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JP7165875B2 - 照明用導光板及び照明装置 - Google Patents

照明用導光板及び照明装置 Download PDF

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Description

本開示は、照明用導光板及び照明装置に関する。
特許文献1には、液晶表示装置用バックライトに用いられる導光板が記載されている。光源からの光は導光板の入射面に入射されて、入射面に対し異なる向きの出射面(上面)から出射される。特許文献1の図4、図5には、出射面と、出射面と対向する面(下面)とに、それぞれプリズムを形成することが記載されている。
特開2007-134344号公報
ところで、立設された照明用導光板において、底面(入射面)から光を内部に入射させ、その底面に対し略垂直なプリズム形成面(第1面)に形成したプリズム構造で、その光を屈折透過させるか、またはそのプリズム構造で反射させることにより、漏れ光を壁面に照射させる構成が考えられる。この構成では、漏れ光を照射させる壁面の所定高さ以上の領域は明るく照らすことができるが、所定高さ未満の領域は漏れ光の照射が少なくなる場合がある。この場合、壁面の所定高さ位置付近で明暗の差がはっきり出ることにより、明暗の境界が目立つ場合がある。
一方、プリズム構造の表面の全面を光が拡散される拡散面とすることにより、その拡散面で拡散されながら出射された光により上記の明暗の差を小さくすることが考えられるが、プリズム形成面とは反対側に向かう光(制御光)が広がってしまうので、配光の制御が困難になる。上記では、立設された照明用導光板で壁面を照射する場合を説明したが、照明用導光板で天井面を漏れ光で照射させた場合に、天井面の所定位置で明暗の差に基づく境界が目立つ場合もある。
本開示の目的は、漏れ光を利用するときの明暗の差に基づく境界の発生を抑制できるとともに、漏れ光と反対側に向かう光の広がりを抑制できる照明用導光板及び照明装置を提供することである。
本開示に係る照明用導光板は、光が入射する入射面と、入射面に対し略垂直な面であり、複数の第1プリズムを有する第1プリズム群を含み、漏れ光が出射される第1面と、入射面に対し略垂直な面であり、第1面と対向し、複数の第2プリズムを有する第2プリズム群を含む第2面と、を備え、第2面に対する第2プリズム群の面積割合である被覆率は、第1面に対する第1プリズム群の面積割合である被覆率より小さく、第2プリズム群を構成する複数の第2プリズムのそれぞれの裾野角度は、35°以下である、照明用導光板である。
また、本開示に係る照明装置は、本開示に係る照明用導光板と、照明用導光板の入射面から照明用導光板の内部へ光を照射する光源とを備える、照明装置である。
本開示に係る照明用導光板及び照明装置によれば、漏れ光を利用するときに、漏れ光による明暗の差に基づく境界の発生を抑制できる。また、この境界の発生抑制のために、漏れ光が出射される第1面に配置された第1プリズムの全面を、光が拡散する拡散面とする必要がなく、かつ、第1面の平坦部で反射された光を効率よく第2面から出射できる。これにより、漏れ光と反対側に向かう光の広がりを抑制できる。
実施形態の照明用導光板を含む照明装置の設置状態を示す図である。 図1のA部拡大図である。 図2のB部拡大図において、第1面から出射される漏れ光と、第1面で反射される光とを示す図である。 図2のC部拡大図において、第2面で反射される光を示す図である。 実施形態の照明装置の漏れ光により照射された壁面を示す図である。 比較例の照明用導光板を含む照明装置を示す図である。 比較例の照明装置の漏れ光により照射された壁面を示す図である。 比較例の照明用導光板を含む照明装置の配光曲線を示す図である。 比較例の照明用導光板を含む照明装置において、図8の漏れ光の配光曲線のうち、135°~180°の範囲の光度特性を示す図である。 比較例において、漏れ光による壁面での輝度と高さ位置との関係を示すイメージ図である。 比較例において、漏れ光のうち、第1面のプリズムで屈折透過した後、プリズムの表面で反射した下側の漏れ光による、壁面での輝度と高さ位置との関係を示すイメージ図である。 