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JP7074424B2 - 発光装置 - Google Patents

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JP7074424B2
JP7074424B2 JP2017021076A JP2017021076A JP7074424B2 JP 7074424 B2 JP7074424 B2 JP 7074424B2 JP 2017021076 A JP2017021076 A JP 2017021076A JP 2017021076 A JP2017021076 A JP 2017021076A JP 7074424 B2 JP7074424 B2 JP 7074424B2
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Description

本発明は、発光装置に関する。
近年、透光性を有する有機発光ダイオード(OLED)が開発されている。特許文献1には、透光性のOLEDの一例について記載されている。このOLEDは、基板、第1電極、有機層、及び複数の第2電極を備えている。第1電極及び有機層は、基板上で順に積層されている。複数の第2電極は、有機層上でストライプ状に配置されている。OLEDの外部からの光は、隣り合う第2電極の間の領域を透過することができる。これにより、OLEDは、透光性を有している。
また、発光装置の用途の一つに、車載用の光源がある。例えば特許文献2には、車両のリアウインドウに取り付けられる標識用のOLEDにおいて、OLEDが視界を遮らないようにするために、金属光沢面を有する背面側電極層をストライプにすることが記載されている。
特開2013-149376号公報 特開2015-195173号公報
例えば上記した標識用のOLEDのように、発光装置を透光性の基材に取り付けて使用することがある。この場合、基材の傾斜角度によって、どのような発光装置をどの様な構造で基材に取り付ければ、発光装置の特性が低下しないかが変わる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題としては、発光装置を基材に取り付けた発光システムにおいて、発光装置の特性が低下しないようにすることが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、共振構造を有する発光部、及び透光部を有する発光装置と、
垂直面に対する角度が第1角度であり、透光率が40%以上の基材と、
前記発光装置と前記基材とを互いに固定する光透過性の固定層と、
を備え、
前記第1角度は20度以下である発光システムである。
請求項6に記載の発明は、共振構造を有する発光部、及び透光部を有する発光装置と、
垂直面に対する角度が第1角度であり、透光率が40%未満の基材と、
前記発光装置と前記基材とを互いに固定する透光性の固定部材と、
を備え、
前記第1角度は40度以下である発光システムである。
請求項9に記載の発明は、共振構造を有する発光部、及び透光部を有する発光装置と、
前記発光装置に対する角度が第2角度であり、透光率が40%未満の基材と、
前記発光装置と前記基材の間の空洞の空間に面し、当該空間に面する部分に吸光面を有する吸光部と、
を備え、
前記第2角度は30度以上である発光システムである。
第1の実施形態に係る発光システムの構成を示す図である。 情報処理装置の機能構成を示す図である。 発光装置の要部の平面図の一例である。 図3のA-A断面の一例である。 共振器構造を有する発光部の断面の一例である。 共振器構造を有する発光部の断面の一例である。 基材に対する発光装置の取付構造の例を示す図である。 垂直面に対する基材の傾斜角度と特性の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 設置情報記憶部のデータの構成の一例をテーブル形式で示す図である。 発光システムに求められる各特性の基材の角度依存性を示したグラフである。 発光システムに求められる各特性の基材の角度依存性を示したグラフである。 設置情報記憶部のデータの構成の一例をテーブル形式で示す図である。 発光システムに求められる各特性の基材の角度依存性を示したグラフである。 発光システムに求められる各特性の基材の角度依存性を示したグラフである。 設置情報記憶部のデータの構成の一例をテーブル形式で示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発光システムの構成を示す図である。本実施形態に係る発光システムは、発光装置10及び基材12を有している。発光装置10は、詳細を後述するように、発光部及び透光部を有しているため、非発光の状態では、肉眼では透明に見える。基材12は、例えば透光性の板状の部材であり、例えば車両の窓や建築物の窓にはめ込まれている。基材12は例えばガラスや樹脂を用いて形成されている。構造物が車両の場合、基材12は、例えばフロントガラス、リアガラス、又はサイドガラスである。
