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JP7243275B2 - 液体吐出装置、液体吐出装置における照射制御方法、及び照射制御プログラム - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出装置における照射制御方法、及び照射制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置、液体吐出装置における照射制御方法、及び照射制御プログラムに関する。
活性エネルギー線によって硬化するインクを吐出後、インクに活性エネルギー線を照射して、画像を形成する活性エネルギー線硬化型インクジェットプリンタにおいて、印刷した画像に光沢を付与することを目的として、クリアインクをオーバーコートする活性エネルギー線コーティング印刷技術が存在する。
このような活性エネルギー線コーティング技術において、画像の上にオーバーコート層を形成する際に、透明インクの塗布された部分と塗布されていない部分でオーバーコート層(グロス層)の濡れ広がりが異なり、オーバーコート層の光沢が均一でなくなってしまう。
そこで、特許文献1では、オーバーコート層の光沢感を均一するために、有色インクの反転させたデータを基にクリアコートのマット層を、特定の領域に塗布することで、オーバーコート層の濡れ広がりを均一する技術が提案されている。
しかし、特許文献1の技術では、有色インクを反転させたデータが必要となり、データ処理に時間が多くかかったり、マット層の後、オーバーコート層と2ジョブ以上の工程が必要となり、処理工程が増え、生産性が低下してしまう。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、生産性を低下させずに、光沢感が均一なオーバーコート層を形成することができる、液体吐出装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、
記録媒体上に活性エネルギー線硬化型の液体を吐出する複数のノズルが副走査方向にノズル列として設けられているヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットと連結しており、光を前記記録媒体上の液体に照射することで該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を照射する照射部と、
前記ヘッドユニット及び前記照射部を前記記録媒体に対して前記副走査方向と直交する走査方向に移動させる走査移動と、前記ヘッドユニット及び前記照射部を、前記記録媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる副走査移動と、を交互に実施する移動部と、
前記照射部の前記副走査方向を分割して点灯及び消灯を制御する照射制御部と、を備え、
前記走査移動中の少なくとも一部で、前記ヘッドユニット及び前記照射部は前記記録媒体に液体を吐出させて光を照射し、
前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、前記ヘッドユニット及び前記照射部の副走査方向の進行方向の後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射し始めるまでの時間を、前記進行方向の先端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して光を照射し始めるまでの時間、よりも長くし、
前記ヘッドユニットは、前記副走査方向に、前記液体を吐出する複数のノズルがそれぞれ設けられた複数のヘッドを有しており、
前記先端側のノズルは前記進行方向の先端側のヘッドの先端側の一部のノズルであり、
前記後端側のノズルは前記進行方向の後端側のヘッド全域及び前記先端側のヘッドの後端側の残りの部分のノズルである
液体吐出装置、を提供する。
一態様によれば、液体吐出装置において、生産性を低下させずに、光沢感が均一なオーバーコート層を形成することができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の全体斜視図。 図1のキャリッジの断面図。 図2のキャリッジにおけるヘッドユニットと照射ユニットの配置を示す背面図。 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の全体図。 本発明に係る画像形成装置の一例におけるハードウェア構成のブロック図。 本発明に係る画像形成装置の画像処理に係る制御部の機能ブロック図。 図3のキャリッジにおいて、ヘッドの位置と照射部の照射状態を説明する図。 第1実施形態における、記録媒体に対するヘッドユニットの走査域の位置を説明する模式図。 第1実施形態における、図8の記録媒体に対する走査域の位置に対応する、記録媒体上の走査毎の各層のドットの状況を説明する模式図。 複数の種類の吐出パターンの説明図。 図3のキャリッジにおける照射部の照射状態の拡大図。 第1実施形態に係る吐出・照射調整の制御フロー。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。下記、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
まず、本発明に係る画像形成装置の複数の実施形態について、全体構成を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図である。
このインクジェット記録装置10は、キャリッジ200と、記録媒体を載置するステージ11と、を備える。キャリッジ200は、複数のノズルが設けられた複数の液体吐出ヘッドを備えたインクジェット方式の画像形成部であるヘッドユニット300が設けられており、液体を記録ヘッド(記録ヘッド)のノズルから吐出することによって画像を形成する。ノズルは、ステージ11との対向面に設けられている。なお、本実施形態では、液体は、一例として、紫外線硬化性を有するインクである。
また、キャリッジ200のステージ11との対向面には、紫外線を照射する光源である照射ユニット400が設けられている。照射ユニット400(照射部の一例)は、ノズルから吐出された液体を硬化させる波長の光を照射する。
左右の側板18a,18bにはガイドロッド19が架け渡されており、ガイドロッド19は、キャリッジ200をX方向(主走査方向)に移動可能に保持している。
また、キャリッジ200、ガイドロッド19、及び側板18a,18bは一体となって、ステージ11の下部に設けられたガイドレール29に沿ってY方向(副走査方向)に移動可能となっている。更に、キャリッジ200は、Z方向(上下方向)に移動可能に保持されている。
なお、図1の構成では、記録媒体が載置されるステージ11は固定されている。図1のようなインクジェット記録装置では、記録ヘッドを主走査方向に移動させながらノズルから記録媒体上にインクを吐出する主走査動作と、記録ヘッドを副走査方向に移動させる副走査動作とを交互に繰り返し行い画像を形成する。
よって、本実施形態では、キャリッジ200とガイドロッド19が主走査方向(X方向、第2の方向)の移動部であり、キャリッジ200とガイドレール29が副走査方向(Y方向、第1の方向)の移動部として機能する。
次に、図2、図3を利用して、キャリッジ(主走査ユニット)100の詳細について説明する。キャリッジ200の詳細の断面図を図2に、背面図を図3に示す。キャリッジ200に設けられる中央のヘッドユニット300は、インクを吐出する。ヘッドユニット300は、CMYKのカラーインクをそれぞれ吐出するヘッド(有色ヘッド)301CM、301YKを備えている。
各ヘッド301にはインクが吐出されるノズル孔が副走査方向に複数備わっているノズル列群が4列形成されており、CMヘッド301には2列ずつCとMインクが充填されており、YKヘッド301には2列ずつYとKインクが充填されている。また、使用頻度が高い特定の色や、YMCKの混合などの混合では作成できない特殊な色などの特定の色(スポットカラー)である特色インクであるSインクが吐出される301Sも備わっている。
そして、ヘッドユニット300には、グロスコート層を形成するクリアインク(透明インク)を吐出する301CL1,CL2も備わっている。なお、本構成では、ヘッドユニットにおける右上のヘッドは、クリアインクを吐出せず、例えば、下地であるプライマー(Pr)や、第2の特色を吐出する。各色ヘッドそれぞれ、副走査方向に3列ヘッドが備わっており、クリアインクを吐出するヘッドは、2列ヘッドとなっている。
各ヘッド301は、ピエゾに駆動信号が印加されると、ピエゾが収縮運動を起こし、収縮運動による圧力変化が生じることにより、インクが吐出される、液体吐出ヘッドの一例である。
