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JP7174350B2 - テーブル - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板に所定の処理を行う際に、ガラス板を載置するためのテーブルに関する。
ガラス板の製造工程には、ガラス板を所定サイズに切断する切断工程や、ガラス板の切断された端面に対して面取りなどの仕上げ加工を施す端面加工工程が含まれる。
更に、ガラス板の製造工程には、切断工程や端面加工工程の後に、ガラス板の寸法や角部の直角度などを含むガラス板の形状データを測定する形状測定工程が実施される場合もある。
このような様々な加工や測定などの処理を正確にガラス板に行うためには、各処理時にガラス板を位置決めする必要がある。
そこで、例えば、特許文献1には、ガラス板の形状測定時に、ガラス板をフッ素樹脂プレート上に載置した後に、ガラス板をフッ素樹脂プレート上で摺動させることで、ガラス板を位置決めすることが開示されている。
特開2003-75121号公報
特許文献1では、比較的小寸法のフォトマスク用の方形のガラス板を対象としているが、仮に大寸法化が進められているフラットパネルディスプレイ用のガラス基板などに適用した場合には、大寸法のフッ素樹脂プレートを用いる必要があるため、コストアップは避けられない。
本発明は、大寸法のガラス板であっても、ガラス板の位置決めを容易かつ低コストで実現することを課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ガラス板に所定の処理を行うために、ガラス板が載置される載置部を有するテーブルであって、載置部が、ガラス板との接触部が第一方向に沿って長尺な第一凸条部と、ガラス板との接触部が第一方向と異なる第二方向に沿って長尺な第二凸条部と、を備えている。
このような構成によれば、ガラス板が、載置部の第一凸条部および第二凸条部によって支持される。第一凸条部の接触部は第一方向に沿って細長いため、ガラス板を第一方向に沿って移動させる際に、第一凸条部はガラス板に対して大きな抵抗にならない。そのため、第一凸条部でガラス板を支持した状態のまま、ガラス板を第一方向にスムーズに移動させることができる。同様に、第二凸条部の接触部は第二方向に沿って細長いため、ガラス板を第二方向に沿って移動させる際に、第二凸条部はガラス板に対して大きな抵抗にならない。そのため、第二凸条部でガラス板を支持した状態のまま、ガラス板を第二方向にスムーズに移動させることができる。したがって、第一凸条部および第二凸条部でガラス板を支持した状態のまま、ガラス板を異なる二方向にスムーズに移動させることができるため、ガラス板を容易に位置決めできる。また、第一凸条部および第二凸条部は、ガラス板の全面を面で支持する場合に比べて支持面積を十分小さくできるため、大寸法のガラス板を支持する場合であっても、支持面積の拡大に伴うコストアップを抑制できる。
上記の構成において、ガラス板が矩形状をなし、第一凸条部の接触部が、ガラス板の対向する一対の辺に沿って延び、第二凸条部の接触部が、ガラス板の対向する他の一対の辺に沿って延びることが好ましい。
このようにすれば、第一方向がガラス板の対向する一対の辺と実質的に平行となり、第二方向がガラス板の対向する他の一対の辺と実質的に平行になる。そのため、ガラス板を各辺に沿った方向にスムーズに移動させることができるため、ガラス板の位置決めが更に容易になる。
上記の構成において、載置部が、ガラス板を支持する球状ローラを更に備えていることが好ましい。
このようにすれば、載置部上でのガラス板の移動がよりスムーズになる。
上記の構成において、第一凸状部の接触部および第二凸条部の接触部が、樹脂で形成されていることが好ましい。
このようにすれば、ガラス板の滑りがよくなるため、ガラス板が破損しにくくなる。
本発明によれば、大寸法のガラス板であっても、ガラス板の位置決めを容易かつ低コストで実現できる。
本発明の実施形態に係るガラス板測定装置を示す平面図である。 第一凸条部の短手方向の断面図である。 (a)~(d)は、第一凸条部の変形例を示す短手方向の断面図である。 図1のA-A断面図であって、直定規と倣い機構のローラとの接触状態の一例を示す断面図である。 図1のB-B断面図であって、載置治具を用いてガラス板をテーブルに載置する準備工程を示す図である。 本発明の実施形態に係るガラス板測定装置の平面図であって、ガラス板の端面の真直度を測定する真直度測定工程を示す図である。 図6の真直度測定工程において、ガラス板を介して錘を支持部材で支持した状態を示す斜視図である。 図6の真直度測定工程における、距離計の接触子とガラス板の端面との接触状態の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラス板測定装置の平面図であって、ガラス板の寸法を測定する寸法測定工程を示す図である。 本発明の実施形態に係るガラス板測定装置の平面図であって、ガラス板の直角度を測定する直角度測定工程を示す図である。 図10の直角度測定工程において、距離計の測定値から直角度を得る方法を説明するための概略図である。 本発明の実施形態に係るガラス板測定装置の平面図であって、校正治具を用いて寸法測定計を校正する第一校正工程を示す図である。 図12のD-D断面図であって、校正工程における校正治具の配置態様を示す図である。 図12のC-C断面図であって、校正治具の支持部とガラス板との高さ方向の位置関係を示す図である。 本発明の実施形態に係るガラス板測定装置の平面図であって、校正治具を用いて距離計を校正する第二校正工程の序盤の状態を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るガラス板測定装置の平面図であって、校正治具を用いて距離計を校正する第二校正工程の終盤の状態を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、図中のXYZは直交座標系である。X方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
