JP7116207B2 - 3-ヒドロキシイソ吉草酸の一価カチオン塩の結晶および該結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)HMBの一価カチオン塩の結晶。
(2)一価カチオン塩が、ナトリウム塩である、上記(1)の結晶。
(3)一価カチオン塩が、カリウム塩である、上記(1)の結晶。
(4)一価カチオン塩が、アンモニウム塩である、上記(1)の結晶。
(5)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、8.4±0.2°、6.6±0.2°、19.7±0.2°、13.3±0.2°、および29.4±0.2°にピークを有する、上記(2)の結晶。
(6)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、35.1±0.2°、17.3±0.2°、24.5±0.2°、17.8±0.2°、および29.9±0.2°にピークを有する、上記(5)の結晶。
(7)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、16.6±0.2°、23.9±0.2°、18.8±0.2°、18.0±0.2°、および25.3±0.2°にピークを有する、上記(6)の結晶。
(8)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、6.7±0.2°、13.3±0.2°、および20.0±0.2°にピークを有する、上記(2)の結晶。
(9)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、6.0±0.2°、47.7±0.2°、40.6±0.2°、26.7±0.2°、および12.0±0.2°にピークを有する、上記(8)の結晶。
(10)およそ-180℃で測定した場合、次の概略的単位胞パラメーター:a=10.6679Å;b=5.8862Å;c=26.736Å;α=90°;β=97.966°;γ=90°;V=1662.6Å3;Z=8;を有し、計算密度(Dcalc、gcm-3)が1.407gcm-3であり;かつ空間群がC2/c;である、上記(8)または(9)の結晶。
(11)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、9.0±0.2°、27.1±0.2°、23.8±0.2°、16.1±0.2°、および22.9±0.2°にピークを有する、上記(3)の結晶。
(12)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、30.7±0.2°、8.1±0.2°、6.4±0.2°、32.1±0.2°、および28.5±0.2°にピークを有する、上記(11)の結晶。
(13)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、40.1±0.2°、31.1±0.2°、24.6±0.2°、18.7±0.2°、および34.4±0.2°にピークを有する、上記(12)の結晶。
(14)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、19.9±0.2°、21.1±0.2°、29.9±0.2°、17.3±0.2°、および18.0±0.2°にピークを有する、上記(4)の結晶。
(15)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、25.6±0.2°、8.6±0.2°、18.2±0.2°、39.6±0.2°、および40.5±0.2°にピークを有する、上記(14)の結晶。
(16)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに、28.8±0.2°、39.7±0.2°、18.6±0.2°、15.5±0.2°、および14.3±0.2°にピークを有する、上記(15)の結晶。
(17)pHが4.0~10.0である一価カチオン含有化合物を含むHMBの水溶液を20~60℃で減圧濃縮することにより、該水溶液中にHMB一価カチオン塩・無水和物の結晶を析出させる工程、及び、該水溶液からHMB一価カチオン塩の結晶を採取する工程、を含むHMB一価カチオン塩の結晶の製造方法。
