JP7037040B2 - 低酸素濃度空気の供給装置 - Google Patents
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Description
酸素よりも窒素を選択的に吸着する2つの吸着部と、
前記吸着部から空気を吸引する負圧発生器と、
前記負圧発生器によって2つの前記吸着部を順次切り換えて大気圧以下の領域で減圧させる減圧機構と、
低酸素濃度空気の供給経路と排出経路とを有し、かつ、前記吸着部を減圧させている間に当該吸着部から吸引された空気を前記供給経路又は前記排出経路に流す供給排出機構と、
減圧を終えた前記吸着部を大気圧に開放して増圧しかつ前記負圧発生器により当該吸着部に外気を流通させて窒素を吸着させる吸着機構と、を備えている。
このような構成によって、吸着部から吸引された空気を、供給経路と排出経路とに切り換えて流すことができる。
このような構成によって、2つの吸着部をそれぞれ減圧させることができる。
このような構成によって、2つの吸着部を順次に大気圧に開放することができる。
このような構成によって、負圧発生器を用いて吸着部に外気を流通させ、窒素を吸着させることができる。
このような構成によって、酸素濃度を直接的に計測せずに所定濃度の酸素を供給経路に流すことができる。
このような構成によって、酸素濃度を計測して、可及的に正確に所定濃度の酸素を供給経路に流すことができる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る低酸素濃度空気の供給装置を適用したコンテナを示す説明図である。
本実施形態の供給装置10は、例えば、海上輸送等に用いられ果実や野菜等の植物を鮮度を保持しながら長期に貯蔵するコンテナ1に適用される。具体的に、供給装置10は、外気(大気)を取り込み、外気の酸素濃度(約21%:体積含有率)よりも低い所定の酸素濃度(例えば10%以下)の空気、すなわち低酸素濃度空気を生成する。そして、供給装置10は、生成した低酸素濃度空気を供給先であるコンテナ1内に供給してコンテナ1内の酸素濃度を低下させ、コンテナ1に収容された貯蔵物A、例えば箱詰めされた植物の呼吸量を低下させることによって植物の鮮度を保持する。また、供給装置10は、低酸素濃度空気の生成過程で発生する酸素濃度の高い空気を外部へ排気する。
本実施形態の供給装置10は、吸着部21,22と、負圧発生器12と、減圧機構13と、吸着機構14と、供給排出機構15とを備えている。なお、図2には、供給装置10における空気の流れの方向を矢印で示している。
大気開放部26は、供給装置10の外部と第1及び第2の吸着筒21,22の流入口21a,22aとの間に設けられ、第1及び第2の吸着筒21,22をそれぞれ大気圧に開放するものである。
第5開閉弁e5は、第3吸込経路29aと第4吸込経路29bとの合流後の配管部分に設けられている。第5開閉弁e5を開くことによって、第1及び第2の吸着筒21,22の双方が真空ポンプ12に接続され、内部の空気が真空ポンプ12によって吸引される。
供給排出機構15は、真空ポンプ12の吐出口12bと供給装置10の外部との間に設けられている。供給排出機構15は、吹出経路35a,35bと、第1切換部31とを有している。吹出経路35a,35bは、真空ポンプ12の吐出口12bとコンテナ1内の収納室とを接続する供給経路35aと、真空ポンプ12の吐出口12bと供給装置10の外部とを接続する排出経路35bとからなる。供給経路35aと排出経路35bとは、空気流方向の上流側で合流された状態で吐出口12bに接続されている。供給経路35aには、所定の酸素濃度まで低下した低酸素濃度空気をコンテナ1に流す経路である。これに対して、排出経路35bは、所定の酸素濃度よりも高い酸素濃度の空気を外部に排出する経路である。
(ステップ1)
図3に示すように、まず、第1の吸着筒21は、ステップ1の前工程(前サイクルのステップ8)で、大気圧以下に減圧されて窒素が脱着された状態にあり、第2の吸着筒22は、ステップ1の前工程(前サイクルのステップ8)で、大気圧以下の範囲で増圧されて窒素が吸着された状態にある。