ヘッド301の性能を維持回復するため、キャリッジ200が図1に示すメンテナンスユニット500に移動して、ヘッドのメンテナンスが行われる。図示はしないが加圧機構がキャリッジ200に備わっている。加圧機構によって、ヘッドからインクが任意の量だけ排出される。排出した際に、ヘッド301のノズル面表面にインクが付着して残っていることもあるため、ワイパー501が上昇して副走査方向に移動することにより、ヘッド301の表面に付着したインクを払拭する。
キャリッジ200は、高さセンサ41が備えている。高さセンサ41によって、記録媒体101の高さが測定される。測定された値から、ヘッド301と記録媒体101のヘッド間ギャップが1mmもしくは任意の設定値の所まで、キャリッジ200が下降する。
画像形成では、記録媒体101上をキャリッジ200が主走査方向(X方向)に往復運動(パス)する際に、ヘッドユニット300のヘッド301からインクが吐出されて画像が形成される。キャリッジ200の往復運動の際に、ヘッド301から記録媒体101上に吐出されたインクは、照射ユニット400から照射された活性エネルギー線であるUV光(ultraviolet:紫外線)によって硬化される。
そして、スキャン終了毎に、キャリッジ200が副走査方向に所定の位置に移動して、記録媒体101の表面に画像が形成される。
クリアのグロスコーティングを得る場合は、インクを吐出直後に照射をするのではなく、必要部分にクリアインクを塗布後に、所定の時間経過に、所定のタイミングでインクを硬化してグロスコーティング層を形成する。クリアインクを塗布後にクリアインクが平滑化する時間(以降、レベリング時間)を調整して設定する。クリアインク塗布後、UV光を照射するまでのレベリングの時間の設定は、図7~図12とともに詳述する。
ここで述べるコーティングは、グロスコーティング以外にも、カラーインクやクリアインクを直接基材に全面塗布でも良いし、カラーインク印刷後にクリアインクを塗布でも良い。
図3に示すように、照射ユニット400は、LEDを光源とする複数のLED-UVランプの集合体で構成されており、左右にそれぞれ照射ユニット400Lと400Rが備わっている。ランプ群401L,401Rは、それぞれの独立したランプで構成される照射ブロック401L1~L9、401R1~R9に分割され、各照射ブロックそれぞれ独自にLEDの出力を制御することが可能となっている。
ランプ群401L,401Rはランプ移動機構42に接続されている。ランプ移動機構42は、キャリッジ200のヘッドユニット300に固定されたランプ固定機構43とガイドレール444に接続されている。ランプ固定機構43に、ランプ移動機構42を通して、ランプ固定ピン45が接続されている。ランプ固定ピン45を回して固定を解除して、ランプ群401を押し引きすることで、ガイドレール44に沿って、ランプ群401は副走査方向に移動可能となる。ランプ群401が任意の位置に移動したら、ランプ固定ピン45で固定して、任意のランプ位置で印刷が行うことが可能となる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の全体図(背面図)である。
本実施形態では、記録媒体101が載置される搬送手段である搬送ベルト71が可動である。本実施形態のインクジェット記録装置1では、副走査動作において、記録媒体101を、ヘッドユニット30及び照射部40L,40Rを備えるキャリッジ20に対して副走査方向に移動させる。
本実施形態では、記録媒体101を搬送する搬送ベルト71と搬送ローラ72a,72bが設けられ、搬送状態を維持するための吸着支持板72が設けられている。また、搬送ベルト71の走査方向の両側には、メンテナンスユニット50a,50bが設けられている。
そのため、本実施形態では、キャリッジ20を主走査方向に移動させながら複数のヘッド301のノズルから記録媒体上にインクを吐出する主走査動作と、記録媒体101を副走査方向に移動させる副走査動作とを交互に繰り返し行い画像を形成する。
よって、本実施形態では、キャリッジ20とガイドロッド19が主走査方向(X方向、第2の方向)の移動部であり、搬送ベルト71、吸着支持板72、搬送ローラ72a,72bが副走査方向(Y方向、第1の方向)の移動部として機能する。
<ハードウェア構成例>
図5は、第1、第2のいずれの実施形態のインクジェット記録装置10,1を含む画像形成システムのハードウェア構成の全体構成の一例を示すブロック図である。図5に示すシステムでは、画像形成システムにおいて、図1~図3、又は図4等に示すように、メカ構造により画像を形成する画像形成装置(インクジェット記録装置10,1)に対して、外部装置であるPC2が接続され、PC2が画像処理を実行する例を示している。なお、PC2によって実行する画像処理に関する機能を、画像形成装置の内部に設けていてもよい。
PC2(コンピュータ)2にはプリンタドライバが備わっている。プリンタドライバは画像データを記録データに変化させる。プリンタドライバで変換された記録データはインクジェット記録装置10へ送信される。記録データには、搬送ユニット600などを動作させるコマンドデータと、画像に関する画素データを有する。画素データは画素毎に2ビットのデータで構成されており、4階調で表現される。
図7に示すように、本実施形態の画像形成装置30(インクジェット記録装置10,1)は、コントローラユニット3と、検知群4と、搬送部である搬送ユニット600と、キャリッジ200と、ヘッドユニット300と、照射ユニット400と、メンテナンスユニット500と、を備える。
また、コントローラユニット3は、ユニット制御回路31と、メモリ32と、CPU(Central Processing Unit)33と、I/F34と、を備える。コントローラユニット3はコンピュータであるPC2から受信したデータから各ユニットを制御して、画像を形成する。また、コントローラユニット3は検知群4らの検出データに基づいて、各ユニットを制御する、コンピュータでもある。
I/F34は、画像形成装置30(10,1)を外部のPC(Personal Computer)2と接続するためのインターフェースである。画像形成装置30とPC2との接続形態はどのようなものであってもよく、例えば、ネットワークを介した接続や通信ケーブルで両者を直接接続する形態などが挙げられる。
検知群4は、例えば、図2及び図3に示す高さセンサ41などインクジェット記録装置10(1)に備えられている各種センサなどが挙げられる。
CPU33は、メモリ32を作業領域に用いて、インクジェット記録装置10の各ユニットの動作を、ユニット制御回路31を介して制御する。具体的には、CPU33は、PC2から受信する記録データ及び検知群4により検知されたデータに基づいて、各ユニットの動作を制御し、記録媒体101(基材)上に液体塗布面102である画像を形成する。
(機能ブロック)
次に、本発明の機能ブロックについて説明する。図6は、本発明に係る画像形成システムにおける画像処理に係る機能ブロック図である。
画像処理装置12は、主制御部13を含む。主制御部13は、CPUなどを含んで構成されるコンピュータであり、画像処理装置12全体を制御する。なお、主制御部13は、汎用のCPU以外で構成してもよく、例えば、主制御部13は、回路などで構成してもよい。
また、画像処理装置12は、図6に示したように、画像形成装置30に接続されるPC2によって実現されてもよいし、あるいは、画像形成装置30の内部に設けられてもよい。
主制御部13は、データ受理部12Aと、データ作成部12Bと、データ出力部12Cと、を含む。データ受理部12A、データ作成部12B、およびデータ出力部12Cの一部または全ては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
データ受理部12Aは、画像データを受理する。画像データは、形成する画像の形状や色などの情報である。データ受理部12Aは、通信部を介して、外部装置から画像データを取得してもよいし、画像処理装置12に設けられた記憶手段から画像データを取得してもよい。
データ作成部12Bは、データ受理部12Aで受理した画像データについて、マスク処理などの所定のデータ処理を行う。本実施形態では、画像データ(例えば、JPEG画像データ)と、所望の光沢度に基づいて、カラーインク画像データと、クリアインク用の画像データと、を作成する。
データ出力部12Cは、データ作成部12Bにて作成された画像データを画像形成装置30に出力する。
画像形成装置30(10,1)は、記録駆動部26と、印刷モード受理部21と、照射部22と、駆動部23、24と、記録制御部27と、照射制御部28と、を備える。
記録駆動部26は、記録制御部27によって制御された画像データを基にヘッドユニット300K~300Wの液滴吐出を駆動するヘッド駆動部である。