(18)pHが4.0~10.0である一価カチオン含有化合物を含むHMBの水溶液に、種晶としてHMB一価カチオン塩の結晶を添加する工程、該水溶液中にHMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程、及び、該水溶液からHMB一価カチオン塩の結晶を採取する工程、を含むHMB一価カチオン塩の結晶の製造方法。
(19)HMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程が、ニトリル類及びケトン類からなる群より選ばれる溶媒を添加または滴下することにより、HMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程である、上記(18)の製造方法。
(20)ニトリル類が、アセトニトリルであり、ケトン類が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびジエチルケトンからなる群より選ばれる溶媒である、上記(19)の製造方法。
(21)一価カチオン含有化合物が、ナトリウム含有化合物であり、一価カチオン塩が、ナトリウム塩である、上記(17)~(20)のいずれか1つの製造方法。
(22)一価カチオン含有化合物が、カリウム含有化合物であり、一価カチオン塩が、カリウム塩である、上記(17)~(20)のいずれか1つの製造方法。
(23)一価カチオン含有化合物が、アンモニウム含有化合物であり、一価カチオン塩が、アンモニウム塩である、上記(17)~(20)のいずれか1つの製造方法。
本発明の結晶は、HMBの一価カチオン塩の結晶であり、より具体的にはHMBナトリウム塩、HMBカリウム塩、および、HMBアンモニウム塩(以下、「本発明の結晶」ともいう。)である。本発明の結晶がHMBの結晶であることは、後述の分析例に記載のHPLCを用いた方法により確認することができる。
(i)8.4±0.2°、好ましくは8.4±0.1°、6.6±0.2°、好ましくは6.6±0.1°、19.7±0.2°、好ましくは19.7±0.1°、13.3±0.2°、好ましくは13.3±0.1°、および29.4±0.2°、好ましくは29.4±0.1°
(ii)35.1±0.2°、好ましくは35.1±0.1°、17.3±0.2°、好ましくは17.3±0.1°、24.5±0.2°、好ましくは24.5±0.1°、17.8±0.2°、好ましくは17.8±0.1°、および29.9±0.2°、好ましくは29.9±0.1°
(iii)16.6±0.2°、好ましくは16.6±0.1°、23.9±0.2°、好ましくは23.9±0.1°、18.8±0.2°、好ましくは18.8±0.1°、18.0±0.2°、好ましくは18.0±0.1°、および25.3±0.2°、好ましくは25.3±0.1°
(iv)6.7±0.2°、好ましくは6.7±0.1°、13.3±0.2°、好ましくは13.3±0.1°、20.0±0.2°、好ましくは20.0±0.1°
(v)6.0±0.2°、好ましくは6.0±0.1°、47.7±0.2°、好ましくは47.7±0.1°、40.6±0.2°、好ましくは40.6±0.1°、26.7±0.2°、好ましくは26.7±0.1°、および12.0±0.2°、好ましくは12.0±0.1°
(vi)9.0±0.2°、好ましくは9.0±0.1°、27.1±0.2°、好ましくは27.1±0.1°、23.8±0.2°、好ましくは23.8±0.1°、16.1±0.2°、好ましくは16.1±0.1°、および22.9±0.2°、好ましくは22.9±0.1°
(vii)30.7±0.2°、好ましくは30.7±0.1°、8.1±0.2°、好ましくは8.1±0.1°、6.4±0.2°、好ましくは6.4±0.1°、32.1±0.2°、好ましくは32.1±0.1°、および28.5±0.2°、好ましくは28.5±0.1°
(viii)40.1±0.2°、好ましくは40.1±0.1°、31.1±0.2°、好ましくは31.1±0.1°、24.6±0.2°、好ましくは24.6±0.1°、18.7±0.2°、好ましくは18.7±0.1°、および34.4±0.2°、好ましくは34.4±0.1°
(ix)19.9±0.2°、好ましくは19.9±0.1°、21.1±0.2°、好ましくは21.1±0.1°、29.9±0.2°、好ましくは29.9±0.1°、17.3±0.2°、好ましくは17.3±0.1°、および18.0±0.2°、好ましくは18.0±0.1°
