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JP7177125B2 - 口腔内装着器具用洗浄剤組成物 - Google Patents

口腔内装着器具用洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。
近年における超高齢化の進展に伴い、義歯のような着脱可能な口腔内装着器具の装着を余儀なくされる人々が加速的に増加している。このような口腔内装着器具、例えば義歯や歯科矯正器具等は、装着中に付着したデンチャープラークや食物残渣等の汚れが残存しやすく、口腔内装着器具を装着した際に口臭等の不快臭を伴うおそれがあり、またう蝕や歯周病等を引き起こすおそれもある。
このように、身体の健康を維持する上でも清潔に保つ必要がある口腔内装着器具は、日々の細やかな洗浄が不可欠であるため、従来より種々の洗浄剤が開発されており、さらに香料を用いることによって、不快臭発生の改善を図る研究もなされている。
例えば、特許文献1には、ミントノート以外の香調の香料を含有する錠剤状の義歯洗浄剤が開示されており、洗浄後の義歯に香りを付与することによって、使用者に洗浄効果を実感させる試みがなされている。また特許文献2には、1つ又は複数のフレーバ油の組合せを有する歯科装置洗浄処方物が開示されており、持続した爽やかな息を維持する効果を高めている。
特開2015-189724号公報 特開2007-254471号公報
すなわち、これら特許文献に記載の技術では、義歯や口腔内における不快臭を多量の香料によってマスキングしている。
しかしながら、このように多量の香料によるマスキングでは、洗浄後の口腔用装着器具を口腔内へ戻して装着した際、口腔用装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークに過度に残留する香料によって香気が過剰にもたらされ、不快臭がマスキングされていたとしても、かえって不快感を伴う要因になり得ることが、本発明者らにより判明した。
したがって、本発明は、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することにより、洗浄後の口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークに残留する香料や洗浄組成物自体に由来する不快臭の発生を有効に抑制することのできる、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の脂肪酸塩又はその塩と特定の香料化合物とを特定量かつ特定の質量比で含有し、さらに特定のpH領域とすることにより、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮しつつ良好な香気を保持し、洗浄後の口腔内装着器具において、香料化合物の過度な残留を効果的に回避して不快臭の発生を有効に抑制することのできる、口腔内装着器具用洗浄剤組成物を見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(B):
(A)炭素数10以上20以下の脂肪酸塩又はその塩 脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下
(B)イオノン、シス-3-ヘキセノール、ゲラニオール、δ-ウンデカラクトン、ピネン、及びチモールから選ばれる1種又は2種以上の香料化合物
を含有し、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が0.8以上500以下であり、かつ25℃におけるpHが8以上14以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物を提供するものである。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物によれば、製造直後から保存後に至るまで安定して良好な香気を保持し、口腔内装着器具用洗浄剤組成物由来の不快臭を抑制することができる。また、洗浄時には適度な香気をもたらしつつ、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することによって、洗浄後には口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおける香料化合物の過度な残留を回避し、不快臭の発生を有効に抑制することができる。したがって、洗浄後、口腔内装着器具を再装着した際、心地よい使用感を得ることが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「口腔内装着器具」とは、全部床義歯、部分床義歯、歯列矯正器具、リテーナー、或いはマウスピース等(以下、これらを総称して「義歯等」ともいう。)の、いわゆる口腔内にて着脱を要する歯科用装着器具を意味する。具体的には、例えば、全部床義歯(総入れ歯)とは、無歯顎に装着するための義歯であって、人口歯と義歯床から構成されてなる。一方、部分床義歯(部分入れ歯)とは、部分的に歯が失われた顎に装着するための義歯であって、人口歯、義歯床、及びクラスプやレスト、アタッチメント等の支台装置から構成されてなり、歯列矯正器具やリテーナーやマウスピースもこれに類する構成を有する。義歯床の材質としては、一般的にアクリルレジン等の樹脂が挙げられ、人口歯や支台装置の材質は、かかる樹脂のほか、チタン等の金属やセラミック等が挙げられる。
また、本明細書において「不快臭」とは、本来ならば心地よい香気をもたらす香料化合物が、洗浄後の口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおいて過度に残存することにより発生する、かえって不快感として感じる臭いを意味する。また、成分(A)の脂肪酸塩又はその塩のような含有成分によりもたらされる、不快感を伴う脂肪酸臭をも包含する意味である。