図1に示すように、本実施形態に係るガラス板測定装置1は、矩形状のガラス板Gの形状データを測定するための装置である。本実施形態では、ガラス板測定装置1は、形状データとして、ガラス板Gの少なくとも一つの端面Ga~Gdの真直度と、ガラス板Gの縦横寸法(X方向寸法およびY方向寸法)と、ガラス板Gの少なくとも一つの角部G1~G4で交差する端面Ga~Gdの直角度と、を測定するようになっている。すなわち、ガラス板測定装置1は、真直度測定装置と、寸法測定装置と、直角度測定装置と、を備えている。
(テーブル)
ガラス板測定装置1は、ガラス板Gが載置される載置部2xを有するテーブル2を基本的な構成として備えている。ガラス板Gは、端面Ga,GbがX方向と実質的に平行となり、端面Gc,GdがY方向に実質的に平行となるように、テーブル2の載置部2xに載置される。
ここで、ガラス板Gの厚みは、例えば0.2~10mmであり、ガラス板Gのサイズは、例えば700mm×700mm~3000mm×3000mmである。ガラス板Gは、ダウンドロー法(例えばオーバーフローダウンドロー法)、フロート法などの公知の方法により製造される。ガラス板Gは、例えば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの基板や、タッチパネルなどのカバーガラスに利用される。
載置部2xは、単一又は複数の平面から形成されていてもよいが、本実施形態では、ガラス板Gと接触する長尺な接触部を有する第一凸条部2aおよび第二凸条部2bを備えている。
第一凸条部2aの接触部は、ガラス板Gの対向する一対の端面Ga,Gb、すなわちX方向に沿って延びており、第二凸条部2bの接触部は、ガラス板Gの対向する一対の端面Gc,Gd、すなわちY方向に沿って延びている。
このようにすれば、第一凸条部2aの接触部はX方向に沿って細長くなるため、ガラス板GをX方向に沿って移動させる際に、第一凸条部2aはガラス板Gに対して大きな抵抗にならない。そのため、第一凸条部2aでガラス板Gを下方から支持した状態のまま、ガラス板GをX方向にスムーズに移動(摺動)させることができる。同様に、第二凸条部2bの接触部はY方向に沿って細長くなるため、ガラス板GをY方向に沿って移動させる際に、第二凸条部2bはガラス板Gに対して大きな抵抗にならない。そのため、第二凸条部2bでガラス板Gを下方から支持した状態のまま、ガラス板GをY方向にスムーズに移動(摺動)させることができる。したがって、第一凸条部2aおよび第二凸条部2bでガラス板Gを支持した状態のまま、ガラス板GをX方向およびY方向の異なる二方向にスムーズに移動させて容易に位置決めすることができる。また、第一凸条部2aおよび第二凸条部2bは、ガラス板Gの全面を面で支持する場合に比べて支持面積を小さくできるため、大寸法のガラス板Gを支持する場合であっても、載置部2xの支持面積の拡大に伴うコストアップを抑制できる。
第一凸条部2aは、Y方向の複数箇所で、X方向に間隔を置いて複数設けられており、第二凸条部2bは、X方向の複数箇所で、Y方向に間隔を置いて複数設けられている。すなわち、第一凸条部2aおよび第二凸条部2bは、ガラス板Gを安定した姿勢で支持できるように、互いに間隔を置いてテーブル2上に点在している。
第一凸条部2aおよび第二凸条部2bは、ネジなどの締結具(図示しない)によってテーブル2に着脱可能に固定されている。したがって、複数の凸条部2a,2bのうちの任意の部材を個別に交換できる。
なお、第一凸条部2aおよび第二凸条部2bの配列態様は、特に限定されるものではなく、例えば、碁盤目状や千鳥状などの規則的な配列であってもよいし、不規則的な配列であってもよい。また、第一凸条部2aの接触部の長手方向および第二凸条部2bの接触部の長手方向は、X方向やY方向に限定されるものではなく、互いに異なる方向であればよい。更に、凸条部2a,2bと異なる方向(例えば、X方向とのなす角が45°の方向)に沿って長尺な接触部を有する別の凸条部を更に設けてもよい。
図2に示すように、第一凸条部2aの短手方向(Y方向)の断面形状は、第一凸条部2aのテーブル2上での姿勢安定性を考慮し、台形状である。すなわち、第一凸条部2aは、底部2aa側が上部2ab側に比べて幅広になっており、底部2aaをテーブル2に接地させた状態でテーブル2に固定されている。ここで、第一凸条部2aの上部2ab(ガラス板Gとの接触部)は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。あるいは、凸条部2aの上部2abは、短手方向の幅を狭くして線状としてもよく、この場合、第一凸条部2aの短手方向(Y方向)の断面形状は、例えば三角形状とすることができる。なお、第一凸条部2aの短手方向の断面形状は、特に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第一凸条部2aは、例えば図3(a)~(d)に示すような断面形状を採用できる。図3(a)では、第一凸条部2aは、先端部(ガラス板G側)が台形状であり、基端部(テーブル2側)が矩形状である。図3(b)では、第一凸条部2aは、凸曲面を構成する半円状である。図3(c)では、第一凸条部2aは、並列に配列された二本の凸条を有するU字状である。図3(d)では、第一凸条部2aは、ブラシ状であり、つまり、第一凸条部2aがブラシで構成されてもよい。第二凸条部2bの短手方向(X方向)の断面形状は、特に限定されるものではないが、第一凸条部2aの短手方向(Y方向)の断面形状と同様の形状を採用できる。
