JP7002365B2 - 梅アルコール飲料、梅アルコール飲料ベース、梅アルコール飲料の製造方法、及び、梅アルコール飲料の香味向上方法 - Google Patents
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そして、梅アルコール飲料に関し、より市場のニーズに合致した商品を創出すべく、様々な研究開発が進められている。
そして、特許文献1には、梅の果実をアルコール抽出して有られるアルコール抽出物をさらに飲料中に配合させた梅アルコール飲料が記載されている。
ただ、梅アルコール飲料は、梅様の香味に由来する酸味が強く、この突出した酸味によって果実感を感じ難い飲料となってしまう。また、梅アルコール飲料は、梅様の香味がスッキリとした香味であるために、コクのある旨味が乏しく、飲みごたえのない飲料となってしまう。
(1)梅原料を含有する梅アルコール飲料であって、オクタナールの含有量が200~4000ppbであり、フェンコールの含有量が40~250ppbである梅アルコール飲料。
(2)アルコール度数が1.0~10.0%である前記1に記載の梅アルコール飲料。
(3)前記梅原料が梅果汁である前記1又は前記2に記載の梅アルコール飲料。
(4)梅原料を含有する梅アルコール飲料ベースであって、前記梅アルコール飲料ベースのオクタナールの含有量をXppbとし、フェンコールの含有量をYppbとし、希釈倍率をD倍とした場合において、X/Dが200~4000であり、Y/Dが40~250である梅アルコール飲料ベース。
(5)梅原料を含有する梅アルコール飲料の製造方法であって、オクタナールの含有量を200~4000ppbとし、フェンコールの含有量を40~250ppbとする工程を含む梅アルコール飲料の製造方法。
(6)梅原料を含有する梅アルコール飲料の華やかな果実感とコクのある旨味とを増強させる香味向上方法であって、前記梅アルコール飲料のオクタナールの含有量を200~4000ppbとし、フェンコールの含有量を40~250ppbとする梅アルコール飲料の香味向上方法。
本発明に係る梅アルコール飲料ベースは、X/D、Y/Dの値が所定範囲に特定されていることから、希釈後の梅アルコール飲料は、華やかな果実感とコクのある旨味とが増強されている。
本実施形態に係る梅アルコール飲料は、梅原料と、オクタナールと、フェンコールと、を含有する。また、本実施形態に係る梅アルコール飲料は、アルコール度数が所定範囲であり、梅原料として梅果汁を含有していてもよい。
以下、梅アルコール飲料を構成する各成分等について説明する。
オクタナール(Octanal)は、化学式C8H16Oで示される鎖状の有機化合物である。
そして、オクタナールは、脂肪臭や油臭といった臭いを奏する物質として知られているが、驚くべきことに、梅原料が含有されて梅様の香味となっている梅アルコール飲料において、後記のフェンコールと相乗的に作用することで、華やかな果実感(詳細には、白い花のような香りのある果実感)とコクのある旨味(詳細には、発酵したような複雑さのある旨味)とを増強させることができる。
また、オクタナールは、梅アルコール飲料について、熟成感のある重い香りを増強させることもできる。
オクタナールの含有量は、4000ppb以下であるのが好ましく、3000ppb以下であるのがより好ましく、2000ppb以下であるのがさらに好ましく、1700ppb以下であるのが特に好ましい。オクタナールの含有量が所定値以下であることにより、華やかな果実感やコクのある旨味の増強効果をしっかりと発揮させることができる。
フェンコール(Fenchol)は、化学式C10H18Oで示される有機化合物であり、フェンキルアルコールとも呼ばれる。
そして、フェンコールは、ペーパー臭(段ボールのような紙の臭い)を奏するが、前記のとおり、梅原料が含有されて梅様の香味となっている梅アルコール飲料において、オクタナールと相乗的に作用することで、華やかな果実感(詳細には、白い花のような香りのある果実感)とコクのある旨味(詳細には、発酵したような複雑さのある旨味)とを増強させることができる。
また、フェンコールは、梅アルコール飲料の熟成感のある重い香りにも影響を与える。
フェンコールの含有量は、250ppb以下であるのが好ましく、220ppb以下であるのがより好ましく、170ppb以下であるのがさらに好ましく、150ppb以下であるのが特に好ましい。フェンコールの含有量が所定値以下であることにより、華やかな果実感やコクのある旨味の増強効果をしっかりと発揮させることができる。
<試料調製>
