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JP7177820B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造に関するものである。
車体前部の構造として、車室とエンジンルームの間を仕切るダッシュロアパネルに車両後方側に向かって下方傾斜する傾斜壁を設け、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、後方に移動する搭載部品を傾斜壁に沿わせて下方に落下されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車体前部構造は、ダッシュロアパネルの傾斜壁の前面側に補助プレートが取り付けられ、補助プレートの前方側にエンジン等の駆動装置が配置されている。この車体前部構造では、車両前方から衝撃荷重が入力されて駆動装置が補助プレートに当接すると、補助プレートがダッシュパネルから分離して、補助プレートが駆動装置とともにダッシュパネルの傾斜壁に沿って下方に落下する。
特許第2855411号公報
特許文献1に記載の車体前部構造は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に駆動装置を下方に落下させ、駆動装置の車室内方向への進入を回避することができる。しかし、近年の多く車両は、エンジン(駆動装置)の後方側にサブフレームが配置され、そのサブフレームにステアリング部品やサスペンション部品が支持されている。このような車両では、特許文献1に記載の構造を採用することができない。
エンジンルーム内に配置されるサブフレームは、左右のフロントサイドフレームの下方に架設されるとともに、後端側部分が車室の前方の車室前構造体に結合されている。また、サブフレームの上部には、ステアリングギヤボックス等の搭載部品が上方に膨出するように取り付けられている。このような車体前部構造の場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、剛体であるサブフレームを車室の前方側で下方にスムーズに落下させることが望まれる。
しかし、上記のサブフレームは、車両前方からの衝撃荷重の入力時に屈曲変形する左右のフロントサイドフレームの下方に架設されているため、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、車室の前方側に安定して落下させることが難しい。
そこで本発明は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレームを車室の前方側下方にスムーズに落下させることができる車体前部構造を提供しようとするものである。
本発明に係る車体前部構造は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車体前部構造は、車室の前方側で車両前方に延びる左右一対のフロントサイドフレーム(例えば、実施形態のフロントサイドフレーム7)と、一対の前記フロントサイドフレームの下方に架設されるサブフレーム(例えば、実施形態のサブフレーム8)と、前記車室の前部に配置される車室前構造体(例えば、実施形態の車室前構造体30)と、を備え、前記サブフレームは、搭載部品を支持するサブフレーム本体(例えば、実施形態のサブフレーム本体41)と、前記サブフレーム本体の前部領域から上方に突出する脚部(例えば、実施形態の脚部42)と、前記脚部の頂部に設けられ、前記フロントサイドフレームに締結される前締結部(例えば、実施形態の前締結部34)と、前記サブフレーム本体の後部領域で前記車室前構造体に締結される後締結部(例えば、実施形態の後締結部35)と、を有し、前記フロントサイドフレームは、車両前方からの衝撃荷重の入力時に屈曲変形の起点となる屈曲起点部(例えば、実施形態の屈曲起点部22)と、前記屈曲起点部の前側に配置され、前記前締結部が締結されるサブフレーム取付部(例えば、実施形態の取付ブラケット23)と、を有し、前記フロントサイドフレームの前記屈曲起点部よりも後部側下方には、前面が車両後方側に向かって下方傾斜する傾斜案内部(例えば、実施形態の傾斜案内部24)を有する部品取付ブラケット(例えば、実施形態の部品取付ブラケット25)が結合され、前記傾斜案内部は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、前記フロントサイドフレームから離脱した前記脚部が後退変位する軌道上に配置されていることを特徴とする。
上記の構成において、車両前方から衝撃荷重が入力されると、サブフレームは車両後方側に押圧され、フロントサイドフレームは、屈曲起点部の前部領域(サブフレーム取付部)が屈曲起点部を中心として屈曲変形する。これにより、サブフレームの前締結部が相対的に引っ張られ、前締結部がフロントサイドフレームから離脱する。この後にサブフレームがさらに車両後方側に押圧されると、サブフレーム全体が車両後方側に変位し、脚部の頂部が部品取付ブラケットの傾斜案内部に当接する。これにより、サブフレームは傾斜案内部に沿って車両の前方側下方に落下する。
前記脚部の頂部の側面には、ボルト(例えば、実施形態のボルト43)が締め込まれる固定ナットを有する前記前締結部が設けられ、前記サブフレーム取付部は、下方側に開口するボルト挿通用のスリット(例えば、実施形態のスリット44)を有し、前記前締結部は、前記スリットを挿通した前記ボルトが前記固定ナットに締め込まれることで前記フロントサイドフレームに係止されるようにしても良い。