第一凸条部2aの接触部および第二凸条部2bの接触部は、例えばナイロンなどの樹脂であることが好ましい。このようにすれば、ガラス板Gが凸条部2a,2b上で滑りやすくなる。なお、本実施形態では、第一凸条部2aおよび第二凸条部2bの全体が、樹脂で形成されている。
第一凸条部2aの接触部の長手方向の寸法(X方向寸法)および第二凸条部2bの接触部の長手方向の寸法(Y方向寸法)は、例えば0.2~20mmであることが好ましい。また、第一凸条部2aの接触部の短手方向の寸法(Y方向寸法)および第二凸条部2bの接触部の短手方向の寸法(X方向寸法)は、例えば5~400mmであることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態では、載置部2xは、複数の柱状の突起部2cを更に備えている。突起部2cは、先端部でガラス板Gを下方から支持する。突起部2cの先端部は、ガラス板Gの位置決めを容易にするために、フロート機構を備えていてもよいが、本実施形態では球状ローラで構成されている。突起部2cは、互いに間隔を置いてテーブル2上に点在している。なお、突起部2cの配列態様は、特に限定されるものではなく、例えば、碁盤目状や千鳥状などの規則的な配列であってもよいし、不規則的な配列であってもよい。また、突起部2cの先端部は、非転動体であってもよく、例えば、凸曲面や平面などの任意の形状を取り得る。突起部2cは省略してもよい。
(真直度測定装置)
図1に示すように、ガラス板測定装置1は、ガラス板Gの端面Ga~Gdの真直度(直進度)を測定するための構成として、距離計3と、保持機構4と、直定規5と、倣い機構6と、をテーブル2上に備えている。ここで、真直度は、直線形状の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさを意味する。
距離計3は、テーブル2の載置部2xに載置されたガラス板Gの端面Gaまでの距離、すなわち、ガラス板Gの端面Gaの基準位置からの変位を測定するようになっている。ここで、本実施形態では、基準位置は、ガラス板Gの端面GaのX方向両端部の位置に設定されている。つまり、ガラス板Gの端面GaのX方向両端部において距離計3の測定値が零を示すように、距離計3が校正されると共にガラス板Gの載置位置が調整されている。
距離計3は、測定対象の端面Gaと接触する接触子3aと、接触子3aをY方向に進退動可能に保持するスピンドル3bと、を備える接触式の距離計(例えばダイヤルゲージ)である。本実施形態では、接触子3aは円筒状のローラであり、ガラス板Gの端面Gaと接触しながら転動するようになっている(後述する図8を参照)。また、接触子3aは、測定対象の端面Ga側に付勢されており、測定対象の端面Gaに倣うことが可能である。なお、接触子3aは、例えば、円筒状以外の形状をなす転動体(例えば球状ローラ)や、ガラス板Gの端面Ga上を摺動する非転動体(例えば針状部材や円筒状部材など)であってもよい。
保持機構4は、距離計3を、Y方向(ガラス板Gの端面Gaから離間する方向)およびX方向(ガラス板Gの端面Gaに沿う方向)に移動可能に保持している。
保持機構4は、テーブル2上に設けられたレール4aに沿ってX方向に移動可能な第一ステージ4bと、第一ステージ4b上に設けられたレール4cに沿ってY方向に移動可能な第二ステージ4dと、を備えている。第一ステージ4bは、手動又は自動でX方向に移動可能である。第二ステージ4d上には、距離計3が取り付けられている。なお、第二ステージ4dの移動方向は、Y方向と平行であるが、Y方向に対して角度を有してもよい。
保持機構4は、テーブル2上に設けられ、距離計3のX方向における位置を示すスケール4eを更に備えている。本実施形態では、スケール4e上には、距離計3による測定位置を示す所定のマークが等間隔で付されている。なお、スケール4eの配置位置は、例えば直定規5上などの任意の位置を取り得る。スケール4eは省略してもよい。
直定規5は、テーブル2上にX方向に沿って設けられている。直定規5の真直度は、予め測定されて記録されている。
倣い機構6は、保持機構4に取り付けられた距離計3を直定規5に沿わせるための機構である。倣い機構6は、押圧部材6aと、バネ6bと、を備えている。
押圧部材6aは、基端部が第二ステージ4dに取り付けられて、先端部が直定規5と接触するようになっている。
バネ6bは、第二ステージ4dを直定規5側に引き寄せるように、第一ステージ4bと第二ステージ4dとの間に跨って設けられている。このようなバネ6bの引き寄せ力により、押圧部材6aが直定規5に押圧されるため、距離計3のX方向位置が安定する。なお、バネ6bは、第二ステージ4dを押して直定規5側に寄せるように設けてもよい。また、バネ6bは、例えばゴムなどの他の弾性体であってもよいし、省略してもよい。
図4に示すように、押圧部材6aは、先端部に円筒状のローラ6cを備えている。直定規5は、ローラ6cを受け入れる凹状の案内溝5aを備えている。すなわち、ローラ6cは、案内溝5aに受け入れられた状態で、直定規5上を転動するようになっている。本実施形態では、直定規5の真直度として、案内溝5aの真直度が予め測定されて記録されている。なお、押圧部材6aの先端部は、例えば、円筒状以外の形状をなす転動体(例えば球状ローラ)や、直定規5上を摺動する非転動体(例えば球状部材や円筒状部材など)であってもよい。
(寸法測定装置)
