JP7038035B2 - 鞍乗り型車両の吸気構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、エアボックスとヘッドパイプへの接続を簡単かつ確実にできる鞍乗り型車両の吸気構造を提供することを目的とする。
図1は、本発明の実施形態に係る自動二輪車1を示す左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム10にエンジン11が支持され、前輪2を操舵可能に支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端部に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両であり、シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
ヘッドパイプ15は、車体フレーム10の前端に設けられ、フロントフォーク12を支持する。メインフレーム16は、ヘッドパイプ15の上部から後下がりに後方へ延びる。ダウンフレーム17は、ヘッドパイプ15の下部から後下方に延びる。
ピボットフレーム18は、メインフレーム16の後端部から下方に延びる。上記シートフレームは、メインフレーム16の後端部から後方へ延び、シート14を支持する。ガセット19は、メインフレーム16の前端部とダウンフレーム17の前端部とを上下に連結する。ダウンフレーム17の下端部とメインフレーム16の後部とは、前後に延びる連結部20によって連結される。
ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ15に回動可能に支持される。左右のフォークパイプ21は、テレスコピック型の緩衝器である。トップブリッジ22は、上記ステアリングシャフトの上端に固定されて左右のフォークパイプ21の上部を連結する。ボトムブリッジ23は、上記ステアリングシャフトの下端に固定されて左右のフォークパイプ21を連結する。操向ハンドル24は、フォークパイプ21の上部に固定される。
スイングアーム13は、左右のピボットフレーム18の間に渡されるピボット軸26に前端部が支持され、ピボット軸26を中心に上下に揺動可能である。
駆動輪である後輪3は、スイングアーム13の後端部に設けられる後輪車軸3aに支持される。
スイングアーム13は、クッションユニット27を介して車体に懸架される。
エンジン11は、車幅方向(左右方向)に延びるクランク軸(不図示)を収容するクランクケース30と、クランクケース30の前部の上部から上方に延びるシリンダー部31とを備える。
クランクケース30の後部には、エンジン11の回転を減速して出力する変速機(不図示)が内蔵される。エンジン11の出力は、上記変速機の出力軸32と後輪3との間に掛け渡される駆動チェーン(不図示)を介して後輪3に伝達される。
エンジン11の吸気系のエアクリーナーボックス35は、エンジン11の上方で左右のメインフレーム16の間に配置される。車両側面視では、メインフレーム16は、エアクリーナーボックス35に外側から重なる。エアクリーナーボックス35は、車両前後方向では、ヘッドパイプ15と燃料タンク37との間に配置される。
エアクリーナーボックス35で清浄化された吸気は、吸気通路(不図示)を通ってシリンダー部31の吸気ポートに流れる。
燃料タンク37は、メインフレーム16の後部の上方に配置され、車両前後方向では、シート14とエアクリーナーボックス35との間に配置される。
車体カバー38は、車体の前部及び下部を覆うカウル40と、エアクリーナーボックス35を上方から覆う上部カバー44と、車体の後部を覆うリアカバー45とを備える。
カウル40は、フロントフォーク12の上部及びヘッドパイプ15を前方から覆うアッパーカウル41と、車体フレーム10の前部及びエンジン11を左右側方から覆う左右一対のミドルカウル42と、エンジン11及び車体フレーム10を下方から覆うロアカウル43とからなる。
アッパーカウル41の前面には、走行風を取入れる開口41aが形成され、開口41aの縁部には、走行風をエアクリーナーボックス35側に導く吸気ダクト51の前端部が接続されている。
アッパーカウル41とヘッドパイプ15との間には、車速等の情報を表示するメーター48が配置される。
フロントフェンダー49は、左右のフォークパイプ21に支持される。
車体フレーム10のヘッドパイプ15の前方には、吸気ダクト51が配置されている。
吸気ダクト51は、ヘッドパイプ15側に設けられた後部ダクト52と、後部ダクト52の前端部に後端部が接続された前部ダクト53とから構成される二分割構造の部品である。
