JP7188168B2 - 電解液及び二次電池 - Google Patents
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Description
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、電池特性に優れる二次電池を提供するために、好適な電解液を提供することを目的とする。
本発明者は、まず、負極と電解液との関係について検討を行った。
ただし、他の非水溶媒としては、電荷担体との配位能力が高い多座配位子である特定のエーテル(以下、第2エーテルということがある。)を選定した。その理由は、第2エーテルが電荷担体と優先的に錯体を形成することで、充放電時における電解液の化学的な安定性が向上すると考えたからである。
ここで、本発明者は、電解液のイオン伝導度をさらに向上させるために、鎖状の第3エーテルを加えることを想起した。そして、本発明者の鋭意検討の結果、6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテル及び第3エーテルの配合割合には、好適な比率が存在することを知見した。
電解質と、アルキル基で置換されていてもよい6員環の環状エーテルと、下記一般式(A)で表される第2エーテルと、下記一般式(B)で表される鎖状の第3エーテルと、を含有し、
前記環状エーテルの体積、前記第2エーテルの体積及び前記第3エーテルの体積の合計に対して、前記環状エーテルの体積が30~80体積%であり、前記第2エーテルの体積が15~60体積%であり、前記第3エーテルの体積が1~15体積%であることを特徴とする。
一般式(A) R1(OCH2CH2)nOR2
R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。R1及びR2は互いに結合して環を形成していてもよい。nは2以上の整数である。
一般式(B) R3OR4
R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。
電解質と、アルキル基で置換されていてもよい6員環の環状エーテル(以下、単に「6員環の環状エーテル」ということがある。)と、下記一般式(A)で表される第2エーテルと、下記一般式(B)で表される鎖状の第3エーテルと、を含有し、
前記環状エーテルの体積、前記第2エーテルの体積及び前記第3エーテルの体積の合計に対して、前記環状エーテルの体積が30~80体積%であり、前記第2エーテルの体積が15~60体積%であり、前記第3エーテルの体積が1~15体積%であることを特徴とする。
一般式(A) R1(OCH2CH2)nOR2
R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。R1及びR2は互いに結合して環を形成していてもよい。nは2以上の整数である。
一般式(B) R3OR4
R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。
リチウムイオン二次電池に用いられる電解質としては、ホウ酸リチウム塩、スルホンイミドリチウム塩、スルホン酸リチウム塩、リン酸リチウム塩、過塩素酸リチウム塩などのリチウム塩を例示できる。リチウム塩としては、分子内にフッ素を含有するものが好ましい。
一般式(1) LiBF4-mRm
一般式(1)において、mは0、1、2、3、4のいずれかである。RはCnHaFbである。n、a、bはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+bを満たす。
一般式(2) (RSO2)2NLi
一般式(2)において、Rは、それぞれ独立に、CnHaFbである。n、a、bはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+bを満たす。また、2つのRは、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+bを満たす。
一般式(3) RSO3Li
一般式(3)において、RはCnHaFbである。n、a、bはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+bを満たす。
しかし、ラジカルが生じた炭素は、それまでのsp3混成軌道から、sp2混成軌道へと変換する。sp2混成軌道における3つの結合は、同一の平面上に存在するのが理想的である。
かかる熱エネルギー的に不安定な立体構造が、6員環の環状エーテルをラジカル化するためのエネルギー障壁となっていると考えられる。
6員環の炭素に結合し得るアルキル基としては、炭素数1~6のものが好ましく、炭素数1~4のものがより好ましく、炭素数1~2のものがさらに好ましい。
エーテルの酸素に隣接する炭素にアルキル基が結合した場合には、当該炭素はO-CH(アルキル基)-CH2との構造になる。ここで、酸素とアルキル鎖で挟まれたCH基においては、隣接する酸素と隣接するアルキル鎖が及ぼす隣接基相互作用に因り、ラジカルが安定化されるため、ラジカルが生じ易いと考えられている。よって、エーテルの酸素に隣接する炭素にアルキル基が結合した6員環の環状エーテルは、比較的ラジカルが発生しやすいと推定される。
なお、6員環の環状エーテルとしては、1種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
R1及びR2が互いに結合して環を形成する場合、すなわち、いわゆるクラウンエーテルの場合のnとしては、3~5の整数を例示できる。
なお、第2エーテルとしては、1種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
なお、第3エーテルとしては、1種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
集電体としては、正極で説明したものを適宜適切に採用すればよい。
3CaSi2+6HCl → Si6H6+3CaCl2
Si6H6 → 6Si+3H2↑
なお、本明細書における平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で試料を測定した場合におけるD50を意味する。
例えば、正極と負極とでセパレータを挟持して電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までを、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に本発明の電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。
4-メチルテトラヒドロピランにLiBF4を溶解して、LiBF4の濃度が1.5mol/Lである参考例1の電解液を製造した。
4-メチルテトラヒドロピランに(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1.5mol/Lである参考例2の電解液を製造した。
参考例2の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
4-メチルテトラヒドロピランに(CF3SO2)2NLiを溶解して、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.5mol/Lである参考例3の電解液を製造した。
参考例3の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
4-メチルテトラヒドロピランに(C2F5SO2)2NLiを溶解して、(C2F5SO2)2NLiの濃度が1.5mol/Lである参考例4の電解液を製造した。
参考例4の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例4のリチウムイオン二次電池を製造した。
