JP7024292B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、及び非水系電解質二次電池 - Google Patents
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Description
(W s の測定方法)
前記正極活物質5gを水100mlに分散させ、30分間攪拌し、10分間静置した後、前記水に溶出したタングステン量をICP発光分光分析により測定し、測定されたタングステン量を前記表面に存在するタングステン量(W S )とする。
(W I の算出方法)
前記正極活物質全体のタングステン量(W T )をICP発光分光分析により測定し、下記式から前記正極活物質の内部に存在するタングステン量(W I )を算出する。
式:W I =W T -W S
図1及び図2は、本実施形態に係る非水系電解質二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質100」ともいう。)の製造方法の一例を示す図である。また、図3及び図4は、本実施形態に係る第一のリチウム金属複合酸化物10、及び、第二のリチウム金属複合酸化物20の一例をそれぞれ示す模式図である。
[混合工程:ステップS1]
まず、図1に示すように、第一のリチウム金属複合酸化物10と、酸化タングステンと、水と、を混合して混合物を得る(ステップS1)。以下、本工程で用いられる各材料について、図3、図4を適宜、参照して説明する。
第一のリチウム金属複合酸化物10は、複数の一次粒子1が凝集して構成された二次粒子2を含み、かつ、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タングステン(W)、及び、任意に元素Mを含む。
(ii)Wを除くNi、Co、及び、任意に元素Mを含む遷移金属複合水酸化物を作製した後、遷移金属複合水酸化物と、Wを含む化合物と、Liを含む化合物とを混合し、焼成して、第一のリチウム金属複合酸化物10を得る。
(iii)Wを除く上記組成を有するリチウム金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に、Wを含む化合物を被覆して、第一のリチウム金属複合酸化物10を得る。
式:WI=WT-WS
酸化タングステンは、特に限定されず、公知の酸化タングステンを用いることができる。酸化タングステンは、例えば、化学式WOn(2≦n≦3、nは正の実数)で表わされることができる。また、酸化タングステンの平均粒径は、1μm以下であることが好ましい。酸化タングステンの平均粒径の下限は、特に限定されないが、例えば、0.05μm以上である。
水は、純水を用いることが好ましい。後述するように、混合物中の水には、第1のリチウム金属複合酸化物10中に存在する、未反応のリチウム化合物や結晶中に存在する過剰リチウムなど(以下、これらをまとめて「余剰リチウム」という。)が溶解するとともに、混合した酸化タングステンを溶解することができる。
上記第一のリチウム金属複合酸化物10と、酸化タングステンと、水とを混合する方法は、特に限定されず、これらを同時に添加して、公知の混合装置により混合してもよく、別々に添加して、公知の混合装置により混合してもよい。
まず、第一のリチウム金属複合酸化物10と、酸化タングステンとを混合する(ステップS11)。これらの粉末同士を乾式混合することより、第一のリチウム金属複合酸化物10中に、酸化タングステンをより均一に分散させることができる。
次いで、得られた第1のリチウム金属複合酸化物と酸化タングステンとの混合物に、水を噴霧して混合する(ステップS12)。これにより、水の存在下、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面に遊離した水酸化リチウムなどの余剰リチウムと酸化タングステンとの中和反応を、より均一に進めることができる。
次いで、図1及び図2に示すように、第一のリチウム金属複合酸化物10と、酸化タングステンと、水とを混合して得られた混合物を乾燥して、第二のリチウム金属複合酸化物20を得る(ステップS2)。第二のリチウム金属複合酸化物20は、水の存在下、酸化タングステンと、第一のリチウム金属複合酸化物10中の余剰リチウムとが反応して形成されたタングステン酸リチウム(タングステンを含む化合物A2)を含む。
乾燥温度は、特に限定されず、水分率が十分に低減されればよいが、例えば、500℃以下が好ましい。乾燥温度が500℃を超える場合、リチウム金属複合酸化物粉末の内部からさらにリチウムが遊離するため十分なスラリー安定性が得られない。なお、乾燥温度の下限は、特に限定されないが、例えば、100℃以上である。また、乾燥時の圧力は1気圧以下が望ましい。1気圧よりも高いと水分率が十分に下がらない恐れがある。乾燥時間は、特に限定されず、水分率が十分に低減されればよいが、例えば、5時間以上24時間以下程度である。
図4は、乾燥工程(ステップS2)で得られる第2のリチウム金属複合酸化物20(正極活物質100)の一例を示す模式図である。第二のリチウム金属複合酸化物20は、その表面付近にタングステンを含む化合物A2を含む。タングステンを含む化合物A2は、タングステン酸リチウムを含む。タングステン酸リチウムは、水の存在下、第一のリチウム金属複合酸化物10中のリチウムと、酸化タングステンとが反応して、形成される。タングステン酸リチウムは、二次粒子2の表面及び内部に配置する一次粒子1の表面の少なくとも一部に形成される。