なお、基材12の透光率すなわち可視光線透過率は、さまざまである。例えば遮光したい場所に基材12が使われている場合、基材12の可視光線透過率は、例えば40%未満、好ましくは35%以下である。一方、可視光を透過したい場所に基材12が使われている場合、基材12の可視光透過率は、例えば40%以上、好ましくは60%以上である。ここで、可視光線透過率は、例えばJIS R3106に規定された方法によって測定される。
基材12は、用途によっては垂直面から傾いていることがある。このような基材12に対して、発光装置10を、発光装置10の発光面がほぼ垂直となるように取り付けることがある。このような場合、基材12に対する発光装置10の取付方法、及び発光装置10の構造の選択によっては、発光システムに求められる特性が十分に満たされなくなる可能性がある。これに対し、本実施形態では、図2に示す情報処理装置20を用いることにより、最適な発光装置10の取り付け方及び発光装置10の構造を選択することができる。
以下、垂直面に対して基材12が成す角度を第1角度θ、基材12に対して発光装置10が成す角度をθとする。
図2は、情報処理装置20の機能構成を示す図である。情報処理装置20は、上記したように基材12に発光装置10を取り付ける際に使用され、設置情報記憶部210、入力部220、設置情報出力部230、及び表示部240を有している。
設置情報記憶部210は、詳細を後述するように、基材12の角度別に設置情報を記憶している。設置情報は、基材12に対する発光装置10の取付構造に関する情報(以下、取付情報と記載)、及び発光装置10の発光特性を示す情報(以下、発光情報と記載)の少なくとも一方(好ましくは双方)を含んでいる。
入力部220は、基材12の傾斜角度を取得する。この傾斜情報は、例えば後述する入力デバイスを介してユーザによって入力される。この入力には、画面上で複数の情報から一つの情報を選択することも含まれる。設置情報出力部230は、入力部220に入力された傾斜角度に対応する設置情報を設置情報記憶部210から読み出し、表示部240に出力する。表示部240は、設置情報出力部230によって入力された設置情報を表示する。
そして発光システムを製造する作業者は、表示部240に表示された設置情報に従って、基材12に発光装置10を取り付ける。
なお、図2は情報処理装置20の機能構成を示した図である。情報処理装置20をハードウェアとしてみた場合、情報処理装置20は、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、通信インターフェース、入出力インターフェース、表示デバイスなどを有している。これらの各部品は、例えばバスを用いて接続されているが、これに限定されない。
プロセッサは、マイクロプロセッサなどを用いて実現される演算処理装置である。メモリは、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現されるメモリである。ストレージデバイスは、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどを用いて実現されるストレージデバイスである。
入出力インタフェースは、情報処理装置20を周辺機器と接続するためのインタフェースである。例えば、入出力インタフェースには、キーボードやマウスなどの入力デバイス、ディスプレイ装置やスピーカーなどの出力装置、及びそれらが一体となったタッチパネルの少なくとも一つが接続される。
通信インタフェースは、情報処理装置20を通信網に接続するためのインタフェースである。情報処理装置20は、通信インタフェースを複数有していてもよい。
ストレージデバイスは、情報処理装置20の各機能構成部を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサは、このプログラムモジュールをメモリに読み出して実行することで、情報処理装置20の各機能構成部の機能を実現する。
表示デバイスは、例えば、上記したタッチパネル、又はタッチパネル機能を有さない表示パネル(例えば液晶パネルや有機ELパネル)である。表示デバイスは、図2における表示部の少なくとも一部である。
