子223を備える場合、パターンPT1~PT4に示すように、2つの光源光は3つの格子素子223を経由して投影される。パターンPT5では、4つの光源光とも経由する格子素子223の数が1つになる。
パターンPT1とパターンPT2は、1つ目の格子素子223を透過した光の光軸が、2つ目の格子素子223を通過するパターンである。一方、パターンPT3とパターンPT4は、1つ目の格子素子223を透過した光の光軸が、2つ目の格子素子223で反射するパターンである。
パターンPT1とパターンPT2の違いは、次の通りである。パターンPT1は、1つ目と2つ目の格子素子223を経由した光源光が3つ目の格子素子223も通過する。一方、パターンPT2は、1つ目と2つ目の格子素子223を経由した光源光が3つ目の格子素子223で反射する。
パターンPT3とパターンPT4の違いも、パターンPT1とパターンPT2の違いと同様である。パターンPT3は、1つ目と2つ目の格子素子223を経由した光源光が3つ目の格子素子223を通過する。一方、パターンPT4は、1つ目と2つ目の格子素子223を経由した光源光が3つ目の格子素子223で反射する。各パターンPTを実現する格子素子223の具体的な構成は、各パターンPTとも2種類ずつある。以下、各パターンPTを実現する格子素子223の具体的な構成を説明する。
〔パターンPT1-1〕
図14にパターンPT1-1における格子素子223の構成を示す。パターンPT1-1は、パターンPT1を実現する格子素子223の1つ目の具体的な構成である。パターンPT1-1では、3種類の格子素子223a、223b、223cが、緑色の光源光の進行方向に一直線上に同じ姿勢で配置されている。3つの格子素子223a、223b、223cは、いずれも同じ側が格子ハーフミラー面28になっている。格子ハーフミラー面28とは反対側は、格子素子223aと格子素子223bは格子ミラー面27になっている。一方、格子素子223cにおいて格子ハーフミラー面28の裏面には、ミラー25もハーフミラー26も蒸着されていない。
第3実施形態では、区分Cは4つである。区分Cが繰り返す方向は第1実施形態と同じである。格子素子223aは、第1区分C1はガラス24であり、第2区分C2はハーフミラー26が蒸着されている。第3区分C3にはミラー25が蒸着されている。第4区分C4は任意である。つまり、第4区分C4は、ガラス24、ミラー25、ハーフミラー26のいずれでもよい。
格子素子223bでは、第1区分C1、第2区分C2はガラス24であり、第3区分C3はハーフミラー26であり、第4区分C4はミラー25である。格子素子223cでは、第1区分C1、第4区分C4はハーフミラー26であり、第2区分C2、第3区分C3はガラス24である。
図15から図17を用いて図14の構成における光の透過と反射を説明する。図15には、格子素子223aでの光の透過と反射を示している。格子素子223aには、格子ハーフミラー面28に緑色の光源光が入射し、格子ミラー面27に青色の光源光が入射する。
格子素子223aの各区分Cの構成により、格子素子223bの方向には、第1区分C1では緑色光が照射され、第2区分C2では緑色光と青色光とが照射される。第3区分C3では青色光が格子素子223bの方向に照射される。第4区分C4は任意であるので、緑色光と青色光は格子素子223bの方向に照射される場合もあれば、照射されない場合もある。
図16には、格子素子223bでの光の透過と反射を示している。格子素子223bには、格子ハーフミラー面28の第1区分C1に緑色光が入射し、第2区分C2に緑色光と青色光とが入射し、第3区分C3に青色光が入射する。格子素子223bの格子ミラー面27には赤色光が入射する。
格子素子223bの各区分Cの構成により、格子素子223cの方向には、第1区分C1では緑色光が照射され、第2区分C2では緑色光と青色光とが照射される。第3区分C3では青色光と赤色光が格子素子223cの方向に照射される。格子素子223bの第4区分C4はミラー25になっているので、仮に格子ハーフミラー面28に光が入射しても格子素子223cの方向には進行しない。よって、格子素子223cの第4区分C4では赤色光が格子素子223cの方向に照射される。
図17には、格子素子223cでの光の透過と反射を示している。格子素子223cには、格子ハーフミラー面28の第1区分C1に緑色光が入射し、第2区分C2に緑色光と青色光とが入射し、第3区分C3に青色光と赤色光が入射し、第4区分C4に赤色光が入射する。格子素子223cの格子ミラー面27には赤外光が入射する。
