本発明の実施形態に係るガス切り換え装置(ガス切換器;ガス自動切替調整器)1は、特開2006-46371号公報で示すガス自動切替調整器と同様にして、複数本のガス容器(たとえばLPガス容器;LPガスボンベ)が接続され、これらのガス容器から供給されたガスをガス器具に供給するものである。ただし、特開2006-46371号公報で示すガス自動切替調整器には、2本のガス容器しか接続されないようになっているが、本発明の実施形態に係るガス切り換え装置1には、3本のガス容器が接続されるようになっている。
ガス切り換え装置1は、図1、図2で示すように、特開2006-46371号公報で示すガス自動切替調整器とほぼ同様に構成さいる筐体(ケース)3と、ガス切り換え部(ガス切り換え機構)5と、被操作部(切り換えレバー;切換ハンドル)7とを備えている。
ここで、説明の便宜のために、ガス切り換え装置1における所定の一方向を横方向とし、この横方向に対して直交する所定の一方向を縦方向とし、横方向と縦方向とに対して直交する方向を上下方向とする。
筐体3は上側ケース体9と下側ケース体11とを備えて構成されており、筐体3の内側にはガス流路(中圧室)13が設けられている。ガス切り換え部5は、筐体3に設けられており、筐体3内のガス流路13でのガスの流れ方を切り換えるようになっている。
また、筐体3(下側ケース体11)には、筐体3内のガス流路13と通じるようにして、第1のガス入口15と第2のガス入口17と第3のガス入口19とガス出口21とが設けられている。
第1のガス入口15には、図示しない第1のガス容器が接続されるようになっており、第2のガス入口17には、図示しない第2のガス容器が接続されるようになっており、第3のガス入口19には、図示しない第3のガス容器が接続されるようになっている。ガス出口21には、図示しないガス器具等が接続されるようになっている。
なお、第1のガス入口15と第2のガス入口17と第3のガス入口19とガス出口21とはお互いが離れて筐体3に設けられている。
被操作部7は、筐体3の外部に設けられている。被操作部7は、人に操作されることによってたとえば回動し、第1のポジション(第1の回動ポジション)、第2のポジション(第2の回動ポジション)、第3のポジション(第3の回動ポジション)のうちのいずれかのポジションをとるようになっている。
ここで、第1のガス入口15に第1のガス容器が接続されており、第2のガス入口17に第2のガス容器が接続されており、第3のガス入口19にはガス容器が非接続になっている状態で、被操作部7が第1のポジション(図2に示すポジション)をとっているときを、第1のポジション状態とする。
第1のポジション状態では、ガス切り換え部5によって、第3のガス入口19が遮断されるようになっている。すなわち、第3のガス入口19存在しているにもかかわらず、ガスの通過ができないように第3のガス入口19が閉じられ、筐体3内のガス流路13が筐体3の外部と遮断され続けるようになっている。
また、第1のポジション状態において、第1のガス容器から供給されるガスの圧力(第1のガス容器内のガス圧力)が所定の値以上の値になっており、第2のガス容器から供給されるガスの圧力(第2のガス容器内のガス圧力)が所定の値以上の値になっているときには、ガス切り換え部5によって、まず、第1のガス容器から筐体3内のガス流路13にガスが供給されこの供給されたガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
また、第1のポジション状態において、第1のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値よりも小さくなったときには(第1のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値よりも小さくなり、一方、第2のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値以上の値になっているときには)、ガス切り換え部5によって、自動的に、第2のガス容器から筐体3内のガス流路13にガスが供給されこの供給されたガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
いずれにしても、被操作部7が第1のポジションをとっているときには、第1のガス容器のガス圧および第2のガス容器のガス圧にかかわらず、第3のガス入口19に止め栓がされていなくても、第3のガス入口19が遮断されるように構成されている。
また、ここで、第1のガス入口に第1のガス容器が接続されており、第2のガス入口に第2のガス容器が接続されており、第3のガス入口にはガス容器が非接続になっており、被操作部7が第2のポジション(図2に示すポジションから中心軸C1を回動中心にして180°回動したポジション)をとっているときを、第2のポジション状態とする。
第2のポジション状態でも、第1のポジション状態と同様にして、ガス切り換え部5によって、第3のガス入口19が遮断されるようになっている。
また、第2のポジション状態において、第1のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値以上の値になっており、第2のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値以上の値になっているときには、ガス切り換え部5によって、まず、第2のガス容器から筐体3内のガス流路13にガスが供給されこの供給されたガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
また、第2のポジション状態において、第2のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値よりも小さくなったときには、ガス切り換え部5によって、自動的に、第1のガス容器から筐体3内のガス流路13にガスが供給されこの供給されたガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
いずれにしても、被操作部7が第2のポジションをとっているときにも、第1のポジション状態と同様にして、第1のガス容器のガス圧および第2のガス容器のガス圧にかかわらず、第3のガス入口19に止め栓がされていなくても、第3のガス入口19が遮断されるように構成されている。
また、ここで、第3のガス入口19に第3のガス容器が接続されており、第1のガス入口15にはガス容器が非接続になっており、第2のガス入口17にもガス容器が非接続になっている状態で、被操作部7が前記第3のポジション(図2に示すポジションから中心軸C1を回動中心にして反時計まわりに90°回動したポジション)をとっているときを、第3のポジション状態とする。