実施形態の効果確認のための計算に用いた照明装置を示す図である。 実施形態の効果確認のための計算結果を示す図であって、第2面におけるプリズムの裾野角度の変化と、壁面での輝度及び高さ位置との関係を示す図である。 実施形態の別例の照明用導光板において、図4に対応する図である。 図14において、第2面で反射される光を示す図である。 実施形態の別例の照明用導光板を含む照明装置を示す図である。 参考例の照明用導光板を含む照明装置を示す図である。 (a)は、図17のE部拡大図であり、(b)は、(a)のF部拡大図である。 参考例の別例の照明用導光板において、図18(b)に対応する図である。 参考例の別例の照明用導光板において、図18(b)に対応する図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明用導光板及び照明装置の実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態の説明で参照する図面は模式的に記載されたものであるから、各構成要素の寸法比率などは以下の説明を参酌して判断されるべきである。以下の説明において、具体的な形状、材料、数量等は、本開示の理解を容易にするための例示であって、照明装置の仕様に合わせて適宜変更することができる。また、以下で説明する複数の実施形態の各構成要素を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。以下では、すべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
(照明装置の構造)
図1は、実施形態の照明用導光板12を含む照明装置10の設置状態を示す図である。図2は、図1のA部拡大図である。図3は、図2のB部拡大図において、第1面14から出射される漏れ光と、第1面14で反射される光とを示す図である。図4は、図2のC部拡大図において、第2面15で反射される光を示す図である。
図1に示すように、照明装置10は、床面90において、鉛直方向に沿った壁面92の近くに配置して用いられる。図2に示すように、照明装置10は、照明用導光板12と、器具本体50と、光源60とを含んで構成される。照明用導光板12は、6つの面を有し、所定厚みを有する矩形の薄板状の部材である。以下、照明用導光板12は、導光板12と記載する。導光板12は、内部に入射された光を導光させて出射する。導光板12は、例えばポリカーボネート、アクリル等の透光性を有する樹脂材料により形成される。導光板12の6つの面は、底面である入射面13と、入射面13に対し略垂直な2つの面であり、厚み方向(図2の左右方向)における両側面の第1面14及び第2面15と、上面である出射端面16とを有する。
入射面13は、後述の光源60からの光が入射する略水平方向の平面である。第1面14は、厚み方向両側面のうち、壁面92側の面である。第1面14は、複数の第1プリズム22を有する第1プリズム群20を含み、漏れ光が出射される。第2面15は、厚み方向両側面のうち、壁面92と反対側の面であり、第1面14と対向する。第2面15は、複数の第2プリズム32を有する第2プリズム群30を含む。出射端面16は、第1面の上端に向かって上側に傾斜した平面である。
器具本体50は、導光板12の下端部を内側に差し込んだ状態で導光板12を固定するとともに、内部に光源60及び電源回路(図示せず)が取り付けられるケース状の部材である。
光源60は、導光板12の入射面13の近傍に対向するように器具本体50に固定される。光源60は、例えば、基板と、基板において入射面13と対向する面の、長手方向(図1の紙面の表裏方向)の複数位置に取り付けられた光源である複数のLED素子とを有する。
複数のLED素子は、入射面13から導光板12の内部へ光を照射する。導光板12の内部に入射された光の一部は、第2面15から制御光として出射される。導光板12の内部に入射された光の一部は、第1面14から漏れ光として出射される。漏れ光は、壁面92を照射する。これにより、通常の器具では照明しにくい領域を照明することができるので、照明装置10が配置される部屋の多くを照明することができる。
