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JP7006257B2 - ホットスタンプ成形体及びホットスタンプ成形体の製造方法 - Google Patents

ホットスタンプ成形体及びホットスタンプ成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ホットスタンプ成形体及びホットスタンプ成形体の製造方法に関する。
自動車の車体を構成する各種の自動車部品は、静的強度や動的強度、衝突安全性さらには軽量化等の様々な観点から、多様な性能や特性の向上を要求されている。例えば、Aピラーレインフォース,Bピラーレインフォース,バンパーレインフォース,トンネルレインフォース,サイドシルレインフォース,ルーフレインフォース又はフロアークロスメンバー等の自動車部品には、それぞれの自動車部品における特定部位だけがこの特定部位を除く一般部位よりも高強度を有することが要求される。そこで、自動車部品における補強が必要な特定部位に相当する部分だけに焼入れ高強度鋼ホットスタンプ(文献によっては熱間プレスなどとも表現)成形してホットスタンプ部材を製造する工法が一部採用されている。
この際、表面処理を施していない冷延鋼板を用いると、加熱中に鋼板表面に鉄の酸化スケールが発生する。この鉄酸化スケールは成形中に剥離して金型を損耗したり、鋼板自身の疵になるほか、成形後の鋼板表面に残れば、後の溶接工程で溶接不良の原因になったり、塗装工程で塗装の密着性不良の原因になることがある。そこで、この鉄酸化スケールを防止するために、特許文献1の様に亜鉛系などのめっき鋼板が用いられることがある。亜鉛系のめっき鋼板を用いることにより、鉄よりも先に亜鉛が少量酸化されることで、鉄の酸化を抑制し、溶接性や塗装性を大幅に改善することができる。
しかし、鉄酸化スケールよりは溶接性は改善するものの、表面に酸化膜の無い非加熱の冷延鋼板やめっき鋼板に比べると、酸化亜鉛皮膜であっても電気伝導性は低いため、溶接性は低下する。よって、亜鉛系めっき鋼板を用いたホットスタンプ材でも、溶接性は十分ではなく、少しでも溶接性を改善することが求められている。
その改善策には幾つか提案されており、特許文献2では、溶接抵抗増加の原因となる酸化亜鉛皮膜を加熱後研掃により取り除く事で、溶接抵抗を下げ溶接性を改善することが提案されている。この方法で、溶接性は改善するが、加熱後に自動車メーカや部品メーカでの研掃工程が必要となり、コスト増となる。また、特許文献3では、鋼板成分や鋼板表面のMn濃度、めっき付着量、めっき皮膜中のAl量、めっき皮膜中のAl濃度、鋼板表面の金属組織などを規定することで、溶接性の改善を試みている。この方法でもある程度の改善は見込めるが、劇的な改善効果は難しい。
特許第4039548号公報 特許第5880321号公報 特許第5720856号公報
このように、従来の技術においては、亜鉛系ホットスタンプ用鋼板の溶接性を劇的に改善する技術は存在しなかった。
本発明は、このような背景でなされた発明であり、本発明の課題は、亜鉛系ホットスタンプ用鋼板において、ほとんどコスト増など無く、加熱後の溶接性を劇的に改善する技術を提供することである。
上記課題を解決するため、溶融亜鉛めっき鋼板が用いられたホットスタンプ成形体表面において、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて倍率40000倍で2.8μm角の視野でFe-Zn固溶相とZn酸化皮膜との界面に存在するAl系酸化物皮膜を観察し、1視野につき200nm間隔で5点以上の点でAl系酸化皮膜の結晶構造の同定を行ない、それを5視野以上測定した合計25点以上を測定し、結晶構造がγ-Alと一致し、酸素を除いた金属元素の原子分率でAlが80%以上となるγ-Alに同定された点数をG、総測定点数をPとした時、0.20≦G/P<1.00であり、Zn酸化皮膜の下に金属元素の原子分率でAl濃度が80%以上となる単独Al酸化物皮膜が存在することを特徴とする溶接性に優れたホットスタンプ成形体とする。