さらに、本明細書において、「デンチャープラーク」とは、口腔内装着器具に付着した菌と菌が生産する細胞外物質の集合体を意味する。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(A)として、炭素数10以上20以下の脂肪酸塩又はその塩を脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下含有する。これにより、口腔内装着器具に堅固に付着したデンチャープラーク表面に強く吸着し、デンチャープラークの凝集構造を崩壊させ、口腔内装着器具から効果的に根こそぎ脱離させることができる。そのため、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することができ、洗浄後における口腔内装着器具において、後述する成分(B)が過度に残留するのを効果的に抑制して、不快臭の発生を有効に防止することができる。また、製造時から保存後に至るまで、成分(B)による香気を安定して保持することにも寄与するものと考えられる。
成分(A)の脂肪酸、及び成分(A)の脂肪酸塩を構成する脂肪酸は、その炭素数が10以上20以下であって、好ましくは12以上20以下であり、より好ましくは14以上20以下であり、さらに好ましくは16以上20以下である。かかる脂肪酸は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有するものであってよく、不飽和の直鎖を有するものがより好ましい。
成分(A)の脂肪酸、及び成分(A)の脂肪酸塩を構成する脂肪酸としては、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、イソステアリン酸、及びアラキジン酸、並びにこれらの混合脂肪酸であるヤシ油脂肪酸、及びパーム油脂肪酸等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、デンチャープラーク除去効果を充分に発揮させる観点、及び成分(B)による良好な香気の保持に寄与しつつ、成分(B)の過度な残留を有効に回避する観点から、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、及びエイコセン酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、オレイン酸がより好ましい。
成分(A)の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びアンモニウム塩から選ばれる無機塩;モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、及びトリエタノールアンモニウム塩等の有機アミン塩;アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、デンチャープラーク除去効果を充分に発揮させる観点、及び成分(B)による良好な香気の保持に寄与しつつ、成分(B)の過度な残留を有効に回避する観点から、ナトリウム塩、又はカリウム塩が好ましく、とりわけナトリウム塩が好ましい。
成分(A)の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果を有効に発揮させる観点、及び良好な香気を保持しつつ、洗浄後における成分(B)の過度な残留を有効に回避する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、0.5質量%以上であって、好ましくは0.6質量%以上であり、より好ましくは0.7質量%以上であり、さらに好ましくは0.8質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、成分(A)由来の脂肪酸臭の発生を低減して、洗浄後の口腔内装着器具から生じる不快臭を有効に低減する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、20質量%以下であって、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、0.5質量%以上20質量%以下であって、好ましくは0.6~10質量%であり、より好ましくは0.7~5質量%であり、さらに好ましくは0.8~2質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(B)として、イオノン、シス-3-ヘキセノール、ゲラニオール、δ-ウンデカラクトン、ピネン、及びチモールから選ばれる1種又は2種以上の香料化合物を含有する。かかる成分(B)は、成分(A)との相溶性に優れることも相まって、洗浄時には口腔内において心地よい香気をもたらしつつ、洗浄後の口腔内装着器具においては過度に残留することがないため、良好な香気を保持しながら不快臭の発生を効果的に低減することが可能になるものと考えられる。
なかでも、洗浄後の口腔内装着器具における過度な残留を効果的に回避して、不快臭の発生を有効に抑制する観点から、イオノン、シス-3-ヘキセノール、ピネン、及びチモールから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、とりわけイオノン、又はシス-3-ヘキセノールが好ましい。
成分(B)の含有量は、洗浄時において、口腔内に心地よい香気をもたらし、その香気を良好に保持する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.008質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.012質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.014質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、洗浄後の口腔内装着器具における過度な残留を有効に回避する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.8質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.02質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、好ましくは0.008~0.8質量%であり、より好ましくは0.01~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.012~0.05質量%であり、よりさらに好ましくは0.014~0.02質量%である。
