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JP7091975B2 - ラインフィルタ - Google Patents

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JP7091975B2
JP7091975B2 JP2018181442A JP2018181442A JP7091975B2 JP 7091975 B2 JP7091975 B2 JP 7091975B2 JP 2018181442 A JP2018181442 A JP 2018181442A JP 2018181442 A JP2018181442 A JP 2018181442A JP 7091975 B2 JP7091975 B2 JP 7091975B2
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Description

本発明は、電気機器に用いられるラインフィルタに関する。
従来から、電気機器に用いられるラインフィルタが知られている(下記特許文献1参照)。このラインフィルタは、直流電源と電気機器とを電気接続する一対の電力線と、複数のコンデンサとを備える。このコンデンサを用いて、電力線に含まれるノイズを除去し、直流電源を安定化している。これにより、ノイズが直流電源から電気機器へ伝わったり、電気機器から直流電源へ伝わったりすることを抑制しつつ、直流電源を安定化している。
上記ラインフィルタは、複数のコンデンサの接続を直列接続と並列接続との間で切り替える直並列切替回路を備える(図35~図37参照)。ラインフィルタは、上記一対の電力線の間の電圧が予め定められた閾値より低い場合は、複数のコンデンサを並列接続するよう構成されている。また、上記電圧が閾値を超えた場合は、複数のコンデンサを直列接続する。これにより、個々のコンデンサに加わる電圧を低くしている。これによって、コンデンサに耐電圧を超える電圧が加わることを抑制し、低耐圧で小型のコンデンサを使用できるようにして、ラインフィルタを小型化している。
特開2009-268324号公報
しかしながら、上記ラインフィルタは、複数のコンデンサの接続を、直列接続と並列接続との間で切り替える際に、大きな電流が流れることがあった。すなわち、例えば2個のコンデンサを並列接続から直列接続に切り替えると(図35、図36参照)、個々のコンデンサに加わる電圧が、電源電圧VBからVB/2に低下する。そのため、コンデンサから大きな放電電流が流れる。したがって、直並列切替回路を構成するスイッチやコンデンサ、電力線等の電流容量を大きくする必要があり、ラインフィルタが大型化するという課題がある。
同様に、例えば2個のコンデンサを直列接続から並列接続に切り替えると(図36、図37参照)、個々のコンデンサに加わる電圧が、VB/2からVBに上昇する。そのため、コンデンサに大きな突入電流が流れ、スイッチやコンデンサ等の電流容量を大きくする必要がある。したがって、ラインフィルタが大型化するという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数のコンデンサの接続を、直列接続と並列接続との間で切り替えたときに、各コンデンサの電圧に起因する大きな電流が流れることを抑制できるラインフィルタを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されていると共に、前記オン状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オフ状態にするよう構成されている、ラインフィルタ(1)にある。
また、本発明の他の一態様は、
直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
個々の前記スイッチは、オンオフ動作可能に構成された第1スイッチ部(41)と抵抗(43)とを直列接続した直列体(44)と、該直列体に並列接続しオンオフ動作可能に構成された第2スイッチ部(42)とを備え、個々の前記スイッチ部は半導体スイッチング素子からなり、
前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されており、
前記スイッチとして、前記コンデンサの正電極と、他の前記コンデンサの負電極との間に設けられ、前記複数のコンデンサを直列接続する際に前記オン状態にされる直列スイッチ(4 S )を備え、該直列スイッチの前記スイッチ部は、前記半導体スイッチング素子からなり、双方向に電流を遮断可能に構成されている、ラインフィルタ(1)にある
本発明のさらに他の一態様は、
直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されており、前記複数のスイッチのうちいずれかを前記高インピーダンス導通状態にしている間は、前記電気機器の駆動を停止させる、ラインフィルタ(1)にある。
本発明のさらに他の一態様は、
直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されており、
前記電気機器は、前記直流電源から供給される直流電力を交流電力にするインバータ(81)と、前記交流電力を用いて放電を発生する放電リアクタ(82)とを有し、前記放電によりオゾンを生成するオゾナイザであり、前記インバータは、前記交流電力を前記放電リアクタに供給して前記放電を発生させる放電期間と、前記交流電力の供給を停止して前記放電リアクタから前記放電を発生させない放電停止期間とを交互に切り替える間欠動作を行うよう構成されている、ラインフィルタ(1)にある。
上記ラインフィルタのスイッチは、上記オン状態と、上記オフ状態と、上記高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成されている。また、上記制御部は、複数のコンデンサの接続を並列接続と直列接続との間で切り替える際に、オフ状態になっているスイッチを、高インピーダンス導通状態にしてから、オン状態にする。
