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JP7042206B2 - 輸送機器およびセンサブラケット - Google Patents

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Description

本発明は、輸送機器およびセンサブラケットに関する。
従来、輸送機器において、外界検知センサとしてのカメラと、このカメラを輸送機器本体に支持するブラケットと、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。ブラケットは、カメラのレンズフードを形成している。レンズフード内には、迷光を抑制する反射波低減構造としてのストレイライトシールド(Stray Light Shield)が設けられている。
独国特許出願公開第102014224860号明細書
ところで、上記従来の構成においては、レンズフードにおける反射波低減構造が設けられる底面部分を着脱可能とし、メンテナンス時等にレンズフード内にアクセスすることを可能としている。
しかし、近年のカメラは視野角が広く、したがって反射波低減構造を含む底面部分が大きくなる。この場合、レンズフード周りのメンテナンス時に着脱する部品が大型化し、センサフード周りのメンテナンス作業をし難くする虞がある。
そこで本発明は、反射波低減構造を含むセンサフードを備えた輸送機器およびセンサブラケットにおいて、センサフード周りのメンテナンス作業を容易にすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、電磁波を検知する外界検知センサ(10)と、輸送機器本体(1a)に支持されるセンサブラケット(20)と、を備える輸送機器(1)であって、前記センサブラケット(20)は、前記外界検知センサ(10)の検知部(12)側から検知方向(F1)へ延びる検知空間(K1)を囲むセンサフード(21)を備え、前記センサフード(21)は、前記検知空間(K1)に臨む表面(21a)の少なくとも一部に、前記検知部(12)に至る反射波を低減する反射波低減構造(25)を備え、前記センサフード(21)における前記反射波低減構造(25)を備える表面(26a)を形成する表面形成部(26)は、前記反射波低減構造(25)の一部(25a)を含んで前記輸送機器本体(1a)に固定される固定体(30)と、前記反射波低減構造(25)の他部(25b)を含んで前記固定体(30)に対して分離可能に構成される分割体(40)と、を備え、前記外界検知センサ(10)は、前記固定体(30)に固定され、前記固定体(30)は、前記外界検知センサ(10)を固定する第一センサ固定部(35)及び第二センサ固定部(36)を備え、前記分割体(40)は、前記第一センサ固定部(35)と前記第二センサ固定部(36)との間に配置されている、輸送機器(1)を提供する。
この構成によれば、反射波低減構造を備える表面形成部が、輸送機器本体に固定される固定体と、固定体から分離可能な分割体と、を備えることで、メンテナンス時にセンサフード内にアクセスするような場合にも、輸送機器本体に対して着脱する部品が小さくて済む。すなわち、外界検知センサの性能向上により画角または放射・入射角が広がると、この広がりに応じて反射波低減構造も幅広となるため、反射波低減構造を備える表面形成部全体を着脱する構成では、着脱する部品が大きく作業性が低下する虞がある。これに対し、反射波低減構造を備える表面形成部が、固定体から分離可能な分割体を備えることで、センサフード内にアクセスする場合等に着脱する部品が小さくて済み、作業性を向上させることができる。
また、固定体が、外界検知センサを固定する第一センサ固定部及び第二センサ固定部を備え、これら第一センサ固定部及び第二センサ固定部の間に分割体を配置することで、センサブラケットに分割体を設けた構造においても、分割体を設けた部位(開口部)を外界検知センサの固定によって補強することが可能となり、固定体の強度を維持した状態で分割体を設けることができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の輸送機器(1)において、前記輸送機器本体(1a)は、前記外界検知センサ(10)の検知方向(F1)に配置され、前記外界検知センサ(10)が検知する電磁波を透過させる透過部材(3)を備え、前記センサフード(21)は、前記透過部材(3)の内面(3a)に配置され、前記検知方向(F1)の開口(21b)が前記透過部材(3)の内面(3a)によって閉塞されている。
この構成によれば、透過部材の内面によってセンサフードの検知方向の開口が閉塞される構成でも、固定体から分離可能な分割体を備えることで、センサフード内にアクセスする場合にセンサブラケット自体や大型部品の着脱が不要となり、センサフード周りのメンテナンス作業性を向上させることができる。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の輸送機器(1)において、前記外界検知センサ(10)と前記分割体(40)とは、前記表面形成部(26)の平面視で互いにオーバーラップして配置されている。
この構成によれば、外界検知センサと分割体とが、表面形成部の平面視で互いにオーバーラップして配置されることで、外界検知センサを固定体に取り付けた際には、分割体を外れにくくすることが可能となる。すなわち、センサフードの表面を形成する表面形成部に対し、外界検知センサは裏面側から重なることとなるため、裏面側すなわちセンサフードの外側から意図しない外乱を受けて分割体が外れてしまうことを抑えることができる。
請求項4に記載した発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の輸送機器(1)において、前記分割体(40)は、前記表面形成部(26)の裏面側から前記固定体(30)に取り付けられ、前記第一センサ固定部(35)は、前記表面形成部(26)の裏面側に延在する第一壁部(35b)を備え、前記第二センサ固定部(36)は、前記表面形成部(26)の裏面側に延在する第二壁部(36b)を備え、前記分割体(40)は、前記第一壁部(35b)及び前記第二壁部(36b)の間に配置されている。
この構成によれば、分割体が第一壁部及び第二壁部を取り付けガイドとして利用して固定体に取り付け可能となるため、分割体の取り付け作業性を向上させることができる。
請求項5に記載した発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の輸送機器(1)において、前記分割体(40)は、前記固定体(30)に固定される被固定部(41~44)を備え、前記被固定部(41~44)を固定する前記固定体(30)の固定部(31~34)よりも、前記被固定部(41~44)が脆弱に形成されている。
この構成によれば、分割体を固定する部分が、固定体側よりも分割体側の方が脆弱な強度で形成されるので、分割体を固定体から取り外す際等に固定部分の損壊が生じても、固定体側が壊れずに分割体側が壊れることとなる。このため、分割体の固定部分の固着等により固定部分の損壊が生じる場合にも、固定体側を保護しつつ分割体の取り外しを可能とすることができる。被固定部が複数ある場合、少なくとも一つが対応する固定部よりも脆弱であればよい。