第3のポジション状態では、ガス切り換え部5によって、第1のガス入口15が遮断され、第2のガス入口17が遮断されるようになっている。
また、第3のポジション状態において、第3のガス容器から供給されるガスの圧力(第3のガス容器内のガス圧力)が所定の値以上の値になっているときには、ガス切り換え部5によって、第3のガス容器から筐体内3のガス流路13にガスが供給されこの供給されたガスがガス出口21から吐出されようになっている。
いずれにしても、被操作部7が第3のポジションをとっているときには、第3のガス容器のガス圧にかかわらず、第1のガス入口15と第2のガス入口17との双方に止め栓がされていなくても、第1のガス入口と第2のガス入口とが遮断されるようになっている。
ここで、ガス切り換え部5について詳しく説明する。
ガス切り換え部5は、図1、図3等で示すように、カムの動節23と第1のガス入口開閉部25と第2のガス入口開閉部27と第3のガス入口開閉部29とを備えて構成されている。
カムの動節23は、ガス流路13内のガス圧に応じてポジション(たとえば上下方向での位置)を変えるとともに、被操作部7のポジションに応じてポジション(たとえば被操作部7のポジションと同じ回動位置決め)を変えるようになっている。カムの動節23は、2種類の態様でポジションを変えるようになっている。
第1のガス入口開閉部25は、第1のガス入口15を開閉するようになっている。さらに説明すると、第1のガス入口開閉部25は、第1のカム従動節(第1の弁棒)31を備えて構成されており、第1のカム従動節31がカムの動節23に接触し押されてたとえば直線的に動くことで第1のガス入口15を開くようになっている。
なお、第1のカム従動節31が、カムの動節23に非接触であったり、接触していても第1のガス入口15を閉じているデフォルトの位置にあるときには、第1のガス入口15が閉じられている。
第2のガス入口開閉部27も、第1のガス入口開閉部25と同様にして、第2のガス入口17を開閉するようになっている。すなわち、第2のガス入口開閉部27は、第2のカム従動節(第2の弁棒)33を備えて構成されており、第2のカム従動節33がカムの動節23に接触し押されてたとえば直線的に動くことで第2のガス入口17を開くようになっている。
また、第1のガス入口開閉部25と同様にして、第2のカム従動節33が、カムの動節23に非接触であったり、接触していても第2のガス入口17を閉じているデフォルトの位置にあるときには、第2のガス入口17が閉じられている。
第3のガス入口開閉部29も、第1のガス入口開閉部25と同様にして、第3のガス入口19を開閉するようになっている。すなわち、第3のガス入口開閉部29は、第3のカム従動節(第3の弁棒)35を備えて構成されており、第3のカム従動節35がカムの動節23に接触し押されてたとえば直線的に動くことで第3のガス入口19を開くようになっている。
また、第1のガス入口開閉部25と同様にして、第3のカム従動節35が、カムの動節23に非接触であったり、接触していても第3のガス入口19を閉じているデフォルトの位置にあるときには、第3のガス入口19が閉じられている。
ガス切り換え装置1では、被操作部7が第1のポジションをとっているとき、または、被操作部7が前記第2のポジションをとっているとき、カムの動節23の、ガス流路13内のガス圧によるポジションの変化(上下方向での変化)にかかわらず、カムの動節23と第3のカム従動節35とがお互いに常に非接触状態になっていることで、第3のガス入口19が遮断されるように構成されている。
ガス切り換え装置1では、被操作部7が第3のポジションをとっているとき、カムの動節23のポジションの、ガス流路13内のガス圧による変化(上下方向での変化)にかかわらず、カムの動節23と第1のカム従動節31とがお互いに常に非接触状態になっていることで第1のガス入口15が遮断されように構成されている。
また、ガス切り換え装置1では、被操作部7が第3のポジションをとっているとき、カムの動節23の、ガス流路13内のガス圧によるポジションの変化(上下方向での変化)にかかわらず、カムの動節23と第2のカム従動節33とがお互いに常に非接触状態になっていることで第2のガス入口17が遮断されように構成されている。
第1のポジション状態において、第1のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値以上の値になっているときには、カムの動節23が第1のカム従動節31に接触して第1のカム従動節31が動き、第1のガス入口15が開き、第1のガス容器からガス流路13内にガスが入り、このガス流路13内に入ったガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
また、第1のポジション状態において、第1のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値よりも小さくなったときには、カムの動節23がまず第2のカム従動節33に接触して第2のカム従動節33が動き、第2のガス入口17が開き、第2のガス容器からガス流路13内にガスが入り、このガス流路13内に入ったガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
また、第2のポジション状態において、第2のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値以上の値になっているときには、カムの動節23が第2のカム従動節33に接触して第2のカム従動節33が動き、第2のガス入口17が開き、第2のガス容器からガス流路13内にガスが入り、このガス流路13内に入ったガスがガス出口から吐出されるようになっている。
また、第2のポジション状態において、第2のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値よりも小さくなったときには、カムの動節23がまず第1のカム従動節31に接触して第1のカム従動節31が動き、第1のガス入口15が開き、第1のガス容器からガス流路13内にガスが入り、このガス流路13内に入ったガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
さらに、第3のポジション状態において、第3のガス容器から供給されるガスの圧力が所定の値以上の値になっているときには、カムの動節23が第3のカム従動節35に接触して第3のカム従動節35が動き、第3のガス入口19が開き、第3のガス容器からガス流路13内にガスが入り、このガス流路13内に入ったガスがガス出口21から吐出されるようになっている。
