<実施の形態>
<構成>
本発明に係る鍵システムは、図1に示すように、所定の空間に出入りするための扉に設けられる鍵システムであって、少なくとも、扉の外部面に設けられる外部筐体100と、扉内部に設けられる鍵ケース150とを含む。所定の空間とは、一般的に、扉を設置することが可能な部屋や建物内等のことを意味する。扉の外部面とは、部屋に設けられた扉の外側、建物に設けられた扉の外側を意味する。また、図2は、鍵ケース150の側面図であり、図3は、鍵システムを扉に取り付けたときの戸先側から見た図である。以下、図1を主に、図2、図3を適宜参照しながら、鍵システムを説明する。
外部筐体100は、鍵の施解錠を実行するための鍵情報の入力を受け付けるための入力部111を備える。外部筐体100には、充電用バッテリー挿入部112を有する。充電用バッテリー挿入部112は、図3に示すように端子301を有し、充電用バッテリーが挿入されることで、電力が配線131を通じて、制御回路130に伝達される。そして、制御回路130は、充電回路として、扉の内部側に設置される内部筐体170内に設けられる動作用バッテリー171を、配線119を介して充電する。なお、充電用バッテリーが充電回路を兼ねる場合には、制御回路130を介さずに直接動作用バッテリー171と接続する構成になっていてもよい。充電用バッテリー挿入部112には、通常時(充電をしないとき)には、蓋部113を取り付ける。蓋部113は、どのような手法によって取り付けられてもよく、例えば、ねじ止め、あるいは、蓋部113に設けた爪が充電用バッテリー挿入部112に設けられた穴に嵌合することで、取り付けられてもよい。
入力部111は、その扉の外部面に設けられるものであって、鍵情報を入力するための装置である。鍵情報の入力は、様々な態様で実現されてよく、例えば、入力部111がタッチパネルあるいはハードウェアキーで構成して鍵となる識別情報(例えば、番号など)を直接入力したりしてもよいし、あるいは、他の装置から鍵情報に相当する情報を通信により入力したりしてもよい。他の装置としては、例えば、ICカードや携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末などであってよい。あるいは、他の装置の代替としてユーザの生体情報(例えば、指紋情報や網膜情報)などであってもよい。即ち、鍵情報は、扉に設けられた鍵を施解錠するために一意に特定できる情報であればどのような態様のものであってもよい。入力部111は、図3に示されるように、鍵ケース150内に設けられた制御部130とカム118が設けられる窓を通して、配線131により有線接続され、入力部111に対する入力は、制御部130に伝達される。本実施の形態では、入力部111は、ユーザが保持する端末(例えば、携帯電話機やスマートフォンなど)から、鍵情報を受信して、制御部130に伝達するものとする。
鍵ケース150は、扉の内部に設置されるものであって、少なくとも、カム118と、カム118を回動させるモータ120と、モータ120を駆動させるための制御部130と、カムの回動に応じて鍵ケース150から突出または鍵ケース150内に収納されるデッドボルト16aを備える。
モータ120は、回動軸121aを備える。回動軸121aは、制御部130からの指示に従って、図1の矢印114で示される方向に回動する。モータ120は、鍵ケース150に設けられたカム118部分に設けられる小型のモータであるが、カム118を回動させるに十分なトルクを発揮するものを使用する。モータ120は、鍵ケース150内に設けられた制御部130と接続されており、制御部130からの指示に従って、回動する。
回動軸121aは、カム118のカム孔118aに挿入される。回動軸121aには、羽121bが付与されており、当該羽121bがカム118の凸部118bと接触することで、カム118が回動する。カム118が回動することによりデッドボルト16aが鍵ケース150から突出または鍵ケース150内に収納される。なお、回動軸121aは、図3にも示されるように、カム118の中央付近までの長さを有し、サムターン側のカムまでは到達しない長さとなっている。一方、サムターン20には羽117aを有する凸軸117が設けられており、凸軸117は、回動軸121aとは反対側から、カム118のカム孔118aに挿入される。そして、凸軸117は、サムターン20の回動に合わせて回動するように構成されている。凸軸117が回動することにより、羽117aがカム118の凸部118bと接触し、カム118を回動させる。サムターン20の凸軸117もカム118の中央付近までの長さを有し、鍵システム側のカムまでは到達しない長さとなっている。なお、ここで、図1に示すカム118の形状は図示した形状に限定されるものではなく、その他の形状であってもよい。カム118が、モータ120に設けた回動軸121aの羽121bと接触して回動するように構成されてさえいれば、その他の形状のカムであってもよい。
回動軸121a又はサムターン20の回動により、鍵ケース150内部に設けられた機構が動作して、デッドボルト16aが鍵ケース150から突出したり、突出した箇所が元の位置に戻ったりする。図2に示すように、カム118は、凸部118cを有し、カム118が回動する、凸部118cも矢印202で示される方向に回動する。凸部118cは、デッドボルト16aに設けられた凹部に挿入される。そして、凸部118cが回動することにより、デッドボルト16aは、矢印201で示される方向に移動する。この運動によりデッドボルト16aは、鍵ケース150から突出あるいは鍵ケース150に収納される。デッドボルト16aは鍵ケース150から突出して、扉が設置されている箇所の壁に設けられた受座16bに嵌合することで、錠が行われる。デッドボルト16aが鍵ケース150内に収納されると、開錠が行われたことになる。