そのため、コンデンサの接続を切り替えたときに、放電電流や突入電流が発生しても、これらの電流は高インピーダンス導通状態になっているスイッチを流れるため、大きな電流が流れにくくなる。したがって、スイッチやコンデンサ、電力線等の電流容量を小さくすることができ、これらの部品を小型化しつつ、信頼性を高めることができる。そのため、ラインフィルタ全体を小型化でき、かつ信頼性を高めることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、複数のコンデンサの接続を、直列接続と並列接続との間で切り替えたときに、各コンデンサに大きな電流が流れることを抑制できるラインフィルタを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、複数のコンデンサを並列接続したラインフィルタの回路図。 図1から、正側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図2から、負側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図3から、正側並列スイッチをオフ状態に切り替えた回路図。 図4から、負側並列スイッチをオフ状態に切り替えた回路図。 図5から、直列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図6から、直列スイッチをオン状態に切り替えた回路図であって、複数のコンデンサを直列接続した状態での、ラインフィルタの回路図。 図7から、直列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図8から、直列スイッチをオフ状態に切り替えた回路図。 図9から、負側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図10から、正側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図11から、負側並列スイッチをオン状態に切り替えた回路図。 実施形態2における、複数のコンデンサを並列接続したラインフィルタの回路図。 図13から、正側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図14から、負側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図15から、正側並列スイッチをオフ状態に切り替えた回路図。 図16から、負側並列スイッチをオフ状態に切り替えた回路図。 図17から、直列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図18から、直列スイッチをオン状態に切り替えた回路図であって、複数のコンデンサを直列接続した状態での、ラインフィルタの回路図。 図19から、直列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図20から、直列スイッチをオフ状態に切り替えた回路図。 図21から、負側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図22から、正側並列スイッチを高インピーダンス導通状態に切り替えた回路図。 図23から、負側並列スイッチをオン状態に切り替えた回路図。 実施形態2における、シミュレーションを行った際の回路図。 実施形態2における、電力線の電圧VBと、コンデンサの電流と、各スイッチ部のオンオフ状態と、各スイッチ部の電流とのシミュレーション結果。 図26の、並列接続から直列接続に切り替わる瞬間の拡大図。 図26の、直列接続から並列接続に切り替わる瞬間の拡大図。 実施形態3における、ラインフィルタの回路図。 実施形態4における、ラインフィルタの回路図。 実施形態5における、ラインフィルタの回路図。 実施形態6における、ラインフィルタの回路図。 比較形態における、ラインフィルタの回路図。 比較形態における、電力線の電圧VBと、各スイッチ部のオンオフ状態と、各スイッチの電流とのシミュレーション結果。 比較形態における、複数のコンデンサを並列接続したラインフィルタの概略回路図。 図35から、複数のコンデンサを直列接続に切り替えた直後の、ラインフィルタの概略回路図。 図36から、複数のコンデンサを並列接続に切り替えた直後の、ラインフィルタの概略回路図。
(実施形態1)
上記ラインフィルタに係る実施形態について、図1~図12を参照して説明する。図1に示すごとく、本形態のラインフィルタ1は、一対の電力線2(2P,2N)と、電圧測定部6と、複数のコンデンサ3(3A,3B)と、直並列切替回路40と、制御部5とを備える。
電力線2は、直流電源7と電気機器8とを電気接続する。電圧測定部6は、一対の電力線2の間の電圧を測定する。コンデンサ3は、一対の電力線2の間に電気的に接続されている。コンデンサ3は、電力線2に含まれるノイズを除去し、直流電源7を安定化する。直並列切替回路40は、個々のコンデンサ3に直列に接続された複数のスイッチ4からなる。直並列切替回路40は、複数のスイッチ4のうち、電流が流れるオン状態になっているスイッチ4と、電流が流れないオフ状態になっているスイッチ4との組み合わせを変更することにより、複数のコンデンサ3の接続を、並列接続(図1参照)と直列接続(図7参照)との間で切り替える。
制御部5は、スイッチ4の動作制御を行う。
個々のスイッチ4は、上記オン状態(図1の正側並列スイッチ4P参照)と、上記オフ状態(図1の直列スイッチ4S参照)と、高インピーダンス導通状態(図2の正側並列スイッチ4P参照)との、3種類の状態をとり得るよう構成されている。高インピーダンス導通状態は、電流が流れ、上記オン状態よりもインピーダンスが高い状態である。
制御部5は、電圧測定部6による電圧の測定値が予め定められた閾値VTHより低い場合には、複数のコンデンサ3を並列接続(図1参照)にする。また、制御部5は、電圧の測定値が上記閾値VTHを超えた場合には、複数のコンデンサ3を直列接続にする(図7参照)。
制御部5は、複数のコンデンサ3の接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える際に、オフ状態になっているスイッチ4を、高インピーダンス導通状態にしてから、オン状態にするよう構成されている(図5~図7の直列スイッチ4S参照)。
本形態のラインフィルタ1は、車両に搭載するための車載用ラインフィルタである。ラインフィルタ1は、ノイズが、直流電源7から電気機器8へ伝わったり、電気機器8から直流電源7へ伝わったりすることを抑制しつつ、直流電源7を安定化する。