(x)25.6±0.2°、好ましくは25.6±0.1°、8.6±0.2°、好ましくは8.6±0.1°、18.2±0.2°、好ましくは18.2±0.1°、39.6±0.2°、好ましくは39.6±0.1°、および40.5±0.2°、好ましくは40.5±0.1°
(xi)28.8±0.2°、好ましくは28.8±0.1°、39.7±0.2°、好ましくは39.7±0.1°、18.6±0.2°、好ましくは18.6±0.1°、15.5±0.2°、好ましくは15.5±0.1°、および14.3±0.2°、好ましくは14.3±0.1°
本発明の結晶の製造方法は、以下に記載の製造方法(以下、「本発明の結晶の製造方法」ともいう。)である。
該水溶液は、HMBの濃度が通常500g/L以上、好ましくは600g/L以上、より好ましくは700g/L以上、最も好ましくは800g/L以上となるように調製することができる。
乾燥温度としては、付着水分や溶媒を除去できる範囲ならばいずれでもよいが、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下を挙げることができる。
(1)粉末X線回折
粉末X線回折装置(XRD)Ultima IV(リガク社製)を用い、測定は使用説明書に従って行った。
(2)濃度・純度測定
以下のHPLC分析条件を用いてHMB濃度および純度を測定した。ガードカラムShodex SUGAR SH-G φ6.0×50mmカラム:SUGAR SH1011 φ8.0×300mm×2本直列カラム温度:60℃緩衝液:0.005mol/Lの硫酸水溶液流速:0.6mL/min検出器:UV検出器(波長210nm)
(3)カールフィッシャー法による結晶の水分含量の測定
自動水分測定装置AQV-2200(平沼産業社製)を用い、使用説明書に従って、結晶の水分含量を測定した。
(4)ナトリウム含量、およびカリウム含量の測定
原子吸光光度計Z-2310(日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、HMBナトリウム塩の結晶を1mol/Lの硝酸に溶解し、使用説明書に従って、結晶中に含まれるナトリウムイオンの濃度を測定した。
(5)アンモニウム含量の測定
蛍光検出器を有するHPLCを用いてアンモニウム含量をフタルアルデヒド(OPA)法で測定した。
(6)融点の測定
Melting Point M-565(BUCHI社製)を用い、使用説明書に従って、以下の条件を用いて融点を測定した。・60℃~170℃、1℃/min・30℃~250℃、2.5℃/min(HMB Na塩2水和物)
(7)赤外分光(IR)分析
FTIR-8400型(島津製作所製)を用い、使用説明書に従って行った。
(8)単結晶X線構造解析
XtaLAB PRO(リガク社製)を用い、使用説明書に従って行った。
フリー体換算で76.5gの試薬HMBカルシウム塩を850mLの水に溶解させた。該水溶液を、640mLの強カチオン性交換樹脂XUS-40232.01(H+)に通液して脱Caを行い、フリー体76.4g含有する溶液1.25Lを取得した。
参考例1で得られたHMBフリー体水溶液200mLに、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を104mL加え、pHを8.84に調整した。得られた水溶液のうち100mLを次の工程に供した。
参考例1で得られたHMBフリー体水溶液200mLに、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を104mL加え、pHを8.84に調整した。得られた水溶液のうち200mLを次の工程に供した。
参考例1の手法に従って得られるHMBフリー体210.1gを含む水溶液4.6Lに、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを7.92に調整した。当該水溶液を濃縮して340.6gの水溶液とし、実施例1で得られたHMBナトリウム塩の結晶を種結晶として35℃下で1g添加して結晶を析出させた。
実施例3で取得された結晶の構造を決定するために単結晶X線回折(SXRD)を用いた。その結果を表7にまとめる。その結果から、HMB・ナトリウム塩結晶が、単位格子内に水分子を有する2水和物であることが確認された。
参考例1で得られたHMBフリー体水溶液200mLに、1mol/L水酸化カリウム水溶液を114mL加え、pHを8.85に調整した。当該水溶液314mLを50℃、10mbar下で減圧濃縮し、溶媒を除去することによってHMBカリウム塩結晶を自然起晶させた。当該結晶スラリーをさらに真空乾燥させることにより、14.8gの結晶を得た。