図1に示すように、ガラス板測定装置1は、ガラス板GのX方向寸法およびY方向寸法を測定するための構成として、第一ピン7と、第二ピン8と、第一寸法測定計9と、第二寸法測定計10と、をテーブル2上に備えている。
第一ピン7は、テーブル2の載置部2xに載置されたガラス板GのY方向と実質的に平行な端面Gcに接触するようになっている。第二ピン8は、テーブル2の載置部2xに載置されたガラス板GのX方向と実質的に平行な端面Gaに接触するようになっている。すなわち、第二ピン8は、第一ピン7が接触する端面Gcと略直角に交差する端面Gaと接触する。
第一寸法測定計9は、Y方向と実質的に平行な端面Gc,Gdの間の寸法、すなわち、ガラス板GのX方向寸法(第一寸法)を測定するようになっている。第二寸法測定計10は、X方向と実質的に平行な端面Ga,Gbの間の寸法、すなわち、ガラス板GのY方向寸法(第二寸法)を測定するようになっている。
第一寸法測定計9は、端面Gdと接触する接触子9aと、接触子9aをX方向に進退動可能に保持するスピンドル9bと、を備える接触式の距離計(例えばダイヤルゲージ)である。同様に、第二寸法測定計10は、端面Gbと接触する接触子10aと、接触子10aをY方向に進退動可能に保持するスピンドル10bと、を備える接触式の距離計(例えばダイヤルゲージ)である。本実施形態では、接触子9a,10aは円筒状の非転動体である。なお、接触子9a,10aは、例えば、円筒状以外の形状をなす非転動体(例えば球状部材や針状部材)や、転動体(例えば円筒状ローラや球状ローラ)であってもよい。
第一寸法測定計9は、そのX方向位置を調整可能な第一位置調整機構F上に設けられている。これにより、寸法の異なるガラス板Gを測定可能なように、第一寸法測定計9の位置を容易に変更できる。また、ガラス板Gの寸法以外の他の形状データを測定する際などに、第一寸法測定計9を邪魔にならない位置まで退避させることができる。第一位置調整機構Fは、第一寸法測定計9のX方向位置を調整可能であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、テーブル2上に設けられた第一レールFaと、第一レールFaに沿ってX方向に移動可能な第一スライダーFbと、を備えている。第一スライダーFbは、手動又は自動でX方向に移動可能である。第一スライダーFb上には、第一寸法測定計9が取り付けられている。
第二寸法測定計10は、そのY方向位置を調整可能な第二位置調整機構S上に設けられている。これにより、寸法の異なるガラス板Gを測定可能なように、第二寸法測定計10の位置を容易に変更できる。また、ガラス板Gの寸法以外の他の形状データを測定する際などに、第二寸法測定計10を邪魔にならない位置まで退避させることができる。第二位置調整機構Sは、第二寸法測定計10のY方向位置を調整可能であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、テーブル2上に設けられた第二レールSaと、第二レールSaに沿ってY方向に移動可能な第二スライダーSbと、を備えている。第二スライダーSbは、手動又は自動でY方向に移動可能である。第二スライダーSb上には、第二寸法測定計10が取り付けられている。
第一ピン7および第一寸法測定計9は二組設けられると共に、第二ピン8および第二寸法測定計10は二組設けられている。すなわち、ガラス板GのX方向寸法およびY方向寸法のそれぞれが二箇所で測定されるようになっている。なお、X方向寸法およびY方向寸法は、二箇所の平均値としてもよい。
組をなす第一ピン7および第一寸法測定計9の接触子9aは、X方向で正対している。すなわち、組をなす第一ピン7および第一寸法測定計9の接触子9aは、Y方向位置が実質的に同じである。同様に、組をなす第二ピン8および第二寸法測定計10の接触子10aは、Y方向で正対している。すなわち、組をなす第二ピン8および第二寸法測定計10の接触子10aは、X方向位置が実質的に同じである。
第一ピン7および第二ピン8は、テーブル2に着脱可能に保持されている。本実施形態では、ピン7,8を保持するための係合孔(図示しない)がテーブル2上に設けられている。係合孔は、ガラス板Gのサイズが変更された場合に、ピン7,8の取り付け位置を調整できるように、テーブル2の複数箇所に設けられていることが好ましい。
なお、組をなす第一ピン7および第一寸法測定計9、並びに、組をなす第二ピン8および第二寸法測定計10のいずれか一方を省略し、第一寸法及び第二寸法のいずれか一方のみを測定する構成としてもよい。ガラス板Gの縦寸法及び横寸法を効率よく測定する観点では、組をなす第一ピン7および第一寸法測定計9、並びに、組をなす第二ピン8および第二寸法測定計10の両方を備えることが好ましい。
(直角度測定装置)
図1に示すように、ガラス板測定装置1は、ガラス板Gの端面Ga~Gdの直角度を測定するための構成として、第一ピン11と、第二ピン12と、距離計13と、をテーブル2上に備えている。なお、図中の符号14は、距離計13を校正するための校正用距離計である。
第一ピン11は、テーブル2の載置部2xに載置されたガラス板GのY方向と実質的に平行な端面Gc(第一端面)に接触するようになっている。第二ピン12は、テーブル2の載置部2xに載置されたガラス板GのX方向と実質的に平行な端面Gb(第二端面)に接触するようになっている。すなわち、第一ピン11および第二ピン12は、直角度を測定する対象である角部G1で交差する端面Gc,Gbにそれぞれ接触するようになっている。
第一ピン11は、Y方向に間隔を置いて設けられた一対のピンで構成されており、第二ピン12は、X方向に一つだけ設けられた単一のピンで構成されている。端面Gcは、一対の第一ピン11と接触することで、一対の第一ピン11の間を結ぶ直線と平行に保持される。すなわち、端面Gcが予め設定された所定の傾きで保持される。第二ピン12は、このような端面Gcの傾きを維持しつつ端面Gbと接触する。これにより、一対の第一ピン11、および第二ピン12の計三点によって、ガラス板Gが位置決めされる。