ところで、ガス切り換え装置1では、図1で示すように、筐体3内のガス流路13の一部がダイヤフラム37によって形成されている。すなわち、ガス流路13の一部が、ダイヤフラム37によって、ガス流路13を形成している空間とガス流路13外部の空間(大気圧の空間;たとえば、上側ケース体9とダイヤフラム37とで形成されている空間)39とに仕切られている。
ダイヤフラム37は、ガス流路13内のガス圧と、ガス流路13の外(大気圧の空間39)の大気圧との差圧に応じて主として中央部が変形するように構成されている。
ダイヤフラム37の周囲が上側ケース体9と下側ケース体11とよって挟まれていることで、ダイヤフラム37の周囲が筐体3に固定されている。また、ダイヤフラム37の下側には、ダイヤフラム37と下側ケース体11とによってガス流路13が形成されている。
また、ガス切り換え装置1には、細長い円柱状の切り換え軸部材41と上側軸受け部材43と、弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)45と、下側軸受け部材47とが設けられている。
細長い円柱状の切り換え軸部材41の中心軸は、被操作部7の回動中心軸C1と一致しており、上下方向に延びている。軸受け部材43は、上側ケース体9に対して中心軸C1を中心にして回動自在なように、上側ケース体9に支持されている。また、軸受け部材43には、被操作部7が一体的に設けられている。
切り換え軸部材41は、上側ケース体9に対して上下方向で移動自在なように、軸受け部材43に支持されている。
これにより、切り換え軸部材41は、筐体3に対して、中心軸C1を中心にして回動し、上下方向で移動するようになっている。さらに、切り換え軸部材41は、筐体3に対して、他の形態での移動や回動や姿勢の変化はできないようになっている。
被操作部7は、筐体3に対して、中心軸C1を中心にして回動するようになっている。さらに、被操作部7は、筐体3に対して、他の形態での移動や回動や姿勢の変化はできないようになっている。
切り換え軸部材41は、ダイヤフラム37の中央部を貫通しており、切り換え軸部材41の下端部49は、ガス流路13内に存在している。また、切り換え軸部材41のダイヤフラム37を貫通している部位は、下側軸受け部材47を介してダイヤフラム37に支持されている(ダイヤフラム37の中央部に一体的に設けられている)。
下側軸受け部材47は、ダイヤフラム37の中央部でダイヤフラム37に一体的にも設けられている。切り換え軸部材41は、下側軸受け部材47に対して、中心軸C1を中心にして回動自在になっているが、下側軸受け部材47に対して、他の形態での移動や回動や姿勢の変化はできないようになっている。
そして、ガス切り換え部5が中心軸C1を中心にして回動すると、ガス切り換え部5といっしょに切り換え軸部材41が回動し、下側軸受け部材47が上下方向に移動すると、切り換え軸部材41が下側軸受け部材47といっしょに上下方向に移動するようになっている。ただし、すでに理解されるように、下側軸受け部材47が上下方向に移動しても、ガス切り換え部5は、上下方向には移動しないようになっている。
圧縮コイルバネ45は、上側ケース体9の内部で、切り換え軸部材41が内側を通過するようにして、ダイヤフラム37と上側ケース体9の上部との間に設けられており、ダイヤフラム37の中央部を下側(ガス流路13側)に付勢している。
ダイヤフラム37の上側の空間39は大気圧になっており、ダイヤフラム37の下側の空間は、ガス流路13になっている。そして、ガス流路13のガス圧が高いときには、ガス流路13のガス圧によって、ダイヤフラム37の中央部と切り換え軸部材41とが上側に移動し、ガス流路13のガス圧が低いときには、大気圧と圧縮コイルバネ45の付勢力によって、ダイヤフラム37の中央部と切り換え軸部材41とが下側に移動するようになっている。
また、ガス切り換え装置1には、図1で示すように、ガス容器の切換状態を示す表示機構51が設けられている。表示機構51は、切り換え軸部材41が上方に位置している場合には、赤く着色された表示部53が上方に位置し、切り換え軸部材41が下方に移動した場合には、表示部53が下方に移動して、この状態が、ガス切り換え部5ののぞき窓55から見えるようになっている。
カムの動節23は、上下方向で見て、ダイヤフラム37の中央部に設けられており、ガス流路13内に設けられている。カムの動節23の上端部が切り換え軸部材41の下端部と係合しており、カムの動節23と切り換え軸部材41とはお互いが一体化している。これにより、カムの動節23は、被操作部7の回動によって中心軸C1を中心にして回動してポジションを変えるとともに、切り換え軸部材41の上下方向の移動によって、上下方向に移動してポジションを変えるようになっている。
被操作部7の回動中心軸C1の延伸方向(カムの動節23の移動方向;上下方向)で見ると、図2で示すように(図1も併せて参照)、第2のガス入口17と第2のカム従動節33とは、被操作部7の回動中心軸C1に対して、第1のガス入口15と第1のカム従動節31とは点対称のところに位置している。
また、被操作部7の回動中心軸C1の延伸方向で見ると、図2で示すように、第3のガス入口19と第3のカム従動節35(図2では図示せず)とは、被操作部7の回動中心軸まわりで第1のガス入口15や第1のカム従動節31を90°回動したところに位置している。
なお、たとえば、第1のガス入口15の中心軸と第1のカム従動節31の中心軸とは、お互いが一致しており、第2のガス入口17の中心軸と第2のカム従動節33の中心軸とは、お互いが一致しており、第3のガス入口19の中心軸と第3のカム従動節35の中心軸とは、お互いが一致している。
被操作部7が第1のポジションもしくは第2のポジションをとっているときには、図3、図4、図5、図7で示すように、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向での移動によって、第1のカム従動節31と第2のカム従動節33とが、カムの動節23に接触しつつ押されて移動するように構成されている。
カムの動節23の押しによる第1のカム従動節31や第2のカム従動節33の移動方向は、被操作部7の回動中心軸C1と交差する方向であり、たとえば横方向であってカムの動節23から離れる方向である。
一方、被操作部7が第1のポジションもしくは第2のポジションをとっているときには、第3カム従動節35は、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向の移動によっては、カムの動節23に接触せず移動をしないように構成されている。