4-メチルテトラヒドロピランにCF3SO3Liを溶解して、CF3SO3Liの濃度が1.5mol/Lである参考例5の電解液を製造した。
参考例5の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例5のリチウムイオン二次電池を製造した。
4-メチルテトラヒドロピランにC4F9SO3Liを溶解して、C4F9SO3Liの濃度が1.5mol/Lである参考例6の電解液を製造した。
参考例6の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例6のリチウムイオン二次電池を製造した。
LiBF4を含有する参考例1の電解液に対して、LiBF4と等モルの(ジフルオロメチル)トリメチルシランを加えて反応液とし、これを室温で12時間撹拌した後に、50℃で8時間撹拌した。反応液を冷却して、LiBF3(CHF2)を濃度1.5mol/Lで含有する参考例7の電解液とした。
参考例7の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例7のリチウムイオン二次電池を製造した。
なお、上記の反応における反応式は以下のとおりである。副生するFSiMe3は低沸点なので反応系外に移動する。
LiBF4+(CHF2)SiMe3 → LiBF3(CHF2)+FSiMe3↑
LiBF4を含有する参考例1の電解液に対して、LiBF4と等モルの(トリフルオロメチル)トリメチルシランを加えて反応液とし、これを室温で12時間撹拌した後に、50℃で8時間撹拌した。反応液を冷却して、LiBF3(CF3)を濃度1.5mol/Lで含有する参考例8の電解液とした。
参考例8の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例8のリチウムイオン二次電池を製造した。
なお、上記の反応における反応式は以下のとおりである。副生するFSiMe3は低沸点なので反応系外に移動する。
LiBF4+(CF3)SiMe3 → LiBF3(CF3)+FSiMe3↑
LiBF4を含有する参考例1の電解液に対して、LiBF4と等モルの(ペンタフルオロエチル)トリメチルシランを加えて反応液とし、これを室温で6時間撹拌した後に、60℃で8時間撹拌した。反応液を冷却して、LiBF3(C2F5)を濃度1.5mol/Lで含有する参考例9の電解液とした。
参考例9の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例9のリチウムイオン二次電池を製造した。
なお、上記の反応における反応式は以下のとおりである。副生するFSiMe3は低沸点なので反応系外に移動する。
LiBF4+(C2F5)SiMe3 → LiBF3(C2F5)+FSiMe3↑
LiBF4を含有する参考例1の電解液に対して、LiBF4と等モルの(ヘプタフルオロプロピル)トリメチルシランを加えて反応液とし、これを室温で6時間撹拌した後に、60℃で8時間撹拌した。反応液を冷却して、LiBF3(C3F7)を濃度1.5mol/Lで含有する参考例10の電解液とした。
参考例10の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例10のリチウムイオン二次電池を製造した。
なお、上記の反応における反応式は以下のとおりである。副生するFSiMe3は低沸点なので反応系外に移動する。
LiBF4+(C3F7)SiMe3 → LiBF3(C3F7)+FSiMe3↑
LiBF4を含有する参考例1の電解液に対して、LiBF4の2倍モルに相当する(トリフルオロメチル)トリメチルシランを加えて反応液とし、これを室温で12時間撹拌した後に、50℃で8時間撹拌した。反応液を冷却して、LiBF2(CF3)2を濃度1.5mol/Lで含有する参考例11の電解液とした。
参考例11の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例11のリチウムイオン二次電池を製造した。
なお、上記の反応における反応式は以下のとおりである。副生するFSiMe3は低沸点なので反応系外に移動する。
LiBF4+2(CF3)SiMe3 → LiBF2(CF3)2+2FSiMe3↑
フルオロエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:9で混合して混合溶媒とした。混合溶媒にLiPF6を混合して、LiPF6の濃度が2mol/Lである参考比較例1の電解液を製造した。
参考比較例1の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考比較例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
テトラヒドロフランにLiBF4を溶解して、LiBF4の濃度が1.5mol/Lである参考比較例2の電解液を製造した。
参考比較例2の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考比較例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
シクロペンチルメチルエーテルにLiBF4を溶解して、LiBF4の濃度が2mol/Lである参考比較例3の電解液を製造した。
参考比較例3の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考比較例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
テトラヒドロフランに(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである参考比較例4の電解液を製造した。
参考比較例4の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考比較例4のリチウムイオン二次電池を製造した。
1,2-ジメトキシエタンに(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである参考比較例5の電解液を製造した。
参考比較例5の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考比較例5のリチウムイオン二次電池を製造した。
各リチウムイオン二次電池に対して、0.2mAで0.01Vまで充電し、0.2mAで1.0Vまで放電を行うとの初回充放電を行った。さらに、各リチウムイオン二次電池に対して、0.5mAで0.01Vまで充電し、0.5mAで1.0Vまで放電を行うとの充放電サイクルを20回繰り返した。
なお、本評価例では、Si含有負極活物質がリチウムを吸蔵する印加を充電といい、Si含有負極活物質がリチウムを放出する印加を放電という。
初期効率(%)=100×(初回放電容量)/(初回充電容量)
容量維持率(%)=100×(20サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)
なお、以下の表において、MTHPとは4-メチルテトラヒドロピランの略称であり、FECとはフルオロエチレンカーボネートの略称であり、DECとはジエチルカーボネートの略称であり、THFとはテトラヒドロフランの略称であり、CPMEとはシクロペンチルメチルエーテルの略称であり、DMEとは1,2-ジメトキシエタンの略称である。