扉には、部屋からみた外部側にユーザが扉を開閉するための取手10aが設けられる。また、当該取手10aに対応して、部屋の内部側にも、ユーザが扉を開閉するための取手10bが設けられる。取手10aは、取付柱11と、角芯12とを備え、角芯12が角芯孔14に嵌合し、取付柱11が取付柱孔13に嵌合して、取手10aは扉に設置される。ユーザが扉に設けられた取手10aを上下させることで、角芯12が回動し、当該回動に合わせてラッチボルト17aが鍵ケース150から突出したり、収納されたりする。これにより、ユーザは、扉の開閉を行える。ラッチボルト17aが突出している状態で、受座17bと嵌合して、扉が閉じた状態を維持することができる。
鍵システム1には、図示していないが、モータ120の回動状態(回動角)を検出するためのセンサ並びにサムターン20の回動状態(回動角)を検出するための検出機能が備えられている。例えば、カム118には、モータ120の回動角を検出するためのセンサが設けられているとともに、サムターン20の回動角を検出するためのセンサも設けられている。当該センサがあることにより、鍵システム1は、鍵が開錠状態にあるのか、施錠状態にあるかを検出することができ、その情報を、鍵システム1が設置されている場所を利用するユーザの端末等に通知することができる。
当該センシングは、一例として以下のようにして実現することができる。カム118に、モータ120と対向するように、フォトセンサを設けて、当該フォトセンサが検出している初期状態を記憶部151に記憶しておく。そして、上記状態と同様の状態を検知しているか否かに応じて、モータ120の回動状態を検出する。同様に、モータ120にも、カム118と対向する面にフォトセンサを設けて、当該フォトセンサがカム118の凸部118bを検知しているか否かに応じて、サムターン20の回動状態を検出する。そして、モータ120の回動状態とサムターン20の回動状態と、それぞれの初期状態における鍵の状態(施錠状態または開錠状態)から、現在、鍵が開錠状態にあるか、あるいは、施錠状態にあるかを特定することができる。なお、ここで述べたセンシング手法は一例であり、その他の手法としては、例えば、小型カメラを鍵システム1に設けて、撮像した画像を解析することにより、鍵の開錠状態、施錠状態を検出したり、デッドボルト16aと受座16bのいずれかに接触センサないしは距離センサを設けてデッドボルト16aと受座16bとがほぼ接触しているか近接しているか否かに応じて施錠状態にあるか開錠状態にあるかを検出したりすることとしてもよい。
本実施の形態における鍵システム1は、従来において、シリンダー錠を設けていた位置に、モータ120を設け、鍵ケース150内に鍵を施解錠する仕組みを搭載している。そして、扉外部に設けられる外部筐体100には、鍵錠を受け付ける入力部111が備えられる構造となっている。外部筐体100には、充電バッテリー用の端子301と、入力部111だけが設けられるので、比較的筐体を薄く構成することができるので、よりスマートな形状の外部筐体100を提供することができる。
また、鍵ケース150は、一般的に取り外し及びその取付が、一般的に知られる電気錠を取り付ける場合と比較して、容易である。本実施の形態に係る鍵システム1は、鍵ケースの交換と、扉の外部側への外部筐体100の取付及び内部側への動作用バッテリー171を含む内部筐体170の取付を行うだけで、電気錠としての仕組みを取り付けることができる。
このような鍵システム1を利用する鍵管理システムのシステム構成を、図4を用いて説明する。
図4は、鍵管理システムのシステム構成を示すシステム図であり、鍵管理サーバ200と、集合住宅等の各部屋の扉に設けられた複数の鍵システム1a〜1eとを含む。なお、ここでは、話を簡単にするために、鍵管理サーバが一台、鍵システムが5台ある例を示しているが、鍵管理サーバ200及び鍵システムの数はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。鍵管理サーバ200は、鍵管理システム上に複数台存在してもよいし、鍵システムも部屋ごとに設置される。鍵管理システムは、鍵管理サーバ200が各鍵システム1(1a〜1e)を一括管理するクライアントサーバ型で構成されてもよいし、複数の鍵管理サーバ200、鍵システム1が対等に通信するP2P型で構成してもよい。
鍵管理サーバ200は、通信部210と、制御部220と、記憶部230と、を含んで構成される。鍵管理サーバ200は、いわゆるサーバ機能を有するコンピュータにより実現され、メモリ(RAM、ROM)を含んで成る。
通信部210は、ネットワーク250に接続され、各鍵システムと通信を実行する機能を有する。通信部210は、ネットワーク250を介して、各鍵システムと通信できれば、どのような通信規格により通信を実行してもよく、有線、無線を問わない。