図1に示すごとく、電力線2には、直流電源7の正極に接続した正側電力線2Pと、直流電源7の負極(GND)に接続した負側電力線2Nとがある。また、上述したように、直並列切替回路40は、複数のスイッチ4を有する。スイッチ4には、正側並列スイッチ4Pと、負側並列スイッチ4Nと、直列スイッチ4Sとがある。正側並列スイッチ4Pは、第1コンデンサ3Aの正電極31Pと正側電力線2Pとの間に設けられている。負側並列スイッチ4Nは、第2コンデンサ3Bの負電極31Nと負側電力線2Nとの間に設けられている。直列スイッチ4Sは、第1コンデンサ3Aの正電極31Pと、第2コンデンサ3Bの負電極31Nとの間に設けられている。
図1に示すごとく、直列スイッチ4Sをオフ状態にし、正側並列スイッチ4Pと負側並列スイッチ4Nとの2個の並列スイッチ4P,4Nをオン状態にすると、2個のコンデンサ3は並列接続になる。また、図7に示すごとく、2個の並列スイッチ4P,4Nをオフ状態にし、直列スイッチ4Sをオン状態にすると、2個のコンデンサ3は直列接続になる。
また、図1に示すごとく、ラインフィルタ1には、コンデンサ3よりも耐電圧が高い耐電圧コンデンサ11を設けてある。後述するように、本形態では、全てのスイッチ4がオフ状態になる瞬間があるため(図5、図9参照)、この瞬間でもノイズを除去できるように、耐電圧コンデンサ11を設けてある。耐電圧コンデンサ11の耐電圧は、上記閾値VTHよりも高い。耐電圧コンデンサ11は、セラミックコンデンサ等からなる。また、上記コンデンサ3は、耐電圧コンデンサ11よりも耐電圧が低いコンデンサ、例えば電解コンデンサからなり、個々の電解コンデンサの静電容量を大きく設定してある。このように構成することで、全てのコンデンサ3を、耐電圧コンデンサ11と同じ種類のコンデンサ(例えばセラミックコンデンサ)にし、かつ静電容量を同じにした場合よりも、ラインフィルタ1を小型化している。
また、図1に示すごとく、直流電源7には、該直流電源7を充電するためのオルタネータ71が接続している。オルタネータ71の負荷が急激に変動した場合等に、サージ電圧が発生することがある。この場合、一対の電力線2P,2N間の電圧VBが急に上昇する。また、直流電源7に充電用の外部電源79(図25参照)を接続した場合も、一対の電力線2P,2N間の電圧VBが急に上昇することがある。コンデンサ3として、上昇した電圧VBに十分耐えられるほど耐電圧が高いものを用いると、コンデンサ3が大型化しやすくなる。そのため本形態では、電圧VBが高くなった場合は、複数のコンデンサ3の接続を、並列接続(図1参照)から直列接続(図7参照)に切り替えている。これにより、個々のコンデンサ3に高い電圧が加わることを抑制し、耐電圧が低く小型化しやすいコンデンサ3を用いることができるようにしている。また、電圧VBが低下した場合は、コンデンサ3を並列接続に切り替え、静電容量を増加させる。
図1に示すごとく、本形態のスイッチ4は、オンオフ動作可能な第1スイッチ部41と抵抗43とを直列接続した直列体44と、該直列体44に並列接続した第2スイッチ部42とを備える。これらのスイッチ部41,42は、機械スイッチや、後述するMOSFET等の半導体スイッチング素子を用いて構成することができる。第2スイッチ部42をオンすると、スイッチ4はオン状態になる。2個のスイッチ部41,42をオフすると、スイッチ4はオフ状態になる。また、図2の正側並列スイッチ4Pのように、第1スイッチ部41のみオンすると、スイッチ4は高インピーダンス導通状態になる。
正側並列スイッチ4Pは、スイッチ部41,42として、正側第1スイッチ部41P及び正側第2スイッチ部42Pを備える。また、負側並列スイッチ4Nは、スイッチ部41,42として、負側第1スイッチ部41N及び負側第2スイッチ部42Nを備える。さらに、直列スイッチ4Sは、スイッチ部41,42として、直列用第1スイッチ部41S及び直列用第2スイッチ部42Sを備える。
以下、図1に示すように、複数のコンデンサ3を並列接続した状態から、電力線2の電圧VBが上昇した場合の、各スイッチ部41,42の動作について説明する。電力線2の電圧VBが上昇し、閾値VTHを超えた場合、制御部5は、図2に示すごとく、正側第2スイッチ部42Pをオフする。これにより、正側並列スイッチ4Pを高インピーダンス導通状態にする。
その後、制御部5は、図3に示すごとく、負側第2スイッチ部42Nをオフする。これにより、負側並列スイッチ4Nを高インピーダンス導通状態にする。電力線2の電圧VBが上昇すると、コンデンサ3に電流Iが流れるが、この電流Iは高インピーダンス導通状態になっている並列スイッチ4P,4Nを通るため、電流量を抑制できる。そのため、並列スイッチ4P,4N等として、電流容量の小さいものを用いることができ、これらの並列スイッチ4P,4Nを小型化できる。
その後、図4に示すごとく、制御部5は、正側第1スイッチ部41Pをオフする。これにより、正側並列スイッチ4Pをオフ状態にする。
次いで、図5に示すごとく、制御部5は、負側第1スイッチ部41Nをオフする。これにより、負側並列スイッチ4Nをオフ状態にする。
その後、図6に示すごとく、制御部5は、直列用第1スイッチ部41Sをオンする。これにより、直列スイッチ4Sを高インピーダンス導通状態にする。
このようにすると、各コンデンサ3から放電電流IDが発生する。すなわち、個々のコンデンサ3は直前まで並列接続されていたため(図1参照)、各コンデンサ3には、電力線2の電圧VBが加わっていたが、図6に示すごとく、直列用第1スイッチ部41Sをオンすると、2個のコンデンサ3が直列接続され、各コンデンサ3の電圧はVB/2になる。そのため、コンデンサ3の電圧が急に低下し、放電電流IDが発生する。しかしながら、この放電電流IDは、直列スイッチ4Sの抵抗43を流れるため、大きな放電電流IDが流れることを抑制できる。そのため、直列用第1スイッチ部41Sとして、電流容量が小さいものを用いることができ、直列用第1スイッチ部41Sを小型化できる。
なお、2個のコンデンサ3を並列接続から直列接続に切り替えたときに、電力線2の電圧VBが、並列接続時の2倍以上になった場合は、各コンデンサ3に充電電流が流れる。この場合も、充電電流は抵抗43を流れるため、大きな充電電流が流れることを抑制できる。
放電電流IDの発生が終了したら、図7に示すごとく、制御部5は、直列用第2スイッチ部42Sをオンする。これにより、直列スイッチ4Sをオン状態にする。電力線2の電圧VBが閾値VTHを超えている間は、この状態(すなわち、2個のコンデンサ3を直列接続した状態)を維持する。
制御部5は、電力線2の電圧VBが閾値VTHより小さくなったら、図8に示すごとく、直列用第2スイッチ部42Sをオフする。これにより、直列スイッチ4Sを高インピーダンス導通状態にする。電力線2の電圧VBが低下すると、コンデンサ3から電流Iが流れ出るが、この電流Iは高インピーダンス導通になっている直列スイッチ4Sを通るため、電流量を抑制できる。この後、制御部5は図9に示すごとく、直列用第1スイッチ部41Sをオフする。