LED素子は、例えばSMD(Surface Mount Device)型である。SMD型のLED素子とは、樹脂成形されたキャビティの中にLEDチップ(発光素子)が実装され、そのキャビティ内に蛍光体含有樹脂が封入されたパッケージ型のLED素子である。LED素子は、電源部に、半導体スイッチ等のスイッチ部(図示せず)を介して接続され、そのスイッチ部のオンオフ状態が制御部(図示せず)により制御される。これにより、LED素子は、点灯及び消灯の切換が行われる。なお、LED素子は、制御部により制御されて調光調色が行われてもよい。
光源60は、このような構成に限定されるものではなく、基板上にLEDチップが直接的に実装されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュールが用いられてもよい。また、光源は、LED素子に限定されるものではなく、例えば、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子等としてもよい。
(プリズムの構成)
複数の第1プリズム22は、第1面14の高さ方向及び横方向(図2の紙面の表裏方向)に分散して配置される。複数の第1プリズム22によって、第1面14から出射した光は比較的高さ方向の広い範囲に照射される。図3に示すように、第1プリズム22は、例えば導光板12の内部に窪むように形成された断面円形の円錐面の凹部である。複数の第1プリズム22は、形状及び大きさが略同じである。第1プリズム22の全面は、鏡面(凹凸がない滑らかな面)である。例えば、第1プリズム22の表面の面粗さ(例えば最大高さRz)は、第1面14における第1プリズム22以外の平坦部14aの面粗さと略同一である。第1プリズム22は、断面楕円形の楕円錐面の凹部、四角錐状の凹部等としてもよい。本例の構成では、第1面14に対する第1プリズム群20の面積割合は、入射面13側(図2の下側)と出射端面16側(図2の上側)とで略同じである。このとき、第1プリズム群20の面積は、複数の第1プリズム22の開口面積の合計である。
導光板12の内部から図3の実線矢印のように第1プリズム22の入射面13側の面で屈折しながら透過し第1プリズム22に反射されることなく出射した光は、上側の漏れ光として比較的上側を照射する。導光板12の内部から図3の一点鎖線矢印のように第1プリズム22の入射面13側(図3の上側)の面で屈折しながら透過した光は、その後、第1プリズム22の出射端面16側(図3の下側)の表面で反射され、下側の漏れ光として比較的下側を照射する。
一方、導光板12の内部から図3の破線矢印のように第1面14の平坦部14aで反射した後、第1プリズム22で全反射された光(制御光)は、第2面15(図2)側に向かう。また、図示は省略するが、導光板12の内部から第1面14の平坦部14aを通過して外側を照射する光もある。
図2に戻って、複数の第2プリズム32は、第2面15の高さ方向及び横方向(図2の紙面の表裏方向)に分散して配置される。複数の第2プリズム32によって、第2面15から出射した光も第1プリズム22と同様に、比較的広い範囲に照射される。図4に示すように、第2プリズム32は、例えば導光板12の内部に窪むように形成された断面円形の円錐面の凹部である。複数の第2プリズム32は、形状及び大きさが略同じである。第2プリズム32の全面は、鏡面である。例えば、第2プリズム32の表面の面粗さ(例えば最大高さRz)は、第2面15における第2プリズム32以外の平坦部15aの面粗さと略同一である。
さらに、複数の第2プリズム32のそれぞれの裾野角度θは、35°以下であり、好ましくは30°以下である。これにより、後述のように、第1面14(図2、図3)から出射される漏れ光を利用するときに、漏れ光による明暗の差に基づく境界の発生を抑制できる。第2プリズム32は、断面楕円形の楕円錐面の凹部、四角錐状の凹部等としてもよい。本例の構成では、第2面15に対する第2プリズム群30の面積割合は、入射面13側と出射端面16側とで略同じである。このとき、第2プリズム群30の面積は、複数の第2プリズム32の開口面積の合計である。