この場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレームが屈曲起点部を中心として屈曲し、その屈曲起点部の前方側部分が上方側に屈曲変形すると、前締結部が相対的に下方に引っ張られる。このとき、前締結部の固定ナットに固定されたボルトが、サブフレーム取付部のスリットに沿って下方に抜ける。したがって、本構成を採用した場合には、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレームの前締結部が安定して後下方に落下するようになる。
前記サブフレームは、アルミ鋳造品であることが望ましい。
この場合、サブフレームの剛性が高くなるため、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、脚部の頂部が傾斜案内部に食い込みながら安定して後下方に案内されるようになる。
前記傾斜案内部は、上下方向に延びる窪み部(例えば、実施形態の窪み部31)を有する構成としても良い。
この場合、傾斜案内部は上下方向に延びる窪み部によって補強される。また、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、サブフレームの脚部の頂部を窪み部に沿って後下方に滑り落とすことが可能になる。
前記窪み部は、前記部品取付ブラケットの前面から下面に亘って延び、前記フロントサイドフレームの後部側の下壁には、前記窪み部の上端部に連続するように前記部品取付ブラケットの前面に接合される後端接合部(例えば、実施形態の後端接合部32)が設けられるようにしても良い。
この場合、窪み部が部品取付ブラケットの前面から下面に亘って延びているため、車両前方からの衝撃荷重の入力時にサブフレームの脚部の頂部が傾斜案内部に押し付けられたときに、その頂部を窪み部に沿って余計な引っ掛かりなく後下方に良好に滑り落とすことができる。また、フロントサイドフレームの後端接合部が、窪み部の上端部に連続するように部品取付ブラケットに接合されているため、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレームの後部まで伝達された荷重を、部品取付ブラケットを介して、車両のさらに後方側に良好に伝達することができる。
前記部品取付ブラケットは、アルミ鋳造品であることが望ましい。
この場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレームの脚部と当接する部品取付ブラケットがサブフレームと同等の剛性を持つ部材によって構成されることになるため、サブフレームの脚部が傾斜案内部に当接したときに、一方の部材の過大な変形を招くことなく、脚部を良好に後下方に案内することができる。また、サスペンションアームの支持マウントを保持するマウント保持プレートの車幅方向外側部分を部品取付ブラケットに取り付け、マウント保持プレートの車幅方向内側部分をサブフレームに取り付けるようにした場合には、マウント保持プレートの車幅方向内側部分と外側部分の支持剛性が均等になり、車両の操縦安定性が良好になる。
前記部品取付ブラケットは、前記サブフレームの前記脚部の頂部と車両前後方向で整列するように配置されるようにしても良い。
この場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレームの脚部の頂部を、確実に部品取付ブラケットの傾斜案内部に当接させ、後下方にスムーズに滑り落とすことができる。
前記車室の下方には、前記フロントサイドフレームと車幅方向にずれた位置で車両前後方向に延びるトンネルフレーム(例えば、実施形態のトンネルフレーム11)が配置され、前記トンネルフレームの前部には、前面が車両後方側に向かって下方傾斜する第2の傾斜案内部(例えば、実施形態の傾斜案内部33)が設けられ、前記第2の傾斜案内部は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、前記後締結部が後退変位する軌道上に配置されるようにしても良い。
この場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、後締結部が第2の傾斜案内部に案内されて後下方に誘導されるとともに、前締結部のある脚部が部品取付ブラケットの傾斜案内部に案内されて後下方に誘導される。したがって、本構成を採用した場合には、サブフレームを安定して車室前部の下方に落下させることが可能になる。
前記サブフレーム取付部は、前記フロントサイドフレームの下面に設けられるとともに、ボルト(例えば、実施形態のボルト43)が締め込まれる固定ナットを有し、前記脚部の頂部の上面には、車幅方向外側に開口するボルト挿通用のスリット(例えば、実施形態のスリット144)を有する前記前締結部が設けられ、前記前締結部は、前記スリットを挿通した前記ボルトが前記固定ナットに締め込まれることで前記フロントサイドフレームに係止されるようにしても良い。
この場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレームが屈曲起点部を中心として屈曲し、その屈曲起点部の前方側部分が車幅方向外側に屈曲変形すると、固定ナットに固定されたボルトがその屈曲変形とともに車幅方向外側に押し動かされる。このとき、ボルトはスリットに沿って脚部の車幅方向外側に抜ける。したがって、本構成を採用した場合には、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレームの前締結部がフロントサイドフレームから確実に離脱し、サブフレームが後下方に落下するようになる。