請求項6に記載した発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の輸送機器(1)において、前記分割体(40)は、前記固定体(30)に取り付けられた状態で前記固定体(30)に押圧されて弾性変形させられる弾性変形部(45a,45b)を備えている。
この構成によれば、分割体が弾性変形部を弾性変形させた状態で固定体に取り付けられることで、固定体と分割体との係合部位に弾性反発力を付与し、分割体のガタを抑えることができる。弾性変形部を押圧する突起部は固定体、分割体の何れに設けてもよい。
請求項7に記載した発明は、請求項6に記載の輸送機器(1)において、前記固定体(30)は、前記分割体(40)を取り付けた状態で前記弾性変形部(45a,45b)を押圧して弾性変形させる突起部(38a,38b)を備えている。
この構成によれば、分割体を固定体に取り付けた際に弾性変形部を弾性変形させる突起部を固定体に設けることで、弾性変形部に突起部を設ける場合に比べて、突起部によって弾性変形部の剛性が意図せず高まってしまうことを抑え、弾性変形部を弾性変形しやすくし、分割体の取り付け性を向上させることができる。
請求項8に記載した発明は、請求項6又は7に記載の輸送機器(1)において、前記分割体(40)は、前記分割体(40)の一側において前記固定体(30)に固定される一側被固定部(41,42)と、前記分割体(40)の他側において前記表面形成部(26)の裏面(26b)側からの押圧により前記固定体(30)に弾性的に係合して固定される他側被固定部(43,44)と、前記弾性変形部(45a,45b)を弾性変形させるべく前記分割体(40)を前記表面形成部(26)の裏面(26b)側から押圧可能とする押圧部(47a,47b)と、を備え、前記弾性変形部(45a,45b)および押圧部(47a,47b)は、前記一側被固定部(41,42)よりも前記他側被固定部(43,44)に近接して配置されている。
この構成によれば、分割体の弾性変形部と押圧部とを、表面形成部の裏面側からの押圧により固定体に弾性的に係合する他側被固定部の近傍に配置するため、分割体を固定体に取り付ける際に押圧部を押圧すれば、押圧部を押圧する力を効率的に利用して、他側被固定部を固定体に係合、固定するとともに、弾性変形部を弾性変形させることが可能となり、分割体の取り付け性を向上させることができる。
請求項9に記載した発明は、請求項8に記載の輸送機器(1)において、前記他側被固定部(43,44)は、前記押圧部(47a,47b)の押圧により前記弾性変形部(45a,45b)が弾性変形した状態で、前記固定体(30)に係合して前記分割体(40)を固定する。
この構成によれば、分割体の弾性変形部が、押圧部の押圧により弾性変形した状態で、他側被固定部が固定体に固定されるので、他側被固定部ひいては分割体のガタを抑えて固定体に固定することができる。
請求項10に記載した発明は、請求項9に記載の輸送機器(1)において、前記分割体(40)は、前記反射波低減構造(25)を厚さ方向の一側面(48a)に有する平板部(48)を備え、前記弾性変形部(45a,45b)は、前記平板部(48)から厚さ方向で前記一側面(48a)側に突出した突出部(46a,46b)に設けられている。
この構成によれば、反射波低減構造を有する平板部から一側面側(反射波低減構造側)に突出した突出部に弾性変形部を設けるので、弾性変形部を固定体に押し付けやすくなる。また、弾性変形部と平板部との間に突出部が介在するので、弾性変形部の弾性変形が反射波低減構造におよび難く、反射波低減効果を良好に維持することができる。
請求項11に記載した発明は、請求項8から10の何れか一項に記載の輸送機器(1)において、前記分割体(40)は、前記反射波低減構造(25)を厚さ方向の一側面(48a)に有する平板部(48)を備え、前記押圧部(47a,47b)は、前記平板部(48)から厚さ方向で前記表面形成部(26)の裏面(26b)側に突出して設けられている。
この構成によれば、反射波低減構造を有する平板部から表面形成部の裏面側に突出する押圧部を備えるので、分割体を裏面側から取り付ける際に押圧部を押圧しやすく、分割体の取り付け作業性を向上させることができる。
請求項12に記載した発明は、請求項1から11の何れか一項に記載の輸送機器(1)において、前記固定体(30)は、前記分割体(40)をはめ合わせて閉塞する固定側開口部(37)を備え、前記分割体(40)の外周部(40a)は、前記固定側開口部(37)の内周部(37a)に対して、前記表面形成部(26)の裏面(26b)側から重なる重なり部(40b)を備えている。
この構成によれば、分割体の外周部が、固定側開口部の内周部に対して表面形成部の裏面側から重なる重なり部を備えるので、分割体の取り付け時に、分割体が固定側開口部内に脱落することを抑止することができる。また、分割体を固定側開口部に取り付けた状態で、反射波低減構造を備える表面側から見たとき、分割体の外周部と固定側開口部の内周部との間にオーバーラップが生じて隙間の発生を無くしているため、センサフード内への電磁波の侵入を抑止することができる。
請求項13に記載した発明は、輸送機器本体(1a)に支持されるセンサブラケット(20)であって、電磁波を検知する外界検知センサ(10)の検知部(12)側から検知方向(F1)へ延びる検知空間(K1)を囲むセンサフード(21)を備え、前記センサフード(21)は、前記検知空間(K1)に臨む表面(21a)の少なくとも一部に、前記検知部(12)に至る反射波を低減する反射波低減構造(25)を備え、前記センサフード(21)における前記反射波低減構造(25)を備える表面(26a)を形成する表面形成部(26)は、前記反射波低減構造(25)の一部(25a)を含んで前記輸送機器本体(1a)に固定される固定体(30)と、前記反射波低減構造(25)の他部(25b)を含んで前記固定体(30)に対して分離可能に構成される分割体(40)と、を備え
前記固定体(30)は、前記外界検知センサ(10)を固定する第一センサ固定部(35)及び第二センサ固定部(36)を備え、前記分割体(40)は、前記第一センサ固定部(35)と前記第二センサ固定部(36)との間に配置されている、センサブラケット(20)を提供する。
本発明によれば、反射波低減構造を含むセンサフードを備えた輸送機器およびセンサブラケットにおいて、センサフード周りのメンテナンス作業を容易にすることができる。
本発明の実施形態における車両の要部の左側面図である。 本発明の実施形態における車両の外界検知カメラ周辺の一部断面を含む左側面図である。 上記外界検知カメラを支持するカメラブラケットを表面側から見た平面図である。 上記外界検知カメラを支持するカメラブラケットを裏面側から見た平面図である。 図4から外界検知カメラを取り外した状態の平面図である。 図5から分割体を取り外した状態の平面図である。 上記分割体を表面側から見た平面図である。 上記分割体を裏面側から見た平面図である。 上記外界検知カメラを支持するカメラブラケットの斜視図である。 図9のA-A断面図であり、上記分割体と固定体との重なり構造の第一例を示す断面図である。 図9のA-A断面図であり、上記分割体と固定体との重なり構造の第二例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両1における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車両左右中心を示す線CL1が示されている。