また、前記溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化処理が施されている構成とすることが好ましい。
また、焼鈍中に鋼板温度で200℃~600℃の範囲を露点を-30℃~20℃として焼鈍を行った後、目付け量が30g/m以上の溶融亜鉛めっきを施し、調質圧延を施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、当該鋼板を必要なサイズにブランキングした後に700℃~1200℃の範囲まで加熱した後にプレス成形し、焼入れ冷却を行うことを特徴とする溶接性に優れたホットスタンプ成形体の製造方法とする。
また、前記製造方法において前記溶融亜鉛めっきを施した後に合金化処理を施すことが好ましい。
本発明を用いると、亜鉛系ホットスタンプ用鋼板において、ほとんどコスト増など無く、加熱後の溶接性を劇的に改善する技術を提供することができる。
めっき前の鋼板の焼鈍工程前半における焼鈍露点とホットスタンプ後の溶接抵抗との関係を表した図である。 本発明条件のホットスタンプ加熱前のめっき皮膜断面構造の模式図である。 図2に示した本発明条件のめっきをホットスタンプ加熱した後の皮膜断面構造の模式図である。 通常条件のホットスタンプ加熱前のめっき皮膜断面構造の模式図である。 図4に示した通常条件のめっきをホットスタンプ加熱した後の皮膜断面構造の模式図である。 ホットスタンプ後のγ-Al比とホットスタンプ後の溶接抵抗との関係を表す図である。 ホットスタンプ後のγ-Al比と焼鈍露点との関係を表す図である。 焼鈍露点とめっき目付との関係を表す図である。
本発明者らは、焼鈍めっき前の鋼板の状態、めっき前の焼鈍条件、めっき条件などと、ホットスタンプ後の溶接性(溶接抵抗)との関係を、詳細に調査した結果、図1に示すように、めっき前の鋼板の焼鈍工程前半における焼鈍の雰囲気、特に露点を微酸化条件とすることでホットスタンプ後の溶接抵抗が著しく低減し、溶接性が大きく改善することを見出した。
尚、このように露点を微酸化雰囲気とする焼鈍で、溶接性が改善する詳細なメカニズムは不明であるが、後述するように、めっき前の焼鈍雰囲気を制御すると、鋼板表面や内部のFeやSi、Mnなどの酸化物や金属元素の濃化状態が変化し、その影響でめっき初期に形成されるFe-Al濃化層の状態が変化すると考えられる。その影響を受けて、その後のホットスタンプ時に酸化されるAlが、通常条件では、SiやMnとの複合酸化物化するが、本発明の微酸化条件下では金属元素の原子分率でAl濃度が80%以上となるγ-Alと呼ばれる単独Al酸化物になり、溶接性改善に寄与するものと推定される。
その詳細は以下のようである。Alを含有する酸化物には、金属元素の原子分率でAl濃度が80以上となるγ-Alや、Alの他にZnやMn、Feなどを含有する複合酸化物などがある。本発明では、以降、金属元素の原子分率でAl濃度が80%以上となる酸化物を単独Al酸化物(γ-Al、γ-アルミナ:結晶構造はAlともいわれる)、AlだけでなくZnやMnなどを多く含み金属元素の原子分率でAl濃度が80%未満の酸化物を複合Al酸化物(結晶構造は例えばZnAlやMnAl、(Zn,Mn)Alなど)、単独Al酸化物と複合Al酸化物の総称をAl系酸化物と記載する。尚、分析精度として周囲の元素の影響もうけるため、酸素を除いた金属成分のうちAlが原子分率でAl濃度が80%以上であれば単独Al酸化物、80%未満であれば複合Al酸化物とみなすことができる。
図2に本発明条件のホットスタンプ加熱前のめっき皮膜断面構造の模式図を、図3にその本発明条件のめっきをホットスタンプ加熱した後の皮膜断面構造の模式図を、図4に比較となる通常条件のホットスタンプ加熱前のめっき皮膜断面構造の模式図を、図5にその通常条件のめっきをホットスタンプ加熱した後の皮膜断面構造の模式図をそれぞれ示す。図中の数字はそれぞれ、1:母材鋼板、2:加熱前Zn系めっき皮膜、3:本発明によるめっき表面の厚く強固な単独Al酸化物皮膜、4:通常条件のめっき表面の薄く疎な複合Al酸化物皮膜、5:ホットスタンプ加熱後のFe-Zn固溶相、6:本発明条件のホットスタンプ加熱後の厚く強固な単独Al酸化物皮膜、7:本発明条件のホットスタンプ加熱後の薄いZn酸化皮膜、8:通常条件のホットスタンプ加熱後の薄くZn、Mnなどを含有した複合Al酸化物皮膜、9:通常条件のホットスタンプ加熱後の厚いZn酸化皮膜、である。