第一ピン11および第二ピン12は、テーブル2に着脱可能に保持されている。本実施形態では、ピン11,12を保持するための係合孔(図示しない)がテーブル2上に設けられている。係合孔は、ガラス板Gのサイズが変更された場合に、ピン11,12の取り付け位置を調整できるように、テーブル2の複数箇所に設けられていることが好ましい。
距離計13は、第一ピン11および第二ピン12によって位置決めされたガラス板Gについて、端面Gcと端面Gbとが直角である場合に端面Gbが位置する基準位置(図11の一点鎖線で示す位置を参照)に対する、実際の端面Gbの位置の変位(基準位置からのY方向のずれ)を測定するようになっている。
距離計13は、端面Gbと接触する接触子13aと、接触子13aをY方向に進退動可能に保持するスピンドル13bと、を備える接触式の距離計(例えばダイヤルゲージ)である。本実施形態では、接触子13aは円筒状の非転動体である。なお、接触子13aは、例えば、円筒状以外の形状をなす非転動体(例えば球状部材や針状部材)や、転動体(例えば円筒状ローラや球状ローラ)であってもよい。
距離計13は、第二ピン12が端面Gbと接触する位置と異なる位置で、端面Gbと接触するようになっている。本実施形態では、距離計13は、第二ピン12が端面Gbと接触する位置と、端面Gbが端面Gcと交差する位置との間で、端面Gbと接触するようになっている。
校正用距離計14も、距離計13と同様に、端面Gbと接触する接触子14aと、接触子14aをY方向に進退動可能に保持するスピンドル14bと、を備える接触式の距離計(例えばダイヤルゲージ)である。
校正用距離計14は、第二ピン12および距離計13が端面Gbと接触する位置と異なる位置で、端面Gbと接触するようになっている。本実施形態では、校正用距離計14は、第二ピン12が端面Gbと接触する位置と、距離計13が端面Gbと接触する位置との間で、端面Gbと接触するようになっている。
距離計13,14は、保持機構(例えばスライド機構)によってY方向に移動可能に保持されている。これにより、ガラス板Gの直角度以外の他の形状データを測定する際に、距離計13,14を邪魔にならない位置まで退避させることができる。また、ガラス板Gのサイズが変更された場合に、距離計13,14の位置を容易に調整できる。
(載置治具)
図1に示すように、ガラス板測定装置1は、ガラス板Gをテーブル2の載置部2xに載置するための構成として、ガラス板Gを下方から支持する載置治具15を備えている。載置治具15は、テーブル2の凸条部2a,2bおよび突起部2cを挿通可能な開口部15aを備えた梯子状の部材である。載置治具15は、ガラス板Gを載置治具15から凸条部2a,2bおよび突起部2cに載せ替えた後、テーブル2上に載置される。なお、凸条部2a,2bおよび/又は突起部2cは、載置治具15と干渉しなければ、開口部15aの内側に加え、開口部15aの外側に設けられていてもよい。載置治具15は、例えば格子状の部材などでもよく、凸条部2a,2bおよび突起部2cを挿通可能な開口部を備えた任意の形状を取り得る。
次に、以上のように構成されたガラス板測定装置1を用いたガラス板測定方法を説明する。
本実施形態に係るガラス板測定方法は、ガラス板Gをテーブル2の載置部2xに載置する準備工程と、ガラス板Gの端面の真直度を測定する真直度測定工程と、ガラス板Gの縦横寸法を測定する寸法測定工程と、ガラス板Gの端面の直角度を測定する直角度測定工程と、をこの順に備えている。なお、例えば、寸法測定工程、真直度測定工程、直角度測定工程の順に行うなど、準備工程以降のこれら工程の順番は入れ替えてもよい。
(準備工程)
図5に示すように、準備工程では、まず、ガラス板Gを載置治具15に載置した状態でテーブル2の上方位置まで運ぶ(図中の鎖線で示す状態)。次に、この状態から載置治具15を降下させ、載置治具15の開口部15aに、テーブル2の載置部2xの凸条部2a,2bおよび突起部(球状ローラ)2cを挿通させる。この過程で、載置治具15に載置されたガラス板Gが凸条部2a,2bおよび突起部2cにより押し上げられ、ガラス板Gが載置治具15から凸条部2a,2bおよび突起部2cに載せ換えられる。なお、載置治具15は、テーブル2上に載置した状態で、凸条部2a,2bおよび突起部2cよりも低い。そのため、ガラス板Gを載置治具15から凸条部2a,2bおよび突起部2cに載せ換えた後、載置治具15をテーブル2上に載置して収容できる。
(真直度測定工程)
図6に示すように、真直度測定工程では、まず、載置部2xで支持されたガラス板Gの位置決めがなされる。本実施形態では、ガラス板Gの端面GaのX方向一端部とX方向他端部とが所定の基準位置に来るようにガラス板Gを位置決めする。具体的には、端面GaのX方向両端部を測定するための第一位置P1および第二位置P2で、距離計3により測定される基準位置からの変位が零になるようにガラス板Gを位置決めする。このようなガラス板Gの位置決め作業において、距離計3を第一位置P1と第二位置P2との間で移動させる際は、距離計3の接触子3aの損耗を防止するために、接触子3aをガラス板Gの端面Gaから退避させた状態とすることが好ましい。次に、ガラス板Gを位置決めした状態で、ガラス板Gが移動しないようにガラス板G上に錘16を載置する。その後、スケール4eで位置を確認しながら保持機構4により距離計3をX方向に所定距離ずつ移動させ、ガラス板Gの端面Gaの真直度を測定する。なお、錘16は、真直度測定工程が終了した段階で、ガラス板Gの上から取り除く。