導光板12の内部から図4の破線矢印のように第2面15の平坦部15aで反射した後、第2プリズム32で全反射された光(制御光)は、第1面14(図2、図3)側に向かう。また、図示は省略するが、導光板12の内部から第2面15の平坦部を通過して外側を照射する光もある。また、図3の場合と同様に、第2プリズム32の入射面13側(図4の下側)の面で屈折しながら透過し第2プリズム32に反射されることなく出射して比較的上側を照射する光や、第2プリズム32の入射面13側の面で屈折しながら透過した後、第2プリズム32の出射端面側の面で反射して比較的上側を照射する光もある。
さらに、図2に示すように、第2面15に対する第2プリズム群30の面積割合である被覆率は、第1面14に対する第1プリズム群20の面積割合である被覆率より小さい。
(導光板及び照明装置の効果)
上記の導光板12及び照明装置10によれば、第1面14から出射される漏れ光を利用するときに、漏れ光による明暗の差に基づく境界の発生を抑制できる。また、この境界の発生抑制のために、第1面14に配置された第1プリズム22の全面を、光が拡散する凹凸がある拡散面とする必要がない。また、第2面15に対する第2プリズム群30の面積割合である被覆率は、第1面14に対する第1プリズム群20の面積割合である被覆率より小さい。このため、第1面14の平坦部14aで反射された光を効率よく第2面15から出射できるので、漏れ光と反対側に向かう光の広がりを抑制できる。
図5は、実施形態の照明装置10の漏れ光により照射された壁面92を示す図である。図5の左右方向両端部の黒地以外の部分が、壁面92である。図5では、無地部により最も明るい部分を示しており、砂地部により少し暗い部分を示している。また、図5では、一点鎖線により明暗の境界がはっきりしないことを表している。図5に示すように、実施形態によれば、壁面92での明暗の差に基づく境界の発生を抑制できる。
図6は、比較例の導光板12aを含む照明装置10aを示す図である。導光板12aの壁面側の第1面14は、実施形態と同様に複数の第1プリズム22を有する第1プリズム群20を含む。一方、導光板12の壁面と反対側の第2面15の全面は、第2プリズムが形成されない平坦部である。比較例において、その他の構成は、図1~図4の実施形態と同様である。
図7は、比較例の照明装置10aの漏れ光により照射された壁面92を示す図である。図7の左右方向両端部の黒地以外の部分が、壁面92である。図7では、無地部により最も明るい部分を示しており、粗い(密度が低い)砂地部により少し暗い部分を示しており、細かい(密度が高い)砂地部によりかなり暗い部分を示している。図7では、左側に壁面92の照度を示している。図7に示すように、比較例によれば、壁面92での明暗の差に基づく境界が目立っている。特に、明るい部分と下側のかなり暗い部分との明暗の差が、下側領域αと上側領域βとの境界である所定の高さ位置Hではっきり現れている。次にこの理由を説明する。
図8は、比較例の導光板12aを含む照明装置10aの配光曲線を示す図である。図8では、左側は、漏れ光が出射される壁面側の第1面14側であり、右側は、壁面と反対側の第2面15側であり、下側が床面側である。図8の右側は、第2面15から出射される制御光を示している。図8に示すように、水平方向を180°とし、鉛直方向上方を90°とした場合に、漏れ光は、第1プリズム22によって高さ方向の比較的広い範囲に照射される。図8では、135°と180°との間が低い側の角度範囲α1と高い側の角度範囲β1で分けられている。角度範囲α1、β1は、それぞれ図7の下側領域αと上側領域βに対応する。
図9は、比較例の導光板12aを含む照明装置10aにおいて、図8の漏れ光の配光曲線のうち、135°~180°の範囲の光度特性を示す図である。図9に示すように、漏れ光の光度は、135°と180°との間の所定角度である角度範囲α1及び角度範囲β1の境界部で急激に変化し、角度が低くなる側、すなわち上側に向かうにしたがって、急激に光度が上昇している。これにより、図7に示すように壁面92での明暗の差がはっきり現れると考えられる。この理由をさらに分析する。
図10は、比較例において、漏れ光による壁面92での輝度と高さ位置との関係を示すイメージ図である。図11は、比較例において、漏れ光のうち、第1面14の第1プリズム22で屈折透過した後、第1プリズム22の表面で反射した下側の漏れ光による、壁面92での輝度と高さ位置との関係を示すイメージ図である。