図2乃至図5に模式図で示すようにホットスタンプ後に最表面に形成し溶接抵抗となるZn系の酸化物(図3の7、図5の9)は、Znめっき層内部より前述のホットスタンプ時に形成されるこれらの単独Al酸化物皮膜(図2の3)もしくはAlとZnやMnなどからなる複合Al酸化物皮膜(図4の4)など、いずれもAl系酸化物を通ってめっきZn(図中2)がめっき表面に向かって拡散することにより形成するため、このAl系酸化物皮膜の形成状態の違いによりZnの酸化物の形成量が異なり、このZn酸化物の量が少ない方が溶接性が改善すると考えられる。すなわち、単独Al酸化物皮膜は他の元素を含有しないため、非常に緻密で高温での酸化雰囲気においてZn等の他の金属元素がその単独Al酸化物皮膜を拡散透過してZnの酸化を抑制するバリア層として非常に効果が大きいのに対して、ZnやMnなどを含有する複合Al酸化物では、自身の中にZnなどを含有するため、Znなどが透過しやすくZnの酸化を抑制するバリア層として十分機能しないものと考えられる。
ホットスタンプ後の酸化物の形成状態とホットスタンプ後の溶接抵抗の関係の調査結果を図6に示す。両者には強い相関がある。すなわち、Znなどを含有する複合Al酸化物とAlを単独で含有する単独Al酸化物で構成される、Al系酸化物のうち、Alを単独で含有する単独Al酸化物相が占める割合が多いほど、ホットスタンプ後の溶接抵抗が低減し、溶接性が改善できることが明らかとなった。
ここで、単独Al酸化物相の比率を測定する方法は、以下の通りである。FIB(集束イオンビーム法)を用いてホットスタンプ材の最表面層の断面薄膜試料を作成し、上記のTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて倍率40000倍で2.8μm角の視野でFe-Zn固溶相とZn酸化皮膜との界面に存在するAl系酸化物皮膜を観察し、EDX元素マッピングを行い、Al系酸化物皮膜の位置を特定する。測定面は、LD(圧延)方向、TD(圧延方向と板面内垂直)方向のどちらでもよい。この後、Al系酸化物皮膜に電子ビームを当て、ディフラクションをとり成分分析をすることによりAl系酸化物の結晶構造を同定する。本材料のAl系酸化物の結晶構造としては、単独Al酸化物であるγ-Alの他、ZnAlなどの複合Al酸化物が存在する可能性があるが、1視野につき200nm間隔で5点以上の点でAl系酸化物の結晶構造の同定を行ない、それを5視野以上測定した合計25点以上を測定し、結晶構造がγ-Alと一致し、酸素を除いた金属元素の原子分率でAlが80%以上となるγ-Al、即ち単独Al酸化物に同定された点数をG、総測定点数をPとした時、G/Pの比率で評価する。TEM観察方法は、特に規定しないが、実施形態においては、日本電子製 JEM-200CXやJEM-2100で、加速電圧200kVで観察し、組織観察、元素分析、電子線回折などで相や結晶構造を特定した。
図6に示すように、G/Pが0.20以上あれば単独Al酸化物によるZn拡散の抑制効果が出現し、Zn酸化膜の形成量が抑制されることにより、溶接抵抗が減少し溶接性が改善する。望ましくは、G/Pは0.5以上であることが好ましい。但し、G/Pが1.00に非常に近くなると、単独Al酸化物が形成された材料表面では、Zn酸化膜の抑制効果は得られるが、鋼板表面にFeの酸化膜も発生するようになり、そこでの溶接抵抗が上昇してしまうため、G/Pは1.00未満であることが望ましい。よって、適正なG/Pの上限はG/P<1.00、更に望ましくはG/P≦0.99、更に望ましくはG/P≦0.95である。