図1は、本実施形態の車両1の要部の左側面図である。
図1に示すように、本実施形態の車両(輸送機器)1は、車室CAの前方にフロントウインドウ(窓)2およびフロントウインドウガラス(ウインドシールド)3を備え、車室CAの側方にサイドウインドウ(窓)4およびサイドウインドウガラス5を備えている。符号6は車室CA上方のルーフ、符号Wfは前輪、符号Dsはサイドドア、符号1aは車両本体(輸送機器本体)1aをそれぞれ示している。本実施形態の車両本体1aは、車両1から外界検知カメラ10およびカメラブラケット20を除いた部分(外界検知カメラ10およびカメラブラケット20を取り付ける対象)とする。
フロントウインドウガラス3の上部かつ左右中央部の内面3a側(車室CA側)には、外界検知センサとしての外界検知カメラ10が設置されている。外界検知カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。外界検知カメラ10は、例えば周期的に繰り返し車両前方を撮像する。外界検知カメラ10が検知した情報は、検知方向の物体の位置、種類、速度等の認識に供され、この認識に基づき、車両1の運転アシスト制御や自動運転制御等がなされる。符号10Aは外界検知センサ(カメラ)の取り付け構造を示している。
図2は、車両1の外界検知カメラ10周辺の一部断面を含む左側面図、図3は、外界検知カメラ10を支持するカメラブラケット20を表面側(後述する底面形成部26の厚さ方向の底面26a側)から見た平面図、図4は、外界検知カメラ10を支持するカメラブラケット20を裏面側(後述する底面形成部26の厚さ方向の裏面26b側)から見た平面図である。なお、外界検知カメラ10周辺を車室側から覆うカバー類は不図示とする。
図2~図4に示すように、外界検知カメラ10は、上下方向の厚さを抑えた偏平状の本体部11と、本体部11の後部上方に配置された円柱状のレンズ12と、を備えている。レンズ12は、中心軸線である光軸CL3を略水平にして配置され、レンズ表面12aを車両前方(検知方向)に向けている。図2中矢印F1は外界検知カメラ10における光軸CL3に沿う検知方向、矢印B1は検知方向の反対方向を示している。本実施形態では、検知方向は車両前方を指向する一方向、反対方向は車両後方を指向する一方向とする。すなわち、双方向である光軸方向の内、一方向を検知方向、他方向を反対方向とする。外界検知カメラ10は、外観上は光軸CL3に関して概ね左右対称に構成されている。
外界検知カメラ10は、カメラブラケット20を介して、後上がりに傾斜したフロントウインドウガラス3の内面3aに固定されている。カメラブラケット20は、例えば合成樹脂製の射出成型品であり、フロントウインドウガラス3の内面3aに接着剤等により貼付されている。カメラブラケット20は、フロントウインドウガラス3の傾斜に沿うように設けられ、このカメラブラケット20に車室側から外界検知カメラ10が取り付けられている。カメラブラケット20および外界検知カメラ10の周囲は、車室側から不図示のカメラカバーによって覆われている。
図9の斜視図を併せて参照し、カメラブラケット20は、外界検知カメラ10のレンズ12側から検知方向へ延びる検知空間K1を囲むレンズフード21と、フロントウインドウガラス3の内面3aに貼付される貼付部22と、を一体形成している。カメラブラケット20の略中央部には、外界検知カメラ10のレンズ12を車室側からレンズフード21内に露出させる開口28bを形成するレンズ用開口部28を備えている。レンズフード21は、レンズ用開口部28から前方へ、前側ほど左右幅を広げるように形成されている。
レンズフード21は、検知空間K1に下方から臨む底面26aを形成する底面形成部26と、検知空間K1に左右側方から臨む側面27aを形成する側面形成部27と、を備えている。底面26aは、車両左右方向と平行をなし、側面視では車両前後方向および光軸CL3に対して前下がりに傾斜した平面とされている。底面26aひいては底面形成部26は、底面26aと垂直な方向から見た平面視で、前側ほど左右幅を広げる三角形状に形成されている。本実施形態の「平面視」とは、特に記載が無ければ底面26aと垂直な方向から見ることとし、本実施形態の「平面図」とは、特に記載が無ければ底面26aと垂直な方向から見た平面図とする。底面26aは、厳密な意味での平面に限らず、後述する反射波低減構造25の細かな凹凸を形成(配列)するための基準面(仮想面)であってもよい。
側面27aひいては側面形成部27は、底面形成部26の後部両側の左右傾斜辺部から上後方へ屈曲して立ち上がるように形成されている。側面27aは、レンズ用開口部28の左右側縁部から底面形成部26の前縁部の左右両端部に向けて、上後方への起立高さを漸減させるように形成されている。側面27aの上下幅は、底面26aの左右幅に対して小さく、したがってレンズフード21および検知空間K1は、上下幅を抑えた偏平状に形成されている。
レンズフード21の上面部は、外界検知カメラ10の検知方向に位置する開口21bを形成している。開口21bは、レンズ用開口部28の上縁部、左右側面形成部27の上縁部、底面形成部26の前縁部に囲まれて形成されている。開口21bは、レンズフード21ひいてはカメラブラケット20がフロントウインドウガラス3に固定された状態で、フロントウインドウガラス3の内面3aによって閉塞されている。フロントウインドウガラス3は、外界検知カメラ10の検知方向に配置され、外界検知カメラ10が検知する光(電磁波)を透過させる透過部材の一例である。
レンズフード21は、検知空間K1に臨む表面21a(底面26aおよび左右側面27a)の少なくとも一部(本実施形態では底面26a)に、レンズ12に至る反射光(反射波)を低減する反射波低減構造(ストレイライトシールド(Stray Light Shield;SLS))25を備えている。本実施形態の反射波低減構造25は、例えば左右方向に沿って断面三角形状をなして延びる波形状を、前後方向で複数並べるように形成したものである。反射波低減構造25により、外界検知カメラ10のレンズ12にストレイライト(迷光、反射波)が至ることが抑えられる。
底面26aは、波形状等の立体形状の反射波低減構造25を設ける場合、前記立体形状を形成する際の基準面(仮想面)となる。反射波低減構造25の波形状等のパターン形状は、前記基準面に沿って複数配列されることとなる。パターン形状は、一定周期のものに限らず、所定の変化を有したり不定期であってもよい。また、立体形状に限らずシボや塗装等の表面処理であってもよい。レンズフード21の側面27aに反射波低減構造25を備えてもよい。
図3、図4中線CL2は、カメラブラケット20の左右中心を示している。カメラブラケット20は、線CL2に関して概ね左右対称に構成されている。カメラブラケット20は、平面視で左右中心CL2を車両左右中心CL1に一致させている。外界検知カメラ10は、平面視で光軸CL3をカメラブラケット20の左右中心CL2および車両左右中心CL1に一致させている。例えば外界検知カメラ10を車両左右中心CL1からずらして設置する場合等には、カメラブラケット20の左右中心CL2が車両左右中心CL1からずれて配置され、かつ外界検知カメラ10の光軸CL3がカメラブラケット20の左右中心CL2からずれて配置されることがある。また、カメラブラケット20や外界検知カメラ10が左右非対称に構成されることがある。