図18には、格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。第1区分C1では、緑色光と赤外光とが出力される。第2区分C2では緑色光と青色光とが出力される。第3区分C3では青色光と赤色光が出力される。第4区分C4では、赤色光と赤外光とが出力される。
図18から分かるように、各色とも、180度ごとに光の出力と非出力が切り替わっている。つまり、各色とも、正弦波状に光の出力と非出力が切り替わっている。また、各色の位相は90度ずつずれている。よって、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
〔パターンPT1-2〕
次にパターンPT1-2を説明する。パターンPT1-2は、パターンPT1を実現する格子素子223の2つ目の具体的な構成である。図19にパターンPT1-2における格子素子223の構成を示す。パターンPT1-2でも、3種類の格子素子223a、223b、223cが、緑色の光源光の進行方向に一直線上に、同じ姿勢で配置されている。格子素子223aは、青色光が照射される面が格子ミラー面27になっている。パターンPT1-1で格子ハーフミラー面28であった面には、ハーフミラー26は蒸着されてない。
パターンPT1-2における格子素子223b、格子素子223cは、緑色の光源L側が格子ハーフミラー面28になっており、その反対側の面にはミラー25は蒸着されていない。
パターンPT1-2では、格子素子223aは、第1区分C1と第2区分C2がガラス24であり、第3区分C3と第4区分C4がミラー25である。格子素子223bは、第1区分C1と第4区分C4がガラス24であり、第2区分C2と第3区分C3がハーフミラー26である。格子素子223cは、第2区分C2と第3区分C3がガラス24であり、第1区分C1と第4区分C4がハーフミラー26である。
図20には、図19に示す構成において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。第1区分C1では、緑色光と赤外光とが出力される。第2区分C2では緑色光と赤色光とが出力される。第3区分C3では青色光と赤色光が出力される。第4区分C4では、青色光と赤外光とが出力される。
図20から分かるように、パターンPT1-2でも、各色とも、180度ごとに光の出力と非出力が切り替わっている。また、各色の位相は90度ずつずれている。よって、パターンPT1-2でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
〔パターンPT2-1〕
図21にパターンPT2-1における格子素子223の構成を示す。パターンPT2-1でも、3種類の格子素子223a、223b、223cが、緑色の光源光の進行方向に一直線上に同じ姿勢で配置されている。また、3つの格子素子223a、223b、223cは、いずれも同じ側が格子ミラー面27、格子ハーフミラー面28になっている。
ただし、パターンPT2-1では、最終的な光は図21の下方向に出力される。パターンPT2-1において1番目の格子素子223aと2番目の格子素子223bは、パターンPT1-1における1番目の格子素子223aと2番目の格子素子223bと同じ区分Cにミラー25、ハーフミラー26が蒸着されている。パターンPT2-2における3番目の格子素子223cは、第1区分C1と第4区分C4がハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はミラー25である。
図22には、パターンPT2-1において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT2-1における3番目の格子素子223cは、第2区分C2と第3区分C3がガラス24からミラー25になった点がパターンPT1-1における3番目の格子素子223cと相違するのみである。したがって、パターンPT2-1では、最終的な光は図21の下方向に出力されるものの、パターンPT1-1と同じ合成縞パターン画像が生成される。
〔パターンPT2-2〕
図23にパターンPT2-2における格子素子223の構成を示す。パターンPT2-2でも、3種類の格子素子223a、223b、223cが、緑色の光源光の進行方向に一直線上に同じ姿勢で配置されている。
1番目の格子素子223aは、第1区分C1と第2区分C2がガラス24であり、第3区分C3と第4区分C4がミラー25である。2番目の格子素子223bは第1区分C1と第4区分C4がガラス24であり、第2区分C2と第3区分C3がハーフミラー26である。3番目の格子素子223cは、第1区分C1と第4区分C4がハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はミラー25である。