照射部22は、キャリッジ200に設けられた照射ユニット400R、400Lでの光源であるランプ群401R、401Lに相当し、ランプ群401R、401L副走査方向を分割する1又は複数のランプであるブロック毎のON/OFFを駆動する照射駆動部である。
駆動部23、24は、移動部を駆動するものであって、第1の駆動部23は、走査時のキャリッジ200のX方向の移動(走査移動)を駆動させ、第2の駆動部24は、副走査時の、キャリッジ200(第1実施形態)又は記録媒体101(第2実施形態)の副走査方向の移動(副走査移動)を駆動させる。
記録制御部27は、画像処理装置12から印刷データを受け付ける。記録制御部27は、受け付けた印刷データに応じて、ヘッド18から各画素に対応する液滴を吐出するように、記録駆動部26を制御する。
また、記録制御部27は、例えば、インクの吐出から光の照射までの時間の算出や、インクの吐出量と光の照射までの時間から記録媒体101に形成される画像の光沢度の算出や、光沢度を均一にするための有色インク及びクリアインクの吐出量を決定する演算等を行う。
照射制御部28は、マット領域(マット部)、グロス領域(グロス部)の指示に応じて、照射部の各ブロックの照射タイミング、照射時間を設定するように、照射部22を制御する。
詳しくは、記録制御部27は、有色インク用グラデーション設定部27A、透明インク吐出パターン選択部27Bと、透明インク用グラデーション設定部27Cと、印画率調整部27Dと、滴サイズ調整部27Eとを備えている。
有色インク用グラデーション設定部27Aは、有色インクのヘッドの副走査方向の両端部が徐々に薄くなるように、有色で形成する画像データに対して、ヘッド毎にグラデーションマスクを架けるように設定する。
透明インク吐出パターン選択部27Bは、透明インク用グラデーション設定部27C、印画率調整部27D、又は滴サイズ調整部27Eのどの方法を用いて、透明インクでマット領域と、グロス領域を塗り分けるか選択する。塗り分け方法の詳細は図10とともに後述する。
透明インク吐出パターン選択部27Bと、透明インク用グラデーション設定部27Cと、印画率調整部27Dと、滴サイズ調整部27Eは、透明インクの吐出量を調整する液体吐出量調整部270として機能する。
照射制御部28は、照射領域設定部28A及び照射時間設定部28Bを備える。
照射領域設定部28Aは、照射部22における照射対象となる領域を設定する。照射時間設定部28Bは、照射部22におけるランプの照射開始タイミング及び照射時間を設定する。ランプ群(照射部)401L,401Rの詳細な制御については、図7とともに詳述する。
なお、本ブロック図では、画像形成装置側で、透明インクの吐出を調整し、照射部を調整する機能を有する例を説明したが、透明インクの吐出及び照射部を調整する機能は、PC2側のデータ作成部12B内に設けてもよい。
さらに、PC2に接続される別の情報処理装置(例えば、上位装置)において、予めプログラムを設定し、演算ファイル(例えば、CSV(Comma Separated Value)ファイルやエクセルファイル)形式で記憶させておき、PC2においてそのプログラムを読み込むことで、クリアインクの吐出調整プログラムを実行させてもよい。
<照射と吐出パターンの調整例>
次に、図7~図12を用いて、第1実施形態における吐出及び照射の調整について説明する。図7は、図3のキャリッジ200の、ヘッドユニット300における、ヘッドの位置とランプ群401Rの照射状態を説明する図である。図7に示すように、ヘッドユニット300には、UV硬化型のクリアインクを吐出するヘッド301CL1、301CL2が副走査方向に2つ設けられている。
図7に示すように、最も先端側の4つの有色ヘッド301C1、M1、Y1、K1でカラーを印刷し、その上にクリアヘッド301CL1とCL2でクリアコーティングをする。
なお、同一の走査移動動作において、有色インクを吐出直後にクリアインクを吐出すると、有色インクとカラーインクが混ざって狙いの画像が形成できないため、同一の走査動作において、副走査方向で同一の位置のヘッドからは、有色インクと、クリアインクとは吐出させない。
なお、下記説明する、先端側のヘッド、後端側のヘッドは、クリアインクを吐出する複数のヘッドにおける、キャリッジの副走査方向の進行方向(移動方向)の先端側(前側)、後端側(後ろ側)を意味する。
照射ユニット400は、副走査方向において分割された照射域をそれぞれ有する複数のランプが並んで構成されており、複数のランプは個別に点灯、消灯制御可能である。ランプは、インクを硬化する、該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を照射する。
図7では、照射ユニット400は、吐出動作中の状態を示している。ランプ401R5~R8は消灯し、ランプ401R1~R4と、401R9は点灯している。即ち、後端側のクリアヘッド301CL2にあたる部分は消灯され、先端側のクリアヘッド301CL1にあたる部分は少なくとも一部は点灯される。
このように、先端側のヘッド301CL1の先端側の一部は、ランプの点灯部(401R3、R4)によって照射されることで、先端側ヘッド301CL1から吐出されるインクの少なくとも一部は、吐出後すぐに硬化させマットにする(マット領域になる)。
そのため、後端側のヘッド301CL2と先端側ヘッド301CL1の後端側の一部はランプの非点灯部(401R5、R6、R7、R8)の位置におり、後端側ヘッドから吐出されるインクは、吐出後すぐに照射されずに、レベリングしてからランプの点灯部で照射して、グロスになる(グロス領域になる)。
なお、本例では、クリアインクを吐出するクリアヘッドが2つの例であって、先端側ヘッドの先端側の一部のノズルから吐出された領域を、マット領域に設定し、後端側ヘッドと先端側ヘッドの後端側の残りのノズルから吐出された領域を、マット領域に設定したが、領域の割り当ては、他の設定であってもよい。
ここで、クリアインクを吐出する1又は複数のクリアヘッドの副走査領域全域を、「複数のノズル」とすると、マット領域になるクリアインクを吐出するノズルを、進行方向の「先端側のノズル」、グロス領域になるクリアインクを吐出するノズルを「後端側のノズル」と考えることができる。
図7の例では、「先端側のノズル」は、先端側ヘッドの先端側の一部のノズルに相当し、「後端側のノズル」は、後端側ヘッドと先端側ヘッドの後端側の残りのノズルに相当した。
また、副走査方向における、ヘッドとランプの長さを略等しくできる場合は、「先端側のノズル」は、先端側ヘッド全域のノズルに相当し、「後端側のノズル」は、後端側のヘッド全域のノズルに相当する。
さらに、クリアインクを吐出するクリアヘッドの数を3つ以上、あるいは1つにすることも可能である。例えば、1つのクリアヘッドを用いて、マット領域、グロス領域を設定する場合は、「先端側のノズル」は、1つのヘッドにおける進行方向の先端側の一部のノズルに相当し、「後端側のノズル」は、1つのヘッドにおける進行方向の後端側の残りの部分のノズルに相当する。
<インク滴の状態>
ここで、図8、図9を用いて、図7に示す照明部の点灯・消灯制御をした場合の、複数回の走査によるインク着弾域と、着弾滴の状態を説明する。
図8は、第1実施形態における、記録媒体に対するヘッドユニットの走査域の位置、を説明する模式図である。図9は、第1実施形態における、図8の記録媒体に対する走査域の位置に対応する、記録媒体上の走査毎の各層の着弾滴の状況を説明する模式図である。
図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)では、記録媒体101の位置が固定され、キャリッジ200が改行幅分、副走査方向に移動した状態での、1走査目、2走査目、3走査目、4走査目の走査域の位置を示す図である。
図8では、キャリッジが主走査方向に走査する動作と、キャリッジが副走査方向に移動する動作することを交互に繰り返すことで記録媒体上に画像を形成する、双方向印刷シーケンスについて説明する。キャリッジの主走査方向の往復動作の間に、キャリッジが副走査方向に移動する動作を、改行幅分の移動動作ともいう。
本例では、副走査方向の改行幅=グロス領域の幅の例を示している。
図9(a),図9(b),図9(c),図9(d)では、それぞれ、図8(a),図8(b),図8(c),図8(d)に示す1回目、2回目、3回目、4回目の走査によって着弾したドット(インク滴)の状況を示す模式図である。なお、図9は、図8の右側から見た図に相当する。
ここで、図9(a)~図9(d)に示すように、印刷中、照射ユニット400では、図7に示したようにランプ401R1、R2、R3、R4、R5及びR9が常にON、ランプ401R6、R7、R8が常にOFFに設定されている。