本実施形態に係る非水系電解質二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質」ともいう。)は、上述した製造方法により、容易に製造することができる。例えば、図4に示すように、正極活物質100は、複数の一次粒子1が凝集して形成された二次粒子2と、タングステン酸リチウム(タングステンを含む化合物A1、A2)とを少なくとも含む。以下、各構成について説明する。
正極活物質100は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mの原子数比が、Li:Ni:Co:M=z:(1-x-y):x:y(ただし、1.00<z<1.30、0.10≦x≦0.35、0≦y≦0.35、Mは、Mn、V、Mg、Mo、Nb、TiおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される。
タングステン酸リチウムの少なくとも一部は、二次粒子2の表面に存在する。上述の製造方法により得られた正極活物質100は、第一のリチウム金属複合酸化物10に含まれるタングステン化合物に由来するタングステン酸リチウム(タングステンを含む化合物A1)と、水の存在下、第一のリチウム金属複合酸化物10から溶出したLi化合物と、酸化タングステンと、が反応して形成されたタングステン酸リチウム(タングステンを含む化合物A2)とを含む。
正極活物質100の表面に存在するタングステン量は、正極活物質100全体に対して、好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。正極活物質100の表面に存在するタングステン量が上記範囲である場合、二次粒子2内部に存在するタングステンを含む化合物A1(例えば、タングステン酸リチウム)と、二次粒子2表面に形成されるタングステン酸リチウムとが、良好なLiイオンの伝導パスを形成することができ、二次電池において、初期充放電容量、正極抵抗、及び、サイクル特性をより向上させることができると考えられる。
本実施形態の非水系電解質二次電池(以下、「二次電池」ともいう。)は、例えば、正極、負極および非水系電解液、セパレータを備える。また、二次電池は、例えば、正極、負極および固体電解液を備えてもよい。また、二次電池は、一般の非水系電解質二次電池と同様の構成要素により構成されてもよい。
上記の正極活物質を用いて、例えば、以下のようにして、非水系電解質二次電池の正極を作製することができる。
負極には、金属リチウムやリチウム合金等、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
正極と負極との間には、セパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
以上のように説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明の非水系電解質二次電池の形状は、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。
本実施形態の正極活物質を用いた非水系電解質二次電池は、高容量で高出力となる。
特により好ましい形態で得られた本発明による正極活物質を用いた非水系電解質二次電池は、例えば、2032型コイン電池の正極に用いた場合、150mAh/g以上の高い初期放電容量と低い正極抵抗が得られる。
正極活物質の表面及び内部に存在するタングステン量は、以下の方法により測定した。まず、正極活物質全体のタングステン(WT)量を、ICP発光分光分析(ICP法)により測定した。次いで、5.0gの正極活物質を純水100mlと共にビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌、分散させ、30分間攪拌した後、10分間静置後に得られる上澄み液を濾過分取し、上澄み液に溶出したタングステン(W)量をICP法により測定した。この上澄み液に溶出したタングステン量を、正極活物質の表面に存在するタングステン量(Ws)とし、下記の式から、正極活物質の内部に存在するタングステン量(WI)を算出した。
式:WI=WT-WS
タングステン酸リチウムの面積割合は、複数の二次粒子の表面をSEM観察し、視野中の二次粒子の中で、体積平均粒径(MV)の80%以上120%以下の粒子径を有する粒子を50個ランダム(無作為)に選び、これら50個の粒子に対して、粒子表面全体の面積と、粒径0.5μm以上のタングステン酸リチウムの占める面積とを求め、粒子表面全体の面積に対する、粒径0.5μm以上の粒径を有するタングステン酸リチウムの占める面積割合(%)を算出した。なお、粉末X線回折の結果、タングステンを含む化合物として、タングステン酸リチウムのみ検出されたため、二次粒子の表面に存在する化合物は、すべてタングステン酸リチウムとして、面積割合を算出した。
実施例及び比較例により得られた正極活物質を用いた正極を有する二次電池について、その性能(初期放電容量、正極抵抗、60℃で充放電サイクルを500回繰り返した後の放電容量維持率)を測定した。
正極活物質の評価には、図5に示す2032型コイン電池CBA(以下、コイン型電池CBAと称す)を使用した。
(第一のリチウム金属複合酸化物の製造)
公知の晶析法を用いて、Li1.20Ni0.35Co0.35Mn0.30W0.0037O2で表される第一のリチウム金属複合酸化物(W:0.07wt%、比表面積1.2cm2/g)を得た。具体的には、原料として、Ni、Co、Mnをそれぞれ含む金属塩溶液及びタングステン酸ナトリウム溶液を、中和剤としてNaOHを、錯化剤としてアンモニアを用い、連続晶析法により、Ni、Co、Mn及び、Wを含有する遷移金属複合水酸化物を合成した。得られた遷移金属複合水酸化物に水酸化リチウムを混合した後、焼成して、上記第一のリチウム金属複合酸化物を得た。