その後、図10に示すごとく、制御部5は、負側第1スイッチ部41Nをオンする。次いで、図11に示すごとく、制御部5は、正側第1スイッチ部41Pをオンする。これにより、2個の並列スイッチ4P,4Nを高インピーダンス導通状態にする。
このようにすると、各コンデンサ3に電流IRが流れる。すなわち、2個のコンデンサ3は、直前まで直列接続(図7参照)されていたため、各コンデンサ3に加わる電圧はVB/2であったが、正側第1スイッチ部41P及び負側第1スイッチ部41Nをオンすると、各コンデンサ3A,3Bが並列接続されるため、各コンデンサ3に、電力線2の電圧VBが加わる。そのため、コンデンサ3に加わる電圧が急に上昇し、電流IRが流れる。しかしながら、この電流IRは抵抗43を通るため、電流量を抑制できる。したがって、スイッチ部41P,41Nとして、電流容量が小さいものを用いることができ、これらのスイッチ部41P,41Nを小型化することができる。
なお、2個のコンデンサ3を直列接続から並列接続に切り替えたときに、電力線2の電圧VBが、直列接続時の1/2以下になった場合は、各コンデンサ3から放電電流が流れる。この場合も、放電電流は抵抗43を通るため、電流量を抑制できる。
電流IRの流れが終了したら、図12に示すごとく、制御部5は、負側第2スイッチ部42Nをオンする。次いで、図1に示すごとく、正側第2スイッチ部42Pをオンする。これにより、2個のコンデンサ3を並列接続にする。
次に、本形態の作用効果について説明する。本形態に係るラインフィルタ1のスイッチ4は、オン状態と、オフ状態と、高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成されている。また、制御部5は、複数のコンデンサ3の接続を並列接続と直列接続との間で切り替える際に、オフ状態になっているスイッチ4を、高インピーダンス導通状態にしてから、オン状態にする(図5~図7参照)。
そのため、コンデンサ3の接続を切り替えたときに、放電電流IDや突入電流IRが発生しても、これらの電流は高インピーダンス導通状態になっているスイッチ4を流れるため、大きな電流が流れにくくなる。したがって、スイッチ4やコンデンサ3、電力線2等として、電流容量が小さいものを用いることができ、これらの部品を小型化することができる。
また、本形態では、電力線2の電圧VBが閾値VTHより高くなった場合に、複数のコンデンサ3を直列接続する。
そのため、コンデンサ3に加わる電圧を低減できる。したがって、例えば電解コンデンサのように、耐電圧が低いが、小型で静電容量が大きいコンデンサ3を用いることができる。そのため、ラインフィルタ1を小型化でき、安価なものとすることができる。
また、静電容量が大きいコンデンサ3を用いると、コンデンサ3の直並列を切り替えた場合に、大きな放電電流IDや突入電流IRが発生しやすくなるが、本形態では、これらの電流ID,IRを、高インピーダンス導通状態になっているスイッチ4に流すことができるため、電流値を抑制できる。したがって、静電容量が大きいコンデンサ3を使用しやすく、ノイズの除去効果を高めつつ、ラインフィルタ1を小型化しやすい。
また、本形態の制御部5は、コンデンサ3の接続を並列接続と直列接続との間で切り替える際に、オン状態になっているスイッチ4を、高インピーダンス導通状態にしてから、オフ状態にする(図1~図5参照)。
そのため、電力線2の電圧VBが変動し、コンデンサ3に電流が流れても、この電流は高インピーダンス導通状態になっているスイッチ4を通るため、電流量を抑制できる。したがって、スイッチ4等の電流容量を低減でき、スイッチ4等を小型化しつつ、信頼性を確保することができる。
また、本形態のスイッチ4は、図1に示すごとく、抵抗43と第1スイッチ部41とを直列接続した直列体44と、該直列体44に並列接続した第2スイッチ部42とを備える。
そのため、第1スイッチ部41のみオンすることにより、スイッチ4を、確実に高インピーダンス導通状態にすることができる。
なお、本形態では、スイッチ4として、上述したように、抵抗43と2個のスイッチ部41,42を有するものを用いたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、後述するように、抵抗43を用いず、半導体スイッチング素子のみを用いてスイッチ4を構成し(図32参照)、この半導体スイッチング素子のゲート電圧を調整することによって、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にしても良い。
以上のごとく、本形態によれば、複数のコンデンサの接続を、直列接続と並列接続との間で切り替えたときに、各コンデンサに大きな電流が流れることを抑制できるラインフィルタを提供することができる。
なお、本形態では、2個のコンデンサ3を用いたが、本発明はこれに限るものではなく、3個以上のコンデンサ3を用いて、直並列を切り替えるようにしてもよい。
以下の実施形態においては、図面に用いた符号のうち、実施形態1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施形態1と同様の構成要素等を表す。
(実施形態2)
本形態は、ラインフィルタ1の回路構成を変更した例である。本形態のラインフィルタ1は、図13に示すごとく、コンデンサ3の電流を測定するための電流測定部10を備える。電流測定部10は、シャント抵抗101と、該シャント抵抗101の電圧降下を測定する電圧センサ102とを有する。
本形態の制御部5は、実施形態1と同様に、電力線2の電圧VBが閾値VTHを超えた場合に、2個のコンデンサ3を並列接続から直列接続に切り替える。また、電力線2の電圧VBが閾値VTH以下になった場合には、2個のコンデンサ3を直列接続から並列接続に切り替える。制御部5は、これらの制御の他に、電流測定部10による電流Iの測定値が予め定められた値ITHを超えた場合にも、2個のコンデンサ3を並列接続から直列接続に切り替えたり、直列接続から並列接続に切り替えたりする制御を行う。以下、この制御について説明する。