本発明は、左右のフロントサイドフレームの屈曲起点部の前方側にサブレーム取付部が設けられ、そのサブフレーム取付部にサブフレームの前締結部が締結されるとともに、左右のフロントサイドフレームの屈曲起点部よりも後部側下方に、傾斜案内部を有する部品取付ブラケットが結合されている。そして、傾斜案内部は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレームから離脱したサブフレームの脚部が後退変位する軌道上に配置されている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、フロントサイドフレームの屈曲変形に伴って離脱したサブフレームの脚部が、サブフレームの後方変位に伴って傾斜案内部に当接して傾斜案内部の後下方に誘導される。したがって、本発明を採用した場合には、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレームを車室の前方側下方にスムーズに落下させることができる。
実施形態の車両の前部の斜視図。 実施形態の車両の前部の部分断面斜視図。 実施形態の車両の前部の下面図。 実施形態の車両の前部の図1のIV矢視に相当する斜視図。 実施形態の図3のV-V断面に対応する車両の前部の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の左側面図。 実施形態の車両の前部の図4のVII部の一部の部品を取り去った拡大図。 実施形態の車両の前部の図7とほぼ同じ部位を別の角度から見た斜視図。 実施形態の車両の前部の図4のIX部の一部の部品を取り去った拡大図。 実施形態の車両の図5のX部の拡大図。 実施形態の車両の前部の図5のXI矢視に相当する斜視図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 実施形態の車両の前部の変形挙動を示す図6と同様の部分断面側面図。 他の実施形態のサブフレームの脚部とフロントサイドフレームの締結部を示す下面図。 他の実施形態の脚部の離脱挙動を示す下面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の適所には、車両の前方を指す矢印FRと、車両の上方を指す矢印UPと、車両の左側方を指す矢印LHが記されている。
図1は、本実施形態の車両1の前部を左斜め上方から見た斜視図である。図2は、車両1の前部を車幅方向中央より若干右寄り部分で切断して、その部分を後部左斜め上方側から見た部分断面斜視図である。また、図3は、車両1の前部の下面図である。
図2に示すように、車室2の下方に配置されるフロアパネル3の前端部には、車室2とその前方のエンジンルーム4(フロントコンパートメント)を隔成するダッシュロアパネル5の後端部が接合されている。ダッシュロアパネル5は、フロアパネル3との接合部から前方側斜め上方に立ち上がっている。また、フロアパネル3の車幅方向の中央部には、図3に示すように、上方に膨出するフロアトンネル部6が車両前後方向に沿って延びている。ダッシュロアパネル5の車幅方向中央領域の下縁はフロアトンネル部6の前端部に接続され、左右の他の領域に比較して前方側への膨出量が小さくなっている。
車室2の前方側には、車体前部の主要な骨格部材である左右一対のフロントサイドフレーム7が設けられている。左右のフロントサイドフレーム7は、車室2の左右の前方側で車両前方に向かって延びている。左右のフロントサイドフレーム7の後部寄りの下方には、ステアリング部品やサスペンション部品を支持するためのサブフレーム8が架設されている。サブフレーム8は、平面視が略長方形状のアルミ鋳造品であり、左右のフロントサイドフレーム7と後述する車室前構造体30とにボルト締結によって固定されている。
エンジンや駆動モータ等の図示しないパワーユニットは、サブフレーム8の前部に連結される図示しない前部フレーム部に支持されている。前部フレーム部は、左右のフロントサイドフレーム7の前後方向の中央領域に架設されている。
図4は、車両1の前部の図1のIV矢視に相当する斜視図である。
車室2の左右両側の下端には、車体前後方向に沿って延びる骨格部材であるサイドシル9(図4参照)が配置されている。左右のサイドシル9の車幅方向内側には、車両前後方向に略沿って延びるフロアフレーム10が配置されている。また、図3にも示すように、左右のフロアフレーム10と中央のフロアトンネル部6の間には、車両前後方向に略沿って延びるトンネルフレーム11が配置されている。フロアフレーム10とトンネルフレーム11は、いずれも上方側に開口するハット型の断面形状に形成され、これらの上面にはフロアパネル3が接合されている。フロアフレーム10及びトンネルフレーム11は、フロアパネル3との間で車両前後方向に略沿って延びる閉断面を形成している。
左右の各サイドシル9の前端部と隣接するフロアフレーム10の前部領域とは、図4に示すように、閉断面構造のアウトリガー12によって相互に連結されている。また、フロアフレーム10の前端部は、アウトリガー12との連結部からさらに前上方に湾曲して延び、左右の対応するフロントサイドフレーム7の後部に連結されている。したがって、左右のフロントサイドフレーム7の後部は、車室2の下方の対応するフロアフレーム10に連続している。
図5は、図3のV-V断面に対応する車両1の前部の部分断面側面図であり、図6は、車両1の前部の左側面図である。また、図7は、車両1の前部の図4のVII部の一部の部品を取り去った拡大図であり、図8は、車両1の前部の図7とほぼ同じ部位を別の角度から見た斜視図である。