図3は、発光装置10の要部の平面図の一例である。図4は、図3のA-A断面の一例を示している。発光装置10は、基板100を用いて形成されており、複数の発光部140を有している。発光部140は、第1電極110、有機層120、及び第2電極130を積層した構成、すなわち有機EL素子を有している。第1電極110は透光性の電極であり、第2電極130は遮光性または光反射性の電極(例えば金属電極)である。そして、有機層120は、複数の有機層を積層した構成を有している。具体的には、有機層120は、少なくとも発光層を有しているが、その他、電子輸送層(又は電子注入層)や正孔輸送層(又は正孔注入層)などを有している。
そして、発光装置10の発光面(光が射出する面)は、基板100のうち発光部140とは逆側の面となるいわゆるボトムエミッションの構成となっている。ここで、発光面が基板100のうち発光部140が形成される面となるトップエミッションの構成となっていてもよい。発光装置10の逆側の面は、非発光面(光が射出しない面)となっている。ただし、発光装置10の非発光面に、発光部140からの光の一部が漏れる場合(漏れ光が発生する場合)もある。この漏れ光(第2光)は、発光面から出る光(第1光)の光度と比較して小さいが、発光装置10の用途によっては、この漏れ光を少なくすること(例えば第1光の光度の5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下)が望まれる。
図4に示す例において、発光部140は絶縁層150によって画定されている。そして、図3に示す例において、発光部140は線状、例えば直線状に延在している。透光部は、隣り合う発光部140の間に位置している。言い換えると、発光装置10は、発光部140及び透光部を交互に複数有している。
透光部は基板100のうち第2電極130と重ならない領域である。図3,4に示す例において、透光部は、第2領域104及び第3領域106を有している。第2領域104は、透光部のうち絶縁層150と重なる領域であり、第3領域106は、透光部のうち絶縁層150と重ならない領域である。第3領域106は、絶縁層150を有していないため、第2領域104と比較して可視光透過率が高い。ただし、発光装置10が絶縁層150を有していない場合もある。この場合、透光部の全体が第3領域106となる。
発光部140が図4に示す構成を有している場合、発光装置10の配光特性はランバーシアンに近くなる。この場合、発光装置10の発光光度の半値角は、例えば60度以上180度以下となる。ここで、半値角と発光光度が半分になる左右方向の角度を表す。片側のみの場合は上述の範囲を半分とすればよい。
一方、発光部140は、共振器構造を有することもできる、図5及び図6は、それぞれ、共振器構造を有する発光部140の断面の一例であり、図4の点線αで囲んだ部分を拡大した図に相当している。
発光部140が共振器構造となるためには、発光層を反射層172と半透過反射層174で挟む必要がある。図5及び図6の例のいずれにおいても、第2電極130が反射層172を兼ねており、また、半透過反射層174は、第1電極110と基板100の間に位置している。
図5に示す例において、半透過反射層174は、薄い金属層、例えばAg膜、Au膜、Ag合金膜又はAu合金膜である。そして半透過反射層174の厚さは、例えば第2電極130の厚さよりも薄く、例えば5nm以上50nm以下である。また、反射層172は、第2電極130が兼ねている。この場合、第2電極130は、例えばAg膜、Au膜、Ag合金膜又はAu合金膜であり、その厚さは、例えば70nm以上200nm以下である。
図6に示す例において、半透過反射層174は、誘電体の多層膜となっている。詳細には、半透過反射層174は、第1層176及び第2層178を有している。第1層176は、透光性を有する高屈折率層であり、具体的には例えば、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)及び酸化タンタル(Ta)からなる群から選択される少なくとも一つを含んでいる。第2層178は、第1層176上に位置しており、第1層176の材料及び第1電極110の材料よりも低屈折率の材料(例えば酸化シリコン(SiO)及びフッ化マグネシウム(MgF)からなる群から選択される少なくとも一つ)を用いて形成されている。なお、第1層176の膜厚及び第2層178の膜厚は、半透過反射層174が半透過反射層となるように設定されている。
図7の各図は、基材12に対する発光装置10の取付構造の例を示している。いずれの例においても、基材12は垂直面に対して傾斜している(図1の角度θ)。そして、発光装置10は基材12に対して傾斜した状態で取り付けられている(図1の角度θ)。