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、成分(A)由来の脂肪酸臭を低減することと相まって、口腔内に心地よい香気をもたらし、その香気を良好に保持する観点から、0.8以上であって、好ましくは4以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは20以上である。また、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、洗浄後の口腔内装着器具における成分(B)の過度な残留を有効に回避し、不快臭を効果的に低減する観点から、500以下であって、好ましくは300以下であり、より好ましくは100以下であり、さらに好ましくは50以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、0.8以上500以下であって、好ましくは4~300であり、より好ましくは10~100であり、さらに好ましくは20~50である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(B)以外の香料化合物として、下記成分(C)の香料化合物の含有を制限するのが好ましい。これにより、保存後の香気の保持性が確保可能となる。成分(C)の香料化合物としては、香気の保持性を向上させる観点から、メントール、リモネン、リナロール、シトラール、イソプレゴール、乳酸メンチル、及びバニリンから選択される1種又は2種以上が好ましい。
成分(C)の含有量は0.09質量%未満であってもよく、好ましくは0.05質量%以下であってもよく、より好ましくは0.01質量%以下であってもよく、さらに好ましくは0.005質量%以下であってもよく、よりさらに好ましくは0.001質量%以下であってもよく、よりさらに好ましくは0.0005質量%以下であってもよく、或いは本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(C)を含有しなくともよい。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、一層優れたデンチャープラーク除去効果を得る観点から、さらに成分(A)以外のアニオン性界面活性剤(d1)、ノニオン性界面活性剤(d2)、及び両性界面活性剤(d3)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤(D)を含有するのが好ましい。
成分(A)以外のアニオン性界面活性剤である、成分(d1)のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、パルミチル硫酸塩、ステアリル硫酸塩、オクチル硫酸塩、カプリル硫酸塩等のアルキル硫酸エステル塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩等のアルキルスルホン酸塩;アシルグルタミン酸塩、アシルサルコシン塩等のアシルアミノ酸塩;ラウリルメチルタウリン塩等のN-メチル長鎖アシルタウリン塩;アルキルリン酸塩等のアルキルリン酸塩;高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル塩;ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、不快臭の発生を有効に防止しつつ、デンチャープラーク除去効果を高める観点から、アシルアミノ酸塩が好ましい。
成分(d2)のノニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ショ糖脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリド等のグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグルコシド;モノステアリン酸デカグリセリド、モノミリスチン酸デカグリセリド等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;並びにポリエチレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、不快臭の発生を有効に防止しつつ、デンチャープラーク除去効果を高める観点から、ポリオキシエチレンモノアルキル(又はアルケニル)エーテル、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体が好ましい。
成分(d3)の両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルアミンオキシド;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチル-N-イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン;ラウリルスルホベタインやラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン;N-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等の長鎖アルキルイミダゾリンベタイン塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、不快臭の発生を有効に防止しつつ、デンチャープラーク除去効果を高める観点から、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン及びアルキルアミンオキシドが好ましい。
また、これら成分(A)以外のアニオン性界面活性剤(d1)、ノニオン性界面活性剤(d2)、及び両性界面活性剤(d3)のなかでも、不快臭の発生を有効に防止しつつ、安定して良好な香気を保持する観点から、成分(d1)が好ましく、アシルアミノ酸塩がより好ましい。