図24には、パターンPT2-2において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT2-2では、青色光と赤色光の位相がパターンPT2-1とは逆になっているが、パターンPT2-2でも、各色とも、180度ごとに光の出力と非出力が切り替わっている。また、各色の位相は90度ずつずれている。よって、パターンPT2-2でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
〔パターンPT3-1〕
図25にパターンPT3-1における格子素子223の構成を示す。パターンPT3-1では、緑色光を発光する光源Lと赤外光を発光する光源Lは、第1の方向である図の横方向に互いに平行に光を照射する。青色光を発光する光源Lと赤光を発光する光源Lは、第1の方向に直交する第2の方向である図の縦方向に互いに平行に光を照射する。
また、パターンPT3-1では、2つの格子素子223a、223bが、緑色の光源光の進行方向に一直線上に同じ姿勢で配置されている。緑色光が経由する3番目の格子素子223cは、赤色光の進行方向において、格子素子223bと一直線上に同じ姿勢で配置されている。各格子素子223a、223b、223cには、格子ミラー面27および格子ハーフミラー面28に、入射角45度で光源光が入射する。
格子素子223aには、これまでのパターンPTと同様、格子ハーフミラー面28に緑色光が入射し、格子ミラー面27に青色光が入射する。格子素子223bには、格子素子223aが図の横方向に出力した光すなわち緑色光および青色光が格子ハーフミラー面28に入射し、格子ミラー面27に赤色光が入射する。格子素子223cには、格子素子223bが図の縦方向に出力した光が一方の面に入射し、格子ハーフミラー面28に赤外光が入射する。
格子素子223aの第1区分C1はガラス24であり、第2区分C2はハーフミラー26であり、第3区分C3はミラー25であり、第4区分C4は任意である。格子素子223bの第1区分C1および第2区分C2はミラー25であり、第3区分C3はハーフミラー26であり、第4区分C4はガラス24である。
格子素子223cの第1区分C1はハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はガラス24であり、第4区分C4はハーフミラー26である。なお、格子素子223cにおける区分Cは、格子素子223aまたは格子素子223bにおける各区分Cを透過あるいは反射した光が入射する部分である。
図26には、パターンPT3-1において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT3-1では、各色とも、パターンPT2-1と同じ位相で、光の出力と非出力が切り替わっている。よって、パターンPT3-1でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
また、このパターンPT3-1の構成によれば、第1の格子素子223aと第2の格子素子223bは図の横方向に並んでいるのに対して、第3の格子素子223cは格子素子223bに対して図の縦方向に並んでいる。よって、3つの格子素子223は直交配置になるので、3つの格子素子223が一直線上に配置されている場合に比較して、格子素子223が配置されることによってプロジェクタ20が長くなってしまうことを抑制できる。
〔パターンPT3-2〕
図27にパターンPT3-2における格子素子223の構成を示す。パターンPT3-2における3種類の格子素子223a、223b、223cの位置は、パターンPT3-1と同じである。よって、パターンPT3-2でも、3つの格子素子223が一直線上に配置されている場合に比較して、格子素子223が配置されることによってプロジェクタ20が長くなってしまうことを抑制できる。
1番目の格子素子223aは、第1区分C1と第2区分C2がガラス24であり、第3区分C3と第4区分C4がミラー25である。2番目の格子素子223bは第1区分C1と第4区分C4がミラー25であり、第2区分C2と第3区分C3がハーフミラー26である。3番目の格子素子223cは、第1区分C1と第4区分C4がハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はガラス24である。
図28には、パターンPT3-2において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT3-2では、青色光と赤色光の位相がパターンPT3-1とは逆になっているが、その他はパターンPT3-1と同じである。よって、パターンPT3-2でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