上記0.20≦G/P<1.00は、例えば、焼鈍における雰囲気条件の調整が有効である。図7に示すように、G/Pを0.20以上とするには焼鈍露点を-30℃以上とし、G/Pを1.00未満とするには焼鈍露点を20℃以下とすることで可能となる。焼鈍露点が20℃超では鋼板中のFeの酸化が顕著となりその後の還元で活性なFeが多く発生してしまいAlが過多に濃化してしまうため、G/Pは1となってしまう。G/Pを0.20以上とするには、焼鈍露点が-30℃以上とすれば可能となる。焼鈍露点が-30℃より低い場合には鋼板表面でのMnやSiの内部酸化が十分起こらないため、鋼板表面にMnやSiが金属として多く残留するために、Al酸化時にこれら元素が含有されやすくなり、単独Al酸化物が形成されにくくなってしまう。
本発明者らは、更にこのようなホットスタンプ後のAl系酸化物形態、ひいてはその元となるめっき前の鋼板表面でのSiやMnの欠乏層を形成するための手法として焼鈍中の雰囲気だけでなく、特に加熱中の温度や昇温速度が重要であり、溶融亜鉛めっきの目付け量を変更しても有効であることを解明した。
すなわち、焼鈍雰囲気中のH濃度が体積分率で1~15%焼鈍中の鋼板温度が200℃~600℃の範囲において、図8に示すように露点が-30℃~20℃の範囲ならば、めっき目付量が45g/m以上で溶接抵抗が軽減され、溶接性が良好である。尚、図8中のプロットで、溶接性が著しく劣化する溶接抵抗の高い領域として溶接抵抗が50mΩを超える領域を×、溶接性が合格する範囲のうち溶接抵抗が30~50mΩとなる領域を△、より溶接性が改善できる望ましい条件として溶接抵抗が10~30mΩとなる領域を○、更に溶接性が改善できる望ましい条件として溶接抵抗が10mΩ以下となる領域を●でプロットした。
鋼板温度を上記のように設定した理由は、鋼板の温度が200℃より低い場合では、温度が低すぎて鋼中でのSiやMnがほとんど拡散しないため、鋼板表面にSiやMnの欠乏層を形成することができず、600℃超では拡散は十分に起こるが、その後の保持時間を含めた焼鈍時間が短くなってしまい、SiやMnの欠乏層が十分形成するだけの時間が得られないためである。このように鋼板温度は200℃~600℃の範囲がSiやMnの拡散速度や焼鈍時間の観点から最も望ましいが、更に望ましくは300℃~500℃の範囲である。
また、雰囲気については、H以外は大半がNガスであり、それ以外は不可避的不純物である。H濃度は1%以下だと鋼板の還元が不十分となり、不めっきなどの原因となる。一方、15%以上では焼鈍中のHの消費が多くなりコスト的に問題がある。よって、H濃度は1~15%が好ましく、更に好ましくは2~12%である。焼鈍時の露点としては、-30℃未満では、鋼中のSi、Mnを十分酸化することができずSiやMnの欠乏層を形成することができない。また、+20℃超では、鋼板中のFeの酸化が発生し不めっきなどの原因となるため好ましくない。よって焼鈍露点は、-30℃~20℃が好ましく、更に好ましくは-20℃~10℃、更に好ましくは-15~0℃である。この露点の調整には、NもしくはNに1~15%のHを含んだガスを水蒸気によって加湿し、そのガスを焼鈍炉内に導入して制御する。
ホットスタンプの条件は特に規定しないが、前記溶融亜鉛めっき鋼板もしくは前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板を必要なサイズにブランキングした後、輻射加熱、誘導加熱、通電加熱などを用い、700℃~1200℃の範囲に加熱した後、プレス成形し、焼入れ冷却することが好ましい。
本発明で使用可能な亜鉛系めっき鋼板の種類としては、亜鉛を主成分とするめっき鋼板であれば特に限定しないが、亜鉛めっき鋼板(略称GI)、合金化亜鉛めっき鋼板(略称GA)、溶融亜鉛-アルミニウム合金めっき、溶融亜鉛-アルミニウム-シリコン合金めっき、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっきなどを含み、またそれぞれの詳細な元素組成も特に限定はしない。めっきの目付量についても特に限定しないが、一般的なホットスタンプ用めっきの付着量である、30g/m2~120g/m2程度まで使用可能である。鋼板の材質は特に限定はしないが、ホットスタンプ用途として用いられる焼入れ高強度鋼が一般的である。