後部ダクト52には、アッパーカウル41(図1参照)を支持するとともにメーター48(図1参照)が取付けられる後側ステー55と、車両前方を撮影するカメラ56及び電装品の配線の接続部を収容するジャンクションボックス57を支持する前側ステー58とが支持されている。カメラ56は、撮影された映像を録画する機能を有する、又は録画機能を有する録画機が付設されていても良い。
ボックスカバー62の上部には、ECU(Electronic Control Unit)64が取付けられている。ここで、ECU64には、エンジン11(図1参照)を制御するエンジンコントロールユニットも含まれる。
ECU64は、上方から燃料タンク37(図1参照)及び上部カバー44(図1参照)で覆われている。
車体フレーム10は、ヘッドパイプ15の左右側方を通ってヘッドパイプ15よりも後方に延びる吸気通路10aを備える。
吸気通路10aの前端部には吸気ダクト51(詳しくは、後部ダクト52)が接続されている。吸気通路10aの後端部の内周面には、筒状のアタッチメント81が接着されている。更に、アタッチメント81の後縁には、筒状のジョイント82の前縁が嵌合されて接続されている。
ジョイント82は、下部の内面に空気を上方に向けて案内するガイド部82aを備える。
ジョイント82の後縁は、ボックス本体61の前壁61aに形成された開口61bの縁に接続されている。
フィルターエレメント84は、吸気ダクト51及び吸気通路10aを介して導入された空気を浄化する部品である。フィルターエレメント84によって、エアクリーナーボックス35内は、吸気通路10a側のダーティサイド86と、エアクリーナーボックス35の後部側のクリーンサイド87とに区画される。
フィルターエレメント84は、ダーティサイド86内に突出する導風口88を備える。
導風口88は、ダーティサイド86内の空気の一部の流れをクリーンサイド87内の上部に向かわせる働きをする。
上記したスロットルボディ94、95は、ボックス本体61の底壁61cを貫通してエンジン11(図1参照)のシリンダー部31(図1参照)に接続されている。
上記したように、フィルターエレメント84に導風口88を設けることで、クリーンサイド87内に流入する空気に指向性を与え、空気をクリーンサイド87内の上部に向けて流すことができる。
ヘッドパイプ15の前側には、ダクト支持部材66が支持されている。ダクト支持部材66は、ヘッドパイプ15と、左右のメインフレーム16と、左右のダウンフレーム17と、左右のガセット19と、に亘って複数のボルト67で取付けられている。ダクト支持部材66は、車体フレーム10の一部を構成する。
ダクト支持部材66は、前端部に前開口66bを備える。前開口66bの後方には吸気通路10aが形成されている。
前開口66bの縁部66cは、車幅方向中央部がヘッドパイプ15よりも前方に突出し、車幅方向中央部から車幅方向外側に向かうにつれて次第に後方に位置するように形成されている。
ダクト支持部材66には、吸気ダクト51の後部ダクト52が接続される。詳細には、後部ダクト52の後端部には、車体フレーム接続部52xが設けられており、後部ダクト52の車体フレーム接続部52xが、ダクト支持部材66に接続するとともに複数のボルト68(図2参照)で取付けられている。
ヘッドパイプ15は、長手方向の中間部15bの断面外形が流線形に形成される。ヘッドパイプ15は、上記したステアリングシャフトが挿入されるシャフト挿通穴15aを備える。
車体フレーム10の吸気通路10aは、ヘッドパイプ15の車幅方向両側方にそれぞれ分岐した左右一対の分岐通路10bを有する。
上記したように、ヘッドパイプ15の断面形状を流線形とすることで、吸気通路10a内に流入する空気の流れにおける乱流の発生を抑制して、空気の流れをよりスムーズにできる。
ヘッドパイプ後方壁10cには、吸気通路10aを後方に開口する後開口10dが形成されている。後開口10dは、背面視で略矩形に形成されている。後開口10dを通じて吸気通路10aの内面には、筒状のアタッチメント81が設けられている。アタッチメント81は、車体フレーム10に接着されている。アタッチメント81の内部空間は、ヘッドパイプ15と一体的な吸気通路10aを構成する。
アタッチメント81は略角筒状の本体部81bを備える。本体部81bは、左右一対の側壁部81cを備える。側壁部81cは、本体部81bの上下部分よりも前方に延出している。側壁部81cは、図3に示すように前縁が前下がりに形成されている。本体部81bの後部には拡径している後縁部81aが形成されている。後縁部81aは、本体部81bよりも肉厚に形成されている。後縁部81aは、後縁部81aの厚さよりも前後方向に幅広で支持されている。後縁部81aは本体部81bよりも変形し難くなっている。
