JP7159855B2 - Heat flux estimator - Google Patents
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Description
本発明は、熱流束推定装置に関するものである。 The present invention relates to a heat flux estimation device.
特許文献1には、車両の座席の比較的表面側に埋め込まれた熱流束センサによって、座席と着座者の間の熱の流れを測定する技術が知られている。 Patent Literature 1 discloses a technique of measuring heat flow between a seat and a occupant using a heat flux sensor embedded relatively on the surface side of a vehicle seat.
しかしながら、発明者の検討によれば、座席と着座者の間の熱の流れを推定するために、その用途に特化した機能を有する熱流束センサを利用すると、そのセンサを他の用途に
転用することが困難になる。したがって、他の用途への転用の余地が熱流束センサよりも広いセンサを利用して、座席と着座者の間の熱の流れを推定できることが望ましい。本発
明は上記点に鑑み、熱流束センサを用いる必要なく、座席と着座者の間の熱の流れを推定する技術を提供することを目的とする。
However, according to the inventor's study, if a heat flux sensor having a function specialized for that application is used to estimate the heat flow between the seat and the occupant, the sensor can be diverted to other applications. become difficult to do. Therefore, it is desirable to be able to estimate the heat flow between the seat and the occupant using a sensor that is more amenable to other uses than the heat flux sensor. SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a technique for estimating heat flow between a seat and a seated person without using a heat flux sensor.
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、センサ(4、16、17、18)の出力に基づいて、人が車両(1)の座席(2、3)に着座する際の前記座席の温度である初期温度(Tsi)を推定する温度推定部(S130、S135)と、前記人が前記座席に着座した着座時点の後の期間における、前記座席と前記人との間の熱流束の推移を算出する熱流算出部(S140)と、を備え、前記熱流算出部は、前記着座時点を起点とする経過時間に依存して変化する時間依存要素(ln(t))と前記初期温度に依存する初期温度依存要素(ω)とを含む第1計算式(Σ1)により、前記着座時点より後の期間における前記熱流束の推移を算出する、熱流束推定装置である。 In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is a vehicle (1) based on the outputs of sensors (4, 16, 17, 18) when a person sits on a seat (2, 3) of a vehicle (1). A temperature estimating unit (S130, S135) that estimates an initial temperature (Tsi) that is the temperature of the seat, and a heat flow between the seat and the person during a period after the person sits on the seat. and a heat flow calculation unit (S140) for calculating flux transition, wherein the heat flow calculation unit calculates a time-dependent element (ln(t)) that changes depending on the elapsed time starting from the seating time and the initial The heat flux estimating device calculates the transition of the heat flux in a period after the seating time using a first calculation formula (Σ1) including an initial temperature-dependent element (ω) that depends on the temperature.
このように、熱流束推定装置は、人が車両の座席に着座する際の座席の温度である初期温度と着座時点を起点とする経過時間に基づいて、その後の熱流束の推移を算出する。より具体的には、経過時間に依存して変化する時間依存要素と初期温度に依存する初期温度依存要素とを含む第1計算式によって熱流束の推移を算出する。このような第1計算式を用いることで、実際の熱流束に近い熱流束を推定することができた。したがって、結果的に初期温度が推定できるセンサを用いれば、熱流束センサを用いる必要なく、座席と着座者の間の熱の流れを推定することができる。 In this way, the heat flux estimating device calculates the transition of the heat flux thereafter based on the initial temperature, which is the temperature of the seat when the person sits on the vehicle seat, and the elapsed time starting from the time when the person sits on the seat. More specifically, the transition of the heat flux is calculated by a first calculation formula including a time-dependent element that changes depending on the elapsed time and an initial temperature-dependent element that depends on the initial temperature. By using such a first calculation formula, a heat flux close to the actual heat flux could be estimated. Therefore, by using a sensor that can consequently estimate the initial temperature, it is possible to estimate the heat flow between the seat and the occupant without using a heat flux sensor.
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。 It should be noted that the reference numerals in parentheses attached to each component etc. indicate an example of the correspondence relationship between the component etc. and specific components etc. described in the embodiments described later.
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る車両1の車室内には、運転席2、後席3、および不図示の助手席、不図示の他の後席が搭載されている。
(First embodiment)
An embodiment of the present invention will be described below. As shown in FIG. 1, a driver's
運転席2の背もたれ部には、運転席背部ヒータクーラ5が埋め込まれて配置されている。運転席2の座部(すなわち、シートクッション)には、運転席座部ヒータクーラ6が埋め込まれて配置されている。後席3の背もたれ部(すなわち、シートバック)には、後席背部ヒータクーラ7が埋め込まれて配置されている。また、後席3の座部には、後席座部ヒータクーラ8が埋め込まれて配置されている。運転席2、後席3の座部とは、運転席2、後席3に着座した人の臀部および大腿部を支持する部分である。
A driver's seat
運転席背部ヒータクーラ5、運転席座部ヒータクーラ6、後席背部ヒータクーラ7、後席座部ヒータクーラ8の各々は、取り付け先の座席2、3に着座する人を、あるときには暖め、またあるときには冷やす温度調整装置である。
Each of the driver's seat
例えば、ヒータクーラ5、6、7、8の各々は、ペルチェ素子から構成されていてもよい。取り付け先の座席2、3に着座する人を暖める場合は、ペルチェ素子の両面のうち、当該人側の面が放熱面となるよう、ペルチェ素子に電流が印加される。取り付け先の座席2、3に着座する人を冷やす場合は、ペルチェ素子の両面のうち、当該人側の面が吸熱面となるよう、ペルチェ素子に電流が印加される。
For example, each of the
運転席背部ヒータクーラ5の主な温度調整対象(すなわち加熱対象および冷却対象)は、運転席2の背もたれ部および運転席2に着座する人の背中である。運転席座部ヒータクーラ6の主な温度調整対象は、運転席2の座部および運転席2に着座する人の臀部と大腿部である。後席背部ヒータクーラ7の主な温度調整対象は、後席3の背もたれ部および後席3に着座する人の背中である。後席座部ヒータクーラ8の主な温度調整対象は、後席3の座部および後席3に着座する人の臀部と大腿部である。
Main temperature control targets (that is, heating targets and cooling targets) of the driver's seat back
また、車両のダッシュボード内には、温度調整された風(すなわち空調風)を車室内に吹き出すための空調ユニット9が配置されている。空調ユニット9は、ケーシング10、エバポレータ11、ヒータコア12、エアミックスドア13等を含んでいる。
Further, an
ケーシング10は、空調ユニット9の外殻となる部材であり、このケーシング10内に導入された空気が、ケーシング10内で加熱または冷却され、その後車室内に吹き出される。
The
エバポレータ11は、ケーシング10内に配置され、その内部を冷媒が流通する。空調ユニット9内に導入された空気がエバポレータ11を通過する際、当該空気と冷媒とが熱交換することで、冷媒が蒸発すると共に空気が冷却される。
The
ヒータコア12は、ケーシング10内において、エバポレータ11よりも空気流れ下流側に配置され、その内部をエンジン冷却水等の熱媒体が流通する。エバポレータ11を通過した後の空気がヒータコア12を通過する際、当該空気と熱媒体とが熱交換することで、熱媒体が冷却されると共に空気が加熱される。
The
エアミックスドア13は、ケーシング10内においてエバポレータ11よりも空気流れ下流側かつヒータコア12よりも空気流れ上流側に配置される可動部材である。エアミックスドア13は、位置が変化することにより、エアミックス比率が変化する。エアミックス比率は、エバポレータ11を通った後の空気がヒータコア12を通過する空気の流量と、あるいはヒータコア12を迂回してケーシング10内のバイパス通路を通過する空気の流量との比率である。
The
また、ダッシュボード内には、運転席背部ヒータクーラ5、運転席座部ヒータクーラ6、後席背部ヒータクーラ7、後席座部ヒータクーラ8、空調ユニット9の作動を制御するエアコンECU14が配置されている。
An air conditioner ECU 14 for controlling the operation of the driver's seat
また、車室内には、赤外線カメラ4が配置されている。赤外線カメラ4は、あらかじめ決められた固定の撮影範囲内から放射される赤外線を取得し、取得した赤外線に基づいて、当該撮影範囲内の位置毎の表面温度を画素値として表す画像を生成して出力するセンサである。当該画像はサーモグラフィである。
In addition, an
この撮影範囲内には、運転席2、後席3等、その車室内のその他すべての座席の各々の、背もたれ部の表面および座部の表面が含まれる。赤外線カメラ4は、これらすべての座席を前側から撮影する。ここで、背もたれ部の表面および座部の表面とは、背もたれ部および座部のうち、人が着座した場合における人側の面をいう。つまり、背もたれ部の表面および座部の表面は、背もたれ部の前面および座部の上面である。
Included within this coverage are the backrest and seat surfaces of each of the driver's
人が着座していない座席については、背もたれ部の表面および座部の表面の全体が赤外線カメラ4によって撮影可能であるが、人が着座している座席については、背もたれ部の表面および座部の表面の一部のみが赤外線カメラ4によって撮影可能である。
For seats on which a person is not seated, the surface of the backrest and the entire surface of the seat can be photographed by the
このような撮影範囲を実現する車室内の赤外線カメラ4の位置としては、車両の左右方向中央部分における、フロントガラスの上端部近傍等がある。この部分にルームミラーが設置されている場合は、赤外線カメラ4はルームミラーに取り付けられてもよい。なお、本実施形態においては、運転席2、後席3のいずれにも、熱流束センサは設置されていない。
The position of the
また、図2に示すように、車両には、AMドアアクチュエータ15、外気温センサ16、内気温センサ17、日射センサ18、運転席着座センサ19、後席着座センサ20等も搭載されている。
As shown in FIG. 2, the vehicle also includes an
AMドアアクチュエータ15は、エアミックスドア13を駆動してエアミックスドア13の位置を変化させるモータ等のアクチュエータである。外気温センサ16は、車室外の空気(すなわち外気)の温度に応じた検出信号を出力するセンサである。内気温センサ17は、車室内の空気(すなわち内気)の温度に応じた検出信号を出力するセンサである。日射センサ18は、車両への日射量に応じた検出信号を出力するセンサである。
The
運転席着座センサ19は、運転席2への乗員の着座の有無に応じた検出信号を出力するセンサである。後席着座センサ20は、後席3への乗員の着座の有無に応じた検出信号を出力するセンサである。運転席着座センサ19、後席着座センサ20は、それぞれ、例えば座部に設置される周知のメンブレン式のスイッチであってもよいし、座部に設置される周知の静電容量型のセンサであってもよいし、座部に設置される周知の圧力センサであってもよい。
The driver's
エアコンECU14は、CPU、RAM、ROM等を有するCPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することで、後述する各種処理を実現し、それら処理において、RAMをワークメモリとして使用する。
The
エアコンECU14には、赤外線カメラ4から繰り返し定期的に(例えば1秒に1回)サーモグラフィが入力される。また、エアコンECU14には、外気温センサ16、内気温センサ17、日射センサ18、運転席着座センサ19、後席着座センサ20からの検出信号が入力される。
The
また、エアコンECU14は、必要に応じて、運転席背部ヒータクーラ5、運転席座部ヒータクーラ6、後席背部ヒータクーラ7、後席座部ヒータクーラ8の作動、非作動および作動時の作動モードを切り替える制御を行う。
In addition, the
これらヒータクーラ5、6、7、8の作動モードとしては、低出力加熱モード、高出力加熱モード、低出力冷却モード、高出力冷却モードの4つがある。低出力加熱モードと高出力加熱モードは、いずれも着座した人を加熱するモードであり、高出力加熱モードの方が低出力加熱モードよりも放熱量が多く、より高温の熱が放出される。つまり、高出力加熱モードの方が低出力加熱モードよりも加熱能力が高い。低出力冷却モードと高出力冷却モードは、いずれも着座した人を冷却するモードであり、高出力冷却モードの方が低出力冷却モードよりも吸熱量が多く、着座した人をより強く冷やす。つまり、高出力冷却モードの方が低出力冷却モードよりも冷却能力が高い。
These
また、エアコンECU14は、必要に応じて、AMドアアクチュエータ15の作動を制御することで、エアミックスドア13の位置によって決まるエアミックス比率を調節する。
Further, the
より具体的には、エアコンECU14は、ROMに記録されているプログラムを実行することで、熱流速推定処理14Aと車室内温度調整処理14Bをマルチタスクで同時並行的に実行する。
More specifically, the
エアコンECU14は、熱流速推定処理14Aを実行することで、運転席2、後席3のうち人が着座している席(以下、着座席という)と当該着座席に着座する人(以下、着座者という)との間の熱流束の推移(すなわち経時変化)を推定する。着座席は運転席2、後席3のうち1つだけの場合もあれば、両方の場合もある。エアコンECU14は、熱流速推定処理14Aを実行することで、熱流束推定装置として機能する。
The
推定対象の熱流束は、各着座席の背もたれ部と人の背中との間の熱流束、および、各着座席の座部と人の臀部との間の熱流束である。つまり、人体の部位毎に、着座席との間の熱流束が算出される。ここで、熱流束は、座席とその着座者の境界面の単位面積を単位時間に横切る熱量であり、単位はW/m2であり、座席から人へ熱が流れる場合に正となり、人から座席へ熱が流れる場合に負となる。 The heat fluxes to be estimated are the heat flux between the back of each seat and the person's back, and the heat flux between the seat of each seat and the person's buttocks. That is, the heat flux between the seat and the seat is calculated for each part of the human body. Here, the heat flux is the amount of heat crossing the unit area of the interface between the seat and the occupant per unit time, and the unit is W/ m2 . Negative for heat flow to the seat.