しかしながら、参考例のリチウムイオン二次電池の方が参考比較例1のリチウムイオン二次電池よりも優れた容量維持率を示したことから、参考比較例1のリチウムイオン二次電池においては、SEI被膜がSi含有負極活物質と電解液との直接接触を防止したものの、SEI被膜に含まれるCO3基などの酸化性の成分に因り、Si含有負極活物質が酸化して、劣化したと推定される。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン及び第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3を、体積比95:5で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである参考例12の電解液を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン及び第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3を、体積比90:10で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである参考例13の電解液を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン及び第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3を、体積比80:20で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである参考例14の電解液を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン及び第2エーテルである12-クラウン-4を、体積比90:10で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである参考例15の電解液を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピランに(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである参考例16の電解液を製造した。
参考例12~参考例16の電解液につき、以下の条件で、イオン伝導度と、粘度を測定した。結果を表3に示す。
<イオン伝導度>
白金極を備えたセルに電解液を封入し、25℃、10kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
<粘度>
B型粘度計(Brookfield社、DV2T)にて、コーン型スピンドルを用い、スピンドル回転速度20rpm、25℃の条件で測定した。
参考例12~参考例15の電解液においては、第2エーテルを加えることで電解液の粘度が上昇している。そのため、イオンの移動が物理的に困難になると予想されるにも関わらず、参考例12~参考例15の電解液のイオン伝導度が向上していることは非常に興味深い。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比60:30:10で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである実施例1の電解液を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2CH2OCH2CH3を、体積比60:30:10で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の電解液を製造した。
実施例2の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCHF2CF2OCH2CF2CHF2を、体積比60:30:10で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の電解液を製造した。
実施例3の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比50:40:10で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の電解液を製造した。
実施例4の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比50:45:5で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5の電解液を製造した。
実施例5の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比40:55:5で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6の電解液を製造した。
実施例6の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)4OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比60:35:5で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7の電解液を製造した。
実施例7の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)4OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比50:45:5で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8の電解液を製造した。
実施例8の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、及び、1,2-ジメトキシエタンを、体積比70:30で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の電解液を製造した。
比較例1の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比50:30:20で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の電解液を製造した。
比較例2の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2CH2OCH2CH3を、体積比50:30:20で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3の電解液を製造した。
比較例3の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCHF2CF2OCH2CF2CHF2を、体積比50:30:20で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4の電解液を製造した。
比較例4の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比40:30:30で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例5の電解液を製造した。
比較例5の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例5のリチウムイオン二次電池を製造した。
第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである比較例6の電解液を製造した。
比較例6の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例6のリチウムイオン二次電池を製造した。
第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)2OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比80:20で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例7の電解液を製造した。