制御部220は、鍵管理サーバ200の各部を制御する機能を有する。制御部220は、記憶部230に記憶されている動作プログラムを実行することで各種の機能を実現する。制御部220は、通信部210から、ユーザ端末からの鍵要求を受け付けると、当該鍵要求に含まれる鍵システムが設置されている場所を特定する情報に基づいて、その場所を特定する。そして、鍵管理表500において対応する鍵システムの鍵情報を設定し、鍵管理表500に登録する。そして、制御部220は、設定した鍵情報を、鍵要求を行ったユーザ端末に通信部210を介して送信する。なお、対応する場所に既に登録機器が登録されている場合には、登録されている登録機器が鍵要求を行ったユーザ端末のIDに一致する場合には、対応する鍵情報を当該ユーザ端末に送信し、登録されている登録機器が鍵要求を行ったユーザ端末のIDに一致しない場合には、鍵要求を行ったユーザ端末に対して対応する場所を利用できない旨を通知する。また、鍵情報を設定した制御部220は、通信部210を介して、対応する鍵システムにも設定した鍵情報を送信する。なお、入力部111に対してユーザが直接番号等を鍵情報として入力するような場合には、制御部220は、鍵情報として入力すべきデータのテキストデータをユーザ端末に送信し、ユーザはそのテキストデータを見ることで入力すべき鍵を認識できる。
制御部220は、通信部210から認証情報を受け付けると、鍵管理表500において、認証情報を送信した鍵システムに対応する認証日時情報と認証成否に関する情報を登録し、記憶部230に記憶されている鍵管理表500を更新する。
また、制御部220は、必要に応じて、それまでの鍵を使用できないようにするために、鍵情報の削除指示を生成して、鍵システムに送信する機能を有する。
記憶部230は、鍵管理サーバが動作する上で必要とするプログラム、各種のデータを記憶する機能を有し、RAM、ROM等により実現される。記憶部230は、各鍵システムを管理するための鍵管理表500や、鍵情報を管理するための動作プログラムを記憶する。
なお、図示していないが、鍵管理サーバ200は、AC電源から電力の供給を受けて動作する。
図4に示すように、鍵システムの一つである鍵システム1aは、扉の外部側に設けられる外部筐体100と、扉内に設けられる鍵ケース150と、扉の内部側に設けられる内部筐体170とを含む。外部筐体100は、入力部111を含み、鍵ケース150は、制御部130と、記憶部151と、モータ120とを含む。また、内部筐体170は、動作用バッテリー171を含む。なお、図4では、各鍵システムを区別するために、鍵システムには、1a〜1eの符号を付しているが、特段区別する必要がない場合には、以下においては、「鍵システム1」と記載する。各鍵システムは、同様の構成を有するためである。
動作用バッテリー171は、鍵システム1の各部に電力を供給する機能を有するバッテリーである。当該バッテリーは例えばリチウムイオン電池などにより実現される。動作用バッテリー171は、着脱可能に構成されてよく、供給する電力が少なくなった場合に交換できるように構成されてもよい。
入力部111は、ネットワーク250を介して鍵管理サーバ200と通信を実行する機能も有する。入力部111は、ネットワーク250を介して、鍵管理サーバ200と通信できれば、どのような通信規格により通信を実行してもよく、有線、無線を問わない。また、入力部111は、ユーザ端末と近距離無線通信により通信を実行する機能も有する。当該近距離無線通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)規格、あるいは、その中でも消費電力の低いBluetooth low energy規格を利用してもよい。入力部111は、鍵管理サーバ200から受信した鍵情報を制御部130に伝達する。また、入力部111は、ユーザ端末から受信した鍵情報を制御部130に伝達する。また、入力部111は、制御部130から伝達された認証情報を、ネットワーク250を介して鍵管理サーバ200に送信する。なお、入力部111が利用可能な、その他の通信規格としては、例えば、Wi−Fi規格や、SIMカードを利用した通信等がある。SIMカードを利用した場合には、例えば、鍵管理システムにおいてインターネット回線の敷設を行うことなく通信を実行することができるという利点がある。また、SIMカードを利用した場合には、Bluetooth規格等様々な規格において利用されている2.4GHz帯を利用しないので、通信の混線等が発生しにくくなるという利点もある。
モータ120は、制御部130からの指示に従って、回動する機能を有する。モータ120の回動方向に応じて、扉に設けられた鍵の施開錠が行われる。
制御部130は、鍵システム1の各部を制御する機能を有する。制御部130は、記憶部151に記憶されている動作プログラムに従って動作するプロセッサ(マイクロコンピュータ)である。制御部130は、入力部111から、鍵管理サーバ200から送信された鍵情報を受け取った場合には、記憶部151に当該鍵情報を記憶する。また、制御部130は、入力部111から、ユーザ端末からの鍵情報を受け取った場合には、記憶部151から記憶している鍵情報を読み出して認証を実行する。記憶している鍵情報と、ユーザ端末からの鍵情報と一致した場合には、制御部130は、モータ120を回動させて鍵の施開錠を実行する。すなわち、鍵が閉じている場合(デッドボルト16aが突出している場合)には、鍵を明け、鍵が空いている場合(デッドボルト16aが鍵ケース150に収納されている場合)には、施錠する。記憶している鍵情報と、ユーザ端末からの鍵情報と一致した場合には、制御部130は、認証失敗を示す情報をユーザ端末に送信する。そして、制御部130は、自装置の鍵システムIDと、認証を行ったユーザ端末の機器IDと、認証を行った日時を示す情報と、認証の成否を示す情報とからなる認証情報を生成し、入力部111に鍵管理サーバ200に送信させる。また、制御部130は、鍵情報の削除指示を鍵管理サーバ200から受け付けた場合に、記憶部151に記憶している鍵情報を消去する。