成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.1~10質量%であり、さらに好ましくは1~8質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、含有する各成分の不要な酸化を防止しつつ、成分(A)由来の脂肪酸臭の発生を有効に抑制する観点から、さらに抗酸化剤(E)を含有するのが好ましい。かかる成分(E)としては、亜硫酸塩、トコフェロール、没食子酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、及びアスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸高級脂肪酸エステルが挙げられる。
なかでも、良好に酸化防止効果を発揮して、成分(A)由来の脂肪酸臭の発生を抑制する観点から、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、二亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸カリウム、及び二亜硫酸アンモニウムから選ばれる1種又は2種以上の亜硫酸塩が好ましく、亜硫酸ナトリウム、又は亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。
成分(E)の含有量は、成分(A)由来の脂肪酸臭の発生を有効に抑制する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.0005質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を確保する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.0005~10質量%であり、より好ましくは0.005~5質量%であり、さらに好ましくは0.05~1質量%であり、よりさらに好ましくは0.1~0.5質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を確保する観点から、さらに質量平均分子量が2000以上500000以下のアニオン性ポリマー又はコポリマー(F)を含有するのが好ましい。アニオン性のホモポリマー又はコポリマーとは、アニオン性モノマー由来の構成単位を含むホモポリマー又はコポリマーである。
なお、成分(F)は、アニオン性モノマー1種のみ由来の構成単位からなるホモポリマーであってもよく、2種以上のアニオン性モノマー由来の構成単位からなるコポリマーであってもよく、或いはアニオン性モノマー由来の構成単位と、アニオン性モノマー以外の他のモノマー由来の構成単位とからなるコポリマーであってもよい。
成分(F)の質量平均分子量は、デンチャープラーク除去効果を有効に高める観点から、2000以上であって、好ましくは5000以上であり、より好ましくは8000以上であり、さらに好ましくは10000以上である。また、成分(F)の質量平均分子量は、各成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点から、500000以下であって、好ましくは350000以下であり、より好ましくは200000以下であり、さらに好ましくは100000以下である。そして、成分(F)の質量平均分子量は、2000以上500000以下であって、好ましくは5000~350000であり、より好ましくは8000~200000であり、さらに好ましくは10000~100000である。
成分(F)が含むアニオン性モノマー由来の構成単位は、デンチャープラーク除去効果の発揮に大いに寄与させる観点から、カルボキシル基、スルホ基、又はリン酸基を有するアニオン性モノマー(f1)由来の構成単位であると好ましい。成分(F)を構成するモノマー(f1)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、スルホン酸、スチレンスルホン酸、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルホスフェート、及びこれらの無水物や一部がアルキル基等により置換されてなるモノマー、並びにヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基が結合してなるグリコピラノース等の糖由来のモノマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、分子構造中に芳香環又は脂環を含まないモノマーであるのが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びスルホン酸から選ばれる1種又は2種以上であるのがより好ましい。
成分(F)の全構成単位100質量%中におけるアニオン性モノマー由来の構成単位の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を有効に確保する観点から、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
成分(F)としては、具体的には、例えば、アクリル酸ホモポリマー、メタクリル酸ホモポリマー、架橋型アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリル酸/スルホン酸コポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸コポリマー、ホスフィン酸/アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、及びヒアルロン酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮する観点から、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、及びアクリル酸/スルホン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アクリル酸/マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/スルホン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アクリル酸/マレイン酸コポリマーがさらに好ましい。
