JP7074998B2 - エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体 - Google Patents
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Description
特許文献2には、耐熱性に優れ、かつ高温での耐ひび割れ性を改良することを目的として、エチレンから誘導された繰り返し単位、テトラフルオロエチレンから誘導された繰り返し単位及び特定のフルオロビニル化合物から誘導された繰り返し単位を含んで成るエチレン-テトラフルオロエチレン系共重合体が記載されている。
PIA/(PIB+PIC+PID+PIE+PIF+PIG+PIH)≧0.60 (2)
PIA:-CF2H基に由来する振動のピーク強度
PIB:-CF2CH2COF基に由来する振動のピーク強度
PIC:-COF基に由来する振動のピーク強度
PID:-COOH基に由来する振動のピーク強度
PIE:-CF2COOH基の二量体とCF2CH2COOH基の単量体に由来する振動のピーク強度
PIF:-COOCH3基に由来する振動のピーク強度
PIG:-CONH2基に由来する振動のピーク強度
PIH:-CH2OH基に由来する振動のピーク強度
本発明のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、エチレンに基づく重合単位(a)、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(b)及びエチレン及びテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体に基づく重合単位(c)を含むことが好ましい。
上記重合単位(c)は、下記一般式(A1):
CH2=CXY (A1)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。Yは、フルオロアルキル基を表す。)で表される単量体に基づく重合単位であることが好ましい。
本発明の成形品は、フィルム又はシートであることが好ましい。
本発明は更に、芯線と、上記エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる被覆材とを有することを特徴とする電線でもある。
上記熱分解開始温度は、示差熱・熱重量測定装置を用いて、空気雰囲気下で10℃/分で昇温し、フルオロポリマーの質量が1質量%減少するときの温度である。
上記イエローインデックスは、ASTM-D1925に準じて測定する。イエローインデックスの測定は、例えば、300℃、3.0MPaGの条件でプレス成型した厚さ1.5mmのフィルムを用いて実施することができる。
75≦tanδ(60)/tanδ(5)×100≦225 (1)
tanδ(5):空気雰囲気下の320℃における動的粘弾性測定において、測定開始から5分後の損失正接
tanδ(60):空気雰囲気下の320℃における動的粘弾性測定において、測定開始から60分後の損失正接
上記溶融開始時は、測定温度雰囲気下の加熱炉の中にETFEを入れた時の時間である。
上記空気雰囲気とは、例えば、通常の空気(酸素濃度は約20体積%)雰囲気である。
PIA/(PIB+PIC+PID+PIE+PIF+PIG+PIH)≧0.60 (2)
PIA:-CF2H基に由来する振動のピーク強度
PIB:-CF2CH2COF基に由来する振動のピーク強度
PIC:-COF基に由来する振動のピーク強度
PID:-COOH基に由来する振動のピーク強度
PIE:-CF2COOH基の二量体とCF2CH2COOH基の単量体に由来する振動のピーク強度
PIF:-COOCH3基に由来する振動のピーク強度
PIG:-CONH2基に由来する振動のピーク強度
PIH:-CH2OH基に由来する振動のピーク強度
上記ピーク強度は、ETFEを300℃、3.0MPaGの条件でプレス成型した厚さ200μmのフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)にて測定した。
各末端基に由来する振動のピークとしては、2950~3000cm-1を1.5Åに規格化したのち、下記吸収周波数のピークを採用した。
-CF2H基:3010cm-1
-CF2CH2COF基:1846cm-1
-COF基:1884cm-1
-COOH基:1813cm-1
-CF2COOH基の二量体と-CF2CH2COOH基の単量体:1760cm-1
-COOCH3基:1795cm-1
-CONH2基:3438cm-1
-CH2OH基:3648cm-1
-CH2-基:2975cm-1
ここで、エチレンに基づく重合単位(a)とは、-CH2CH2-で表される繰り返し単位を表し、TFEに基づく重合単位(b)とは、-CF2CF2-で表される繰り返し単位を表している。
エチレン及びTFEと共重合可能な単量体に基づく重合単位(c)の含有割合は、重合単位(a)及び重合単位(b)の合計に対して0~10.0モル%であることが好ましい。
ここで、エチレン及びTFEと共重合可能な単量体に基づく重合単位(c)とは、当該単量体が共重合して重合体の構成の一部となった場合の、重合体中の当該単量体に由来する構造部分を表している。
CH2=CXY (A1)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。Yは、フルオロアルキル基を表す。)で表される(フルオロアルキル)エチレン等が挙げられる。
すなわち、上記ETFEは、エチレンに基づく重合単位(a)、TFEに基づく重合単位(b)及び下記一般式(A1):
CH2=CXY (A1)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。Yは、フルオロアルキル基を表す。)で表される単量体に基づく重合単位からなるものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
なお、上記一般式(A1)で表される単量体に基づく重合単位は、-CH2-CXY-で表される繰り返し単位を表している。
CH2=CX-(CF2)nZ (A2)
(式中、X及びZは、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子を表す。nは、2~8の整数である。)で表される単量体であることが好ましい。