平面視において、ボックス本体61の前壁61aは、左右方向に直線的に延びている。一方で、車体フレーム(フレーム)10は、平面視で、ヘッドパイプ15と左右一対のメインフレーム16とで前方に凹んだ略U字状をなす。ボックス本体61の前壁61aと車体フレーム10のヘッドパイプ後方壁(U字状底部)10cとの間には空間70が生じる。この空間70を介して、図4に示すようにジョイント82の接続が確認可能である。
ボックス本体61は上面を開放とするお椀型である。ボックス本体61は前後方向中央部が幅広に形成された略六角形状の上開口縁61dを有する。上開口縁61dの周囲には複数の締結片61fが形成されている。
ボックス本体61の上開口縁61dはボックスカバー(蓋部材)62で閉塞される。ボックスカバー62には、ボックス本体61の各締結片61fに対応して、複数の締結片62aが形成されている。締結片62aと締結片61fには、ボルト63が挿通され、ボルト63とナット65でボックス本体61とボックスカバー62とが締結される。
図8、図10に示すように、前側のエアファンネル91の前方には、上述したフィルターエレメント(エアフィルタ)84が配置される。フィルターエレメント84は、前方に凸に湾曲している。フィルターエレメント84は、四角環状の枠体84aを備える。枠体84aは、図10に示すように断面U字状に形成される。枠体84aは、上部84bと、下部84cと、左右一対の側部84dと、を備える。枠体84aには、厚み方向に空気が通過し空気を浄化するフィルター本体84eが支持されている。
ボックスカバー62には、上部84bが嵌る嵌合溝62bが形成されている。ボックスカバー62でボックス本体61の上開口縁61dが閉塞されると、フィルターエレメント84の上部84bが、ボックスカバー62の嵌合溝62bに嵌合する。フィルターエレメント84は、ボックス本体61とボックスカバー62とにより挟持される。フィルターエレメント84の上部84bには、車幅方向中央部に固定孔84fが形成されている。固定孔84fには、ボックスカバー62の上部から固定具75が挿通され固定される。
支柱96aの軸方向両端部にはネジ山(不図示)が形成されている。支柱96aは、下端部がスロットルボディ94、95の上端部に締結される。支柱96aの上端部には、プレート96bが装着されナット96cで締結される。プレート96bには、インジェクター93が固定具(不図示)で固定されている。インジェクター93は、ボックス本体61内部に配置され、インジェクター93と、上方のボックスカバー62との間には吸気が流れる空間が形成される。
このように、インジェクター93がやぐら96を介してエアファンネル91、92やスロットルボディ94、95などの吸気系部材に支持されるので、インジェクター93の上方空間を吸気通路とすることができ、図10の矢印A6で示すように吸気が流れる。
フィルターエレメント84は、矩形筒状の導風口(ルーバー)88を備える。導風口88は、枠体84aの左右の側部84d間に支持される。導風口88は、側部84dの上下方向中途部において上側に支持される。
導風口88を設けることで吸気に指向性を持たせ、エアクリーナーボックス35内の上側に吸気が指向するように吸気できるようになり、矢印A4で示すように吸気を流すことができる。よって、後側のエアファンネル92および後側のインジェクター93に吸気が流れ易くできる。
導風口88は、略全体が、前側のインジェクター93よりも上方に位置する。よって、導風口88でガイドされる吸気を、矢印A4で示すように、前側のインジェクター93の上方に指向する吸気とすることができる。
ガイド部82aは、矢印A1で示すようにジョイント82に流れ込む吸気の流れを矢印A2で示すように上方に指向させる。よって、前側のエアファンネル91にダイレクトに吸気が流れこむのを抑制するとともに導風口88側に積極的に吸気を指向させることができる。すなわち、矢印A5で示すように、前側の吸気系が受ける吸気の勢いを分散せることできる。
ジョイント82の上面部(上辺部)82fは、後上がりに傾斜している。上面部82fは、ガイド部82aの前面82a1と略同様に傾斜している。導風口88と上面部82fとの間には、吸気が通過する空間が形成される。矢印A3で示すように、導風口88の上方にも吸気が流れることができ、より上方に吸気が流れ易くなっている。
例えば、上述した実施形態では、導風口88は矩形筒状に形成されていたが、平板の板材が間隔を空けて配置されても良い。
本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車1以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
10 フレーム
10a 吸気通路
10c ヘッドパイプ後方壁(U字状底部)