被操作部7が第3のポジションをとっているときには、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向の移動によって、第3のカム従動節35が、カムの動節23に接触しつつ移動するように構成されている。
カムの動節23の押しによる第3のカム従動節35の移動方向は、被操作部7の回動中心軸C1と交差する方向であり、たとえば横方向であってカムの動節23から離れる方向である。
一方、被操作部7が第3のポジションをとっているときには、図6で示すように、第1のカム従動節31や第2のカム従動節33は、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向の移動によってはカムの動節23に接触せず移動をしないように構成されている。
ところで、被操作部7が第1のポジションをとっているときのガス切り換え装置1では、ガス流路13内のガス圧が下がりダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を減少する側に移動することによるカムの動節23の下側への移動により、第1のカム従動節31がカムの動節23に押されて被操作部7の回動中心軸C1から離れる方向に移動するようになっている。これにより、第1のガス入口15が開き、第1のガス容器からガス流路13へガスが供給されるようになっている。
一方、第1のガス容器からのガスの供給によってガス流路13内のガス圧が上がると、ダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を増やす側に移動することによるカムの動節23の上側への移動によって、カムの動節23による押圧力がなくなって、第1のカム従動節31が被操作部7の回動中心軸C1に近づく方向に移動するようになっている。これにより、第1のガス入口15が閉じるようになっている。
このような第1のガス入口15の開閉によって、適宜の圧のガスが、第1のガス容器からガス流路13に供給されるようになっている。
また、被操作部7が第1のポジションをとっているときのガス切り換え装置1では、第1のガス容器からガス流路13へ供給されるガスの圧力が低下して、ガス流路13内のガス圧が下がりダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を減少する側にさらに移動することによるカムの動節23の下側への移動により、第2のカム従動節33がカムの動節23に押されて被操作部7の回動中心軸C1から離れる方向に移動するようになっている。これにより、第2のガス入口17が開き、第2のガス容器からガス流路13へガスが供給されるようになっている。すなわち、ガス流路13へのガスの供給元が、第1のガス容器から第2のガス容器に自動的な変更されるようになっている。
さらに、第2のガス容器からのガスの供給によってガス流路13内のガス圧が上がると、ダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を増やす側に移動することによるカムの動節23の上側への移動によって、カムの動節23による押圧力がなくなって、第2のカム従動節33が被操作部7の回動中心軸C1に近づく方向に移動するようになっている。これにより、第2のガス入口17が閉じるようになっている。
このような第2のガス入口17の開閉によって、第1のガス容器のガス圧が低下しても、適宜の圧のガスが、第2のガス容器からガス流路13に供給されるようになっている。
また、被操作部7が第1のポジションをとっているときと同様にして、被操作部7が第2のポジションをとっているときのガス切り換え装置1では、ガス流路13内のガス圧が下がりダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を減少する側に移動することによるカムの動節23の下側への移動により、第2のカム従動節33がカムの動節23に押されて被操作部7の回動中心軸C1から離れる方向に移動するようになっている。これにより、第2のガス入口17が開き、第2のガス容器からガス流路13へガスが供給されるようになっている。
一方、第2のガス容器からのガスの供給によってガス流路13内のガス圧が上がると、ダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を増やす側に移動することによるカムの動節23の上側への移動によって、カムの動節23による押圧力がなくなって、第2のカム従動節33が被操作部7の回動中心軸C1に近づく方向に移動するようになっている。これにより、第2のガス入口17が閉じるようになっている。
このような第2のガス入口17の開閉によって、適宜の圧のガスが、第2のガス容器からガス流路13に供給されるようになっている。
また、被操作部7が第2のポジションをとっているときのガス切り換え装置1では、第2のガス容器からガス流路13へ供給されるガスの圧力が低下して、ガス流路13内のガス圧が下がりダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を減少する側にさらに移動することによるカムの動節23の下側への移動により、第1のカム従動節31がカムの動節23に押されて被操作部7の回動中心軸C1から離れる方向に移動するようになっている。これにより、第1のガス入口15が開き、第2のガス容器からガス流路13へガスが供給されるようになっている。すなわち、ガス流路13へのガスの供給元が、第2のガス容器から第1のガス容器に自動的な変更されるようになっている。
さらに、第1のガス容器からのガスの供給によってガス流路13内のガス圧が上がると、ダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を増やす側に移動することによるカムの動節23の上側への移動によって、カムの動節23による押圧力がなくなって、第1のカム従動節31が被操作部7の回動中心軸C1に近づく方向に移動するようになっている。これにより、第1のガス入口15が閉じるようになっている。
このような第1のガス入口15の開閉によって、第2のガス容器のガス圧が低下しても、適宜の圧のガスが、第1のガス容器からガス流路13に供給されるようになっている。
また、被操作部7が第3のポジションをとっているときのガス切り換え装置1では、ガス流路13内のガス圧が下がりダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を減少する側に移動することによるカムの動節23の移動により、第3のカム従動節35がカムの動節23に押されて被操作部7の回動中心軸C1から離れる方向に移動するようになっている。これにより、第3のガス入口19が開き、第3のガス容器からガス流路13へガスが供給されるようになっている。