融点は、示差走査熱量計を用い、ASTM D-4591に準拠して昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、得られた吸熱曲線のピークの温度である。
MFRは、ASTM D3307-01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、297℃、5Kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)である。
連続添加とは、重合開始から重合終了まで中断することなく連続的に添加することをいい、分割添加とは、重合開始から重合終了まで複数回に分割して逐次添加することをいう。
log10(Mh/Mf)≦1.0 (3)
Mh:重合開始剤を投入してから1時間後のメルトフローレート値
Mf:重合により得られたエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体のメルトフローレート値
上記Mhは、重合開始剤を投入してから1時間後のメルトフローレート値である。上記Mhは、例えば、重合開始剤を投入してから1時間後に、重合中のETFEを6g採取し、洗浄、乾燥を行って得られたETFE粉末について、上述したMFRの測定方法により得られる値である。
上記Mfは、重合により得られたエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体のメルトフローレート値であり、上述した297℃でのメルトフローレートである。
すなわち、本発明のETFEは、重合開始剤を用いて、エチレンとTFEとを重合することにより得られ、前記重合が上記式(3)を満たすものであることが好ましい。通常、メルトフローレート値は重合の進行とともに低下していくが、重合開始剤を投入してから1時間後のメルトフローレート値、すなわち、メルトフローレート値が高い初期段階の値と、メルトフローレート値が低い重合終了後のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の値との比が式(2)を満足することによって、溶融加工性に優れ、かつ耐熱性に優れるETFEを製造することができる。
上記成形品の用途としては特に限定されず、例えば、各種フィルム又はシート、袋、電線の被覆材、飲料用容器等の食器類、ケーブル、パイプ、繊維、ボトル、ガソリンタンク、その他の各種産業用成形品等が挙げられる。中でも、フィルム又はシートが好ましい。
上記フィルム又はシートとしては、太陽電池用バックシート、航空機離型フィルム、半導体離型フィルム、高耐候性シート等に好適である。
本発明は、芯線と、本発明のETFEを含む被覆材とを有する電線でもある。本発明の電線は、上記被覆材を有することによって、導体の径及びETFEの被覆厚さは、適宜選定できるが、耐熱電線として使用可能であり、更に、耐熱性に優れるため、例えば、UL規格758の150℃や200℃の耐熱規格基準を満たしたり、欧州自動車電線規格LV-112のClassEの基準を満たすことも可能である。
核磁気共鳴装置AC300(Bruker-Biospin社製)を用い、測定温度をポリマーの融点+20℃として19F-NMR測定を行い、各ピークの積分値で求めた。
示差走査熱量計RDC220(Seiko Instruments社製)を用い、ASTM D-4591に準拠して昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、得られた吸熱曲線のピークから融点を求めた。
MFRは、ASTM D3307-01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、297℃、5Kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)をMFRとした。
熱分解開始温度は、示差熱・熱重量測定装置TG/DTA6200あるいはTG/DTA7200(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、空気雰囲気下で10℃/分で昇温し、フルオロポリマーの質量が1質量%減少するときの温度を熱分解開始温度とした。
加熱炉を有する回転式レオメータ(MCR302,Anton Peer社製)を用いて、空気雰囲気下における、測定温度320℃においてのETFEの溶融開始時から5分後及び60分後の損失正接tanδを測定し、それぞれtanδ(5)及びtanδ(60)とした。条件として、直径25mmの平行円盤を使用し、測定ギャップは1.0mm、周波数は1rad/s、測定歪は3%とした。上記溶融開始時は、測定温度雰囲気下の加熱炉の中に樹脂を入れた時の時間とした。
電気炉を用い、以下の手順で揮発分(重量%)を測定した。
サンプルを精密天秤(0.1mgまで測定できるもの)を使用し、あらかじめ330℃で1時間空焼きしておいたアルミカップ(重量をAとする)に10±0.1gの範囲内になるように精秤する(全体の重量をBとする)。
測定1サンプルにつき、2個を準備する。この時、揮発分がわかっている標準サンプルも同時に計量し、レファレンスとする。これを330℃に温調しておいた電気炉に入れる。入れた時点から1時間後に、電気炉内を150℃まで冷却し、その後取り出しサンプル重量を精秤する(この重量をCとする)。
以下の式により、サンプルの330℃、1時間での重量減少を計算し、揮発分(重量%)とする。
揮発分(重量%)=[(B-C)/(B-A)]×100
300℃、3.0MPaGの条件でプレス成型した厚さ1.5mmのフィルムを232℃で168時間加熱し、加熱前後のイエローインデックスを測色色差系ZE6000(日本電色工業株式会社製)で規格ASTM-D1925に準じて、測定した。
また、電気炉を用い、330℃で1時間の条件で焼成して着色を目視で確認した。表中の評価基準は以下の通りである。
○・・・着色なし(白色)
△・・・わずかに着色(淡黄色)
×・・・着色(茶色・褐色)
実施例及び比較例で得られたETFEを用い、300℃、3.0MPaGの条件でプレス成型した厚さ200μmのフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)にて測定した。