図10に示すように、壁面92の下側領域αでは高さに関係なく輝度はほとんど変化しない。一方、壁面92の上側領域βでは高くなるほど輝度が高くなり、下側領域αと上側領域βの境界で輝度が急激に変化している。この第1の理由は、比較例では、第1面14側の比較的上側の空間が、図3に示した実施形態の実線矢印で示す光と同様に、第1プリズム22の入射面13側の面で屈折しながら透過し第1プリズム22に反射されることなく出射した上側の漏れ光により照射されることである。この上側の漏れ光は、壁面92の上側領域βを照射し、かつ高くなるほど輝度が高くなりやすい。また、第2の理由は、第1面14側の比較的下側の空間が、図3に示した実施形態の一点鎖線矢印で示す光と同様に、第1プリズム22の入射面13側の面で屈折しながら透過した後、第1プリズム22の出射端面16側の表面で反射された下側の漏れ光により照射されることである。この下側の漏れ光は、壁面92の下側領域αを照射する。図11に示すように、この下側の漏れ光は、下側領域αの上側領域βとの境界付近で急激に輝度が低下することが分かっている。これにより、比較例では、図10に示すように所定高さ位置で急激に輝度が変化することで、図7に示したように、壁面92の所定高さ位置Hで明暗の差がはっきり現れると考えられる。
図1~図4の実施形態によれば、導光板12の第2面15に複数の第2プリズム32が配置され、かつ、各第2プリズム32の裾野角度が35°以下である。これにより、図4で示したように第2プリズム32で反射された光は、第1面14から出射され、比較例で明暗の差が大きく出る境界に対応する所定高さ位置付近に多く照射されやすくなる。このため、漏れ光による明暗の差に基づく境界の発生を抑制できる。
図12、図13を用いて、実施形態で第2プリズム32の裾野角度θを規制したことによる効果を確認するために行った計算の結果を説明する。図12は、実施形態の効果確認のための計算に用いた照明装置10を示す図である。本計算では、5種類の導光板である第1~第5の導光板を用いた。以下では、第1~第4の導光板を、第1~第4の導光板12と記載する。5種類の導光板のうち、第1~第4の導光板12では、図1~図4に示した実施形態と同様に、第1面14及び第2面15は、それぞれ第1プリズム群20及び第2プリズム群30を含んでいる。また、第1プリズム群20を構成する第1プリズム22を、開口端の直径が250μmである円錐面の凹部とした。また、第1~第4の導光板12では、第1プリズム22の裾野角度を50°で固定した。
一方、第1~第4の導光板12では、第2プリズム群30を構成する第2プリズム32も、第1プリズム22と同様に、開口端の直径が250μmである円錐面の凹部としたが、第2プリズム32の裾野角度は、50°、40°、30°、25°で変化させた。また、第1面14に対する第1プリズム群20の面積割合である被覆率を40%とし、第2面15に対する第2プリズム群30の面積割合である被覆率を、第1プリズム群20の場合より小さい10%とした。
5種類の導光板のうち、第5の導光板では、図6に示した比較例の導光板12aと同様に、第1面14は第1プリズム群20を含んでいるが、第2面15は第2プリズム群を含まない構成とした。また、第1プリズム群20を構成する第1プリズム22を、開口端の直径が250μmである円錐面の凹部とした。また、第5の導光板では、第1プリズム22の裾野角度を50°とした。
そして5種類の導光板のそれぞれを組み込んだ5種類の照明装置10のそれぞれで、図1のように第1面14を壁面92に向けて配置した状態で、第1面14から出射される漏れ光により壁面92を照射させ、その輝度と高さ位置との関係を求めた。このとき、導光板12から壁面92までの距離d(図1)は600mmとした。
図13は、上記計算の結果を示す図であって、第2面15における第2プリズム32の裾野角度の変化と、壁面92での輝度及び高さ位置との関係を示す図である。図13において、25°、30°、40°、50°とそれぞれ示した曲線は、第1~第4の導光板12のそれぞれを用いた照明装置10における第2プリズム32の裾野角度θを示している。また、「プリズムなし」と示した曲線は、第5の導光板を用いた照明装置を示している。