図7,図8に示すように、フロアフレーム10の前部領域と、隣接するトンネルフレーム11の前端部は、マウントブラケット13を介して相互に連結されている。マウントブラケット13は、ダッシュロアパネル5の立ち上がり部の下部領域の下面に接合され、ダッシュロアパネル5との間で閉断面を形成している。マウントブラケット13のトンネルフレーム11側の端部は、トンネルフレーム11の前端部の周域と下面の一部を取り囲むようにしてトンネルフレーム11に接合されている。マウントブラケット13の下面には開口50(図11参照)が形成されている。マウントブラケット13には、下面の開口50を閉塞するように支持プレート14が取り付けられている。支持プレート14は、マウントブラケット13よりも肉厚の薄い金属プレートによって形成されている。支持プレート14のうちのトンネルフレーム11の前方側領域に臨む位置には、ボルト挿通孔16が形成されている。ボルト挿通孔16には、サブフレーム8の後述する後締結部35を固定するためのボルト15(図3~図5参照)が下方から挿通される。支持プレート14の上面側には、ボルト挿通孔16に挿通されたボルト15の軸部が螺合される固定ナット17(図10,図11参照)が取り付けられている。支持プレート14は、肉厚の薄い金属製のプレートであるため、ボルト15を通してサブフレーム8の後締結部35から所定値以上の衝撃荷重が入力されると、固定ナット17の周縁部が破断する。これにより、後締結部35のマウントブラケット13(車室前構造体30)からの離脱(落下)が許容される。
また、マウントブラケット13の後縁部には、トンネルフレーム11の前縁部が重ねられて接合されている。トンネルフレーム11の前縁部には、図7に示すように、マウントブラケット13の下面との重ね合わせ部の後部から後方側に僅かに傾斜しつつ下方に延びる前壁18と、前壁18の下端から車両後方側に延びる略水平壁19と、略水平壁19の後端から車両後方側に向かって下方傾斜する傾斜壁20と、が連続して形成されている。前壁18、略水平壁19、及び、傾斜壁20は、トンネルフレーム11の前縁部において段差部21を構成している。段差部21の前面全体は、車両後方側に向かって下方傾斜している。この段差部21の前面の傾斜部分は、傾斜案内部33(第2の傾斜案内部)を構成している。傾斜案内部33は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8の後締結部35が後退変位する軌道上に配置されている。また、段差部21のうちの傾斜壁20は、後述する倒れ規制壁を構成している。
図5,図6に示すように、左右の各フロントサイドフレーム7は、後端側の上下幅が前端側の上下幅よりも狭まっている。各フロントサイドフレーム7の後部寄り下面には、略水平な上面に対して下面高さが段差状に高く(上下幅が段差状に狭く)なる部分が存在する。この段差状に高くなった部分(上下幅が段差状に狭まった部分の付根部)は、車両前方から衝撃荷重が入力されたときに、フロントサイドフレーム7が荷重を受けて屈曲変形する屈曲起点部22とされている。フロントサイドフレーム7は、その前方側から衝撃荷重を受けると、屈曲起点部22を中心として屈曲起点部22の前方側が上方に持ち上げるように屈曲変形する(図17,図18参照)。また、各フロントサイドフレーム7の下面のうちの屈曲起点部22の前側位置には、サブフレーム8の後述する前締結部34が締結される取付ブラケット23(サブフレーム取付部)が固定されている。
また、各フロントサイドフレーム7の屈曲起点部22よりも後下方位置には、傾斜案内部24を有する部品取付ブラケット25が一体に結合されている。部品取付ブラケット25は、図7,図8に示すように、側面視が略三角形状の一対の側壁25aと、一対の側壁25aの前端部同士を連結する前壁25bと、一対の側壁25aの下端部同士を連結する下壁25cと、を有し、前壁25bの前面側が傾斜案内部24とされている。傾斜案内部24は、その前面が車両後方側に向かって下方傾斜している。部品取付ブラケット25は、左右の対応するフロアフレーム10の前縁部に下方から被せるように重ねられ、その状態でフロアフレーム10の前縁部に接合されている。
部品取付ブラケット25の傾斜案内部24(前壁25b)には、上下方向に延びる窪み部31が形成されている。窪み部31は、部品取付ブラケット25の前壁25bの前面から下壁25cの下面の前端部分に亘って延びている。また、各フロントサイドフレーム7の後部側の下壁には、部品取付ブラケット25の傾斜案内部24(前壁25b)の前面に接合される後端接合部32が延設されている。後端接合部32は、窪み部31の上端部(後下方に向かって窪み始める部分)に連続するように傾斜案内部24(前壁25b)の前面に接合されている。
部品取付ブラケット25の下壁には、サスペンションアームの支持マウント26(図4参照)を保持するマウント保持プレート27の一端部が締結固定されている。図7,図8中の符号28は、マウント保持プレート27を部品取付ブラケット25に固定するためのボルト29(図4参照)が挿通されるボルト挿通孔である。マウント保持プレート27の他端部は、サブフレーム8の後部寄りの下面にボルト締結される。なお、支持マウント26は、図示しない上部側の保持プレートとマウント保持プレート27とで上下から挟み込むようにして、部品取付ブラケット25とサブフレーム8とに固定される。
部品取付ブラケット25は、サブフレーム8と同様のアルミ鋳造品、若しくは、アルミ鋳造品同等の剛性を持つ部材によって形成されている。