図7に示すように、本実施形態では、ガラス板G上に載置される錘16は、ガラス板Gの端面Gaの近傍で、端面Ga(すなわち直定規5)に沿って配置される。テーブル2には、ガラス板Gの端面Gaの近傍で、端面Ga(すなわち直定規5)に沿って延び、ガラス板Gを介して錘16を支持する支持部材17が配置されている。これにより、真直度を測定するガラス板Gの端面Gaの近傍が、錘16の荷重によって下方に撓むのを防止している。
なお、真直度測定工程では、ピン7,8,11,12はテーブル2から取り外すと共に、寸法測定計9,10および距離計13,14は邪魔にならない位置に退避させることが好ましい。寸法測定計9,10および距離計13,14の退避方法としては、例えば、寸法測定計9,10および距離計13,14の各々の全体を退避位置まで後退させる方法や、接触子9a,10a,13a,14aのみを退避位置まで後退させる方法(図6の状態)などが挙げられる。
図8に示すように、距離計3の接触子3aは円筒状のローラであり、ガラス板Gの端面Gaと接触しながら転動する。このようにすれば、接触子3aの回転に伴って、接触子3aのうち、ガラス板Gの端面Gaと接触する部分が順に変化するため、接触子3aの摩耗を抑制できる。また、接触子3aが円筒状であるため、ガラス板Gの端面Gaが傾斜している場合でも、端面Gaの最突出部の変位が常に測定される。したがって、距離計3による真直度の測定誤差が小さくなる。なお、接触子3aの回転軸は、ガラス板Gの厚み方向(Z方向)と実質的に平行である。
図6に示すように、距離計3のY方向の位置は、直定規5を基準として決定されるため、距離計3で測定されるガラス板Gの端面Gaの変位(真直度)は、直定規5の真直度の影響を受ける。そのため、測定されたガラス板Gの端面Gaの真直度S1と、既知の直定規5の真直度S2との差(S1-S2)が、最終的なガラス板Gの端面Gaの真直度として記録される。
なお、ガラス板Gの端面Gaの真直度の測定後に、位置P1,P2で距離計3によりガラス板Gの端面Gaを再度測定し、ガラス板Gの位置ずれの有無を確認することが好ましい。すなわち、両方の位置P1,P2で距離計3により測定される基準位置からの変位が零であれば、測定前後でガラス板Gに位置ずれがないことが確認できる。
上記ではガラス板Gの端面Gaの真直度を測定する場合を例示したが、ガラス板Gの四つの端面Ga~Gdのそれぞれの真直度を測定することが好ましい。この場合、ガラス板Gの端面Gaの真直度を測定した後に、載置治具15やその他の手段により、テーブル2に対するガラス板Gの向きを変更し、残りの端面Gb~Gdの真直度を同様の手順で測定する。ガラス板Gの四つの端面Ga~Gdのそれぞれの真直度を測定すれば、例えば、ガラス板Gの製造工程に含まれる端面加工工程において、ガラス板Gの各端面Ga~Gdの真直度に基づいて加工工具の位置を正確に調整できる。そのため、ガラス板Gの各端面Ga~Gdを一定研削量で加工し易くなる。なお、このような真直度に基づいて加工工具の位置を調整する方法は、定圧研削を実施する場合にも適用できる。
(寸法測定工程)
図9に示すように、寸法測定工程では、まず、第一ピン7および第二ピン8をガラス板Gの端面Ga,Gcに接触させ、載置部2xで支持されたガラス板Gを位置決めする。この状態で、寸法測定計9,10の接触子9a,10aをガラス板Gの端面Gb,Gdに接触させ、ガラス板GのX方向寸法およびY方向寸法を測定する。寸法測定計9,10の接触子9a,10aは円筒状であるため、距離計3の接触子3aと同様に、ガラス板Gの端面Gb,Gdの最突出部の位置が測定される。
ガラス板GのX方向寸法およびY方向寸法は、同時に測定してもよいし、別々に測定してもよい。別々に測定する場合には、例えば、第一ピン7をガラス板Gの端面Gcに接触させて、第一寸法測定計9によりガラス板GのX方向の寸法を測定した後に、第一ピン7および第一寸法測定計9とガラス板Gとの接触を解除すると共に、第二ピン8をガラス板Gの端面Gaに接触させて、第二寸法測定計10によりガラス板GのY方向の寸法を測定する。
なお、本実施形態では、X方向寸法およびY方向寸法のそれぞれを二箇所で測定しているが、ピンとこれに正対する寸法測定計の組数は、適宜変更可能である。すなわち、X方向寸法およびY方向寸法のそれぞれは、一箇所のみで測定してもよいし、三箇所以上で測定してもよい。
寸法測定工程では、距離計3,13,14を邪魔にならない位置に退避させることが好ましい。距離計3,13,14の退避方法としては、例えば、距離計3,13,14の各々の全体を退避位置まで後退させる方法や、接触子3a,13a,14aのみを退避位置まで後退させる方法(図9の状態)などが挙げられる。
(直角度測定工程)
図10に示すように、直角度測定工程では、まず、第一ピン11および第二ピン12をガラス板Gの端面Gb,Gcに接触させ、載置部2xで支持されたガラス板Gを位置決めする。この状態で、距離計13の接触子13aをガラス板Gの端面Gbに接触させ、端面Gbの基準位置からの変位(Y方向の変位)を測定する。距離計13の接触子13aは円筒状であるため、距離計3の接触子3aと同様に、ガラス板Gの端面Gaの最突出部の位置が測定される。
距離計13によって測定された変位は、端面Gcの垂直面に対する端面Gbの傾きに換算され、この傾きは直角度を示す。図11に示すように、端面Gcの垂直面に対する端面Gbの傾き(直角度)は、例えば、端面Gcと端面Gbとが交差する位置から、端面Gbと端面Gbとが交差する位置までのY方向の変位M(=d1×d3/d2)、又は端面Gcの垂直面と端面Gbとのなす角θ(=tan-1(d1/d2))で表される。ここで、d1は距離計13により測定されたY方向の変位、d2は既知である距離計13と第二ピン12との間のX方向距離、d3は既知であるガラス板GのX方向寸法(設計値)である。端面Gcの垂直面に対する端面Gbの傾きは、例えば、距離計13で測定された変位から演算装置で自動演算するようにしてもよいし、距離計13で測定された変位を傾きに換算する換算表を予め作成しておき、その換算表から読み取るようにしてもよい。