適宜希釈した試料溶液8mlをあらかじめ 3gのNaClを入れたSPME用バイアルに入れ、内部標準としてLinalool-d3を25ppb(もしくはμg/L)となるように加え、密栓した。検量線は標準添加法にて作成した。各バイアルを40℃で15分間振盪した後、SPME用ファイバー(Polydimethylsiloxane/Divinylbenzene65μm:スペルコ社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させた。40℃で30分間揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で 3分間脱着させ、GC/MSにより分析を行なった。
<GC/MS分析条件>
分析機器:Agilent 7890A GC-5977B MSD、カラム:InertCap(登録商標)Pure-WAX 30m×0.25mm、膜厚0.25μm(GLサイエンス)
注入法:スプリットレス注入 コンスタントフロー:1.0ml/min キャリアガス:He
注入口温度:270℃、トランスファーライン:250℃
オーブン温度:40℃(3min)→5℃/min→250℃(5min)
MS条件:SIM Octanal m/z 84※、57
Fenchol m/z 81※、121
Linalool-d3(ISTD) m/z 124※、139
(※のイオンが定量イオン)
梅原料とは、梅に由来する原料であり、詳細には、梅果汁と梅酒との少なくとも一方を含む概念である。
なお、前記したオクタナールとフェンコールとは、梅原料が含まれる飲料の華やかな果実感やコクのある旨味を増強させるが、梅原料が含有されて飲料が梅様の香味となっていれば、梅原料の含有量にほとんど関係なく、これらの増強効果は発揮されると推察する。
梅果汁とは、梅の果実を搾った汁である。そして、梅果汁は、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
そして、梅原料として梅果汁を飲料に含有させることで、飲料を梅様の香味とし、前記したオクタナールとフェンコールとに基づく効果を適切に発揮させることができる。
ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとし、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
詳細には、ストレート果汁の糖用屈折計示度あるいは酸度の値は、JAS規格である果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)において、各果実に固有の基準値が定められている(別表3において「糖用屈折計示度の基準(Bx)」、別表4において「酸度の基準(%)」)。
具体的には、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)の別表4によると梅の基準酸度は3.5%であるから、酸度が7.0%の梅果汁は、2倍濃縮の梅果汁となる。この2倍濃縮の梅果汁を、飲料100mL中にZg配合した場合、この飲料における梅果汁の含有量(果汁率換算)は、「Zg×2(濃縮倍率)/100mL×100」によって算出することができる。
梅酒とは、青梅の実を蒸留酒に漬け込んで製造する果実酒である。
なお、梅酒を製造する際に使用する蒸留酒は、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー、ラム等が挙げられる。
そして、梅原料として梅酒を飲料に含有させることで、飲料を梅様の香味とし、前記したオクタナールとフェンコールとに基づく効果を適切に発揮させることができる。
本実施形態に係る梅アルコール飲料は、アルコールを含有している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の所望の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒又は醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー、ラム等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒、清酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
本実施形態に係る梅アルコール飲料のアルコール度数は、1.0%(v/v%)以上であるのが好ましく、1.5%以上であるのがより好ましく、2.0%以上であるのがさらに好ましい。アルコール度数が所定値以上であることにより、華やかな果実感やコクのある旨味をさらに確実に増強できる。
本実施形態に係る梅アルコール飲料のアルコール度数は、10%以下であるのが好ましく、8%以下であるのがより好ましく、5%以下であるのがさらに好ましい。アルコール度数が所定値以下であることにより、アルコールの香味によって華やかな果実感やコクのある旨味がマスキングされてしまうといった事態を回避することができる。