図7(a)に示した取付構造において、発光装置10は、発光面が基材12に対向しており、かつ基材12に対して傾斜している。発光装置10と基材12の間は空間となっており、空気などの気体が位置している。
図7(b)に示した取付構造は、図7(a)に示した取り付け構造に加え、吸光部材30を有している。吸光部材30は、発光装置10と基材12の間の空間(すなわち気体が位置する領域)に面した吸光面を有している。この吸光面は、発光装置10の発光色を吸収する色(例えば黒色)を有している。図7(b)に示した例では、吸光部材30の一端は基材12に接しており、吸光部材30の他端は発光装置10に接している。このため、吸光部材30は、発光装置10の非発光面(すなわち基材12とは逆側の面)には面していない。
ただし、図7(c)に示すように、吸光部材30は、発光装置10と基材12の間の空間の外部まで延在していてもよい。この場合、吸光部材30は、発光装置10の非発光面にも面することになる。
図7(d)に示した取付構造において、発光装置10の発光面は、透光性の固定部材40を用いて基材12に固定されている。固定部材40は、三角柱と同様の形状を有しており、例えばガラスや透光性の硬質樹脂を用いて形成されている。ただし、固定部材40の形状はこれに限定されない。そして、固定部材40の第1の側面に基材12が例えば接着層を用いて固定されており、固定部材40の第2の側面に発光装置10が例えば接着層を用いて固定されている。この取付構造において、基材12のうち発光装置10に対向する面と、発光装置10のうち基材12が対向する面とがなす角度は、5°以上になる。
図7(e)に示した取り付け構造において、発光装置10の発光面(主面)は、接着層50を用いて基材12の主面に直接固定されている。この取付構造において、基材12のうち発光装置10に対向する面と、発光装置10のうち基材12が対向する面とがなす角度は、5°未満になる。
図8の各図は、垂直面に対する基材12の傾斜角度すなわち第1角度θと、発光装置10及び基材12を有する光学システムに求められる特性の関係をシミュレーションした結果を示している。図8(a)は10の発光部140がランバーシアンの場合を示しており、図8(b)は発光部140が共振器構造を有している場合を示している。
ここで、発光装置10は垂直面に平行である。また、本図に示す例において、光学システムに求められる特性は、漏れ光の量が少ないこと、及び基材12を透過した後の光の光度が基準を達成するために必要な電流量(任意単位:a.u.)が少ないことである。なお、漏れ光の量は、発光装置10の非発光面に対する角度依存性がある。このため、今回は、発光装置10の発光面に対して垂直な方向から見た場合の発光装置10の発光強度(第1光の光度)を基準にした、漏れ光の最大値(第1光の光度)の割合をシミュレーションした。なお、この割合は、5%以下が好ましく、さらには3%以下が好ましい。
まず、基材12の透光率が84%、すなわち基材12がほぼ透明な場合について、説明する。
第1角度θが20°の場合、漏れ光が少なく、かつ電流量も少なくて済むのは、発光部140がランバーシアン(例えば発光強度が半分となる角度である半値角が60°以上180°以下)であり、かつ取付構造が図7(e)に示した構造を有している場合である。このため、第1角度θが30°以下の場合(特に第1角度θが20°以下の場合)、発光システムはこのような構成になることが推奨される。
また、第1角度θが40°の場合、漏れ光が少なく、かつ電流量も少なくて済むのは、発光部140が共振器構造を有しており、かつ取付構造が図7(b)又は(c)に示した構造を有している場合である。このため、第1角度θが30°超50°以下の場合、発光システムはこのような構成になることが推奨される。なお、第1角度θが20°超30°以下であっても、発光部140は共振器構造を有しており、かつ取付構造は図7(b)又は(c)に示した構造であってもよい。
また、第1角度θが60°の場合、漏れ光が少なく、かつ電流量も少なくて済むのは、発光部140がランバーシアンであり、かつ取付構造が図7(d)に示した構造を有している場合である。このため、第1角度θが50°超90°以下の場合、発光システムはこのような構成になることが推奨される。なお、第1角度θが40°超50°以下であっても、発光部140はランバーシアンであり、かつ取付構造は図7(d)に示した構造であってもよい。
なお、基材12の透光率が31%、すなわち基材12が遮光性を有している場合(例えばスモークガラスの場合)も、基材12が透光性を有している場合と同様の傾向を有している。