図8(a)、図9(a)に示すように、1走査目では有色インク滴のみを吐出する。そして、先端側のランプによって有色インク滴が照射され、有色インク滴が硬化する。
図8(b)、図9(b)に示すように、2走査目では有色インク滴を吐出するとともに、先端側のクリアヘッドからクリアインク滴を吐出する。そして、先端側のランプによって有色インク滴及びクリアインクが照射され、有色インク滴が硬化し、クリアインク滴がマットになる。
ここで、クリアインクの先端側ヘッド301CL1による吐出領域では、インク付与と同一の走査で光を照射することで、記録媒体101(基材)にインク滴が着弾してからUV照射までの時間が短い。これにより、着弾滴は立ったまま、着弾滴同士のレベリング(合一化、平滑化)がほとんど起きずに、硬化するため、結果として表面に凹凸を形成し、画質としてマット感を持たせ、マット領域にすることができる。
図8(c)、図9(c)に示すように、3走査目では、有色インク滴を吐出するとともに、先端側及び後端側のクリアヘッドCL1,CL2からクリアインク滴を吐出する。そして、先端側のランプによって、有色インク滴及びクリアインク滴の先端側の領域が照射され、有色インク滴が硬化し、クリアインク滴がマットになる。後端側のヘッドで吐出されたクリアインク滴の領域は、この同一の走査では光が照射されずに硬化しない。
図8(d)、図9(d)に示すように、4走査目では、有色インク滴を吐出するとともに、先端側及び後端側のクリアヘッドCL1,CL2からクリアインク滴を吐出する。そして、先端側のランプによって、有色インク滴と、先端側のヘッド301CL1から吐出されたクリアインク滴の先端側の一部に、光が照射されて硬化してマットになる。後端側のヘッドから付与されたクリアインク滴は、この同一の走査では光は照射されずに硬化しない。さらに、前回吐出したクリアインク滴に対して、後端側のランプ401R9から光が照射される。
図9(c)、図9(d)に示すように、後端側のヘッド301CL2によって記録媒体上に付与されたクリアインク滴に対しては、すぐにランプ401によって光が照射されずに、1回分の走査分、時間が経過した後に対応するブロックから光を照射される。
この後端側のヘッドによってクリアインクが付与された領域では、記録媒体(基材)にインク滴が着弾してからUV照射までの時間が長くなることで、ドットが濡れ広がり、レベリングが進み、ドット高さが低くなる。このレベルングが進んだ状態でUV光が照射されると、画像表面に光沢感を付与し、グロス感を持たせる、グロス領域となる。
なお、図9(d)では、3層目のクリアインク滴は、凹凸のある2層目のマット領域のインク滴の隙間に入り込む。
また、図9(c)の3回目の走査で光が照射されなかった、後端側のヘッドから吐出されたクリアインク滴に対しては、図9(d)の4回目の走査で、UV光が照射される。そのため、少なくとも1回の走査分、その領域のインク滴はランプ照射前の時間として放置されるため、立った状態で硬化された凹凸のある1層目の窪み部分に2層目の着弾滴が入り込むことで、さらに表面が平滑化(レべリング)される。
図9の例では、印字動作中、印字動作を開始する後端側の1走査目ではクリアインクを吐出しないため、クリアインクによるマット層の形成は2走査目以降で実現される。また、印字動作の開始時において、3走査目で初めて、後端側ヘッドから液体が吐出されて、その領域は次の回(4走査目)以降で光が照射されてグロス領域になる。
ヘッドユニットの副走査方向にy個のヘッドを備え、そのうち少なくとも2つは、クリアヘッドである。よって、先端側から(y-1番目)が先端側のクリアインクヘッド、y番目が後端側のクリアインクヘッドになる。そのため、先端側ヘッドから吐出されたクリアインクによるマット層の形成は、(y-1)回の走査以降で実現され、後端側ヘッドから吐出されたクリアインクによるグロス層の形成は、(y+1)回目の走査以降で実現される。
また、図9(a)~(d)に示すように、キャリッジが改行により進行方向に移動するにつれ、進行方向の先端側(図9の右側)に対してインク滴が吐出されていく。図9(d)に示すように、グロス領域は、インク滴形成領域よりも後端側であって、インク滴が媒体に着弾している領域で最も後端側(左側)に形成される。そのため、グロス層の上にはインク滴は重畳されない。
このように、クリアインクを吐出するヘッドを副走査方向に複数備え、キャリッジの副走査方向の進行方向の先端側の後端側のヘッドとで、照射開始タイミングを異ならせることで、少なくとも4回目の走査以降では、改行幅ごとに、マット層の上にグロス層が形成されることになるため、出来上がる後端側の最上層は常にグロス層となる。常にマット層が形成されるため、カラー層の薄い部分などの凹凸が激しい部分も、マット層によって、凹凸が小さくなり、グロス層が綺麗に濡れ広がりやすくなる。そのため、特別な吐出データを作成することなく、光沢感が均一なオーバーコート層を形成することができる。
なお、図9では、クリアインクを吐出した走査の、次回の走査において、前回走査での後端側ヘッドの吐出領域(走査域)に光を照射することで、グロス層を形成する例を説明したが、クリアインクを吐出した走査の、次回よりもさらに後の走査において光を照射することで、グロス層を形成してもよい。
その場合は、吐出ヘッドによって液体を吐出する領域よりも後端側に突出した照射領域を、さらに、後端側に移動する、または、改行量を小さくして走査回数を増加する。これにより、少なくとも2回後の走査以降において、後端ヘッドのクリアインク吐出領域に対して光が照射されるため、照射までの時間がより長くなり、レベリングがより進んだグロスとなる。
図9のしくみを利用して、副走査方向における、後端側のヘッドに対して、インク吐出後から1又は複数回走査後に、光を照射して表面をグロスにする。図7に戻って、ランプ401R6~R8の消灯部分にあたるノズルから吐出されたインクはすぐに硬化されないため、インクがレベリング(平滑化)して、その後ランプ401R9が照射して、コーティング膜ができ上がる。
このように、本発明では、照明開始タイミング(レベリング時間)を調整することで、先端側をマット領域、後端側をグロス領域(オーバーコート層)に設定しているため、クリアインクを時間差で吐出する追加動作が不要となり、一連の動作でマットとグロスオーバーコート層を形成することができる。
さらに、照射開始タイミングの調整とともに、マット領域とグロス領域部とで、クリアインクの付着量を調整すると、より好適である。
前提として、クリアインクの前に吐出される、有色ヘッドによって形成されるカラー画像では、改行誤差などによって、バンディング見えやすいため、吐出するインクの端のほうの印字率を少なくして、バンディングを視認しにくくしている。
そして、クリアインクを吐出する際、マット領域とグロス領域とでは使用するマスクはそれぞれ異なり、マット領域はグラデーションマスク、グロス領域は均一のマスクを使用する。
詳しくは、クリアヘッドの先端側ヘッド301CL1では、副走査方向における両端部の液体の塗布量を中央部よりも少なくなるように、調整吐出パターンを設定すると好適である。クリアヘッドによって構成されるマット領域でも、カラー同様に、改行誤差などによってバンディングが目立ちやすくなるため、カラーと同様に、端の印字率が低くなっている。
一方、クリアヘッド後端側のヘッド301CL2は、均一に液体を吐出するように、クリアインクの吐出量を調整する。仮に、グロス領域においても、グラデーションのようなドット間隔が大きいで吐出すると、インク滴が合一しにくくなり、濡れ広がりが悪くなるので、グラデーションを用いない。またグロス領域ではインク滴が濡れ広がって平滑になるため、送りなどによるバンディングはでないので、グラデーションにする必要は無い。
詳しくは、図7では、有色ヘッド301C1、M1、Y1、K1とクリアインク吐出領域での先端側ヘッドであるクリアヘッドCL1は、端の付与量(印字率)が低いグラデーション状の付与量となっており、クリアヘッドCL2は印字率がほぼ均一となっている。
先端側のヘッドである、クリアヘッドCL1のノズルの吐出領域にあたる、ランプ401のR3~R5のうち、R3、R4は点灯、R5は消灯している。R3、R4の部分にあたるノズルから吐出されるインクは、付着後すぐに照射されるため、マット調となる。クリアヘッドCL1で形成されるマット領域もカラー同様に、改行誤差などによってバンディングが目立ちやすくなるため、カラーと同様に、端の印字率が低くなっている。
一方、後端側のヘッドであるクリアヘッドCL2のノズルの吐出領域にあたるランプ401のR5、6、7、8は消灯している。そのため、クリアヘッドCL2から吐出されるインクはカラー塗膜に付着後すぐに硬化されない。硬化されないインクは滴同士がくっついて濡れ広がって平滑となる。カラーインクの付着量が少ない所は特に、基材とカラーインクによって、凹凸が顕著となり、クリアヘッドCL2のインクコーティングのインクが綺麗に濡れ広がり難くなる。