図13に示すごとく、電力線2の電圧VBが閾値VTH以下である場合は、制御部5は、2個のコンデンサ3を並列接続している。すなわち、2個の並列スイッチ4P,4Nをオン状態にし、直列スイッチ4Sをオフ状態にする。この状態で、電力線2の電圧VBが上昇し始めると、電圧VBが閾値VTHを超える前に、コンデンサ3A,3Bに大きな電流Iが流れ込む場合がある。制御部5は、電流測定部10による電流Iの測定値が所定値ITHを超えた場合は、図14に示すごとく、正側第2スイッチ部42Pをオフし、次いで、図15に示すごとく、負側第2スイッチ部42Nをオフする。これにより、2個の並列スイッチ4P,4Nを高インピーダンス導通状態にする。これによって、大きな電流Iが流れることを抑制する。
その後、制御部5は、正側第1スイッチ部41Pをオフし(図16参照)、次いで負側第1スイッチ部41Nをオフする(図17参照)。その後、図18に示すごとく、直列用第1スイッチ部41Sをオンする。このとき、コンデンサ3の電圧が、直前の値であるVBからVB/2に低減するため、各コンデンサ3から放電電流IDが流れるが、この放電電流IDは抵抗43を通るため、電流値を抑制できる。
次いで、制御部5は、直列用第2スイッチ部42Sをオンする(図19参照)。電力線2の電圧VBが閾値VTHより高い間は、この状態(すなわち、2個のコンデンサ3を直列接続した状態)を維持する。
この後、電圧VBが低下し始めると、電圧VBが閾値VTH以下になる前に、コンデンサ3から大きな放電電流が流れ出すことがある。本形態の制御部5は、電流測定部10による電流Iの測定値が所定値ITHを超えた場合には、図20に示すごとく、直列用第2スイッチ部42Sをオフする。これにより、直列スイッチ4Sを高インピーダンス導通状態にし、大きな放電電流が流れることを抑制する。その後、制御部5は、直列用第1スイッチ部41Sをオフする(図21参照)。
次いで、制御部5は、負側第1スイッチ部41Nをオンし(図22参照)、正側第1スイッチ部41Pをオンする(図23参照)。これにより、2個の並列スイッチ4P,4Nを高インピーダンス導通状態にする。コンデンサ3の電圧は、直前の値であるVB/2からVBに上昇するため、各コンデンサ3に電流IRが流れ込むが、電流IRは高インピーダンス導通状態になっている並列スイッチ4P,4Nを流れるため、電流値を抑制できる。
その後、制御部5は、負側第2スイッチ部42Nをオンし(図24参照)、次いで、正側第2スイッチ部42Pをオンする(図13参照)。
本発明の効果を確認するためのシミュレーションを行った。その結果について説明する。このシミュレーションでは、図25に示す回路を想定した。同図に示すごとく、直流電源7とは別の外部電源79を設け、電源スイッチ78をオンすることにより、外部電源79の電圧(24V)が電力線2に加わるようにした。また、直流電源7の電圧は10Vにした。抵抗43は0.16Ωにし、コンデンサ3の静電容量は800mFにした。
電源スイッチ78をオフからオンに切り替え、電力線2の電圧VBを24Vにした後、電源スイッチ78を再びオフし、電圧VBを10Vに低下させた。そして、図26に示すごとく、電力線2の電圧VB、コンデンサ3の電圧VC、各コンデンサ3A,3Bの電流I3A,I3B,各スイッチ部41,42のオン/オフ動作、正側第1スイッチ部41Pの電流I41P、負側第1スイッチ部41Nの電流I41N、直列用第1スイッチ部41Sの電流I41S、第2スイッチ部42P,42N,42Sの電流I42P,I42N,I42Sの波形を調査した。シミュレーションソフトには、Pspiceを用いた。
図26に示すごとく、時刻t1において電源スイッチ78をオンし、電力線2の電圧VBを上昇させた。また、時刻t2において電源スイッチ78をオフし、電圧VBを低下させた。時刻t0~t1までは、電圧VBが低いため、2個のコンデンサ3は並列に接続されている。時刻t1において電圧VBが上昇すると、各スイッチ部41,42が切り替わり、2個のコンデンサ3が直列接続される。このとき、コンデンサ3から放電電流IDが流れるが、この放電電流IDは抵抗43を通るため、電流量は抑制される(図18参照)。本シミュレーションでは、時刻t1における放電電流IDの最大値は120A程度であることを確認できた。
また、時刻t2において、電圧VBが低下すると、各スイッチ部41,42が切り替わり、2個のコンデンサ3が並列接続される。このとき、コンデンサ3に電流IRが流れ込むが、この電流IRは抵抗43を通るため、電流量は抑制される(図23参照)。本シミュレーションでは、時刻t2における電流IRの最大値は150A程度であることを確認できた。
時刻t1付近の拡大図を図27に示す。同図に示すごとく、時刻t1において電源スイッチ78をオンすると、電圧VBが上昇し始めるため、コンデンサ3の電流I(すなわちI42P,I42N)が増加し始める。この電流Iが所定値を超えたときに、正側第2スイッチ部42P、負側第2スイッチ部42Nをオフする(図15参照)。そのため、これらのスイッチ部42P,42Nの電流I(I42P,I42N)は0Aになる。また、電流Iは、正側第1スイッチ部41P、又は負側第1スイッチ部41Nを通って、抵抗43へ流れる。そのため、これらのスイッチ部41P,41Nの電流I(I41P,I41N)が増加する。この電流I41P,I41Nは抵抗43を通るため、電流値は抑制される。
また、時刻t2付近の拡大図を図28に示す。同図に示すごとく、時刻t2において電源スイッチ78をオフすると、電圧VBが低下し始めるため、コンデンサ3が放電し、電流I(すなわちI42S)が流れ始める。この電流Iが所定値を超えたとき、直列用第2スイッチ部42Sがオフになる(図19、図20参照)。そのため、直列用第2スイッチ部42Sの電流I(I42S)は0Aになる。また、電流Iは、抵抗43を通って直列用第1スイッチ部41Sを流れる。そのため、直列用第1スイッチ部41Sの電流I(I41S)は増加する。電流Iは、抵抗43を通るため、電流量は抑制される。
次に、従来のラインフィルタ1について、同様のシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、図33に示すごとく、抵抗43を有さないスイッチ4を用いて、従来のラインフィルタ1の回路を構成した。スイッチ4は、オン状態とオフ状態とを切り替えることは可能であるが、高インピーダンス導通状態にすることはできない。スイッチ4には、並列スイッチ4P,4Nと直列スイッチ4Sとがある。3個のスイッチ4のうち並列スイッチ4P,4Nのみオンすると、2個のコンデンサ3が並列接続され、直列スイッチ4Sのみオンすると、2個のコンデンサ3が直列接続される。直流電源7及び外部電源79の電圧、及びコンデンサ3の静電容量は、本形態に係るシミュレーションと同一にした。