図3、図9を参照し、レンズフード21における反射波低減構造25を備える底面26aを形成する底面形成部26は、反射波低減構造25の一部(固定側構造部25a)を含んで車両本体1a(例えばフロントウインドウガラス3)に固定される固定体30と、反射波低減構造25の残余の他部(分割側構造部25b)を含んで固定体30に対して分離可能に構成される分割体40と、に分割構成されている。固定体30は、貼付部22と一体形成されており、貼付部22を含んで一体の固定体30と捉えることができる。
図4~図8を併せて参照し、分割体40は、平面視で光軸CL3と重なる概略矩形状の範囲に設けられている。詳細には、分割体40の平面視の概略形状を形成する平板部48(図7、図8参照)は、車両左右方向に沿うように延びる前辺部40a1、車両前後方向に沿うように延びる左右側辺部40a2、左右外側ほど前側に位置するように傾斜して延びる左右後傾斜辺部40a3、左右後傾斜辺部40a3の内側端の間に形成される後中央切り欠き部40a4、を備えている。固定体30には、分割体40を整合させる概略矩形状の開口37bを形成する固定側開口部37が設けられている。固定側開口部37に分割体40を取り付けた状態で、固定体30と分割体40とは、底面26aを構成する表面を互いに面一又は平行に配置する。レンズフード21の側面27aに反射波低減構造25を備える場合、側面形成部27の一部を含む分割体40を設けてもよい。
底面形成部26の固定体30側(裏面26b側)には、外界検知カメラ10が取り付けられている。外界検知カメラ10において、本体部11の前端部左側には、第一センサ被固定部15が前方に向けて突設され、本体部11の前端部右側には、第二センサ被固定部16が前方に向けて突設されている。底面形成部26の裏面26bにおいて、固定側開口部37の左側には、第一センサ被固定部15に対応する第一センサ固定部35が下方に向けて突設され、固定側開口部37の右側には、第二センサ被固定部16に対応する第二センサ固定部36が下方に向けて突設されている。
第一センサ被固定部15および第二センサ被固定部16は、第一センサ固定部35および第二センサ固定部36に対し、底面形成部26の裏面26bに沿うように後方移動して(後方に向かって移動しながら)差し込まれる。これにより、第一センサ被固定部15および第二センサ被固定部16と、第一センサ固定部35および第二センサ固定部36と、が非締結の係合状態となる。本実施形態の「非締結の係合状態」とは、ボルトやナット等の締結部材を用いずに結合されることの意である。なお、締結部材を用いて結合される構成に置換してもよい。これら第一センサ固定部35および第二センサ固定部36の間に外界検知カメラ10が架け渡されることで、固定側開口部37を設けたことによる固定体30の剛性低下が抑えられる。
外界検知カメラ10の本体部11の後端部11aの左右中央部には、第三センサ被固定部17が設けられている。底面形成部26の裏面26bにおいて、固定側開口部37の後方には、第三センサ被固定部17に対応する第三センサ固定部39が設けられている。第三センサ被固定部17は、本体部11の後端部11aが底面形成部26に下方から接近するように移動することで、第三センサ固定部39に対し弾性的に係合する。これにより、第三センサ被固定部17と第三センサ固定部39とが非締結の係合状態となる。
各センサ被固定部15~17と各センサ固定部35,36,39との係合により、外界検知カメラ10がカメラブラケット20の固定体30に取り付けられている。外界検知カメラ10は、分割体40と平面視でオーバーラップしている。
図5は、図4から外界検知カメラ10を取り外した状態の平面図、図6は、図5から分割体40を取り外した状態の平面図である。
図4~図6に示すように、カメラブラケット20の裏面(裏面26b)において、第一センサ固定部35および第二センサ固定部36の後方には、それぞれ外界検知カメラ10の本体部11の左右側部に沿うように延びる第一後方延出壁部35aおよび第二後方延出壁部36aが立設されている。第一後方延出壁部35aおよび第二後方延出壁部36aは、それぞれフロントウインドウガラス3、固定体30および外界検知カメラ10の重なり方向(積層方向)に起立している。第一後方延出壁部35aおよび第二後方延出壁部36aは、外界検知カメラ10取り付け時のガイドとして機能する。外界検知カメラ10の本体部11は僅かに左右非対称とされ、これに合わせて第一センサ固定部35および第二センサ固定部36の配置も僅かに左右非対称とされている。
第一センサ固定部35および第二センサ固定部36の左右内側部には、それぞれ車両前後方向に沿うように延びる第一壁部35bおよび第二壁部36bが設けられている。第一壁部35bおよび第二壁部36bも、それぞれ前記積層方向に起立している。第一壁部35bおよび第二壁部36bは、分割体40取り付け時のガイドとして機能する。例えば第一壁部35bの左右内側には、前後一対のリブ35cが設けられている。前後リブ35cは、左右内側端を分割体40の左側縁に近接させており、これら前後リブ35cが分割体40の左側の取り付けガイドとなる。
図7は、分割体40を表面側(平板部48の表面48a側、底面26a側)から見た平面図、図8は、分割体40を裏面側(平板部48の裏面48b側、裏面26b側)から見た平面図である。
図7、図8を参照し、分割体40は、反射波低減構造25を厚さ方向の一側面(表面48a)に有する平板部48を備えている。平板部48は、平面視の外周部(分割体40の外周部40aとする)に、前辺部40a1、左右側辺部40a2、左右後傾斜辺部40a3、後中央切り欠き部40a4、を備えている。
前辺部40a1は、平板部48の前端部に形成され、平面視で車両左右方向に沿うように延びている。
左右側辺部40a2は、平板体の左右側端部に形成され、平面視で車両前後方向に沿うように延びている。
左右後傾斜辺部40a3は、平板体の左右後端部に形成され、平面視で左右外側ほど前側に位置するように傾斜して延びている。
後中央切り欠き部40a4は、分割体40の後部左右内側で左右後傾斜辺部40a3の内側端の間に形成され、平面視で前方に凸の半円状をなしている。
前辺部40a1の左右側部からは、前方に向けて第一被固定部41および第二被固定部42が突設されている。底面形成部26の裏面26bにおいて、固定側開口部37の前側には、第一被固定部41および第二被固定部42に対応する第一固定部31および第二固定部32がそれぞれ下方に向けて突設されている。第一被固定部41および第二被固定部42は、それぞれ第一固定部31および第二固定部32に対し、底面形成部26の裏面26bに沿うように前方移動して差し込まれる。これにより、第一被固定部41および第二被固定部42と、第一固定部31および第二固定部32と、が非締結の係合状態となる。