エアコンECU14は、熱流速推定処理14Aにおいて、推定対象の熱流束の各々を繰り返し定期的(例えば1秒に1回)に算出することで、各熱流束の推移すなわち複数時点の各々における熱流束を推定する。熱流速推定処理14Aにおける熱流束の算出方法の詳細については後述する。
In the heat
また、エアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bを実行することで、空調ユニット9から車室内に吹き出される空気の温度を調整すると共に、ヒータクーラ5、6、7、8の作動を制御する。
The
具体的には、エアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bにおいて、車両にいる人が不図示の温度設定スイッチを操作して設定した設定温度Tsetと、外気温センサ16、内気温センサ17、日射センサ18の検出信号に基づいた外気温Tam、内気温Tr、および日射量Tsとに基づいて、以下の式に従って目標吹出温度TAOを算出する。TAO=Kset×Tset-Kr×Tr-Kam×Tam-Ks×Ts+C但し、Kset、Kr、Kam、Ksは、制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
Specifically, in the vehicle interior
そして、エアコンECU14は、算出した目標吹出温度TAOに応じて、当該目標吹出温度TAOと空調ユニット9から車室内に吹き出される空気の温度が同じになるよう、エアミックス比率を決定する。そしてエアコンECU14は、決定したエアミックス比率を実現するためにAMドアアクチュエータ15に指令信号を出力する。AMドアアクチュエータ15は、この指令信号に従って、当該エアミックス比率を実現するためにエアミックスドア13を駆動する。また、エアコンECU14は、算出した目標吹出温度TAOに応じて、不図示の送風ファンを制御することで、空調ユニット9から車室内に吹き出される空気の風量を変化させてもよい。
Then, the
またエアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bにおいて、赤外線カメラ4から取得した最新のサーモグラフィに基づいて、運転席2、助手席、後席3、および他の後席に着席している乗員の体表面(例えば顔の表面)の温度を特定する。サーモグラフィから乗員の体表面の温度を算出する方法としては、例えば、以下のような方法がある。すなわち、エアコンECU14は、周知の画像認識処理によってサーモグラフィから乗員の顔の位置範囲を特定し、特定した位置範囲内の画素に基づいて、乗員の体表面の温度を特定してもよい。
In addition, in the vehicle interior
そしてエアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bにおいて、特定した体表面の温度に基づいて、上述の目標吹出温度TAOを補正することにより、車室内に吹き出される空気を調整してもよい。例えば、体表面の温度が基準値よりも高い場合には、上述の式で算出された目標吹出温度TAOをより低い値に補正してもよい。また例えば、体表面の温度が基準値よりも低い場合には、上述の式で算出された目標吹出温度TAOをより高い値に補正してもよい。このように、赤外線カメラ4は、乗員の体表面の温度の検出にも用いられる。
Then, in the vehicle interior
また、エアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bにおいて、ヒータクーラ5、6、7、8の各々に設けられた不図示の操作スイッチの操作内容に応じて、ヒータクーラ5、6、7、8の各々の、作動オフ、作動オンを切り替える。それと共にエアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bにおいて、作動中のヒータクーラ5、6、7、8の各々について、低出力加熱モード、高出力加熱モード、低出力冷却モード、高出力冷却モードを切り替える。
In addition, in the vehicle interior
具体的には、エアコンECU14は、不図示の運転席用オンオフスイッチに対する乗員の手動操作に従って、運転席背部ヒータクーラ5および運転席座部ヒータクーラ6の作動オン、作動オフを切り替える。また、エアコンECU14は、不図示の後席用オンオフスイッチに対する乗員の手動操作に従って、後席背部ヒータクーラ7および後席座部ヒータクーラ8の作動オン、作動オフを切り替える。
Specifically, the
そしてエアコンECU14は、ヒータクーラ5-8の各々について、その作動中の作動モードを、低出力加熱モード、高出力加熱モード、低出力冷却モード、高出力冷却モードの間で切り替える。切り替えのために用いられるのが、運転席2とその着座者との間の熱流束および後席3とその着座者との間の熱流束である。
Then, the
まず、運転席背部ヒータクーラ5の制御について説明する。エアコンECU14は、熱流速推定処理14Aによって算出した運転席2の背もたれ部と運転席2の着座者の背中との間の熱流束に基づいて、当該着座者の背中における温熱感を特定する。特定される温熱感の値としては、例えば、「寒い」、「快適」、「暑い」、の3つがある。
First, the control of the driver's seat back
例えば、夏に乗員が座席に着座した直後から数分は、座席の温度が非常に高い。その結果、座席から乗員に多量の熱が流れ、乗員と座席の接触面が蒸れ、乗員が暑さを感じる。その後、車内の冷房が進行すれば、座席の温度が低下し、座席から乗員への熱の流れは大きく低下し、乗員が暑さを感じることもなくなる。 For example, in the summer, the temperature of the seat is very high for several minutes immediately after the occupant takes the seat. As a result, a large amount of heat flows from the seat to the occupant, the contact surface between the occupant and the seat becomes damp, and the occupant feels hot. After that, as the air-conditioning in the vehicle progresses, the temperature of the seats drops, the flow of heat from the seats to the occupants drops significantly, and the occupants no longer feel the heat.
また例えば、冬に乗員が座席に着座した直後から数分は、座席の温度が非常に低い。その結果、乗員から座席に多量の熱が流れ、乗員が寒さを感じる。その後、車内の暖房が進行すれば、座席の温度が上昇し、乗員から座席への熱の流れは大きく低下し、乗員が寒さを感じることもなくなる。 Also, for example, in winter, the temperature of the seat is very low for several minutes immediately after the occupant sits on the seat. As a result, a large amount of heat flows from the occupant to the seat, making the occupant feel cold. After that, as the heating in the car progresses, the temperature of the seats rises, the flow of heat from the occupants to the seats is greatly reduced, and the occupants no longer feel cold.
このような理由から、エアコンECU14は、熱流束が所定の正の基準値P1よりも大きい場合に温熱感として「暑い」という値を特定する。またエアコンECU14は、熱流束が所定の負の基準値P2よりも小さい場合に温熱感として「寒い」という値を特定する。またエアコンECU14は、熱流束が基準値P1以下かつ基準値P2以上である場合に「快適」という値を特定する。
For this reason, the
さらにエアコンECU14は、熱流速推定処理14Aによって算出した運転席2の座部と運転席2の着座者の臀部との間の熱流束に基づいて、当該着座者の臀部における温熱感を特定する。さらにエアコンECU14は、熱流速推定処理14Aによって算出した後席3の背もたれ部と後席3の着座者の背中との間の最新の(すなわち、現在の)熱流束に基づいて、当該着座者の背中における温熱感を特定する。さらにエアコンECU14は、熱流速推定処理14Aによって算出した後席3の座部と後席3の着座者の臀部との間の最新の熱流束に基づいて、当該着座者の臀部における温熱感を特定する。これら3つの温熱感の特定方法は、使用する熱流束が異なる以外は、その他は運転席2の着座者の背中における温熱感の特定方法と同じである。
Further, the
続いてエアコンECU14は、特定した4つの温熱感に基づいて、ヒータクーラ5-8を制御する。具体的には、運転席2の着座者の背中における温熱感に基づいて運転席背部ヒータクーラ5を制御する。また、運転席2の着座者の臀部における温熱感に基づいて運転席座部ヒータクーラ6を制御する。また、後席3の着座者の背中における温熱感に基づいて後席背部ヒータクーラ7を制御する。また、後席3の着座者の臀部における温熱感に基づいて後席座部ヒータクーラ8を制御する。
Subsequently, the
制御の方法としては、例えば温熱感が「暑い」となっている部位については、その部位に対応するヒータクーラを高出力冷却モードに設定する。そして、温熱感が「寒い」となっている部位については、その部位に対応するヒータクーラを高出力加熱モードに設定する。そして、温熱感が「快適」となっている部位については、その部位に対応するヒータクーラの作動モードを低出力加熱モードまたは低出力冷却モードに設定する。低出力加熱モードと低出力冷却モードのどちらを選ぶかは、例えば、内気温センサ17によって検出された車室内温度が閾値以上の場合に低出力冷却モードを選び、車室内温度が閾値未満の場合に低出力加熱モードを選んでもよい。このように、ヒータクーラ5-8によって、運転席2、後席3の乗員の背中および臀部の着座後の温熱感が早期に改善される。
As a control method, for example, for a part where the thermal sensation is "hot", the heater cooler corresponding to that part is set to the high output cooling mode. Then, for a part where the thermal sensation is "cold", the heater cooler corresponding to that part is set to the high output heating mode. Then, for a part where the thermal sensation is "comfortable", the operation mode of the heater cooler corresponding to that part is set to the low output heating mode or the low output cooling mode. As to which of the low output heating mode and the low output cooling mode is selected, for example, the low output cooling mode is selected when the vehicle interior temperature detected by the internal
ここで、熱流速推定処理14Aの詳細について説明する。上述の通り、エアコンECU14は、熱流速推定処理14Aにおいて、運転席2に人が着座していれば、その背もたれ部とその人の背中との間の熱流束の推移を算出し、それと共に、その座部とその人の臀部との間の熱流束の推移を算出する。またエアコンECU14は、後席3に人が着座していれば、その背もたれ部とその人の背中との間の熱流束の推移を算出し、それと共に、その座部とその人の臀部との間の熱流束の推移を算出する。
Details of the heat
図3に、エアコンECU14が熱流速推定処理14Aを実現するために実行する処理のフローチャートを示す。このフローチャートに示す処理は、エアコンECU14が起動時に不図示のROM中に記録された所定のプログラムを実行することで実現される。なお、エアコンECU14は、算出対象の熱流束毎に1つ、この図3の処理を実行する。
FIG. 3 shows a flowchart of processing executed by the
したがって、エアコンECU14は、運転席2の背もたれ部用の図3の処理、運転席2の座部用の図3の処理、後席3の背もたれ部用の図3の処理、および、後席3の座部用の図3の処理を、それぞれ独立に同時並行で実行する。つまり、4つの図3の処理が同時並行的に実行される。
Therefore, the
運転席2の背もたれ部用の処理では、運転席2の背もたれ部と運転席2の着座者(すなわち運転者)の背中との間の熱流束が算出される。運転席2の座部用の処理では、運転席2の座部と運転席2の着座者の臀部との間の熱流束が算出される。後席3の背もたれ部用の処理では、後席3の背もたれ部と後席3の着座者の背中との間の熱流束が算出される。後席3の座部用の処理では、後席3の座部と後席3の着座者の臀部との間の熱流束が算出される。
In the process for the backrest of the driver's
以下、1つの図3の処理について説明する。以下の説明は、上記4つの図3の処理のいずれにもあてはまる。1つの図3の処理において、まずエアコンECU14は、ステップS110で、赤外線カメラ4から取得した最新のサーモグラフィに基づいて、対象の座席の対象の部分の表面温度を特定する。
One process of FIG. 3 will be described below. The following description applies to any of the above four FIG. 3 processes. 3, the
なお、対象の座席は、着座者との間で熱流束を測定する対象の座席である。また、対象の部分は、対象の座席の背もたれ部と背中との間の熱流束を算出する場合は当該背もたれ部であり、対象の座席の座部と臀部との間の熱流束を算出する場合は当該座部である。また、対象人体部位は、対象の座席の背もたれ部と背中との間の熱流束を算出する場合は当該背中であり、対象の座席の座部と臀部との間の熱流束を算出する場合は当該臀部である。 Note that the target seat is a target seat whose heat flux is to be measured with the seated occupant. In addition, the target part is the backrest when calculating the heat flux between the backrest and the back of the target seat, and when calculating the heat flux between the seat and the buttocks of the target seat is the seat. In addition, the target human body part is the back when calculating the heat flux between the backrest and the back of the target seat, and when calculating the heat flux between the seat and the buttocks of the target seat It is the buttocks concerned.
車両1のメインスイッチがオフの場合もオンの場合も車両1のバッテリから赤外線カメラ4およびエアコンECU14に電力が供給されてそれらが作動するような、赤外線カメラ4およびエアコンECU14の設置形態がある。そのような設置形態による作動を、常時作動という。また、車両1のメインスイッチがオンの場合にのみ赤外線カメラ4およびエアコンECU14に電力が供給されてそれらが作動するような、赤外線カメラ4およびエアコンECU14の設置形態がある。そのような設置形態による作動を、以下、オン時限定作動という。
There is an installation form of the
なお、メインスイッチは、車両の走行のための動力を発生する動力源(例えば、内燃機関、電気モータ等)の始動を可能な状態にするスイッチである。メインスイッチとしては、例えば、内燃機関の動力で走行する車両のイグニッションスイッチ、電気自動車に走行のための動力を供給する電気モータへの通電を許可する主電源スイッチがある。 The main switch is a switch that enables starting of a power source (for example, an internal combustion engine, an electric motor, etc.) that generates power for running the vehicle. Main switches include, for example, an ignition switch for a vehicle that runs on the power of an internal combustion engine, and a main power switch that permits energization of an electric motor that supplies power for running an electric vehicle.