各末端基に由来する振動のピークとしては、2950~3000cm-1を1.5Åに規格化したのち、下記吸収周波数のピークを採用した。
-CF2H基:3010cm-1
-CF2CH2COF基:1846cm-1
-COF基:1884cm-1
-COOH基:1813cm-1
-CF2COOH基の二量体と-CF2CH2COOH基の単量体:1760cm-1
-COOCH3基:1795cm-1
-CONH2基:3438cm-1
-CH2OH基:3648cm-1
-CH2-基:2975cm-1
β=PIA/(PIB+PIC+PID+PIE+PIF+PIG+PIH)
PIA:-CF2H基に由来する振動のピーク強度
PIB:-CF2CH2COF基に由来する振動のピーク強度
PIC:-COF基に由来する振動のピーク強度
PID:-COOH基に由来する振動のピーク強度
PIE:-CF2COOH基の二量体とCF2CH2COOH基の単量体に由来する振動のピーク強度
PIF:-COOCH3基に由来する振動のピーク強度
PIG:-CONH2基に由来する振動のピーク強度
PIH:-CH2OH基に由来する振動のピーク強度
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1214gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にオクタフルシクロブタン(以後「C318」と表記)878gとTFE303g、エチレン8.8g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)6.75g、シクロヘキサン2gを投入し、オートクレーブを28℃に加温した。次に8%のジ(ω-ヒドロパーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド(以下「DHP」と略す)パーフルオロヘキサン溶液15.7gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン=57.0/43.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.2MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量23.7gを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始から1時間30分後、3時間後、4時間30分後に8%DHPパーフルオロヘキサン溶液7.8gを追加投入し、その後1時間30分毎に3.9g追加投入した。また、重合開始から1時間30分毎に3回シクロヘキサン1.5gを追加投入した。重合開始10時間30分後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して、MFR45.7g/10分のフッ素樹脂の粉末252gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1214gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 878gとTFE303g、エチレン8.8g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)6.75g、シクロヘキサン3gを投入し、オートクレーブを28℃に加温した。次に8%のDHPパーフルオロヘキサン溶液11.7gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン=58.0/42.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.2MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量25.0gを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始から2時間後、4時間後に8%DHPパーフルオロヘキサン溶液7.8gを追加投入し、その後100分毎に1.7g追加投入した。また、重合開始から2時間毎に2回シクロヘキサン1.0g、重合開始から5時間40分後に1.0g追加投入した。重合開始9時間57分後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して、MFR30.1g/10分のフッ素樹脂の粉末250gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1214gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 878gとTFE306g、エチレン8.8g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)6.75g、シクロヘキサン2.5gを投入し、オートクレーブを28℃に加温した。次に8%のDHPパーフルオロヘキサン溶液12.1gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン=58.0/42.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.2MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量15.8gを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始から2時間後に8%DHPパーフルオロヘキサン溶液12.1g、4時間後に8%DHPパーフルオロヘキサン溶液を6.8gを追加投入し、その後100分毎に1.7g追加投入した。また、重合開始から2時間後、4時間後にシクロヘキサン1.75g追加投入した。重合開始7時間45分後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して、MFR43.5g/10分のフッ素樹脂の粉末252gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1214gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 878gとTFE284g、エチレン11.2g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)5.82g、シクロヘキサン5.0gを投入し、オートクレーブを28℃に加温した。