記憶部151は、鍵システム1が動作する上で必要とするプログラム、各種のデータを記憶する機能を有し、RAM、ROM等により実現される。記憶部151は、施開錠の認証に用いる鍵情報を記憶する。当該鍵情報は、適宜、鍵管理サーバ200によって書き換え可能になっている。
なお、図4には、示していないが、ユーザ端末は、通信機能を有するユーザが保持する携帯電話やスマートフォン等の携帯通信端末により実現される。ユーザ端末は、例えば、部屋の賃貸に関するサイトにアクセスし、ユーザ入力に従って、賃貸したい部屋を内覧する場合などに鍵要求を鍵管理サーバ200に送信する。当該鍵要求は、ユーザ端末を一意に特定可能な識別情報である機器IDと、賃貸したい場所を特定できる情報(例えば、住所や賃貸する場所の名称など)とを含む。そして、当該鍵要求に応じて鍵管理サーバ200から鍵情報を受信するとこれを記憶する。そして、ユーザ端末は、賃貸する場所に設置されている鍵システムの近距離無線通信内に入ると、記憶している鍵情報を送信する。これにより、鍵情報が合っていれば施開錠がなされる。
以上が鍵管理システムに係る各装置の機能である。
<データ>
ここで、各鍵管理サーバ200が保持する鍵管理表500の詳細について説明する。図5は、鍵管理表500のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図5に示すように鍵管理表500は、鍵システムID501と、鍵情報502と、登録機器ID503と、認証日時504と、認証成否505と、設置場所506とが対応付けられた情報である。
鍵システムID501は、各部屋に設けられた鍵システム各々をシステム上で区別するために設定された識別情報である。
鍵情報502は、制御部220が鍵システムに対して設定する鍵情報であり、ユーザ端末及び鍵システムに記憶させる情報である。鍵情報は、鍵システムにおいて認証に用いられる。
登録機器ID503は、鍵システムが取り付けられた部屋を利用するユーザのユーザ端末を一意に特定できる機器の識別情報である。
認証日時504は、鍵システムにおいて、認証が実行された日時を示す情報である。
認証成否505は、鍵システムにおいて、対応する日時において実行された認証の成否を示す情報である。
設置場所506は、鍵システムが取り付けられている場所を示す情報であり、住所を示す。
図5によれば、例えば、鍵システムID501が「100b」の鍵システムには、鍵情報として「Kl38s*w」が対応付けられ、この鍵システムが取り付けられている部屋を利用するユーザのユーザ端末の機器のIDは、「FX23−R2900」である。当該鍵システム「100b」における認証は、「2016年1月23日13時41分」に行われ、認証が「成功」していることがわかる。そして、この鍵システム「100b」は、「A県B市C町一丁目○×ハイツ201」に設置されている。
このような鍵管理表500を鍵管理サーバ200が保持していることにより、各鍵システムは認証を実行できるとともに、過去に行われた認証や、誰がどこを利用したかの検索を簡単に行うことができる。
<動作>
ここから、本実施の形態に係り鍵管理システムの動作について説明する。図6は、鍵管理システムにおいて、ユーザが部屋を利用するための準備段階における処理を示したシーケンス図であり、ユーザ端末と、鍵管理サーバ200と、鍵システム1との間で行われるやり取りをしめしたシーケンス図である。
ユーザ端末は、鍵管理サーバ200に対して部屋の利用を要求する鍵要求を送信する(ステップS601)。
鍵管理サーバ200は鍵要求を受信すると使用する鍵システムを特定し、特定した鍵システムに鍵情報を設定する(ステップS602)。
また、鍵管理サーバ200は、鍵要求に含まれるユーザ端末の機器IDを、鍵システムIDに対応付けて鍵管理表500に記憶する(ステップS603)。
鍵管理サーバ200は、設定して記憶した鍵情報を、鍵要求を行ったユーザ端末に送信する(ステップS604)。
ユーザ端末は、鍵管理サーバ200から受信した鍵情報を記憶する(ステップS605)。
同様に、鍵管理サーバ200は、特定した鍵システムに、設定した鍵情報を送信する(ステップS606)。
鍵システム1は、鍵情報を受信すると記憶部に記憶する(ステップS607)。これにより、ユーザ端末を利用して鍵システム1が設置されている部屋を利用する準備が整う。
次に、ユーザ端末を保持するユーザが部屋を利用する際の鍵管理システムの動作を説明する。
ユーザ端末は、部屋の近くに到着すると、すなわち、鍵システム1の近距離無線通信圏内に入ると、鍵情報を鍵システム1に送信する(ステップS701)。鍵システム1は、鍵情報を要求する要求信号を発信しており、ユーザ端末は、当該要求信号に応答する応答信号として、鍵情報を送信する。これは、ユーザ自身が、ユーザ端末を利用して、鍵情報を送信する構成であってもよい。
鍵システム1は、鍵情報を受信すると、記憶している鍵情報と照合して認証を行う(ステップS702)。
鍵システム1は、認証結果に応じて、扉の鍵の施解錠を実行する(ステップS703)。
鍵システム1は、認証を実行すると、認証を行った日時情報、認証の成否に関する情報を含む認証情報を生成する(ステップS704)。そして、鍵システム1は、生成した認証情報を鍵管理サーバ200に送信する(ステップS705)。
鍵管理サーバ200は、認証情報を受信すると、記憶している鍵管理表500を更新する。
図7に示す処理を実行することにより、鍵管理システムは、鍵の施解錠を実行できるとともに、認証を行った情報を蓄積することができる。