サブフレーム8は、後部側の上面にステアリングギヤボックス40(搭載部品)が取り付けられる平面視が略長方形状のサブフレーム本体41と、サブフレーム本体41の左右の前部領域から上方に突出する一対の脚部42と、各脚部42の頂部42aに設けられ、左右の対応するフロントサイドフレーム7に締結される前締結部34と、サブフレーム本体41の左右の後部領域に配置されて、前述した左右のマウントブラケット13の下端(支持プレート14)に締結される後締結部35と、を備えている。
なお、本実施形態では、マウントブラケット13、支持プレート14、部品取付ブラケット25、ダッシュロアパネル5等が車室2の前部に配置される車室前構造体30を構成している。
前締結部34は、頂部42aの車幅方向外側の側面に設けられた図示しない固定ナットを主要素として構成されている。前締結部34は、左右の対応するフロントサイドフレーム7の取付ブラケット23(サブフレーム取付部)にボルト43(図4,図6参照)によって締結固定されている。取付ブラケット23は、頂部42aの側壁に重ね合わされる締結壁に下方側に開口するスリット44(図13参照)が形成されている。ボルト43は、軸部をスリット44に挿通した状態で、軸部を水平姿勢にして前締結部34の固定ナットに締め込まれる。これにより、サブフレーム8の前締結部34は、左右の対応するフロントサイドフレーム7に締結固定される。
ただし、取付ブラケット23の締結壁には下方に開口するスリット44が形成されているため、サブフレーム8の脚部42を通してボルト43の軸部に下向きの過大な相対荷重が作用した際には、ボルト43の軸部がスリット44をすり抜けて脚部42とともに下方に落下する。
前述した部品取付ブラケット25の傾斜案内部24は、車両後方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレーム7から離脱した脚部42の頂部42aが後退変位する軌道上に配置されている。また、部品取付ブラケット25は、図3に示すように、サブフレーム8の左右の対応する脚部42の頂部42aと車両前後方向で整列するように配置されている。
図9は、図4のIX部の一部の部品を取り去った拡大図であり、図10は、図5のX部の拡大図である。
これらの図に示すように、サブフレーム8の後締結部35は、ボルト15が上下方向に貫通する筒体45と、筒体から車両後方側に突出する凸部46と、を備えている。後締結部35は、ボルト15がマウントブラケット13の下端の支持プレート14を貫通して固定ナット17に締め込まれることによってマウントブラケット13の下端に固定されている。凸部46は、この状態において、車両後方側に向く先端部がトンネルフレーム11の前部の傾斜案内部33に対峙している。
傾斜案内部33の傾斜壁20は、支持プレート14の締結部(固定ナット17)よりも後方位置において、凸部46に車両後方側から対峙している。傾斜壁20は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、凸部46が前方から押し付けられる倒れ規定壁を構成している。後締結部35は、衝撃荷重の入力時にその前面に凸部46が押し付けられることにより、凸部46の先端部が上方に持ち上がる方向の筒体45の倒れを規制される。傾斜壁20は、筒体45の倒れを規制する倒れ規制壁を構成している。
後締結部35の凸部46は、図9,図10に示すように、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、倒れ規制壁である傾斜壁20に当接する当て面46aと、筒体45の上部領域から車両後方側に向かって下方傾斜して上部領域と当て面46aとを結ぶ上傾斜面46bと、を備えている。
また、図9,図10に示すように、後締結部35の筒体45の下面とボルト15の頭部15aの間には、断面コ字状の長尺なヒンジプレート47の一端部が共締め固定されている。ヒンジプレート47の他端はトンネルフレーム11の前部寄りの下面に固定されている。ヒンジプレート47は、車両前方側からの衝撃荷重の入力時にサブフレーム8が落下する際にサブフレーム8の落下挙動を制御する。
図11は、図5のXI矢視に相当する斜視図である。
図11に示すように、トンネルフレーム11の前部の傾斜壁20(倒れ規制壁)の後面側には、剛性の高い補強プレート48(補強部材)が取り付けられている。補強プレート48は、支持プレート14の上面に接合される上接合部48aと、上接合部48aの後部から車両後方側に向かって下方傾斜してトンネルフレーム11の後面に接合される傾斜部接合部48bと、を有する。
上接合部48aには、支持プレート14の上面に固定された固定ナット17の周囲を取り囲み、固定ナット17の後部との間に隙間dを持つ長孔49が形成されている。
支持プレート14は、マウントブラケット13の下端の開口50の縁部に接合されている。支持プレート14上に固定された固定ナット17は、開口50の前側の縁部50aに近接して配置されている。
傾斜部接合部48bは、傾斜壁20(倒れ規制壁)の後方となる位置に、車両前方側に向かって膨出する補強凸部51が形成されている。補強凸部51は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、傾斜壁20の前面側に後締結部35の凸部46が押し付けられたときに傾斜壁20を後方側から支える。