エアコンECU14がステップS110を実行するタイミングでは、対象の座席に人は着座していない。常時作動の場合は、車両のメインスイッチがオフの場合にこのような状況が発生し得る。
At the timing when the
オン時限定作動の場合は、運転席2については赤外線カメラ4およびエアコンECU14の起動直後のステップS110の段階で既に人が着座している可能性が高い。しかし、この場合であっても、後席3については、メインスイッチがオンであっても人が着座していない場合が多い。車両1がカーシェアに用いられる場合は特にその傾向が強い。
In the case of the on-time only operation, there is a high possibility that a person has already been seated in the driver's
ステップS110において、エアコンECU14は、取得した最新のサーモグラフィ中で、対象の座席の対象の部分であるとしてあらかじめ定められた画素範囲内における複数の画素値(すなわち温度値)を抽出する。そして、抽出した複数の画素値の統計代表値(例えば平均値)を、対象の座席の対象の部分の表面温度として特定する。
In step S110, the
続いてエアコンECU14は、ステップS120で、運転席着座センサ19および後席着座センサ20のうち対象の座席の着座センサからの信号に基づいて、対象の座席に人が着座しているか否かを判定する。着座していないと判定した場合は、ステップS110に戻る。したがって、対象の座席に人が着座するまでは、ステップS110、S120の処理が繰り返される。
Subsequently, in step S120, the
ステップS120で着座したと判定した場合、エアコンECU14はステップS125に進み、着座時点の時刻をエアコンECU14のRAMに記録する。着座時点は、対象の座席に着座者が着座していないと判定される状態から着座していると判定される状態へ切り替わる時点である。本実施形態では、直前のステップS120で着座したと判定された時刻が、着座時点の時刻として記録される。
When it is determined that the passenger is seated in step S120, the
続いてエアコンECU14は、ステップS130に進み、対象の座席に着座者が着座する直前の、対象の座席の対象の部分の表面温度を初期温度Tsiとして特定する。具体的には、最後にステップS110で特定した対象の座席の対象の部分の表面温度を、初期温度Tsiとして特定する。このような初期温度Tsiは、対象の座席に人が着座する際の当該座席の温度の推定値に相当する。
Subsequently, the
続いてエアコンECU14は、ステップS140に進み、ステップS130で特定した表面温度に基づいて、ステップS140の実行時点における対象の座席の対象の部分と対象人体部位との間の熱流束を推定する。熱流束推定の方法については、後で詳述する。ここで推定された熱流束が、車室内温度調整処理14Bにおいて既に説明した通りに用いられる。
Subsequently, the
ステップS140に続いては、ステップS150で、運転席着座センサ19および後席着座センサ20のうち対象の座席の着座センサからの信号に基づいて、対象の座席から着座者が離席したか否かを判定する。着座していないと判定した場合、ステップS140に戻る。したがって、対象の座席から着座者が離れるまでは、ステップS140、S150の処理が繰り返され、対象の座席の対象の部分と対象人体部位との間の熱流束が逐次算出される。ステップS150で離席したと判定した場合、ステップS110に戻る。
Following step S140, in step S150, it is determined whether or not the occupant has left the target seat based on the signal from the target seat seat sensor of the driver's
ここで、ステップS140の熱流束推定処理の内容について詳述する。ステップS140では、エアコンECU14は、図4に示す処理を実行する。
Here, the content of the heat flux estimation process of step S140 will be described in detail. In step S140, the
図4の処理においてエアコンECU14は、まずステップS141で、現在の時刻に基づいて、着座時点を起点(すなわちt=1)とする経過時間tを特定する。より具体的には、直前のステップS125を実行して以降初めてのステップS141の実行機会である場合は、ステップS125で記録した着座時点から所定の待機時間すなわち1秒が経過するまで待機する。そして、当該待機時間が経過した時点で、着座時点に上記待機時間の長さ分だけ加算した時間(すなわちt=2)を、新たな経過時間とする。
In the process of FIG. 4, first, in step S141, the
また、直前のステップS125を実行して以降2回目以上のステップS141の実行機会である場合は、前回のステップS141の実行機会から上記待機時間が経過するまで待機する。そして、当該待機時間が経過した時点で、前回のステップS141で特定した経過時間に上記待機時間の長さ分だけ加算した時間を、新たな経過時間とする。例えば、前回のステップS141で特定した経過時間tが100であった場合は、t=101を新たな経過時間とする。 If it is the second or more opportunity to execute step S141 since immediately preceding step S125 was executed, the process waits until the waiting time elapses from the previous opportunity to execute step S141. Then, when the standby time has elapsed, the time obtained by adding the length of the standby time to the elapsed time specified in the previous step S141 is set as a new elapsed time. For example, if the elapsed time t specified in the previous step S141 is 100, t=101 is set as the new elapsed time.
続いてエアコンECU14は、ステップS142で、直前で算出した経過時間tにおける対象座席の対象部分と着座者の対象人体部位との間の熱流束を第1計算式Σ1で算出する。そして続くステップS143で、直前で算出した経過時間tにおける対象座席の対象部分と着座者の対象人体部位との間の熱流束を第2計算式Σ2で算出する。
Subsequently, in step S142, the
第1計算式Σ1および第2計算式Σ2は、以下の通りである。
Σ1:Rt=Rinit-ω×ln(t)+ε×(ln(t)-ln(t-1))
Σ2:Rt=Rt-1-(ln(t)-ln(t-1))×Rt-1+ε×(ln(t)
-ln(t-1))
ここで、Rtは経過時間tに対応する時点における算出対象の熱流束であり、その単位は[W/m2]である。また、Rt-1は前回の経過時間t-1に対応する時点における算出対象の熱流束である。またln()は、括弧内の値の自然対数である。
The first calculation formula Σ1 and the second calculation formula Σ2 are as follows.
Σ1: R t = R init −ω×ln(t)+ε×(ln(t)−ln(t−1))
Σ2: R t = R t−1 −(ln(t)−ln(t−1))×R t−1 +ε×(ln(t)
-ln(t-1))
Here, R t is the heat flux to be calculated at the time corresponding to the elapsed time t, and its unit is [W/m 2 ]. Also, R t-1 is the heat flux to be calculated at the time corresponding to the previous elapsed time t-1. Also, ln() is the natural logarithm of the value in brackets.
また、Rinitは着座時点t=1における算出対象の熱流束であり、以下の式によって算出される。
Rinit=k1×(Tsi-a1)
ここで、k1、a1は、算出される熱流束が実際の熱流束に近くなるよう、実験等によってあらかじめ決められた正の定数である。a1は、人の体温に近い温度である。以下、a1を第1基準温度という。
Also, R init is the heat flux to be calculated at the seating time t=1, and is calculated by the following equation.
R init =k1×(Tsi−a1)
Here, k1 and a1 are positive constants predetermined by experiments or the like so that the calculated heat flux is close to the actual heat flux. a1 is a temperature close to human body temperature. Hereinafter, a1 will be referred to as the first reference temperature.
また、ωは以下の式によって算出される。
ω=k2×(Tsi-a2)
ここで、k2、a2は、算出される熱流束が実際の熱流束に近くなるよう、実験等によってあらかじめ決められた正の定数である。a2は、人の体温に近い温度である。以下、a2を第1基準温度という。k2はk1よりも小さい。例えば、k2はk1の約1/6である。
Also, ω is calculated by the following formula.
ω=k2×(Tsi−a2)
Here, k2 and a2 are positive constants predetermined by experiments or the like so that the calculated heat flux is close to the actual heat flux. a2 is a temperature close to human body temperature. Hereinafter, a2 is referred to as the first reference temperature. k2 is smaller than k1. For example, k2 is about 1/6 of k1.
εは、ヒータクーラ5-8のうち対象のヒータクーラの現時点の作動状態に応じて決定される。対象のヒータクーラは、ヒータクーラ5-8のうち、主として対象の座席の対象の部分の温度調整を行うヒータクーラである。εの詳細については後述する。 ε is determined according to the current operating state of the target heater cooler among the heater coolers 5-8. Among the heater coolers 5-8, the target heater cooler is the heater cooler that mainly adjusts the temperature of the target portion of the target seat. Details of ε will be described later.
ステップS143に続いては、エアコンECU14は、ステップS145に進み、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値と第2計算式Σ2による熱流束Rtの算出値とが同等であるか否かを判定する。両方の算出値の差の絶対値が所定の許容値よりも小さい場合に同等であると判定され、当該許容値以上の場合は同等でないと判定される。
After step S143, the
同等であると判定した場合、エアコンECU14はステップS146に進んで切替フラグをオンにして、ステップS147に進む。この切替フラグは、図3の処理毎にエアコンECU14のRAMに設けられるフラグであり、図3の処理の開始時にオフに初期化される。ステップS145で同等でないと判定した場合、エアコンECU14はステップS146をバイパスしてステップS147に進む。
If it is determined that they are equivalent, the
ステップS147では、切替フラグがオンであるか否かを判定し、オフであればステップS148に進み、オンであればステップS149に進む。ステップS148では、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値と第2計算式Σ2による熱流束Rtの算出値のうち、前者を現在の熱流束として採用し、ステップS150に進む。ステップS149では、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値と第2計算式Σ2による熱流束Rtの算出値のうち、後者を現在の熱流束として採用し、ステップS150に進む。 In step S147, it is determined whether or not the switching flag is on. If it is off, the process proceeds to step S148, and if it is on, the process proceeds to step S149. In step S148, the former of the heat flux Rt calculated by the first calculation formula Σ1 and the heat flux Rt calculated by the second calculation formula Σ2 is adopted as the current heat flux, and the process proceeds to step S150. In step S149, the latter of the heat flux Rt calculated by the first calculation formula Σ1 and the heat flux Rt calculated by the second calculation formula Σ2 is adopted as the current heat flux, and the process proceeds to step S150.
このような図4の処理により、経過時間t=2およびその後において、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値と第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値とが同等であると判定されるまでは、以下のような作動になる。すなわち、経過時間tが待機時間(すなわち1秒)だけ増える度に、切替フラグがオフのままステップS141、S142、S143、S145、S147、S148が実行される。つまり、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値が現時点の熱流束として採用される。 4, the calculated value of the heat flux Rt by the first calculation formula Σ1 and the calculated value of the heat flux Rt by the first calculation formula Σ1 are equivalent at the elapsed time t =2 and thereafter. Until it is determined, the operation is as follows. That is, each time the elapsed time t increases by the standby time (that is, 1 second), steps S141, S142, S143, S145, S147, and S148 are executed while the switching flag remains off. That is, the calculated value of the heat flux Rt by the first calculation formula Σ1 is adopted as the current heat flux.
その後、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値と第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値とが同等になったと判定されると、ステップS141、S142、S143、S145に続いてステップS146が実行されて切替フラグがオンになる。すると、続いてステップS147、S149が実行される。すなわち、第2計算式Σ2による熱流束Rtの算出値が現時点の熱流束として採用される。この時点が、切替タイミングに相当する。 After that, when it is determined that the calculated value of the heat flux Rt by the first calculation formula Σ1 and the calculated value of the heat flux Rt by the first calculation formula Σ1 are equal, the process continues to steps S141, S142, S143, and S145. Then, step S146 is executed and the switching flag is turned on. Steps S147 and S149 are then executed. That is, the calculated value of the heat flux Rt by the second calculation formula Σ2 is adopted as the current heat flux. This time point corresponds to the switching timing.
さらにその後は、ステップS145の判定結果にかかわらず切替フラグがオンのままなので、経過時間tが待機時間だけ増える度に、ステップS141、S142、S143、S145、S147、S149が実行される。すなわち、第2計算式Σ2による熱流束Rtの算出値が現時点の熱流束として採用される。 After that, the switch flag remains on regardless of the determination result of step S145, so steps S141, S142, S143, S145, S147, and S149 are executed each time the elapsed time t increases by the standby time. That is, the calculated value of the heat flux Rt by the second calculation formula Σ2 is adopted as the current heat flux.
ここで、第1計算式Σ1、第2計算式Σ2によって算出される熱流束Rtの特徴について、図5を参照して説明する。図5は、着座時点t=1における熱流束が負の場合、すなわち、対象の人体部位から対象の座席の対象の部分へと熱が流れる場合の、その後に算出される熱流束の推移の一例を表す。縦軸が熱流束であり、横軸が経過時間tである。経過時間t=tcが、切替タイミングに相当する。図5において、第1計算式Σ1で算出された熱流束Rtが実線51で示され、第2計算式Σ2で算出された熱流束Rtが一点鎖線52で示される。
Here, the characteristics of the heat flux Rt calculated by the first calculation formula Σ1 and the second calculation formula Σ2 will be described with reference to FIG. FIG. 5 is an example of the subsequent calculated heat flux evolution when the heat flux at the seating time t=1 is negative, i.e., when heat flows from the target body part to the target part of the target seat. represents The vertical axis is the heat flux, and the horizontal axis is the elapsed time t. The elapsed time t=tc corresponds to the switching timing. 5, the heat flux Rt calculated by the first calculation formula Σ1 is indicated by a
まず第1計算式Σ1について説明する。第1計算式Σ1の右辺は、3つの項から構成されている。第1項は、Rinitである。Rinitは、対象の座席に着座者が着座した時点すなわち着座時点t=1における、対象の座席の対象の部分と対象の人体部位との間の熱流束である。すなわち、Rinitは、着座時熱流束である。 First, the first calculation formula Σ1 will be explained. The right side of the first calculation formula Σ1 consists of three terms. The first term is R init . R init is the heat flux between the target portion of the target seat and the target body part at the time when the target seat is seated by the occupant, ie, the seating time t=1. That is, R init is the seated heat flux.