また、クリアヘッドCL1で形成されるマットがその凹凸部に入り込んで、凹凸を小さくするため、その上の層のクリアヘッドCL2のインクコーティングは綺麗に広がる。その後、ランプ401のR9によって硬化されて、綺麗なコーティング膜ができあがる。その際、クリアヘッドCL2の印字率が低いなどがあった場合、隣の滴と合一しにくくなり、滴が綺麗に濡れ広がり難くなる場合があるので、CL2は印字率が均一にして、隣の滴との合一がしやすくしたほうが好ましい。
なお、先端側のヘッドに適用する調整吐出パターンは、グラデーションに限られない、両端部の付与量を小さくする、他の例(間引き、小滴化)については、図10とともに説明する。
また、後端側のクリアヘッドCL2のインク量の総量が、先端側のクリアヘッドCL1のインク量より多いほうが、綺麗に平滑される。例えば、先端側のヘッドでのクリアインクでの印字率は、ヘッド全体で30%、後端側のヘッドの印字率はヘッド全体で90%に設定する。
そのため、インク量を調整するためにも、インク量が少ない側の、先端側のクリアヘッドCL1において、上記のようにグラデーションパターンのような少なくとも両端部が調整パターンを上側のヘッドに適用する。
<吐出パターン>
次に、図10を用いて、クリアインクの調整吐出パターンを説明する。
図10において、(a)は吐出ヘッドの一例の下面図であり、(b)~(e)は様々な種類の吐出パターンを説明する図である。図10(b)~図10(e)に示すいずれの吐出パターンの副走査方向の長さも、図10(a)に示す1ヘッドのノズル列Nの長さに対応している例を示している。
図8のように、マット領域と、グロス領域とを、吐出を調整して塗り分けるために、マット領域では、図10(b)~(d)に示すように、副走査方向で吐出状態が変化する調整吐出マスク(吐出調整パターンのマスク)を用い、グロス領域では、図10(e)に示す均一マスク(均一パターンのマスク)を用いる。
図10(b)は、吐出調整マスクの一例として、グラデーションマスクを示している。グラデーションとは、1つのヘッドの画像データに対して、全体的に、中央を濃く、端になるほどノズルから吐出するドット数(印画率)が少なくなるような処理である。
ここで、印画率とは、ヘッドユニットの各ヘッドにおける、ノズルと対応する画素データに係る画素のうち、画素データの値に応じてインクの吐出動作が行われて出力される画素の割合を示す値である。
例えば、キャリッジ200を所定の速度で走査させたとき、特定のノズルを、X滴(Xは整数)吐出可能な場合であって、全ての位置でそのノズルが吐出動作を実行する場合は、100%になる。しかし、すべての位置では、吐出動作を行わない場合もあるため、X滴を母数として、実際に吐出動作を行うための出力データ(駆動データ)を印加する回数を、印画率(%)とする。
図10(c)は、吐出調整マスクの一例として、端部間引きマスクを示している。本例では、ヘッドの副走査方向における両端側の所定幅Eで、徐々に印画率が低くなっている。即ち、ドットの大きさは変わらずにドットの数が減ることで面積あたりのインクの付着量が少なくなっている。
ここで、グラデーションマスクと、端部間引きマスクとでは、両端部の領域では、端部に向けて段階的にドットを間引いていく点は共通である。しかし、グラデーションマスクでは、両端部で間引いた分を補償するように中央部で段階的を濃くするのに対して、端部間引きマスクでは、間引きを実施しない中央部に対しては、ドットの調整処理は実施しない点が異なる。
図10(d)は、吐出調整マスクの一例として、滴サイズ調整マスクを示している。本例では、副走査方向におけるヘッド両端側の所定幅Eで、徐々に滴サイズが小さくなっている。即ち、ドットの数は変わらずに吐出滴が付着した1ドットあたりの大きさが小さくなる(小滴化)ことで、面積あたりのインクの付着量が少なくなっている。
ここで、ノズルから吐出される1滴あたりの吐出量である滴サイズが調整される際、例えば、予め設定された大滴、中滴、小滴用の段階的な吐出量から1つを、滴サイズから選択してよいし、あるいは、所定の滴サイズに対して微調整することで、滴サイズを規定サイズから調整して設定してもよい。
<照射部の位置移動>
図11は、照射ユニット400におけるランプの位置を説明する拡大図である。
前提として、ランプ401の素子Rは、細かければ細かいほど、狙いの制御になるが、小さくし過ぎるとコスト増になる。そこで、所定の幅を有する、市販のランプを用いると、照射範囲がヘッドの長さとちょうど同じになるのは難しい。
そのため、後端側のクリアヘッドCL2の全域をグロス領域にしようとすると、先端側のクリアヘッドCL1のマットになる部分はアバウトな長さとなってしまう。
しかし、1つのマット領域を1つのヘッド画像を形成するため、マット領域が中途半端な長さになると、マットが未完成となり、それがバンディングになってしまう。
そこで、先端側のクリアヘッドCL1がマットになる範囲は1/4以下くらいの極端に短い、または3/4以上の極端に長いことが好ましい。マット領域が極端に短い場合は、薄いマット領域となり目立ちにくくなり、マット領域が極端に長い場合は、マット領域にならない部分の印字率が非常に低く、マット領域がほぼ完成しており、バンディングが目立ち難くなるからである。
仮にランプ401R4、R5の点灯、非点灯にあたる部分が、印字量が多いとすると、漏れ光の影響で予測以上、マット領域が広がってしまいバンディングになってしまう可能性があるため、光の影響を受けにくいように、境目は印字率が低い箇所にするのが好ましい。
即ち、複数のランプの点灯と消灯の境界を、先端側のクリアヘッドCL1における、副走査方向の両端部で他の部分よりも薄い印字率である両端の所定幅E(図10参照)の範囲内となるように、設定する。
また、図7、図11では、グロスにする後端側のヘッドを1つ、マットにする先端側のヘッドを1つに設定したが、グロス領域、マット領域の範囲の設定は、グロス領域を少なくとも改行幅を含むようにすれば、グロス領域を1つの後端側ヘッドの一部、1つの後端側ヘッドよりも少し長い範囲、又は複数の後端側ヘッド等となるように設定できる。この場合、1つのヘッドにおいて、ノズルを、グロス領域とマット領域とにブロックに分けて設定してもよい。
例えば、改行幅が変化して、グロス領域とマット領域の範囲の、ヘッドの境界の設定が変化する場合、点灯と消灯の境界の位置も変化する必要があるが、ランプの切り替え位置が、境界を含むヘッドにおいて、マット領域の範囲が、1/4以下の位置、あるいは、3/4以上の位置にならない場合もあり得る。
その場合、ランプのON/OFF切り替え制御に加えて、キャリッジ200のヘッドユニット300でのノズル列の領域Hに対する、照射ユニット400の領域Lの位置を調整することで、切り替え位置を、点灯と消灯の境界を、所望の位置に調整してもよい。
例えば、照射ユニット400Rを移動させる場合は、ランプ固定ピン45を回して固定を解除して、ランプ群401を押し引きすることで、ガイドレール44に沿って、ランプ群401は副走査方向に移動可能となる。ランプ群401が任意の位置に移動したら、ランプ固定ピン45で固定して移動完了となる。
このような照射ユニット400のランプ群401L、401Rの移動は、改行幅決定後、印刷前に、手動により実施する。なお、装置内の制御により自動により照明部の移動を実施する構成であってもよい。
なお、1回の走査移動において、図9(d)に示すようにマット領域に対して時間差でグロス領域を形成するために、ランプ群401L,401Rが照射可能な領域が、複数のヘッドから記録媒体にクリアインクを吐出する領域よりも、副走査方向に後端側に、少なくとも改行幅分以上、長くなるように位置が設定されると好適である。
例えば、最も後端側のランプ401R9のみでグロス領域を形成する場合は、改行幅はB以下に設定する。なお、改行幅がB以上に長い(広い)場合は、後端側の2つのランプ401R8、401R9を、グロス領域を形成するランプに設定してもよい。
また、図8、図9では、副走査方向におけるヘッドユニットの領域を、3回の走査で付与するように、ヘッド幅=改行幅であってシングルスキャンで形成する例について説明したが、本発明のマット・グロスの割り当て設定は、マルチパスの印刷シーケンスにも適用することも可能である。
印刷シーケンスがマルチパスの場合は、副走査方向において、ヘッドより短い改行幅で改行する。例えば、副走査方向において、ヘッドユニットに対して、24回のスキャン(走査移動)で副走査方向の画像を形成する場合、有色インクを吐出する領域はヘッドユニットの1/3のため、各ヘッド領域あたりの走査回数は8回(改行回数は7回)になる。そして、主走査方向Xの打ち分け回数(パス)が4回、副走査方向Yの打ち分け回数(インターレース)が2回である、4パス1/2インターレースの例であって、スキャン数(走査数)が8回(n=8)である例を説明する。