また、図2,図5に示すように、サブフレーム8の後部側の上面に搭載されるステアリングギヤボックス40は、車幅方向の中央よりも若干右寄り部分にアシスト用のモータ40aが配置されている。モータ40aは、比較的外径が大きく、図2に示すように、ステアリングギヤボックス40の中では最も後部上方側に膨出している。このモータ40aの後方側には、ダッシュロアパネル5の傾斜案内部60の前面が対峙している。傾斜案内部60は、その前面が車両後方側に向かって下方傾斜し、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8の後退変位とともにモータ40aが前面に当接する。
また、図2に示すように、ダッシュロアパネル5の後面には、車幅方向に沿って延在するダッシュクロスメンバ55が配置されている。ダッシュロアパネル5の後面のうちの、傾斜案内部60の後面位置には、ダッシュクロスメンバ55が接合されている。
ここで、モータ40aのケースは、鋼材等のアルミ鋳造品よりも剛性の高い材料によって形成されている。つま、モータ40aのケースは、アルミ鋳造品から成るサブフレーム8の脚部42よりも剛性が高くなっている。車両前方からの衝撃荷重の入力時に、モータ40aが当接するダッシュロアパネル5の傾斜案内部60の前面は、脚部42の頂部42aが当接する部品取付ブラケット25の傾斜案内部24の前面に比較して、下方に向かう傾斜角度が緩やかに設定されている。
また、モータ40aの後方側には、ダッシュロアパネル5の傾斜案内部60の前面が対峙して配置され、サブフレーム8の後締結部35の後方側には、トンネルフレーム11の前部の傾斜壁20の前面が対峙して配置されている。後締結部35と傾斜壁20の間の離間距離は、モータ40aと傾斜案内部60の間の離間距離よりも短く設定されている。また、サブフレーム8の脚部42の頂部42aと、部品取付ブラケット25の傾斜案内部24の間の離間距離は、モータ40aと傾斜案内部60の間の離間距離よりも長く設定されている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、最初に、後締結部35が傾斜壁20に当接し、その後にモータ40aが傾斜案内部60に当接した後に、脚部42の頂部42aが傾斜案内部24に当接する。
つづいて、図12~図18を参照して、車両1の正面から衝撃荷重が入力されたときにおける車両1の前部の変形挙動の一例について説明する。
車両1の前面から衝撃荷重が入力されると、エンジン等のパワーユニットの後方変位とともにサブフレーム8が車両後方側に押圧され、図12に示すように、サブフレーム8の後締結部35の凸部46がトンネルフレーム11の前部の傾斜壁20に押し付けられる。これにより、凸部46が傾斜壁20から反力受け、後締結部35の筒体45が上方に持ち上がる倒れ変形が規制される。これにより、ボルト15が締め込まれている支持プレート14の面外変形が抑制される。この状態でサブフレーム8がさらに車両後方側に押圧されると、支持プレート14の破断が開始し、後締結部35の凸部46が傾斜壁20に沿って後下方に誘導される。
一方、フロントサイドフレーム7の前部に正面から衝撃荷重が入力されると、図13に示すように、後部寄りの屈曲起点部22を起点として、屈曲起点部22の前部が上方に持ち上がるようにフロントサイドフレーム7が屈曲変形を開始する。これにより、フロントサイドフレーム7の取付ブラケット23(サブフレーム取付部)が上方に持ち上がり、その一方でサブフレーム8が車両後方側に押圧され続ける。この結果、前締結部34のボルト43が取付ブラケット23のスリット44から下方に離脱し、サブフレーム8の脚部42がフロントサイドフレーム7から下方に落下する。
さらに、衝撃荷重の入力が続くと、図14に示すように、支持プレート14の破断によって前締結部がボルト15ともにマウントブラケット13から完全に離脱するとともに、サブフレーム8上のモータ40aがダッシュロアパネル5の傾斜案内部60に当接する。これにより、モータ40aが傾斜案内部60に沿って後下方に誘導される。また、図15に示すように、モータ40aと傾斜案内部60の当接と前後して後締結部35の筒体45が傾斜壁20に当接し、筒体45が傾斜壁20に沿って後下方に誘導される。
この後、衝撃荷重の入力がさらに続くと、サブフレーム8の全体が後傾斜しつつ後退変位し、図17に示すように、サブフレーム8の脚部42の頂部42aが部品取付ブラケット25の傾斜案内部24に当接する。これにより、脚部42の頂部42aが傾斜案内部24の斜面に沿って後下方に誘導される。こうして、傾斜案内部24による脚部42の案内が完了すると、図18に示すようにサブフレーム8の全体がダッシュロアパネル5の下方で落下する。
以上のように、本実施形態の車体前部構造は、左右のフロントサイドフレーム7の屈曲起点部22の前方側に取付ブラケット23(サブレーム取付部)が設けられ、取付ブラケット23にサブフレーム8の前締結部34が締結されるとともに、左右のフロントサイドフレーム7の屈曲起点部22よりも後部側下方に、傾斜案内部24を有する部品取付ブラケット25が結合されている。そして、傾斜案内部24は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレーム7から離脱したサブフレーム8の脚部42が後退変位する軌道上に配置されている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、フロントサイドフレーム7の屈曲変形に伴って離脱したサブフレーム8の脚部42が、サブフレーム8の後方変位に伴って傾斜案内部24に当接して傾斜案内部24の後下方に誘導される。したがって、本実施形態の車体前後構造を採用した場合には、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8を車室2の前方側下方にスムーズに落下させることができる。