図13の計算結果から、第2面15が第2プリズム群を含まない第5の導光板の場合には、図13のPで示す位置で壁面92の輝度が急激に変化し、明暗の境界がはっきり出ることが分かる。一方、第2面15が第2プリズム群30を含む第1~第4の導光板12の場合には、第5の導光板を用いた場合より、壁面92の輝度が全体的に高くなった。このとき、第2プリズム32の裾野角度θを25°、30°とした第1、及び第2の導光板12では、輝度が急激に変化する位置がなかった。一方、第2プリズム32の裾野角度θを40°、50°とした第3、及び第4の導光板12では、図13のQ1、Q2でそれぞれ示す位置で、輝度の谷が生じることが分かった。これにより、本実施形態で、特に第2プリズム32の裾野角度θを30°以下とした場合に、漏れ光による明暗の差に基づく境界の発生を抑制できることを確認できた。
[実施形態の別例]
図14は、実施形態の別例の導光板12bにおいて、図4に対応する図である。図15は、図14において、第2面15で反射される光を示す図である。本例の導光板12では、第2面15の第2プリズム群30aを構成する複数の第2プリズム32aのそれぞれにおいて、入射面13(図2参照)側(図14、図15の下側)の面は、光を拡散させる拡散面34である。拡散面34は、複数の凹凸を含む面である。例えば、拡散面34に散点状に複数の凹部が形成されてもよく、また、断面が波形になるように複数の凹部が並んで形成されてもよい。例えば、拡散面34の面粗さ(例えば最大高さRz)を、第2面15の平坦部15aの面粗さより大きくしてもよい。一方、各第2プリズム32aにおいて、出射端面16(図2参照)側(図14、図15の上側)の面は、凹凸がない滑らかな鏡面36である。
本例の構成によれば、導光板12bの内部から、図15の破線矢印のように、第2面15の平坦部15aで反射した後、第2プリズム32aで全反射された光は、第2面15の平坦部15aに対し多くの異なる傾斜角度で、第1面14(図2、図3)側(図15の左側)に向かう。これにより、本例によれば、図15と図4との比較で分かるように、第2面15での反射光を多く散乱できる。このため、第1面14から出射された漏れ光による明暗に基づく境界の発生を、より抑制できる。本例においてその他の構成及び作用は、図1~図4の構成と同様である。
なお、図14、図15の構成において、各第2プリズム32aにおいて、出射端面16(図2)側(図14、図15の上側)の面を含めて、全体を拡散面としてもよい。また、図14、図15の構成において、第2プリズム群30aを構成する一部の第2プリズム32aのみにおいて、少なくとも入射面13側の面を拡散面34としてもよい。
図16は、実施形態の別例の導光板12cを含む照明装置10bを示す図である。本例の導光板12cでは、第1面14に対する第1プリズム群20の面積割合は、入射面13から離れた側である出射端面16側(図16の上側)より、入射面13に近い側(図16の下側)で小さくなっている。導光板12の内部では、入射面13側(図16の下側)で出射端面16側(図16の上側)より光の量が多いが、第1面14での第1プリズム22による光を反射可能な部分を、入射面13側より出射端面16側で多くできる。これにより、第1面14側から見たときの第1面14の輝度分布を均一に近づけることができるので、導光板12の見栄えを向上できる。
さらに、本例では、第2面15に対する第2プリズム群30の面積割合は、出射端面16側より、入射面13に近い側で大きくなっている。これにより、第1面14で上記のように第1プリズム群20の面積割合が出射端面16側より入射面13側で小さくなる場合に、第2面15の入射面13側で反射した光の多くを、第1面14の第1プリズム22以外の平坦部14aを通過させて、第1面14から出射させることができる。このため、図6に示した比較例のように第2面15に第2プリズムがない構成で発生する漏れ光の明暗の境界に対応する位置の付近に、効率よく第1面14からの出射光を照射させることができる。したがって、上記の明暗の境界の発生をより効率よく抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1~図4の構成と同様である。