ここで、分割体40側の被固定部である第一被固定部41および第二被固定部42は、固定体30側の固定部である第一固定部31および第二固定部32よりも、それぞれ脆弱に形成されている。すなわち、第一被固定部41および第二被固定部42は、例えば薄肉部や切り欠き等を設けること、あるいは第一固定部31および第二固定部32に対して材料を異ならせること、の少なくとも一方により、脆弱に形成されている。これにより、分割体40を固定体30から取り外す際などに、これらの固定部分の損壊が生じるような場合にも、分割体40側が壊れることで固定体30側を保護することが可能となる。
左右後傾斜辺部40a3からは、それぞれ平板部48の表面48a側に向けて第一突出壁部46aおよび第二突出壁部46bが起立している。各突出壁部46a,46bは、後傾斜辺部40a3から上後方へ屈曲して立ち上がるように形成されている。各突出壁部46a,46bは、固定体30の左右側面形成部27の裏側に重なるように配置されている。各突出壁部46a,46bは、平面視で後傾斜辺部40a3と略平行な起立先端部を形成している。各突出壁部46a,46bは、平板部48の表面48aとの直交方向に対して傾斜し、側面形成部27と略平行に形成されている。各突出壁部46a,46bは、左右内側の内側端を平面視で車両前後方向に沿わせるように形成している。各突出壁部46a,46bの内側端は、後中央切り欠き部40a4の左右前端に連なっている。
突出壁部46a,46bの起立先端部の左右内側には、平板部48の表面48aと略平行をなす第一弾性変形片45aおよび第二弾性変形片45bが、それぞれ後方かつ左右外側に向けて突設されている。各弾性変形片45a,45bは、平面視で三角形状に形成されており、平面視で車両左右方向に沿うように延びる後辺部と、平面視で車両前後方向に沿うように延びる外側辺部と、を有している。各弾性変形片45a,45bの内側端は、突出壁部46a,46bの内側端に連なり、これらが後中央切り欠き部40a4の左右前端に至るまで、平面視で車両前後方向に沿う直線状に形成されている。
底面形成部26の裏面26bにおいて、固定側開口部37の後側には、弾性変形片45a,45bにそれぞれ対応する第一突起部38aおよび第二突起部38bが突設されている。弾性変形片45a,45bは、固定体30の各突起部38a,38bにそれぞれ固定体30から離れる側に押圧される。これにより、後述する第三被固定部43および第四被固定部44と第三固定部33および第四固定部34との係合が強まり、分割体40の後端部が固定体30にガタなく強固に固定される。
突出壁部46a,46bの起立先端部の左右外側には、弾性変形片45a,45bの左右外側に間隔を空けて、第三被固定部43および第四被固定部44がそれぞれ後方に向けて突設されている。底面形成部26の裏面26bにおいて、固定側開口部37の後側には、第三被固定部43および第四被固定部44に対応する第三固定部33および第四固定部34がそれぞれ下方に向けて突設されている。第三被固定部43および第四被固定部44は、分割体40の後端部が固定体30に下方から接近するように移動することで、第三固定部33および第四固定部34に対しそれぞれ弾性的に係合する。これにより、第三被固定部43および第四被固定部44と、第三固定部33および第四固定部34と、が非締結の係合状態となる。
第三被固定部43および第四被固定部44は、弾性変形片45a,45bと間隔を空けて分離しているので、これら一方の弾性変形が他方の弾性変形に影響を与え難い。
ここで、第三被固定部43および第四被固定部44も、対応する第三固定部33および第四固定部34よりも、それぞれ脆弱に形成されている。これにより、分割体40を固定体30から取り外す際などに損壊が生じるような場合にも、分割体40側が壊れることで固定体30側を保護することが可能となる。
突出壁部46a,46bの裏面側には、平板部48の裏面48bと同一面状の押圧面を形成する第一押圧部47aおよび第二押圧部47bがそれぞれ突設されている。各押圧部47a,47bは、突出壁部46a,46bの裏面から後方に張り出し、弾性変形片45a,45bの前方に平面視三角形状等の押圧面を形成する。各押圧部47a,47bには、裏面48b側に開放する肉抜き凹部が適宜形成されている。各押圧部47a,47bは、互いに僅かに左右非対称とされている。押圧部47a,47bを除き、分割体40は左右対称に構成されている。外界検知カメラ10およびカメラブラケット20は、異なる車種やセンサ配置に用いる場合、左右非対称となりやすいが、分割体40が左右対称であれば流用が容易である。
ここで、弾性変形片45a,45bおよび押圧部47a,47bは、第一被固定部41および第二被固定部42よりも、第三被固定部43および第四被固定部44に近接して配置されている。これにより、分割体40を固定体30に取り付ける際に押圧部47a,47bを押圧すれば、第三被固定部43および第四被固定部44を固定体30に係合させやすく、かつ弾性変形片45a,45bを弾性変形させやすくなる。例えば、分割体40の裏面48bには、シート状のヒータ49が取り付けられている。分割体40に取り付ける機能部品はヒータ49に限らず、例えば室内灯やカースピーカー等であってもよい。
<反射波低減構造の隙間について>
図10は、図9のA-A断面図であり、上記分割体40と固定体30との重なり構造の第一例を示している。
分割体40の外周部40aと固定側開口部37の内周部37aとの間に隙間が生じると、この隙間からレンズフード21内に光が侵入して迷光となり、外界検知カメラ10の検出精度に影響を与えてしまう。
図10に示すように、本実施形態では、分割体40の外周部40aと固定側開口部37の内周部37aとの間に、底面形成部26の裏面26bに沿う方向でオーバーラップ(重なり代R1)が生じている。つまり、分割体40の外周部40aは、固定側開口部37の内周部37aに対して底面形成部26の裏面26b側から重なる重なり部40bを備えている。
図10の例では、分割体40の外周部40aおよび固定側開口部37の内周部37aを、それぞれ互いに噛み合う階段状の断面形状としている。「互いに噛み合う階段状の断面形状」とは、分割体40を固定側開口部37に裏面26b側からはめ込んだときに、底面形成部26の裏面26bと直交する方向で分割体40の位置を規定し、かつ分割体40の分割側構造部25bを含む表面を、固定体30の固定側構造部25aを含む表面と平行に配置する断面形状である。底面形成部26の裏面26bに沿う方向では、分割体40の周囲に隙間を形成し、分割体40の部品公差等を許容して固定側開口部37にはめ込みやすくしている。
図11は、図9のA-A断面図であり、上記分割体40と固定体30との重なり構造の第二例を示している。
分割体40の外周部40aと固定側開口部37の内周部37aとの間にオーバーラップを生じさせる断面形状は、上記階段状の断面形状に限らず、例えば図11に示すように、分割体40の外周部40aおよび固定側開口部37の内周部37aを、それぞれ互いに整合する傾斜状の断面形状としてもよい。この場合も、分割体40の外周部40aと固定側開口部37の内周部37aとの間に、底面形成部26の裏面26bに沿う方向でオーバーラップR1が生じている。つまり、分割体40の外周部40aは、固定側開口部37の内周部37aに対して底面形成部26の裏面26b側から重なる重なり部40bを備えている。