図9は、情報処理装置20の設置情報記憶部210のデータ構成の一例をテーブル形式で示している。本図に示す例では、図8に基づいた設置情報が傾斜情報(すなわち垂直面に対する基材12の角度)別に記憶されている。ここで設置情報は、発光情報及び取付情報の少なくとも一方(好ましくは双方)を含んでいる。発光情報は、発光部140として用いられるべき発光部の発光特性(例えばランバーシアンが好ましいか共振器構造が好ましいか)を示している。取付情報は基材12に対する発光装置10の取付構造を示している。
そして、傾斜情報が30°以下である場合、発光情報はランバーシアンを示しており、取付情報は、図7(e)の構造を示している。また、傾斜情報が30°超50°以下である場合、発光情報は共振器構造を示しており、取付情報は、図7(b)又は(c)の構造を示している。そして、傾斜情報が50°超である場合、発光情報はランバーシアンを示しており、取付情報は、図7(d)の構造、すなわち発光装置10と基材12が固定部材40を介して互いに固定されることを示している。
なお、他の例として、取付情報が、図7(b)の構造、すなわち発光装置10と基材12の間に空間を有することを示している場合もある。また、基材12が透光性を有している場合と遮光性を有している場合とで異なる設置情報を有しているほうが好ましい場合、設置情報記憶部210は、基材12の透光率別に、図9に示したテーブルを有していてもよい。
次に、情報処理装置20を用いた発光システムの製造方法について説明する。この方法は、例えば、既に使用が開始されている車両や構造物の窓に、発光装置10を後付する際に用いられる。
まず、情報処理装置20の操作者は、入力部220に基材12の角度を入力する。すると、設置情報出力部230は、入力された角度に対応する設置情報を設置情報記憶部210から読み出し、読み出した設置情報を表示部240に表示させる。そして、発光装置10を基材12に取り付ける人(作業者)は、表示部240に表示された設置情報に従って発光装置10を選択し、かつ選択した発光装置10を基材12に取り付ける。
既に使用が開始されている車両や構造物の窓に発光装置10を後付する場合、窓の傾斜角度は様々であるため、作業者は、どの発光装置10をどのような構造で取り付ければよいか判断しづらい。これに対して本実施形態によれば、作業者は、窓の傾斜角度を測定し、測定した角度を情報処理装置20に入力することにより、どの発光装置10をどのような構造で取り付ければよいか認識することができる。従って、基材12の傾斜角度が変わっても、発光装置10を最適な状態で設置できる。
(第2の実施形態)
本実施形態において、情報処理装置20は、発光部140が共振器構造を有している発光装置10を基材12に取り付ける場合に、どの取り付け構造を取るべきかを判断する際に用いられる。言い換えると、情報処理装置20は、設置情報記憶部210が記憶しているデータを除いて、第1の実施形態に係る情報処理装置20と同様の構成である。
図10は、発光部140が共振器構造を有している場合、かつ基材12の透光率が高く透明な場合(例えば可視光透過率が84%)において、図7の取付構造別に、発光システムに求められる各特性(図8の説明参照)の基材12の角度依存性を示したグラフである。ここで、基材12の角度は、図1のθに相当する。このグラフは、シミュレーションの結果を示している。図10(a)は、漏れ光の強度比を示しており、図10(b)は所定の光度に必要な電流量を示している。
なお、本実施形態において、発光装置10は水平面に対して垂直になっている。このため、基材12の角度θは、発光装置10に対する基材12の角度(すなわち図1のθ)と同じになっている。
基材12の角度が10°及び20°の場合、漏れ光及び電流量の双方で、図7(e)に示した取付構造が有利である。
一方、図7(c)の取付構造は、基材12の角度が20°超90°以下の場合、漏れ光及び電流量の双方で有利である。ただし、基材12の角度が50°を超えると、図7(b)の取付構造も、漏れ光及び電流量の双方で有利となる。このため、吸光部材30のコストを考慮すると、基材12の角度が20°超50°以下の場合、図7(c)の取付構造が好ましく、基材12の角度が50°超90°以下の場合、図7(b)の取り付け構造が好ましい。
また、図7(d)の取付構造は、漏れ光を少なくするという目的においては、基材12の角度によらず有利である。ただし、この取付構造は、基材12の角度が50°を超えると、電流量が増大する。このため、図7(d)の取付構造を採用する場合、基材12の角度は40°以下であるのが好ましい。