この場合、図9(b)に示すように、先端側のヘッドからクリアインクを吐出し始めるのは、9回目(n+1)以降の走査、図9(c)に示すように、後端側のヘッドからクリアインクから吐出し始めるのは、17回目(2n+1)以降の走査からになる。
さらに、図9(d)に示すように、後端側のヘッドからクリアインクが吐出された領域に対して照射が開始されるのは、25回目(3n+1)以降の走査からになる。
<吐出調整・照射調整フロー>
次に、図12を用いて、第1実施形態に係る吐出調整・照射調整について説明する。図12は、第1実施形態に係る吐出・照射調整の制御フローである。
S1で、印刷シーケンス・改行幅を設定する。
S2で、マット領域、グロス領域の幅を設定する。なお、グロス領域の幅は、マルチパスの場合は、S1で改行幅と同じ、又はそれよりも大きくなるように、設定する。あるいは、シングルスキャンの場合は、グロス領域の幅は、走査間でのオーバーラップ領域を除いた領域と、と同じ、又はそれよりも大きくになるように、設定する。
S3で、照射部のランプ群401L,401Rの位置を移動する。なお、前回の走査時から、改行幅が同じである等、本ステップが不要の場合は、このステップは省略してもよい。
S3では、ランプ群401L,401Rは、1回の走査移動において、ランプ群401L,401Rが照射可能な領域が、複数のヘッドから記録媒体にクリアインクを吐出する領域よりも、副走査方向に後端側に、少なくとも改行幅分以上、長くなるように位置が設定される。
S4で、先端側ヘッドにおいて、調整吐出パターンを選択する。詳しくは、図10(b)~(d)に示した、グラデーション/間引き/滴サイズ調整のいずれかの、副走査方向における両端部の液体の塗布量を中央部よりも少なくなる調整吐出パターンを選択し、先端側のヘッドに対して設定する。
S5で、S2で設定されたマット領域・グロス領域の副走査方向の長さに沿うように、照射部において、設定した制御情報に従い、ランプを点灯・消灯する。図7の例では、ランプ401R1、R2、R3、R4、及びR9は点灯し、ランプR5、R6、R7、R8は消灯する。
S6で、主走査方向に移動しながら、クリアインクが吐出する領域よりも先端側では、カラーインクを吐出する有色ヘッドにて、ヘッド毎にグラデーションマスクをかけて吐出する。
S7で、主走査方向に移動しながら、クリアインクを吐出するクリアヘッドにて、先端側では設定した調整吐出パターンのマスクをかけて、後端側では均一パターンで、吐出する。
ここで、例えば、有色インクを吐出するヘッドが副走査方向にm列、クリアインクを吐出するヘッドが2列、各ヘッド領域あたりの走査回数はn回であるとすると、記録媒体101に対して最も後端側から走査し始めた(m×n)回目(図9(a)では、m=1、n=1により1回目)の走査での吐出までは、クリアインクは吐出しない。
また、記録媒体101に対して後端側から{(m+1)×n}回目(図9(b)では2回目)の走査まで、クリアインクの吐出は、先端側のヘッドのみ実施し、後端側のヘッドでは実施しない。
S8で、主走査方向の移動終端において、先端側ヘッドによって、記録媒体上に付与された液体の領域に対して、照射ユニット400のランプ群401の所定のブロックは光を照射する。このように、先端側ヘッドによって、記録媒体上に付与された液体の領域に対して、吐出後すぐに、光が照射されることで硬化し、マットにする。
なお、S6~S8は、1回の主走査方向の走査内で実行される(図9(c)参照)。そして、{(m+1)×n+1}走査目(図9(c)の例では3回目)の走査以降で後端側のヘッドからクリアインクが吐出された領域に対して、照射が開始されて、グロス領域が形成され始めるのは、{(m+2)n+1}走査目(図9(d)の例では4回目)の走査以降になる。即ち、グロス領域が照射されるのは、後端側のヘッドからクリアインクが吐出された走査からn回目以降の走査になる。
S9では、キャリッジ200を、改行幅分、副走査方向に移動させる。
上記の動作を、S10で印刷が停止するまで繰り返す。
なお、画像データを基に規定される記録媒体101上の吐出領域の終端に対向する位置に対して、最も先端側に設けられる有色のヘッド301K1、Y1、M1、C1、S1等が、クリア色のヘッド301CL1,CL2よりも先に到達する。そのため、有色のヘッド301K1、Y1、M1、C1、S1が、記録媒体101上の吐出領域の終端に対向する位置に到達したら、先端側に位置するノズルから順に吐出を停止する。クリアヘッド301CL1,CL2は、有色ヘッドが吐出終了後も、有色ヘッド301K1、Y1、M1、C1、S1によって有色インク滴が記録媒体101上に着弾した領域を、全てカバーするようにクリアインク吐出を続ける。さらに、すべての吐出領域の最上層が、全てグロス領域になるように、後端側ヘッド301CL2から吐出されたクリアインク滴に対して、時間差で、光を照射する。
印刷が停止したら、照明部において、点灯されていたブロックであるランプ401R1、R2、R3、R4、及びR9を消灯する。
このような制御により、先端側のヘッドによって吐出されたカラー及びクリアインクに、凹凸を均してマット領域となり、後端側のヘッドによって吐出されたインクが、均一なレベリング状態となり、綺麗なグロス領域となることを、一連の動作(高速)で得られる。
したがって、マット層のデータを生成せずに、マット層とオーバーコート層を1ジョブで形成するので、光沢感にムラの無いオーバーコート層の生産性を高めることができる。即ち、本発明の実施形態では、生産性を高めたまま光沢感にムラの無いオーバーコート層を形成することができる。
なお、本フローでは、説明の簡略化のため、先端側のヘッドをマット、後端側のヘッドをグロスとして設定しているが、例えば、図7に示すように、クリアインクを吐出するヘッドにおいて、先端側のヘッドの少なくとも先端側の一部をマット、後端側のヘッド及び先端側のヘッドの後端側の残りをグロスと設定してもよい。
その場合はS8で、主走査方向の移動終端において、先端側ヘッドによって、記録媒体上に付与された液体の領域に対して、照射ユニット400のランプ群401の所定のブロックは光を照射する。このように、先端側ヘッドの少なくとも先端側の一部によって、記録媒体上に付与された液体の領域に対して、吐出後すぐに、光を照射することで硬化し、マットにする。
また、S8で、後端側ヘッドと先端側ヘッドの後端側の残りの部分によって、記録媒体101上に付与された液体の領域では、S7の直後のS8では照射されずに、改行後(S9)に、レベルリングしながら、複数の走査分(n回分)放置された後の走査で、ランプの点灯部R9によって照射されることで、グロス領域となる。
なお、上記例では、有色インク滴と、クリアインク滴の2種類のインクを着弾させる例を説明したが、媒体と有色インク滴との間に下地としてプライマー層を形成する印刷モードに対しても、上記のオーバーコート層の制御は実施できる。プライマー層を構成する印刷モードでの場合は、有色インク滴よりも上の制御は、上記の図9と同様に、先端側のヘッドのクリアインク滴及び有色インク滴に対しては、同一の走査で、光の照射を実施し、後端側ヘッドのクリアインク滴に対しては、次回以降の走査で光の照射を実施することで、所望のマット領域、グロス領域を形成することができる。
なお、図12のフローでは、先端側ヘッドを「先端側のノズル」、後端側のヘッドを「後端側のノズル」として説明しているが、「先端側のノズル」は「先端側ヘッドの先端側の一部のノズル」であり、「後端側のノズル」は「後端側ヘッド+先端側ヘッドの残りのノズル」であってもよい。
また、1つのクリアヘッドを用いて、マット領域、グロス領域を設定する場合は、「先端側のノズル」は、1つのヘッドにおける先端側の一部のノズルであり、「後端側のノズル」は、1つのヘッドにおける後端側の残りの部分のノズルである。この場合、クリアヘッド内において、先端側と後端側とで調整吐出パターンを塗り分けると、好適であるが、均一な吐出パターンを設定してもよい。
<第2実施形態の走査位置>
なお、図7~図12では、第1実施形態における、副走査動作において、ヘッドユニット300及び照射ユニット400を備えるキャリッジ200を、記録媒体に対して相対的に、移動させる構成での照射・吐出制御例を説明したが、上記の制御は、図5に示した第2実施形態にも適用できる。
本実施形態では、副走査方向における照明調整及び吐出調整制御において、記録媒体の搬送方向の上流側ヘッドにマット領域を形成し、記録媒体101の搬送方向の下流側のヘッドにグロス領域を形成する。
よって、本実施形態において、図12のフローにおける、S4、S7、S8での「先端側のヘッド」を「記録媒体搬送方向の上流側のヘッド」とし、「後端側のヘッド」を、「記録媒体搬送方向の下流側のヘッド」とする。また、S9におけるキャリッジを改行分、副走査方向の移動することに代えて、搬送ベルトにより、記録媒体を改行分、副走査方向に移動させる。それ以外は、第1実施形態とほぼ同様である。