図10、図11の例は、固定側開口部37の底面26a上の縁が、分割体40の裏面26b上の縁よりも固定側開口部37の内側にあるといえる。この条件を満たせば、分割体40と固定体30との重なり構造は図10、図11の例に限定されない。このように、分割体40と固定体30との間に、反射波低減構造25を含む表面(底面26a)に沿う面沿い方向で隙間を発生させない配置とすることで、反射波低減構造25を分割構造とした場合にも、レンズフード21内への光の侵入が抑えられる。
以上説明したように、上記実施形態における車両1は、外界検知カメラ10と、外界検知カメラ10を車両本体1aに支持するカメラブラケット20と、を備える車両1であって、カメラブラケット20は、外界検知カメラ10の検知部(レンズ12)側から検知方向F1へ延びる検知空間K1を囲むレンズフード21を備え、レンズフード21は、検知空間K1に臨む表面21aの少なくとも一部に、検知部に至る反射光を低減する反射波低減構造25を備え、レンズフード21における反射波低減構造25を備える表面(底面26a)を形成する底面形成部26は、反射波低減構造25の一部(固定側構造部25a)を含んで車両本体1aに固定される固定体30と、反射波低減構造25の他部(分割側構造部25b)を含んで固定体30に対して分離可能に構成される分割体40と、を備えている。
また、上記実施形態におけるカメラブラケット20は、外界検知カメラ10を車両本体1aに支持するカメラブラケット20であって、外界検知カメラ10の検知部(レンズ12)側から検知方向F1へ延びる検知空間K1を囲むレンズフード21を備え、レンズフード21は、検知空間K1に臨む表面21aの少なくとも一部に、検知部に至る反射光を低減する反射波低減構造25を備え、レンズフード21における反射波低減構造25を備える表面(底面26a)を形成する底面形成部26は、反射波低減構造25の一部(固定側構造部25a)を含んで車両本体1aに固定される固定体30と、反射波低減構造25の他部(分割側構造部25b)を含んで固定体30に対して分離可能に構成される分割体40と、を備えている。
この構成によれば、反射波低減構造25を備える底面形成部26が、車両本体1aに固定される固定体30と、固定体30から分離可能な分割体40と、を備えることで、メンテナンス時にレンズフード21内にアクセスするような場合にも、車両本体1aに対して着脱する部品が小さくて済む。すなわち、外界検知カメラ10の性能向上(広角化)により画角(視野角、電波センサの場合は放射・入射角)が広がると、この広がりに応じて反射波低減構造25も幅広となるため、反射波低減構造25を備える底面形成部26全体を着脱する構成では、着脱する部品が大きく作業性が低下する虞がある。これに対し、反射波低減構造25を備える底面形成部26が、固定体30から分離可能な分割体40を備えることで、レンズフード21内にアクセスする場合等に着脱する部品が小さくて済み、作業性を向上させることができる。
上記実施形態における車両1は、前記車両本体1aは、前記外界検知カメラ10の検知方向F1に配置され、外界検知カメラ10が検知する光を透過させるフロントウインドウガラス3を備え、前記レンズフード21は、前記フロントウインドウガラス3の内面3aに固定され、前記検知方向F1の開口21bが前記フロントウインドウガラス3の内面3aによって閉塞されている。
この構成によれば、フロントウインドウガラス3の内面3aによってレンズフード21の検知方向F1の開口21bが閉塞される構成でも、固定体30から分離可能な分割体40を備えることで、レンズフード21内にアクセスする場合にカメラブラケット20自体や大型部品の着脱が不要となり、レンズフード21周りのメンテナンス作業性を向上させることができる。
上記実施形態における車両1は、前記外界検知カメラ10は、前記固定体30に固定され、前記固定体30は、前記外界検知カメラ10を固定する第一センサ固定部35及び第二センサ固定部36を備え、前記分割体40は、前記第一センサ固定部35と前記第二センサ固定部36との間に配置されている。
この構成によれば、固定体30が、外界検知カメラ10を固定する第一センサ固定部35及び第二センサ固定部36を備え、これら第一センサ固定部35及び第二センサ固定部36の間に分割体40を配置することで、カメラブラケット20に分割体40を設けた構造においても、分割体40を設けた部位(固定側開口部37)を外界検知カメラ10の固定によって補強することが可能となり、固定体30の強度を維持した状態で分割体40を設けることができる。
上記実施形態における車両1は、前記外界検知カメラ10と前記分割体40とは、前記底面形成部26の平面視で互いにオーバーラップして配置されている。
この構成によれば、外界検知カメラ10と分割体40とが、底面形成部26の平面視で互いにオーバーラップして配置されることで、外界検知カメラ10を固定体30に取り付けた際には、分割体40を外れにくくすることが可能となる。すなわち、レンズフード21の表面(底面26a)を形成する底面形成部26に対し、外界検知カメラ10は裏面26b側から重なることとなるため、裏面26b側すなわちレンズフード21の外側から意図しない外乱を受けて分割体40が外れてしまうことを抑えることができる。
上記実施形態における車両1は、前記分割体40は、前記底面形成部26の裏面26b側から前記固定体30に取り付けられ、前記第一センサ固定部35は、前記底面形成部26の裏面26b側に延在する第一壁部35bを備え、前記第二センサ固定部36は、前記底面形成部26の裏面26b側に延在する第二壁部36bを備え、前記分割体40は、前記第一壁部35b及び前記第二壁部36bの間に配置されている。
この構成によれば、分割体40が第一壁部35b及び第二壁部36bを取り付けガイドとして利用して固定体30に取り付け可能となるため、分割体40の取り付け作業性を向上させることができる。
上記実施形態における車両1は、前記分割体40は、前記固定体30に固定される第一被固定部41~第四被固定部44を備え、前記第一被固定部41~第四被固定部44を固定する前記固定体30の第一固定部31~第四固定部34よりも、前記第一被固定部41~第四被固定部44がそれぞれ脆弱に形成されている。
この構成によれば、分割体40を固定する部分が、固定体30側よりも分割体40側の方が脆弱な強度で形成されるので、分割体40を固定体30から取り外す際等に固定部分の損壊が生じても、固定体30側が壊れずに分割体40側が壊れることとなる。このため、分割体40の固定部分の固着等により固定部分の損壊が生じる場合にも、固定体30側を保護しつつ分割体40の取り外しを可能とすることができる。なお、複数の被固定部41~44の内、少なくとも一つが対応する固定部31~34よりも脆弱であればよい。
上記実施形態における車両1は、前記分割体40は、前記固定体30に取り付けられた状態で前記固定体30に設けた突起部38a,38bに押圧されて弾性変形させられる弾性変形片45a,45bを備えている。
この構成によれば、分割体40が弾性変形片45a,45bを弾性変形させた状態で固定体30に取り付けられ、弾性変形片45a,45bを弾性変形させる突起部38a,38bは固定体30に設けることで、弾性変形片45a,45bに突起部を設ける場合に比べて、突起部によって弾性変形片45a,45bの剛性が意図せず高まってしまうことを抑え、弾性変形片45a,45bを弾性変形しやすくし、分割体40の取り付け性を向上させることができる。