なお、本例の構成で、各第2プリズム32を図14、図15のように構成することもできる。また、本例の構成で、第2面15に対する第2プリズム群30の面積割合を、図1~図4の構成と同様に、入射面13側と出射端面16側とで略同じ構成としてもよい。この構成の場合も、図16の構成と同様に、第1面14側から見たときの第1面14の輝度分布を均一に近づけることができる。
[参考例]
図17は、参考例の導光板12cを含む照明装置10cを示す図である。図18(a)は、図17のE部拡大図であり、図18(b)は、図18(a)のF部拡大図である。本例の導光板12cでは、図1~図4の構成と異なり、第2面15は、第2プリズム群を含まず、全体的に平坦面である。一方、図18に示すように、第1面14における第1プリズム群20を構成する複数の第1プリズム22aのそれぞれにおいて、入射面13から遠い側(図18(a)の上側)の面は、複数の凹凸を有し光を拡散させる拡散面24である。一方、各第1プリズム22aにおいて、入射面13から近い側(図18(a)の下側)の面は凹凸がない滑らかな鏡面26である。例えば、拡散面24に散点状に複数の凹部が形成されてもよく、また、断面が波形になるように複数の凹部が並んで形成されてもよい。例えば、拡散面24の面粗さ(例えば最大高さRz)を、第1面14の平坦部14aの面粗さより大きくしてもよい。
本例の構成によれば、導光板12dの内部から、図18(a)の一点鎖線矢印のように、第1プリズム22の入射面13側の鏡面26を透過した光は、第1プリズム22の出射端面16側の拡散面24で、多くの異なる方向に拡散しながら反射される。これにより、図6に示した比較例のように第2面15に第2プリズムがない構成で発生する漏れ光の明暗の境界の発生を抑制できる。比較例では、上記で説明したように、第1プリズムの入射面側を透過した後、第1プリズムの出射端面側で反射した光に基づいて、漏れ光の明暗の境界が発生しやすいが、本例ではこの境界がはっきり出ないようにできる。
さらに、本例の構成によれば、第1プリズム22aの入射面13側が鏡面26であるので、導光板12の内部から、図18(a)の破線矢印のように、鏡面26で精度よく反射させることができる。これにより、第1プリズム22aの入射面13側の裾野角度の変更により、第2面15から出射される光の方向が変更されるように、より精度よく制御できる。
また、上記の境界の発生抑制のために、第1面14に配置された第1プリズム22aの全面を、光が拡散する拡散面とする必要がなく、かつ、第1面14の平坦部14aで反射された光を効率よく第2面15から出射できる。これにより、漏れ光と反対側に向かう光の広がりを抑制できる。本例においてその他の構成及び作用は、図1~図4の構成と同様である。
なお、図17、図18の構成において、第1プリズム群20を構成する一部の第1プリズム22aのみにおいて、図18のように、入射面13から遠い側の面を拡散面24とし、入射面13から近い側の面を鏡面26としてもよい。
図19は、参考例の別例の導光板12eにおいて、図18(b)に対応する図である。本例の導光板12eは、第1面14における第1プリズム群20を構成する第1プリズム22bにおいて、入射面13(図17)から遠い側の拡散面24aに、断面が折れ線状の波形になるように複数の凹部が並んで形成されている。また、拡散面24aの複数の凹部は、アンダーカットがない形状である。具体的には、第1面14の平坦部14a(図17)に対し直交する方向と平行な方向から、第1プリズム22bの拡散面24aを見た場合に、拡散面24aの凹部は、図19に矢印で示すようにいずれの方向から見た場合でも内面が隠れることがない形状としている。本例においてその他の構成及び作用は、図17、図18の構成と同様である。
図20は、参考例の別例の導光板12fにおいて、図18(b)に対応する図である。本例の導光板12fは、第1面14における第1プリズム群20を構成する第1プリズム22cにおいて、入射面13(図17)から遠い側の拡散面24bに、断面が曲線状の波形になるように複数の凹部が並んで形成されている。また、拡散面24bの複数の凹部は、アンダーカットがない形状である。本例においてその他の構成及び作用は、図17、図18の構成、または図19の構成と同様である。
なお、上記では、立設された導光板で壁面を照射する照明装置を説明したが、略水平方向に配置した導光板を用いて構成し、天井付近に取り付けた照明装置に、上記の各実施形態及び各参考例の導光板のいずれかを用いることもできる。この場合、照明装置により天井面を漏れ光で照射させる場合に、天井面での明暗の差に基づく境界の発生を抑制できる。