参考例1で得られたHMBフリー体水溶液20mLに、1.4Mアンモニア水溶液を8.5mL加え、pHを7.90に調整した。当該水溶液28.5mLを濃縮して1.6mLとし、アセトニトリル5mLを添加して該水溶液を室温下で30分静置して結晶を析出させた。結晶スラリーを室温下でさらに1時間撹拌した後に、当該結晶を濾取し、0.4gの種結晶を得た。
参考例1で得られたHMBフリー体水溶液200mLに、1.4Mアンモニア水溶液を64mL加え、pHを7.75に調整した。
実施例2、5、および7で得られたHMB一価カチオン塩・無水和物の結晶を室温下で水に溶け残るまでそれぞれ添加し、十分な時間、撹拌保持した後、結晶を含まない上澄み液を採取し、HPLC用いてHMB濃度を測定した。測定結果を表12に示す。
実施例2、5、および7で得られたHMB一価カチオン塩結晶・無水和物をフリー体換算で100g/L溶液とし、0.2Mのリン酸緩衝液(pH6.80)と任意の混合比率で混合した。混合した後の液の光透過率(660nm)を測定し、不溶性塩の形成有無を評価した。その結果を表13に示す。表13において、「-」は未評価であることを示す。
実施例2で得られたHMBナトリウム塩・無水和物をフリー体換算で終濃度0、0.11、0.21および0.42重量/体積%となるよう、末梢静脈栄養用糖アミノ酸電解質輸液剤[pH約6.7、製品名:アミノフリード輸液(株式会社大塚製薬工場)]に混合した直後及び室温放置24時間後の光透過率T%(660nm)を紫外可視分光光度計により測定し、不溶性塩の形成の有無を評価した。その結果を表14に示す。
実施例2で得られたHMBナトリウム塩・無水和物をフリー体換算で終濃度0、および0.42重量/体積%となるよう、リン酸イオンを含まない、糖電解質輸液製剤[製品名:ソリタT3号輸液(エイワイファーマ株式会社)]に混合し、腸管擦過術により手術侵襲を加えたラットに対して標準的用量(240mL/kg/日)で3日間持続投与した。最終投与日に24時間の畜尿を行った尿を採取し、尿中電解質濃度を測定した。その結果を表15および表16に示す。
Claims (3)
- (i)pHが4.0~10.0である一価カチオン含有化合物を含むHMBの水溶液を20~60℃で減圧濃縮することにより、前記水溶液中に前記HMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程、及び、前記水溶液からHMB一価カチオン塩の結晶を採取する工程を含むか、または
(ii)pHが4.0~10.0である一価カチオン含有化合物を含むHMBの水溶液に、種晶としてHMB一価カチオン塩の結晶を添加する工程、前記水溶液中に前記HMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程、及び、前記水溶液からHMB一価カチオン塩の結晶を採取する工程を含む、HMB一価カチオン塩の結晶の製造方法であって、
前記一価カチオン含有化合物、前記一価カチオン塩および前記HMB一価カチオンの結晶が以下の(a)または(b)である、製造方法。
(a)前記一価カチオン含有化合物がナトリウム含有化合物であり、前記一価カチオン塩がナトリウム塩であり、前記HMB一価カチオン塩の結晶が粉末X線回折において、回折角(2θ)が、8.4±0.2°、6.6±0.2°、19.7±0.2°、13.3±0.2°、および29.4±0.2°にピークを有する結晶である
(b)前記一価カチオン含有化合物がナトリウム含有化合物であり、前記一価カチオン塩がナトリウム塩であり、前記HMB一価カチオン塩の結晶が粉末X線回折において、回折角(2θ)が、6.7±0.2°、13.3±0.2°、および20.0±0.2°にピークを有する結晶である - 前記HMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程が、ニトリル類及びケトン類からなる群より選ばれる溶媒を添加または滴下することにより、HMB一価カチオン塩の結晶を析出させる工程である、請求項1に記載の製造方法。
- ニトリル類が、アセトニトリルであり、ケトン類が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびジエチルケトンからなる群より選ばれる溶媒である、請求項2に記載の製造方法。
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