図8は、鍵システム1の動作を示すフローチャートである。図4に示したいずれの鍵システム1a〜1eも図8に示す処理に従って動作する。
鍵システム1の入力部111は、情報を受信する。当該情報が鍵管理サーバ200からの鍵情報である場合に(ステップS801のYES)、入力部111は、制御部130に鍵管理サーバ200からの鍵情報を伝達する。
制御部130は、入力部111を介して、鍵管理サーバ200からの鍵情報を受け付けると、記憶部151に受け付けた鍵情報を記憶して(ステップS802)、処理を終了する。
受信した情報が鍵管理サーバ200からの鍵情報ではなく(ステップS801のNO)、ユーザ端末からの鍵情報であった場合に(ステップS803のYES)、入力部111は、受信したユーザ端末からの鍵情報を制御部130に伝達する。
すると、制御部130は、記憶部151に記憶している鍵情報を読み出す(ステップS804)。そして、制御部130は、伝達されたユーザ端末からの鍵情報と、記憶部151から読み出した鍵情報とが一致するか否かを判定する(ステップS805)。
ユーザ端末からの鍵情報と、記憶部151から読み出した鍵情報とが一致した場合に(ステップS805のYES)、制御部130は、モータ120を回動させて扉の鍵の施解錠を実行する(ステップS806)。すなわち、制御部130は、鍵が閉じていた場合には鍵を開け、鍵が開いていた場合には鍵を閉じる。
一方、ユーザ端末からの鍵情報と、記憶部151から読み出した鍵情報とが一致しなかった場合に(ステップS805のNO)、鍵システム1は、鍵が間違っていることを示す情報をユーザ端末に送信することで報知する(ステップS807)。
その後に、制御部130は、自装置の鍵システムIDと、認証を行った日時情報、認証の成否を示す情報、認証を行ったユーザ端末の機器IDとを含む認証情報を生成する。そして、制御部130は、入力部111を介して、鍵管理サーバ200に送信して(ステップS808)、処理を終了する。
受信した情報がユーザ端末からの鍵情報ではなく(ステップS803のNO)、鍵情報の削除指示を受信した場合に(ステップS809)、入力部111は、当該削除指示を制御部130に伝達する。制御部130は、削除指示を受け付けると、記憶部151に記憶している鍵情報を削除するとともに、モータ120を制御して扉の鍵を施錠して(ステップS810)、処理を終了する。
以上が鍵システム1の動作である。
次に、鍵管理サーバ200の動作について説明する。図9は、鍵管理サーバ200の動作を示すフローチャートである。
鍵管理サーバ200の通信部210は、情報を受信する。当該情報が、ユーザ端末からの鍵要求である場合に(ステップS901のYES)、通信部210は、当該鍵要求を制御部220に伝達する。当該鍵要求は、ユーザ端末からの利用したい場所に関する情報を含む。制御部220は、伝達された鍵要求に含まれる場所情報を特定し、特定した場所情報を用いて、鍵管理表500の設置場所506を参照して、対応する鍵システムを特定する(ステップS902)。
制御部220は、特定した鍵システムに対して、鍵管理表500の登録機器ID502を参照して、要求されている場所を利用している機器があるか否かを参照する(ステップS903)。登録機器がある場合(ステップS903のYES)、すなわち、鍵管理表500において対応する登録機器ID欄にデータが登録されている場合には(ステップS903のYES)、制御部220は、鍵要求を行ったユーザ端末に対して、要求している場所は使用できない旨をユーザ端末に通知して(ステップS904)、処理を終了する。
登録機器がない場合(ステップS904のNO)、すなわち、鍵管理表500において、対応する登録機器ID欄にデータが登録されていない場合には、制御部220は、当該鍵システムにおいて利用する鍵情報を設定し、鍵管理表500に登録する(ステップS905)。
制御部220は、通信部210を介して、設定した鍵情報を、鍵要求を行ったユーザ端末と、鍵要求に対応する鍵システムとに送信し(ステップS906)、処理を終了する。
ユーザ端末からの鍵要求ではなく(ステップS901のNO)、鍵システムから認証情報を受信した場合には(ステップS907のYES)、通信部210は、制御部220に当該認証情報を伝達する。前述の通り、認証情報には、認証を行った鍵システムIDと、認証を行った日時情報と、認証の成否情報と、認証を行ったユーザ端末の機器IDとを含む。制御部220は、伝達された認証情報から各情報を抽出し、鍵管理表500の対象箇所に新たに追加登録する(ステップS908)。すなわち、認証情報に含まれる鍵システムIDから、鍵管理表500の対応する箇所を、鍵システムID501を参照して特定する。そして、対応する認証日時504に、認証情報に含まれていた日時情報を登録し、認証成否505に、認証情報に含まれていた成否情報を登録して、終了する。なお、このとき、登録機器ID503と、認証情報に含まれているユーザ端末の機器IDとが一致しないときには、制御部220は、その旨をオペレータの端末に通知する。
一方、通信部210が受信した情報が、ユーザ端末からの鍵要求でもなく(ステップS901のNO)、鍵システムからの認証情報でもなく(ステップS907)、オペレータからの、鍵システムIDを含む鍵情報の削除指示を受け付けていると(ステップS909)、制御部220は、対応する鍵システムに対する鍵情報の削除指示を生成する。そして、制御部220は、通信部210を介して、対応する鍵システムに生成した鍵情報の削除指示を送信し(ステップS910)、処理を終了する。