具体的には、図4及び図5に示すように、供給装置10は、第1開閉弁e1、第5開閉弁e5、及び第6開閉弁e6を開き、その他の開閉弁を閉じる。第1の吸着筒21は、外部に接続されることによって大気圧に開放される。これにより、第1の吸着筒21内に外気が流入し、第1の吸着筒21内の圧力が大気圧まで高まるとともに、流入した空気に含まれる窒素が吸着剤に吸着される。
図13に示すように、ステップ1の開始直後、第2の吸着筒22はステップ1の前工程(前サイクルのステップ8)で大気圧以下の範囲で増圧され、第1の吸着筒21はステップ1の前工程で減圧されているが、第1開閉弁e1を開くことで第1の吸着筒21はごく短時間で増圧され、第2の吸着筒22よりも圧力が高くなる。また、第1及び第5開閉弁e1,e5を開くことで、第1の吸着筒21を流れる空気の抵抗が小さくなる。そのため、このステップ1では、専ら第2の吸着筒22よりも第1の吸着筒21から空気が吸引される。したがって、ステップ1において、第2の吸着筒22は、実質的に前工程(前サイクルのステップ8)から引き続いて待機工程を行う。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ2として、第1の吸着筒21について予備減圧工程を行い、第2の吸着筒22について減圧工程(排出)を行う。
具体的には、図4及び図6に示すように、供給装置10は、第4開閉弁e4、第5開閉弁e5、及び第6開閉弁e6を開き、その他の弁を閉じる。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ3として、第1の吸着筒21について待機工程を行い、第2の吸着筒22について引き続き減圧工程(排出)を行う。
具体的には、図4及び図7に示すように、供給装置10は、第4開閉弁e4及び第6開閉弁e6を開き、他の開閉弁を閉じる。
第2の吸着筒22は、第4開閉弁e4を開くことによって真空ポンプ12に吸引される。ステップ3では、ステップ2で開放していた第5開閉弁e5が閉じられるので、第2の吸着筒22内の圧力はより低下する(図13参照)。このステップ3では、第2の吸着筒22から吸引される空気は、いまだコンテナ1に供給すべき酸素濃度よりも高い状態にあるため、第6開閉弁e6を介して外部に排出される。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ4として、第1の吸着筒21について引き続き待機工程を行い、第2の吸着筒22について減圧工程(供給)を行う。
具体的には、図4及び図8に示すように、供給装置10は、第4開閉弁e4及び第7開閉弁e7を開き、他の開閉弁を閉じる。
第2の吸着筒22は、第4開閉弁e4を開くことによって真空ポンプ12に吸引され、さらに第7開閉弁e7を開くことによって吸引された空気がコンテナ1に供給される。第2の吸着筒22は、ステップ2~ステップ3にかけて減圧され続けており、内部の圧力がより低下した状態にある。そのため、図14に示すように、吸着剤に吸着された窒素がより脱着され易くなり、窒素濃度の高い空気、言い換えると、酸素濃度の低い空気が第2の吸着筒22から流出する。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ5として、第1の吸着筒21について引き続き待機工程を行い、第2の吸着筒22について吸着工程(増圧)を行う。
具体的には、図4及び図9に示すように、供給装置10は、第3開閉弁e3、第5開閉弁e5、及び第6開閉弁e6を開き、その他の弁を閉じる。第2の吸着筒22は、ステップ4において減圧された状態になるので、第3開閉弁e3を開いて外部に接続されることによって大気圧に開放される。これにより第2の吸着筒22内に外気が流入し、第2の吸着筒22内の圧力が大気圧まで増加するとともに(図13参照)、流入した空気の窒素が吸着剤に吸着される。
図13に示すように、ステップ5の開始直後、第1の吸着筒21はステップ4の工程で大気圧以下の範囲で増圧され、第2の吸着筒22はステップ4の工程で減圧されているが、第3開閉弁e3を開くことで第2の吸着筒22はごく短時間で増圧され、第1の吸着筒21よりも圧力が高くなる。また、第3及び第5開閉弁e3,e5を開くことで、第2の吸着筒22を流れる空気の抵抗が小さくなる。そのため、このステップ5では、専ら第1の吸着筒21よりも第2の吸着筒22から空気が吸引される。したがって、ステップ5において、第1の吸着筒21は、実質的にステップ4の工程から引き続いて待機工程を行う。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ6として、第1の吸着筒21について減圧工程(排出)を行い、第2の吸着筒22について予備減圧工程を行う。