一方、第3のガス容器からのガスの供給によってガス流路13内のガス圧が上がると、ダイヤフラム37の中央部がガス流路13の体積を増やす側に移動することによるカムの動節23の上側への移動によって、カムの動節23による押圧力がなくなって、第3のカム従動節35が被操作部7の回動中心軸C1に近づく方向に移動するようになっている。これにより、第3のガス入口19が閉じるようになっている。
このような第3のガス入口19の開閉によって、適宜の圧のガスが、第3のガス容器からガス流路13に供給されるようになっている。
ここで、第1のガス入口開閉部25について詳しく説明する。
第1のガス入口開閉部25は、上述したように、ガス流路13内のガス圧の変化によるカムの動節23の上下方向での移動によって第1のカム従動節31が横方向に移動することで、第1のガス入口15を開閉するようになっている。
さらに説明すると、第1のカム従動節31は、細長い円柱状に形成されており、第1のガス入口15のところで、ガス流路13内に設けられている。第1のカム従動節31は、中心軸の延伸方向(長手方向)が横方向と一致するようにして、下側ケース体11に支持されている。また、第1のカム従動節31は、下側ケース体11に対して横方向で移動自在になっている。第1のカム従動節31のカムの動節23と接する先端側の部位はたとえば先端部が半球状に形成されている。
第1のカム従動節31は、弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)57によって、被操作部7の中心軸C1(カムの動節23)に近づく側に付勢されている。そして、カムの動節23に押されることで、圧縮コイルバネ57が圧縮されるとともに、第1のカム従動節31が被操作部7の中心軸C1から離れる側(図1では左側)に移動することで、弁体58が弁座60から離れ、第1のガス入口開閉部25が開くようになっている。
一方、カムの動節23による押し量が少なくなるにつれて、圧縮コイルバネ57が次第に復元し、第1のカム従動節31が圧縮コイルバネ57で被操作部7の中心軸C1に近づく側(図1では右側)に押されて、弁体58が弁座60にくっつき、第1のガス入口開閉部25が閉じるようになっている。
第2のガス入口開閉部27や第3のガス入口開閉部29は、第1のガス入口開閉部25と同様に構成されている。
すなわち、第2のガス入口開閉部27も、上述したように、ガス流路13内のガス圧の変化によるカムの動節23の上下方向での移動によって第2のカム従動節33が横方向に移動することで、第2のガス入口17を開閉するようになっている。
さらに説明すると、第2のカム従動節33も、細長い円柱状に形成されており、第2のガス入口17のところで、ガス流路13内に設けられている。第2のカム従動節33も、中心軸の延伸方向(長手方向)が横方向と一致するようにして、下側ケース体11に支持されている。また、第2のカム従動節33も、下側ケース体11に対して横方向で移動自在になっている。
第2のカム従動節33も、弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)57によって、被操作部7の中心軸C1(カムの動節23)に近づく側に付勢されている。そして、カムの動節23に押されることで、圧縮コイルバネ57が圧縮されるとともに、第2のカム従動節33が被操作部7の中心軸C1から離れる側(図1では右側)に移動することで、弁体58が弁座60から離れ、第2のガス入口開閉部27が開くようになっている。
一方、カムの動節23による押し量が少なくなるにつれて、圧縮コイルバネ57が次第に復元し、第2のカム従動節33が圧縮コイルバネ57で被操作部7の中心軸C1に近づく側(図1では左側)に押されて、弁体58が弁座60にくっつき、第2のガス入口開閉部27が閉じるようになっている。
第3のガス入口開閉部29は、ガス流路13内のガス圧の変化によるカムの動節23の上下方向での移動によって第3のカム従動節35が横方向でなく縦方向に移動することで、第3のガス入口19を開閉するようになっている。
さらに説明すると、第3のカム従動節35も、細長い円柱状に形成されており、第3のガス入口19のところで、ガス流路13内に設けられている。第3のカム従動節35は、中心軸の延伸方向(長手方向)が縦方向と一致するようにして、下側ケース体11に支持されている。また、第3のカム従動節35は、下側ケース体11に対して縦方向で移動自在になっている。
第3のカム従動節35も、弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)によって、被操作部7の中心軸C1(カムの動節23)に近づく側に付勢されている。そして、カムの動節23に押されることで、圧縮コイルバネが圧縮されるとともに、第3のカム従動節35が被操作部7の中心軸C1から離れる側に移動することで、弁体が弁座から離れ、第3のガス入口開閉部29が開くようになっている。
一方、カムの動節23による押し量が少なくなるにつれて、圧縮コイルバネが次第に復元し、第3のカム従動節35が圧縮コイルバネで被操作部7の中心軸C1に近づく側に押されて、弁体58が弁座60にくっつき、第3のガス入口開閉部29が閉じるようになっている。
カムの動節23は動節本体部59と上側部位61と下側部位63とを備えて構成されている。各カム従動節31、33、35は、動節本体部59に接して押されるようになっている。上側部位61と下側部位63はたとえば外径がお互いに等しい円柱状に形成されている。なお、上側部位61の円柱の高さ寸法の値は、下側部位63の円柱の高さ寸法の値よりも大きくなっている。
動節本体部59は円錐台状に形成されている。円錐台状の動節本体部59の円形状の上面(図1では下側に位置している面)の外径寸法の値は、上側部位61や下側部位63の外径寸法の値と等しくなっている。
円錐台状の動節本体部59の円形状の底面(図1では上側に位置している面)の外径寸法の値は、円形状の上面の外径寸法の値よりも大きくなっている。また、円錐台状の動節本体部59の斜面は、上面や底面に対して45°程度の傾斜角度で傾いている。
動節本体部59の中心軸と上側部位61の中心軸と下側部位63の中心軸とはお互いが一致しており、上側部位61と動節本体部59と下側部位63とは上側から下側に向かってこの順にならんでいる。
円錐台状の動節本体部59の円形状の底面(外径が大きいほうの面)に、上側部位61の円形状の底面が接しており、円錐台状の動節本体部59の円形状の上面(外径が小さいほうの面)に、下側部位63の円形状の底面が接している。