また、本実施形態の車体前部構造は、固定ナットを有する前締結部34がサブフレーム8の脚部42の頂部42aの側面に設けられ、取付ブラケット23(サブレーム取付部)に、下方に開口するボルト挿通用のスリット44が設けられている。そして、スリット44を挿通したボルト43が固定ナットに締め込まれることで前締結部34がフロントサイドフレーム7に係止されている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレーム7が屈曲起点部22を中心として屈曲変形すると、前締結部34が相対的に下方に引っ張られ、前締結部34の固定ナットに固定されたボルト43がスリット44に沿って下方に抜ける。したがって、本構成を採用した場合には、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8の前締結部34が安定して後下方に落下するようになる。
また、本実施形態の車体前部構造では、サブフレーム8がアルミ鋳造品によって構成されている。このため、サブフレーム8の剛性が高くなり、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、脚部42の頂部42aが傾斜案内部24に食い込みながら安定して後下方に案内されるようになる。
さらに、本実施形態の車体前部構造では、上下方向に延びる窪み部31が傾斜案内部24に設けられている。このため、上下方向に延びる窪み部31によって傾斜案内部24が強固に補強される。また、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、サブフレーム8の脚部42の頂部42aを窪み部31に沿って後下方に滑り落とすことが可能になる。
また、本実施形態の車体前部構造は、窪み部31が部品取付ブラケット25の前面から下面に亘って延びている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時にサブフレーム8の脚部42の頂部42aが傾斜案内部24に押し付けられたときに、頂部42aを窪み部31に沿って余計な引っ掛かりなく後下方に良好に滑り落とすことができる。また、本実施形態では、フロントサイドフレーム7の後部の後端接合部32が窪み部31の上端部に連続するように部品取付ブラケット25の前面に接合されている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレーム7の後部まで伝達された荷重を、部品取付ブラケット25を介して、車両のさらに後方側に良好に伝達することができる。
また、本実施形態の車体前部構造では、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8の脚部42と当接する部品取付ブラケット25がサブフレーム8と同等の剛性を持つ部材によって構成されている。このため、サブフレーム8の脚部42が傾斜案内部24に当接したときに、一方の部材の過大な変形を招くことなく、脚部42の頂部42aを良好に後下方に案内することができる。
また、サスペンションアームの支持マウント26を保持するマウント保持プレート27の車幅方向外側部分を部品取付ブラケット25に取り付け、マウント保持プレート27の車幅方向内側部分をサブフレーム8に取り付けるようにした場合には、マウント保持プレート27の車幅方向内側部分と外側部分の支持剛性が均等になり、車両の操縦安定性が良好になる。
さらに、本実施形態では、部品取付ブラケット25が、サブフレーム8の左右の対応する脚部42の頂部42aと車両前後方向で整列するように配置されている、このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8の脚部42の頂部42aを、確実に部品取付ブラケット25の傾斜案内部24に当接させ、後下方にスムーズに滑り落とすことができる。
また、本実施形態の車体前部構造では、トンネルフレーム11の前部に、前面が車両後方側に向かって下方傾斜する傾斜案内部33(第2の傾斜案内部)が設けられ、その傾斜案内部33が、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、後締結部35が後退変位する軌道上に配置されている。このため、車両前方からの衝撃荷重の入力時には、後締結部35が傾斜案内部33に案内されて後下方に誘導されるとともに、前締結部34のある脚部42が部品取付ブラケット25の傾斜案内部24に案内されて後下方に誘導される。したがって、本構成を採用した場合には、サブフレーム8を安定して車室前部の下方に落下させることが可能になる。
上記の実施形態では、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、フロントサイドフレーム7が上下方向に屈曲変形する構造とされているが、フロントサイドフレーム7が車幅方向に屈曲変形する構造の場合、サブフレームの脚部42とフロントサイドフレーム7は図19に示すような結合部構造を採用することができる。
図19は、サブフレームの脚部42とフロントサイドフレーム7の締結部を示す下面図であり、脚部42の離脱挙動を示す下面図である。
本実施形態では、ボルト43が締め込まれる図示しない固定ナットがフロントサイドフレーム7の下面側に設けられ、サブフレームの脚部42の頂部42aの上面には、車幅方向外側に開口するボルト挿通用のスリット144が形成されている。脚部42の頂部42a(前締結部)は、スリット144を挿通したボルト43が固定ナットに締め込まれることでフロントサイドフレーム7に係止されている。