上記回路において、電源スイッチ78をオンオフし、電力線2の電圧VBを上下させた。そして、図34に示すごとく、電力線2の電圧VBと、コンデンサ3の電圧VCと、並列スイッチ4P,4Nのオンオフ状態と、直列スイッチ4Sのオンオフ状態と、これらのスイッチ4P,4N,4Sに流れる電流I4P,I4N,I4Sを調査した。
図34に示すごとく、時刻t0からt1までは、電力線2の電圧VBが低いため、並列スイッチ4P,4Nをオンして、2個のコンデンサ3を並列接続してある。時刻t1において電圧VBが上昇すると、並列スイッチ4P,4Nがオフになり、直列スイッチ4Sがオンになる。これにより、2個のコンデンサ3を直列接続する。この際、コンデンサ3の放電電流IDが直列スイッチ4Sに流れる。放電電流IDは、本形態のように抵抗43を流れないため、電流値が大きい。シミュレーションでは、放電電流IDの最大値は12000A程度であることが確認できた。
また、時刻t2において電圧VBが下がると、直列スイッチ4Sがオフになり、並列スイッチ4P,4Nがオンになる。これにより、2個のコンデンサ3を並列接続する。この際、コンデンサ3に突入電流IRが流れる。突入電流IRは、本形態のように抵抗43を流れないため、電流値が大きい。シミュレーションでは、突入電流IRの最大値は5000A程度であることを確認できた。
本形態の作用効果について説明する。本形態の制御部5は、電流測定部10による電流の測定値が予め定められた値ITHを超えた場合に、オン状態になっているスイッチ4を高インピーダンス導通状態にする。
そのため、電力線2の電圧VBが閾値VTHに達していないときにも、電流の測定値を用いて、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にすることができる。したがって、スイッチ4をより確実に、速く高インピーダンス導通状態にすることができ、コンデンサ3に大電流が流れることを抑制できる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態3)
本形態は、電気機器8の構成を変更した例である。本形態の電気機器8は、オゾンを発生するためのオゾナイザである。図29に示すごとく、オゾナイザは、直流電源7の直流電力を交流電力に変換するインバータ81と、得られた交流電力を用いて放電を発生する放電リアクタ82とを備える。この放電を用いて、空気中の酸素をオゾンに変化させている。そして、得られたオゾンを用いて、車両の排ガスを変質させている。
インバータ81は、放電期間TDと放電停止期間TSとを交互に切り替える間欠動作を行うよう構成されている。放電期間TDは、交流電力を放電リアクタ82に供給して放電を発生させる期間である。放電停止期間TSは、交流電力の供給を停止し、放電リアクタ82から放電を発生させない期間である。
また、本形態の制御部5は、複数のスイッチ4のうちいずれかを高インピーダンス導通状態にしている間は、電気機器8(すなわちオゾナイザ)の駆動を停止するよう構成されている。
本形態の作用効果について説明する。上述したように、本形態の制御部5は、複数のスイッチ4のうちいずれかを高インピーダンス導通状態にしている間は、電気機器8の駆動を停止するよう構成されている。
このようにすることで、ノイズが外部へ漏出することを、より確実に抑制できる。すなわち、スイッチ4が高インピーダンス導通状態になっている間は、コンデンサ3によってノイズ電流を吸収しにくくなり、ノイズ電流の除去効率が低下する。本形態では、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にしている間は、電気機器8の駆動を停止するため、この間に、電気機器8から外部へノイズが漏出することを抑制できる。
また、本形態の電気機器8は、オゾナイザである。このオゾナイザは、上記放電期間TDと放電停止期間TSとを交互に切り替える間欠動作を行うよう構成されている。
そのため、本発明の効果を十分に発揮することができる。すなわち、放電リアクタ82は、ある程度の電力を供給しないと、放電を開始できない。しかし、例えば車載用のオゾナイザでは、排ガスの排出量が少ないため、オゾンの必要量が少ない場合がある。この場合、放電リアクタ82を放電し続けると、過剰なオゾンが発生してしまう。そのため、上記間欠動作を行うことにより、放電リアクタ82に放電を発生させつつ、過剰なオゾンが生成しないようにすることができる。つまり、連続放電した場合よりも、オゾンの生成量を少なくすることができる。間欠動作を行うと、放電期間TDと放電停止期間TSとを交互に行うため、低周波のノイズが発生しやすい。この低周波のノイズを除去するためには、静電容量の大きいコンデンサ3が必要となるが、静電容量が大きく、かつ耐電圧が大きいコンデンサ3は、大型化しやすい。本形態では、上述したように、コンデンサ3の電圧や充放電電流が閾値よりも大きくなった場合に直列接続に切り替えるため、コンデンサ3を保護することができ、耐電圧の低いコンデンサ3を使用することができる。例えば、電解コンデンサ等のように、耐電圧が低いが、小型で静電容量が大きいコンデンサ3を用いることができる。したがって、ラインフィルタ1を小型化でき、かつ安価にすることができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態4)
本形態は、コンデンサ3の構成を変更した例である。図30に示すごとく、本形態では、複数のコンデンサセル30を直列接続して、コンデンサ3を構成している。個々のコンデンサセル30は、電解コンデンサ、又は、低耐圧大容量の電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等からなる。
上記構成にすると、個々のコンデンサセル30に加わる電圧を低減できる。そのため、コンデンサセル30として、耐電圧が低いものを用いることができ、コンデンサセル30を小型化できる。これにより、コンデンサ3をより小型化することが可能になる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態5)
本形態は、スイッチ4の構成を変更した例である。図31に示すごとく、本形態では、スイッチ部41,42を半導体スイッチング素子(MOSFET)によって構成してある。制御部5は、スイッチ4をオン状態にする場合は、第2スイッチ部42を構成する半導体スイッチング素子のゲート電極に、閾電圧より十分高い電圧を加える。これにより、第2スイッチ部42をオンさせ、スイッチ4をオン状態にする。また、スイッチ4をオフ状態にする場合は、2個のスイッチ部41,42をそれぞれ構成する半導体スイッチング素子のゲート電極に、電圧を加えない。また、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にする場合は、第2スイッチ部42を構成する半導体スイッチング素子のゲート電極に電圧を加えず、第1スイッチ部41を構成する半導体スイッチング素子のゲート電極に、閾電圧より十分高い電圧を加える。これにより、第2スイッチ部42をオフしつつ第1スイッチ部41をオンし、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にする。
