JP7131318B2 - オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
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0.06≦1.96×Zr+Hf+1.50×Sn+2.38×As≦0.55 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
0.06≦1.96×Zr+Hf+1.50×Sn+2.38×As≦0.55 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
0.06≦1.96×Zr+Hf+1.50×Sn+2.38×As≦0.55 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態によるオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、次の元素を含有する。
炭素(C)は主にCrと結合して鋼中にCr炭化物を形成し、高温浸炭環境での使用時における高温クリープ強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、鋼の鋳造後の凝固組織中に粗大な共晶炭化物を多数形成し、鋼の靭性を低下する。したがって、C含有量は0.250~0.700%である。C含有量の好ましい下限は0.280%であり、より好ましくは0.300%である。C含有量の好ましい上限は0.650%であり、より好ましくは0.600%である。
シリコン(Si)は鋼を脱酸する。他の元素で脱酸を十分に実施できる場合、Siの含有量はできるだけ少なくてもよい。一方、Si含有量が高すぎれば、熱間加工性が低下する。したがって、Si含有量は0.01~2.00%である。Si含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Si含有量の好ましい上限は1.00%である。
マンガン(Mn)は不可避に含有される。Mnは鋼中に含まれるSと結合してMnSを形成し、鋼の熱間加工性を高める。しかしながら、Mn含有量が高すぎれば、鋼が硬くなりすぎ、熱間加工性及び溶接性が低下する。したがって、Mn含有量は2.00%以下である。上記効果を安定して得る場合、Mn含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。Mn含有量の好ましい上限は1.50%であり、さらに好ましくは1.30%である。
燐(P)は不純物である。Pは鋼の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、P含有量は0.040%以下である。P含有量の好ましい上限は0.030%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量を過剰に低減するとコストが高くなる。そのため、P含有量の下限はたとえば、0.0005%である。
硫黄(S)は不純物である。Sは鋼の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、S含有量は0.010%以下である。S含有量の好ましい上限は0.008%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、S含有量を過剰に低減するとコストが高くなる。そのため、S含有量の下限はたとえば、0.001%である。
クロム(Cr)は、熱処理工程中及び高温浸炭環境下でAl2O3皮膜の形成を促進する。Crはさらに、鋼中のCと結合して鋼中にCr炭化物を形成し、高温クリープ強度を高める。Cr含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、高温浸炭環境下で、Crは雰囲気ガス(炭化水素ガス)由来のCと結合し、鋼表面にCr炭化物を形成する。鋼表面にCr炭化物が形成されると鋼表面のCrが局所的に欠乏する。この場合、いわゆるTEE効果(Third Element Effect)が得られず、均一なAl2O3皮膜が形成されない。Cr含有量が高すぎればさらに、鋼表面のCr炭化物が均一なAl2O3皮膜の形成を物理的に阻害する。したがって、Cr含有量は10.00~25.00%未満である。Cr含有量の好ましい下限は11.00%であり、さらに好ましくは12.00%である。Cr含有量の好ましい上限は24.00%であり、さらに好ましくは23.00%である。
ニッケル(Ni)は、オーステナイトを安定化させ、高温クリープ強度を高める。Niはさらに、鋼の耐浸炭性を高める。Ni含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Ni含有量が高すぎれば、これらの効果が飽和するだけでなく、原料コストが高くなる。Ni含有量が高すぎればさらに、製造工程中に、たとえばγ‘-Ni3Alなどの、Alを含有する金属間化合物が析出し、熱間加工性が著しく低下する。したがって、Ni含有量は30.00%~60.00%である。Ni含有量の好ましい下限は31.00%であり、さらに好ましくは32.00%である。Ni含有量の好ましい上限は55.00%であり、さらに好ましくは50.00%である。