〔パターンPT4-1〕
図29にパターンPT4-1における格子素子223の構成を示す。パターンPT4-1における3種類の格子素子223a、223b、223cの位置は、パターンPT3-1、3-2と同じである。よって、パターンPT4-1も、プロジェクタ20が長くなってしまうことを抑制できる。
ただし、パターンPT4-1では、格子素子223cは、赤外光が入射する側が格子ミラー面27であり、赤色光などが入射する側が格子ハーフミラー面28である。また、最終的な光は図29の右方向に出力される。
第1の格子素子223aは、第1区分C1がガラス24であり、第2区分C2はハーフミラー26であり、第3区分C3はミラー25であり、第4区分C4は任意である。第2の格子素子223bは第1区分C1と第2区分C2がミラー25であり、第3区分C3がハーフミラー26であり、第4区分C4がガラス24である。第3の格子素子223cは、第1区分C1と第4区分C4がハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はミラー25である。
図30には、パターンPT4-1において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT4-1では、各色とも、パターンPT3-1と同じ位相になる。よって、パターンPT4-1でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
〔パターンPT4-2〕
図31にパターンPT4-2における格子素子223の構成を示す。パターンPT4-2における3種類の格子素子223a、223b、223cの位置は、パターンPT3-1と同じである。また、パターンPT4-1と同様、格子素子223cは、赤外光が入射する側が格子ミラー面27である。
第1の格子素子223aは、第1区分C1と第2区分C2がガラス24であり、第3区分C3と第4区分C4がミラー25である。第2の格子素子223bは第1区分C1と第4区分C4がミラー25であり、第2区分C2と第3区分C3がハーフミラー26である。第3の格子素子223cは、第1区分C1と第4区分C4がハーフミラー26であり、第2区分C2と第3区分C3はミラー25である。
図32には、パターンPT4-2において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT4-2では、各色とも、パターンPT3-2と同じ位相になる。よって、パターンPT4-2でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
〔パターンPT5-1〕
図33にパターンPT5-1における格子素子223の構成を示す。パターンPT5-1では、これまでのパターンPTと異なり、第2の格子素子223bは、緑色の光源光が直進する方向には配置されていない。パターンPT5-1では、格子素子223bは、パターンPT4における第3の格子素子223cの位置に配置されている。また、パターンPT5-1では、その格子素子223bは、これまでの格子素子223bとは向きが90度違っており、第1区分C1から第4区分C4に向かうに従い、赤外光の光源Lに近くなる向きで配置されている。
第3の格子素子223cは、パターンPT4における第2の格子素子223bの位置に配置されている。格子素子223cは、このパターンPT5-1における格子素子223bと平行な角度で配置されている。各格子素子223a、223b、223cには、格子ミラー面27および格子ハーフミラー面28に、入射角45度で光源光が入射する。
第1の格子素子223aには、格子ハーフミラー面28に緑色の光源光が入射し、格子ミラー面27に青色の光源光が入射する。格子素子223bには、格子ハーフミラー面28に赤色の光源光が入射し、格子ミラー面27に赤外色の光源光が入射する。なお、赤外光は緑色光と平行に223bに入射する。また、赤色光は、青色光と平行、かつ、進行方向が逆向きに格子素子223bに入射する。格子素子223cには、格子ミラー面27に赤色光と赤外光が入射し、格子ハーフミラー面28に緑色光と青色光が入射する。
格子素子223aは、第1区分C1がガラス24であり、第2区分C2がハーフミラー26であり、第3区分C3がミラー25であり、第4区分C4が任意である。格子素子223bは、第1区分C1がミラー25であり、第2区分C2が任意であり、第3区分C3がガラス24であり、第4区分C4がハーフミラー26である。格子素子223cは、第1区分C1がハーフミラー26であり、第2区分C2がガラス24であり、第3区分C3がハーフミラー26であり、第4区分C4がミラー25である。