本形態の作用効果について説明する。上述したように、本形態では、各スイッチ部41,42を半導体スイッチング素子によって構成してある。半導体スイッチング素子はスイッチング速度が速いため、電力線2の電圧VBが変動した場合に、短時間でスイッチ部41,42の切り替えを行うことができる。そのため、コンデンサ3に大きな電流が流れることを抑制できる。
また、直列スイッチ4Sのスイッチ部41,42は、電流を双方向に遮断できるよう構成されている。より詳しくは、直列スイッチ4Sのスイッチ部41,42は、互いに直列に接続された2個のMOSFETからなる。これら2個のMOSFETのうち一方のMOSFETのボディダイオード411に電流が流れる向きと、他方のMOSFETのボディダイオード412に電流が流れる向きとは、互いに逆向きにされている。
このようにすると、直列スイッチ4Sを確実にオフできる。すなわち、直列スイッチ4Sは、一方の端子413の方が高電位になる場合もあるし、他方の端子414の方が高電位になる場合もある。上記構成にすれば、どちらの端子413,414が高電位になっても、電流がボディダイオード411,412を流れなくなり、確実にオフできる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
なお、本形態の制御部5は、上述したように、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にする場合は、第2スイッチ部42のゲート電極に電圧を加えず(すなわち、第2スイッチ部42をオフし)、第1スイッチ部41のゲート電極に閾電圧より十分高い電圧加える(すなわち、第1スイッチ部41をオンする)が、本発明はこれに限るものではない。例えば、各スイッチ部41,42のゲート電極に、閾電圧より僅かに高い電圧を加え、これにより、各スイッチ部41,42を僅かにオンさせて(すなわち、所謂ハーフオンさせた状態にして)、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にしてもよい。また、第2スイッチ部42をオフし、第1スイッチ部41のみハーフオンさせることにより、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にしてもよい。このように、制御部5によって、半導体スイッチング素子に加えるゲート電圧を制御することにより、スイッチ4を高インピーダンス導通状態にすることができる。
(実施形態6)
本形態は、スイッチ4の構成を変更した例である。図32に示すごとく、本形態では、半導体スイッチング素子(MOSFET)のみを用いて、スイッチ4を構成してある。制御部5は、スイッチ4をオン状態にする場合は、MOSFETのゲート電極に、閾電圧より十分高い電圧を加える。また、スイッチ4をオフ状態にする場合は、ゲート電極に電圧を加えない。高インピーダンス導通状態にする場合は、ゲート電極に、閾電圧より僅かに高い電圧を加える。これにより、MOSFETを僅かにオンさせ、僅かに電流が流れるようにする。
本形態の作用効果について説明する。本形態では、半導体スイッチング素子のみを用いて、スイッチ4を構成してある。制御部5は、この半導体スイッチング素子に加えるゲート電圧を制御することにより、上記スイッチ4を上記高インピーダンス導通状態にするよう構成されている。
このようにすると、スイッチ4の構成を簡素にすることができる。そのため、ラインフィルタ1の製造コストを低減できる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 ラインフィルタ
2 電力線
3 コンデンサ
4 スイッチ
40 直並列切替回路
5 制御部
6 電圧測定部
7 直流電源
8 電気機器

Claims (12)

  1. 直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
    該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
    前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
    個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
    前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
    個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
    前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
    前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されていると共に、前記オン状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オフ状態にするよう構成されている、ラインフィルタ(1)。
  2. 前記コンデンサに流れる電流を測定する電流測定部(10)をさらに備え、前記制御部は、前記電流測定部による前記電流の測定値が予め定められた値を超えた場合に、前記オン状態になっている前記スイッチを前記高インピーダンス導通状態にするよう構成されている、請求項1に記載のラインフィルタ。
  3. 個々の前記スイッチは、オンオフ動作可能に構成された第1スイッチ部(41)と抵抗(43)とを直列接続した直列体(44)と、該直列体に並列接続しオンオフ動作可能に構成された第2スイッチ部(42)とを備える、請求項1又は2に記載のラインフィルタ。
  4. 個々の前記スイッチ部は半導体スイッチング素子からなる、請求項に記載のラインフィルタ。
  5. 前記スイッチとして、前記コンデンサの正電極と、他の前記コンデンサの負電極との間に設けられ、前記複数のコンデンサを直列接続する際に前記オン状態にされる直列スイッチ(4 S )を備え、該直列スイッチの前記スイッチ部は、前記半導体スイッチング素子からなり、双方向に電流を遮断可能に構成されている、請求項4に記載のラインフィルタ。