上述の通り、Rinit=k1×(Tsi-a1)という式が成り立つので、着座時熱流束Rinitは初期温度Tsiによって決まる。これは、ある時点における2つの物体の間の熱流束はその時点における2つの物体の温度差に比例するという、熱伝達に関する周知のフーリエの法則に適っている。このように、着座地熱流束は、第1計算式Σ1および第2計算式Σ2による計算の過程で、初期温度Tsiに基づいて推定される。 As described above, since the formula R init =k1×(Tsi−a1) holds, the seating heat flux R init is determined by the initial temperature Tsi. This follows the well-known Fourier's law of heat transfer, which states that the heat flux between two bodies at a given time is proportional to the temperature difference between the two bodies at that time. Thus, the seating geothermal flux is estimated based on the initial temperature Tsi in the process of calculation by the first calculation formula Σ1 and the second calculation formula Σ2.
第1計算式Σ1の右辺を構成する第2項は、-ω×ln(t)である。この第2項は、因数としてωとln(t)を含んでいる。ln(t)は、着座時点を起点とする経過時間tに依存して変化すると共に初
期温度Tsiに依存しない時間依存要素である。ωは、初期温度Tsiに依存すると共に経過時間tに依存しない初期温度依存要素である。
The second term constituting the right side of the first calculation formula Σ1 is −ω×ln(t). This second term contains ω and ln(t) as factors. ln(t) is a time-dependent element that varies depending on the elapsed time t starting from the seating time and does not depend on the initial temperature Tsi. ω is an initial temperature dependent factor that depends on the initial temperature Tsi and does not depend on the elapsed time t.
ln(t)はt=2以降は常に正なので、-ω×ln(t)の正負は、ω=k2×(Tsi-a2)の正負によって決まる。また、ωの正負は、Rinit=k1×(Tsi-a1)の正負と殆どの場合で同じである。これは、人の体温に相当する第1基準温度a1と第2基準温度a2がほぼ同じ値だからである。 Since ln(t) is always positive after t=2, the sign of −ω×ln(t) is determined by the sign of ω=k2×(Tsi−a2). Also, the sign of ω is almost the same as the sign of R init =k1×(Tsi−a1). This is because the first reference temperature a1 and the second reference temperature a2, which correspond to human body temperature, are approximately the same value.
したがって、殆どの場合で、Rinitが正の場合は-ω×ln(t)は負となり、Rinitが負の場合は-ω×ln(t)は正となる。また、k1はk2よりも十分大きい。また、ln(t)は経過時間tの増加関数である。したがって、第1計算式Σ1の右辺を構成する第1項と第2項すなわちRinit-ω×ln(t)は、経過時間tが増大するほど、t=1における熱流束Rt=Rinitに比べて小さくなる。 Therefore, in most cases, −ω×ln(t) will be negative if R init is positive, and −ω×ln(t) will be positive if R init is negative. Also, k1 is sufficiently larger than k2. Also, ln(t) is an increasing function of the elapsed time t. Therefore, as the elapsed time t increases, the heat flux R t =R init becomes smaller than
つまり、時間依存要素であるln(t)は、ある期間においては、経過時間tが長くなるほど熱流束Rtの絶対値が小さくなるよう、第1計算式Σ1に寄与する。以下、この期間を減少期間という。図5の例においては、t=2から熱流束Rtがゼロになるまでの期間X1が減少期間に相当する。 That is, ln(t), which is a time-dependent element, contributes to the first calculation formula Σ1 such that the absolute value of the heat flux Rt decreases as the elapsed time t increases in a certain period. Hereinafter, this period will be referred to as a decrease period. In the example of FIG. 5, the period X1 from t=2 until the heat flux Rt becomes zero corresponds to the decreasing period.
別の観点から見れば、時間依存要素であるln(t)は、t=2以降、経過時間tが長くなるほど熱流束Rtが着座時熱流束Rinitからゼロ側に大きく離れるよう、第1計算式Σ1に寄与する。実際、図5においても、t=2以降、経過時間tが長くなるほど熱流束RtがRinitからゼロ側に(すなわち、熱流束が上昇する側に)大きく離れるよう、第1計算式Σ1に寄与する。時間依存要素であるln(t)がこのように機能することで、第1計算式Σ1によって推定された熱流束Rtの、経過時間tの変化に応じた推移が、実際の熱流束に近くなる。 From another point of view, ln ( t ), which is a time-dependent element, is the first It contributes to the calculation formula Σ1. In fact, in FIG. 5 as well, after t=2, the longer the elapsed time t is, the more the heat flux R t deviates from R init toward the zero side (that is, toward the side where the heat flux increases). contribute. With ln(t), which is a time-dependent element, functioning in this manner, the transition of the heat flux Rt estimated by the first calculation formula Σ1 in response to changes in the elapsed time t is close to the actual heat flux. Become.
また、時間依存要素であるln(t)の時間微分1/tは、経過時間tの減少関数である。したがって、ln(t)は、経過時間tが長くなるほど熱流束の変化速度の絶対値が小さくなるよう、第1計算式Σ1に寄与する。これは、減少期間X1においても、それ以外の期間においても、同様である。時間依存要素であるln(t)がこのように機能することで、第1計算式Σ1によって推定された熱流束Rtの、経過時間tの変化に応じた推移が、さらに実際の熱流束に近くなる。 Also, the time derivative 1/t of ln(t), which is a time-dependent element, is a decreasing function of the elapsed time t. Therefore, ln(t) contributes to the first calculation formula Σ1 such that the longer the elapsed time t, the smaller the absolute value of the change rate of the heat flux. This is the same for both the decrease period X1 and other periods. With ln(t), which is a time-dependent element, functioning in this way, the transition of the heat flux Rt estimated by the first calculation formula Σ1 in accordance with changes in the elapsed time t is further reflected in the actual heat flux. get closer.
また、初期温度依存要素であるωの絶対値は、初期温度Tsiと第1基準温度a1との差の絶対値が大きいほど、大きくなる。またωは、時間依存要素であるln(t)と共に、第1計算式Σ1の右辺を構成する第2項の因数となる。したがって、ωは、初期温度Tsiと第1基準温度a1との差の絶対値が大きいほど、第1計算式Σ1に対する時間依存要素ln(t)の寄与を増幅させる。このようにすることで、経過時間t=2以降の初期における、第1計算式Σ1によって推定された熱流束Rtの、経過時間tの変化に応じた変化速度が、初期温度Tsiに応じて異なることで、算出された熱流束が実際の熱流束に近くなる。 Also, the absolute value of ω, which is an initial temperature-dependent element, increases as the absolute value of the difference between the initial temperature Tsi and the first reference temperature a1 increases. Also, ω becomes a factor of the second term forming the right side of the first calculation formula Σ1 together with ln(t) which is a time-dependent element. Therefore, ω amplifies the contribution of the time-dependent element ln(t) to the first calculation formula Σ1 as the absolute value of the difference between the initial temperature Tsi and the first reference temperature a1 increases. By doing so, the rate of change of the heat flux Rt estimated by the first calculation formula Σ1 at the initial stage after the elapsed time t =2 is changed according to the change in the elapsed time t to The difference brings the calculated heat flux closer to the actual heat flux.
また、第1計算式Σ1に現れる対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値は、着座時点の表面温度である初期温度Tsiのみであり、当該部分の他の時点の表面温度の推定値は現れない。このように、当該対象の部分の表面温度を着座後も常時測定する必要がないので、着座後の表面温度測定による誤差が発生しない。したがって、熱流束の推定が安定化する。 In addition, the estimated surface temperature of the target portion of the target seat appearing in the first calculation formula Σ1 is only the initial temperature Tsi, which is the surface temperature at the time of seating, and the estimated surface temperature of the target portion at other time points. does not appear. In this way, since it is not necessary to constantly measure the surface temperature of the target portion even after sitting, there is no error due to the measurement of the surface temperature after sitting. Therefore, the heat flux estimation is stabilized.
別の観点から言えば、第1計算式Σ1に対する初期温度依存要素の寄与度は、第1計算式Σ1に対する着座時点以外の時点の当該対象の部分の表面温度から成る要素(例えば項)の寄与度よりも高い。なぜなら、本実施形態においては、着座時点以外の時点の当該対象の部分の表面温度から成る項の係数がゼロだからである。このように、当該対象の部分の着座後の表面温度の寄与が小さいので、着座後の測定によるが発生する可能性が低い。したがって、熱流束の推定が安定化する。 From another point of view, the contribution of the initial temperature-dependent element to the first calculation formula Σ1 is the contribution of the element (for example, the term) consisting of the surface temperature of the target portion at a time other than the sitting time to the first calculation formula Σ1. higher than degrees. This is because, in this embodiment, the coefficient of the term consisting of the surface temperature of the target portion at times other than the time of sitting is zero. In this way, since the contribution of the surface temperature of the target portion after sitting is small, there is a low possibility of occurrence of sagging due to measurement after sitting. Therefore, the heat flux estimation is stabilized.
第1計算式Σ1の右辺を構成する第3項は、ε×(ln(t)-ln(t-1))である。この第3項は、因数として温調依存要素であるεと時間依存要素である(ln(t)-ln(t-1))を含む。 The third term constituting the right side of the first calculation formula Σ1 is ε×(ln(t)−ln(t−1)). This third term includes a temperature control dependent factor ε and a time dependent factor (ln(t)−ln(t−1)) as factors.
ここで温調依存要素εは、上述の通り、ヒータクーラ5-8のうち対象のヒータクーラの現時点の作動状態に応じて決定される。具体的には、図6に示すように、対象のヒータクーラが非作動の場合は、εはゼロになる。したがって、εを含む第3項の熱流束への寄与はゼロになる。また、対象のヒータクーラが低出力冷却モードで作動中の場合はεが-C1になり、高出力冷却モードで作動中の場合はεが-C2になる。ここで、C1、C2は正の値であり、C1<C2の関係が成立する。つまり、低出力冷却モードよりも高出力冷却モードの方が、εを含む第3項の熱流束への寄与が大きくなる。 Here, the temperature control dependent element ε is determined according to the current operating state of the target heater cooler among the heater coolers 5-8, as described above. Specifically, as shown in FIG. 6, ε becomes zero when the target heater cooler is inactive. Therefore, the contribution of the third term containing ε to the heat flux is zero. Also, ε becomes -C1 when the target heater cooler is operating in the low output cooling mode, and ε becomes -C2 when it is operating in the high output cooling mode. Here, C1 and C2 are positive values, and the relationship of C1<C2 is established. That is, the contribution of the third term including ε to the heat flux is greater in the high-power cooling mode than in the low-power cooling mode.
また、対象のヒータクーラが低出力加熱モードで作動中の場合はεがH1になり、高出力加熱モードで作動中の場合はεがH2になる。ここで、H1、H2は正の値であり、H1<H2の関係が成立する。つまり、低出力加熱モードよりも高出力加熱モードの方が、εを含む第3項の熱流束への寄与が大きくなる。 When the target heater cooler is operating in the low power heating mode, ε becomes H1, and when it is operating in the high power heating mode, ε becomes H2. Here, H1 and H2 are positive values, and the relationship of H1<H2 is established. That is, the contribution of the third term including ε to the heat flux is greater in the high-power heating mode than in the low-power heating mode.
このように、第3項が対象のヒータクーラの作動状態に依存する温調依存要素εを含むことで、対象のヒータクーラの作動状態(すなわち能力)に起因する熱流束の変化が第1計算式Σ1に反映される。上述の通り、算出された熱流束に基づいて対象のヒータクーラの能力が調整されるので、対象のヒータクーラのフィードバック制御が実現する。 In this way, the third term includes the temperature control-dependent element ε that depends on the operating state of the target heater-cooler, so that the change in heat flux due to the operating state (that is, capacity) of the target heater-cooler is calculated by the first calculation formula Σ1. reflected in As described above, since the performance of the target heater-cooler is adjusted based on the calculated heat flux, feedback control of the target heater-cooler is realized.
また、時間依存要素である(ln(t)-ln(t-1))は、tに関する減少関数であり、t=2以上の場合は常に正であり、tが増大するほどゼロに漸近的に近付く。したがって、第3項の時間依存要素は、第1計算式Σ1で算出される熱流束Rtに対するヒータクーラの作動状態の寄与度を、時間の経過と共に低下させていく。このようにすることで、対象のヒータクーラの加熱対象の人体部位が、着座時点後の初期の段階において、時間経過と共にヒータクーラの表面温度に急速に近付いていく現象を反映した熱流束計算を、エアコンECU14が行うことができる。
Also, the time-dependent element (ln(t)-ln(t-1)) is a decreasing function with respect to t, is always positive when t=2 or greater, and asymptotically approaches zero as t increases. approach. Therefore, the time-dependent element of the third term decreases the degree of contribution of the operating state of the heater-cooler to the heat flux Rt calculated by the first calculation formula Σ1 over time. By doing so, the heat flux calculation that reflects the phenomenon that the body part to be heated by the target heater cooler rapidly approaches the surface temperature of the heater cooler over time in the initial stage after the user is seated can be performed by the air conditioner. The
次に第2計算式Σ2について説明する。第2計算式Σ2の右辺は、3つの項から構成されている。第1項は、Rt-1である。Rt-1は、前回のステップS143において第2計算式Σ2によって算出された熱流束である。つまり、Rt-1は、現時点よりも1秒前の熱流束の算出値であると共に、現時点よりも1回前の熱流束の算出値である。したがって、第2計算式Σ2の右辺の第2項および第3項は、現時点よりも1回前の熱流束の算出値Rt-1から現時点で算出する熱流束Rtへの変化量に相当する。 Next, the second calculation formula Σ2 will be explained. The right side of the second calculation formula Σ2 consists of three terms. The first term is R t-1 . R t−1 is the heat flux calculated by the second calculation formula Σ2 in the previous step S143. That is, R t-1 is the calculated value of the heat flux one second before the current time and the calculated value of the heat flux one time before the current time. Therefore, the second and third terms on the right side of the second calculation formula Σ2 correspond to the amount of change from the heat flux R t−1 calculated one time before the current time to the heat flux R t calculated at the current time. do.