比較例7の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例7のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比60:40で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例8の電解液を製造した。
比較例8の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例8のリチウムイオン二次電池を製造した。
第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)4OCH3に(FSO2)2NLi及びLiBF2(C2O4)を溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1mol/Lであり、LiBF2(C2O4)の濃度が0.05mol/Lである比較例9の電解液を製造した。
比較例9の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例9のリチウムイオン二次電池を製造した。
第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)4OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比80:20で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例10の電解液を製造した。
比較例10の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例10のリチウムイオン二次電池を製造した。
6員環の環状エーテルである4-メチルテトラヒドロピラン、第2エーテルであるCH3(OCH2CH2)4OCH3、及び、第3エーテルであるCH3CH2CH2OCH2CH2CH3を、体積比85:10:5で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例11の電解液を製造した。
比較例11の電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例11のリチウムイオン二次電池を製造した。
以下の表において、MTHPとは4-メチルテトラヒドロピランの略称であり、G2とはCH3(OCH2CH2)2OCH3の略称であり、G4とはCH3(OCH2CH2)4OCH3の略称であり、DPEとはCH3CH2CH2OCH2CH2CH3の略称であり、BEEとはCH3CH2CH2CH2OCH2CH3の略称であり、HFEとはCHF2CF2OCH2CF2CHF2の略称であり、DMEとは1,2-ジメトキシエタンの略称である。
実施例1~実施例8の電解液、及び、比較例1~比較例11の電解液につき、以下の条件で、イオン伝導度を測定した。結果を表5に示す。
<イオン伝導度>
白金極を備えたセルに電解液を封入し、25℃、10kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
実施例1~実施例8のリチウムイオン二次電池、及び、比較例1~比較例11のリチウムイオン二次電池に対して、0.5mAの電流で4.35Vまで充電し、10分間の休止後に0.5mAの電流で3.0Vまで放電を行うとの充放電サイクルを20回繰り返した。
以下の式で容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=100×(20サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)
1サイクル目の放電容量及び容量維持率の結果を、評価例3の結果と共に表5に示す。
比較例1で用いた1,2-ジメトキシエタンは、粘度が0.41cPであって、低粘度のエーテルであるものの、リチウムイオンに対する配位能(錯体形成能力)の点において第2エーテルには及ばないといえる。この点が、二次電池の容量維持率に反映されたと考えられる。
第3エーテルの量が過大であれば、電池性能に悪影響を与えるといえる。
6員環の環状エーテルを含有しない比較例7の電解液は、イオン伝導度に優れていたものの、比較例7のリチウムイオン二次電池は容量維持率の点で著しく劣っていた。
第2エーテルを含有しない比較例8の電解液及びリチウムイオン二次電池は、イオン伝導度、放電容量及び容量維持率の3パラメータすべてが劣っていた。
6員環の環状エーテル及び第3エーテルを含有しない比較例9の電解液及びリチウムイオン二次電池は、イオン伝導度、放電容量及び容量維持率の3パラメータすべてが劣っていた。
6員環の環状エーテルを含有しない比較例10の電解液及びリチウムイオン二次電池は、イオン伝導度、放電容量及び容量維持率の3パラメータすべてが劣っていた。
そして、6員環の環状エーテルの体積、第2エーテルの体積及び第3エーテルの体積の合計に対して、6員環の環状エーテルの体積が30~80体積%であり、第2エーテルの体積が15~60体積%であり、第3エーテルの体積が1~15体積%である電解液を用いることで、好適な二次電池を提供できるといえる。
Claims (4)
- 電解質と、アルキル基で置換されていてもよい6員環の環状エーテルと、下記一般式(A)で表される第2エーテルと、下記一般式(B)で表される鎖状の第3エーテルと、を含有し、
前記環状エーテルの体積、前記第2エーテルの体積及び前記第3エーテルの体積の合計に対して、前記環状エーテルの体積が30~80体積%であり、前記第2エーテルの体積が15~60体積%であり、前記第3エーテルの体積が1~15体積%であることを特徴とする電解液。
一般式(A) R1(OCH2CH2)nOR2
R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。R1及びR2は互いに結合して環を形成していてもよい。nは2以上の整数である。
一般式(B) R3OR4
R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。 - 電解質と、アルキル基で置換されていてもよい6員環の環状エーテルと、下記一般式(A)で表される第2エーテルと、下記一般式(B)で表される鎖状の第3エーテルと、を含有し、
前記環状エーテルの体積、前記第2エーテルの体積及び前記第3エーテルの体積の合計に対して、前記環状エーテルの体積が40~60体積%であり、前記第2エーテルの体積が30~55体積%であり、前記第3エーテルの体積が5~10体積%であることを特徴とする電解液。
一般式(A) R1(OCH2CH2)nOR2
R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。R1及びR2は互いに結合して環を形成していてもよい。nは2以上の整数である。
一般式(B) R3OR4
R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基である。 - 請求項1又は2に記載の電解液を備える二次電池(但し、前記二次電池がリチウム-硫黄電池であるものを除く)。
- 正極、負極、及び、請求項1又は2に記載の電解液を備え、
前記正極が、正極活物質として、層状岩塩構造のリチウム複合金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、ポリアニオン系化合物、タボライト系化合物、又はボレート系化合物を具備する、二次電池。
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