このように直角度を測定し、製造されるガラス板Gの直角度を管理することで、例えば、加工・洗浄・検査などの各種工程(納入先の工程を含む)でガラス板Gのアライメント(位置決め)のずれが生じるのを防止できる。
上記ではガラス板Gの角部G1で交差する端面の直角度を測定する場合を例示したが、ガラス板Gの四つの角部G1~G4のそれぞれで交差する端面の直角度を全て測定するようにしてもよい。この場合、ガラス板Gの角部G1で交差する端面の直角度を測定した後に、載置治具15やその他の手段により、テーブル2に対するガラス板Gの向きを変更し、残りの角部G2~G4で交差する端面の直角度を同様の手順で測定する。
なお、直角度測定工程では、ピン7,8はテーブル2から取り外すと共に、距離計3,14および寸法測定計9,10は邪魔にならない位置に退避させることが好ましい。距離計3,14および寸法測定計9,10の退避方法としては、例えば、距離計3,14および寸法測定計9,10の各々の全体を退避位置まで後退させる方法や、接触子3a,9a,10a,14aのみを退避位置まで後退させる方法(図10の状態)などが挙げられる。
(校正工程)
本実施形態に係るガラス板測定方法は、準備工程の前に、寸法測定工程で使用する寸法測定計9,10を校正する第一校正工程と、直角度測定で使用する距離計13を校正する第二校正工程と、を更に備えている。これら校正工程は、ガラス板Gの測定の度に毎回実施してもよいし、ガラス板Gの測定を所定回数又は所定時間行った後に実施してもよい。また、測定対象のガラス板Gのサイズが変わる場合に実施してもよい。もちろん、第一校正工程のみを実施してもよいし、第二校正工程のみを実施してもよい。
図12及び図13に示すように、第一校正工程では、棒状の第一校正治具18を用いて第一寸法測定計9を校正し、棒状の第二校正治具19を用いて第二寸法測定計10を校正する。図12は、第一校正治具18を用いて第一寸法測定計9を校正する状態を実線で示し、第二校正治具19を用いて第二寸法測定計10を校正する状態を鎖線で示している。なお、第一寸法測定計9の校正と第二寸法測定計10の校正とは別々に実施される。
第一校正治具18および第二校正治具19の長さは既知である。本実施形態では、第一校正治具18の長さは、ガラス板GのX方向寸法の基準寸法(設計寸法)に設定されており、第二校正治具19の長さは、ガラス板GのY方向寸法の基準寸法(設計寸法)に設定されている。なお、校正治具18,19自体の校正も定期的(例えば年一回程度)に実施することが好ましい。
第一寸法測定計9の校正時には、第一校正治具18の一端を第一ピン7に接触させると共に、第一校正治具18の他端を第一寸法測定計9の接触子9aに接触させる。第二寸法測定計10の校正時には、第二校正治具19の一端を第二ピン8に接触させると共に、第二校正治具19の他端を第二寸法測定計10の接触子10aに接触させる。
第一寸法測定計9の基準位置(例えば零点)は、接触子9aが第一校正治具18と接触する位置に校正され、第二寸法測定計10の基準位置(例えば零点)は、接触子10aが第二校正治具19と接触する位置に校正される。
本実施形態では、第一寸法測定計9は、ガラス板Gの端面Gdの基準位置からの変位を測定し、第二寸法測定計10は、ガラス板Gの端面Gbの基準位置からの変位を測定する。すなわち、各方向の基準寸法と測定された変位(基準寸法よりも短い場合が負の変位、基準寸法よりも長い場合が正の変位)との和が、ガラス板GのX方向寸法およびY方向寸法として記録される。したがって、上記のように寸法測定計9,10の基準位置を校正すれば、X方向寸法およびY方向寸法の測定精度が向上する。
第一校正治具18は、小径部18aと、小径部18aよりも径が大きくなる大径部18bと、を備えている。同様に、第二校正治具19は、小径部19aと、小径部19aよりも径が大きくなる大径部19bと、を備えている。小径部18a,19aおよび大径部18b,19bの材質は特に限定されるものではないが、本実施形態では、小径部18a,19aは金属で形成されており、大径部18b,19bはゴムで形成されている。
テーブル2上には、第一校正治具18の大径部18bを支持する第一支持部20、および第二校正治具19の大径部19bを支持する第二支持部21が設けられている。支持部20,21の上面は、円筒状の大径部18b,19bを支持するために、半円筒状の凹溝が形成されている。校正治具18,19の大径部18b,19bを支持部20,21で支持することにより、校正治具18,19の高さが自動的に調整される。そのため、寸法測定計9,10の校正作業が容易になる。
第一支持部20および第二支持部21は、テーブル2の載置部2x、すなわち凸条部2a,2bおよび突起部2cよりも低い。これにより、図14に示すように、校正作業を実施しないときに、これら支持部20,21が載置部2xに載置されたガラス板Gと接触することがない。
図15及び図16に示すように、第二校正工程では、第一ピン11および第二ピン12と接触可能で、かつ、互いに直角をなす第一保証面22aおよび第二保証面22bを有する校正用治具(例えばスコヤ)22と、第一保証面22aを第一ピン11に接触させた状態で、第二保証面22bの位置の基準位置からの変位を測定する校正用距離計14と、を用いて、距離計13を校正する。なお、校正用治具22自体の校正も定期的(例えば年一回程度)に実施することが好ましい。