アルミニウム(Al)は、熱処理工程中及び高温浸炭環境下で鋼表面にAl2O3皮膜を形成し、鋼の耐浸炭性を高める。特に本発明にて想定している高温浸炭環境においては、従来用いられているCr2O3皮膜と比較して、Al2O3皮膜は熱力学的に安定である。Al含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、製造工程中に、たとえばγ’-Ni3Alなどの、Alを含有する金属間化合物が粗大に析出する。粗大な金属間化合物は、鋼の高温クリープ強度を著しく低下させる。したがって、Al含有量は2.50%超~3.50%である。Al含有量の好ましい下限は2.55%であり、さらに好ましくは2.60%である。Al含有量の好ましい上限は3.45%であり、さらに好ましくは3.40%である。本発明によるオーステナイト系ステンレス鋼において、Al含有量は、鋼材中に含有する全Al量を意味する。
ニオブ(Nb)は、析出強化相となる金属間化合物(ラーベス相及びNi3Nb相)を形成して、結晶粒界及び結晶粒内を析出強化し、鋼のクリープ強度を高める。一方、Nb含有量が高すぎれば、金属間化合物が過剰に生成して、鋼の靭性が低下する。Nb含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の靭性も低下する。したがって、Nb含有量は0.20~3.50%である。Nb含有量の好ましい下限は0.25%であり、さらに好ましくは0.30%である。Nb含有量の好ましい上限は3.20%未満であり、さらに好ましくは3.00%である。
本実施形態のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、錫(Sn)及び砒素(As)からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。含有される場合のZr、Hf、Sn及びAsの各含有量は、以下のとおりである。ただし、Zr、Hf、Sn及びAsの含有量は、後述する式(1)を満たす。
ジルコニウム(Zr)は熱処理工程中及び高温浸炭環境下で、Al2O3形成の阻害要因となるC、N、Oと結合し、炭窒化物及び酸化物を形成する。その結果、Al2O3皮膜の形成を促進する。一方、Zr含有量が高すぎれば、鋼中の短窒化物及び酸化物の体積率が過剰に高くなり、熱間加工性が低下する。したがって、Zr含有量は0.0001~0.1000%である。Zr含有量の好ましい下限は0.0010%であり、さらに好ましくは0.0020%である。Zr含有量の好ましい上限は0.0800%であり、さらに好ましくは0.0500%である。
ハフニウム(Hf)は熱処理工程中及び高温浸炭環境下で、Al2O3形成の阻害要因となるC、N、Oと結合し、炭窒化物及び酸化物を形成する。その結果、Al2O3皮膜の形成を促進する。一方、Hf含有量が高すぎれば、鋼中の短窒化物及び酸化物の体積率が過剰に高くなり、熱間加工性が低下する。したがって、Hf含有量は0.0001~0.1000%である。Hf含有量の好ましい下限は0.0010%であり、さらに好ましくは0.0020%である。Hf含有量の好ましい上限は0.0800%であり、さらに好ましくは0.0500%である。
錫(Sn)は熱処理工程中及び高温浸炭環境下で、Al2O3形成の阻害要因となるC、N、Oと結合し、炭窒化物及び酸化物を形成する。その結果、Al2O3皮膜の形成を促進する。一方、Sn含有量が高すぎれば、鋼中の短窒化物及び酸化物の体積率が過剰に高くなり、熱間加工性が低下する。したがって、Sn含有量は0.0001~0.1000%である。Sn含有量の好ましい下限は0.0010%であり、さらに好ましくは0.0020%である。Sn含有量の好ましい上限は0.0500%であり、さらに好ましくは0.0100%である。
砒素(As)は熱処理工程中及び高温浸炭環境下で、Al2O3形成の阻害要因となるC、N、Oと結合し、炭窒化物及び酸化物を形成する。その結果、Al2O3皮膜の形成を促進する。一方、As含有量が高すぎれば、鋼中の短窒化物及び酸化物の体積率が過剰に高くなり、熱間加工性が低下する。したがって、As含有量は0.0001~0.1000%である。As含有量の好ましい下限は0.0010%であり、さらに好ましくは0.0020%である。As含有量の好ましい上限は0.0500%であり、さらに好ましくは0.0100%である。
上述のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ti、Mo、W、B、V及びCuからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、いずれも鋼のクリープ強度を高める。
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Tiは、析出強化相となる金属間化合物(ラーベス相及びNi3Ti相)を形成して、析出強化によりクリープ強度を高める。一方、Ti含有量が高すぎれば、金属間化合物が過剰に生成して、高温延性及び熱間加工性が低下する。Ti含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の靭性が低下する。したがって、Ti含有量は0~0.20%未満である。Ti含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは、0.010%である。Ti含有量の好ましい上限は0.15%であり、さらに好ましくは、0.10%である。
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは、母相であるオーステナイトに固溶する。固溶したMoは、固溶強化によりクリープ強度を高める。一方、Mo含有量が高すぎれば、熱間加工性が低下する。したがって、Mo含有量は0~0.10%である。Mo含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Mo含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.05%である。