本実施形態においても、クリアインクを吐出するヘッドを記録媒体搬送方向に複数備え、搬送方向の上流側のヘッドと下流側のヘッドとで、照射開始タイミングを異ならせることで、少なくとも2回目の走査以降では、改行幅ごとに、マット層の上にグロス層が形成されることになるため、出来上がる最下流側の最上層は常にグロス層となる。
このような制御により、本実施形態においても、クリア領域吐出領域における上流のマット領域でカラーによる凹凸を均し、下流が均一なレベリング状態となり、綺麗なグロスを一連の動作(高速)で得られる。したがって、マット層のデータを生成せずに、マット層とオーバーコート層を1ジョブで形成するので、光沢感にムラの無いオーバーコート層の生産性を高めることができる。即ち、生産性を高めたまま光沢感にムラの無いオーバーコート層を形成する。
なお、上記説明では、上流側のヘッドを「上流側のノズル」、下流側のヘッドを「下流側のノズル」として説明しているが、本実施形態における、「上流側のノズル」は、上流側ヘッドの上流側の一部のノズル、「下流側のノズル」は、下流側のヘッド+上流側のヘッドの下流側の残りのノズル、であってもよい。
また、1つのクリアヘッドを用いて、マット領域、グロス領域を設定する場合は、「上流側のノズル」は、1つのヘッドにおける上流側の一部のノズルであり、「下流側のノズル」は、1つのヘッドにおける下流側の残りの部分のノズルである。この場合、クリアヘッド内において、上流側と下流側とで調整吐出パターンを塗り分けると好適であるが、ヘッドに対して、均一な吐出パターンを設定してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、本発明に係る記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置について説明したが、本発明に係る液体吐出ヘッド及びその制御は、インクジェット記録装置を含めた液体を吐出する装置に広く適用することができる。
本願において、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
又、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータ等を使用することができる。
又、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等は何れも同義語とする。
10,1,30 インクジェット記録装置(画像形成装置、液体吐出装置)
2 PC(コンピュータ)
3 コントローラユニット(コンピュータ)
19 ガイドロッド(移動部)
22 照射部(ランプ群)
27 記録制御部
270 液体吐出量調整部
28 照射制御部
200 キャリッジ(主走査ユニット)
101 記録媒体(基材)
20,200 キャリッジ(主走査ユニット)
30,300 ヘッドユニット
301 ヘッド
301CL1,301CL2 クリアヘッド
301CL1 先端側のヘッド(上流側のヘッド、先端側のノズル、上流側のノズル)
301CL2 後端側のヘッド(下流側のヘッド、後端側のノズル、下流側のノズル)
40(40L,40R),400(400L,400R) 照射ユニット
401L,401R ランプ群(照射部)
401L1~L9、401R1~R9 ランプ(照射ブロック、ブロック)
29 ガイドレール(移動部)
600 搬送ユニット
71 搬送ベルト(移動部)
72a,72b 搬送ローラ(移動部)
特開2015-214133号公報

Claims (13)

  1. 記録媒体上に活性エネルギー線硬化型の液体を吐出する複数のノズルが副走査方向にノズル列として設けられているヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットと連結しており、光を前記記録媒体上の液体に照射することで該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を照射する照射部と、
    前記ヘッドユニット及び前記照射部を前記記録媒体に対して前記副走査方向と直交する走査方向に移動させる走査移動と、前記ヘッドユニット及び前記照射部を、前記記録媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる副走査移動と、を交互に実施する移動部と、
    前記照射部の前記副走査方向を分割して点灯及び消灯を制御する照射制御部と、を備え、
    前記走査移動中の少なくとも一部で、前記ヘッドユニット及び前記照射部は前記記録媒体に液体を吐出させて光を照射し、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、前記ヘッドユニット及び前記照射部の副走査方向の進行方向の後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射し始めるまでの時間を、前記進行方向の先端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して光を照射し始めるまでの時間、よりも長くし、
    前記ヘッドユニットは、前記副走査方向に、前記液体を吐出する複数のノズルがそれぞれ設けられた複数のヘッドを有しており、
    前記先端側のノズルは前記進行方向の先端側のヘッドの先端側の一部のノズルであり、
    前記後端側のノズルは前記進行方向の後端側のヘッド全域及び前記先端側のヘッドの後端側の残りの部分のノズルである
    液体吐出装置。
  2. 前記先端側のヘッドによる前記記録媒体上の液体の付与量を、前記後端側のヘッドによる前記記録媒体上の液体の付与量よりも、少なくなるように調整する液体吐出量調整部を備える
    請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記液体吐出量調整部は、前記先端側のヘッドでは、前記副走査方向における両端部の前記液体の付与量を中央部よりも少なくするように吐出させ、前記後端側のヘッドでは、均一に液体を吐出させる
    請求項に記載の液体吐出装置。
  4. 記録媒体上に活性エネルギー線硬化型の液体を吐出する複数のノズルが副走査方向にノズル列として設けられているヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットと連結しており、光を前記記録媒体上の液体に照射することで該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を照射する照射部と、
    前記ヘッドユニット及び前記照射部を前記記録媒体に対して前記副走査方向と直交する走査方向に移動させる走査移動と、前記ヘッドユニット及び前記照射部を、前記記録媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる副走査移動と、を交互に実施する移動部と、
    前記照射部の前記副走査方向を分割して点灯及び消灯を制御する照射制御部と、を備え、
    前記走査移動中の少なくとも一部で、前記ヘッドユニット及び前記照射部は前記記録媒体に液体を吐出させて光を照射し、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、前記ヘッドユニット及び前記照射部の副走査方向の進行方向の後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射し始めるまでの時間を、前記進行方向の先端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して光を照射し始めるまでの時間、よりも長くし、
    前記ヘッドユニットは、前記副走査方向に、前記液体を吐出する複数のノズルがそれぞれ設けられた複数のヘッドを有しており、
    前記先端側のノズルは前記進行方向の先端側のヘッドであり、
    前記後端側のノズルは前記進行方向の後端側のヘッドであり、
    前記先端側のヘッドによる前記記録媒体上の液体の付与量を、前記後端側のヘッドによる前記記録媒体上の液体の付与量よりも、少なくなるように調整する液体吐出量調整部を
    備え、
    前記液体吐出量調整部は、前記先端側のヘッドでは、前記副走査方向における両端部の前記液体の付与量を中央部よりも少なくするように吐出させ、前記後端側のヘッドでは、均一に液体を吐出させる
    液体吐出装置。