カムの動節23は、上側部位61の上端部が、切り換え軸部材41に一体的に設けられている。カムの動節23の中心軸と切り換え軸部材41の中心軸C1とはお互いが一致している。
動節本体部59に切り欠きが設けられていることで、動節本体部59には一対の平面状部位65、67が形成されている。平面状部位65と平面状部位67とがお互いが平行になっているともに、中心軸C1と平行になっている。平面状部位65と中心軸C1との距離の値と、平面状部位67と中心軸C1との距離の値とはお互いが等しくなっている。また、平面状部位65と平面状部位67との間の距離の値は、たとえば、上側部位61や下側部位63の外径の値と等しくなっている。
また、動節本体部59や下側部位63には凹部69が設けられている。凹部69の一対の平面状の側面71、73は、平面状部位65、67と平行になっている。平面状の側面71と平面状部位65との距離の値と平面状の側面73と平面状部位67との距離の値とはお互いが等しくなっている。
凹部69の幅寸法B1の値は、各カム従動節31、33、35の外径寸法D1の値よりも大きくなっている。これにより、各カム従動節31、33の先端部(中心軸C1側の部位)が、凹部69に入り込めるようになっている。
凹部69の底面(動節本体部59の中心軸側に形成されている平面状の斜面)75は、動節本体部59の斜面とほぼ平行になっており、凹部69内に入り込んだ各カム従動節31、33の先端が、底面75に当接するようになっている。
また、下側ケース体11には、凹部(ガイド部)77が設けられている。凹部77は下側部位63よりも外径が僅かに大きい円柱状に形成されている。凹部77の中心軸は、カムの動節23の中心軸と一致している。
そして、カムの動節23が各カム従動節31、33、35を押すときには、カムの動節23の下側部位63の下端部が凹部77に入り込み、切り換え軸部材41とカムの動節23とが、上側軸受け部材43と凹部77とで、両端支持梁の態様で支持されるようになっている。
これにより、カムの動節23が1本のカム従動節(第1のカム従動節31もしくは第2のカム従動節33もしくは第3のカム従動節35)しか押さないときにおける、カムの動節23にかかる力を無理なく受けることができる。
また、ガス切り換え装置1には、特開2006-46371号公報に記載されているガス自動切替調整器と同様にして減圧機構等(図示せず)が設けられている。
さらに、ガス切り換え装置1には、被操作部7がとっているポジションを保持するための被操作部ポジション保持部79が設けられている。
被操作部ポジション保持部79について、図8~図10を参照しつつさらに詳しく説明する。
被操作部ポジション保持部79は、図8で示す上側ケース体9に設けられている溝81を用いて被操作部7がとっているポジションを保持するようになっている。
さらに説明すると、被操作部ポジション保持部79は、溝81に加えて、レバー83とロックピン85と弾性体(たとえばトーションバネ)87とを備えて構成されている。
レバー83は基端部が被操作部7に支持されており、この支持されているところに設けられている回動中心軸を中心にして、被操作部7に対して、たとえば90°の角度回動するようになっている。
ロックピン85も、被操作部7に支持されており、被操作部7の中心軸C1に接近しまた離れる方向で、被操作部7に対して僅かに移動自在になっている。
トーションバネ87は、レバー83とロックピン85とに係合している。そして、図10で示す状態(レバー83のアンロック状態)では、トーションバネ87によってロックピン85に荷重がかかっていないので、ロックピン85が溝81の外に位置しており、筐体3に対して、被操作部7を回動することができるようになっている。
一方、図9で示す状態(図10で示す状態からレバー83を90°回動させた状態;レバー83のロック状態)では、トーションバネ87の付勢力によってロックピン85に荷重がかかる。
このとき、円形状のガイド部89にロックピン85が当接している状態では、筐体3に対して、被操作部7を回動させることができるが、図9で示すように、ロックピン85が溝81内に入ると、筐体3に対して被操作部7を回動させることができないようになる。
図9で示すように被操作部7がロックされている状態からレバー83をもとに戻すと(図10で示す状態にすると)、筐体3に対して、被操作部7を回動させることができるようになる。
なお、上記説明では、溝81が1つしか設けられていないが、溝81を90°ずつずらして3つ適宜の箇所に設ければ、第1のポジションと第2のポジションと第3のポジションとにおいて被操作部7をロックすることができる。
また、上記説明では、溝81を上側ケース体9に設け、レバー83等を被操作部7に設けているが、溝81を被操作部7に設け、レバー83等を上側ケース体9に設けてもよい。
次に、ガス切り換え装置1の動作について説明する。
まず、第1のポジション状態における動作について説明する。
第1のポジション状態では、被操作部7が第1のポジションをとっており、たとえば、第1のガス入口15にガスが十分に充填されている第1のガス容器が接続されており、第2のガス入口17にもガスが十分に充填されている第2のガス容器が接続されており、第3のガス入口19にはガス容器が非接続になっている。
被操作部7が第1のポジションをとっていることで、上下方向で見ると、第1のカム従動節31、第2のカム従動節33、第3のカム従動節37のカムの動節23に対する位置が図3で示すようになっている。
図3(c)の紙面に直交する方向にカムの動節23が移動するので、カムの動節23がどんなに移動してもカムの動節23が第3のカム従動節35に接触することがなく、第3のガス入口開閉部29は常に閉じられ遮断されている。
第1のポジション状態では、まずは、ガス流路13内が大気圧になっている。これにより、圧縮コイルバネ45で付勢されてカムの動節23が、図3(a)(b)で示す位置よりも下側に移動して、図4で示すように、カムの動節23の動節本体部59の斜面が第1のカム従動節31に接触して、カムの動節23が第1のカム従動節31を押す。これにより、第1のガス入口開閉部25が開いて第1のガス入口開閉部25からガス流路13にガスが供給されてガス流路13内のガス圧が所定の圧になり、ガス流路13内のガスがガス出口21からガス器具に供給される。
また、たとえば、ガス出口21からガス器具にガスが供給されないときには、ガス流路13内のガス圧が所定の圧を超えようとするが、ガス流路13内のガス圧力によってカムの動節23が図4で示す状態よりも上側に移動し、カムの動節23による第1のカム従動節31への押しが無くなり、第1のガス入口開閉部25が閉じる。