距離計13の校正時に校正用治具22を正確に設置することは非常に難しく、その作業に熟練を要する。そこで、一対の第一ピン11に校正用治具22の第一保証面22aを接触させた状態で、校正用治具22の第二保証面22bに関する、距離計13および校正用距離計14の数値が一致していることを確認しながら、校正用治具22を第二ピン12側(Y方向)に移動させる。このようにすれば、校正用治具22を正しい姿勢に維持した状態で、校正用治具22の第二保証面22bを第二ピン12に接触させることができる。その結果、校正用治具22の設置を簡単かつ正確に行うことができる。そして、このように設置された校正用治具22の第二保証面22bの位置を距離計13で測定して基準位置(零点)を補正すれば、距離計13を正しく校正できる。
なお、第二校正工程が終了した後は、校正用距離計14は、ガラス板Gの端面Gbと接触しない位置まで退避させることが好ましい。このようにすれば、距離計13でガラス板Gの端面Gbを測定する際に、校正用距離計14が距離計13の測定の邪魔にならない。この際、校正用距離計14は、上述した方法で退避させる以外に、テーブル2から取り外して退避させてもよい。
ここで、本実施形態に係るガラス板測定方法は、例えばガラス板製造工程の中で実施される。ガラス板製造工程は、ガラス板を成形する成形工程と、成形されたガラス板を所定サイズに切断する切断工程と、ガラス板の切断された端面に対して面取りなどの仕上げ加工を施す端面加工工程とを含む。ガラス板測定方法は、例えば、切断工程および/又は端面加工工程の後に実施される。この場合、ガラス板測定方法の測定試料として、製造途中のガラス板の中から一枚又は複数枚のガラス板を抜き取る。なお、抜き取られたガラス板(測定試料)は、形状データを測定した後に廃棄され、例えばカレットとして再利用される。
以上のように、本実施形態に係るガラス板測定装置1によれば、高度な画像処理等を用いることなく、ガラス板Gの端面の真直度、縦横寸法、端面の直角度を含む形状データを簡単かつ確実に測定できる。また、ガラス板Gのこれら形状データは、載置部2x上で全て測定できるため、省スペース化を図ることができる。更に、ガラス板Gは、凸条部2a,2bおよび突起部2cにより支持されているため、ガラス板Gが大寸法の場合であっても、その位置決めを容易かつ低コストで実現できる。
なお、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に種々なる形態で実施し得る。
上記の実施形態では、ガラス板Gの端面の真直度を、端面の複数箇所で断続的に測定する場合を説明したが、端面で連続的に測定してもよい。同様に、ガラス板Gの寸法を一つの端面の二箇所で測定する場合を説明したが、ガラス板Gの寸法は端面の一箇所で測定してもよいし、三箇所以上あるいは端面に沿って連続的に測定してもよい。
上記の実施形態では、ガラス板Gの形状データとして、真直度、寸法および直角度を測定する場合を説明したが、形状データはこれに限定されない。例えば、形状データは、真直度、寸法および直角度のいずれか一つのデータのみを含んでいてもよいし、ガラス板Gの厚みや反り等の他のデータを含んでいてもよい。
上記の実施形態において、距離計3,13,14や寸法測定計9,10は、光学式(例えばレーザー距離計)などの非接触式の距離計であってもよい。
上記の実施形態では、テーブル2の載置部2xにガラス板Gを載置した状態で、ガラス板Gの形状データを測定する場合を説明したが、載置部2xを有するテーブル2は、ガラス板Gの切断や端面加工などの他の製造関連処理時にガラス板Gを載置するために使用してもよい。
1 ガラス板測定装置
2 テーブル
2x 載置部
2a 第一凸条部
2b 第二凸条部
2c 突起部(球状ローラ)
3 距離計(真直度測定用)
4 保持機構
5 直定規
6 倣い機構
7 第一ピン(寸法測定用)
8 第二ピン(寸法測定用)
9 第一寸法測定計
10 第二寸法測定計
11 第一ピン(直角度測定用)
12 第二ピン(直角度測定用)
13 距離計(直角度測定用)
14 校正用距離計
15 載置治具
16 錘
17 支持部材
18 第一校正治具(寸法測定用)
19 第二校正治具(寸法測定用)
20 第一支持部
21 第二支持部
22 校正用治具(直角度測定用)
G ガラス板
Ga~Gd 端面
G1~G4 角部
F 第一位置調整機構
S 第二位置調整機構

Claims (4)

  1. ガラス板に所定の処理を行うために、前記ガラス板が載置される載置部を有するテーブルであって、
    前記載置部は、前記ガラス板との接触部が第一方向に沿って長尺な複数の第一凸条部と、前記ガラス板との接触部が前記第一方向と異なる第二方向に沿って長尺な複数の第二凸条部と、を備え
    前記複数の第一凸条部および前記複数の第二凸条部は、互いに間隔を置いて前記テーブル上に点在していることを特徴とするテーブル。
  2. 前記ガラス板が矩形状をなし、
    前記第一凸条部の前記接触部が、前記ガラス板の対向する一対の辺に沿って延び、前記第二凸条部の前記接触部が、前記ガラス板の対向する他の一対の辺に沿って延びることを特徴とする請求項1に記載のテーブル。
  3. 前記載置部が、前記ガラス板を支持する球状ローラを更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のテーブル。
  4. 前記第一凸状部の前記接触部および前記第二凸条部の前記接触部が、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のテーブル。
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