タングステン(W)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Wは、母相であるオーステナイトに固溶する。固溶したWは、固溶強化によりクリープ強度を高める。一方、W含有量が高すぎれば、熱間加工性が低下する。したがって、W含有量は0~0.20%である。W含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。W含有量の好ましい上限は0.15%であり、さらに好ましくは0.10%である。
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは粒界に偏析して、粒界での金属間化合物の析出を促進する。これにより、鋼のクリープ強度を高める。一方、B含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、B含有量は0~0.1000%である。B含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。B含有量の好ましい上限は0.0800%であり、さらに好ましくは0.0600%である。
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Vは、Tiと同様に金属間化合物を形成し、鋼のクリープ強度を高める。一方、V含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の堆積率が過剰に高くなり、熱間加工性が低下する。したがって、V含有量は0~0.500%である。V含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%である。V含有量の好ましい上限は0.300%であり、さらに好ましくは0.100%である。
銅(Cu)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Cuはオーステナイトを安定化する。Cuはさらに、析出強化により鋼の強度及びクリープ強度を高める。一方で、Cu含有量が高すぎれば、鋼の延性及び熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0~5.0%である。Cu含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Cu含有量の好ましい上限は3.0%であり、さらに好ましくは1.0%である。
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは、Sを硫化物として固定し、熱間加工性を高める。一方、Ca含有量が高すぎれば、靱性及び延性が低下する。そのため、熱間加工性が低下する。Ca含有量が高すぎればさらに、清浄性が低下する。したがって、Ca含有量は0~0.0500%である。Caの好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0300%であり、さらに好ましくは0.0100%である。
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは、Sを硫化物として固定し、鋼の熱間加工性を高める。一方、Mg含有量が高すぎれば、靱性及び延性が低下する。そのため、熱間加工性が低下する。Mg含有量が高すぎればさらに、清浄性が低下する。したがって、Mg含有量は0~0.0500%である。Mgの好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。Mg含有量の好ましい上限は0.0300%であり、さらに好ましくは0.0100%である。
希土類元素(REM)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、REMは、Sを硫化物として固定し、熱間加工性を高める。REMはさらに、酸化物を形成して、耐食性、クリープ強度、及びクリープ延性を高める。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、酸化物等の介在物が多くなり、熱間加工性及び溶接性を低下させ、製造コストが上昇する。したがって、REM含有量は0~0.1000%である。REM含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.0010%である。REM含有量の好ましい上限は0.0900%であり、さらに好ましくは0.0800%である。
窒素(N)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nは、オーステナイトを安定化する。一方、N含有量が高すぎれば、熱処理後でも未固溶で残存する粗大な窒化物及び/又は炭窒化物が生成する。粗大な窒化物及び/又は炭窒化物は鋼の靱性を低下する。したがって、N含有量は0~0.030%である。Nの好ましい下限は0.0005%である。Nの好ましい上限は0.010%である。
本実施形態のオーステナイト系ステンレス鋼は式(1)を満たす。
0.06≦1.96×Zr+Hf+1.50×Sn+2.38×As≦0.55 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
以下、本実施形態のオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法の一例として、鋼管の製造方法を説明する。
上述の化学組成を有する溶鋼を製造する。溶鋼に対して、必要に応じて周知の脱ガス処理を実施する。溶鋼を用いて、鋳造により素材を製造する。素材は、造塊法によるインゴットであってもよいし、連続鋳造法によるスラブやブルーム、ビレット等の鋳片であってもよい。素材に対して、酸洗処理後に、ショット加工及び/又は切削加工を実施してもよい。