図34には、パターンPT5-1において格子素子223cから出力される各区分Cの色を示している。パターンPT5-1では、各色とも、パターンPT3-1と同じ位相になる。よって、パターンPT5-1でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
また、パターンPT5-1では、4つの光源Lのうち、緑色光の光源Lと青色光の光源Lは、同じ格子素子223aの格子ミラー面27と格子ハーフミラー面28にそれぞれ光を照射する。残りの2つの光源L、すなわち、赤外光の光源Lと赤色光の光源Lは、別の格子素子223bの格子ミラー面27と格子ハーフミラー面28にそれぞれ光を照射する。
そして、格子素子223aから出力される光と、格子素子223bから出力される光とが交差する位置に格子素子223cが配置されている。このような3つの格子素子223a、223b、223cの配置によれば、どの光源光も、経由する格子素子223の数が2つで済み、3つの格子素子223を経由する光源光がない。よって、光源光が格子素子223を経由する際に減衰しまう程度を少なくできる。
〔パターンPT5-2〕
図35にパターンPT5-2における格子素子223の構成を示す。パターンPT5-2では、2つの格子素子223a、223bを備える。第3の格子素子223cに代えてハーフミラー素子226を備える。2つの格子素子223a、223bの位置および姿勢は、パターンPT5-1の第1の格子素子223a、第2の格子素子223bと同じである。ハーフミラー素子226は、パターンPT5-1の第3の格子素子223cと同じ位置および姿勢である。光源Lの配置はパターンPT5-1と同じである。
第1の格子素子223aは、青色光が入射する面が格子ミラー面27になっており、反対側の面には、ミラー25およびハーフミラー26は蒸着されていない。第2の格子素子223bは、赤外光が入射する面が格子ミラー面27になっており、反対側の面には、ミラー25およびハーフミラー26は蒸着されていない。
格子素子223aは、第1区分C1、第2区分C2がガラス24であり、第3区分C3、第4区分C4がミラー25である。格子素子223bは、第1区分C1、第4区分C4がミラー25であり、第2区分C2、第3区分C3がガラス24である。
図36には、パターンPT5-2においてハーフミラー素子226から出力される各区分Cの色を示している。パターンPT5-2では、各色とも、パターンPT3-2と同じ位相になる。よって、パターンPT5-1でも、カラー位相シフト法に用いることができる合成縞パターン画像が生成されることが分かる。
また、パターンPT5-2では、ハーフミラー素子226は、格子素子223aが出力した光と格子素子223bが出力した光とが交差する位置に配置されている。よって、ハーフミラー素子226と2つの格子素子223a、223bは直交配置になるので、プロジェクタ20の一方向が長くなってしまうことを抑制できる。
また、この構成では、どの光源Lからの光も、格子素子223とハーフミラー素子226を合わせた経由数が2つで済む。よって、光源Lからの光が格子素子223およびハーフミラー素子226を経由する際に減衰しまう程度を少なくできる。
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
実施形態では、光源Lは、互いに異なる色を同時に発光していた。しかし、互いに同じ色を発光する光源Lを用いることもできる。発光期間を相互に異ならせれば、互いに同じ色を発光する光源Lを用いることができる。
<変形例2>
第1実施形態では、格子素子23aの第6区分C6はガラス24であった。しかし、格子素子23aの第6区分C6はミラー25にしてもよい。格子素子23bの第6区分C6がミラー25であるため、格子素子23aの第6区分C6を光が通過しても、格子素子23bの第6区分C6で遮断されるからである。格子素子23aの第6区分C6はミラー25にすると、格子素子23aは、第6区分C6と次の周期の第1区分C1がともにミラー25になる。
<変形例3>
実施形態では、光源Lが3つの場合、2つの格子素子23は同じ姿勢であった。しかし、光源Lが3つの場合もパターンPT5-1のように、2つの格子素子23を互いに90度回転させた姿勢としてもよい。
1:三次元形状計測システム 2:作業台 5:計測対象物 10:制御装置 20:プロジェクタ(投影装置) 21:投影レンズ 22:集光レンズ 23:格子素子 24:ガラス 25:ミラー 26:ハーフミラー 27:格子ミラー面(格子面) 28:格子ハーフミラー面(格子面) 30:カメラ 123:格子素子 223:格子素子 226:ハーフミラー L:光源