厚さ1.0mmで、鋼組成がC:0.211%(質量%、以下同じ)、Si:0.033%、Mn:1.2%、P:0.01%、S:0.007%、Cr:0.2%、Ti:0.02%、B:0.003%、残部Fe及び不純物からなるホットスタンプ用溶融亜鉛めっき鋼板と合金化溶融亜鉛めっき鋼板に、表1の条件にて焼鈍とめっきを施した。その際、焼鈍時の雰囲気を種々に変更した後、めっきを施した。尚、焼鈍露点の値は焼鈍中の鋼板温度が200℃~600℃の間のあたいである。めっきの目付量は表/裏で50/50g/mとした。めっき後の鋼板は焼鈍条件が例えば露点が+20℃以上の場合は、不めっきが観察されるものがあった。不めっきとは、めっき前の母材表面の酸化が進行しすぎた場合、めっきの濡れ性が悪くなり、めっきがはじいてめっきが付いていない場所であり、発生したものは不良とした。
Figure 0007006257000001
めっき後の鋼板は、100mm角のサイズに切り出した後、大気雰囲気の電気炉を900℃に加熱しその中で4分間加熱後取り出し、速やかに水冷配管を内蔵した平板プレスに挟んで急冷してホットスタンプ高強度材を得た。溶接性の指標として溶接抵抗を測定した。溶接抵抗測定条件は、電極:CF型φ6R40、荷重:250kgf、電流値:2Aで通電し、その際の抵抗値を測定した。溶接抵抗は小さいほど良いが、50mΩ以下になれば、溶接時のちり発生がほとんど無くなり、溶接強度も安定するため、50mΩ以下で良好、更に好ましくは25mΩ以下とした。
表1に示されるように、焼鈍雰囲気の範囲は、焼鈍露点が-30℃よりも低くなると、溶接性改善効果が得られない。一方、焼鈍露点を20℃を超えると、めっき前母材が酸化され過ぎて不めっきが発生するため、外観不良などが発生し好ましくない。
以上、実施形態を例に本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
1 母材鋼板
2 加熱前Zn系めっき皮膜
3 本発明によるめっき表面の厚く強固な単独Al酸化物皮膜
4 通常条件のめっき表面の薄く疎な複合Al酸化物皮膜
5 ホットスタンプ加熱後のFe-Zn固溶相
6 本発明条件のホットスタンプ加熱後の厚く強固な単独Al酸化物皮膜
7 本発明条件のホットスタンプ加熱後の薄いZn酸化皮膜
8 通常条件のホットスタンプ加熱後の薄くZn、Mnなどを含有した複合Al酸化物皮膜
9 通常条件のホットスタンプ加熱後の厚いZn酸化皮膜

Claims (4)

  1. 溶融亜鉛めっき鋼板が用いられたホットスタンプ成形体表面において、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて倍率40000倍で2.8μm角の視野でFe-Zn固溶相とZn酸化皮膜との界面に存在するAl系酸化物皮膜を観察し、1視野につき200nm間隔で5点以上の点でAl系酸化皮膜の結晶構造の同定を行ない、それを5視野以上測定した合計25点以上を測定し、結晶構造がγ-Alと一致し、酸素を除いた金属元素の原子分率でAlが80%以上となるγ-Alに同定された点数をG、総測定点数をPとした時、0.20≦G/P<1.00であり、Zn酸化皮膜の下に金属元素の原子分率でAl濃度が80%以上となる単独Al酸化物皮膜が存在することを特徴とする溶接性に優れたホットスタンプ成形体。
  2. 前記溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接性に優れたホットスタンプ成形体。
  3. 焼鈍中に鋼板温度で200℃~600℃の範囲を露点を-℃~20℃として焼鈍を行った後、目付け量が30g/m以上の溶融亜鉛めっきを施し、調質圧延を施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、当該鋼板を必要なサイズにブランキングした後に700℃~1200℃の範囲まで加熱した後にプレス成形し、焼入れ冷却を行うことを特徴とする溶接性に優れたホットスタンプ成形体の製造方法。
  4. 前記溶融亜鉛めっきを施した後に合金化処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の溶接性に優れたホットスタンプ成形体の製造方法。
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