なお、アクリル酸/マレイン酸コポリマーを構成するアクリル酸モノマー由来の構成単位とマレイン酸モノマー由来の構成単位との質量比(アクリル酸/マレイン酸)は、好ましくは0.01~99であり、より好ましくは0.05~50であり、さらに好ましくは0.1~10であり、よりさらに好ましくは0.1~5である。
成分(F)の含有量は、デンチャープラーク除去効果を有効に高める観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.07質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、成分(F)の含有量は、各成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。そして、成分(F)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05~8質量%であり、より好ましくは0.07~6質量%であり、さらに好ましくは0.1~4質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、上記各成分を良好に分散又は溶解させて、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮させながら、不快臭の低減を有効に図り、かつ安定して良好な香気を保持する観点から、さらに水を含有するのが好ましい。
水の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上であり、好ましくは98質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である。
なお、本発明における水とは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に直接配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に含まれる全水分を意味する。また、本発明における水とは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に予め配合されている水を意味することを含むが、そうでない場合、例えば使用前に水等により希釈したり、又は水等に溶解させたりした状態である場合、その希釈や溶解に用いた水も含む意味である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、さらに、pH調整剤を含有することができる。これにより、成分(A)による優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を促進しつつ、不快臭の発生を低減するのに有効なpHを維持することができる。
pH調整剤としては、具体的には、例えば、炭酸塩や重炭酸塩;水酸化物;クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭酸塩、重炭酸塩、及び水酸化物から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる1種又は2種以上がよりさらに好ましい。この場合、pH調整剤の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物のpHを安定化させる観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1~60質量%であり、より好ましくは0.1~20質量%であり、さらに好ましくは0.15~10質量%であり、よりさらに好ましくは0.2~5質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分の他、例えば、抗炎症剤や防腐剤;上記成分(B)及び成分(C)以外の香料化合物;顔料;色素;漂白剤;酵素等を含有することができる。
なお、上記成分(B)及び成分(C)以外の香料としては、具体的には、例えば、Steffen Arctander編著“Perfume and Flavor Chemicals" Montclair, N.J.(U.S.A.) (1969年)、合成香料編集委員会編集「合成香料-化学と商品知識」(化学工業日報社、2016年12月20日、増補新版)、中島基貴編著「香料と調香の基礎知識」産業図書(1995年初版)等に記載されている香料化合物が挙げられる。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮しつつ、不快臭の発生を有効に低減する観点から、8以上であって、好ましくは9以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは10.5以上であり、14以下であって、好ましくは13以下であり、より好ましくは12以下であり、さらに好ましくは11以下である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の形態は、液状、泡状、ペースト状、ジェル状、濃縮状、粉末状、顆粒状、又は錠剤状であってもよく、さらに液状の本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物をシートに含浸させた形態や、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を噴霧容器に充填した形態、泡吐出容器に充填した形態、又はエアゾール容器に充填した形態であってもよい。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用いて口腔内装着器具を洗浄するにあたり、粉末状、顆粒状、又は錠剤状の場合は、水等により希釈したり、又は水等に溶解させたりして、口腔内装着器具用洗浄剤として使用すればよい。この場合、口腔内装着器具用洗浄剤へ適用する時点での口腔内装着器具用洗浄剤組成物が、所定の要件を満たした処方であればよい。