本実施形態に係る梅アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法)に基づいて測定することができる。
本実施形態に係る梅アルコール飲料は、非発泡性のものでも、発泡性のものでもよい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm2以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm2未満であることをいう。
本実施形態に係る梅アルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
本実施形態に係る梅アルコール飲料ベースは、後記する割り材で希釈されることにより前記の梅アルコール飲料とすることができる。
なお、本実施形態に係る梅アルコール飲料ベースは、消費者や飲食店などに提供されるに際して、飲料ベースの状態(RTS:Ready To Serve)で提供された後に割り材で希釈されてもよいし、飲料ベースを割り材で希釈した後に飲料の状態(RTD:Ready To Drink)で提供されてもよい。
梅アルコール飲料ベースのオクタナールの含有量をXppbとし、希釈倍率をD倍とした場合、X/Dは、200以上であるのが好ましく、300以上であるのがより好ましく、400以上であるのがさらに好ましく、500以上であるのが特に好ましい。また、X/Dは、4000以下であるのが好ましく、3000以下であるのがより好ましく、2000以下であるのがさらに好ましく、1700以下であるのが特に好ましい。
梅アルコール飲料ベースのフェンコールの含有量をYppbとし、希釈倍率をD倍とした場合、Y/Dは、40以上であるのが好ましく、60以上であるのがより好ましく、70以上であるのがさらに好ましく、75以上であるのが特に好ましい。また、Y/Dは、250以下であるのが好ましく、220以下であるのがより好ましく、170以下であるのがさらに好ましく、150以下であるのが特に好ましい。
梅アルコール飲料ベースの梅果汁の含有量(果汁率換算)をF%とし、希釈倍率をD倍とした場合、F/Dは、0.1以上であるのが好ましく、0.5以上であるのがより好ましく、0.8以上であるのがさらに好ましい。また、F/Dは、10以下であるのが好ましく、5以下であるのがより好ましく、3以下であるのがさらに好ましい。
梅アルコール飲料ベースのアルコール度数をA%とし、希釈倍率をD倍とした場合、A/Dは、1.0以上であるのが好ましく、1.5以上であるのがより好ましく、2.0以上であるのがさらに好ましい。また、A/Dは、10以下であるのが好ましく、8以下であるのがより好ましく、5以下であるのがさらに好ましい。
割り材とは、本実施形態に係る梅アルコール飲料ベースの希釈に用いるものである。
割り材は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で選択すればよく、例えば、水、炭酸水、お湯、氷、果汁、果汁入り飲料、牛乳、茶、アルコール等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、割り材を用いた希釈は、本実施形態に係る梅アルコール飲料ベースが1.2~20倍、好ましくは1.5~10倍、さらに好ましくは2~5倍となるように実施すればよい。
本実施形態に係る梅アルコール飲料、及び、梅アルコール飲料ベースは、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に梅アルコール飲料、又は、梅アルコール飲料ベースを詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
また、各種容器に梅アルコール飲料ベースを詰める場合は、その容器に、前記した割り材等によって希釈して飲んでもよい旨の表示(例えば、希釈倍率等)を付してもよい。
次に、本実施形態に係る梅アルコール飲料、及び、梅アルコール飲料ベースの製造方法を説明する。
本実施形態に係る梅アルコール飲料、及び、梅アルコール飲料ベースの製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
この混合工程において、オクタナール、フェンコール、梅果汁、アルコール度数、X/D、Y/D、F/D、A/D等が前記した所定範囲の数値や量となるように各原料を混合し、調整すればよい。
なお、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、チューブ式殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