図11は、発光部140が共振器構造を有している場合、かつ基材12の透光率が低い場合(例えば可視光透過率が31%)において、図7の取付構造別に、発光システムに求められる各特性(図8の説明参照)の基材12の角度依存性を示したグラフである。
図7(d)の取付構造は、漏れ光を少なくするという目的においては、基材12の角度によらず有利である。ただし、この取付構造は、基材12の角度が50°を超えると、電流量が増大する。このため、基材12の角度は40°以下である場合、図7(d)の取付構造が好ましい。なお、基材12の角度が30°以下の場合、図7(e)の取付構造も、漏れ光及び電流量の双方で好適である。また、漏れ光の特性を優先させる場合、基材12の角度が40°の場合においても、図7(e)の取付構造を採用できる。
また、図7(c)の取付構造は、基材12の角度が30°以上になると、漏れ光及び電流量の双方で有利になる。ただし、基材12の角度が50°を超えると、図7(b)の取付構造との差が小さくなる。このため、吸光部材30のコストを考慮すると、図7(c)の取付構造は、基材12の角度が20°超50°以下の場合に好ましく、図7(b)の取付構造は、基材12の角度が50°超90°以下の場合に好ましい。
図12は、設置情報記憶部210が記憶しているデータの構成の一例をテーブル形式で示している。本図に示す例では、基材12の可視光透過率別、かつ傾斜情報(すなわち垂直面に対する基材12の角度)別に、図10及び図11に基づいた設置情報が記憶されている。
具体的には、図12(a)に示すように、基材12の可視光透過率が40%以上の場合、基材12の傾斜角度が20°以下の場合は図7(e)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されており、基材12の傾斜角度が20°超~50°以下の場合は図7(c)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されており、基材12の傾斜角度が50°超の場合は図7(b)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されている。
また、図12(b)に示すように、基材12の可視光透過率が40%未満の場合、基材12の傾斜角度が40°以下の場合は図7(d)及び(e)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されており、基材12の傾斜角度が30°以上~50°以下の場合は図7(c)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されており、基材12の傾斜角度が50°超の場合は図7(b)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されている。
なお、情報処理装置20を用いて発光システムを製造する方法は、第1の実施形態と同様である。
以上、本実施形態の情報処理装置20を用いると、作業者は、発光部140が共振器構造を有している発光装置10を基材12に取り付ける場合に、どの取り付け構造を取るべきかを容易に判断することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態において、情報処理装置20は、発光特性がランバーシアンである発光部140を基材12に取り付ける場合に、どの取り付け構造を取るべきかを判断する際に用いられる。言い換えると、情報処理装置20は、設置情報記憶部210が記憶しているデータを除いて、第1の実施形態に係る情報処理装置20と同様の構成である。
図13は、情報処理装置20は、発光特性がランバーシアンである発光部140を、透光率が高い(例えば可視光透過率が84%)基材12に取り付けたとき、図7の取付構造別に、発光システムに求められる各特性(図8の説明参照)の基材12の角度依存性を示したグラフである。このグラフは、シミュレーションの結果を示している。図13(a)は、漏れ光の強度比を示しており、図13(b)は所定の光度に必要な電流量を示している。
図13(b)に示すように、電流量の大きさは、取付構造によってそれほど変化しない。一方、図13(a)に示すように、漏れ光の大きさは、基材12の角度が30°以下の場合は図7(e)の取付構造が最も少なく、基材12の角度が30°超の場合は図7(d)の取付構造が最も少なかった。このため、基材12の角度が30°以下の場合は図7(e)の取付構造が推奨され、基材12の角度が30°超の場合は図7(d)の取付構造が推奨される。