以上が、鍵管理サーバ200の動作である。
<鍵情報のセキュリティ性について>
上記図4には、示していないが、鍵管理システムには、複数の鍵管理サーバ200が設置される。
各鍵管理サーバ200は、上述した機能を有するとともに、各鍵管理サーバ200間で、鍵管理表500を共有しあう。そして、いずれかの鍵管理サーバ200の情報が改ざんされて、悪意のある第3者が特定の部屋の扉の鍵を改ざんした鍵で施解錠したときに、他の鍵管理サーバ200が保持している鍵管理表500に登録されている鍵とは異なる鍵での施解錠を行った認証情報が登録されたときに、当該改ざんを発見することができる。
<まとめ>
上記実施の形態に示したように、鍵管理システムは、ユーザ端末に対して、鍵の電子データを送信し、ユーザ端末は受信した鍵の電子データを用いて、鍵システムとの通信を行って、扉の鍵の施解錠を行う。したがって、鍵管理システムは、物理鍵を用意する必要がなく、運営コストを低減できる。また、部屋の賃貸を行うにあたって、内覧等を行う際に、貸主や不動産会社が立ち会って開錠してもらう必要があったが、上記実施の形態に係る鍵管理システムを利用すれば、通信をするだけで、鍵の準備ができるので、内覧における、貸主側借主側双方の利便性を格段に向上させることができる。
また、本実施の形態に係る鍵システムによれば、従来、シリンダー錠を備えていた位置であって、鍵ケースのカム部分にモータを設けて、サムターンと連動させつつ、鍵の施解錠を実行できる仕組みを設けている。したがって、鍵システムの取り付けに当たっては、従来のシリンダー錠を除去して、鍵ケースの交換を行い、外部筐体と内部筐体とを取り付けるだけでよく、鍵システム1を取り付けるために扉に新たな貫通孔等を設ける必要がなくなるので、設置が容易になる。
<補足>
本発明に係る視線検出システムは、上記実施の形態に限定されるものではなく、その発明の思想を実現するための他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種の参考例について説明する。
(1)上記実施の形態においては、鍵情報は、一つの扉に設けられた鍵システムに対応付けられたものであった。しかし、当該鍵情報は、複数の扉に設けられた鍵を開錠するための鍵として用いられてもよい。
具体的には、例えば、集合住宅には、建物自体へのエントランスに鍵がかけられた扉があり、さらに、部屋にも鍵がかけられるものがある。そのような集合住宅において、上記実施の形態に示した鍵を部屋の鍵として利用する一方で、その集合住宅の建物に入るためのエントランスの鍵としても利用できるようにしてもよい。すなわち、建物のエントランスに、ユーザ端末と通信を実行する通信部、認証を行う認証部、鍵を開錠する制御部を設けて、当該通信部が、ユーザ端末から鍵情報を受信し、認証部が受信した鍵情報を認証し、認証の成否に応じて扉の鍵を開錠することとしてもよい。このとき、エントランスに設けられた認証部は、建物内に設置された鍵システム全ての鍵情報を保持し、建物内の鍵システムとして設定された鍵情報のいずれでも開錠ができるように設定される。当該設定は、エントランスに設けられた認証部(認証装置)に対して、直接管理者がハードウェアキーなどを利用して直接設定してもよいし、鍵管理サーバ200から、通信部を介して設定することとしてもよい。
このような構成の鍵管理システムによれば、建物のエントランス部と、部屋とで、二つの鍵が必要になるところ、二つの物理鍵を用意する必要もなければ、複数の鍵を管理する必要もなくなる。特に賃貸物件の内覧等を行う際に複数の物理鍵を準備する必要がなくなるので、ユーザの利便性が格段に向上する。
上記実施の形態においては、鍵システム1は建物の部屋の扉に設ける例を示したが、これは、部屋の扉に限るものではない。本発明に係る鍵システム1は、例えば、貸倉庫の鍵、トランクルームの鍵、自動車の鍵など、鍵を利用する場面において様々な用途に用いることができる。
(2)上記実施の形態においては、ユーザ端末が保持する鍵情報の認証は、鍵システム1が実施することとしているが、これはその限りではない。鍵情報の認証は、鍵管理サーバ200が実行することとしてもよい。すなわち、鍵システム1は、ユーザ端末から鍵情報を受け付けると、ユーザ端末の機器IDと受け付けた鍵情報を鍵管理サーバ200に送信する。鍵管理サーバ200は、受信した鍵情報と、ユーザ端末の機器IDと、鍵情報を送信した鍵システムの鍵システムIDと、に基づいて、保持している鍵管理表500を参照して、受信した鍵情報が正当な鍵であるか否かを認証する。そして、鍵管理サーバ200は、認証結果を示す認証結果情報を鍵情報を送信した鍵システムに送信し、鍵システムは受信した認証結果情報に応じて扉に設けられた電気錠の施解錠を実行する。このような構成によっても上記実施の形態と同様の効果を奏する鍵管理システムを提供することができる。
(3)上記実施の形態の鍵管理表500には示していないが、鍵管理表500は、その他にも、鍵を利用するユーザに関するユーザ情報や、鍵を利用する契約を行った日時の情報なども対応付けられてもよい。
(4)上記実施の形態では、鍵システム1は、動作用バッテリー171を備えて、鍵システムを構成する各機能部を動作させるための動力源としたが、鍵システム1は、部屋内部のAC電源から電力供給を受けて動作する構成を備えてもよい。