第2計算式Σ2の右辺の第2項は、-(ln(t)-ln(t-1))×Rt-1である。この第2項には、-1、(ln(t)-ln(t-1))、Rt-1という因数が含まれている。これらのうち、時間依存要素である(ln(t)-ln(t-1))は経過時間t=2以降では正である。したがって、第2項は、今回算出する熱流束Rtを前回算出の熱流束Rt-1よりもゼロ側に変動させるよう第2計算式Σ2に寄与する。そして、時間依存要素である(ln(t)-ln(t-1))は経過時間t=2以降ではtが増大するほど漸近的にゼロに近付く。したがって、前回算出の熱流束Rt-1に対して今回算出する熱流束Rtを第2項が変化させる量の絶対値は、tが増大するほど小さくなっていき、漸近的にゼロに近付く。 The second term on the right side of the second calculation formula Σ2 is −(ln(t)−ln(t−1))×R t−1 . This second term contains the factors −1, (ln(t)−ln(t−1)), R t−1 . Of these, the time-dependent factor (ln(t)-ln(t-1)) is positive after the elapsed time t=2. Therefore, the second term contributes to the second calculation formula Σ2 so as to change the heat flux R t calculated this time to the zero side from the heat flux R t −1 calculated last time. The time-dependent element (ln(t)-ln(t-1)) asymptotically approaches zero as t increases after the elapsed time t=2. Therefore, the absolute value of the amount by which the second term changes the heat flux R t calculated this time with respect to the heat flux R t−1 calculated last time decreases as t increases, and asymptotically approaches zero. .
そして、t=2以降において、第1項と第2項の和におけるRt-1の係数は、1より小さい正数である。したがって、第1項と第2項は、Rtの絶対値を時間経過と共に減少させていくよう、第2計算式Σ2に寄与する。 Then, after t=2, the coefficient of R t−1 in the sum of the first and second terms is a positive number smaller than one. Therefore, the first and second terms contribute to the second calculation formula Σ2 so that the absolute value of Rt decreases over time.
第2計算式Σ2の右辺の第3項は、ε×(ln(t)-ln(t-1))であり、第1計算式Σ1の右辺を構成する第3項と同じである。したがって、第2計算式Σ2の右辺の第3項自体の振る舞いは第1計算式Σ1の右辺を構成する第3項と同じである。なお、第2計算式Σ2の右辺の第3項は、現時点よりも1回前の熱流束の算出値Rt-1から現時点で算出する熱流束Rtへの変化量として寄与する点は、第1計算式Σ1の右辺を構成する第3項とは異なる。 The third term on the right side of the second calculation formula Σ2 is ε×(ln(t)−ln(t−1)), which is the same as the third term forming the right side of the first calculation formula Σ1. Therefore, the behavior of the third term itself on the right side of the second calculation formula Σ2 is the same as that of the third term forming the right side of the first calculation formula Σ1. It should be noted that the third term on the right side of the second calculation formula Σ2 contributes to the heat flux R t calculated at the present time from the calculated value R t−1 of the heat flux one time before the present time. It is different from the third term forming the right side of the first calculation formula Σ1.
第2項も第3項も(ln(t)-ln(t-1))という因数を含んでいる。したがって、第2計算式Σ2は、時間経過と共に前記熱流束Rtの経時変化量の絶対値を減少させる。 Both the second and third terms contain the factor (ln(t)-ln(t-1)). Therefore, the second calculation formula Σ2 decreases the absolute value of the amount of change over time of the heat flux Rt over time.
なお、この第2計算式Σ2はt=2以降で用いられるが、t=1における熱流束は、第1計算式Σ1と同様に、Rinitが採用される。第2計算式Σ2の特徴は、どの時点の表面温度も要素として含まれないことである。 Although this second calculation formula Σ2 is used after t=2, R init is adopted for the heat flux at t=1 as in the first calculation formula Σ1. A feature of the second calculation formula Σ2 is that the surface temperature at any time is not included as a factor.
殆どの場合、図5に例示するように、t=2からt=tc-1までの期間では、熱流束Rtの着座時熱流束Rinitに対するゼロ側への乖離量(すなわち差分)は、第1計算式Σ1で算出された値51よりも第2計算式Σ2で算出された値52の方が、大きい。そして、発明者の実験によれば、第1計算式Σ1で算出された値51の方が、実際に発生している熱流束に近い。
In most cases, as illustrated in FIG. 5, in the period from t=2 to t=tc-1, the amount of deviation of the heat flux Rt to the zero side from the seating heat flux Rinit (that is, the difference) is The
そして、殆どの場合、図5に示すように、t=tcの時点において、t=2以降で初めて値51、52の差の絶対値が所定の許容値よりも小さくなる。例えば、t=tcの時点において値51、52が一致する。t=2以降で初めて値51、52の差の絶対値が所定の許容値よりも小さくなるタイミングは、初期温度Tsiに依存して変動する。
In most cases, as shown in FIG. 5, when t=tc, the absolute value of the difference between the
そして、殆どの場合、図5に例示するように、t=tcよりも後の期間では、熱流束Rtの着座時熱流束Rinitに対するゼロ側への乖離量(すなわち差分)は、第1計算式Σ1で算出された値51よりも第2計算式Σ2で算出された値52の方が、小さい。そして、発明者の実験によれば、第2計算式Σ2で算出された値52の方が、実際に発生している熱流束に近い。
In most cases, as illustrated in FIG. 5, in the period after t=tc, the amount of divergence (that is, the difference) of the heat flux Rt to the zero side from the seating heat flux Rinit is the first The
したがって、上述の通り、t=2以降かつt=tcの直前までは、第1計算式Σ1による熱流束Rtの算出値51が現時点の熱流束として採用され、t=tc以降は、第2計算式Σ2による熱流束Rtの算出値52が現時点の熱流束として採用される。このようになっていることで、第1計算式Σ1のみで熱流束を算出する場合や、第2計算式Σ2のみで熱流束を算出する場合に比べて、精度の高い熱流束算出を行うことができる。すなわち、前期は第1計算式Σ1によって初期温度に応じた熱流束を算出できる。そして、後期は座席の温度にかかわらず時間経過と共に経時変化量の絶対値が低下していく熱流束の特性を第2計算式Σ2で再現することができる。
Therefore, as described above, after t=2 and immediately before t =tc, the calculated
ここで、所定の条件において上述の通りにエアコンECU14で算出された熱流束と、熱流束センサで実際に測定された熱流束との比較結果を、図7、図8に示す。図7は、初期温度Tsiが人の体温よりも低い17℃の場合の結果を、図8は、初期温度Tsiが人の体温よりも高い45℃の場合の結果を、示す。両図において、実線がエアコンECU14によって上述の通りに算出された熱流束を示し、破線が熱流束センサで実際に測定された熱流束を示す。
7 and 8 show the results of comparison between the heat flux calculated by the
図7の例では、Rinitもωも負となるので、t=2から時間経過と共に熱流束は上昇していく。図8の例では、Rinitもωも正となるので、t=2から時間経過と共に熱流束は低下していく。いずれの場合も、熱流束センサで計測された熱流束に近い値が算出されている。 In the example of FIG. 7, both R init and ω are negative, so the heat flux increases with time from t=2. In the example of FIG. 8, both R init and ω are positive, so the heat flux decreases over time from t=2. In either case, a value close to the heat flux measured by the heat flux sensor is calculated.
以上説明した通り、エアコンECU14は、赤外線カメラ4の出力に基づいて、座席2、3の背もたれ部および座部の各々について、人が当該座席に着座する際の当該座席の当該部分の温度である初期温度Tsiを推定する。そしてエアコンECU14は、当該人が当該座席に着座した着座時点t=1の後の期間における、当該座席の当該部分と当該人との間の熱流束Rtの推移(すなわち経時変化)を算出する。
As described above, the
そしてエアコンECU14は、当該推移を算出する際、時間依存要素ln(t)と初期温度依存要素ωとを含む第1計算式Σ1により、t=2からt=tcまでの期間における熱流束の推移を算出する。
When calculating the transition, the
このように、エアコンECU14は、初期温度Tsiと着座時点t=1を起点とする経過時間に基づいて、その後の熱流束を算出する。したがって、結果的に初期温度Tsiが推定できるセンサを用いれば、熱流束センサを用いる必要なく、座席と着座者の間の熱の流れを推定することができる。
Thus, the
従来、車両の座席の比較的表面側に埋め込まれた熱流束センサによって、座席と着座者の間の熱の流れを測定する技術が知られている。しかしながら、発明者の検討によれば、座席と着座者の間の熱の流れを推定するために、その用途に特化した機能を有する熱流束センサを利用すると、そのセンサを他の用途に転用することが困難になる。したがって、他の用途への転用の余地が熱流束センサよりも広いセンサを利用して、座席と着座者の間の熱の流れを推定できることが望ましい。したがって、本実施形態のような第1計算式Σ1を用いた熱流束の推定が有用である。 Conventionally, there is known a technique of measuring heat flow between a seat and a occupant using a heat flux sensor embedded relatively on the surface side of a vehicle seat. However, according to the inventor's study, if a heat flux sensor having a function specialized for that application is used to estimate the heat flow between the seat and the occupant, the sensor can be diverted to other applications. become difficult to do. Therefore, it is desirable to be able to estimate the heat flow between the seat and the occupant using a sensor that is more amenable to other uses than the heat flux sensor. Therefore, it is useful to estimate the heat flux using the first calculation formula Σ1 as in this embodiment.
また、赤外線カメラ4は、上述の通り、乗員の体表面の温度を特定する用途にも用いられるので、熱流束の推定以外の用途に転用することが容易なセンサである。また、通常、車両1に搭載される赤外線カメラ4は、座席に座った乗員の前側の表面の温度を特定するために用いられるのに対し、本実施形態では、乗員の背中または臀部と座席との間の、すなわち隠れた部分の、熱流束を推定するために用いられる。つまり、本実施形態における赤外線カメラ4の用途は、従来の用途とは観点が大きく異なっている。
In addition, as described above, the
また、熱流束センサは非常に高価であるという問題がある。しかも、熱流束センサを使用する場合、運転席2の背もたれ部および座部、および、後席3の背もたれ部および座部の各々に熱流束センサを配置する必要があるので、部品点数の増大を招くと共に、高価であるということの問題がより顕著になる。これに対し、本実施形態で用いられる赤外線カメラ4は、1台で複数の座席の複数の部分の温度を検出可能なので、熱流束の測定対象が多い場合でも部品点数が低減されると共に設置費用を抑えることができる。また、本実施形態では、熱流束を推定するために、着座者の体温を検出することは行っていない。
Another problem is that the heat flux sensor is very expensive. Moreover, when heat flux sensors are used, heat flux sensors need to be placed on the backrest and seat of the driver's
なお、本実施形態においては、エアコンECU14が、ステップS130を実行することで、温度推定部として機能し、ステップS140を実行することで熱流算出部として機能する。
In this embodiment, the
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、エアコンECU14が実行する熱流速推定処理14Aの処理内容が異なり、その他は第1実施形態と同じである。
(Second embodiment)
Next, a second embodiment will be described. This embodiment differs from the first embodiment in the processing content of the heat flow
具体的には、エアコンECU14は、車室内温度調整処理14Bにおいて、図3の処理に代えて図9の処理を実行する。図9の処理では、図3の処理に対して、ステップS110が廃され、ステップS130に代えてステップS135が設けられている。
Specifically, the
したがって、本実施形態では、エアコンECU14は、1つの図9の処理の実行において、ステップS120で対象の座席に人が着座していないとの判定を繰り返す間は、対象の座席の対象の部分の表面温度を一度も特定していない。ステップS120における判定方法は、図3の処理と同じである。
Therefore, in the present embodiment, the
そして、エアコンECU14は、ステップS120で対象の座席に人が着座していると判定してステップS125を実行する。ステップS125では、図3の処理と同様、着座時点の時刻をRAMに記録するが、記録する着座時点の特定方法が、図3の処理とは異なる。
Then, the
具体的には、赤外線カメラ4およびエアコンECU14が常時作動であるかオン時限定作動であるかによって、記録する着座時点の特定方法が異なる。常時作動の場合は、対象の座席に人が着座していない時点においてステップS120の処理が繰り返されているので、ステップS125では、直前のステップS120で着座したと判定した時刻を着座時点として記録する。
Specifically, the method of specifying the seating time to be recorded differs depending on whether the
オン時限定作動の場合は、エアコンECU14が図9の処理を開始した時点で既に人が対象の座席に着座している場合がある。特に、対象の座席が運転席2である場合は、その可能性が非常に高い。その場合、図9の処理が始まって最初のステップS120で着座していると判定されるが、実際の着座時点は、ステップS120で着座していると判定された時点ではなく、もっと前の時点(例えば1分前)である可能性がある。
In the case of ON-time limited operation, a person may already be seated in the target seat when the
そのような場合のために、オン時限定作動におけるエアコンECU14は、ステップS125では、図9の処理が始まって最初のステップS120で着座していると判定している場合は、他の情報に基づいて着座時点を特定してもよい。
For such a case, the
例えば、車両1のすべてのドアの各々に、当該ドアの開閉を検出するドア開閉センサが設置されている場合は、これらのドア開閉センサを利用して着座時点を特定してもよい。ただしこの場合、これらドア開閉センサは常時作動であり、また、これらドア開閉センサの検出結果および時刻を逐次記録する不図示のドア開閉記録装置も常時作動である。 For example, if each of the doors of the vehicle 1 is provided with a door opening/closing sensor that detects opening/closing of the door, these door opening/closing sensors may be used to identify the seating time. However, in this case, these door opening/closing sensors are always in operation, and a door opening/closing recording device (not shown) for sequentially recording the detection results and time of these door opening/closing sensors is also always in operation.