なかでも、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は泡状の形態であるのが好ましく、泡で口腔内装着器具を被覆することにより、効果的に優れたデンチャープラーク除去効果を発揮し、洗浄後には口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおける香料化合物の過度な残留を回避して、不快臭の発生を有効に抑制することができる。
とりわけ、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とし、これで口腔内装着器具を被覆することにより、複雑な形状を伴う口腔内装着器具の隅々にわたり洗浄剤組成物が充分に到達して、液だれすることなくそのまま保持されることとなり、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することで洗浄後には口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおける香料化合物の過度な残留を回避して、不快臭の発生を有効に抑制することができる。
その結果、組成物を適用した後の口腔内装着器具を水等により漱いで洗い流すのみで、特段ブラッシング等の物理的な付加力を施すことなく、速効性の高い優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することで洗浄後には口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおける香料化合物の過度な残留を回避して、不快臭の発生を有効に抑制することができる。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の使用態様は、まず、使用後の義歯等の口腔内装着器具を口腔内装着器具用洗浄剤組成物に浸漬、或いは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物を口腔内装着器具に泡吐出、塗布、滴下又は噴霧等することにより適用した後、一定時間放置する。放置時間は、通常3~30分であればよく、好ましくは4~20分であり、より好ましくは5~10分である。
次に、放置した後、口腔内装着器具を水等により漱いで口腔内装着器具用洗浄剤組成物を洗い流す。本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、より好ましくは、洗い流すだけでよく、ブラッシング等の物理的な付加力を特段施す必要がない。
このように、特段物理的な付加力を特段要することなく、極短時間の適用でありながら、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮し、洗浄後には口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおける香料化合物の過度な残留を回避して、不快臭の発生を有効に抑制することができる。本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、高齢者等の使用者にとっても、洗浄後に再装着した際に不快臭を感じることがなく、もたらされる良好な香気によって心地よい使用感を得ることができ、また容易に使用頻度を高めることもできる。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とする場合、その使用態様は、義歯等の口腔内装着器具を泡状の口腔内装着器具用洗浄剤組成物で被覆した後、一定時間放置する。
泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、優れたデンチャープラーク除去効果及び不快臭の発生を有効に抑制する効果を充分に享受する観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは2分以上であり、さらに好ましくは3分以上である。また、泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、泡の効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは30分以下であり、より好ましくは20分以下であり、さらに好ましくは10分以下である。そして、泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、好ましくは1分以上30分以下であり、より好ましくは2~20分であり、さらに好ましくは3~10分である。
口腔内装着器具を被覆する泡量は、泡の効果を充分に発揮させて、優れたデンチャープラーク除去効果及び形成抑制効果を充分に享受する観点から、口腔内装着器具の表面積1cm2あたりに、好ましくは0.05g以上であり、より好ましくは0.07g以上であり、さらに好ましくは0.1g以上であり、好ましくは3.5g以下であり、より好ましくは3.2g以下であり、さらに好ましくは3g以下である。
形成された泡で口腔内装着器具を被覆した後、口腔内装着器具を水で漱ぐことにより、洗浄剤組成物を洗い流すのが好ましい。このように本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とすると、特段物理的な付加力を要することなく口腔内装着器具を水で漱ぐのみで、被覆した泡を洗い流しながら速効性の高い優れたデンチャープラーク除去効果及び不快臭の発生を有効に抑制する効果を発揮することができるため、高齢者等の使用者にとっても負担が軽減され、容易に使用頻度を高めることもできる。
また、形成された泡で口腔内装着器具を被覆した後、物理的な付加力を施すことなく、組成物を適用した後の口腔内装着器具を水により漱いで洗い流すことが好ましい。これにより、簡易的かつ効果的に口腔内装着器具を洗浄することが可能である。
泡の効果を充分に発揮させる観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を、泡形成機構を備えた容器に充填し、該容器より噴射又は吐出することにより泡を形成することが好ましい。