(5)上記実施の形態では、ユーザ端末が鍵を鍵管理サーバ200から受け付け取っていれば、扉の鍵を開錠できるようにしているが、これにさらに時間制限を設けてもよい。すなわち、鍵管理サーバ200は、鍵システムに対して鍵情報を送信する際には、当該鍵情報を利用できる日付や時間帯の情報を含ませても良い。そして、鍵システムは、受信した日付や時間帯の情報で示される日時でのみ認証を実行するように構成されていてもよい。
(6)上記実施の形態では、鍵システム1は、物理鍵を必要としない構成であるが、ここに更に、物理鍵も導入して、よりセキュリティ性を高めることとしてもよい。
(7)上記実施の形態においては、鍵システムがユーザ端末から受け付けた鍵情報の認証を行うこととしたが、これはその限りではない。鍵管理サーバ200が実行してもよい。すなわち、鍵システムは、ユーザ端末から鍵情報を受信すると、自装置の鍵システムIDと、ユーザ端末から受け付けた鍵情報とを鍵管理サーバ200に送信する。鍵管理サーバ200は、受け付けた鍵システムIDと、鍵情報の組み合わせが鍵管理表500に登録されているか否かを検証する。そして、登録されていた場合には、認証成功を鍵システムに送信し、登録されていなかった場合には、認証失敗を鍵システムに送信する。そして、鍵システムは、鍵管理サーバ200から受け付けた認証情報の内容に応じて、すなわち、認証成功を受信した場合に施解錠を実行し、認証失敗を受信した場合には、施解錠を実行しない。
(8)上記実施の形態においては、特に記載していないが、鍵システム1は、ユーザによる入力が可能な入力キーを備える構成を備えても良い。そして、鍵管理サーバ200は、入力すべき鍵情報をユーザ端末に送信する。そして、ユーザは、ユーザ端末が受信した鍵情報を見て、その鍵情報を鍵システム1に設けられた入力キーに入力するという構成をとって、上記実施の形態に示した、近距離無線通信による鍵情報のやり取りに換えてもよい。
(9)上記実施の形態において、特に記載していないが、鍵管理サーバ200は、鍵システムの鍵情報を定期的に変更してもよい。そして、変更した後に、対応する登録機器IDを有するユーザ端末に送信して、更新後の鍵情報を使用した開け閉めを実行させてもよい。これにより、部屋のセキュリティ性を向上させることができる。
(10)上記実施の形態において、特に記載していないが、各鍵システム1に、当該鍵システム1のそばに人体が存在するか否かを検知する人体検知センサを備えることとしてもよい。そして、平時においては、動作用バッテリー171は人体検知センサのみに電力を供給し、人体検知センサが人体を検知した場合に、動作用バッテリー171は、鍵システム1の各部に電力を供給する構成としてもよい。これにより、鍵システム1において最も電力消費の大きい入力部111の省電力を図ることができる。
(11)上記実施の形態において、特に記載していないが、鍵システム1は、表示装置(いわゆる、モニター)や、音声出力装置(いわゆる、スピーカ)を備えてもよく、ユーザに対する情報発信に用いられてよい。例えば、上記実施の形態でいえば、認証の成否についての報知を表示装置や音声出力装置を用いて実行してもよい。
(12)上記実施の形態に示した鍵ケース150は、更に、その利便性を向上させるべく以下のような構造を有してもよい。
即ち、扉によっては、受座16bと受座17bとの間隔がまちまちであることがある。そこで、鍵ケース150を、その様々な間隔の受座に簡単に対応できるように、その内部で3つの筐体でモジュール化してもよい。即ち、図10に示すように、カム118とモータ120と、制御回路130と、デッドボルト16aとを備える第1筐体150aと、ラッチボルト17aを備える第2筐体150cと、第1筐体150aと第2筐体150cとの間の隙間を埋めるスペーシング筐体150bとを備え、それらが、図10に示されるように、鍵ケース150内に収容されるようにしてもよい。様々な幅のスペーシング筐体150bを用意しておくことで、様々な間隔の受座に対応できる鍵ケース150を提供することができる。
なお、ここでは、鍵ケース150内に、第1筐体150aと、スペーシング筐体150bと、第2筐体150cとを収納することとしたが、これらは、鍵ケース150内に収納するのではなく、直接接合して、鍵ケース150を形成することとしてもよい。
また、スペーシング筐体150b以外の手法により、第1筐体150aと第2筐体150cとの間の距離を可変にしてもよい。例えば、スペーシング筐体150bに代えて、ばね部材を挿入することとしてもよいし、第1筐体150aと第2筐体150cとの間の距離を保てる他の保持部材により実現することとしてもよい。
(13)上記実施の形態においては、外部筐体100は、充電用バッテリーを充電用バッテリー挿入部112に挿入することで、有線により動作用バッテリー171に充電することとしているが、これは、その限りではない。外部筐体100は、充電用バッテリーから、無線により電力を受給することとしてもよい。即ち、外部筐体100は、充電用バッテリー挿入部112と端子301に代えて、受電アンテナを備え、充電用バッテリーは送電アンテナを備え、両アンテナ間で非接触電力伝送により電力の授受を実行することとしてもよい。なお、非接触電力伝送には、電磁誘導方式や電磁界共鳴方式、電波法式などの手法があるが、そのいずれを用いてもよい。受電アンテナは、制御回路130を介して、または、直接、動作用バッテリー171に接続され、動作用バッテリー171の充電が行われる。
また、このような場合には、外部筐体100の受電アンテナは、扉のどこに設置しているのかわからないように、外見を偽装することとしてもよい。例えば、扉と同色のカラーリングを施したり、扉内部に埋め込むようにしたりしてもよい。これにより、第3者による、受電アンテナに対する異常操作を抑制することができる。