  6. 直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
    該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
    前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
    個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
    前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
    個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
    個々の前記スイッチは、オンオフ動作可能に構成された第1スイッチ部(41)と抵抗(43)とを直列接続した直列体(44)と、該直列体に並列接続しオンオフ動作可能に構成された第2スイッチ部(42)とを備え、個々の前記スイッチ部は半導体スイッチング素子からなり、
    前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
    前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されており、
    前記スイッチとして、前記コンデンサの正電極と、他の前記コンデンサの負電極との間に設けられ、前記複数のコンデンサを直列接続する際に前記オン状態にされる直列スイッチ(4S)を備え、該直列スイッチの前記スイッチ部は、前記半導体スイッチング素子からなり、双方向に電流を遮断可能に構成されている、ラインフィルタ(1)
  7. 前記制御部は、前記半導体スイッチング素子に加えるゲート電圧を制御することにより、前記スイッチを前記高インピーダンス導通状態にするよう構成されている、請求項4~6のいずれか一項に記載のラインフィルタ。
  8. 個々の前記スイッチは半導体スイッチング素子からなり、前記制御部は、前記半導体スイッチング素子に加えるゲート電圧を制御することにより、前記スイッチを前記高インピーダンス導通状態にするよう構成されている、請求項1又は2に記載のラインフィルタ。
  9. 前記制御部は、前記複数のスイッチのうちいずれかを前記高インピーダンス導通状態にしている間は、前記電気機器の駆動を停止させる、請求項1~8のいずれか一項に記載のラインフィルタ。
  10. 前記電気機器は、前記直流電源から供給される直流電力を交流電力にするインバータ(81)と、前記交流電力を用いて放電を発生する放電リアクタ(82)とを有し、前記放電によりオゾンを生成するオゾナイザであり、前記インバータは、前記交流電力を前記放電リアクタに供給して前記放電を発生させる放電期間と、前記交流電力の供給を停止して前記放電リアクタから前記放電を発生させない放電停止期間とを交互に切り替える間欠動作を行うよう構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のラインフィルタ。
  11. 直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
    該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
    前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
    個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
    前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
    個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
    前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
    前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されており、前記複数のスイッチのうちいずれかを前記高インピーダンス導通状態にしている間は、前記電気機器の駆動を停止させる、ラインフィルタ(1)。
  12. 直流電源(7)と電気機器(8)とを電気接続する一対の電力線(2)と、
    該一対の電力線の間の電圧を測定する電圧測定部(6)と、
    前記一対の電力線の間に電気的に接続された複数のコンデンサ(3)と、
    個々の該コンデンサに直列に接続された複数のスイッチ(4)を有し、該複数のスイッチのうち、電流が流れるオン状態になっている該スイッチと、電流が流れないオフ状態になっている該スイッチとの組み合わせを変更することにより、前記複数のコンデンサの接続を、並列接続と直列接続との間で切り替える直並列切替回路(40)と、
    前記スイッチの動作制御を行う制御部(5)とを備え、
    個々の前記スイッチは、前記オン状態と、前記オフ状態と、電流が流れ前記オン状態よりもインピーダンスが高い高インピーダンス導通状態との、3種類の状態をとり得るよう構成され、
    前記制御部は、前記電圧測定部による前記電圧の測定値が予め定められた閾値より低い場合には、前記複数のコンデンサを前記並列接続にし、前記電圧の測定値が前記閾値を超えた場合には、前記複数のコンデンサを前記直列接続にし、
    前記制御部は、前記複数のコンデンサの接続を前記並列接続と前記直列接続との間で切り替える際に、前記オフ状態になっている前記スイッチを、前記高インピーダンス導通状態にしてから、前記オン状態にするよう構成されており、
    前記電気機器は、前記直流電源から供給される直流電力を交流電力にするインバータ(81)と、前記交流電力を用いて放電を発生する放電リアクタ(82)とを有し、前記放電によりオゾンを生成するオゾナイザであり、前記インバータは、前記交流電力を前記放電リアクタに供給して前記放電を発生させる放電期間と、前記交流電力の供給を停止して前記放電リアクタから前記放電を発生させない放電停止期間とを交互に切り替える間欠動作を行うよう構成されている、ラインフィルタ(1)。
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