具体的には、図4及び図10に示すように、供給装置10は、第2開閉弁e2、第5開閉弁e5、及び第6開閉弁e6を開き、その他の弁を閉じる。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ7として、第1の吸着筒21について引き続き減圧工程(排出)を行い、第2の吸着筒22について待機工程を行う。
具体的には、図4及び図11に示すように、供給装置10は、第2開閉弁e2及び第6開閉弁e6を開き、他の開閉弁を閉じる。
第2の吸着筒22は、第3及び第5開閉弁e3,e5を閉じることによって空気の流通が停止し、待機状態となる。
図3に示すように、供給装置10は、ステップ8として、第1の吸着筒21について減圧工程(供給)を行い、第2の吸着筒22について引き続き待機工程を行う。
具体的には、図4及び図12に示すように、供給装置10は、第2開閉弁e2及び第7開閉弁e7を開き、他の開閉弁を閉じる。
その後、以上のステップ1~ステップ8を1サイクルとして、このサイクルを繰り返し行うことによって、第1及び第2の吸着筒21,22に対する窒素の吸着動作、脱着動作が行われ、第1及び第2の吸着筒21,22から吸引された低酸素濃度空気がコンテナ1に供給される。したがって、コンテナ1内の酸素濃度が低い状態に保たれ、コンテナ1内の植物の呼吸が抑制されることによって長期にわたり新鮮な状態が保持される。
図15は、第2実施形態に係る低酸素濃度空気の供給装置10を示す概略構成図である。
本実施形態は、供給排出機構15における第1切換部31が、切換弁e10により構成されている。また、減圧機構13における第2切換部32が、切換弁e9により構成されている。さらに、吸着機構14における第3切換部33が、切換弁e8により構成されている。各切換弁e8~e10は、2つの経路のいずれかに切り換えて空気を流す機能を有する。また、切換弁e8,e9は、2つの経路の双方の空気の流れを遮断する機能をも有する。そして、図3に示す開閉弁e1~e7の開閉タイミングと同様のタイミングで、各切換弁e10,e9,e8によって空気を流す経路を切り換えることによって、第1の実施形態と同様の動作を行うことができる。
図16は、第3実施形態に係る低酸素濃度空気の供給装置10を示す概略構成図である。
本実施形態は、供給排出機構15が、真空ポンプ12の吐出口12bにおける酸素濃度を検出する酸素濃度センサ37を備えている。そして、第1切換部31における第6開閉弁e6と第7開閉弁e7との開閉が酸素濃度センサ37の検出信号に基づいて切り換えられる。具体的には、酸素濃度センサ37によって検出された酸素濃度が、コンテナ1に供給すべき所定の酸素濃度よりも高い場合は、第6開閉弁e6を開き、第7開閉弁e7を閉じることによって、空気を外部へ排出する。逆に、酸素濃度センサ37によって検出された酸素濃度が、コンテナ1に供給すべき所定の酸素濃度以下である場合は、第6開閉弁e6を閉じ、第7開閉弁e7を開くことによってコンテナ1へ低酸素濃度空気を供給する。すなわち、図3及び図4のステップ3からステップ4への移行、及び、ステップ7からステップ8への移行が、酸素濃度センサ37の検出信号に基づいて行われる。
以上の各実施形態で示される低酸素濃度空気の供給装置10は、酸素よりも窒素を選択的に吸着する2つの吸着筒21,22と、吸着筒21,22から空気を吸引する真空ポンプ12と、真空ポンプ12によって2つの吸着筒21,22を順次(交互に)切り換えて大気圧以下の領域で減圧させる減圧機構13と、低酸素濃度空気の供給経路35aと排出経路35bとを有し、かつ、吸着筒21,22を減圧させている間に当該吸着筒21,22から吸引された空気を供給経路35a又は排出経路35bに流す供給排出機構15と、減圧を終えた吸着筒21,22を大気圧に開放して増圧しかつ真空ポンプ12により当該吸着筒21,22に外気を流通させて窒素を吸着させる吸着機構14と、を備えている。