10,10a,10b 照明装置、12,12a~12f 照明用導光板(導光板)、13 入射面、14 第1面、14a 平坦部、15 第2面、15a 平坦部、16 出射端面、20 第1プリズム群、22,22a~22c 第1プリズム、24,24a,24b 拡散面、26 鏡面、30 第2プリズム群、32,32a 第2プリズム、34 拡散面、36 鏡面、50 器具本体 60 光源、90 床面、92 壁面。

Claims (6)

  1. 光が入射する入射面と、
    前記入射面に対し略垂直な面であり、複数の第1プリズムを有する第1プリズム群を含み、漏れ光が出射される第1面と、
    前記入射面に対し略垂直な面であり、前記第1面と対向し、複数の第2プリズムを有する第2プリズム群を含む第2面と、を備え、
    前記第2面に対する前記第2プリズム群の面積割合である被覆率は、前記第1面に対する前記第1プリズム群の面積割合である被覆率より小さく、
    前記第1プリズム群を構成する前記複数の第1プリズムと、前記第2プリズム群を構成する前記複数の第2プリズムとのそれぞれは、錐面凹部であり、
    第1面における前記第1プリズム以外の面と前記第1プリズムの傾斜面との交差角度、または第2面における前記第2プリズム以外の面と前記第2プリズムの傾斜面との交差角度を裾野角度とした場合に、
    前記第2プリズム群を構成する前記複数の第2プリズムのそれぞれの前記裾野角度は、35°以下であり、
    前記第1プリズム群を構成する前記複数の第1プリズムのそれぞれの裾野角度は、前記第2プリズム群を構成する前記複数の第2プリズムのそれぞれの裾野角度より大きい、
    照明用導光板。
  2. 請求項1 に記載の照明用導光板において、
    前記第2プリズム群を構成する前記複数の第2プリズムの少なくとも一部において、少なくとも前記入射面側の面は、光を拡散させる拡散面である、照明用導光板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の照明用導光板において、
    前記第1面に対する前記第1プリズム群の面積割合は、前記入射面から離れた側より、前記入射面に近い側で小さくなっている、照明用導光板。
  4. 請求項3 に記載の照明用導光板において、
    前記第2面に対する前記第2プリズム群の面積割合は、前記入射面から離れた側より、前記入射面に近い側で大きくなっている、照明用導光板。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の照明用導光板と、
    前記照明用導光板の前記入射面から前記照明用導光板の内部へ光を照射する光源とを備える、
    照明装置。
  6. 照明用導光板と、
    前記照明用導光板の前記入射面から前記照明用導光板の内部へ光を照射する光源とを備える、
    照明装置であって、
    前記照明用導光板は、
    光が入射する入射面と、
    前記入射面に対し略垂直な面であり、複数の第1プリズムを有する第1プリズム群を含み、漏れ光が出射される第1面と、
    前記入射面に対し略垂直な面であり、前記第1面と対向し、複数の第2プリズムを有する第2プリズム群を含む第2面と、を備え、
    前記第2面に対する前記第2プリズム群の面積割合である被覆率は、前記第1面に対する前記第1プリズム群の面積割合である被覆率より小さく、
    前記第2プリズム群を構成する前記複数の第2プリズムのそれぞれの裾野角度は、35°以下であり、
    前記第1面に対する前記第1プリズム群の面積割合は、前記入射面から離れた側より、前記入射面に近い側で小さくなっており、
    前記第2面に対する前記第2プリズム群の面積割合は、前記入射面から離れた側より、前記入射面に近い側で大きくなっており、
    前記入射面が前記導光板の下端に位置し、前記第1面が壁面に対向するように立てられた状態で使用される、
    照明装置。
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