製造された素材に対して熱間鍛造を実施して円柱素材を製造してもよい。熱間鍛造を実施すれば、準備工程で製造した溶鋼の内部組織を、凝固組織から均質な整粒組織へと変化させることができる。熱間鍛造の温度は特に限定されないが、たとえば、900~1300℃である。
準備工程で製造された素材、又は熱間鍛造された素材(円柱素材)に対して熱間加工を実施して、鋼素管を製造してもよい。たとえば、機械加工により円柱素材中心に貫通孔を形成する。貫通孔が形成された円柱素材に対して熱間押出を実施して、鋼素管を製造する。熱間押出の加工温度は特に限定されないが、たとえば900~1300℃である。円柱素材を穿孔圧延(マンネスマン法等)して鋼素管を製造してもよい。
熱間加工後の鋼素管に対して冷間加工を実施し、中間材を製造してもよい。冷間加工はたとえば、冷間引抜等である。冷間加工工程において鋼表面に歪を付与すれば、Alが鋼表面に移動しやすくなる。冷間加工の加工率は特に限定されないが、たとえば10~90%である。
準備工程で製造された素材、熱間加工後の鋼素管、又は、冷間加工後の中間材に対して、溶体化処理として、大気雰囲気で熱処理を実施してもよい。大気雰囲気での熱処理により、組織中の結晶粒を再結晶させ、均一な整粒組織を得ることができる。
表1に示す化学組成を有する溶鋼を、真空溶解炉を用いて製造した。表1において、REMとは、La、Ce及びNdの検出量の総和である。
得られた中間材から、機械加工により8mm×20mm×30mmの試験片を製造した。試験片に対して、#600エメリー湿式研磨紙を用いて、全面を研磨仕上げした。研磨仕上げ後、アセトン中で超音波脱脂を行った。各試験番号の試験片を、67vol.%H2-30vol.%CH4-3vol.%CO2雰囲気にて1100℃×96時間保持した。浸炭後の試験片表面を#600研磨紙で乾式手研磨して、表面のスケール等を除去した。スケール除去後の試験片表面から0.5mmピッチで4層分の分析切粉を採取した。得られた分析切粉について、高周波燃焼赤外吸収法にてC濃度を測定した。測定結果から、鋼に元から含有されているC濃度を差し引いて、侵入C量とした。4層分の侵入C量の平均を、平均侵入C量(質量%)とした。結果を表2の「平均侵入C量(質量%)」に示す。
上記で得られた中間材から、クリープ試験片を作製した。クリープ試験片は、中間材の中心部から円柱長さ方向に平行に採取した。クリープ試験片は丸棒試験片であり、平行部の直径は6mm、評点間距離は30mmであった。得られたクリープ試験片を用いて、クリープ破断試験を実施した。クリープ破断試験は、1000℃の大気雰囲気において、15MPaの引張り負荷をかけて実施した。破断時間が1.0×103時間以上のものを合格(○)とした。破断時間が1.0×103時間未満のものを不合格(×)とした。結果を表2の「高温クリープ強度」に示す。
表1及び表2を参照して、鋼種A~鋼種J及び鋼種V~鋼種DDは、各元素の含有量が適切であり、FN1が式(1)を満たす化学組成を有した。その結果、侵入Cは0.20%以下であり、優れた耐浸炭性を示した。鋼種A~鋼種J及び鋼種V~鋼種DDはさらに、1000℃でのクリープ破断試験の破断時間が1.0×103時間以上であり、高い高温クリープ強度を示した。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.250~0.700%、
Si:0.01~2.00%、
Mn:2.00%以下、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Cr:10.00~25.00%未満、
Ni:30.00~60.00%、
Al:2.50%超~3.50%、
Nb:0.20~3.50%、
Zr:0.0001~0.1000%、Hf:0.0001~0.1000%、Sn:0.0001~0.1000%及びAs:0.0001~0.1000%からなる群から選択される1種又は2種以上、
Ti:0~0.20%未満、
Mo:0~0.10%、
W:0~0.20%、
B:0~0.1000%、
V:0~0.500%、
Cu:0~5.0%、
Ca:0~0.0500%、
Mg:0~0.0500%、
REM:0~0.1000%、
N:0~0.030%、及び、
残部はFe及び不純物からなり、式(1)を満たす化学組成を有する、オーステナイト系ステンレス鋼。
0.06≦1.96×Zr+Hf+1.50×Sn+2.38×As≦0.55 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ti:0.005~0.20%未満、
Mo:0.005~0.10%、
W:0.005~0.20%、
B:0.0001~0.1000%、
V:0.001~0.500%、及び、
Cu:0.005~5.0%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、オーステナイト系ステンレス鋼。 - 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ca:0.0001~0.0500%、
Mg:0.0001~0.0500%、及び、
REM:0.0005~0.1000%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、オーステナイト系ステンレス鋼。 - 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記化学組成は、質量%で、
N:0.0005~0.030%を含有する、オーステナイト系ステンレス鋼。
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