また、本実施形態に係る梅アルコール飲料ベースの製造方法は、X/D、Y/Dの値を所定範囲とする工程を含むことから、希釈後の梅アルコール飲料について、華やかな果実感とコクのある旨みとが増強した梅アルコール飲料ベースを製造することができる。
次に、本実施形態に係る梅アルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る梅アルコール飲料の香味向上方法は、梅アルコール飲料についてオクタナールとフェンコールとの含有量を所定範囲とすることによって、華やかな果実感とコクのある旨味とを増強させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「梅アルコール飲料」において説明した内容と同じである。
表に示す含有量となるように、原料用アルコール、オクタナール、フェンコール、梅果汁(5倍濃縮)、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸、乳化剤、梅香料、水、炭酸水を混合してサンプルを準備した。
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル5名が下記評価基準に則って「華やかな果実感」、「コクのある旨味」、「熟成感のある重い香り」について、0~5点の6段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
5点:華やかな果実感を非常に強く感じる。
4点:華やかな果実感を強く感じる。
3点:華やかな果実感を感じる。
2点:華やかな果実感を弱く感じる。
1点:華やかな果実感を非常に弱く感じる。
0点:華やかな果実感を感じない。
なお、「華やかな果実感」とは、詳細には、表に示すように「白い花のような香りのある果実感」であり、より具体的には、スズラン様のフローラルな香りを伴う果実感である。
5点:コクのある旨味を非常に強く感じる。
4点:コクのある旨味を強く感じる。
3点:コクのある旨味を感じる。
2点:コクのある旨味を弱く感じる。
1点:コクのある旨味を非常に弱く感じる。
0点:コクのある旨味を感じない。
なお、「コクのある旨味」とは、詳細には、表に示すように「発酵したような複雑さのある旨味」である。
5点:熟成感のある重い香りを非常に強く感じる。
4点:熟成感のある重い香りを強く感じる。
3点:熟成感のある重い香りを感じる。
2点:熟成感のある重い香りを弱く感じる。
1点:熟成感のある重い香りを非常に弱く感じる。
0点:熟成感のある重い香りを感じない。
なお、「熟成感のある重い香り」とは、詳細には、熟成した古酒のような重厚な香りである。
サンプル1-1~1-7の結果から、オクタナールの含有量が増えるにしたがい、華やかな果実感とコクのある旨味とが増強されるものの、オクタナールの含有量が増え過ぎると華やかな果実感とコクのある旨味が若干減少することが確認できた。
また、サンプル2-1~2-7の結果から、所定量のオクタナールを含有した状態で、フェンコールの含有量が所定量以上となると、オクタナールとフェンコールとが相乗的に作用し、梅酒を含有していないにも関わらず、熟成感のある重い香りが増強されることが確認できた。
ただし、サンプル2-1~2-7の結果から、フェンコールの含有量は増え過ぎると、各効果が抑制されることも確認できた。
Claims (6)
- 梅原料を含有する梅アルコール飲料であって、
オクタナールの含有量が200~4000ppbであり、フェンコールの含有量が40~250ppbである梅アルコール飲料。 - アルコール度数が1.0~10.0%である請求項1に記載の梅アルコール飲料。
- 前記梅原料が梅果汁である請求項1又は請求項2に記載の梅アルコール飲料。
- 梅原料を含有する梅アルコール飲料ベースであって、
前記梅アルコール飲料ベースのオクタナールの含有量をXppbとし、フェンコールの含有量をYppbとし、希釈倍率をD倍とした場合において、
X/Dが200~4000であり、Y/Dが40~250である梅アルコール飲料ベース。 - 梅原料を含有する梅アルコール飲料の製造方法であって、
オクタナールの含有量を200~4000ppbとし、フェンコールの含有量を40~250ppbとする工程を含む梅アルコール飲料の製造方法。 - 梅原料を含有する梅アルコール飲料の華やかな果実感とコクのある旨味とを増強させる香味向上方法であって、
前記梅アルコール飲料のオクタナールの含有量を200~4000ppbとし、フェンコールの含有量を40~250ppbとする梅アルコール飲料の香味向上方法。
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