15 ヘッドパイプ
16 メインフレーム
35 エアクリーナーボックス(エアボックス)
51 前側吸気ダクト
61a 前壁
61b 開口
70 空間
81 アタッチメント
81a 後縁部(後端部)
82 ジョイント(後側吸気ダクト)
82b 先端部
82c アタッチメント受部
82e フランジ部
Claims (5)
- ヘッドパイプ(15)から延出する左右一対のメインフレーム(16)を備えるフレーム(10)と、左右一対の前記メインフレーム(16)間にエアボックス(35)が配設される鞍乗り型車両(1)に設けられ、
前記フレーム(10)には、前記ヘッドパイプ(15)の外周に前記メインフレーム(16)との間に吸気通路(10a)をなす空間が設けられ、
前記吸気通路(10a)は、前記ヘッドパイプ(15)から前方に延出する前側吸気ダクト(51)と、前記ヘッドパイプ(15)の後方に位置する前記エアボックス(35)を、前記ヘッドパイプ(15)の後方に接続する後側吸気ダクト(82)と、を備える鞍乗り型車両の吸気構造において、
前記後側吸気ダクト(82)は前記エアボックス(35)と別体であり、前記エアボックス(35)の前面には前記後側吸気ダクト(82)を挿通する開口(61b)が設けられ、前記後側吸気ダクト(82)は前記エアボックス(35)の内側から前記開口(61b)を通して吸気通路(10a)と接続し、
前記後側吸気ダクト(82)の後端には前記開口(61b)よりも大きいフランジ部(82e)を備え、前記エアボックス(35)の内側で前記エアボックス(35)の前壁(61a)の内側面と前記後側吸気ダクト(82)の前記フランジ部(82e)を接続し、前記フランジ部(82e)は前記エアボックス(35)の内側からボルト(69)で取付けられることを特徴とする鞍乗り型車両の吸気構造。 - ヘッドパイプ(15)から延出する左右一対のメインフレーム(16)を備えるフレーム(10)と、左右一対の前記メインフレーム(16)間にエアボックス(35)が配設される鞍乗り型車両(1)に設けられ、
前記フレーム(10)には、前記ヘッドパイプ(15)の外周に前記メインフレーム(16)との間に吸気通路(10a)をなす空間が設けられ、
前記吸気通路(10a)は、前記ヘッドパイプ(15)から前方に延出する前側吸気ダクト(51)と、前記ヘッドパイプ(15)の後方に位置する前記エアボックス(35)を、前記ヘッドパイプ(15)の後方に接続する後側吸気ダクト(82)と、を備える鞍乗り型車両の吸気構造において、
前記後側吸気ダクト(82)は前記エアボックス(35)と別体であり、前記エアボックス(35)の前面には前記後側吸気ダクト(82)を挿通する開口(61b)が設けられ、前記後側吸気ダクト(82)は前記エアボックス(35)の内側から前記開口(61b)を通して吸気通路(10a)と接続し、
前記ヘッドパイプ(15)の後部には、前記吸気通路(10a)を形成する筒状のアタッチメント(81)が設けられ、前記後側吸気ダクト(82)の先端部(82b)は該アタッチメント(81)と接続し、
前記アタッチメント(81)の後端部(81a)は拡径しており、前記後側吸気ダクト(82)の前記先端部(82b)は前記アタッチメント(81)に挿入され、該後側吸気ダクト(82)の前記先端部(82b)の外周には前記アタッチメント(82)の前記後端部(81a)を受けるアタッチメント受部(82c)を備えることを特徴とする鞍乗り型車両の吸気構造。 - 前記ヘッドパイプ(15)の後部には、前記吸気通路(10a)を形成する筒状のアタッチメント(81)が設けられ、前記後側吸気ダクト(82)の先端部(82b)は該アタッチメント(81)と接続することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
- 前記アタッチメント(81)の後端部(81a)は拡径しており、前記後側吸気ダクト(82)の前記先端部(82b)は前記アタッチメント(81)に挿入され、該後側吸気ダクト(82)の前記先端部(82b)の外周には前記アタッチメント(82)の前記後端部(81a)を受けるアタッチメント受部(82c)を備えることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
- 前記フレーム(10)は前記ヘッドパイプ(15)と左右一対の前記メインフレーム(16)で平面視略U字状をなし、該フレーム(10)のU字状底部(10c)と前記エアボックス(35)の前部との間には平面視で空間(70)が形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
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