第一のリチウム金属複合酸化物に、第一のリチウム金属複合酸化物全体に対してタングステン量が0.2質量%となる量の酸化タングステン(日本無機化学工業社製)を添加し、混合した後、水を、平均粒径100μm以下の霧状態で、第一のリチウム金属複合酸化物全体に対して2質量%噴霧してさらに混合し、その後、150℃で12時間乾燥することによって第二のリチウム金属複合酸化物を得た。得られた第二のリチウム金属複合酸化物(正極活物質)の特性を表1に示す。また、正極活物質の体積平均粒径(MV)は、5.2μmであった。
得られた第二のリチウム金属複合酸化物を使用して作製された正極を有するコイン型電池CBAの電池特性を評価した。評価結果を表1に示す。
酸化タングステンの添加量を第一のリチウム金属複合酸化物全体に対してタングステン量が0.1wt%となる量とした以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
酸化タングステンの添加量を第一のリチウム金属複合酸化物全体に対してタングステン量が0.4wt%となる量とした以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
純水の噴霧量を1wt%とした以外は実施例3と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
純水の噴霧量を10wt%とした以外は実施例3と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
純水の噴霧量を0.5wt%とした以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
純水の噴霧量を20wt%とした以外は実施例3と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
酸化タングステンの添加量を第一のリチウム金属複合酸化物粉末に対してタングステン量が0.5wt%となる量とし、かつ、水を霧状態とせずに液体のままで、第一のリチウム金属複合酸化物全体に対して2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
水を霧状態とせずに液体のままで、第一のリチウム金属複合酸化物全体に対して0.5質量%添加した以外は実施例8と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
酸化タングステンの添加および純水を噴霧しなかった以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
[比較例2]
酸化タングステンの添加量を第一のリチウム金属複合酸化物粉末に対してタングステン量が0.05wt%となる量とした以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
[比較例3]
酸化タングステンの添加量を第一のリチウム金属複合酸化物粉末に対してタングステン量が2.0wt%となる量とした以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
[比較例4]
第一のリチウム金属複合酸化物に、Li1.20Ni0.35Co0.35Mo0.30W0.0048O2で表されるリチウム金属複合酸化物(W:0.9wt%含有)を用い、かつ、酸化タングステンを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
[比較例5]
第一のリチウム金属複合酸化物にWを含まない、Li1.20Ni0.35Co0.35Mo0.30O2で表されるリチウム金属複合酸化物を用い、酸化タングステンの添加量を第一のリチウム金属複合酸化物粉末に対してタングステン量が0.9wt%(Ni、Co、Mの合計モル数に対して0.32mol%)となる量とした以外は実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得るとともにpHおよび電池特性の評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例で得られた正極活物質は、初期充放電容量、正極抵抗、及び、充放電サイクル特性が良好であった。なお、XRDにより、実施例で得られた正極活物質では、酸化タングステンが検出されず、タングステン酸リチウムのみが検出されることを確認した。
2…二次粒子
3…中空部
10…第一のリチウム金属複合酸化物
20…第二のリチウム金属複合酸化物
100…正極活物質
A1、A2…タングステンを含む化合物
CBA……コイン型電池
CA……ケース
PE……正極
NE……負極
GA……ガスケット
PE……正極
NE……負極
SE……セパレータ
Claims (16)
- 複数の一次粒子が凝集して構成された二次粒子を含む第一のリチウム金属複合酸化物と、酸化タングステンと、水とを混合して混合物を得ることと、
前記混合物を乾燥して、第二のリチウム金属複合酸化物を得ることと、を備え、
前記第一のリチウム金属複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを、Li:Ni:Co:M=z:(1-x-y):x:y(ただし、1.00<z<1.30、0.10≦x≦0.35、0≦y≦0.35、Mは、Mn、V、Mg、Mo、Nb、TiおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される原子数比で含み、かつ、タングステンを、前記第一のリチウム金属複合酸化物全体に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下含み、