Claims (7)

  1. 位相シフト法により計測対象物の三次元形状を計測するために、前記計測対象物に縞パターン画像を投影する投影装置(20)であって、
    少なくとも3つの光源(L)と、
    前記縞パターン画像を投影する投影レンズ(21)と、
    少なくとも一方の面が、格子状にミラー(25)またはハーフミラー(26)が形成された面である格子面(27、28)になっている複数の格子素子(23、123、223)と備え、
    複数の前記格子素子は、前記光源と前記投影レンズとの間の光路に配置され、かつ、両面に、前記光源が発光した光が、直接または別の前記格子素子を介して照射される位置に配置され、
    前記ハーフミラーまたは前記ミラーは、前記光源が発光した光が前記投影レンズを通過する際に互いに位相が異なる縞パターンとなるように格子状に形成されている、投影装置。
  2. 請求項1に記載の投影装置であって、
    少なくとも3つの前記光源は、互いに異なる色を発光する光源であり、かつ、同時に発光する、投影装置。
  3. 請求項2に記載の投影装置であって、
    前記光源として、赤色、緑色、青色をそれぞれ発光する3つの光源を備え、
    前記格子素子を2つ備え、
    緑色を発光する前記光源が発光した光は、2つの前記格子素子を経由して前記投影レンズに到達する、投影装置。
  4. 請求項1に記載の投影装置であって、
    少なくとも3つの前記光源は、互いに同じ色を発光し、発光期間が互いに相違する、投影装置。
  5. 請求項1、2、4のいずれか1項に記載の投影装置であって、
    前記光源を4つ備え、
    前記格子素子(223)を3つ備え、
    4つの前記光源のうちの2つは第1の方向に互いに平行に光を照射し、4つの前記光源のうちの残りの2つは前記第1の方向と直交する第2の方向に互いに平行に光を照射し、
    第1の前記格子素子は、前記第1の方向の光が一方の面に入射し、前記第2の方向の光が他方の面に入射し、
    第2の前記格子素子は、第1の前記格子素子が前記第1の方向に出力した光が一方の面に入射し、他方の面に前記第2の方向の光であって第1の前記格子素子に入射する光とは別の光が入射し、
    第3の前記格子素子は、第2の前記格子素子が前記第2の方向に出力した光が一方の面に入射し、他方の面に前記第1の方向の光であって第1の前記格子素子に入射する光とは別の光が入射する、投影装置。
  6. 請求項1、2、4のいずれか1項に記載の投影装置であって、
    前記光源を4つ備え、
    前記格子素子(223)を3つ備え、
    4つの前記光源のうちの2つは第1の方向に互いに平行に光を照射し、4つの前記光源のうちの残りの2つは前記第1の方向と直交する第2の方向に互いに平行に光を照射し、
    第1の前記格子素子は、一方の面に前記第1の方向の光が入射し、他方の面に前記第2の方向の光が入射し、
    第2の前記格子素子は、前記第1の方向の光であって第1の前記格子素子に入射する光とは別の光が一方の面に入射し、他方の面に前記第2の方向の光であって第1の前記格子素子に入射する光とは別の光が入射し、
    第3の前記格子素子は、第1の前記格子素子が出力した光と第2の前記格子素子が出力した光とが交差する位置に配置され、第1の前記格子素子が前記第1の方向に出力した光が一方の面に入射し、他方の面に第2の前記格子素子が前記第2の方向に出力した光が入射する、投影装置。
  7. 請求項1、2、4のいずれか1項に記載の投影装置であって、
    前記光源を4つ備え、
    前記格子素子(223)を2つ備え、
    ハーフミラー素子(226)を1つ備え、
    4つの前記光源のうちの2つは第1の方向に互いに平行に光を照射し、4つの前記光源のうちの残りの2つは前記第1の方向と直交する第2の方向に互いに平行に光を照射し、
    第1の前記格子素子は、一方の面に前記第1の方向の光が入射し、他方の面に前記第2の方向の光が入射し、
    第2の前記格子素子は、一方の面に、前記第1の方向の光であって第1の前記格子素子に入射する光とは別の光が入射し、他方の面に、前記第2の方向の光であって第1の前記格子素子に入射する光とは別の光が入射し、
    前記ハーフミラー素子は、第1の前記格子素子が出力した光と第2の前記格子素子が出力した光とが交差する位置に配置され、一方の面に第1の前記格子素子が前記第1の方向に出力した光が入射し、他方の面に第2の前記格子素子が前記第2の方向に出力した光が入射する、投影装置。
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