  5. 前記先端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対する光の照射は、前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出するための同一の走査移動内で実施され、
    前記後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対する光の照射は、前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出するための前記走査移動の後、1又は複数回の副走査移動の後での、別の走査移動内で実施される
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記照射部が照射可能な領域は、1回の走査移動において前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出する領域よりも、前記副走査方向の後端側に長く設定され、
    前記走査移動において、前記先端側のノズルと前記副走査方向が対応する位置にある前記照射部の照射領域、及び、前記後端側のノズルよりも前記副走査方向の後端側に位置する前記照射部の照射領域は点灯し、前記後端側のノズルと前記副走査方向が対応する位置にある前記照射部の照射領域は消灯している
    請求項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体吐出量調整部は、前記先端側のヘッドでは、前記副走査方向において、両端部になるにつれて徐々に付与量を少なくするグラデーションとなるように液体の吐出量を調整する
    請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体吐出量調整部は、前記先端側のヘッドでは、前記副走査方向における両端部の所定領域を、吐出するドット数を間引いて少なくするように液体の吐出量を調整する
    請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  9. 前記液体吐出量調整部は、前記先端側のヘッドでは、前記副走査方向における両端部の所定領域を、吐出するドットの滴サイズを小さくするように液体の吐出量を調整する
    請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  10. 各ヘッド領域あたりn回走査するマルチパスで画像を形成する場合、
    前記後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対する光の照射は、前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出するための前記走査移動の後、n回目の走査移動内で実施される
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 記録媒体上に活性エネルギー線硬化型の液体を吐出する複数のノズルが副走査方向にノズル列として設けられているヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットと連結しており、光を前記記録媒体上の液体に照射することで該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を照射する照射部と、
    前記ヘッドユニット及び前記照射部を前記記録媒体に対して前記副走査方向と直交する走査方向に移動させる走査移動と、前記記録媒体を、前記ヘッドユニット及び前記照射部に対して相対的に前記副走査方向に移動させる副走査移動と、を交互に実施する移動部と、
    前記照射部の前記副走査方向を分割して点灯及び消灯を制御する照射制御部と、を備え、
    前記走査移動中の少なくとも一部で、前記ヘッドユニット及び前記照射部は前記記録媒体に液体を吐出させて光を照射し、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、記録媒体搬送方向の下流側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射し始めるまでの時間を、前記記録媒体搬送方向の上流側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射し始めるまでの時間、よりも長くし、
    前記ヘッドユニットは、前記副走査方向に、前記液体を吐出する複数のノズルがそれぞれ設けられた複数のヘッドを有しており、
    前記記録媒体搬送方向の上流側のノズルは前記記録媒体搬送方向の上流側のヘッドの上流側の一部のノズルであり、
    前記記録媒体搬送方向の下流側のノズルは前記記録媒体搬送方向の下流側のヘッド全域及び前記上流側のヘッドの下流側の残りの部分のノズルである
    液体吐出装置。
  12. 液体吐出装置における照射制御方法であって、
    液体吐出装置は、記録媒体上に活性エネルギー線硬化型の液体を吐出する複数のノズルが副走査方向にノズル列として設けられているヘッドユニットと;前記ヘッドユニットと連結しており、光を前記記録媒体上の液体に照射することで該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を、前記副走査方向を分割して点灯及び消灯を切り替えて照射する照射部と;前記ヘッドユニット及び前記照射部を前記記録媒体に対して前記副走査方向と直交する走査方向に移動させる走査移動と、前記ヘッドユニット及び前記照射部を、前記記録媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる副走査移動と、を交互に実施する移動部と、を備えており、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、前記ヘッドユニット及び前記照射部の副走査方向の進行方向の先端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射するステップと、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、所定時間経過後に、前記先端側のノズルに対する光の照射よりも遅く、前記進行方向の後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射するステップと、を有し、
    前記ヘッドユニットは、前記副走査方向に、前記液体を吐出する複数のノズルがそれぞれ設けられた複数のヘッドを有しており、前記先端側のノズルは前記進行方向の先端側のヘッドの先端側の一部のノズルであり、前記後端側のノズルは前記進行方向の後端側のヘッド全域及び前記先端側のヘッドの後端側の残りの部分のノズルである、
    液体吐出装置における照射制御方法。
  13. 液体吐出装置における照射制御プログラムであって、
    液体吐出装置は、記録媒体上に活性エネルギー線硬化型の液体を吐出する複数のノズルが副走査方向にノズル列として設けられているヘッドユニットと、前記ヘッドユニットと連結しており、光を前記記録媒体上の液体に照射することで該液体を硬化させる活性エネルギー線の光を、前記副走査方向を分割して点灯及び消灯を切り替えて照射する照射部と;前記ヘッドユニット及び前記照射部を前記記録媒体に対して前記副走査方向と直交する走査方向に移動させる走査移動と、前記ヘッドユニット及び前記照射部を、前記記録媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる副走査移動と、を交互に実施する移動部と、を備えており、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、前記ヘッドユニット及び前記照射部の副走査方向の進行方向の先端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射する処理と、
    前記複数のノズルから記録媒体に液体を吐出した後に、所定時間経過後に、前記先端側のノズルに対する光の照射よりも遅く、前記進行方向の後端側のノズルによって記録媒体上に付与された液体に対して、光を照射する処理と、をコンピュータによって実行させ、
    前記ヘッドユニットは、前記副走査方向に、前記液体を吐出する複数のノズルがそれぞれ設けられた複数のヘッドを有しており、前記先端側のノズルは前記進行方向の先端側のヘッドの先端側の一部のノズルであり、前記後端側のノズルは前記進行方向の後端側のヘッド全域及び前記先端側のヘッドの後端側の残りの部分のノズルである、
    液体吐出装置における照射制御プログラム。
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