次に8%のDHPパーフルオロヘキサン溶液7.8gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン=56.0/44.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.2MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量12.0gを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始から1時間30分毎に8%DHPパーフルオロヘキサン溶液7.8gを3回、3.9gを3回追加投入した。また、重合開始から1時間30分毎にシクロヘキサン0.5g追加投入した。重合開始9時間8分後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して、MFR14.0g/10分のフッ素樹脂の粉末254gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1215gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 878gとTFE266g、エチレン13.7g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)5.2g、シクロヘキサン7gを投入し、オートクレーブを28℃に加温した。次に8%のDHPパーフルオロヘキサン溶液7.9gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン=54.8/45.2モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.2MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量12.5gを連続して仕込んで重合を継続した。8%DHPパーフルオロヘキサン溶液を、重合開始から1時間30分後に7.9g、3時間後に7.8g、4時間30分後に3.9g追加投入した。重合開始8時間18分後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して、MFR14.7g/10分のフッ素樹脂の粉末256gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1214gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 878gとTFE266g、エチレン13.5g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)5.22g、シクロヘキサン8.5gを投入し、オートクレーブを28℃に加温した。次に8%のDHPパーフルオロヘキサン溶液7.86gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/エチレン=54.7/45.3モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.2MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量12.5gを連続して仕込んで重合を継続した。8%DHPパーフルオロヘキサン溶液を、重合開始から1時間30分後に7.9g、3時間後に7.8g追加投入し、その後1時間30分毎に3.9g追加投入した。重合開始8時間59分後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して、MFR18.5g/10分のフッ素樹脂の粉末255gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(容積4.11L)に脱イオン水1280gを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 891gとTFE225g、エチレン9.4g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)6.1g、シクロヘキサン4.1gを投入し、オートクレーブを35℃に加温した。その後にジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(以下「NPP」と略す)6.98gをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン=55.0/45.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.20MPaGに保った。そして、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量6.13gを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始4時間52分後、放圧して大気圧に戻し、溶媒と重合水を除去後、蒸留水957.1gと28%アンモニア42.9gを仕込み、撹拌回転数を30rpmで維持しながら、槽内温度80℃で5時間反応させ、冷却後、水洗、乾燥して、MFR16.0g/10分のフッ素樹脂粉末125gをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(内容積1000L)に脱イオン水416Lを投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 287kg、テトラフルオロエチレン76.1kg、エチレンを2.4kg、(パーフルオロヘキシル)エチレン1.47kg、シクロヘキサン0.83kgを投入し、オートクレーブを35℃に加温した。その後にNPP3.1kgをオートクレーブ内に投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン=57.0/43.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.20MPaGに保った。そして、(パーフルオロヘキシル)エチレンについても合計量19.1kgを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始3.5時間後にMFR調節のためにシクロヘキサン330gを追加し、さらに重合開始11.8時間後にシクロヘキサン1.0kgを追加し、重合開始22時間後、放圧して大気圧に戻し、溶媒と重合水を除去後、脱イオン水400kgと28%アンモニア水9kgを仕込み、撹拌回転数を30rpmで維持しながら、槽内温度80℃で5時間反応させ、冷却後、水洗、乾燥して、MFR4.4g/10分のフッ素樹脂粉末250kgをえた。