上記実施形態における車両1は、前記分割体40は、前記分割体40の一側において前記固定体30に固定される第一被固定部41および第二被固定部42と、前記分割体40の他側において前記底面形成部26の裏面26b側からの押圧により前記固定体30に弾性的に係合して固定される第三被固定部43および第四被固定部44と、前記弾性変形片45a,45bを弾性変形させるべく前記分割体40を前記底面形成部26の裏面26b側から押圧可能とする押圧部47a,47bと、を備え、前記弾性変形片45a,45bおよび押圧部47a,47bは、前記第一被固定部41および第二被固定部42よりも前記第三被固定部43および第四被固定部44に近接して配置されている。
この構成によれば、分割体40の弾性変形片45a,45bと押圧部47a,47bとを、底面形成部26の裏面26b側からの押圧により固定体30に弾性的に係合する第三被固定部43および第四被固定部44の近傍に配置するため、分割体40を固定体30に取り付ける際に押圧部47a,47bを押圧すれば、押圧部47a,47bを押圧する力を効率的に利用して、第三被固定部43および第四被固定部44を固定体30に係合、固定するとともに、弾性変形片45a,45bを弾性変形させることが可能となり、分割体40の取り付け性を向上させることができる。
上記実施形態における車両1は、前記第三被固定部43および第四被固定部44は、前記押圧部47a,47bの押圧により前記弾性変形片45a,45bが弾性変形した状態で、前記固定体30に係合して前記分割体40を固定する。
この構成によれば、分割体40の弾性変形片45a,45bが、押圧部47a,47bの押圧により弾性変形した状態で、第三被固定部43および第四被固定部44が固定体30に固定されるので、第三被固定部43および第四被固定部44ひいては分割体40のガタを抑えて固定体30に固定することができる。
上記実施形態における車両1は、前記分割体40は、前記反射波低減構造25を厚さ方向の表面48aに有する平板部48を備え、前記弾性変形片45a,45bは、前記平板部48から厚さ方向で表面48a側に突出した突出壁部46a,46bに設けられている。
この構成によれば、反射波低減構造25を有する平板部48から表面48a側(反射波低減構造25側)に突出した突出壁部46a,46bに弾性変形片45a,45bを設けるので、弾性変形片45a,45bを固定体30に押し付けやすくなる。また、弾性変形片45a,45bと平板部48との間に突出壁部46a,46bが介在するので、弾性変形片45a,45bの弾性変形が反射波低減構造25におよび難く、反射波低減効果を良好に維持することができる。
上記実施形態における車両1は、前記分割体40は、前記反射波低減構造25を厚さ方向の一側面に有する平板部48を備え、前記押圧部47a,47bは、前記平板部48から厚さ方向で前記底面形成部26の裏面26b側に突出して設けられている。
この構成によれば、反射波低減構造25を有する平板部48から底面形成部26の裏面26b側に突出する押圧部47a,47bを備えるので、分割体40を裏面26b側から取り付ける際に押圧部47a,47bを押圧しやすく、分割体40の取り付け作業性を向上させることができる。
上記実施形態における車両1は、前記固定体30は、前記分割体40をはめ合わせて閉塞する固定側開口部37を備え、前記分割体40の外周部40aは、前記固定側開口部37の内周部37aに対して、前記底面形成部26の裏面26b側から重なる重なり部40bを備えている。
この構成によれば、分割体40の外周部40aが、固定側開口部37の内周部37aに対して底面形成部26の裏面26b側から重なる重なり部40bを備えるので、分割体40の取り付け時に、分割体40が固定側開口部37内に脱落することを抑止することができる。また、分割体40を固定側開口部37に取り付けた状態で、反射波低減構造25を備える表面(底面26a)側から見たとき、分割体40の外周部40aと固定側開口部37の内周部37aとの間にオーバーラップが生じて隙間の発生を無くしているため、レンズフード21内への光の侵入を抑止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、カメラブラケット20は、フロントウインドウガラス3に固定される構成に限らず、フロントウインドウガラス3以外の例えばルーフやフロントピラー等の車体に固定されてもよい。この場合、カメラブラケット20は、車体への固定位置からレンズフード21を検知方向F1(フロントウインドウガラス3側)に延ばす構成でもよい。レンズフード21は、フロントウインドウガラス3に接触せずに近接配置された構成でもよい。レンズフード21の開口21bは、フロントウインドウガラス3に接して完全に密閉される構成に限らず、フロントウインドウガラス3に対して多少の隙間をもって配置されて閉塞された構成でもよい。レンズフード21は、フロントウインドウガラス3(透過部材)に固定されるものに限らない。車両1は、外界検知カメラ10がカメラブラケット20に支持される構成に限らず、外界検知カメラ10にカメラブラケット20が支持される構成であってもよい。この場合、固定体30は、車体本体1aに間接的に固定されるといえる。
外界検知センサは、車室前方の窓に設置して車両前方を検知するものに限らず、車室側方の窓に設置して車両側方を検知するものであったり、車室後方の窓に設置して車両後方を検知するものであってもよい。外界検知センサの検知方向に配置される透過部材は、車室の窓に設けるウインドシールド等の窓部材に限らず、例えば外装部品の内側等にセンサを設置した場合、センサ設置場所の検知方向に配置される透過部材であってもよい。外界検知センサの検知方向に配置する透過部材はガラスに限らず樹脂等であってもよい。自動二輪車等の車室を有さない輸送機器の場合、外界検知センサの設置場所は窓部材ではなくカウルのスクリーン等の透過部材であってもよい。
例えば、カメラは可視光のみならず赤外線等の不可視光を撮影するカメラであってもよい。カメラ等の光学センサのみならず赤外線またはミリ波等のマイクロ波を用いたレーダー等の電波センサであってもよい。上記実施形態におけるカメラのレンズの配置は、レーダーの場合はアンテナの配置となる。単一のセンサではなく、ステレオカメラ等、複数のセンサを備えた構成でもよい。カメラおよびレーダーを併用する構成であってもよい。
実施形態の車両1は輸送機器の一例であり、本発明を適用する輸送機器としての車両は、乗用車に限らず貨物車も含み、さらに車室を有する車両に限らず、自動二輪車等の小型の鞍乗り型車両も含む。車両は、二輪、三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。また、輸送機器には、自転車、鉄道、船舶、航空機なども含んでいる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 車両(輸送機器)
1a 車両本体(輸送機器本体)
3 フロントウインドウガラス(透過部材)
3a 内面
10 外界検知カメラ(外界検知センサ)
12 レンズ(検知部)
F1 検知方向
K1 検知空間
20 カメラブラケット(センサブラケット)
21 レンズフード(センサフード)
21a 表面
21b 開口
25 反射波低減構造
25a 固定側構造部(一部)
25b 分割側構造部(他部)
26 底面形成部(表面形成部)
26a 底面(表面)