前記混合物は、前記第一のリチウム金属複合酸化物全体に対して、前記酸化タングステン中のタングステンを0.1質量%以上0.5質量%以下含む、
非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記第二のリチウム金属複合酸化物は、タングステン酸リチウムを含み、前記第二のリチウム金属複合酸化物全体に対して、タングステンを0.2質量%以上1.0質量%以下含む、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記水を、前記第一のリチウム金属複合酸化物全体に対して、1質量%以上10質量%以下で混合する、請求項1又は請求項2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記第一のリチウム金属複合酸化物と前記酸化タングステンとを混合した後、前記水を、液滴の平均粒径が100μm以下の霧状態となるように噴霧して混合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記第一のリチウム金属複合酸化物は、比表面積が0.5cm2/g以上2m2/g以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記第一のリチウム金属複合酸化物は、300℃におけるカールフィッシャー水分率が0.05質量%以上0.2質量%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記第二のリチウム金属複合酸化物は、複数の一次粒子が凝集して構成された二次粒子、及び、タングステン酸リチウムを含み、
走査型電子顕微鏡を用いた前記二次粒子の表面の観察から求められる、前記二次粒子の表面に存在する粒径0.5μm以上のタングステン酸リチウムの面積割合が、前記観察面全体の面積に対して、5%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記二次粒子の表面に存在する粒径0.5μm以上のタングステン酸リチウムの面積割合が1%以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記第二のリチウム金属複合酸化物は、体積平均粒径MVが4μm以上6μm以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mの原子数比が、Li:Ni:Co:M=z:(1-x-y):x:y(ただし、1.00<z<1.30、0.10≦x≦0.35、0≦y≦0.35、Mは、Mn、V、Mg、Mo、Nb、TiおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される正極活物質であって、
複数の一次粒子が凝集して構成された二次粒子、及び、タングステン酸リチウムを含み、
下記の方法で測定される前記正極活物質の表面に存在するタングステン量(W S )が、正極活物質全体に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下であり、かつ、
下記の方法で算出される前記正極活物質の内部に存在するタングステン量(W I )が、正極活物質全体に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下である、
非水系電解質二次電池用正極活物質。
(W S の測定方法)
前記正極活物質5gを水100mlに分散させ、30分間攪拌し、10分間静置した後、前記水に溶出したタングステン量をICP発光分光分析により測定し、測定されたタングステン量を前記表面に存在するタングステン量(W S )とする。
(W I の算出方法)
前記正極活物質全体のタングステン量(W T )をICP発光分光分析により測定し、下記式から前記正極活物質の内部に存在するタングステン量(W I )を算出する。
式:W I =W T -W S - 前記正極活物質の表面に存在するタングステン量が、前記正極活物質の内部に含まれるタングステン量に対して0.1倍以上1倍以下である、請求項10に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 走査型電子顕微鏡を用いた前記二次粒子の表面の観察から求められる、前記二次粒子の表面に存在する粒径0.5μm以上のタングステン酸リチウムの面積割合が、前記観察表面全体に対して、5%以下である、請求項10又は請求項11に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 正極活物質全体に対して、タングステンを0.2質量%以上1質量%以下含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 300℃におけるカールフィッシャー水分率が0.05%以上0.2%以下である、請求項10~13のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 体積平均粒径MVが4μm以上6μm以下である、請求項10~請求項14のいずれか一項に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項10~15のいずれか一項に記載の正極活物質を含む正極、負極、セパレータ、及び、非水系電解液を備える非水系電解質二次電池。
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