続いて、第1のポジション状態で第1のガス容器内のガスが残り少なくなると、カムの動節23が下側に移動して第1のカム従動節31を押して第1のガス入口開閉部25が開いても、ガス流路13のガスの圧力が所定の値まで上がらないので、カムの動節23がさらに下側に移動する。
すると、圧縮コイルバネ45で付勢されてカムの動節23が、図4(a)で示す位置よりもさらに下側に移動して、図5で示すように、カムの動節23の動節本体部59の凹部69の底面(斜面)75が第2のカム従動節33に接触して、カムの動節23が第2のカム従動節33を押す。これにより、第2のガス入口開閉部27が開いて第2のガス入口開閉部27からガス流路13にガスが供給されてガス流路13内のガス圧が所定の圧になり、ガス流路13内のガスがガス出口21からガス器具に供給される。
この場合も、たとえば、ガス出口21からガス器具にガスが供給されないときには、ガス流路13内のガス圧が所定の圧を超えようとするが、ガス流路13内のガス圧力によってカムの動節23が図5で示す状態よりも上側に移動し、カムの動節23による第2のカム従動節33への押しが無くなり、第2のガス入口開閉部27が閉じる。
このようにして、第1のポジション状態では、第1のガス容器内のガスの残量が僅かになったときに、ガスの供給元が、第1のガス容器内のガス容器から第2のガス容器に自動的に切り換わる。
次に、第2のポジション状態における動作について説明する。第2のポジション状態では、第1のポジション状態と同様な動作がされる。
すなわち、第2のポジション状態では、被操作部7が第2のポジションをとっており、たとえば、第2のガス入口17にもガスが十分に充填されている第2のガス容器が接続されており、第1のガス入口15にガスが十分に充填されている第1のガス容器が接続されており、第3のガス入口19にはガス容器が非接続になっている。
被操作部7が第2のポジションをとっていることで、上下方向で見ると、第1のカム従動節31、第2のカム従動節33、第2のカム従動節35のカムの動節23に対する位置が図7で示すようになっている。
図7の紙面に直交する方向にカムの動節23が移動するので、カムの動節23がどんなに移動してもカムの動節23が第3のカム従動節35に接触することがなく、第3のガス入口開閉部29は常に閉じられ遮断されている。
第2のポジション状態では、まずは、ガス流路13内が大気圧になっている。これにより、圧縮コイルバネ45で付勢されてカムの動節23が、下側に移動して、カムの動節23の動節本体部59の斜面が第2のカム従動節33に接触して、カムの動節23が第2のカム従動節33を押す。これにより、第2のガス入口開閉部27が開いて第2のガス入口開閉部27からガス流路13にガスが供給されてガス流路13内のガス圧が所定の圧になり、ガス流路13内のガスがガス出口21からガス器具に供給される。
また、たとえば、ガス出口21からガス器具にガスが供給されないときには、ガス流路13内のガス圧が所定の圧を超えようとするが、ガス流路13内のガス圧力によってカムの動節23が上側に移動し、カムの動節23による第2のカム従動節33への押しが無くなり、第2のガス入口開閉部27が閉じる。
続いて、第2のポジション状態で第2のガス容器内のガスが残り少なくなると、カムの動節23が下側に移動して第2のカム従動節33を押して第2のガス入口開閉部27が開いても、ガス流路13のガスの圧力が所定の値まで上がらないので、カムの動節23がさらに下側に移動する。
すると、圧縮コイルバネ45で付勢されてカムの動節23が、さらに下側に移動して、カムの動節23の動節本体部59の凹部69の底面(斜面)75が第1のカム従動節31に接触して、カムの動節23が第1のカム従動節31を押す。これにより、第1のガス入口開閉部25が開いて第1のガス入口開閉部25からガス流路13にガスが供給されてガス流路13内のガス圧が所定の圧になり、ガス流路13内のガスがガス出口21からガス器具に供給される。
この場合も、たとえば、ガス出口21からガス器具にガスが供給されないときには、ガス流路13内のガス圧が所定の圧を超えようとするが、ガス流路13内のガス圧力によってカムの動節23が上側に移動し、カムの動節23による第1のカム従動節31への押しが無くなり、第1のガス入口開閉部25が閉じる。
このようにして、第2のポジション状態では、第2のガス容器内のガスの残量が僅かになったときに、ガスの供給元が、第2のガス容器内のガス容器から第1のガス容器に自動的に切り換わる。
次に、第3のポジション状態における動作について説明する。
第3のポジション状態では、被操作部7が第3のポジションをとっており、たとえば、第3のガス入口19にはガスが十分に充填されている第3のガス容器が接続されているが、第1のガス入口15と第2のガス入口17とには、ガス容器が接続されていない。
被操作部7が第3のポジションをとっていることで、上下方向で見ると、第1のカム従動節31、第2のカム従動節33、第3のカム従動節35のカムの動節23に対する位置が図6で示すようになっている。
図6の紙面に直交する方向にカムの動節23が移動するので、カムの動節23がどんなに移動してもカムの動節23が第1のカム従動節31と第2のカム従動節33に接触することがなく、第1のガス入口開閉部25と第2のガス入口開閉部27とは常に閉じられ遮断されている。
第3のポジション状態では、まずは、ガス流路13内が大気圧になっている。これにより、圧縮コイルバネ45で付勢されてカムの動節23が、下側に移動して、カムの動節23の動節本体部59の斜面が第3のカム従動節35に接触して、カムの動節23が第3のカム従動節35を押す。これにより、第3のガス入口開閉部29が開いて第3のガス入口開閉部29からガス流路13にガスが供給されてガス流路13内のガス圧が所定の圧になり、ガス流路13内のガスがガス出口21からガス器具に供給される。
また、たとえば、ガス出口21からガス器具にガスが供給されないときには、ガス流路13内のガス圧が所定の圧を超えようとするが、ガス流路13内のガス圧力によってカムの動節23が上側に移動し、カムの動節23による第3のカム従動節35への押しが無くなり、第3のガス入口開閉部29が閉じる。
ガス切り換え装置1によれば、被操作部7が第1のポジションや第2のポジションをとっているときには、第1のガス容器のガス圧および第2のガス容器のガス圧にかかわらず、第3のガス入口19が遮断されるように構成されており、被操作部7が第3のポジションをとっているときには、第1のガス入口15と第2のガス入口17とが遮断されるように構成されているので、ガス容器が接続されておらず開放されているガス入口からのガス漏れの発生を無くすことができる。