泡形成機構を備えた容器とは、容器に充填されてなる内容物を噴射口又は吐出口から容器外部へと泡形成機構を介して噴射又は吐出することにより、泡を形成することができる容器である。かかる泡形成機構を備えた容器としては、トリガー式噴射容器、ポンプ式ディスペンサー容器が挙げられる。
トリガー式噴射容器は、内容物を充填する容器本体と、泡形成機構であるトリガー及びスプレイヤーを具備しており、使用時にトリガーを引くことにより、内容物がスプレイヤーの噴射口から外部へと噴射され、泡が形成される。かかるトリガー式噴射容器は、直圧型であってもよく、蓄圧型であってもよい。
ポンプ式ディスペンサー容器は、内容物を充填する容器本体と、チューブやノズル、及びこれらの内部にメッシュ等の泡形成機構を具備し、使用時に容器の一部を押圧することにより、内容物がチューブやノズルの吐出口から外部へと吐出され、泡が形成される。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用いて口腔内装着器具を洗浄する場合、これら容器のなかでも、泡の効果を充分に発揮させる観点から、トリガー式噴射容器を用いるのが好ましい。
トリガー式噴射容器を用いる場合、泡の効果を充分に発揮させる観点から、噴射距離20cmにおける噴射径を好ましくは2cm以上、より好ましくは3cm以上、好ましくは10cm以下、より好ましくは8cm以下に設定するのが望ましい。
また、トリガー式噴射容器において、内容物である洗浄剤組成物の噴射力は、泡を有効に形成させる観点から、噴射距離20cmにおける噴射力を好ましくは1g・f以上、より好ましくは3g・f以上、好ましくは10g・f以下、より好ましくは8g・f以下に設定するのが望ましい。
このように、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、特段物理的な付加力を要することなく、短時間の適用で口腔内装着器具のデンチャープラークを充分に除去でき洗浄後には口腔内装着器具や口腔用装着器具に残留するデンチャープラークにおける香料化合物の過度な残留を回避して、不快臭の発生を有効に抑制することができる。その結果、高齢者等の使用者にとっても負担が軽減され、容易に使用頻度を高めることもできる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~6、比較例1~11]
表1に記載の処方にしたがって、表2に記載の香料化合物(B)又は(C)をそれぞれ0.2質量%配合し、各口腔内装着器具用洗浄剤組成物実施例1~6、比較例1~11(pH10)を調製した。
次いで、下記方法にしたがって香気の保持性の評価を行った。
《香気の保持性の評価》
調製した各口腔内装着器具用洗浄剤組成物25mLをガラス製スクリュー管(FSメディアバイアル、50mL、マルエム社製)に入れ、調製直後の組成物からもたらされる香気を訓練された専門パネル1名により下記基準にしたがって評価した。次いで、恒温保管装置を用い、各口腔内装着器具用洗浄剤組成物を50℃にて30日間保管した後に室温に戻し、同様にして組成物からもたらされる香気の程度を評価した。
結果を表2に示す。
なお、調製直後の評価結果が2以上であり、かつ保存後の評価結果が1以上であれば、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物として、香気の保持性に優れると判断した。数値が高いほど、香気をより強く感じる(香気の保持性に優れる)ことを示す。
0:香気が感じられない
1:香気がかすかに感じられる
2:香気が弱くなっているが、感じられる
3:香気がやや弱くなっているがはっきりと感じられる
4:香気がよく保たれており、はっきりと感じられる
Figure 0007177125000001
Figure 0007177125000002
[実施例7~10、比較例12~13]
表3に記載の処方にしたがって、表4に記載の香料組成物1~2を香料化合物(B)又は(C)として配合し、各口腔内装着器具用洗浄剤組成物を調製した。
次いで、下記方法にしたがって評価を行った。
《脂肪酸臭の評価》
調製した各口腔内装着器具用洗浄剤組成物25mLを、ガラス製スクリュー管(FSメディアバイアル、50mL、マルエム社製)に入れ、訓練された専門パネル1名により、調製直後の組成物の脂肪酸臭を下記基準にしたがって評価した。次いで、恒温保管装置を用い、25℃にて30日間保管した後、同様にして組成物の脂肪酸臭を評価した。
結果を表4に示す。
0:脂肪酸臭が感じられない
1:脂肪酸臭がかすかに感じられる
2:脂肪酸臭が弱く感じられる
3:脂肪酸臭がはっきりと感じられる
4:脂肪酸臭が少し強く感じられる
5:脂肪酸臭が強く感じられる
《洗浄後の義歯に残留する臭いの評価》
調製した各口腔内装着器具用洗浄剤組成物25mLを、恒温保管装置を用いて50℃にて3日間保管した後、これに義歯基板(杏友会社製、素材:ポリメチルメタクリレート樹脂、1cm)を5分間浸漬した。次いで、義歯基板を水で漱いで組成物を洗い流し、訓練された専門パネラー1名により、義歯基板に残留する不快臭を下記基準にしたがって評価した。数値が高いほど、不快臭(義歯に残留する臭い)をより強く感じることを示す。
結果を表4に示す。
0:不快臭が感じられない
1:不快臭がかすかに感じられる
2:不快臭が弱く感じられる
3:不快臭がはっきりと感じられる
4:不快臭が少し強く感じられる
5:不快臭が強く感じられる
《泡状での適用における評価》
実施例7~10で得られた口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡吐出用容器(噴射距離20cmにおける噴射径:5cm、噴射力:5g・fに設定したトリガー式噴射容器)に充填し、吐出口から吐出させた泡状の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を使用済の義歯に適用して、5分間放置した後、義歯を水で漱いで組成物を洗い流した。
義歯に組成物を適用する時点から義歯を水で漱ぐ時点まで、組成物に由来する脂肪酸臭や不快臭等の異臭は感じられなかった。また、洗浄後の義歯は、短時間の組成物の適用にもかかわらず、付着していたデンチャープラークが充分に除去され香料の残留による不快臭も感じられなかった。