例えば、各ステップ1~8の実施時間、すなわち上記各実施形態の第1~第3切換部31~33における各開閉弁e1~e7の開閉タイミング、又は、各切換弁e8~e10の切り換えタイミングは、供給装置10の設置環境や低酸素濃度の供給条件等に応じて適宜変更することが可能である。
例えば、供給装置10は、第1及び第2の吸着筒21,22を2組以上備えることができる。この場合、各組の第1の吸着筒21同士、又は、各組の第2の吸着筒22同士が同じ工程を行うように減圧機構13,吸着機構14、及び供給排出機構15を構成することができる。
上記各実施形態の供給装置10は、互いに一部の構成を組み合わせたり、一部の構成を代替したりすることができる。
12 :真空ポンプ(負圧発生器)
13 :減圧機構
14 :吸着機構
15 :供給排出機構
21 :第1の吸着筒(吸着部)
22 :第2の吸着筒(吸着部)
27 :吸着操作部
31 :第1切換部
32 :第2切換部
33 :第3切換部
35a :供給経路
35b :排出経路
37 :酸素濃度センサ
Claims (7)
- 酸素よりも窒素を選択的に吸着する2つの吸着部(21,22)と、
前記吸着部(21,22)から空気を吸引する1つの負圧発生器(12)と、
前記負圧発生器(12)によって2つの前記吸着部(21,22)を順次切り換えて大気圧以下の領域で減圧させる減圧機構(13)と、
低酸素濃度空気の供給経路(35a)と排出経路(35b)とを有し、かつ、前記吸着部(21,22)を減圧させている間に当該吸着部(21,22)から吸引された空気を前記供給経路(35a)又は前記排出経路(35b)に流す供給排出機構(15)と、
減圧を終えた前記吸着部(21,22)を大気圧に開放して増圧しかつ前記負圧発生器(12)により当該吸着部(21,22)に外気を流通させて窒素を吸着させる吸着機構(14)と、を備え、
前記減圧機構(13)が、前記吸着部(21,22)を前記負圧発生器(12)の吸込口(12a)に接続する吸込経路(24a,24b)を有し、
前記吸着機構(14)が、前記減圧機構(13)の前記吸込経路(24a,24b)とは別の経路で、前記吸着部(21,22)を前記吸込口(12a)に接続する吸込経路(29a,29b)を有している、低酸素濃度空気の供給装置。 - 前記供給排出機構(15)が、前記吸着部(21,22)から吸引された空気の酸素濃度に応じて、当該空気を流す経路を前記供給経路(35a)と前記排出経路(35b)とのいずれかに切り換える第1切換部(31)を備えている、請求項1に記載の低酸素濃度空気の供給装置。
- 前記減圧機構(13)が、2つの前記吸着部(21,22)を切り換えて前記負圧発生器(12)に接続する第2切換部(32)を含む、請求項1又は2に記載の低酸素濃度空気の供給装置。
- 前記吸着機構(14)が、2つの前記吸着部(21,22)を切り換えて大気に接続する第3切換部(33)を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の低酸素濃度空気の供給装置。
- 前記吸着機構(14)が、前記吸込経路(29a,29b)と、当該吸込経路(29a,9b)を開閉する開閉弁(e5)とを有する吸着操作部(27)を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載の低酸素濃度空気の供給装置。
- 前記第1切換部(31)が、前記吸着部(21,22)からの空気の吸引時間に基づいて、当該空気を流す経路を前記供給経路(35a)と前記排出経路(35b)とのいずれかに切り換える、請求項2に記載の低酸素濃度空気の供給装置。
- 前記供給排出機構(15)が、前記吸着部(21,22)から吸引された空気の酸素濃度を検出するセンサ(37)を備え、前記第1切換部(31)が、当該センサ(37)の検出信号に基づいて、当該空気を流す経路を前記供給経路(35a)と前記排出経路(35b)とのいずれかに切り換える、請求項2に記載の低酸素濃度空気の供給装置。
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