さらに説明すると、従来のガス切り換え装置307では、一方のガス入口301にのみガス容器が接続されており、他方のガス入口303にガス容器が接続されておらず他方のガス入口303に止め栓が設置されていないと、一方のガス入口301に接続されているガス容器からのガスの供給不足が発生すると、他方のガス入口303からガスが漏れるおそれがある。
しかし、ガス切り換え装置1によれば、被操作部7を第3のポジションにし第3のガス入口19にのみ第3のガス容器を接続しておけば、他のガス入口15、17にガス容器が接続されておらず止め栓が設置されていない状態で第3のガス容器からのガスの供給不足が発生しても、他方のガス入口15、17からガスが漏れることがない。
また、ガス切り換え装置1によれば、被操作部7を第1のポジションもしくは第2のポジションにしておき、第1のガス入口15に第1のガス容器を接続し第2のガス入口17に第2のガス容器を接続しておけば、ガス流路13へのガスの供給元を、第1のガス容器から第2のガス容器へ、もしくは、第2のガス容器から第1のガス容器へ自動的に切り換えることができる。
また、ガス切り換え装置1によれば、カム装置を用いたことで、ガス容器が接続されていないガス入口からのガス漏れを確実に防止すことができる。
すなわち、被操作部7が第1のポジションをとっているときや第2のポジションをとっているときには、カムの動節23の上下方向でのポジションの変化にかかわらず、カムの動節23と第3のカム従動節35とがお互いに非接触状態になっており、第3のガス入口19が遮断されるように構成されているので、第1のガス容器のガス圧および第2のガス容器のガス圧の変化にかかわらず、第3のガス入口19を確実に遮断することができる。
また、被操作部7が第3のポジションをとっているときには、カムの動節23の上下方向にポジションの変化にかかわらず、カムの動節23と、第1のカム従動節31および第2のカム従動節33とが、お互いに非接触状態になっており、第1のガス入口15と第2のガス入口17とが遮断されるように構成されているので、第3のガス容器のガス圧の変化にかかわらず、第1のガス入口15と第2のガス入口17とを確実に遮断することができる。
また、ガス切り換え装置1によれば、被操作部7が第1のポジションもしくは第2のポジションをとっているときには、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向での移動によって、第1のカム従動節31と第2のカム従動節33とが、カムの動節23に接触しつつ被操作部7の回動中心軸C1と交差する方向に移動するように構成されており、第3のカム従動節35は、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向での移動によってはカムの動節23に接触せず移動をしないように構成されているので、第1のガス入口15や第2のガス入口17からのガス流路13へのガスの供給を的確に行うことができるとともに、第3のガス入口19を確実に遮断することができる。
また、ガス切り換え装置1によれば、被操作部7が第3のポジションをとっているときには、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の上下方向でも移動によって、第3のカム従動節35が、カムの動節23に接触しつつ被操作部7の回動中心軸C1と交差する方向に移動するように構成されており、第1のカム従動節31や第2のカム従動節33は、ダイヤフラム37の変形によるカムの動節23の移動によってはカムの動節23に接触せず移動をしないように構成されているので、第3のガス入口19からのガス流路13へのガスの供給を的確に行うことができるとともに、第1のガス入口15や第2のガス入口17を確実に遮断することができる。
また、ガス切り換え装置1によれば、被操作部7の回動中心軸C1の延伸方向で見たときに、図2で示すように、第2のガス入口17と第2のカム従動節33とが、被操作部7の回動中心軸C1に対して、第1のガス入口15や第1のカム従動節31とは点対称のところに位置しており、第3のガス入口19と第3のカム従動節35とは、被操作部7の回動中心軸C1まわりで第1のガス入口15や第1のカム従動節31を90°回動したところに位置しているので、各ガス入口15、17、19に接続される配管部品を概ね1つの平面に配置できるとともに、各ガス入口15、17、19に接続される配管部品同士の干渉を無くすことができる。
また、ガス切り換え装置1によれば、被操作部7が第1のポジションをとっているとき、ガス流路13内のガス圧が下がり第1のカム従動節31がカムの動節23に押されて移動することで、第1のガス入口15が開くように構成されており、また、第1のガス入口15から供給されるガスの圧力が下がりカムの動節23のさらなる移動により第2のカム従動節33がカムの動節23に押されて移動することで、第2のガス入口17が開くように構成されているので、使用側ガス容器の残量がほぼ無くなり、使用側ガス容器から供給されるガスの圧力が下がった場合、ガスの供給元を、使用側ガス容器から予備用ガス容器に自動的にしかも確実に切り換えることができる。
また、ガス切り換え装置1によれば、被操作部ポジション保持部79が設けられているので、被操作部7がとっているポジションが不用意に変更されることが防止される。
さらに、第1のガス入口15に第1のガス容器(ガスが十分に充填されているガス容器)が接続されており、第2のガス入口17に第1のガス容器(ガスが十分に充填されているガス容器)が接続されており、同時に、第3のガス入口19に第1のガス容器(ガスが十分に充填されているガス容器)が接続されている態様で、ガス切り換え装置1が使用されてもよい。この場合、被操作部7のポジションを変えるだけで、上述した各態様での使用が可能になる。
なお、上述したガス切り換え装置1は、ガス流路が設けられている筐体と、前記筐体に設けられ、前記ガス流路でのガスの流れ方を切り換えるガス切り換え部と、前記ガス流路と通じるように前記筐体に設けられている複数のガス入口と、前記筐体に設けられ、前記複数のガス入口の数に応じた複数の(たとえば同数の)ポジションのうちのいずれかのポジションをとる被操作部とを有し、前記被操作部が前記複数のポジションのうちの所定の1のポジションをとっているときには、前記ガス切り換え部によって、前記複数のガス入口のうちの所定の1つのガス入口を除く他の複数のガス入口が遮断され、前記被操作部が前記所定の1のポジション以外の複数のポジションのうちのいずれかのポジションをとっているときには、前記所定の1つのガス入口が遮断されるように構成されているガス切り換装置の例である。