そして、義歯を口腔内へ戻して装着すると、異味異臭もなくヌメリのない高い洗浄性能を実感することができた。
《デンチャープラーク除去効果の評価》
1)デンチャープラークモデル試験液の調整
寒天プレート(Anaero Columbia Agar with RSB, Nippon Becton Dickinson)にStreptococcus mutans JCM5705及びCandida albicans JCM1542のグリセロールストックを画線し、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で48時間から72時間培養した。培養後の寒天プレートからシングルコロニーをピックアップし、液体培地A(SCD培地ダイゴ(日本製薬社製)3質量%, Bacto Yeast Extract(ベクトンディッキンソン社製)0.5質量%)20mLを分注した細胞培養フラスコに入れてかき混ぜた後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で24時間培養した。
培養後、この培養液をOD=0.5となるように液体培地Aで希釈した。この希釈液を液体培地B(SCD培地ダイゴ3wt%, Bacto Yeast Extract 0.5wt%, D(+)-グルコース(富士フィルム和光純薬社製)1質量%、スクロース(富士フィルム和光純薬社製)2質量%)でS. mutans OD=0.01、C. albicans OD=0.00001となるように希釈した。さらに滅菌した塩化カルシウム(富士フィルム和光純薬社製)水溶液をカルシウムイオン終濃度40ppmとなるように混ぜ、デンチャープラークモデル試験液を調製した。
2)デンチャープラークモデルの作製
義歯基板(杏友会社製、素材:ポリメチルメタクリレート樹脂、1cm)を24穴プレートに入れ、上記1)で調製したデンチャープラークモデル試験液を1mLずつ添加した後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で16時間培養した。
3)デンチャープラーク除去効果の評価
減圧ポンプを用いてプレート中の上述のデンチャープラークモデル試験液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。次にポンプを用いてイオン交換水を吸い取り、実施例及び比較例で得られた各組成物1mLを別途24穴プレートに調製した。次いで、調製した溶液にデンチャープラークモデルを形成した義歯基板を浸漬し適用させ、5分間静置した。
振盪は、振盪機(BioShake iQ(ワケンビーテック社製))を用い、室温(25℃)、550rpmの条件で行った。
その後、各組成物を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。イオン交換水1mLを添加して5分間振盪する操作を計3回繰り返した。次いで、イオン交換水を吸い取り、0.1質量%クリスタルバイオレット(CV)溶液を750μL添加して15分間振盪した。
さらにポンプでCV染色液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。イオン交換水1mLを添加して5分間振盪する操作を2回繰り返した。次いで、イオン交換水をポンプで吸い取り、エタノール500μLを添加してピペッティングした後、抽出液をイオン交換水で10倍希釈し、マイクロプレートレコーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度OD595nmを測定した。
また、上記得られた組成物の代わりにイオン交換水を用いた際の吸光度OD595nm(初期値)を基準とし、下記式にしたがってデンチャープラーク除去率(%)を算出した。
デンチャープラーク除去率(%)=100-
{上記得られた組成物を用いた際のOD595nm/上記得られた組成物の代わり にイオン交換水を用いた際のOD595nm}×100
結果を表5に示す。
なお、得られたデンチャープラーク除去率の値が大きいほど、デンチャープラーク除去効果が高いことを意味する。
Figure 0007177125000003
Figure 0007177125000004
Figure 0007177125000005

Claims (4)

  1. 次の成分(A)~(B):
    (A)炭素数14以上20以下の脂肪酸はその塩 脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下
    (B)イオノン、シス-3-ヘキセノール、ゲラニオール、δ-ウンデカラクトン、ピネン、及びチモールから選ばれる1種又は2種以上の香料化合物
    を含有し、
    成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が0.8以上500以下であり、かつ25℃におけるpHが8以上14以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  2. メントール、リモネン、リナロール、シトラール、イソプレゴール、乳酸メンチル、及びバニリンから選ばれる1種又は2種以上の香料化合物(C)の含有量が0.09質量%未満であるか、或いは成分(C)を含有しない請求項1に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  3. さらに、成分(A)以外のアニオン性界面活性剤(d1)、ノニオン性界面活性剤(d2)、及び両性界面活性剤(d3)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤(D)を0.05質量%以上20質量%以下含有する請求項1又は2に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  4. 成分(d1)が、アシルアミノ酸塩である請求項3に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
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