(14)上記実施の形態においては、外部筐体100は、ユーザからの入力を受け付ける機能と、充電用バッテリーを装着して電力を受給する機能とを備えることとしているが、これは、各機能を別々の装置で実現する構成としてもよく、両装置を、扉の表側の別々の位置に配してもよい。例えば、入力部を含む装置を、扉の表側であって、ユーザの目線に近い位置に配し、充電機能を有する装置を、ノブの下側に設けることとしてもよい。入力部に関しては、ユーザの目線に近くなる位置に配した方が、ユーザビリティの向上が望める。
(15)上記実施の形態においては、外部筐体100は、ドアノブの近傍に設けることとしているが、これはその限りではない。外部筐体100は、扉の表側であれば、どこに設けてもよい。このとき、ユーザの目線に近い位置に外部筐体100を配することで、外部筐体100の入力部をタッチパネル等により形成する際にユーザにとって見やすくすることができるので、外部筐体100のユーザビリティを向上させることができる。なお、この結果、外部筐体100は、鍵ケース150からは、離れて配することになるため、配線工事等の問題から有線による接続が困難になる場合がある。そのような場合には、制御回路130と外部筐体100は、有線により接続せず、制御回路130と外部装置100の入力部111との双方に、無線通信機能を持たせて、無線による情報伝達を行う構成としてもよい。
(16)上記実施の形態においては、デッドボルト16aとラッチボルト17aとが別に構成された鍵ケース150を用いた例を示しているが、これは、デッドボルトとラッチボルトとが一体となった鍵ケースであってもよい。図11にその一例を示す。図11は、鍵ケースであって、デッドボルトとラッチボルトとを一体とした場合の構造を示す図である。図11に示す鍵ケース150の場合、鍵ケース150からは、ボルト1100のみが突出、収納される構造となる。ボルト1100内部においては、デッドボルトとして機能するデッドボルト部材1106と、ラッチボルトとして機能するラッチボルト部材1107とが含まれ、それぞれ、矢印201及び矢印1104で示す方向に稼働する。
図11には示していないが、ボルト1100の筐体には、凸部118cを挿入するための開口、ノブの角芯12の回動に伴い矢印1102で示す方向に回動する凸部1108を挿入するための開口、弾性部材1103を挿入するための開口を有する。デッドボルト部材1106は、上記実施の形態に示したのと同様に、モータ120の駆動によってスライドする。図11においては、デッドボルト部材1106が突出し、施錠されている状態を示している。
一方、ラッチボルト部材1107は、常時、弾性部材1103により、鍵ケース150から突出させられる状態になる。これに伴い、ラッチボルト部材1107を覆うボルト1100も突出した状態になる。弾性部材1103は、いわゆるバネである。ラッチボルト部材1107は、ユーザがノブを回すことにより、角芯12が回動し、これに伴って凸部1108が、図11において時計回りに回動する。これにより、凸部1108がラッチボルト部材1107の端部に接触し、ラッチボルト部材1107全体を、図面右側に向けて移動させる。ラッチボルト部材1107の右側端部は、ボルト1100の右側端部と接触し、併せて、右側に向けて移動する。これによって、デッドボルト部材1106が開錠状態(鍵ケース150内に収納されている場合)にある場合に、ボルト1100は、鍵ケース150内部に収納され、扉を開けることができるようになる。なお、図11に示す構造例は一例であり、その他の構造により同様の構成を実現することとしてもよい。このような、ラッチボルトとデッドボルトとが一体に構成された鍵ケースにおいても、上記実施の形態に示した場合と同様の効果を奏する鍵ケース及び鍵システムを提供することができる。
(17)上記実施の形態においては、鍵管理システムの運用の手法として、鍵管理サーバ200のプロセッサ並びに鍵システムのプロセッサが認証プログラム等を実行することにより、鍵の認証を行うこととしているが、これは鍵管理サーバ200または鍵システム1に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。すなわち、図12に示すように、鍵管理サーバ200は、通信回路210と、制御部220と、記憶回路230とから構成されてよく、それぞれの機能は、上記実施の形態に示した同様の名称を有する各機能部と同様である。また、同図に示すように、鍵システム1(1a、1b、1c、1d、1e)は、入力回路111と、制御回路130と、モータ120と、記憶回路151と、動作用バッテリー171とから構成されてよく、それぞれの機能は、上記実施の形態に示した同様の名称を有する各機能部と同様である。
また、上記認証プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記認証プログラムは、当該認証プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。本発明は、上記認証プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、上記認証プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective−C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
(18)上記実施の形態に示した構成や、補足に示す各構成は、適宜組み合わせることとしてもよい。