26b 裏面
30 固定体
31 第一固定部(固定部)
32 第二固定部(固定部)
35 第一センサ固定部
35b 第一壁部
36 第二センサ固定部
36b 第二壁部
38a,38b 突起部
46b第二壁部
40 分割体
41 第一被固定部(被固定部、一側被固定部)
42 第二被固定部(被固定部、一側被固定部)
43 第三被固定部(被固定部、他側被固定部)
44 第四被固定部(被固定部、他側被固定部)
45a,45b 弾性変形片(弾性変形部)
46a,46b 突出壁部(突出部)
47a,47b 押圧部
48 平板部
48a 表面(一側面)

Claims (13)

  1. 電磁波を検知する外界検知センサ(10)と、
    輸送機器本体(1a)に支持されるセンサブラケット(20)と、を備える輸送機器(1)であって、
    前記センサブラケット(20)は、前記外界検知センサ(10)の検知部(12)側から検知方向(F1)へ延びる検知空間(K1)を囲むセンサフード(21)を備え、
    前記センサフード(21)は、前記検知空間(K1)に臨む表面(21a)の少なくとも一部に、前記検知部(12)に至る反射波を低減する反射波低減構造(25)を備え、
    前記センサフード(21)における前記反射波低減構造(25)を備える表面(26a)を形成する表面形成部(26)は、前記反射波低減構造(25)の一部(25a)を含んで前記輸送機器本体(1a)に固定される固定体(30)と、前記反射波低減構造(25)の他部(25b)を含んで前記固定体(30)に対して分離可能に構成される分割体(40)と、を備え
    前記外界検知センサ(10)は、前記固定体(30)に固定され、
    前記固定体(30)は、前記外界検知センサ(10)を固定する第一センサ固定部(35)及び第二センサ固定部(36)を備え、前記分割体(40)は、前記第一センサ固定部(35)と前記第二センサ固定部(36)との間に配置されている、輸送機器(1)。
  2. 前記輸送機器本体(1a)は、前記外界検知センサ(10)の検知方向(F1)に配置され、前記外界検知センサ(10)が検知する電磁波を透過させる透過部材(3)を備え、
    前記センサフード(21)は、前記透過部材(3)の内面(3a)に配置され、前記検知方向(F1)の開口(21b)が前記透過部材(3)の内面(3a)によって閉塞されている、請求項1に記載の輸送機器(1)。
  3. 前記外界検知センサ(10)と前記分割体(40)とは、前記表面形成部(26)の平面視で互いにオーバーラップして配置されている、請求項1又は2に記載の輸送機器(1)。
  4. 前記分割体(40)は、前記表面形成部(26)の裏面側から前記固定体(30)に取り付けられ、
    前記第一センサ固定部(35)は、前記表面形成部(26)の裏面側に延在する第一壁部(35b)を備え、
    前記第二センサ固定部(36)は、前記表面形成部(26)の裏面側に延在する第二壁部(36b)を備え、
    前記分割体(40)は、前記第一壁部(35b)及び前記第二壁部(36b)の間に配置されている、請求項1から3の何れか一項に記載の輸送機器(1)。
  5. 前記分割体(40)は、前記固定体(30)に固定される被固定部(41~44)を備え、
    前記被固定部(41~44)を固定する前記固定体(30)の固定部(31~34)よりも、前記被固定部(41~44)が脆弱に形成されている、請求項1から4の何れか一項に記載の輸送機器(1)。
  6. 前記分割体(40)は、前記固定体(30)に取り付けられた状態で前記固定体(30)に押圧されて弾性変形させられる弾性変形部(45a,45b)を備えている、請求項1から5の何れか一項に記載の輸送機器(1)。
  7. 前記固定体(30)は、前記分割体(40)を取り付けた状態で前記弾性変形部(45a,45b)を押圧して弾性変形させる突起部(38a,38b)を備えている、請求項6に記載の輸送機器(1)。
  8. 前記分割体(40)は、前記分割体(40)の一側において前記固定体(30)に固定される一側被固定部(41,42)と、前記分割体(40)の一側において前記表面形成部(26)の裏面(26b)側からの押圧により前記固定体(30)に弾性的に係合して固定される他側被固定部(43,44)と、前記弾性変形部(45a,45b)を弾性変形させるべく前記分割体(40)を前記表面形成部(26)の裏面(26b)側から押圧可能とする押圧部(47a,47b)と、を備え、
    前記弾性変形部(45a,45b)および押圧部(47a,47b)は、前記一側被固定部(41,42)よりも前記他側被固定部(43,44)に近接して配置されている、請求項6又は7に記載の輸送機器(1)。
  9. 前記他側被固定部(43,44)は、前記押圧部(47a,47b)の押圧により前記弾性変形部(45a,45b)が弾性変形した状態で、前記固定体(30)に係合して前記分割体(40)を固定する、請求項8に記載の輸送機器(1)。
  10. 前記分割体(40)は、前記反射波低減構造(25)を厚さ方向の一側面(48a)に有する平板部(48)を備え、
    前記弾性変形部(45a,45b)は、前記平板部(48)から厚さ方向で前記一側面(48a)側に突出した突出部(46a,46b)に設けられている、請求項9に記載の輸送機器(1)。
  11. 前記分割体(40)は、前記反射波低減構造(25)を厚さ方向の一側面(48a)に有する平板部(48)を備え、
    前記押圧部(47a,47b)は、前記平板部(48)から厚さ方向で前記表面形成部(26)の裏面(26b)側に突出して設けられている、請求項8から10の何れか一項に記載の輸送機器(1)。
  12. 前記固定体(30)は、前記分割体(40)をはめ合わせて閉塞する固定側開口部(37)を備え、
    前記分割体(40)の外周部(40a)は、前記固定側開口部(37)の内周部(37a)に対して、前記表面形成部(26)の裏面(26b)側から重なる重なり部(40b)を備えている、請求項1から11の何れか一項に記載の輸送機器(1)。
  13. 輸送機器本体(1a)に支持されるセンサブラケット(20)であって、
    電磁波を検知する外界検知センサ(10)の検知部(12)側から検知方向(F1)へ延びる検知空間(K1)を囲むセンサフード(21)を備え、
    前記センサフード(21)は、前記検知空間(K1)に臨む表面(21a)の少なくとも一部に、前記検知部(12)に至る反射波を低減する反射波低減構造(25)を備え、
    前記センサフード(21)における前記反射波低減構造(25)を備える表面(26a)を形成する表面形成部(26)は、前記反射波低減構造(25)の一部(25a)を含んで前記輸送機器本体(1a)に固定される固定体(30)と、前記反射波低減構造(25)の他部(25b)を含んで前記固定体(30)に対して分離可能に構成される分割体(40)と、を備え
    前記固定体(30)は、前記外界検知センサ(10)を固定する第一センサ固定部(35)及び第二センサ固定部(36)を備え、前記分割体(40)は、前記第一センサ固定部(35)と前記第二センサ固定部(36)との間に配置されている、センサブラケット(20)。
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