この場合、エアコンECU14は、ステップS125では、ドア開閉記録装置の記録に基づいて、ドアが開いてから所定時間後(例えば3秒後)の時刻を着座時点として記録してもよい。
In this case, in step S125, the
なお、オン時限定作動であっても、対象の座席が後席3である場合は、エアコンECU14が図9の処理を開始した時点でまだ人が対象の座席に着座していない場合も多い。
It should be noted that even if the operation is ON only, if the target seat is the
そのような場合のために、オン時限定作動におけるエアコンECU14は、ステップS125では、図9の処理が始まって最初のステップS120で着座していないと判定していた場合は、ステップS125では第1実施形態と同様の判定を行ってもよい。すなわち、直前のステップS120で着座したと判定した時刻を着座時点として記録してもよい。
For such a case, the
エアコンECU14は、ステップS125の後、ステップS135で、着座の際の対象の座席の対象の部分の表面温度を推定し、推定の結果得られた推定値を初期温度Tsiとする。ステップS135に続いては、ステップS140に進む。ステップS140以降の処理内容は、図3の処理と同じである。
After step S125, in step S135, the
ここで、ステップS135における表面温度の推定について説明する。ステップS135のタイミングでは、対象の座席に着座者が着座しているのだから、対象の座席の対象の部分の大部分は、赤外線カメラ4に対して着座者の後側に隠れている。
Here, the estimation of the surface temperature in step S135 will be described. At the timing of step S135, since the occupant is seated in the target seat, most of the target portion of the target seat is hidden behind the occupant with respect to the
したがって、エアコンECU14は、車両1のすべての座席(すなわち、運転席2、助手席、後席3、およびその他の座席)のうち、まだ人が着座していない座席を特定する。そして、エアコンECU14は、特定した座席の対象の部分であるとしてあらかじめ定められた画素範囲内における複数の画素値を抽出する。そして、抽出した複数の画素値の統計代表値(例えば平均値)を、対象の座席への着座の際の、対象の座席の対象の部分の表
面温度の推定値とする。
Therefore, the
なお、本実施形態では、車両1の運転席2、後席3以外のすべての座席にも、着座センサ19、20と同様の着座センサが取り付けられており、エアコンECU14は、それら着座センサからの信号に基づいて、各座席における着座の有無を判定できる。
In the present embodiment, seating sensors similar to the
ステップS135では、対象の座席に人が着座した直後に実行される場合もあれば、対象の座席に人が着座してからしばらく時間が経ってから実行される場合もある。しかし、どちらの場合であっても、人が座っていない座席の温度は、対象の座席への着座の際における対象の座席の表面温度に近い温度となっている。したがって、どちらの場合にステップS135が実行されたとしても、得られた推定値は、対象の座席への着座の際の、対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値として有効である。 Step S135 may be executed immediately after the person sits on the target seat, or may be executed after some time has passed since the person sits on the target seat. However, in either case, the temperature of the unoccupied seat is close to the surface temperature of the target seat when the target seat is seated. Therefore, in whichever case step S135 is performed, the resulting estimate is valid as an estimate of the surface temperature of the target portion of the target seat when the target seat is seated.
また、エアコンECU14は、車両1のすべての座席に人が着座している場合、サーモグラフィのうち、人が映らない部分としてあらかじめ定められた画素範囲における複数の画素値の統計代表値を、対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値とする。
Further, when people are seated in all the seats of the vehicle 1, the
具体的には、エアコンECU14は、対象の座席の対象の部分のうち、人が着座していても赤外線カメラ4が撮影できる可能性が高いとしてあらかじめ定められた画素範囲における複数の画素値を抽出する。そして抽出した複数の画素値の統計代表値(例えば平均値)を、対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値とする。そのような画素範囲としては、例えば、対象の座席の対象の部分のうち車両左右方向に面している側面部分、対象の座席のヘッドレストの側面部分、対象の座席の背もたれ部うち車両上方向に面している天面部分がある。また、そのような画素範囲としては、車両のセンターコンソール等の、座席でない部分を採用してもよい。
Specifically, the
これらの部分の温度も、人が座っていない座席の温度と同様の理由で、得られた推定値は、対象の座席への着座の際の、対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値として有効である。 For the same reason that the temperature of these parts is the temperature of an unoccupied seat, the obtained estimated value is an estimate of the surface temperature of the target part of the target seat when the target seat is seated. valid as a value.
なお、エアコンECU14は、サーモグラフィのうち、人が映らない部分としてあらかじめ定められた画素範囲における複数の画素値の統計代表値そのものを、対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値としなくてもよい場合がある。すなわち、当該人が映らない部分の表面温度と対象の座席の対象の部分の表面温度との対応関係があらかじめ実験等により得られてエアコンECU14のROMに記録されている場合がある。そのような場合、エアコンECU14は、当該統計代表値を当該対応関係に適用することで、対象の座席の対象の部分の表面温度の推定値を得てもよい。
Note that the
このようにすることで、対象の座席の対象の部分の表面温度を直接測定できなくても、車両1内の他の部分の表面温度を用いることで、ある程度の正確性をもって初期温度Tsiを算出することができる。また、本実施形態では、熱流束を推定するために、着座者の体温を検出することは行っていない。 By doing so, even if the surface temperature of the target portion of the target seat cannot be directly measured, the initial temperature Tsi can be calculated with a certain degree of accuracy by using the surface temperature of other portions in the vehicle 1. can do. Moreover, in this embodiment, the body temperature of the seated person is not detected in order to estimate the heat flux.
なお、本実施形態においては、エアコンECU14が、ステップS135を実行することで、温度推定部として機能し、ステップS140を実行することで熱流算出部として機能する。
In this embodiment, the
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(Other embodiments)
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be modified as appropriate. Moreover, the above-described embodiments are not unrelated to each other, and can be appropriately combined unless the combination is clearly impossible. In addition, in each of the above-described embodiments, the elements constituting the embodiment are not necessarily essential unless explicitly stated as essential or clearly considered essential in principle. In addition, in each of the above-described embodiments, when numerical values such as the number, numerical value, amount, range, etc. of the constituent elements of the embodiment are mentioned, when it is explicitly stated that they are particularly essential, and when they are clearly limited to a specific number in principle It is not limited to that specific number, except when Further, in the above embodiment, if it is described that the external environment information of the vehicle (for example, the humidity outside the vehicle) is obtained from a sensor, the sensor is discarded and the external environment information is received from a server or cloud outside the vehicle. It is also possible to Alternatively, it is also possible to eliminate the sensor, acquire related information related to the external environment information from a server or cloud outside the vehicle, and estimate the external environment information from the acquired related information. In particular, where more than one value is exemplified for a quantity, it is also possible to adopt a value between these values unless otherwise stated or clearly impossible in principle. . In addition, in each of the above-described embodiments, when referring to the shape, positional relationship, etc. of the constituent elements, the shape, It is not limited to the positional relationship or the like. In addition, the present invention allows the following modifications and modifications within the equivalent range of each of the above-described embodiments. It should be noted that the following modifications can be independently selected to be applied or not applied to the above embodiment. That is, any combination of the following modifications can be applied to the above embodiment.
(変形例1)
上記実施形態では、運転席2、後席3について、背もたれ部および座部と着座者の間の熱流束の算出が行われている。しかし、車両1の運転席2、後席3以外の座席についても、同様に、背もたれ部および座部と着座者の間の熱流束の算出が行われてもよい。また、1つの座席について、右大腿部、左大腿部、臀部、背中のそれぞれについて、熱流束の算出が行われてもよい。
(Modification 1)
In the above-described embodiment, the heat flux between the seated person and the backrest portion and the seat portion is calculated for the driver's
(変形例2)
上記実施形態では、赤外線カメラ4の撮影範囲は固定となっていたが、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、赤外線カメラ4は、あるタイミングでは運転席2を撮影し、別のタイミングでは後席3を撮影するという様に、撮影方向を周期的に変化させるようになっていてもよい。
(Modification 2)
Although the photographing range of the
(変形例3)
上記実施形態では、ヒータクーラ5-8は非作動、高出力冷却モード、低出力冷却モード、低出力加熱モード、高出力加熱モードの5つの状態間を遷移するが、非作動、冷却モード、加熱モードの3つの状態のみを遷移してもよい。
(Modification 3)
In the above embodiment, the heater cooler 5-8 transitions between the five states of inactive, high output cooling mode, low output cooling mode, low output heating mode, and high output heating mode. You may transition only three states of .
また、ヒータクーラ5-8は、加熱能力を有し冷却能力を有さないヒータに置き換えられてもよい。また、ヒータクーラ5-8は、冷却能力を有し加熱能力を有さないクーラに置き換えられてもよい。 Also, the heater cooler 5-8 may be replaced with a heater that has heating capability but no cooling capability. Also, the heater cooler 5-8 may be replaced with a cooler that has a cooling capacity but does not have a heating capacity.
また、上記各実施形態において、ヒータクーラ5-8が廃されてもよい。その場合、エアコンECU14によって算出された熱流束は、ヒータクーラ5-8の制御以外の用途(例えば、車室内温度調整処理14B)に利用されてもよいし、それ以外の用途(例えば単なる記録用途)に用いられてもよい。
Further, in each of the above embodiments, the heater cooler 5-8 may be eliminated. In that case, the heat flux calculated by the
(変形例4)
上記実施形態において、赤外線カメラ4は、運転席2、後席3および車両1内の他の座席のすべてを撮影範囲としていたが、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、赤外線カメラ4は、車両1内の座席のうち後席3のみを撮影範囲としてもよい。そのような撮影範囲を実現するための赤外線カメラ4の配置としては、例えば、車両1の車室内における前後方向中央かつ左右方向中央の天井部がある。この場合、エアコンECU14は、後席3の背もたれ部と着座者の背中の間の熱流束、および、後席3の座部と着座者の臀部の間の熱流束のみを算出してもよい。あるいは、エアコンECU14は、後席3の背もたれ部と着座者の背中の間の熱流束のみを算出してもよい。
(Modification 4)
In the above-described embodiment, the
(変形例5)
上記実施形態では、ステップS120における対象の座席に人が着座したか否かの判定は、着座センサ19、20の検出結果に基づいて行われている。しかし、この判定は、必ずしも着座センサの検出結果に基づいて行われなくてもよい。すなわち、運転席着座センサ19、後席着座センサ20は必須ではない。
(Modification 5)
In the above embodiment, the determination of whether or not a person is seated on the target seat in step S120 is performed based on the detection results of the
例えば、車両1のすべてのドアの各々に、当該ドアの開閉を検出するドア開閉センサが設置されている場合は、これらのドア開閉センサを利用して上記判定を行うことが可能である。すなわち、エアコンECU14は、ステップS120においては、対象の座席に最も近いドアとしてあらかじめ定められたドアのドア開閉センサの検出結果に基づいて、当該ドアが開いてから所定時間が経過した時点で、人が当該座席に着座していると判定してもよい。所定時間は、例えば3秒でもよい。
For example, if each door of the vehicle 1 is provided with a door opening/closing sensor that detects opening/closing of the door, the determination can be made using these door opening/closing sensors. That is, in step S120, the
また例えば、車両1のすべての座席の各々に、当該座席におけるシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着センサが設置されている場合は、これらのシートベルト装着センサを利用して上記判定を行うことが可能である。すなわち、エアコンECU14は、ステップS120においては、対象の座席のシートベルト装着センサの検出結果に基づいて、当該座席のシートベルトが装着された時点よりも所定時間前の時点に、人が当該座席に着座したと判定してもよい。所定時間は、例えば5秒でもよい。
Further, for example, if each seat of the vehicle 1 is equipped with a seatbelt wearing sensor that detects whether or not the seatbelt is worn in the seat, the above determination is made using these seatbelt wearing sensors. It is possible. That is, in step S120, based on the detection result of the seat belt fastening sensor of the target seat, the
この場合は、図3のステップS125で記録する着座時点は、当該座席のシートベルトが装着された時点よりも当該所定時間前の時点の時刻となる。また、図3のステップS130で特定される初期温度Tsiは、当該着座時点に最も近い時点においてステップS110で特定された対象の座席の対象の部分の表面温度となる。 In this case, the seated time recorded in step S125 of FIG. 3 is the time before the predetermined time from the time when the seat belt of the seat was fastened. Also, the initial temperature Tsi specified in step S130 of FIG. 3 is the surface temperature of the target portion of the target seat specified in step S110 at the time closest to the seating time.