図14は、情報処理装置20は、発光特性がランバーシアンである発光部140を、透光率が低い(例えば可視光透過率が31%)基材12に取り付けたとき、図7の取付構造別に、発光システムに求められる各特性(図8の説明参照)の基材12の角度依存性を示したグラフである。このグラフは、シミュレーションの結果を示している。図14(a)は、漏れ光の強度比を示しており、図14(b)は所定の光度に必要な電流量を示している。
この場合も、図14(b)に示すように、電流量の大きさは、取付構造によってそれほど変化しない。一方、図14(a)に示すように、漏れ光の大きさは、基材12がいずれの角度であっても図7(d)の取付構造が最も少なかった。このため、基材12の角度がいずれであっても、図7(d)の取付構造が推奨される。なお、図7(e)の取付構造も漏れ光が十分小さかったため、コストを優先する場合は、図7(e)の取付構造が推奨されることもある。
図15は、設置情報記憶部210が記憶しているデータの構成の一例をテーブル形式で示している。本図に示す例では、基材12の可視光透過率別、かつ傾斜情報(すなわち垂直面に対する基材12の角度)別に、図13及び図14に基づいた設置情報が記憶されている。
具体的には、図15(a)に示すように、基材12の可視光透過率が40%以上の場合、基材12の傾斜角度が30°以下の場合は図7(e)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されており、基材12の傾斜角度が30°超~90°以下の場合は図7(d)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されている。
また、図15(b)に示すように、基材12の可視光透過率が40%未満の場合、基材12の傾斜角度によらず、図7(d)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されている。なお、基材12の傾斜角度(例えば10°以下)によっては、図7(e)の取付構造を示す情報が設置情報として記憶されていてもよい。
なお、情報処理装置20を用いて発光システムを製造する方法は、第1の実施形態と同様である。
以上、本実施形態の情報処理装置20を用いると、作業者は、発光特性がランバーシアンの発光部140を基材12に取り付ける場合に、どの取り付け構造を取るべきかを容易に判断することができる。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
12 基材
20 情報処理装置
30 吸光部材
40 固定部材
50 接着層
102 第1領域
104 第2領域(透光部)
106 第3領域(透光部)
110 第1電極
120 有機層
130 第2電極
140 発光部
172 反射層
174 半透過反射層

Claims (8)

  1. 基板、共振構造を有する発光部、及び透光部を有する発光装置と、
    前記発光装置に対する角度が第2角度であり、透光率が40%以上である基材と、
    前記発光装置と前記基材の間の空間に面し、かつ前記空間側に吸光面を有する吸光部と、
    を備え、
    前記第2角度は20度超50度以下であり、
    前記吸光部の前記吸光面は、前記発光装置のうち前記基材に対向する面及び前記基材とは逆側の面のそれぞれに面している発光システム。
  2. 前記空間には気体が位置している請求項に記載の発光システム。
  3. 基板、共振構造を有する発光部、及び透光部を有する発光装置と、
    前記発光装置に対する角度が第2角度であり、透光率が40%未満の基材と、
    前記発光装置と前記基材の間の空洞の空間に面し、当該空間に面する部分に吸光面を有する吸光部と、
    を備え、
    前記第2角度は30度以上50度以下であり、
    前記吸光部のうち少なくとも前記吸光面は前記発光装置のうち前記空間とは逆側の面にも面している発光システム。
  4. 前記発光装置から発光した光の一部は、前記基材を介して第1光として射出し、かつ、前記発光装置から発光した他の一部は、前記基材とは反対の方向に第2光として射出し、
    前記第1光の光度は前記第2光の光度よりも大きい請求項1~のいずれか一項に記載の発光システム。
  5. 水平方向から見た場合において、前記第2光の光度は前記第1光の光度の5%以下である請求項に記載の発光システム。
  6. 水平方向から見た場合において、前記第2光の光度は前記第1光の光度の3%以下である請求項に記載の発光システム。
  7. 前記発光装置は、前記発光部と前記透光部を交互に複数有している請求項1~のいずれか一項に記載の発光システム。
  8. 前記発光部は有機EL素子である請求項に記載の発光システム。
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