本実施形態の構造の場合、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、図20に示すように、フロントサイドフレーム7が車幅方向に屈曲変形すると、固定ナットに固定されたボルト43がその屈曲変形とともに車幅方向外側に押し動かされる。このとき、ボルト43はスリット144に沿って脚部42の車幅方向外側に抜ける。したがって、本構成を採用した場合にも、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、サブフレーム8の脚部42がフロントサイドフレーム7から確実に離脱し、サブフレーム8が後下方に落下するようになる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
2…車室
4…エンジンルーム(フロントコンパートメント)
5…ダッシュロアパネル
7…フロントサイドフレーム
8…サブフレーム
11…トンネルフレーム
22…屈曲起点部
23…取付ブラケット(サブフレーム取付部)
24…傾斜案内部
25…部品取付ブラケット
30…車室前構造体
31…窪み部
32…後端接合部
33…傾斜案内部(第2の傾斜案内部)
34…前締結部
35…後締結部
40…ステアリングギヤボックス(搭載部品)
41…サブフレーム本体
42…脚部
42a…頂部
43…ボルト
44,144…スリット

Claims (9)

  1. 車室の前方側で車両前方に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、
    一対の前記フロントサイドフレームの下方に架設されるサブフレームと、
    前記車室の前部に配置される車室前構造体と、を備え、
    前記サブフレームは、
    搭載部品を支持するサブフレーム本体と、
    前記サブフレーム本体の前部領域から上方に突出する脚部と、
    前記脚部の頂部に設けられ、前記フロントサイドフレームに締結される前締結部と、
    前記サブフレーム本体の左右の後部領域で前記車室前構造体に締結される後締結部と、を有し、
    前記フロントサイドフレームは、
    車両前方からの衝撃荷重の入力時に屈曲変形の起点となる屈曲起点部と、
    前記屈曲起点部の前側に配置され、前記前締結部が締結されるサブフレーム取付部と、を有し、
    前記フロントサイドフレームの前記屈曲起点部よりも後部側下方には、前面が車両後方側に向かって下方傾斜する傾斜案内部を有する部品取付ブラケットが結合され、
    前記傾斜案内部は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、前記フロントサイドフレームから離脱した前記脚部が後退変位する軌道上に配置されていることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記脚部の頂部の側面には、ボルトが締め込まれる固定ナットを有する前記前締結部が設けられ、
    前記サブフレーム取付部は、下方側に開口するボルト挿通用のスリットを有し、
    前記前締結部は、前記スリットを挿通した前記ボルトが前記固定ナットに締め込まれることで前記フロントサイドフレームに係止されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記サブフレームは、アルミ鋳造品であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  4. 前記傾斜案内部は、上下方向に延びる窪み部を有することを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  5. 前記窪み部は、前記部品取付ブラケットの前面から下面に亘って延び、
    前記フロントサイドフレームの後部側の下壁には、前記窪み部の上端部に連続するように前記部品取付ブラケットの前面に接合される後端接合部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車体前部構造。
  6. 前記部品取付ブラケットは、アルミ鋳造品であることを特徴とする請求項3に記載の車体前部構造。
  7. 前記部品取付ブラケットは、前記サブフレームの前記脚部の頂部と車両前後方向で整列するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  8. 前記車室の下方には、前記フロントサイドフレームと車幅方向にずれた位置で車両前後方向に延びるトンネルフレームが配置され、
    前記トンネルフレームの前部には、前面が車両後方側に向かって下方傾斜する第2の傾斜案内部が設けられ、
    前記第2の傾斜案内部は、車両前方からの衝撃荷重の入力時に、前記後締結部が後退変位する軌道上に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の車体前部構造。
  9. 前記サブフレーム取付部は、前記フロントサイドフレームの下面に設けられるとともに、ボルトが締め込まれる固定ナットを有し、
    前記脚部の頂部の上面には、車幅方向外側に開口するボルト挿通用のスリットを有する前記前締結部が設けられ、
    前記前締結部は、前記スリットを挿通した前記ボルトが前記固定ナットに締め込まれることで前記フロントサイドフレームに係止されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
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