また例えば、赤外線カメラ4が出力するサーモグラフィを利用して上記判定を行うことが可能である。すなわち、エアコンECU14は、対象の座席に該当するとあらかじめ定められたサーモグラフィ中の画素範囲の複数の画素の画素値の変化に基づいて、当該座席に人が着座したか否かを判定してもよい。例えば、当該複数の画素の統計代表値(例えば平均値)が基準時間内に基準量以上変化したときに、当該座席に人が着座したと判定してもよい。
Further, for example, thermography output by the
また例えば、可視光で車室内を撮影する可視光カメラが車両1に設置されている場合、当該可視光カメラが出力する撮影画像を利用して上記判定を行うことが可能である。すなわち、エアコンECU14は、対象の座席に該当するとあらかじめ定められた撮影画像中の画素範囲の複数の画素の画素値(すなわち輝度)の変化に基づいて、当該座席に人が着座したか否かを判定してもよい。例えば、当該複数の画素の統計代表値(例えば平均値)が基準時間内に基準量以上変化したときに、当該座席に人が着座したと判定してもよい。
Further, for example, when a visible light camera that captures the interior of the vehicle with visible light is installed in the vehicle 1, the above determination can be made using the captured image output by the visible light camera. That is, the
(変形例6)
上記第1実施形態では、対象の座席の対象の部分の初期温度Tsiは、当該座席に人が着座する直前に当該部分について検出された表面温度とされている。また、上記第2実施形態では、対象の座席の対象の部分の初期温度Tsiは、当該座席以外の部分の表面温度または当該座席のうち赤外線カメラ4から着座者によって隠されない部分の表面温度とされている。
(Modification 6)
In the first embodiment described above, the initial temperature Tsi of the target portion of the target seat is the surface temperature detected for the target portion immediately before a person sits on the target seat. Further, in the second embodiment, the initial temperature Tsi of the target portion of the target seat is the surface temperature of the portion other than the seat or the surface temperature of the portion of the seat that is not hidden from the
(変形例7)
上記実施形態では、赤外線カメラ4から出力されたサーモグラフィを利用して初期温度Tsiを特定している。しかし、初期温度Tsiを特定するために赤外線カメラ4以外のものを利用してもよい。つまり、赤外線カメラ4は必須ではない。
(Modification 7)
In the above embodiment, the thermography output from the
例えば、外気温センサ16、内気温センサ17、日射センサ18のうち1つまたは複数の検出結果を利用して初期温度Tsiを特定してもよい。このようにすることで、車室内の空調制御に用いられることが多いセンサを熱流束の推定に流用することで、部品点数を低減させることができる。
For example, the initial temperature Tsi may be specified using one or a plurality of detection results from the outside
具体的には、エアコンECU14は、図9のステップS135において、現時点において内気温センサ17が検出した温度を初期温度Tsiとして特定してもよい。あるいは、エアコンECU14は、図9のステップS135において、現時点において外気温センサ16、内気温センサ17、日射センサ18が検出した温度を、所定の温度対応マップに入力することで得られた温度を、初期温度Tsiとして特定してもよい。ここで、温度対応マップは、対象の座席への着座の際における外気温センサ16、内気温センサ17、日射センサ18の検出値に対する対象の座席の表面温度の対応関係が表されたデータ、エアコンECU14のROMに記録されている。温度対応マップに表される応関係は、あらかじめ実験等によって決められる。
Specifically, the
また例えば、車両1のすべての座席について、背もたれ部の表面近くおよび座部の表面
近くに温度センサが設置されている場合、これら温度センサの検出結果を利用して初期温
度Tsiを特定してもよい。
Further, for example, if temperature sensors are installed near the surface of the backrest portion and near the surface of the seat portion for all seats of the vehicle 1, the initial temperature Tsi may be specified using the detection results of these temperature sensors. good.
具体的には、エアコンECU14は、図3のステップS110において、対象の座席の対象の部分の温度センサが検出した温度を、表面温度として特定してもよい。そしてエアコンECU14は、ステップS130において、最後にステップS110で特定した表面温度を、初期温度Tsiとして特定してもよい。
Specifically, the
また、エアコンECU14は、図9のステップS150において、現時点において(すなわち着座したと判定された直後に)対象の座席の対象の部分の温度センサが検出した温度を、初期温度Tsiとして特定してもよい。
In step S150 of FIG. 9, the
(変形例8)
上記実施形態では、Rinitおよびωを算出するための定数a1、a2、k1、k2の値のそれぞれは、対象の座席にも対象の部分にもよらず同じであった。しかし、定数a1、a2、k1、k2値のそれぞれは、対象の座席および対象の部分に応じて異なっていてよい。
(Modification 8)
In the above embodiment, the respective values of constants a1, a2, k1, k2 for calculating R init and ω were the same regardless of the seat or part of interest. However, each of the constants a1, a2, k1, k2 values may be different depending on the seat of interest and the portion of interest.
また、Rinitおよびωをより現実に近く算出するためには、エアコンECU14は、着座者の衣服の材質および厚みに応じて、定数a1、a2、k1、k2値を変化させてもよい。このためには、エアコンECU14は、着座者の衣服の材質および厚みの情報を、乗員の入力操作によって取得してもよい。そして、着座者の衣服の材質および厚みと上記定数との関係は、あらかじめ実験等によって得られて対応関係が既述されてROMに記録された対応マップに基づいて決定してもよい。
Further, in order to calculate R init and ω more realistically, the
また、Rinitおよびωをより現実に近く算出するためには、エアコンECU14は、着座者の背中と背もたれ部との間の圧力および着座者の臀部と座部との間の圧力(すなわち、座圧)に応じて、定数a1、a2、k1、k2の値を変化させてもよい。このためには、エアコンECU14は、上記圧力を、背もたれ部および背面部に設けられた圧力センサの検出結果に基づいて特定してもよい。そして、圧力と上記定数との関係は、あらかじめ実験等によって得られて対応関係が既述されてROMに記録された対応マップに基づいて決定してもよい。
Also, in order to calculate R init and ω more realistically, the
(変形例9)
上記実施形態では、第1計算式Σ1の右辺において、着座時点以外の時点の当該対象の部分の表面温度から成る項の係数がゼロである。しかし、第1計算式Σ1の右辺において、着座時点以外の時点の当該対象の部分の表面温度から成る項の係数がゼロでなくてもよい。ただしその場合でも、第1計算式Σ1に対する初期温度依存要素の寄与度は、第1計算式Σ1に対する着座時点以外の時点の当該対象の部分の表面温度から成る要素(例えば項)の寄与度よりも高い。
(Modification 9)
In the above embodiment, on the right side of the first calculation formula Σ1, the coefficient of the term consisting of the surface temperature of the target portion at times other than the time of sitting is zero. However, in the right side of the first calculation formula Σ1, the coefficient of the term consisting of the surface temperature of the target portion at times other than the time of seating may not be zero. However, even in that case, the contribution of the initial temperature-dependent element to the first calculation formula Σ1 is greater than the contribution of the element (for example, term) consisting of the surface temperature of the target portion at a time other than the seating time to the first calculation formula Σ1. is also expensive.
(変形例10)
上記実施形態では、ヒータクーラ5、6、7、8は、取り付け先の座席に着座する人を、あるときには暖め、またあるときには冷やすようになっている。しかし、ヒータクーラ5、6、7、8のそれぞれは、取り付け先の座席に着座する人を、あるときには暖め、またあるときには暖めない電気ヒータ(例えば電熱線)に置き換えられてもよい。また、ヒータクーラ5、6、7、8のそれぞれは、取り付け先の座席に着座する人にあるときには送風し、またあるときには送風しない電動ファンに置き換えられてもよい。この場合、電気ヒータは置き換え対象のヒータクーラと同じ位置に配置されてもよい。
(Modification 10)
In the above embodiments, the
電動ファンは、吸い込みタイプの電動ファンである。すなわち、電動ファンは、取り付け先の座席2、3に座る人を基準として当該ファンとは反対側から当該ファン側に風を流す。つまり、電動ファンは、座部に取り付けられた場合は、上から下に風を流し、背もたれ部に取り付けられた場合は、前方から後方に風を流す。電動ファンは、取り付け対象の座席を基準として、当該座席に着座する人とは反対側に取り付けられる。例えば、電動ファンは、座部の下側、または背もたれ部の後ろ側に配置される。
The electric fan is a suction type electric fan. That is, the electric fan blows air toward the fan from the side opposite to the fan on the basis of the person sitting on the
また・BR>Aヒータクーラ5、6、7、8の各々は、上述の電気ヒータおよび電動ファンを備えたヒータファンに置き換えられてもよい。以下、ヒータクーラ5、6、7、8の各々がヒータファンに置き換えられた場合の例について説明する。
Each of the BR>A
この例では、取り付け先の座席2、3に着座する人を暖める場合は、電気ヒータに通電され、電動ファンへの通電が停止される。これにより、電気ヒータからの熱伝導および電気ヒータからの輻射により、取り付け先の座席2、3に着座する人が暖められる。
In this example, when warming a person sitting on the
取り付け先の座席2、3に着座する人に送風する場合は、電動ファンに通電され、電気ヒータへの通電が停止される。電動ファンが通電されて作動すると、取り付け先の座席2、3に着座する人を基準として当該座席とは反対側から当該座席側に空気が流れる。つまり、
取り付け先の座席2、3に座る人に当該座席の反対側から送風されると共に、座席2、3内の空気が電動ファンに吸い込まれる。これにより、取り付け先の座席が長時間日射に晒された後に人が当該座席に着座した場合に、当該座席から当該着座者への熱の移動を抑え、熱による着座者の不快感を低減することができる。このように、電動ファンは、座席から熱を奪うことで取り付け先の座席に座る人を冷やすこともできる。
When blowing air to a person sitting on the
Air is blown from the opposite side of the seat to the person sitting on the
このような例において、各ヒータファンの作動状態に応じて決定される温調依存要素εは、上述の通り、対象のヒータクーラの現時点の作動状態に応じて決定される。具体的には、上記実施形態と同様、図6のように決定されてもよい。 In such an example, the temperature control dependent element ε determined according to the operating state of each heater fan is determined according to the current operating state of the target heater cooler, as described above. Specifically, it may be determined as shown in FIG. 6 as in the above embodiment.
なお、低出力冷却モードでは、電動ファンに通電され、電気ヒータに通電されない。また、高出力冷却モードでは、電動ファンに低出力冷却モードよりも高い電力で通電され、電気ヒータに通電されない。また、低出力加熱モードでは、電気ヒータに通電され、電動ファンに通電されない。また、高出力加熱モードでは、電気ヒータに低出力加熱モードよりも高い電力で通電され、電気ヒータに通電されない。 In the low output cooling mode, the electric fan is energized and the electric heater is not energized. In the high output cooling mode, the electric fan is energized with higher power than in the low output cooling mode, and the electric heater is not energized. Further, in the low-power heating mode, the electric heater is energized and the electric fan is not energized. In addition, in the high-output heating mode, the electric heater is energized with higher electric power than in the low-output heating mode, and the electric heater is not energized.
このようにした場合において、図10に、運転席2における座部と人の間の熱流束の実測値101の推移と、当該熱流束の推移をエアコンECU14が熱流速推定処理14Aにおいて推定した推定値102と、運転席2の座席近傍温度Tbの実測値103の推移について、1つの実験結果を示す。座席近傍温度Tbは、対象の座席(本実験では運転席2)の座部よりも上方かつ対象の座席2の背もたれ部よりも前方であると共に、当該座部からも当該背もたれ部からも30cm以上離れた領域における、空気の温度である。当該座部からも当該背もたれ部からも30cm以上離れた領域とするのは、着座した人がいない領域とするためである。座席近傍温度Tbは、熱流束推定部位の近辺を流れる空気の温度でもある。
In this case, FIG. 10 shows changes in the
この実験においては、時点t0において、車室内に送風される前の空気がエバポレータ11で冷却される冷房運転が始まる。そして、その後の時点t1において運転席2の座部の電動ファンが高出力冷却モードで作動を開始する。そして、その後の時点t2において当該冷房運転が停止する。時点t0以降において、運転席2の座部の電気ヒータは作動していない。
In this experiment, at time t0, a cooling operation is started in which the
この実験では、図10に示すように、熱流束の推定値102は、概ね実測値101に近い値を算出している。しかし、本発明者は、冷房が停止した時点t2以降において、座席近傍温度Tbの実測値103の上昇と共に、熱流束の実測値101が上昇しているにもかかわらず、熱流束の推定値102が低下していることに着目した。
In this experiment, as shown in FIG. 10, the estimated
そして、本発明者は、座席近傍温度Tbの実測値103と熱流束の実測値101との相関について検討した結果、電動ファンが吸い込む空気の温度に熱流束が影響を受けることを見出した。
As a result of examining the correlation between the measured
そこで、本発明者は、各ヒータファンの作動状態に応じて決定される温調依存要素εを、図6ではなく図11のように決定してもよいことを着想した。図11と図6の違いは、低出力冷却モードと高出力冷却モードにおけるεの式のみである。 Therefore, the inventor of the present invention conceived that the temperature control dependent element ε, which is determined according to the operating state of each heater fan, may be determined as shown in FIG. 11 instead of FIG. The only difference between FIG. 11 and FIG. 6 is the expression of ε in the low output cooling mode and the high output cooling mode.
具体的には、各ヒータファンの作動状態に応じて決定される温調依存要素εは、冷却モードでは、対象のヒータファンの現時点の作動状態および取り付け先の座席の近傍の温度に応じて、図11に示すように-C1とf(Tb)の乗算結果または-C2とf(Tb)の乗算結果となる。C1、C2、H1、H2は、図6と同じ量である。f(Tb)は、温度Tbの関数であり、温度Tbによらず正の値を取る。f(Tb)は、座席近傍温度Tbの増加関数である。例えばf(Tb)はTbそのものであってもよい。f(Tb)が座席近傍温度Tbの増加関数かつ正の値であるのは、当該領域の温度が高いほど、対象の座席の温度低下が遅くなるからである。 Specifically, the temperature control dependent element ε determined according to the operating state of each heater fan is, in the cooling mode, depending on the current operating state of the target heater fan and the temperature near the seat to which it is installed. As shown in FIG. 11, the multiplication result of -C1 and f(Tb) or the multiplication result of -C2 and f(Tb) is obtained. C1, C2, H1 and H2 are the same quantities as in FIG. f(Tb) is a function of temperature Tb and takes a positive value regardless of temperature Tb. f(Tb) is an increasing function of the seat vicinity temperature Tb. For example, f(Tb) may be Tb itself. The reason why f(Tb) is an increasing function of the seat vicinity temperature Tb and is a positive value is that the higher the temperature in the region, the slower the temperature drop of the target seat.