撹拌機付きオートクレーブ(内容積175L)に脱イオン水54.5kg投入し、オートクレーブ内を十分に真空窒素置換した。その後、オートクレーブ内を真空脱気し、真空状態となったオートクレーブ内にC318 37.6kg、テトラフルオロエチレン10.3kg、エチレンを0.31kg、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)を164.4g、シクロヘキサン205gを投入し、オートクレーブを35℃に加温した。その後にジ-セカンダリーブチルパーオキシカーボネート(以下「SBP」と略す)299.8gを投入して重合を開始した。重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.2MPaGに設定し、重合の進行と共に系内の圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン=57.5/42.5モル%の混合ガスを連続して供給し、系内の圧力を1.20MPaGに保った。そして(パーフルオロヘキシル)エチレンについても合計量1.02kgを連続して仕込んで重合を継続した。重合開始15時間後、放圧して大気圧に戻し、溶媒と重合水を除去後、脱イオン水44.7kgと28%アンモニア水1.3kgを仕込み、撹拌回転数を150rpmで維持しながら、槽内温度80℃で5時間反応させ、冷却後、水洗、乾燥して、MFR39.0g/10分のフッ素樹脂粉末32.6kgをえた。
脱気した撹拌機付きオートクレーブ(内容積10L)のオートクレーブにトリクロロモノフルオロエタン10kg、メタノール51g、1,1,1-トリクロロトリフルオロエタン5.1kg、テトラフルオロエチレン1.2kg、エチレン82g、(パーフルオロブチル)エチレン47gを投入し、オートクレーブを65℃に加温した。その後にt-ブチルパーオキシイソブチレート2.4gを投入して重合を開始した。
重合開始時点のオートクレーブの内部圧力を1.47MPaGに設定し、重合の進行と共に系内圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン=53.4/46.6モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.47MPaGに保った。そして、(パーフルオロブチル)エチレンについても合計量36.7gを連続して仕込みながら、11時間攪拌を継続した。冷却して重合を停止し、モノマーをパージしてポリマーの分散液をえた。この分散液を濾過、水洗、乾燥してMFR29.0g/10分のフッ素樹脂の粉末690gをえた。
Claims (6)
- 熱分解開始温度が370℃以上であり、かつ、イエローインデックス値が-40以下であり、232℃で168時間加熱後のイエローインデックス変化度が100以下であり、
エチレンに基づく重合単位(a)、及び、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(b)を有し、エチレンに基づく重合単位(a)とテトラフルオロエチレンに基づく重合単位(b)とのモル%比(a)/(b)が44~41/56~59であり、
下記一般式(A2):
CH 2 =CX-(CF 2 ) n Z (A2)
(式中、X及びZは、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子を表す。nは、2~8の整数である。)
で表される単量体に基づく重合単位(c)を有し、重合単位(c)の含有割合が重合単位(a)及び重合単位(b)の合計に対して0.1~8.0モル%であることを特徴とするエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体。 - フーリエ変換赤外分光法で測定された-CF2H基、-CF2CH2COF基、-COF基、-COOH基、-CF2COOH基の二量体とCF2CH2COOH基の単量体、-COOCH3基、-CONH2基及び-CH2OH基に由来する振動のピーク強度が下記式(2)を満たす請求項1記載のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体。
PIA/(PIB+PIC+PID+PIE+PIF+PIG+PIH)≧0.60 (2)
PIA:-CF2H基に由来する振動のピーク強度
PIB:-CF2CH2COF基に由来する振動のピーク強度
PIC:-COF基に由来する振動のピーク強度
PID:-COOH基に由来する振動のピーク強度
PIE:-CF2COOH基の二量体とCF2CH2COOH基の単量体に由来する振動のピーク強度
PIF:-COOCH3基に由来する振動のピーク強度
PIG:-CONH2基に由来する振動のピーク強度
PIH:-CH2OH基に由来する振動のピーク強度 - 297℃でのメルトフローレートが0.1~60.0g/10分である請求項1又は2記載のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体。
- 請求項1、2又は3記載のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を成形して得られることを特徴とする成形品。
- フィルム又はシートである請求項4記載の成形品。
- 芯線と、請求項1、2又は3記載のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる被覆材とを有することを特徴とする電線。
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