エアコンECU14が座席近傍温度Tbを検出する方法としては、例えば、赤外線カメラ4で撮影された当該領域の画素値によって特定されてもよいし、当該領域にあらかじめ設けられた温度センサによって特定されてもよい。あるいは、内気温センサ17が検出した温度を座席近傍温度Tbとして用いてもよい。内気温センサ17は当該領域に配置されてはいないものの、当該領域の温度と強い正の相関があるので、内気温センサ17の検出値を用いても大きな問題はない。
As a method for the
このように、図11のように温調依存要素εを決定することで、電動ファンが吸い込む空気の温度に応じた熱流束の変化も、熱流束の推定に組み込むことができる。 Thus, by determining the temperature control dependent element ε as shown in FIG. 11, changes in the heat flux according to the temperature of the air sucked by the electric fan can be incorporated into the estimation of the heat flux.
運転席背部ヒータクーラ5、運転席座部ヒータクーラ6、後席背部ヒータクーラ7、後席座部ヒータクーラ8の各々は、取り付け先の座席2、3に着座する人を、あるときには暖め、またあるときには冷やす温度調整装置である。
Each of the driver's seat back
例えば、ヒータクーラ5、6、7、8の各々は、ペルチェ素子から構成されていてもよい。取り付け先の座席2、3に着座する人を暖める場合は、ペルチェ素子の両面のうち、当該人側の面が放熱面となるよう、ペルチェ素子に電流が印加される。取り付け先の座席2、3に着座する人を冷やす場合は、ペルチェ素子の両面のうち、当該人側の面が吸熱面となるよう、ペルチェ素子に電流が印加される。
For example, each of the
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、熱流算出部は、着座時点を起点とする経過時間に依存して変化する時間依存要素と初期温度に依存する初期温度依存要素とを含む第1計算式により、着座時点より後の期間における前記熱流束の推移を算出する。
(summary)
According to the first aspect shown in part or all of the above embodiments, the heat flow calculator includes a time-dependent element that changes depending on the elapsed time starting from the seating time and an initial temperature that depends on the initial temperature. A transition of the heat flux in a period after the seating time is calculated by a first calculation formula including a temperature-dependent factor.
また、第2の観点によれば、前記初期温度依存要素の前記第1計算式に対する寄与度は、前記着座時点以外の時点における前記座席の温度の推定値を含む要素の、前記第1計算式に対する寄与度よりも、高い。このように、当該対象の部分の着座後の温度の寄与が小さいので、着座後の測定による誤差が発生する可能性が低い。したがって、熱流束の推定が安定化する。 Further, according to the second aspect, the contribution of the initial temperature dependent element to the first calculation formula is the contribution of the element including the estimated value of the temperature of the seat at a time other than the sitting time of the first calculation formula. higher than the contribution to In this way, since the contribution of the temperature of the part of interest after sitting is small, there is a low possibility that an error will occur due to measurement after sitting. Therefore, the heat flux estimation is stabilized.
また、第3の観点によれば、前記熱流算出部は、前記着座時点における前記座席と前記人との間の熱流束である着座時熱流束を前記初期温度に基づいて推定する。前記時間依存要素は、前記経過時間が長くなるほど前記熱流束が前記着座時熱流束からゼロ側に大きく離れるよう、前記第1計算式に寄与する。 Further, according to the third aspect, the heat flow calculation unit estimates a seating heat flux, which is a heat flux between the seat and the person at the time of seating, based on the initial temperature. The time-dependent element contributes to the first calculation formula so that the longer the elapsed time, the greater the deviation of the heat flux from the seated heat flux toward zero.
このようになっていることで、第1計算式によって推定された熱流束の、経過時間の
変化に応じた推移が、実際の熱流束に近くなる。
By doing so, the transition of the heat flux estimated by the first calculation formula in accordance with the change in the elapsed time becomes closer to the actual heat flux.
また、第4の観点によれば、前記時間依存要素は、前記着座時点を起点とする経過時間が長くなるほど前記熱流束の変化速度の絶対値が小さくなるよう、前記第1計算式に寄与する。このようになっていることで、第1計算式によって推定された熱流束の、経過時間の変化に応じた推移が、実際の熱流束に近くなる。 Further, according to the fourth aspect, the time-dependent element contributes to the first calculation formula so that the absolute value of the rate of change of the heat flux decreases as the elapsed time from the seating time increases. . By doing so, the transition of the heat flux estimated by the first calculation formula in accordance with the change in the elapsed time becomes closer to the actual heat flux.
また、第5の観点によれば、前記初期温度依存要素は、前記初期温度と基準温度(a1)との差の絶対値が大きいほど、前記第1計算式に対する前記時間依存要素の寄与を増幅させる。 According to the fifth aspect, the initial temperature dependent element amplifies the contribution of the time dependent element to the first calculation formula as the absolute value of the difference between the initial temperature and the reference temperature (a1) increases. Let
このようになっていることで、第1計算式によって推定された熱流束の、経過時間の変化に応じた変化速度が、初期温度に応じて異なることで、算出された熱流束が実際の熱流束に近くなる。 In this way, the rate of change of the heat flux estimated by the first calculation formula in accordance with the change in the elapsed time differs depending on the initial temperature, so that the calculated heat flux is different from the actual heat flux. Get closer to the bunch.
また、第6の観点によれば、前記車両の前記座席には、温度調整装置が配置されており、前記温度調整装置は、前記座席に着座する人を暖める、前記座席に着座する人を冷やす、前記座席に着座する人に送風する、のうち少なくとも1つを行い、前記第1計算式は、さらに前記温度調整装置の作動状態に依存する温調依存要素を含む。このように、ヒータクーラの作動状態に依存する温調依存要素を第1計算式が含むことで、温度調整装置の作動状態に起因する熱流束の変化が第1計算式に反映される。 According to the sixth aspect, the seat of the vehicle is provided with a temperature control device, and the temperature control device warms and cools the person sitting on the seat. , and blowing air to a person sitting on the seat, and the first calculation formula further includes a temperature control dependent element that depends on the operating state of the temperature control device. In this manner, the first calculation formula includes a temperature control-dependent element that depends on the operating state of the heater cooler, so that changes in heat flux due to the operating state of the temperature control device are reflected in the first calculation formula.
また、第7の観点によれば、前記熱流算出部は、前記第1計算式により前記熱流束の推移を算出すると共に、前記第1計算式とは異なる第2計算式により前記熱流束の推移を算出し、前記第2計算式は、前記座席の温度を含まず、時間経過と共に前記熱流束の経時変化量の絶対値を減少させ、前記熱流算出部は、前記着座時点の後の切替タイミングよりも前においては、前記第1計算式で算出された前記熱流束の推移を採用し、前記切替タイミングの後においては、前記第2計算式で算出された前記熱流束の推移を採用し、前記切替タイミングは、前記第1計算式で算出された前記熱流束と前記第2計算式で算出された前記熱流束との差の絶対値が所定の許容値より小さくなるタイミングである。 Further, according to the seventh aspect, the heat flow calculation unit calculates the transition of the heat flux using the first calculation formula, and calculates the transition of the heat flux using a second calculation formula different from the first calculation formula. The second calculation formula does not include the temperature of the seat and decreases the absolute value of the amount of change over time of the heat flux with the passage of time, and the heat flow calculation unit calculates the switching timing after the seating time before, adopt the transition of the heat flux calculated by the first calculation formula, and after the switching timing, adopt the transition of the heat flux calculated by the second calculation formula, The switching timing is timing at which the absolute value of the difference between the heat flux calculated by the first calculation formula and the heat flux calculated by the second calculation formula becomes smaller than a predetermined allowable value.
このようになっていることで、第1計算式のみで熱流束を算出する場合や、第2計算式のみで熱流束を算出する場合に比べて、精度の高い熱流束算出を行うことができる。すなわち、前期は第1計算式によって初期温度に応じた熱流束を算出でき、後期は座席の温度にかかわらず時間経過と共に経時変化量の絶対値が低下していく熱流束の特性を第2計算式で再現することができる。 By doing so, it is possible to calculate the heat flux with higher accuracy than when calculating the heat flux using only the first calculation formula or when calculating the heat flux using only the second calculation formula. . That is, in the first period, the heat flux corresponding to the initial temperature can be calculated by the first calculation formula, and in the second period, regardless of the temperature of the seat, the absolute value of the amount of change with time decreases with the passage of time. can be reproduced by the formula
また、第8の観点によれば、前記センサは、前記座席を前記座席の前側から撮影する赤外線カメラである。通常、車両に搭載される赤外線カメラは、座席に座った乗員の前側の表面の温度を特定するために用いられる。しかし、ここでは、乗員の背中または臀部と座席との間の、すなわち隠れた部分の、熱流束を推定するために用いられる。つまり、このような赤外線カメラの用途は、従来の用途とは観点が大きく異なっている。 Further, according to an eighth aspect, the sensor is an infrared camera that photographs the seat from the front side of the seat. Infrared cameras, which are typically mounted on vehicles, are used to determine the surface temperature in front of the seated occupants. However, here it is used to estimate the heat flux between the occupant's back or buttocks and the seat, ie the hidden part. In other words, the use of such an infrared camera is greatly different from the conventional use.
1 車両
2 運転席
3 後席
4 赤外線カメラ
5、6、7、8 ヒータクーラ
14 エアコンECU
1
Claims (8)
前記人が前記座席に着座した着座時点の後の期間における、前記座席と前記人との間の熱流束の推移を算出する熱流算出部(S140)と、を備え、
前記熱流算出部は、前記着座時点を起点とする経過時間に依存して変化する時間依存要素(ln(t))と前記初期温度に依存する初期温度依存要素(ω)とを含む第1計算式(Σ1)により、前記着座時点より後の期間における前記熱流束の推移を算出する、熱流束推定装置。 A temperature estimation for estimating an initial temperature (Tsi), which is the temperature of a seat (2, 3) of a vehicle (1) when a person sits on it, based on the outputs of the sensors (4, 16, 17, 18). part (S130, S135);
A heat flow calculation unit (S140) that calculates the transition of heat flux between the seat and the person during a period after the person sits on the seat,
The heat flow calculation unit performs a first calculation including a time-dependent element (ln(t)) that changes depending on the elapsed time starting from the seating time and an initial temperature-dependent element (ω) that depends on the initial temperature. A heat flux estimating device that calculates the transition of the heat flux in a period after the seating time using the formula (Σ1).
前記時間依存要素は、前記経過時間が長くなるほど前記熱流束が前記着座時熱流束からゼロ側に大きく離れるよう、前記第1計算式に寄与する請求項1に記載の熱流束推定装置。 The heat flow calculation unit estimates a seating heat flux (R init ), which is a heat flux between the seat and the person at the time of seating, based on the initial temperature,
The heat flux estimating device according to claim 1, wherein the time-dependent element contributes to the first calculation formula so that the longer the elapsed time, the greater the deviation of the heat flux from the seated heat flux toward zero.
前記温度調整装置は、前記座席に着座する人を暖める、前記座席に着座する人を冷やす、前記座席に着座する人に送風する、のうち少なくとも1つを行い、
前記第1計算式は、さらに前記温度調整装置の作動状態に依存する温調依存要素(ε)を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱流束推定装置。 A temperature control device (5, 6, 7, 8) is arranged in the seat of the vehicle,
The temperature adjustment device performs at least one of warming a person sitting on the seat, cooling a person sitting on the seat, and blowing air to the person sitting on the seat,
6. The heat flux estimating device according to any one of claims 1 to 5, wherein said first calculation formula further includes a temperature control dependent element ([epsilon]) dependent on the operating state of said temperature control device.
前記第2計算式は、前記座席の温度を含まず、時間経過と共に前記熱流束の経時変化量の絶対値を減少させ、
前記熱流算出部は、前記着座時点の後の切替タイミング(tc)よりも前においては、前記第1計算式で算出された前記熱流束の推移を採用し、前記切替タイミングの後においては、前記第2計算式で算出された前記熱流束の推移を採用し、
前記切替タイミングは、前記第1計算式で算出された前記熱流束と前記第2計算式で算出された前記熱流束との差の絶対値が所定の許容値より小さくなるタイミングである、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱流束推定装置。 The heat flow calculation unit calculates the transition of the heat flux by the first calculation formula, and calculates the transition of the heat flux by a second calculation formula (Σ2) different from the first calculation formula,
The second calculation formula does not include the temperature of the seat and decreases the absolute value of the amount of change in the heat flux over time as time elapses,
The heat flow calculation unit adopts the transition of the heat flux calculated by the first calculation formula before the switching timing (tc) after the seating time point, and after the switching timing, the Adopting the transition of the heat flux calculated by the second calculation formula,
The switching timing is timing when an absolute value of a difference between the heat flux calculated by the first calculation formula and the heat flux calculated by the second calculation formula becomes smaller than a predetermined allowable value. 7. The heat flux estimation device according to any one of 1 to 6.
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